0 松本市における公共交通活性化の取組み 松本市政策部交通政策課長寺沢健 matsumoto bus
松本市の鉄道 バス路線網の概要 1 中信地区の交通結節地 松本 松本市は 長野県内でも有数の交通結節地であり 各 路線が 松本駅 を中心に繋がっている また バス も松本駅を中心として 松本地区内の循環線 ( タウンス ニーカー含む ) 各地区への路線が整備されている 奈川温泉 川浦 安曇地区 乗鞍線 奈川地区 上高地線 奈川地区市営バス 奈川度ダム 梓川地区 八景山 新島々 稲核線 波田地区 J R 大糸線 一日市場駅 梓川線 松本電鉄上高地線 信州まつもと空港 塩尻 J R 中央西線 明科 野自JR 篠ノ井線 高速バス 会吉 四賀地区 向原 市営バス 小胡桃 四賀地区 化石館 保福寺下町 四賀線 松本 市内循環線 J 松本地区 R 篠ノ 市内各路線松本市総合計画策定に係る基礎調査報告書改訂長井 線 JR 中央東線 四賀高速バス停 動車道会田線 上図は略図のため実際の路線とは異なることがあります 一部市内中心部の路線は省略しています
松本市からの各種交通による所要時間 2 3 時間 航空機 鹿児島 (3 時間 5 分 ) 2 時間札幌 (1 時間 25 分 ) 1 時間 新宿 (2 時間 30 分 ) 名古屋 (2 時間 ) 鉄道 静岡 (55 分 ) 長野 (50 分 ) 福岡 (1 時間 45 分 ) 長野 (1 時間 19 分 ) 高山 (2 時間 20 分 ) バス 新宿 (3 時間 12 分 ) 名古屋 (3 時間 20 分 )
松本市域における 乗合バス 輸送実績 乗合バス ( 松本電気鉄道 ) 松本電気鉄道株式会社提供 3 利用者は減少傾向 H19 に経営破綻後 H20 H21 に大幅な路線の見直しを実施 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 営業キロ ( 千 km) 輸送人員 ( 千人 ) 1,000 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度 H19 年度 H20 年度 H21 年度
JR 松本駅の 1 日平均乗車人員数の推移 ( 利用者減少駅 ) JR 松本駅 過去 10 年間継続して減少傾向にある 平成 8 年度と比較すると1 日当たりの4,500 人ほど利用者が減少 市内及び隣接市の駅では 村井駅や塩尻駅 島内駅なども同様に減少傾向にある JR 長野支社提供 (2007 年 8 月提供資料 ) 4 17,500 17,000 16,983 16,620 松本駅 1 日平均乗車人数の推移 ( 人 ) 16,500 16,000 15,500 16,240 15,923 15,493 15,367 15,780 15,000 14,868 14,500 14,000 13,500 H13 年度 H14 年度 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度 H19 年度 H20 年度
上高地線の 1 日平均乗車人員数の推移 松本電気鉄道株式会社提供 (2007.8) 5 松本電気鉄道上高地線 ( 路線全体 ) 年々利用者は減少傾向にあり 10 年間で一日あたり 1,100 人ほどの利用者が減少している 4,100 4,016 上高地線 1 日平均乗車人数の推移 ( 人 ) 4,000 3,902 3,900 3,800 3,700 3,600 3,806 3,715 3,681 3,599 3,723 3,816 3,775 3,500 3,400 3,300 H13 年度 H14 年度 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度 H19 年度 H20 年度 H21 年度
市営 ( 旧村営 ) バス の運行 ( 廃止代替路線 ) 市営バス 松本市総合計画策定に係る基礎調査報告書提供 H18 データを松本市より取得し改訂 廃止路線の代替輸送として開始 四賀地区では 運行開始から徐々に利用者が減少する傾向にある 奈川地区は 四賀地区より人口比から見ると利用は多い ただし 2 万人全てが一般利用ではなく スクールバス利用者が含ま れるため 一般利用は年間 5,000 人程度となる 両路線とも 採算性は非常に厳しい状況にある 6 30,000 25,000 20,000 18,538 奈川 ( 人 ) 四賀 ( 人 ) 市営バスの年間利用者の推移 ( 人 ) 20,038 18,542 16,428 16,024 17,266 26,128 22,272 21,319 15,000 10,426 10,000 6,814 6,799 6,647 5,790 5,390 4,785 5,333 6,492 5,000 0 H13 年度 H14 年度 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度 H19 年度 H20 年度 H21 年度市営期間 村営期間市営期間
松本市の自家用車登録台数 松本市における自家用車の保有登録台数は 年々増加傾向にある 各年度の登録台数総数を松本市の世帯数で割ると 1 世帯あたり1.4 台から1.5 台へと推移している 陸運局長野運輸支局提供 (2007.8) 松本市 H14 年度 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度 普通乗用 30,38931,57132,60636,39436,773 小型乗用 57, 56, 55, 60, 59, 軽四輪乗用 25, 27, 29, 34, 36, 自家用計 114,011 115,520 117,514 131,188 131,996 世帯数 82690 83223 83603 89226 89904 世帯別の自動車保有率 1.4 台 1.4 台 1.4 台 1.5 台 1.5 台 7 台 70,000 松本市における車格別自家用車登録台数の推移 60,000 小型 57,736 56,443 55,726 60,653 59,105 50,000 40,000 普通 30,000 軽四 20,000 30,389 25,886 31,571 27,506 32,606 29,182 36,394 34,141 36,773 36,118 10,000 0 H14 年度 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度
福祉 100 円パス利用者数の推移 松本市提供 (2007.8) 8 高齢者や障害者の方の交通手段を確保することで 生きがい 健康づくりや社会活動を支援するとともに 公共 交通機関の利用促進を目的として福祉 100 円バス助成事業を実施 対象は 市内在住で 1. 満 70 歳以上の方 2. 身体障害者手帳 療育手帳 精神障害者保健福祉手帳のいずれかをお持ちの方 制度の利用状況はかなり高い 700,000 650,000 福祉 100 パス利用者数の推移 ( 人 ) 673,789 639,446 641,638 634,504 648,810 H21 年度市の助成実績委託料 48,000 千円契約先松本電鉄 619,890 600,000 550,000 521,713 500,000 450,000 477,892 451,131 400,000 H13 年度 H14 年度 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度 H19 年度 H20 年度 H21 年度
松本市の主な交通政策 9 乗って残す 乗って活かす公共交通 市営バス運行事業 地域新交通システム事業 ⑴ 市営バス 四賀線 奈川線 の運行 年間約 3 万人が利用 ⑵ 廃止代替バスとして旧村時代から運行 今後は 地域新交通システムのなかで見直す ⑴ 西部地域の取組み昨年 8 月からコミュニティバス方式により 4 ルートを実証運行 ⑵ 四賀地域の取組み昨年度 国の事業を活用するため 3 カ年計画を策定 今年度は実証運行に着手 ⑶ 地域主導型公共交通システム助成事業 住民自らが交通手段を確保しようとする場合に 行政が計画段階から関与し 運行経費の一部を助成する 公共交通維持 活性化支援事業 パークアンドライド 推進事業 次世代交通政策研究事業 ⑴H20.4 月松電から廃止提案がされたバス路線の一部を公費で運行維持 ⑵ 低床型ハイブリットバス車両の購入助成 ⑴ 新村駅 (50 台 ) 平田駅 (77 台 ) に P&R 駐車場を設置 ⑵ 中心市街地における渋滞緩和策の一つとして今後 検討 次世代における 交通の街づくり を進めるため 今年度は市民会議を設置し 市民とともに政策研究を進める 市交通政策関係予算 約 2.4 億円
松本市地域新交通システムへの提言平成 21 年度の取組み _(H20.3) から 4つ の公共交通基盤課題と5 つの課題地域 分析結果から松本市の地域交通を円滑化し 市全体の公共交通網の拡充や利用促進に影響すると考える地区を選出 四賀地域 四賀地域公共交通協議会 10 梓川 - 島内地域 + 市街地南部地域 ( 鎌田 松南 庄内等 ) 奈川 安曇地域 波田地域 (H22.3.31 合併 ) 河西部南部地域 西部地域公共交通協議会
松本市西部地域における実証運行等の実施内容 概要 西部地域 合併により拡大した市域に対応し 交通空白地域の解消と効率的な公共交通手段を確保するため 既存の公共交通機関を最大限に活用しことを前提に 実現性の高い新交通システムの構築を目指し 総合連携計画に基づいた事業を実施 コミュニティバスの実証運行及びそれに伴う事業 1 運行車両小型車両 (9 人乗りジャンボタクシー ) によるコミュニティバス方式 2 運行ルート等平成 21 年度の利用状況 住民意見交換会の結果等を評価 検証したうえで より利便性が向上するよう見直しを実施 3 評価 検証実証運行に関わる評価 検証事業などを併せて実施 既存公共交通改善のための事業 1 廃止代替策としてバスを運行 梓川線全線 (4 月 ~7 月 ) 空港 朝日線の信州まつもと空港 上今井の区間 2 評価 検証一定期間における乗降調査を実施し評価 検証を実施 公共交通利用促進のための事業公共交通に対する啓発及び情報提供事業等を実施 評価検証業務委託事業連携計画に基づき事業を進めるにあたっての評価検証の実施 空港 朝日線 梓川線 コミュニティバスの運行 (H22.8 からのルート )
松本市西部地域コミュニティバス利用状況 (H21.8 ~H22.8) 12 月別利用者数 ( スクール除く ) A 線 B 線 C 線 D 線 1 便あたり乗車人数 人 3000 2500 0.97 0.991.01 0.91 0.90 0.94 0.95 832 2000 0.73 0.810.810.88 0.80 計 1,759 計 1,709 計 1,554 計 1,510 計 1,657 計 1,679 計 1,439 計 1,376 計 1,470 419 1500 計 1,267 計 1,248 488 431 317 472 450 計 1,148 372 267 372 282 311 538 264 307 326 196 291 226 272 385 364 287 404 275 367 347 334 404 1000 253 299 323 292 377 345 427 343 350 388 500 629 303 412 443 433 374 394 579 517 470 536 518 839 0 人 / 便 1.311.40 計 2,628 1.20 1.00 0.80 0.60 0.40 0.20 0.00 H21.8 H21.9 H21.10 H21.11 H21.12 H22.1 H22.2 H22.3 H22.4 H22.5 H22.6 H22.7 H22.8 H22.8 より ルート ダイヤを見直し変更主な変更点 1 ルート コミュニティバス全 4 路線すべてを上高地線新村駅で接続 2 ダイヤ JR 松本電鉄上高地線との接続を最大限考慮 昼間の時間帯は買物時間 (1 時間 ~1 時間 30 分程度 ) を優先 新たなサービス開始 1 回数券 200 円 12 枚綴で 2,000 円 2 ポイントカードサービス 特典サービス協力店舗 施設 :4 店舗 3 フリー降車 4 持ち運びのできるサイズの時刻表作成
13 松本市四賀地域における実証運行等の実施内容 民間公共交通機関の活用と改善に向けた事業及びそれ に伴う事業 ①四賀線の運行経路やダイヤの見直し及び公費負担によ る上限500円運賃の設定 ②一定期間における乗降調査による評価 検証 市営バスの実証運行及びそれに伴う事業 ①市営バスの実証運行 利用の見られなかった日中の運行を休止し 機能を朝夕 の通勤 通学対応として効率的な運行を図る ②運行の周知 啓発 実証運行に関わる評価 検証 地域内の移動を担保する公共交通を確保する事業 ①日中の地域内移動と明科への移動を確保するため 小 型車両を使用してのデマンド運行の実施 ②乗降調査による評価 検証 公共交通の利便性を向上させるための事業 ①交通結節点におけるパークアンドライド駐車場の整備 ②待合所 駐輪場等の施設整備の検討 H22.10.1 H22.9.30 長野自動車道 市営バス 長野自動車道 市営バス 四賀線 会田線 四賀地域バス 定時定路 四賀線 パークアンド ライド駐車場 四賀地域バス デマンド 松本市地域新交通システム検討委員会 H19年度
パークアンドライド事業 14 P&Rとは 中心市街地の渋滞緩和や排ガス削減のために 自家用車から鉄道やバスに乗り換えて市街地への移動を行うこと 神林 ( 高速バス乗り場 55 台 (H22.4 月に135 台に拡張し松電に管理運営を移管 ) 新村駅( 上高地線 50 台 ) 平田駅(JR 篠ノ井線 77 台 ) の3 箇所でパークアンドライド (P&R) 事業を実施 利用台数は増加傾向にあり また 平成 20 年 3 月に開設した平田駅 P&R 駐車場は開設当初から満杯状態で 市民にも浸透してきていることが分かる 新村駅パークアンドライド駐車場利用状況 神林パークアンドライド駐車場利用状況
15 タウンスニーカー 松本市地域新交通システム検討委員会 H19年度
次世代交通政策 ひと優先の交通街づくり の提言 16
新たな試み バス DAY まつもと で 5 月 29 日 ( 土 ) 30 日 ( 日 ) クラフトフェアまつもと があがたの森公園で開催されるのに併せ 市民に 車利用ではなく 公共交通利用を呼びかける バス DAYまつもと を実施 目的 市民の移動は マイカーではなく路線バスなどを利用し 県外からの来場者は P&R 駐車場や公共交通を組み合わせて利用することで 中心市街地における交通量自体を減少させ 交通渋滞の緩和を図ること マイカーではなく 歩くことで健康面 環境面にも優しい公共交通を先ずは利用してもらうことで その利便性の高さを体感してもらうこと 内容 路線バス運行 松電の市内を運行する全バス路線を終日 平日ダイヤで運行 大人 100 円 /1 回 1 日フリーパス券 300 円 /1 日 小学生以下無料 西部地域コ 5 月 30 日 ( 日 ) も運行 大人 100 円 /1 回 小学生以下無料 ミュニティバス但し 1 日フリーパス券は利用不可市営バス パークアンド ライド その他 啓発事業等 県松本合同庁舎駐車場などを利用し あがたの森メイン会場との間をシャトルバスにて運行 利用は無料 思いやりゆずりあい運転の街松本 の実施 車を利用する人に向けて 駐車場マップ等を配布し 歩行者の安全確保を呼びかける 17
18 バス DAY まつもと実績 月日 松本電鉄 路線バス 松本電鉄 シャトルバス クラフトフェアまつもと 5 月 29 日 ( 土 ) 5 月 30 日 ( 日 ) 11,727 人 9,304 人 1,376 人 1,289 人 入場者数 29 日 3.3 万人 30 日 2.1 万人 合計 21,031 人 2,665 人 路線バスの乗車は 通常の平日平均の 1.6 倍 土日平均の 3 倍 1 日乗車券販売 (29 日分 864 枚 30 日分 530 枚 ) 信州 松本そば祭り 入場者数 9 日 3 万人 10 日 7 万人 11 日 6.3 万人 10 月 9 日 ( 土 ) 10 月 10 日 ( 日 ) 10 月 11 日 ( 祝 ) 6,810 人 6,281 人 5,542 人 2,067 人 3,541 人 3,551 人 合計 18,633 人 9,159 人 路線バスの乗車は 通常の土日平均の1.8 倍
バス DAY まつもと実施による効果 ( クラフトフェアまつもと ) CO2 削減への効果 19 CO2 削減量 路線バス分約 70t(1 日あたり6,160 世帯が排出するCO2 に相当 ) シャトルバス分約 1.1t(1 日あたり83 世帯が排出するCO2 に相当 ) ( 一般家庭が 1 年間に排出する CO2 値は 5t 1 日あたり 13kg の CO2 を排出 ) クラフトフェアまつもと路線バスシャトルバス 通常土日利用者 6,936 人 バスDAY 利用者 21,031 人 2,665 人 増減 14,095 人 2,665 人 減少車両数 約 4,700 台 約 900 台 減少した渋滞の距離 23.5km 4.5km 3 人で車両 1 台と換算 減少した渋滞の距離は 5m/ 台で換算
新しいエコ通勤 ( 松本市役所 ) 20 地球温暖化の防止 (CO2 削減 ) の一環として 市職員の積極的なエコ通勤の実施により 公共交通機関の維持 活性化を図り 健康寿命延伸都市 松本 の創造を図ります 新しいエコ通勤の概要 1 通勤方法の見直し原則として マイカー通勤をやめ 徒歩 自転車 ( バイクを含む ) 公共交通機関を利用した通勤方法に切り替え ( 事情がある場合には マイカー通勤を認める ) 2 対象となる職員全職員 3 平成 22 年 10 月 1 日より実施 ( 試行期間平成 23 年 9 月 30 日まで ) 取組み状況 1 エコ通勤への移行人数 (7 月から 10 月 ) 500 人 2 エコ通勤率職員数 2,670 人 ( 正規 嘱託 臨時 ) 平成 22 年 6 月末 平成 22 年 10 月 13 日現在 うち自動車通勤者約 1,830 人 ( 約 69%) 自動車通勤者約 1,330 人 (50%) エコ通勤率 ( 自動車以外の通勤者の割合 ) 約 31% エコ通勤率約 50%
公共交通を維持していくために 21 交通不便者の利用だけでは維持していくのは困難 普段自家用車を利用している人も一緒になって 地域全体として 乗って残す 取組みが必要 利用の少ないものを残す場合は 住民負担の在り方についても検討 community bus