モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK の生物学的同等性試験 ( 口中溶解後 水なし投与 ) バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにモンテルカストナトリウムは アレルギーのメディエーターの 1 つであるロイコトリエン (LT) の受容体の内 cyslt1 受容体を遮断する抗アレルギー薬である 今回 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg の生物学的同等性を検討するため 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン 1) ( 以下 同等性試験ガイドライン という ) に従い 日本人健康成人男子を対象として 絶食時に経口投与し 血漿中のモンテルカストの濃度推移から両製剤のバイオアベイラビリティを比較した として解析した 7. データ解析生物学的同等性を検討する比較項目として AUCtおよび Cmaxを用いた AUCtは台形法により Cmaxは血漿中モンテルカスト濃度の最高実測値とし算出した 統計解析は 同等性試験ガイドラインおよび文献 2)~ 4) の方法に準じて行った AUCtおよび Cmaxのとの対数値の平均値の差の 9% 信頼区間が log(.8)~log(1.25) の範囲にあるとき とは生物学的に同等であると判定した Ⅰ. 試験方法 1. 治験薬としてモンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( 辰巳化学株式会社 )( 以下 という ) を としてキプレス チュアブル錠 5mg( 杏林製薬株式会社 )( 以下 という ) を用いた 2. 被験者健康な成人男子志望者の中から 事前の健康診断および臨床検査において臨床的に問題がないと判断された 2 名を被験者とした 被験者の年齢および BMI を Table 1 に示した 3. 実験計画投与スケジュールを Table 1 に示した 試験は 2 群 2 期のラテン方格法により行い 休薬期間は 7 日間とした また被験者 2 名は 1 名ずつの 2 群に無作為に割り付けた 4. 投与方法および投与量投与スケジュールに従い 各製剤とも 1 錠 ( モンテルカストとして 5 mg) を水なしで舌の上で溶かし 唾液と共に服用した なお投与前 1 時間および投与後 4 時間は絶食とした 5. 血液試料採取方法血漿中薬物濃度測定用の採血は 投与前 投与後.5 1 1.5 2 3 4 6 8 1 12 および 24 時間の計 12 回行った 採血については 前腕静脈より 1 ml をヘパリンナトリウム加真空採血管を用いて採血し 冷却遠心分離により得られた血漿を分取し 測定まで-2 以下で凍結保存した 6. 測定対象物および測定方法モンテルカストを測定対象として HPLC- 蛍光法により測定した なお 定量限界 (5. ) 未満の測定値は Table1 投与スケジュール 被験者 年齢投与スケジュール BMI ( 歳 ) Ⅰ 期休薬期間 Ⅱ 期 1 24 23.5 2 29 2. 3 27 22.8 4 21 21.7 試験 標準 5 39 21.7 製剤 製剤 6 28 19. 7 35 2.8 1 錠 1 錠 8 24 18.7 9 39 2.5 7 1 26 23.2 日 11 32 23.5 間 12 4 24.7 13 34 2.8 14 3 24.8 標準 試験 15 24 22.4 製剤 製剤 16 21 2. 17 27 22.4 1 錠 1 錠 18 25 23.6 19 21 18.9 2 25 2.8 Ⅱ. 結果 1. 薬物濃度および薬物動態 と投与後の平均の時間 的推移を Fig 1 および Table 2 に 各被験者における血 漿中濃度推移を Fig 2 および Fig 3 に 薬物動態パラメ ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中モンテルカスト濃度が上昇 し で 3.±.56 時間 で 2.5±1.17 時間に Tmaxに達した また Cmaxはで 328.91 ±18.92 で 339.62±7.63 で
あった AUCtはで 2171.45±876.88 ng hr/ml で 216.72±649.17 ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値の平均値の差の 9% 信頼区間を Table 5 に示した との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間は AUCt では log(.92)~log(1.4) Cmax では log(.9)~log(1.) であり いずれも同等性試験ガイドラインで要求される log(.8)~log(1.25) の範囲内であった 3. 安全性本治験において投与群の 2 例中 2 例に 2 件の副作用と判断された有害事象が認められた また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなかったことから 安全性に問題はないと判断された Ⅲ. 考察健康成人男子 2 名を対象とし モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg を 2 剤 2 期のクロスオーバー法で経口投与し 経時的なから求めた AUCtおよび Cmaxについて両製剤のバイオアベイラビリティを比較し 生物学的同等性を検証した AUCt および Cmax のとの平均値の差の 9% 信頼区間は 同等性試験ガイドラインにて規定されている log(.8)~log(1.25) の範囲内であったことより 両製剤は生物学的に同等であると判断した Fig 1 平均推移 Table 2 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK およびの平均 薬剤名モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( チュアブル錠 5mg) ().5 1 1.5 2 3 4 6 8 1 12 24 平均値 7.94 58.13 139.92 236.87 316.59 264.42 184.14 122.33 8.2 5.92 7.96 ±S.D. 13.95 63.91 118.55 128.41 117.74 15.28 77.34 55.42 35.92 26.4 7.9 平均値 3.48 144.55 24.99 28.45 274.64 228.61 164.9 116.1 76.24 51.5 8.6 ±S.D. 44.44 124.57 123.65 92. 91.28 92.65 62.52 45.41 3.73 2.41 8.68 (n=2)
Fig 2 各被験者における推移 ( 先行群 ) 7 6 血漿 中 2 濃 1 度 被験者 No.1 7 6 2 1 被験者 No.2 7 6 2 1 被験者 No.3 7 6 2 1 被験者 No.4 7 6 2 1 被験者 No.5 7 6 2 1 被験者 No.6 7 6 2 1 被験者 No.7 7 6 2 1 被験者 No.8 7 6 2 1 被験者 No.9 7 6 2 1 被験者 No.1
Fig 3 各被験者における推移 ( 先行群 ) 7 6 2 1 被験者 No.11 7 6 2 1 被験者 No.12 7 6 2 1 被験者 No.13 7 6 2 1 被験者 No.14 7 6 2 1 被験者 No.15 7 6 2 1 被験者 No.16 7 6 2 1 被験者 No.17 7 6 2 1 被験者 No.18 7 6 2 1 被験者 No.19 7 6 2 1 被験者 No.2
Table 3 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK との AUCt Cmax Tma x および T1/2 薬剤名モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( チュアブル錠 5mg) AUCt (ng hr/ml) Cmax () T max 2171.45±876.88 328.91±18.92 3.±.56 4.18±.9 216.72±649.17 339.62±7.63 2.5±1.17 4.46±1.6 (hr) T 1/2 (hr) ( 平均値 ±S.D.,n=2) Table 4 分散分析の結果 パラメータ 変動要因 自由度 平方和 平均平方 分散比 p 値 被験者間変動群 1.3321.3321.8983.3558 個体間変動 18.67566.33754 15.8. AUCt 被験者内変動薬剤 1.824.824.3871.5417 時期 1.7914.7914 37.1622. * 個体内変動 18.38332.213 被験者間変動 群 1.11569.11569.6395.4343 個体間変動 18.325624.189 9.4484. Cmax 被験者内変動薬剤 1.5784.5784 3.212.993 時期 1.16348.16348 55.5452. * 個体内変動 18.34463.1915 *: 有意水準.5% で有意差あり Table 5 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間 項目 AUCt Cmax との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間 log(.92)~log(1.4) log(.9)~log(1.) 1) 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について : 別紙 ( 平成 24 年 2 月 29 日薬食審査発 229 第 1 号 ) 2) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説. 医薬品研究 13:116-1119,1982 3) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説 統計解析その 2. 医薬品研究 13:1267-1271, 1982 4) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説 統計解析その 3. 医薬品研究 15:123-133,1984
モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK の生物学的同等性試験 ( 口中溶解後 水あり投与 ) バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにモンテルカストナトリウムは アレルギーのメディエーターの 1 つであるロイコトリエン (LT) の受容体の内 cyslt1 受容体を遮断する抗アレルギー薬である 今回 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg の生物学的同等性を検討するため 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン 1) ( 以下 同等性試験ガイドライン という ) に従い 日本人健康成人男子を対象として 絶食時に経口投与し 血漿中のモンテルカストの濃度推移から両製剤のバイオアベイラビリティを比較した として解析した 7. データ解析生物学的同等性を検討する比較項目として AUCtおよび Cmaxを用いた AUCtは台形法により Cmaxは血漿中モンテルカスト濃度の最高実測値とし算出した 統計解析は 同等性試験ガイドラインおよび文献 2)~ 4) の方法に準じて行った AUCtおよび Cmaxのとの対数値の平均値の差の 9% 信頼区間が log(.8)~log(1.25) の範囲にあるとき とは生物学的に同等であると判定した Ⅰ. 試験方法 1. 治験薬としてモンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( 辰巳化学株式会社 )( 以下 という ) を としてキプレス チュアブル錠 5mg( 杏林製薬株式会社 )( 以下 という ) を用いた 2. 被験者健康な成人男子志望者の中から 事前の健康診断および臨床検査において臨床的に問題がないと判断された 2 名を被験者とした 被験者の年齢および BMI を Table 1 に示した 3. 実験計画投与スケジュールを Table 1 に示した 試験は 2 群 2 期のラテン方格法により行い 休薬期間は 7 日間とした また被験者 2 名は 1 名ずつの 2 群に無作為に割り付けた 4. 投与方法および投与量投与スケジュールに従い 各製剤とも 1 錠 ( モンテルカストとして 5 mg) を舌の上で溶かし 水 15 ml と共に服用した なお投与前 1 時間および投与後 4 時間は絶食とした 5. 血液試料採取方法血漿中薬物濃度測定用の採血は 投与前 投与後.5 1 1.5 2 3 4 6 8 1 12 および 24 時間の計 12 回行った 採血については 前腕静脈より 1 ml をヘパリンナトリウム加真空採血管を用いて採血し 冷却遠心分離により得られた血漿を分取し 測定まで-2 以下で凍結保存した 6. 測定対象物および測定方法モンテルカストを測定対象として HPLC- 蛍光法により測定した なお 定量限界 (5. ) 未満の測定値は Table1 投与スケジュール 被験者 年齢投与スケジュール BMI ( 歳 ) Ⅰ 期休薬期間 Ⅱ 期 1 22 2.2 2 25 19.4 3 24 22.1 4 23 2. 試験 標準 5 26 24.3 製剤 製剤 6 21 18.7 7 24 24. 1 錠 1 錠 8 24 21.3 9 27 2.7 7 1 33 21.7 日 11 22 23.8 間 12 2 22.7 13 22 23.9 14 2 22.1 標準 試験 15 22 2.3 製剤 製剤 16 24 2.3 17 21 22.9 1 錠 1 錠 18 23 24.3 19 25 24. 2 29 21.8 Ⅱ. 結果 1. 薬物濃度および薬物動態 と投与後の平均の時間 的推移を Fig 1 および Table 2 に 各被験者における血 漿中濃度推移を Fig 2 および Fig 3 に 薬物動態パラメ ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中モンテルカスト濃度が上昇 し で 2.75±.84 時間 で 2.55±.87 時間に Tmaxに達した また Cmaxはで 39.63 ±72.49 で 326.54±68.79 であ
った AUCtはで 277.73±64.43 ng hr/ml で 297.48±469.83 ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値の平均値の差の 9% 信頼区間を Table 5 に示した との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間は AUCt では log(.88)~log(1.1) Cmax では log(.84)~log(1.6) であり いずれも同等性試験ガイドラインで要求される log(.8)~log(1.25) の範囲内であった 3. 安全性本治験において有害事象は認められなかった また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなかったことから 安全性に問題はないと判断された Ⅲ. 考察健康成人男子 2 名を対象とし モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg を 2 剤 2 期のクロスオーバー法で経口投与し 経時的なから求めた AUCtおよび Cmaxについて両製剤のバイオアベイラビリティを比較し 生物学的同等性を検証した AUCt および Cmax のとの平均値の差の 9% 信頼区間は 同等性試験ガイドラインにて規定されている log(.8)~log(1.25) の範囲内であったことより 両製剤は生物学的に同等であると判断した Fig 1 平均推移 Table 2 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK およびの平均 薬剤名モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( チュアブル錠 5mg) ().5 1 1.5 2 3 4 6 8 1 12 24 平均値 2.59 117.97 214.16 264.75 29.79 252.15 161.93 111.92 66.98 42.95 8.59 ±S.D. 15.67 69.1 94.3 91.18 72.95 68.86 57.85 36.63 26.77 18.3 5.71 平均値 37.4 157.7 237.19 262.7 285.66 244.28 167.77 111.2 67.26 41.71 8.14 ±S.D. 24.96 92.31 13.81 19.19 7.97 67.3 48.76 31.54 18.64 12.43 5. (n=2)
Fig 2 各被験者における推移 ( 先行群 ) 被験者 No.1 2 1 被験者 No.2 2 1 被験者 No.3 被験者 No.4 2 1 2 1 被験者 No.5 被験者 No.6 2 1 2 1 被験者 No.7 2 1 被験者 No.8 2 1 被験者 No.9 2 1 被験者 No.1 2 1
Fig 3 各被験者における推移 ( 先行群 ) 被験者 No.11 2 1 被験者 No.12 2 1 被験者 No.13 被験者 No.14 2 1 2 1 被験者 No.15 被験者 No.16 2 1 2 1 被験者 No.17 被験者 No.18 2 1 2 1 被験者 No.19 2 1 被験者 No.2 2 1
Table 3 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK との AUCt Cmax Tma x および T1/2 薬剤名モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( チュアブル錠 5mg) AUCt (ng hr/ml) Cmax () T max 277.73±64.43 39.63±72.49 2.75±.84 4.69±1.9 297.48±469.83 326.54±68.79 2.55±.87 4.69±1.13 (hr) T 1/2 (hr) ( 平均値 ±S.D.,n=2) Table 4 分散分析の結果 パラメータ 変動要因 自由度 平方和 平均平方 分散比 p 値 被験者間変動群 1.41735.41735 2.4659.1338 個体間変動 18.34653.16925 2.186.728 AUCt 被験者内変動薬剤 1.556.556.663.7998 時期 1.3835.3835.4573.575 個体内変動 18.15926.8385 被験者間変動 群 1.17718.17718 1.5943.2228 個体間変動 18.246.11114 1.345.273 Cmax 被験者内変動薬剤 1.5835.5835.738.4125 時期 1.14851.14851 1.7912.1974 個体内変動 18.149238.8291 Table 5 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間 項目 AUCt Cmax との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間 log(.88)~log(1.1) log(.84)~log(1.6) 1) 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について : 別紙 ( 平成 24 年 2 月 29 日薬食審査発 229 第 1 号 ) 2) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説. 医薬品研究 13:116-1119,1982 3) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説 統計解析その 2. 医薬品研究 13:1267-1271, 1982 4) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説 統計解析その 3. 医薬品研究 15:123-133,1984
モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK の生物学的同等性試験 ( 咀嚼後 水なし投与 ) バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにモンテルカストナトリウムは アレルギーのメディエーターの 1 つであるロイコトリエン (LT) の受容体の内 cyslt1 受容体を遮断する抗アレルギー薬である 今回 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg の生物学的同等性を検討するため 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン 1) ( 以下 同等性試験ガイドライン という ) に従い 日本人健康成人男子を対象として 絶食時に経口投与し 血漿中のモンテルカストの濃度推移から両製剤のバイオアベイラビリティを比較した として解析した 7. データ解析生物学的同等性を検討する比較項目として AUCtおよび Cmaxを用いた AUCtは台形法により Cmaxは血漿中モンテルカスト濃度の最高実測値とし算出した 統計解析は 同等性試験ガイドラインおよび文献 2)~ 4) の方法に準じて行った AUCtおよび Cmaxのとの対数値の平均値の差の 9% 信頼区間が log(.8)~log(1.25) の範囲にあるとき とは生物学的に同等であると判定した Ⅰ. 試験方法 1. 治験薬としてモンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( 辰巳化学株式会社 )( 以下 という ) を としてキプレス チュアブル錠 5mg( 杏林製薬株式会社 )( 以下 という ) を用いた 2. 被験者健康な成人男子志望者の中から 事前の健康診断および臨床検査において臨床的に問題がないと判断された 2 名を被験者とした 被験者の年齢および BMI を Table 1 に示した 3. 実験計画投与スケジュールを Table 1 に示した 試験は 2 群 2 期のラテン方格法により行い 休薬期間は 7 日間とした また被験者 2 名は 1 名ずつの 2 群に無作為に割り付けた 4. 投与方法および投与量投与スケジュールに従い 各製剤とも 1 錠 ( モンテルカストとして 5 mg) を咀嚼した後 唾液と共に服用した なお投与前 1 時間および投与後 4 時間は絶食とした 5. 血液試料採取方法血漿中薬物濃度測定用の採血は 投与前 投与後.5 1 1.5 2 3 4 6 8 1 12 および 24 時間の計 12 回行った 採血については 前腕静脈より 1 ml をヘパリンナトリウム加真空採血管を用いて採血し 冷却遠心分離により得られた血漿を分取し 測定まで-2 以下で凍結保存した 6. 測定対象物および測定方法モンテルカストを測定対象として HPLC- 蛍光法により測定した なお 定量限界 (5. ) 未満の測定値は Table1 投与スケジュール 被験者 年齢投与スケジュール BMI ( 歳 ) Ⅰ 期休薬期間 Ⅱ 期 1 24 19.2 2 34 22.9 3 3 21.4 4 21 18.7 試験 標準 5 31 18.9 製剤 製剤 6 35 21.3 7 24 19.8 1 錠 1 錠 8 22 21.1 9 22 2.2 7 1 3 2.2 日 11 23 2.3 間 12 21 21.6 13 27 22.1 14 2 22.9 標準 試験 15 21 19.8 製剤 製剤 16 3 24.6 17 28 22.8 1 錠 1 錠 18 25 24. 19 24 23.7 2 2 19.1 Ⅱ. 結果 1. 薬物濃度および薬物動態 と投与後の平均の時間 的推移を Fig 1 および Table 2 に 各被験者における血 漿中濃度推移を Fig 2 および Fig 3 に 薬物動態パラメ ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中モンテルカスト濃度が上昇 し で 2.65±.81 時間 で 2.15±.71 時間に Tmaxに達した また Cmaxはで 323.19 ±8.22 で 339.86±9.64 であ った AUCtはで 2157.2±689.98 ng hr/ml
で 2149.9±671.26 ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値の平均値の差の 9% 信頼区間を Table 5 に示した との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間は AUCt では log(.92)~log(1.9) Cmax では log(.87)~log(1.6) であり いずれも同等性試験ガイドラインで要求される log(.8)~log(1.25) の範囲内であった 3. 安全性本治験において有害事象は認められなかった また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問題はないと判断された Ⅲ. 考察健康成人男子 2 名を対象とし モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg を 2 剤 2 期のクロスオーバー法で経口投与し 経時的なから求めた AUCtおよび Cmaxについて両製剤のバイオアベイラビリティを比較し 生物学的同等性を検証した AUCt および Cmax のとの平均値の差の 9% 信頼区間は 同等性試験ガイドラインにて規定されている log(.8)~log(1.25) の範囲内であったことより 両製剤は生物学的に同等であると判断した Fig 1 平均推移 Table 2 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK およびの平均 薬剤名モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( チュアブル錠 5mg) ().5 1 1.5 2 3 4 6 8 1 12 24 平均値 17.82 111.23 23.9 272.94 295.79 261.49 176.31 118.59 73.47 44.11 8.72 ±S.D. 26.75 9.63 126.72 12.1 65.84 68.44 58.4 48.6 32.37 22.89 9.16 平均値 48.16 163.13 25.17 288.67 292.62 247.36 164.84 18.35 67.33 43.18 9.15 ±S.D. 6.22 124.56 127.33 121.82 75.98 71.74 51.6 42.98 28.51 23.34 1.2 (n=2)
Fig 2 各被験者における推移 ( 先行群 ) 被験者 No.1 6 2 1 6 2 1 被験者 No.2 被験者 No.3 6 2 1 被験者 No.4 6 2 1 被験者 No.5 6 2 1 被験者 No.6 6 2 1 被験者 No.7 6 2 1 被験者 No.8 6 2 1 6 2 1 被験者 No.9 被験者 No.1 6 2 1
Fig 3 各被験者における推移 ( 先行群 ) 被験者 No.11 6 2 1 被験者 No.12 6 2 1 被験者 No.13 6 2 1 被験者 No.14 6 2 1 被験者 No.15 6 2 1 被験者 No.16 6 2 1 被験者 No.17 6 2 1 被験者 No.18 6 2 1 被験者 No.19 6 2 1 被験者 No.2 6 2 1
Table 3 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK との AUCt Cmax Tma x および T1/2 薬剤名モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( チュアブル錠 5mg) AUCt (ng hr/ml) Cmax () T max 2157.2±689.98 323.19±8.22 2.65±.81 4.19±1.55 2149.9±671.26 339.86±9.64 2.15±.71 4.49±1.63 (hr) T 1/2 (hr) ( 平均値 ±S.D.,n=2) Table 4 分散分析の結果 パラメータ 変動要因 自由度 平方和 平均平方 分散比 p 値 被験者間変動群 1.1679.1679.438.8366 個体間変動 18.69353.38353 8.979. AUCt 被験者内変動薬剤 1.4.4.8.9775 時期 1.14.14.2119.658 個体内変動 18.8525.4736 被験者間変動 群 1.1357.1357.52.8222 個体間変動 18.46979.2695 4.6.17 Cmax 被験者内変動薬剤 1.2878.2878.4743.4998 時期 1.147.147 1.7151.268 個体内変動 18.1922.668 Table 5 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間 項目 AUCt Cmax との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間 log(.92)~log(1.9) log(.87)~log(1.6) 1) 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について : 別紙 ( 平成 24 年 2 月 29 日薬食審査発 229 第 1 号 ) 2) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説. 医薬品研究 13:116-1119,1982 3) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説 統計解析その 2. 医薬品研究 13:1267-1271, 1982 4) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説 統計解析その 3. 医薬品研究 15:123-133,1984
モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK の生物学的同等性試験 ( 咀嚼後 水あり投与 ) バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにモンテルカストナトリウムは アレルギーのメディエーターの 1 つであるロイコトリエン (LT) の受容体の内 cyslt1 受容体を遮断する抗アレルギー薬である 今回 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg の生物学的同等性を検討するため 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン 1) ( 以下 同等性試験ガイドライン という ) に従い 日本人健康成人男子を対象として 絶食時に経口投与し 血漿中のモンテルカストの濃度推移から両製剤のバイオアベイラビリティを比較した として解析した 7. データ解析生物学的同等性を検討する比較項目として AUCtおよび Cmaxを用いた AUCtは台形法により Cmaxは血漿中モンテルカスト濃度の最高実測値とし算出した 統計解析は 同等性試験ガイドラインおよび文献 2)~ 4) の方法に準じて行った AUCtおよび Cmaxのとの対数値の平均値の差の 9% 信頼区間が log(.8)~log(1.25) の範囲にあるとき とは生物学的に同等であると判定した Ⅰ. 試験方法 1. 治験薬としてモンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( 辰巳化学株式会社 )( 以下 という ) を としてキプレス チュアブル錠 5mg( 杏林製薬株式会社 )( 以下 という ) を用いた 2. 被験者健康な成人男子志望者の中から 事前の健康診断および臨床検査において臨床的に問題がないと判断された 2 名を被験者とした 被験者の年齢および BMI を Table 1 に示した 3. 実験計画投与スケジュールを Table 1 に示した 試験は 2 群 2 期のラテン方格法により行い 休薬期間は 7 日間とした また被験者 2 名は 1 名ずつの 2 群に無作為に割り付けた 4. 投与方法および投与量投与スケジュールに従い 各製剤とも 1 錠 ( モンテルカストとして 5 mg) を咀嚼した後 水 15 ml と共に服用した なお投与前 1 時間および投与後 4 時間は絶食とした 5. 血液試料採取方法血漿中薬物濃度測定用の採血は 投与前 投与後.5 1 1.5 2 3 4 6 8 1 12 および 24 時間の計 12 回行った 採血については 前腕静脈より 1 ml をヘパリンナトリウム加真空採血管を用いて採血し 冷却遠心分離により得られた血漿を分取し 測定まで-2 以下で凍結保存した 6. 測定対象物および測定方法モンテルカストを測定対象として HPLC- 蛍光法により測定した なお 定量限界 (5. ) 未満の測定値は Table1 投与スケジュール 被験者 年齢投与スケジュール BMI ( 歳 ) Ⅰ 期休薬期間 Ⅱ 期 1 39 23.7 2 28 21.9 3 4 24.3 4 25 19. 試験 標準 5 21 2.2 製剤 製剤 6 23 2.7 7 35 2.3 1 錠 1 錠 8 25 2.1 9 25 19.7 7 1 3 23.1 日 11 4 19.8 間 12 24 21.2 13 22 19.5 14 29 23. 標準 試験 15 22 23.7 製剤 製剤 16 38 21.4 17 24 21.9 1 錠 1 錠 18 38 22.6 19 25 23.7 2 38 19.9 Ⅱ. 結果 1. 薬物濃度および薬物動態 と投与後の平均の時間 的推移を Fig 1 および Table 2 に 各被験者における血 漿中濃度推移を Fig 2 および Fig 3 に 薬物動態パラメ ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中モンテルカスト濃度が上昇 し で 2.95±1.4 時間 で 2.8±.82 時間に Tmaxに達した また Cmaxはで 286.23 ±62.31 で 38.24±58.13 であ
った AUCtはで 2121.58±733.63 ng hr/ml で 2134.42±598.88 ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値の平均値の差の 9% 信頼区間を Table 5 に示した との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間は AUCt では log(.9)~log(1.7) Cmax では log(.85)~log(1.1) であり いずれも同等性試験ガイドラインで要求される log(.8)~log(1.25) の範囲内であった 3. 安全性本治験において投与群 2 例中 1 例に 1 件の副作用と判断された有害事象が認められた また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなかったことから 安全性に問題はないと判断された Ⅲ. 考察健康成人男子 2 名を対象とし モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg を 2 剤 2 期のクロスオーバー法で経口投与し 経時的なから求めた AUCtおよび Cmaxについて両製剤のバイオアベイラビリティを比較し 生物学的同等性を検証した AUCt および Cmax のとの平均値の差の 9% 信頼区間は 同等性試験ガイドラインにて規定されている log(.8)~log(1.25) の範囲内であったことより 両製剤は生物学的に同等であると判断した Fig 1 平均推移 Table 2 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK およびの平均 薬剤名モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( チュアブル錠 5mg) ().5 1 1.5 2 3 4 6 8 1 12 24 平均値 2.92 86.9 164.11 232.58 271.31 237.51 171.32 117.4 77.82 53.93 12.29 ±S.D. 13.84 63.84 84.95 83.53 68.8 69.64 65.22 5.58 35.17 26.47 13.21 平均値 33.34 121. 184.83 224.13 276.58 247.81 171.68 116.81 77.88 51.99 8.62 ±S.D. 27.98 78.37 98.71 96.31 62.52 66.96 53.25 4.99 29.88 22.67 8.16 (n=2)
Fig 2 各被験者における推移 ( 先行群 ) 被験者 No.1 2 1 被験者 No.2 2 1 被験者 No.3 被験者 No.4 2 1 2 1 被験者 No.5 被験者 No.6 2 1 2 1 被験者 No.7 2 1 被験者 No.8 2 1 被験者 No.9 2 1 被験者 No.1 2 1
Fig 3 各被験者における推移 ( 先行群 ) 被験者 No.11 2 1 被験者 No.12 2 1 被験者 No.13 被験者 No.14 2 1 2 1 被験者 No.15 被験者 No.16 2 1 2 1 被験者 No.17 被験者 No.18 2 1 2 1 被験者 No.19 2 1 被験者 No.2 2 1
Table 3 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK との AUCt Cmax Tma x および T1/2 薬剤名モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK ( チュアブル錠 5mg) AUCt (ng hr/ml) Cmax () T max 2121.58±733.63 286.23±62.31 2.95±1.4 5.18±2.94 2134.42±598.88 38.24±58.13 2.8±.82 4.34±1.4 (hr) T 1/2 (hr) ( 平均値 ±S.D.,n=2) Table 4 分散分析の結果 パラメータ 変動要因 自由度 平方和 平均平方 分散比 p 値 被験者間変動群 1.24414.24414.8998.3554 個体間変動 18.488417.27134 5.737.3 AUCt 被験者内変動薬剤 1.87.87.1839.6731 時期 1.1763.1763 3.7218.696 個体内変動 18.85135.473 被験者間変動 群 1.5715.5715.5582.4646 個体間変動 18.18431.1239 2.1515.566 Cmax 被験者内変動薬剤 1.12.12 2.5215.1297 時期 1.13618.13618 2.8617.18 個体内変動 18.8566.4759 Table 5 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間 項目 AUCt Cmax との対数値の平均値の差の 9% 信頼区間 log(.9)~log(1.7) log(.85)~log(1.1) 1) 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について : 別紙 ( 平成 24 年 2 月 29 日薬食審査発 229 第 1 号 ) 2) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説. 医薬品研究 13:116-1119,1982 3) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説 統計解析その 2. 医薬品研究 13:1267-1271, 1982 4) 江島昭他 : 生物学的同等性の試験方法についての解説 統計解析その 3. 医薬品研究 15:123-133,1984