Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

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Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

H30全国HP

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

スライド 1

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

平成 28 年度山梨県学力把握調査 結果分析資料の見方 調査結果概況 正答数分布グラフ 分布の形状から児童生徒の解答状況が分かります 各学校の集計支援ツールでは, 形状だけでなく, 県のデータとの比較もできます 設問別正答率 無解答率グラフ 設問ごとの, 正答率や無解答率が分かります 正答率の低い設

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

H

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

PowerPoint プレゼンテーション

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

問 題

平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

( ) 除法の意味や割合の意味を理解することに課題があります 例 )A3(1) 120 cmの赤いテープの長さが白いテープの長さの 0.6 倍に当たるとき 二つのテープの長さの関係を表している図を選ぶ 県 31.3%( 全国 34.0%) A8 犬を飼っている 8 人が学級全体の人数の 25% に当

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

指導方法等の改善計画について

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

平成 25 年度の全国学力 学習状況調査の下野市の全体の結果 ( 国語, 算数 数学 ) は, 小学校, 中学校ともに, すべての領域で, 全国平均正答率を上回る結果となった 小学校の全国学力調査全体結果について 小学校は国語 AB, 算数 AB ともに, 数ポイント全国平均正答率を上回っていた 小

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

教科に関する調査の各問題の分析結果と課題 (3) 中学校数学 B

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

平成 26 年度 高知県学力定着状況調査結果の概要 速報版 平成 27 年 2 月 高知県教育委員会

 

Ⅲ 研究内容 確かな学力を育成するためには 教師の指導 と 児童 生徒の学び のギャップを教師が認識 する必要がある この研究では,1,2 年の文字式の内容において, 全国調査, 置籍校事前調査の 結果から誤答傾向を把握し, 課題を考察した その中から 計算の対象を理解すること, 考察の 対象を明確

るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成

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2 児童観復習プリントから 乗法の交換法則 4 7=7 乗法の結合法則 = 加減混合の式や乗除混合の式の計算はできていると考えられる しかし 分配法則 6 10=6 9+ や 7 8=7 9 はできない児童が数名いて 定着していないことが分かる また 計算の仕方は理解してい

国語 A: 本校と全国の領域別平均正答率比較 領域全国平均正答率下回っているやや下回っているほぼ同じやや上回っている上回っている 話すこと 聞くこと 90.8% 書くこと 73.8% 読むこと 74.0% 伝統的な言語文化と国語の特 質に関する事項 67.0% 漢字を正しく読んだり 文の中で正しく使

別紙様式 平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果と考察及び対策について 東松島市立宮野森小学校 1 国語科 (1) 国語 A 平均正答率 ( 宮城県 全国との比較 ) 話す 聞く能力 書く能力 読む能力 言語についての知識 理解 技能 全体 県比較

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2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

○数学科 2年 連立方程式

国語 A: 本校と全国の領域別平均正答率比較 話すこと 聞くこと 90.8% 書くこと 73.8% 読むこと 74.0% 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 67.0% 考 察 話すこと 聞くこと では 相手や目的に応じて 理由や事例などを挙げなが ら筋道を立てて話すことができています 今後も

国語 B では 話すこと 聞くこと 領域において 全国及び県平均を上回っているが 他の三つの領域においては 全国及び県平均を下回っている 活用する力を育成する取組のさらなる充実が必要である 設問 1 の目的に応じて 話し合いの観点を整理する力は身についてきている 設問 3 の二つの詩を比べて読み 自

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国語 求められている学力が見える 主として 知識 に関する問題では ほかの学習や実生活において活用できる知識 技能の習得が求められている 描写 要約 紹介 説明 記録 報告 対話 討論などの言語活動に必要な 基礎的な知識 技能を身につけていること 表現したり理解したりするための言語事項に関する 基礎

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

( 中学校調査 ) 1 時限目 2 時限目 3 時限目 4 時限目 5 時限目 国語 A (45 分 ) 国語 B (45 分 ) 数学 A (45 分 ) 数学 B (45 分 ) 生徒質問紙 (2 分程度 ) (6) 集計児童生徒 学校数 1 集計基準児童生徒に対する調査について, 平成 29

H30全国学テ 保護者校内お知らせ鏡文

平成21年度全国学力・学習状況調査の結果分析(非公表資料)

全国学力 学習状況調査の調査結果の活用による指導改善に向けた説明会 小学校算数 中学校数学部会 全国学力 学習状況調査結果を活用した指導改善 小学校算数 1 平成 19~22 年の 4 年間の調査結果から明らかになった小学校算数の課題について (1) 4 年間の調査結果から課題として考えられる内容

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平成24年度全国学力・学習状況調査の結果について(概要)

2 度数分布 ( 正答数分布グラフ ) 3 の概要 学習指導要領の領域別平均正答率 評価の観点の平均正答率では 各領域とも全国平均を上回っている 特に 学習指導要領の領域別平均正答率の 読むこと で2.9ポイント 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 で4.1ポイント全国平均を上回っている 評価


(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

平成27年度全国学力・学習状況調査結果の概要

<算数>   平成16年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」からみた課題及び指導法改善のポイント

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調査結果及び考察 1 国語 (1) 結果全国正答率との比較 1 国語 A( 知識 ) 話す 聞く 書くこと 読むこと 言語事項 勧興小 佐賀県 全国 国語 B( 活用 ) 1 話す 聞く 書くこと 読む

算数 A ( 基礎的 基本的な知識 技能が身についている かどうかをみる問題 合計 16 問 ) 平均正答率は 平均を上回っていました 数量や図形についての技能 に関しての正答率が高い傾向にありました [ 設問 2(2)]( 末尾のそろっていない小数の加法の計算をすることができる ) 蹉跎小.9%

算数科学習指導案 指導者中野智子 1 日時平成 30 年 10 月 19 日 ( 金 ) 第 6 校時 2 学年第 6 学年 1 組男子 12 名女子 9 名計 21 名 3 単元名資料の調べ方 4 単元について (1) 単元観本単元は, 小学校学習指導要領第 6 学年の内容 [D データの活用 ]

平成18年度「島根県学力調査」の調査結果

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領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

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PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

平成19年度全国学力・学習状況調査の結果をふまえた指導改善策

25math3

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

平成20年度

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

(Microsoft Word - \217\254_\216Z_5_\216O\214\264\216s\227\247\216O\214\264\217\254.doc)

(3) 指導観本時は 連立方程式の文章題を扱う最初の時間である 方程式の文章題は 個数と代金に関する問題 速さ 時間 道のりに関する問題 割合に関する問題 を扱う これらを解くときには図や表 線分図などを書くことが有効であることを生徒達は昨年度一次方程式の時にも経験している 一元一次方程式を利用する

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

Microsoft Word - H27全国調査分析(佐伯市公表用)

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

小学校における県平均正答率との比較 市と県の平均正答率の差を比べると 国語 A B 算数 A B 理科のすべての教科 領域 区分で 5ポイント以上の差のものはなくなった 国語 A 市 :68.2% 県 :70.1% 差 :-1.9ポイント 国語 B 市 :49.6% 県 :53.6% 算数 A 市

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指導上のポイント 場面を図に表して数量の関係を的確に捉える指導今回の調査結果において 問題文に出てきた数値を形式的に処理してしまう児童や 無解答だった児童が 全体の約 3 割いたことを踏まえると 以下の指導が必要となる 1 テープ図や線分図を活用して 加減の相互関係を視覚的に捉えることができるように

①H28公表資料p.1~2

[2007版] 平成23年度 全国学力・学習状況調査の結果概要(01 小・・

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

2、協同的探究学習について

Transcription:

平成 30 年度全国学力 学習状況調査結果 ( 小学校 : 算数 ) 1 結果のポイント ( : 成果 : 課題 ) 数値はすべて公立学校のもの 小学校 : 算数 A( 知識 ) 全問題数 :14 問 ( 選択式 10 問 短答式 4 問 ) 平均正答率 65( 選択式 64.2 短答式 68.0) で 7 年連続で全国平均を上回っている 正答率は 12 問が全国平均を上回っている 無解答率は全問が全国平均を下回っている 領域別 観点別正答率はすべての項目で全国平均を上回っている 課題のある問題 領 域 別 算数 A 県 全体 65 全国との差 数と計算 63.6 1.3 量と測定 74.8 2.1 図形 58.4 1.5 数量関係 61.2 1.1 ( 本県平均正答率 全国平均正答率がともに低い設問 ) 答えが 12 0.8 の式で求められる問題を選ぶ設問 円周率を求める式として正しいものを選ぶ設問 200 人のうち 80 人が小学生のとき 小学生の人数は全体の人数の何 % かを選ぶ設問 観点別 数量や図形についての技能数量や図形についての知識 理解 65.7 2.7 65.1 1.3 小学校 : 算数 B( 活用 ) 全問題数 :10 問 ( 選択式 3 問 短答式 2 問 記述式 5 問 ) 平均正答率 52( 選択式 55.7 短答式 67.9 記述式 44.2) 正答率は 10 問中 7 問が全国平均を上回っている 無解答率は全問が全国平均を下回っている 領域別では 量と測定 が全国平均を下回っている 課題のある問題 ( 本県平均正答率が全国平均正答率を下回った設問 ) 1 回玉入れゲームの時間を 3 分に最も近い時間にするための 玉を投げる時間を 表に整理して求める設問 メモ 1 とメモ 2 は それぞれ グラフについてどのようなことに着目して書かれているのかを書く 設問 横の長さが 7m の黒板に輪かざりをつけるために必要な折り紙の枚数が 100 枚あれば足りるわけ を書く設問 領 域 別 観点別 算数 B 県 全体 52 全国との差 数と計算 59.2 0.8 量と測定 52.3-0.1 図形 61.7 1.8 数量関係 45.6 0.5 数学的な考え方 49.8 0.6 数量や図形につ いての知識 理解 75.1 3.4 児童質問紙 質問項目平成 28 年度平成 29 年度平成 30 年度 算数の勉強は好きですか 大分県 64.0 大分県 63.0 大分県 62.0 ( 肯定的評価をした児童の割合 ) 全国 66.0 全国 65.9 全国 64.0 算数の授業の内容はよく分かりますか 大分県 77.9 大分県 78.5 大分県 82.3 ( 肯定的評価をした児童の割合 ) 全国 80.2 全国 80.6 全国 83.4

2 課題が見られた問題と学習指導のポイント 算数 A 大分県平均正答率 全国平均正答率は公立の生徒の割合 (%) 答えが 12 0.8 の式で求められる問題を選ぶ設問 大分県平均正答率 42.1% 全国平均正答率 39.9% ( 趣旨 ) 少数の除法の意味について理解している 2 解答類型 県平均正答率 全国平均正答率 正答 2 4 と解答しているもの 42.1% 39.9% 誤答例 1 4と解答しているもの 22.3% 21.5% 比較量を求めるときに 乗法ではなく除法を用いると捉え 1も選択していると考えられる 上記以外の解答 35% 37.6% 無解答 0.6% 1.0% 上記以外の解答 の中に 3 4 という解答がある このように解答した児童は 基準量と比較量を正しく捉えることができず 倍 という表現を含む文章から 3 も選択していると考えられる 学習指導のポイント 数量の関係を的確に捉え 立式することができるようにする〇図や数直線などを用いて 数量の関係を的確に捉え 立式することができるようにすることが大切である 指導に当たっては 例えば 本設問を用いて 問題場面を図や数直線などに表し 数量の関係を的確に捉え 立式する活動が考えられる その際 下のように 乗法の問題場面と除法の問題場面をそれぞれ表した テープの図と数直線を合わせた図を比較することができるようにすることが大切である その上で の場所が異なることを確認し 割合に当たる大きさを求める場合には乗法が用いられ 1 に当たる大きさを求める場合には除法が用いられることを理解できるようにすることが大切である 1m の重さが 12kg の鉄の棒があります この鉄の棒 0.8m の重さは何 kg ですか 0.8L で板を 12m 2 ぬることができるペンキがあります このペンキ 1L では 板を何 m 2 ぬることができますか 式 12 0.8 式 0.8=12 12 0.8

算数 B 大分県平均正答率 全国平均正答率は公立の生徒の割合 (%) メモ 1 とメモ 2 は それぞれ グラフについてどのようなことに着目して書かれているのかを書く設問 大分県平均正答率 20.3% 全国平均正答率 20.7% ( 趣旨 ) メモの情報と棒グラフを組み合わせたグラフを関連付け 総数や変化に着目している ことを解釈し それを言葉や数を用いて記述できるかどうかをみる 3 解答類型 県平均正答率 全国平均正答率 正答 メモ1は 12 月の人数に着目して書かれていて メモ2は 7 月の人数と 20.3% 20.7% 12 月の人数の差に着目して書かれている メモ1は 12 月の人数で メモ2は7 月の人数です 13.3% 11.3% 誤答例 メモ2について 示された数値が 二つの月の人数の差であることを捉えることをできていないと考えられる 上記以外の解答 50.7% 50% 無解答 15.7% 18.0% 上記以外の解答 の中に メモ 1 はめあてに取り組んだ人数で メモ 2 はめあてに取り組めなかった人数です という解答がある このように解答した児童は それぞれのメモに示されている数値が グラフのどの部分に着目したものなのかを捉えて記述できていないと考えられる 学習指導のポイント グラフの特徴を複数の観点で捉えて 情報を読み取ることができるようにする〇グラフの特徴を複数の観点で捉えて 情報を読み取ることができるようにするために 他者が読み取った情報や観点をグラフと関連付けて解釈することができるようにすることが大切である 指導に当たっては 例えば 本設問を用いて 12 月に進んであいさつをした人は約 570 人 や 進んであいさつをした人は 7 月から 12 月で約 50 人増えた などの読み取った情報を 総数や変化といった観点で分類し それぞれの情報について意見を出し合う活動が考えられる その際 グラフのどの部分に着目して情報を読み取ったのかを説明し合うことで 他者が読み取った情報とグラフを関連付けて メモ 1 は 12 月の人数に着目して書かれている ということや メモ 2 は 7 月と 12 月の人数の差に着目して書かれている ということを解釈することができるようにすることが大切である

横の長さが 7m の黒板に輪かざりをつけるために必要な折り紙の枚数が 100 枚あれば足りるわけを書く設問 大分県平均正答率 42.7% 全国平均正答率 43.2% ( 趣旨 ) 折り紙の枚数が 100 枚あれば足りる理由を 枚数 本数 個数などの数量を関連付け 根拠を明確にして式や言葉を用いて記述できるかどうかをみる 5 解答類型 正答例 1 黒板に輪かざりをつけるために必要な折り紙の輪の個数は 30 14= 420で 420 個です 黒板に輪かざりをつけるために必要な折り紙の枚数は 420 5=84で 84 枚です だから 折り紙の枚数は 100 枚あれば足ります 正答例 2 輪かざり1 本を作るために必要な折り紙の枚数は 30 5=6で 6 枚です 折り紙 100 枚から作ることができる輪かざりの本数は 100 6=16あまり4で 16 本です だから 折り紙の枚数は 100 枚あれば足ります 正答例 3 黒板に輪かざりをつけるために必要な折り紙の輪の個数は 30 14= 420で 420 個です 折り紙 100 枚から作ることができる折り紙の輪の個数は 5 100=500で 500 個です だから 折り紙の枚数は 100 枚あれば足ります 正答例 1の 420 5=84 で 84 枚です が書かれていないもの正答例 2の 100 6=16 あまり4で 16 本です が書かれていないもの正答例 3の 30 14=420 で 420 個です や 5 100=500 で 500 個です が書かれていないもの 誤答例 県平均正答率 全国平均正答率 42.7% 43.2% 1.6% 1.5% 正答例 1の 黒板に輪かざりをつけるために必要な折り紙の枚数は 420 5= 84で 84 枚です が正しく書かれていないもの正答例 3の 30 14=420で 420 個です 折り紙 100 枚から作ることができる折り紙の輪の個数は 5 100=500で 500 個です が正しく書かれていないもの 3.1% 3.1% 正答例 2で 輪かざり1 本を作るために必要な折り紙の枚数は 30 5=6で 1.7% 1.8% 6 枚です のみ書かれているもの 上記以外の解答 34.7% 33.8% 無解答 16.2% 16.6%

上記以外の解答 の中に 100 5=20 20-14=6 という解答がある このように解答した児童は 折り紙 100 枚で輪かざり 20 本を作ることができると誤って捉え 20 本と 14 本を比較していると考えられる 学習指導のポイント 日常生活の問題の解決のために 複数の情報を関連付けて論理的に考察し 判断の理由を説明することができるようにする 日常生活の問題の解決のために 複数の情報を解釈し関連付けて論理的に考察し 判断の理由について根拠を明確にして説明することができるようにすることが大切である 指導に当たっては 例えば 本設問を用いて 複数の情報から 枚数 本数 個数などの数量を解釈し関連付けて論理的に考察する活動が考えられる その際 50cm ごとに輪かざり 1 本をかざる 折り紙の輪 30 個で輪かざり 1 本を作る 折り紙 1 枚で折り紙の輪 5 個を作る などの数量の関係を的確に捉えることができるようにすることが大切である その上で 捉えた数量の関係を基に 折り紙の輪 30 個で輪かざり 1 本を作る と 折り紙 1 枚で折り紙の輪 5 個を作る から 折り紙 6 枚で輪かざり 1 本を作ることができる などのように 数量の関係を児童自らが見いだすことができるようにすることが大切である また 例えば 折り紙が 100 枚で足りる理由を 筋道を立てて考え 根拠を明確にして説明する活動も考えられる その際 折り紙 6 枚で輪かざり 1 本を作ることができます 14 本の輪かざりを作るので 6 14=84 で 84 枚です などと説明した場合には 折り紙 6 枚で輪かざり 1 本を作ることができるということは どのように考えたのですか や 84 とは何の数ですか などと学級全体に問いかけ 用いた数の意味や式の意味 答えの意味など 根拠を明確にしながら説明することができるようにすることが大切である このような活動が 児童自らが自分の考えをより分かりやすく伝えようとする態度の育成につながると考えられる 3 指導の改善のポイント ( 全体を通して ) 新大分スタンダードによる授業改善 (1) 主体的な学びを促す めあて 課題 まとめ 振り返り の適切な設定めあて付けたい力を身に付けさせるための 本時で目指す 活動のゴールの姿 や ゴールとそれまでの道筋 で設定する 課題その時間に解決すべき事柄 児童に 問題文から解決方法や結果に見通しを持たせ 追究すべき事柄を明確にした 焦点化した問題 を設定する まとめ本時の課題に対する答え 結論振り返りめあてに対する振り返り 学びの成果を実感させ 学んだことや意欲 問題意識等が次につなげられるような視点で設定する (2) 板書の構造化 児童の思考を整理したり促したりする板書 思考の過程を振り返ることができる板書 (3) 習熟の程度に応じた指導 ( 個に応じた指導の手引き 参照 H29.3 大分県教育委員会 ) 本時における児童のつまずきを想定し 個に応じた指導や支援を講じる 机間指導による個別支援 習熟度に応じた複数の問題プリントの作成 学びの困難さに対する手立ての準備

(4) 生徒指導の3 機能を意識した問題解決的な展開の授業知識及び技能の習得と思考力 判断力 表現力等のバランスを重視し 単元の中で 既習の知識や技能 見方や考え方を活用し 問題解決の過程を児童が主体的に行うことができるような場面を設定する 見通しをもち筋道立てて考え 表現する活動を重視した授業の充実児童に筋道立てて考えたことを 過不足なく表現させる場面では 全国学力 学習状況調査 記述式 問題を参考に 説明に必要な要素を明確にして授業を行う 事柄 事実の説明計算の性質 図形の性質や定義 数量の関係の記述を求めること 表やグラフ等から見いだせる傾向や特徴の記述を求めること 方法 手順の説明問題を解決するための自分の考え方や解決方法の記述を求めること 他者の考え方や解決方法を理解して その記述を求めること 理由の説明ある事柄が成り立つことの理由や判断の理由の記述を求めること AだからBとなる のように Aという理由及びBという結論を明確にして考え それを記述すること 理由として取り上げるべき事柄が複数ある場合には それらを全て取り上げて記述すること 児童に 見通しをもち筋道立てて考え 表現する力 を身に付けさせるためには 日頃の授業の中 で 児童が 説明の基本形 等を利用して説明することで 論理的な説明の組み立てに慣れることが 大切である 説明の基本形 ( 例 ) 1 考え方 ( 根拠 ) を示し方針をはっきりさせる 2 取り出した情報を整理し 計算等を行う 3 答えにつながる計算や説明を行う 4 答え ( 結論 ) を導き出す 1~4に基づいた説明ができるように発達段階に応じて指導を行うことが大切です 児童がお互いで 説明を指摘し合ったり 修正したりする活動を充実させることが大切です 説明の基本形 については大分県教育委員会 HP に掲載しています http://kyouiku.oita-ed.jp/gimu/2017/03/post-98.html その他 指導教諭や学力向上支援教員 習熟度別指導推進教員等の優れた実践を広げる 家庭での学習習慣を身に付ける適切な指導を行う 国立教育政策研究所 全国学力 学習状況調査 資料を活用して下さい http://www.nier.go.jp/kaihatsu/zenkokugakuryoku.html