3. 学びに向かう力 や 生活習慣 などの自立にかかわる力の育成を子育てにおいて重視する傾向も各国共通しており どの国でも 8~9 割の母親が 力を入れている と回答 4. 母親の 寄り添い型養育態度 が いずれの国でも 好奇心 や がんばる力 の発達に関連しています 好奇心 や がんばる力 を育て

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調査結果からの考察 幼稚園や保育園から小 1 の接続期は 幼児期から児童期に入り 学習生活が始まる重要な時期です なかでも 年長児期に 生活習慣 や 学びに向かう力 の がんばる力 文字 数 思考 の 言葉 が身についている子どもほど 小 1 で 自ら進んで学ぶ 傾向にあることがわかりました 年長児

に 子どもの意欲を尊重する という態度を保護者が取ることで の 学びに向かう力 を育て さらにそれが基本になって 文字 数 思考 を育てるという結果がみられた 4 に保護者が子どもの 思考を促す 態度を取ることが 子どもの 学びに向かう力 や 文字 数 思考 の育ちにおいて大事な役割を果たしているこ

小学生の英語学習に関する調査

幼児期の家庭教育国際調査 の調査概要 調査対象 :4 歳 ~ 6 歳 ( 就学前 ) の子どもをもつ母親調査項目 : 生活習慣 学びに向かう力 ( 非認知的スキル ) 文字 数 思考 ( 認知的スキル )/ 母親の養育態度 行動 / メディアとのかかわり / 母親の教育観 子育て観 / 教育 しつけ

調査結果からみえてきたこと 2017 年の出生数は 1899 年の統計開始以降 最も少ない 94.6 万人になりました 急速な少子化の進行は 日本の人口構造に変化を与え 労働力不足や社会保障の在り方など さまざまな面に課題をもたらします こうした社会環境の中にあって 0~1 歳児を育てている母親の

調査結果からみえてきたこと 大学教育改革の渦中にあった 8 年間の学生の意識や学びの変化をまとめると 以下 3 点です (1) アクティブ ラーニング形式の授業が増え 自己主張できる学生が増加 大学の授業で際立って増加しているのが アクティブ ラーニングの機会です 特にこの 4 年間で ディスカッシ

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3. 将来の目標がはっきりしている を肯定する子どもは半数程度 中学生がもっとも低く 高校 3 年生で 6 割になる 将来の目標がはっきりしている ( あてはまる [ とても + まあ ]) の比率は 小 4~6 生で 5 割強 中学生で 4 割台に低下し 高 3 生で 6 割になる 夢見る小学生と

本調査では 学習時間を十分に取っている子どもほど学業成績がよいという結果が明らかになりました 学習の 量 と 成績 は ある程度比例します この意味で 一定の学習時間を確保することは 学力を高めるのに重要な要素といえます しかし一方で 相対的に短い学習時間でも 学習方法の工夫によって成果を上げること

報道関係各位

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ニュースレター 報道関係各位 2018 年 10 月 26 日 株式会社ベネッセホールディングス広報 IR 部 小学生の読書に関する実態調査 研究 読書は学力が低い子どもたちに大きなプラス効果 自分で調べる 話題が増える 幅広いメリットが明らかに 株式会社ベネッセホールディングスの子会社 株式会社ベ

資料1 団体ヒアリング資料(ベネッセ教育総合研究所)

/基本属性/サマリ概要/各国の教ー育姿勢や力を幼児期からはぐくむことの重要性が 世界的に注目されています ベネッセ教育総合研究所では この姿勢 序 1 調査調査について 背景と目的 グローバル化やIT 化など国際的に社会環境の変化が加速する中で 既存の知識を身につけるだけでなく 環境に柔軟 に適応し

家庭における教育

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

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3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

5. 母親は 子どもの過度なメディア利用については懸念を示しており 一定の配慮や工夫をしながら使わせている テレビ番組やインターネット動画 画像を見せることについてのメリット デメリット メリット デメリット 1 位 歌や踊りを楽しめる 目や健康に悪い 2 位 知識が豊かになる 夢中になりすぎる 子

【報道発表資料】

01表紙福島

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

派遣社員の評価に関する 派遣先担当者調査結果

図表 2-1から 最も多い回答は 子どもが望む職業についてほしい (9%) であり 以下 職業に役立つ何らかの資格を取ってほしい (82.7%) 安定した職業についてほしい (82.3%) と続いていることが分かる これらの結果から 親が自分の子どもの職業に望むこととして 最も一般的な感じ方は何より

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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乳児期からの幼児教育について 大阪総合保育大学 大方美香

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第 3 章 保護者との関わり 子育て支援 に来園する親子の平均組数は 国公立で 14.1 組 私立で 19.2 組だった ( 図 表 3-3-1) では どのようなことを親子は体験しているのだろうか 実施内容について複数回答で聞いたところ 私立幼稚園と国公立幼稚園で違いがみられた (

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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3. 家族とのコミュニケーションを増やしたい さらに 家庭で使いやすい IT ツールがあれば使ってみたい と思う オンライン家族 予備軍は 41.2% 家族とのコミュニケーションに IT ツールを 2~3 日に 1 回以下 の頻度で使っている人の中には 今よりも 家族とのコミュニケーションを増やした

 

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第 4 章大学生活および経済 生活支援とキャリア行動 キャリア意識との関連 本章では 学生の大学生活や経済 生活支援の利用状況をふまえて キャリア行動やキャリア意識に違いが見られるかについて検討する 1 節では 大学生活とキャリア支援の利用との関連を示し どのような大学生活を送る学生がキャリア支援を

結果からの考察 中学校 高校の英語の授業では音声指導や文法指導などが多く 話す 書く を含めた言語活動がまだ十分に行われていないという課題が明らかになりました 中高生の英語によるコミュニケーション能力の向上のためには 従来の文法中心の指導からの脱却が求められます 英語教員の多くは 英語で表現する機会

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スライド 1

5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

2. 調査結果 1. 回答者属性について ( 全体 )(n=690) (1) 回答者の性別 (n=690) 回答数 713 のうち 調査に協力すると回答した回答者数は 690 名 これを性別にみると となった 回答者の性別比率 (2) 回答者の年齢層 (n=6

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出産・育児調査2018~妊娠・出産・育児の各期において、女性の満足度に影響する意識や行動は異なる。多くは子どもの人数によっても違い、各期で周囲がとるべき行動は変わっていく~

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は 1988 年 4 月の誕生以来 幼児の発達段階に合わせた生活習慣や知的好奇心といったテーマにおける学び体験を 通信講座を中心に提供してきました 2018 年 4 月に 30 周年を迎え は ますます進化し お子さまの成長を支える一生ものの意欲と自信を育むための提案や考えるきっかけを 今後もお届け

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学校教育に対する保護者の意識調査2 調査テーマ 保護者の学校教育に対する意識 調査方法学校通しによる家庭での自記式質問紙調査 ( 子どもを経由した配布 回収 ) 調査対象 調査時期 対象 調査時期 有効回収数 協力校 調査概要 全国の公立の小 2 生 小 5 生 中 2 生をもつ保護者 年調査 年調

❷ 学校の宿題をする時間 宿題に取り組む時間は すべての学年で増加した 第 1 回調査と比較すると すべての学年で宿題をする時間は増えている 宿題に取り組むはおよ そ 40~50 分で学年による変化は小さいが 宿題を しない 割合はになると増加し 学年が上がるに つれて宿題を長時間する生徒としない生


2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

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参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分


Press Release 仕事に対しては総じて前向きな結果に 仕事への期待 が過去最高で 仕事に対する夢 の有無も昨年より上昇 売り手市場や手厚い内定フォローの影響か調査開始以来減少傾向にあった 仕事への期待 と 仕事に対する夢 の有無について 今年は一転上昇に転じた 仕事への期待がある ( どち

論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

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結婚しない理由は 結婚したいが相手がいない 経済的に十分な生活ができるか不安なため 未婚のに結婚しない理由について聞いたところ 結婚したいが相手がいない (39.7%) で最も高く 経済的に十分な生活ができるか不安なため (2.4%) 自分ひとりの時間が取れなくなるため (22.%) うまく付き合え

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基本方針 これまでも幼稚園は幼稚園教育要領に 保育園は保育所保育指針に基づいた幼児教育 保育を展開してきた また 平成 20 年 3 月の大幅な改定により 3 歳児から5 歳児の教育に関する内容では整合性が図られている しかし 統一されたカリキュラムがないことで 幼稚園と保育園の内容に違いがあるかの

考えられます 母親の気分の落ち込みは子どもにも影響するため 改善は急務です 気分の落ち込みの背景には 放射線 復興の見通しへの心配 また父親の就労の変化 経済面での心配がありますが これらは個人で解決できないことも多く 社会全体での継続的な施策や支援がさらに必要です 同時に 心配や不安を一人で抱え込

目 次 1. 策定の趣旨 2 2. 基本理念 2 3. 計画の期間及び推進状況の把握 2 4. 計画の対象 2 5. 第 1 次計画 における成果と課題 2 (1) 成果 2 (2) 課題 3 6. 計画の全体構想図 3 7. 推進事業 4 (1) 家庭における読書活動の推進 4 (2) 地域 図書

2008/3/4 調査票タイトル : ( 親に聞く ) 子どものダイエットについてのアンケート 調査手法 : インターネットリサーチ ( ネットマイル会員による回答 ) 調査票種別 : Easyリサーチ 実施期間 : 2008/2/22 14:28 ~ 2008/2/22 21:41 回答モニタ数

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

世の中の人は信頼できる と回答した子どもは約 4 割 社会には違う考え方の人がいるほうがよい の比率は どの学年でも 8 割台と高い 一方で 自分の都合 よりみんなの都合を優先させるべきだ は 中 1 生から高 3 生にかけて約 15 ポイント低下して 5 割台にな り 世の中の人は信頼できる も

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1. 子どもとの朝活歴 半数近くに上る Q. 朝活 について質問です 子どもと一緒に何らかの朝活をしたことがありますか? もしくは現在朝活をしていますか? ( 単一回答 N=417) 子どもと一緒に朝早くに何らかの活動に取り組んでいるかを質問したところ 現在 朝活している と回答したのは全体の 43

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

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平成 30 年 5 月 14 日 教職員育成課 横浜市教育委員会 東京大学中原淳研究室共同研究 ( 平成 29 年度 ) ~ 教員の 働き方 や 意識 に関する質問紙調査の結果から ~ < 内容 > 1 研究の目的 調査の概要 (1) 研究の目的 (2) 調査の概要 2 調査結果から見えてきたこと

調査実施の背景 わが国では今 女性活躍を推進し 誰もが仕事に対する意欲と能力を高めつつワークライフバランスのとれた働き方を実現するため 長時間労働を是正し 労働時間の上限規制や年次有給休暇の取得促進策など労働時間制度の改革が行なわれています 年次有給休暇の取得率 ( 付与日数に占める取得日数の割合

三世代で暮らしている人の地域 親子関係 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室的場康子 < 減り続ける > 戦後 高度経済成長を迎えた我が国においては 産業構造の変化により都市化 工業化が進む中で 多くの人が地方から都市に移動し核家族化が進んだ 低成長経済に移行した後

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第2節 茨木市の現況

-2 小学校との連携を図るための連絡協議会等の連携組織の有無小学校との連携を図るための連絡協議会等の連携組織がありますか ( 該当するもの つ選択 ) ない 38.7% n=42 ある 6.3% 2 基本的生活習慣について 2- はやね はやおき あさごはん 運動などの基本的生活習慣の確立のための取

調査実施の背景 近年 ライフスタイルの多様化が著しく進んでいます 生涯未婚率が上昇し 単身世帯 一人親世帯も増加するなど 世帯構成が大きく変化しました また 25 歳から 39 歳の就業率が上昇し 共働き世帯も増加しました においては 管理職の積極的な登用が推進される一方で非正規社員の占める割合は高

成績評価を「学習のための評価」に

Transcription:

2018 年 3 月 8 日 株式会社ベネッセホールディングス 代表取締役社長 安達 保 幼児期の家庭教育国際調査 日本 中国 インドネシア フィンランドの母親を対象に 小学校入学に向けて育みたい 学びに向かう力 は各国共通の 5 領域 好奇心 協調性 自己主張 自己抑制 がんばる力 寄り添い型養育態度 が 学びに向かう力 の発達と関連 株式会社ベネッセホールディングス 本社 岡山市 の社内シンクタンクであるベネッセ教育総合 研究所は 2017 年に アジア3か国とフィンランドの都市圏で 幼児期の子どもを持つ母親を対象 に 幼児期の家庭教育国際調査 を実施しました 本調査は 母親の子育て意識 実態や 小学校入 学に向けて幼児期に育みたい力として設定した 学びに向かう力 文字 数 思考 生活習慣 の 発達状況と保護者のかかわりについて 国による違いや共通点を明らかにすることを目的にしていま す 今回の調査では 日本と同じアジア圏より 経済的な成長が著しく 日本と同様に幼児教育の中 で非認知的なスキルを重要視している中国 多様な民族が融合しているインドネシア アジア圏との 比較のためにヨーロッパ圏からフィンランドを対象にしました 本リリースでは 小学校入学に向け て育みたい力のひとつである 学びに向かう力 について取り上げています 学びに向かう力 の解説と調査の主な結果は 以下の通りです 学びに向かう力 について ベネッセ教育総合研究所では 幼児期に育みたい生涯にわたって必要な力 小学校入学以降の 学習や生活につながる力として 好奇心 協調性 自己主張 自己抑制 がんばる力 の 5つの非認知的なスキルを 学びに向かう力 として定義しました ベネッセ教育総合研究所で は 2012 年より 学びに向かう力 の縦断研究 幼児期から小学生の家庭教育調査 に取り 組み 幼児期の 学びに向かう力 が 言葉 などの認知的なスキルの土台となることを明ら かにしています 調査の主な結果 1 小学校入学に向けて育みたい力のひとつである 学びに向かう力 は 社会文化的な環境が 異なるにもかかわらず 4か国で共通の5領域 好奇心 協調性 自己主張 自己抑制 がんばる力 で構成されていることがわかりました 2 学びに向かう力 の5項目の内 いずれの国でも 好奇心 の得点がもっとも高い傾向 一 方で がんばる力 や 自己抑制 は 得点が低い傾向がありました 1 6

3. 学びに向かう力 や 生活習慣 などの自立にかかわる力の育成を子育てにおいて重視する傾向も各国共通しており どの国でも 8~9 割の母親が 力を入れている と回答 4. 母親の 寄り添い型養育態度 が いずれの国でも 好奇心 や がんばる力 の発達に関連しています 好奇心 や がんばる力 を育てるうえで 保護者のかかわり方が重要です 調査の背景と目的 グローバル化や IT 化など 国際的に社会環境の変化が加速する中で 既存の知識を身につけるだけでなく 環境に柔軟に適応し 学び続け 課題を解決しようとする姿勢や力が必要と考えられるようになっています そして そのような姿勢や力を幼児期から育むことの重要性が 世界的に注目されています ベネッセ教育総合研究所では この姿勢や力を 学びに向かう力 として 2012 年より 年少期から毎年 国内で縦断調査を行ってきました そのなかで 学びに向かう力 ( 非認知的スキル ) の形成のプロセスと 生活習慣 や 文字 数 思考 ( 認知的スキル ) との相互影響の様子 保護者のかかわりの影響について明らかにしてきました 2017 年 研究対象を国外に広げ 社会文化的に異なる環境に暮らす幼児の 学びに向かう力 生活習慣 文字 数 思考 の発達と保護者のかかわりを把握することを目的に 日本 中国 インドネシア フィンランドの都市部で調査を行いました 尺度は 2012 年の国内調査 ( 幼児期から小学生の家庭教育調査 ) で設計したものを 各国の文化 習慣に合うように留意しながら翻訳し 使用しました また 幼児期の家庭での教育 養育の実態や 保護者の教育 育児意識も合わせて調査し 背景となる環境や意識の違いや共通点を把握しました いずれの国も 各国の子どもたちが小学校に入学する月の 1~3 か月前に時期を合わせて調査を行いました 結果のまとめ 今回の調査結果より 幼児期の 学びに向かう力 の形成については どの国においても 好奇心 協調性 自己主張 自己抑制 がんばる力 の 5 つから構成されていました そして いずれの国も 母親の 寄り添い型養育態度 が 好奇心 がんばる力 等の非認知的スキルに関連する項目の発達と関連していることがわかりました また 各国の母親の子育て方針についても 子どもの 学びに向かう力 や 生活習慣 に関連することを重視している傾向が共通してみられました グローバル化 IT 化が急速に進む社会においては 異なる文化に対する 好奇心 コミュニケーションの上では 協調性 や 自己主張 自己抑制 そして 困難な環境にあっても がんばる力 といった 非認知的スキルがより重要であると考えますが その力が いずれの国の家庭においても 幼児期に共通して育まれていることがわかりました また その力の成長が 保護者の子どもの意思を尊重したり 子どものがんばりを見守る形で支援したりするようなかかわりかたと関連することは 国を超えた貴重な知見と言えると考えます 保護者や 幼児教育にかかわる方々にとって 本調査の結果が 各国でのよりよい幼児期の養育を考える際の示唆となることを願っています 2 6

調査概要 名称 調査対象 調査項目 調査監修分析担当 幼児期の家庭教育国際調査 4 歳 ~6 歳 ( 就学前 ) の幼児を持つ母親 子どもの基本的な生活時間 / メディアとのかかわり / 習い事 / 母親の教育観 子育て観 / 子どもの将来への期待 / 生活習慣 学びに向かう力 ( 非認知的スキル ) 文字 数 思考 ( 認知的スキル )/ 母親の養育態度 行動 / 教育 しつけの情報源 / 子育ての担い手 / 父親 祖父母の家事 育児参加 / 子どもと過ごす時間など 調査監修 : 無藤隆 ( 白梅学園大学大学院特任教授 )/ 秋田喜代美 ( 東京大学大学院教授 )/ 一見真理子 ( 国立教育研究所総括研究官 )/ 榊原洋一 ( お茶の水女子大学名誉教授 チャイルド リサーチ ネット所長 )/ 荒牧美佐子 ( 目白大学准教授 ) 分析担当 : 木村治生 ( ベネッセ教育総合研究所主席研究員 )/ 高岡純子 ( 同研究所主任研究員 )/ 持田聖子 ( 同研究所研究員 )/ 真田美恵子 ( 同研究所主任研究員 )/ 久保木有希子 ( 同研究所研究員 )/ 田村徳子 ( 同研究所特任研究員 ) 日本中国インドネシアフィンランド 調査地域 首都圏 ( 東京駅から 40 キロ圏内 ) 北京市 上海市 成都市 ジャカルタ市他近郊 4 市 エスポー市他 3 市 調査時期 2017 年 3 月 2017 年 6 月 2017 年 5~7 月 2017 年 6~7 月 調査方法 インターネット調査 幼児園通しの自記式質問紙調査 調査員の戸別訪問による聞き取り調査 保育園通しで配信されたインターネット調査 有効回答数 1,086 名 2,778 名 900 名 180 名 監修者 上表に記載 朱家雄 ( 華東師範大学名誉教授 ) 周念麗 ( 華東師範大学教授 ) Sofia Hartati ( ジャカルタ国立大学教授 ) Risto Hotulainen ( ヘルシンキ大学准教授 ) データに関する留意点 図表 文中では 国名を記載していますが 調査は各国の都市圏で実施しており 調査国全体の平均値を示すものではないことにご留意ください ( 日本 : 首都圏 中国 : 上海 北京 成都 インドネシア : ジャカルタと近郊 4 市 フィンランド : エスポー他 3 市 ) 中国 インドネシア フィンランドは 地域性やサンプリングの影響で 世帯収入と母親の学歴が 平均より高い傾向があります 中国については 自記式質問紙調査のため 無答不明 が生じていますが 分析に当たっては 設問ごとに 無答不明 を欠損値として除外して算出しています 本調査結果は 2018 年 3 月 18 日 チャイルド リサーチ ネット主催 アジア子ども学交流プ ログラム第 2 回国際会議 (2018 年 3 月 17 日 18 日 ) でも紹介します http://www.blog.crn.or.jp/crnasia-2017.html 2018 年夏ごろ 本調査より 母親のワーク ライフ バランス に焦点をあてた分析結果を発信 する予定です ベネッセ教育総合研究所のホームページからも 本資料をダウンロードできます http://berd.benesse.jp/ 3 6

主な調査結果 1 小学校入学に向けて育みたい力のひとつである 学びに向かう力 は 社会文化的な環境が異なる にもかかわらず 4ヵ国で共通の5領域 好奇心 協調性 自己主張 自己抑制 がんばる 力 であることがわかりました 図1 2 学びに向かう力 の5項目の内 いずれの国でも 好奇心 の得点がもっとも高い傾向 一方 で がんばる力 や 自己抑制 は 得点が低い傾向がありました 図2 幼児 6歳児時点 での 学びに向かう力 5領域の発達状況 各国の 6 歳児の 好奇心 協調性 自己主張 自己抑制 がんばる力 の各項目の合計得点の 平均 4.0 が満点 とてもあてはまる を4点 まああてはまる を3点 どちらともいえな い を2点 あまりあてはまらない を1点 ぜんぜんあてはまらない を0点として算出 好奇心 は 図1 に示した4項目 協調性 は 図1 に示した4項目 自己主張 は 図1 に示した5項目 自己抑制 は 図1 に示した6項目 がんばる力 は 図1 に 示した4項目 すべての項目に対して回答した人を対象とした 内はサンプル数 4 6

3 学びに向かう力 や 生活習慣 などの自立にかかわる力の育成を子育てにおいて重視する傾 向も各国共通しており どの国でも8 9割の母親が 力を入れている と回答しています 子育てのなかで 力を入れていることをたずねたところ 他者への思いやりをもつこと 自分の気持ちや考えを人に伝えること 興味や関心を広げること といった 学びに向 かう力 に関連する項目は 8~9割が肯定 とても力をいれている まあ力を入れて いる 自分でできることは自分ですること 基本的な生活習慣を身につけること 社会 のマナーやルールを身につけること といった 生活習慣 の自立に必要な能力は すべて の国で9割以上が肯定 日本の母親は 芸術的な才能を伸ばすこと 音楽や絵画など や 外国語を学ぶこと を 重視する比率が 他国に比べて低い傾向にあります 図 3.子育て方針 Q あなたは どのようなことに力を入れて 対象のお子様を育てていますか (%) 学びに向かう力 に関連 生活習慣 に関連 日本 中国 他者への思いやりをもつこと 96.1 97.1 95.4 100.0 自分の気持ちや考えを人に伝えること 94.4 94.8 95.5 98.3 興味や関心を広げること 87.8 93.8 96.7 90.0 自分でできることは自分ですること 96.5 96.5 97.1 98.9 基本的生活習慣を身につけること 95.2 97.8 95.0 100.0 社会のマナーやルールを身につけること 97.5 99.3 97.4 100.0 数や文字を学ぶこと 87.2 88.1 96.6 89.4 61.4 87.8 95.3 78.4 芸術的な才能を伸ばすこと(音楽や絵画など) 46.3 85.9 78.1 72.8 外国語を学ぶこと 38.4 81.5 79.4 52.8 文字 数 思考 伝統や文化を大切にすること に関連 インドネシア フィンランド とても力を入れている と まあ力を入れている の合計 4 母親の 寄り添い型養育態度 が いずれの国でも 好奇心 や がんばる力 の発達に関連し ています 好奇心 や がんばる力 を育てるうえで 保護者のかかわり方が重要です 子どもがやりたいことを尊重し 支援している 子どもが自分でやろうとしているとき 手を出さずに最後までやらせようとしている など 子どもの意思や感情を尊重する保護者 のかかわりを 寄り添い型養育態度 と定義し 学びに向かう力 との関連を調べました 母親の 寄り添い型養育態度 は 日本 中国 フィンランドは 好奇心 がんばる力 の 発達と関連がみられました インドネシアは 好奇心 の発達と関連がみられました 図 4-1 つまり 母親が 寄り添い型の姿勢で子どもとかかわるほど 子どもは 新しいことに好奇 心をもてる 好奇心 の項目 図4_2 物事をあきらめずに 挑戦することができる がんばる力 の項目 図 4_3 といえます 図4-1 5 6

4~6歳のデータ 二変量相関分析により 中程度 0.2~0.4 のプラスの相関がみられた 寄り添い型養育態度 とは 子どもがやりたいことを尊重し 支援している どんなことで も まず子どもの気持ちを受け止めるようにしている 子どもに対して否定的ではなく 前向き で積極的な態度をとるように心がけている しかるとき 子どもの言い分を聞くようにしてい る 子どもが自分でやろうとしているとき 手を出さずに最後までやらせるようにしている の 5項目から成る 学びに向かう力 5領域のうち もっとも得点の高い 好奇心 と 各国共通して得点の低い がんばる力 のみを取り上げている すべての項目に対して回答した人を対象とした 図 4-2 寄り添い型養育態度 の高群 低群と 新しいことに好奇心をもてる 好奇心 の 項目 各国の 寄り添い型養育態度 について 得点 0 4 点 の分布をみて 高低2群に分けた 図 4-3 寄り添い型養育態度 の高群 低群と 物事をあきらめずに 挑戦することができる がんばる力 の項目 各国の 寄り添い型養育態度 について 得点 0 4 点 の分布をみて 高低2群に分けた 6 6