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楢﨑久美子 ですか? 優先順に 3 つ, 記号と具体的な内容を答えて下さい. と質問したうえで, 価格, 素材, ブランド, デザイン, サイズ, 色, その他 の 8 項目から優先順に答えてもらった. 具体的な内容とは, 例えば ブランド なら好きなブランド名を書くなど, その答えの個人の傾向を記述してもらった. 4. 結果及び考察 2010 年,2011 年の結果を提示したうえで, それぞれの年の特徴及び2007 年からの 5 年分の比較分析を行い, 女子大学生の衣生活の自立及び被服購入時の重視項目について考察する. ( 1 )2010 年の結果及び考察まず衣生活の自立に関する質問項目については, 表 1, 図 1 のような結果になった. 衣服の購入, 衣服をしまうに関してはどちらも80% 以上の学生が ほとんど行う と回答し, 自分自身が身に付ける衣服は自分自身で選び, また, 収納に関しても自分で責任を持って片づけているという生活が見て取れる. これはこれまでの結果とほぼ同様のものである. 2010 年の調査結果の特徴としては, 衣服を干す, 衣服をたたむ という項目について, 時々 たまに と 頻度を答えた学生が約 1 割いたことである. 今回調査対象とした学生も多くは家族と同居しているため, 衣服の管理に関しての自立は作業効率の面から家族に依存している場合がほとんどであるが, 何かしらの必要があればそういった作業をすること自体に抵抗はない, という意識が見て取れる. その他の項目でも自由記述であるカッコ内には被服のアイテム名称を書くように指示しているにもかかわらず, 休日, 時間があるとき など頻度を記入する学生がこれまでになく多いことからも同様の意識がうかがえる. 次に衣服の購入の際に重視する項目の結果については, 表 2, 図 2 のような結果になった. 優先順位 1 位であったのは デザイン であり, 2 位は 価格 である. これは, これまでの傾向と変わらない. ただし, デザイン といっても特定のディテールや柄を挙げるのではなく, 自分に似合っているデザイン というコメントがいくつか見られた. 合わせて サイズ, 色 に関する優先度合いが2010 年は高くなっており, 優先する理由からディテールや値段よりも, より自分自身に似合うかどうか, 好きな色であるか, ということを重視するという意識が見受けられる. つまり, 衣服が自分自身を彩り, イメージ付けるという機能を持つこ 表 1 2010 年の衣生活の自立に関する結果 (N=80)( 人 ) ほとんど行う 行わない その他 衣服の購入 66 8 6 衣服の洗濯 17 55 8 衣服を干す 18 46 16 アイロンかけ 27 48 5 衣服をたたむ 35 30 15 衣服をしまう 66 11 3 衣服の修繕 40 32 8 衣服を捨てる 57 23 0 表 2 衣服購入時の優先順位結果 (N=80)( 人 ) 優先 1 位 優先 2 位 優先 3 位 価格 20 24 26 素材 3 5 8 ブランド 2 4 4 デザイン 46 19 13 サイズ 9 17 22 色 0 10 7 その他 0 1 0 図 1 衣生活の自立 (2010) 図 2 衣服購入時の優先項目 (2010) 92

女子大学生の衣生活の実態とその変化 ( 2 ) とを知り, 主観的な選択をしているという傾向がうかがえるのである. また, 少数意見ではあるが, これまでの調査では見受けられなかった その他 を選択し, 必要性 と答えた学生がいたことは注目すべき点である. 所有している被服を把握しており, 管理しているという自覚がうかがえる. ( 2 )2011 年の結果及び考察 2011 年の衣生活の自立に関する質問については, 表 3, 図 3 のような結果になった 2011 年の調査結果の特徴としては, 衣服の購入に関して全員がほぼ自身で購入をしている, というところである. 受講生がこれまでで最多の92 名であるにもかかわらず, 全員がこのような結果になるということは大学生として自身の服装に対して自由に楽しみ, かつ, 責任を負っているという実態がこの年度の学生の特徴であるといえる. また, 衣服をたたむ, 衣服をしまう, 衣服を捨てる に関しても行っていると答えた学生が高い割合を示しており, 家族と同居していても個人で行うことが可能な衣生活について自立している学生が多いといえる. 衣服の洗濯に関しても自由記述において オシャレ着 や アルバイトの制服 など手洗いが必要なものや 下着 は自分で洗濯をすると答えた学生が 8 名おり, 特別な配慮が必要な衣服があることを認識している傾向が見受けられる. 次に衣服の購入の際に重視する項目の結果については, 表 4, 図 4 のような結果になった. 2011 年の衣服を購入する際の優先項目として特徴的なのは ブランド と答えた学生の多さである. これは, 2010 年 2 月にアパレルメーカーのクロスカンパニーが女優の宮崎あおいを起用して自社ブランド earth music & ecology のテレビ CM 2) が全国的な注目を浴び, その後も若い世代を対象にしたアパレルブランドの CM が次々に流れた影響を感じられる結果である. そもそもこれまではファッションブランドの名前はファッション雑誌の宣伝ページや店頭で選択的に, 興味関心がある人が見て, 認識することが一般的であり,TVCM も社会人を対象にしたものだったが, テレビというメディアで無差別に, 音と映像を交えて宣伝されるようになったことで, 10 代を中心とした若い世代のファッションブランドの名前がより印象的に広まり, ブランド という用語がハイファッションを取り扱う高級ブランドをささなくなったと考えられるのがこの時期である.10 代から20 代前半を対象にしたこれらの CM を流したファッションブランド 表 3 2011 年の衣生活に関する結果 (N=92)( 人 ) ほとんど行う 行わない その他 衣服の購入 86 0 6 衣服の洗濯 20 56 16 衣服を干す 21 49 22 アイロンかけ 24 51 17 衣服をたたむ 41 31 20 衣服をしまう 79 9 4 衣服の修繕 36 39 17 表 4 衣服購入時の優先項目 (N=92)( 人 ) 優先 1 位 優先 2 位 優先 3 位 価格 20 35 26 素材 2 7 7 ブランド 2 4 13 デザイン 61 21 8 サイズ 7 17 21 色 0 7 15 その他 0 1 2 衣服を捨てる 69 20 3 図 3 衣生活の自立 (2011) 図 4 衣服購入時の優先項目 (2011) 93

楢﨑久美子 は, 当然であるが, 学生にも購入しやすい価格帯であり, ファストファッションとよばれる部類の衣服を取り扱うため, 衣服の購入 選択について, 高い自立の割合と関心が生まれたのだと考えられる. また, デザイン と 色 の項目において, 理由に 着回しができるかどうか, 持っている服と合うかどうか という記述が目立って見られ, 特徴的であった. 2010 年の調査結果に引き続いて, 既に所有している服を把握した状態で被服を購入しようとしている実態が明らかとなった. ( 3 )2007~2011 年の衣生活の自立に関する変化前稿の結果及び今回の結果である 5 年間の衣生活の自立に関する回答のうち, ほとんど行っているものについての比較を図 5 で表す. 衣服の購入, 衣服をしまう の 2 項目に関しては, あまり大きな差がなく, 多くの学生がそれを行っていると言える. それ以外の項目については2008 年のデータが少ない値を示しており, この年は衣生活の自立に関する意識がやや低いことがうかがえる. また, アイロンかけ, 修繕に関する項目については自立をしている学生が減少傾向にある. 衣服の管理として部分的に行うことができる項目であり, 中等教育課程までの被服に関する学びの中で実習指導があったであろう内容にもかかわらず, 家庭生活での実践状態は高いとはいえない現状が見受けられる. しかし, 衣服を捨てる に関しては増加傾向にあり, 社会的な取り組みとリサイクルや古着ファッションの流行の影響が学生の衣生活の自立に関わっていると指摘ができる. 衣生活の自立に関する内容のうち, 行わないものに関しては, 図 6 に示したとおりである. 衣服の洗濯, 衣服を干す については平均すると半数を超える学生が全く行わない状況にあり, この点に関しては学生の多くが実家暮らしであり, 置かれている環 図 6 衣生活の自立 ( 行わない ) の変化 境に起因していると考えられる. しかし, 独立した生活を営む可能性もある今後のためにも, 定期的に洗濯に関わる一連の作業をおこなう機会を家庭と協力して作っていく必要がある. また, アイロンかけについては, 学生が着用している衣服がアイロンがけを必要としないものである場合が多く, これは特に2009~2011 年にかけては注 森ガール 1) と呼ばれる, 洗いざらしを着るような, 風合いを楽しむ衣服やスタイルが流行していたため, 増加傾向にあったと考えられる. ( 4 )2007~2011 年の衣服購入時の優先項目に関する変化 2007 年から2011 年の衣服の購入時の優先項目の変化について, まず価格についての変化は図 7 のようであった. 価格に対する意識は, 被調査者の 5 人に 4 人以上が優先すべき項目として挙げており,2009 年が最も重視をすると答えた年であった. 近年においては優先 1 位とする傾向は減少しているが, 2 位, 3 位と高い数値を示していることから, やはり価格は被服選択において重要なファクターであることが分かる. 前稿でも述べたが, この項目は金銭の提供と選択権の両方を指している. しかし, 具体的な理由の記述から,2009 年までは自分自身で購入する場合にできるだけ安価なもので, たくさんの衣服を獲得したいという傾向が高まっていたが,2010 年, 図 5 衣生活の自立 ( ほとんど行う ) の変化 図 7 価格の優先度の変化 94

女子大学生の衣生活の実態とその変化 ( 2 ) 2011 年を含めて再分析すると, 価格帯が安いものに関しては自分自身で購入し, 高価なものに関しては選択だけを行い, 支払いは保護者にしてもらう, という意見が見て取れ, 年を追うごとに衣服へのこだわりがはっきりとしてきた. 素材の優先度については図 8 のような結果となった. 素材の優先度は高くはないが,2009 年は特徴的に優先をする学生が多い年であった. その他の年としては似たような傾向であり, あまり重視をしていないと考えられる. しかし, デザイン や サイズ の理由に 着心地の良いもの といった記述がいくつか見られ, 素材そのものを確認し, 優先することはないが, 素材から大きな影響を受ける着用したときの印象を重要視している点は確認できた. 中等教育課程で基本的な繊維についての知識は学んではいるが, それと日常生活で着用している衣服の素材名を意識することがほとんどないのが実状であると考えられる. ブランドの優先度については, 図 9 のような結果となった. 質問意図としては, ハイブランドについての志向を問うたつもりであったが, 全体として数値がかなり低く, 本学学生の傾向として, ブランドに対するこだわりはあ図 8 素材の優先度の変化 まりないようである. ただし,2010 年からは優先項目にこれを挙げる被調査者が増加しており, 優先内容の記述を確認すると全体的にショッピングモールに多く展開しているファストファッションを取り扱うブランド名注 2) を挙げている. ハイブランドにはあまり興味がなく, ブランドを固定した衣服の購入をしない学生がほとんどである中で, 一部の学生は社会的影響から学生向けファッションブランドを好む傾向が増加している様子が見受けられる. デザインの優先度については図 10にようになった. 2011 年まで比較しても高い優先度であり, 女子大学生にとって衣服購入の決め手はデザインであることがデータ上から立証された. しかし, どのようなデザインを好むかについては年ごとに特徴が見られ, 全体としてはシンプル傾向, 目立たないもの, という記述が多い意見であるが, 人とかぶらないもの といった個性的なデザインを好む学生が 5 年間を通しても一定の割合でいることも特徴的であるといえる. また,2010 年以降は 自分に似合っているもの という, 具体的なディテールではなく, 自身が着用することをより意識した, 主体的な選択をしていることがうかがえる記述が多くみられた. 流行していることよりも, それを着用することで自身がより良く見えるか, という自身の美意識や, 他者からの評価を気にしているという傾向がより強まっていることが分かった. サイズの優先度については図 11のような結果となった. 5 年間を通してみると, 重視をしている傾向が強まっていることが分かる. 全体の項目から見ても, 重視項目であることは間違いなく, 着用したときの見た目をかなり気にしている様子が見て取れる. 前稿でも述べたが, 試着をして選ぶ, あるいは自身の体型やサイズを把握し, デザイン と共通した, 自分がより良く見えるか, 他人からどう見られるか, ということにかなり関心 図 9 ブランドの優先度 図 10 デザインの優先度の変化 95

楢﨑久美子 な答えを書いた学生もおり, 増加傾向にあるため注目すべき項目であると考えられる. 図 11 サイズの優先度の変化があるのが本学学生の特徴であることが明らかとなった. 次に色の優先度であるが, これについては図 12のような結果となった. 色の優先度は2008 年にいったん減少するが, その後は増加傾向を示している. 優先度は低くでも, 2 位, 3 位にこの項目を選ぶ学生は増えており, デザイン, サイズ の項目と関連した意識であると考えられるが, 自分に似合う色 や 持っている服と合わせやすいもの, 持っている服とかぶらないように といった理由を挙げる学生が特徴的であった. なお, アパレル業界では, 流行色は事前に決まっており, 店頭に出回る商品はブランドや店舗が異なってもシーズンとしてはおおよそ似たような色味になることが多い. そのような中で優先理由として, 自身の見栄えや所有している衣服とのバランスを考えて購入をしているという意識がうかがえ, 衣服の選択に対する現実的な現状が明らかとなった. 最後にその他の優先度であるが, これについては2010 年に 1 名,2011 年に 3 名がこの項目を選択した. 記述内容から実際には デザイン あるいは 色 に分類することも可能であるが, 直観 という理屈ではない, 大胆図 12 色の優先度の変化 5. まとめと衣生活の自立に関する教育的提案本研究は女子大学生の衣生活の自立と衣服購入時の優先項目についての実態を明らかにし, 自立に関する認識とその実践について考察し, それを元に衣生活の自立を促す教育的提案をするものである.2007 年から2011 年の本学学生のデータから, 以下のことが言える. まず, 衣服の購入についてはほとんどの学生が行っており, 購入時の優先事項はどの年もデザイン, 価格であった. なお, その他の項目の具体的な内容を照らし合わせた際, 自分に似合うかどうか, ということをかなり重視しており, 5 年間の傾向として変化は見られなかった. 特に流行しているかどうかという答えは少数派であり, つまり, ファッションに関して興味があり, 自分自身をイメージづけするツールとして衣服を活用している実態がはっきりと明らかになった. しかし, 購入後の衣服の洗濯, 乾燥, アイロンがけに関する自立はどの年も低いため, 積極的な授業での実践の呼びかけが必要である. 選択, 管理, 廃棄までを含めて衣生活であるということは高等教育までの 家庭科教育 で学んでいることであり, 本学科の教育的特色として, より衣生活の自立に必要な作業の実践を取り入れていくべきである. 特に社会に出る際に衣生活に関わる企業に進む学生が少なくないため, 学生の将来を考え, 就職活動への動機づけの展開も考えられ, 積極的に行う必要がある. 洗濯後の管理である, 衣服をたたむ, しまうに関しては行っている学生の割合が一定数保たれていることから, 自身の部屋をもち, 整理整頓の習慣がついている学生がある程度見受けられる. これについては大学生になってより多くの衣服を所有することになるため, 衣服の種類が増え, フード付きや特殊な装飾のものが現れたとしても, 継続して行うことができるよう管理についての指導も合わせて行うことが必要である. 衣服の修繕に関しては, 自身で行うという回答が減少傾向にあり, 原因として修繕してまでその衣服を着たいか, というファッション性によるものも考えられる. 特にファストファッションブランドで販売される商品は継続して毎年着用することができるものばかりとはいいがたい. よって, 修繕の必要はないと考えている可能性も示唆される. これについては, 前稿でも述べたが, 卒業間近の学生の実態と合わせて検討することにより明らかになると考えられる. 96

女子大学生の衣生活の実態とその変化 ( 2 ) なお, 本学科では 2 年時に洋裁の実習授業を設けているが, 年々基礎縫いやボタン付けを苦手とする学生が増えている. 本人に確認したところ, 高等学校での被服実習でやらなかった, というものも少なくなかった. 中学校, 高等学校共に家庭科の時間が減少傾向にあり, また, 高校 1 年生あるいは 2 年生でのみ授業を受けているため習慣として基礎縫いやボタン付けの技術が身に付い注ていないのは ゆとり教育 3) の弊害であると言えよう. 衣服の廃棄については増加傾向であり, 2 人に 1 人の割合で行っていると答えている. 廃棄は分別ができるか, という点で実態を明らかにするために質問したが, 2010 年以降はリサイクルのため古着屋で処分している, という回答が数名から得られ, 単なる廃棄ではなく, 経済活動と関連していることを, 身をもって体験している学生もいることが分かった. このような経験は購入 管理にも影響を与えるため, 多くの学生に実践してもらいたい. 以上, 全体として本学学生は全ての項目の衣生活が自立できているとはいいがたいが, 購入と選択に関しては, 自分自身の個性を出すため, 自分自身をよく見せるため, という視点で衣服を選び, 限られた予算の中でできるだけ効率的に購入するという自立した実態が明らかになった. 教育的視点からの提案としては, 衣生活の自立が単なる衣服の管理ではなく, 職業選択, 経済活動, 環境問題 などと深いかかわりがあり, 家庭生活を超えた営みであることを理解させる必要がある. これらを理解すれば実践への意欲が高まることが期待できるため, 単一的な教育目標や指導内容ではなく, 複合的な視野をもって授業計画を立てるべきである. 特に 自己表現 と 他者からの評価 に関する意識が強い本学学生に対しては, 衣服のリメイクや選択の際の手掛かりとしての素材への理解を通して実践へつなげることが可能であるといえる. 注 1) 森ガール は2014 年 1 月発行の 現代用語の基礎知識 によると, 以下のように説明してある. 森にいそうな女の子 を指す言葉で, 友人に 森にいそうな格好だね と言われた女性が mixi に 森ガールコミュニティ を作ったことで,2008 年から話題になった. 本人たちによる 森ガール の定義は, 緩い感じのワンピースが好き, シンプルよりどこか癖のある服が好き, でも派手派手してるのはそんなに好きじゃない, 素材にこだわりたいなどで, 女優の蒼井優が, そのアイコンとなっていた. ( 自由国民社,p. 1163) 2) なお, 本学学生が, 関心がありファションの情報を仕入れる媒体, あるいは好きなブランドとして挙げたのは earth music & ecology, WEGO, ジーナシス, グローバルワーク, INGNI, ローリーズファーム, RIO, axes femme など, トップスが3,000 円前後, ボトムスが5,000 円前後で購入できるファッションブランドである. また, スピンズ を代表とする古着屋を記述した回答も特徴的であった. 3) ゆとり世代とは中学校では2002 年度, 高等学校では2003 年度に施行された学習指導要領によって教育を受けた世代を指し, 週休二日制の導入や学習内容の削減などにより十分な学習経験を持たないことが特徴である. 本調査結果を出した学生はまさにその教育を受けているといえる. 引用文献 1) 楢﨑久美子 女子大学生の衣生活の実態とその変化 ( 1 ) 人間生活学部紀要 創刊号, 広島女学院大学,pp. 79 87,2014 2) クロスカンパニー主義新聞連続全面掲載の本質石川康治代表取締役社長に聞く 全員正社員カンパニー 岡山- 上海, ときどき東京 の本気度 ファッション販売 第 39 巻第 8 号, 商業界,2012 図 表出典一覧図 1 ~12 及び表 1 ~ 4 2007~2011 年に行った調査表を用いて著者作成 97