Microsoft Word - 01 16本試験/理論解答(法人) docx

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別表五(一) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書

余金の額の減少に伴うものを除きます 以下同じです ) 若しくは利益の配当又はいわゆる中間配当 ( 資本剰余金 の額の減少に伴うものを除きます 以下同じです ) を した場合には その積立金の取崩額を 減 2 に記載するとともに 繰越損益金 26 の 増 3 の金額に含まれることになります なお この

このため 法人税法の取扱いでは 収益の計上時期について各法人の任意の取扱いに委ねるのではなく 課税の公平の観点からこれを統一的に取扱うこととしている すなわち 法人が商品等を販売した場合には それによる収益は商品等の 引渡しがあった日 に収益に計上することとしている つまり 商品等の買主への引渡しと

「平成20年版 法人税申告書の記載の手引」別表五(一)

. 減価償却の仕組みを理解する 60 定率法 定額法など減価償却の方法を理解しましょう. 有価証券の整理をする 68 有価証券一覧表に 購入売却のつど その取引内容を記載していくと 決算業務の際に便利です. 受取配当金を集計する 78 有価証券の整理後 受取配当金と源泉所得税を集計し 申告書作成の準

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企業会計の利益 法人税法上の所得金額 売上原価販売費一般管理費営業外費用特別損失 売上 営業外収益特別利益 損金の額原価費用損失の額 益金の額 ( 収益の額 ) 当期純利益所得の金額 2 益金の額に算入すべき金額とは何か益金の額に算入すべき金額とは 法人税法の規定や他の法令で 益金の額に算入する 又

利益積立金額第 10 章税法上の資本の部 第 2 節利益積立金額 利益積立金額とは 法人の所得の金額のうち留保されているものをいう ( 法 21 十八 ) この利益積立金額は 法人の所得として課税済みの金額であり それが株主等に配当等された場合には二重課税の調整を要し また 特定同族会社の留保金課税

欄記載要領注意事項 役員給与の損金不算入額 8 加算 の 10 1 と 留保 2 に記載します ロ納税充当金で消却した場合この明細書には記載しないで 別表五 ( 一 ) において 前期から繰り越された 仮払税金 の 減 2 にその消却した金額を 印を付して記載するとともに 納税充当金 27 の 減

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Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

Taro-入門ⅡA jtd

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とともに 繰越損益金 26 の 増 3 の金額に含まれることになります なお この場合に会社法第 445 条第 4 項の規定により積み立てた剰余金の配当に係る利益準備金の額は 利益準備金 1 の 増 3 に記載します ⑸ 平成 22 年 10 月 1 日以後に適格合併に該当しない合併により完全支配関

Z 67 H 第一問 国税徴収法解答速報 問 2(35 点 ) (1) イ. 差押えの始期 : 平成 28 年 2 月 1 日ロ. 差押えの要件 : 保全差押納税義務があると認められる者が不正に国税を免れたこと 又は国税の還付を受けたことの嫌疑に基づき 国税犯則取締法の規定により差押若しくは領置 又

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株 主 各 位                          平成19年6月1日

平成23年度税制改正の主要項目

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実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

平成28年度 第143回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

精算表 精算表とは 決算日に 総勘定元帳から各勘定の残高を集計した上で それらに修正すべき処理 ( 決算整理仕訳 ) の内 容を記入し 確定した各勘定の金額を貸借対照表と損益計算書の欄に移していく一覧表です 期末商品棚卸高 20 円 現金 繰越商品 資本金 2

繰越損益金 26 欄記載要領注意事項 定により積み立てた剰余金の配当に係る利益準記載した金額を 当期の備金の額は 利益準備金 1 の 増 3 に記載増減 の 増 3 に 印します を付して記載します ( そ ⑷ 平成 22 年 10 月 1 日以後に適格合併に該当しの積立額は 翌期においない合併によ

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 資産の部 負債の部 流動資産 (63,628,517) 流動負債 (72,772,267) 現金及び預金 33,016,731 買掛金 379,893 売掛金 426,495 未払金 38,59

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に相当する金額を反映して分割対価が低くなっているはずですが 分割法人において移転する資産及び負債の譲渡損益は計上されませんので 分割法人において この退職給付債務に相当する金額を損金の額とする余地はないこととなります (2) 分割承継法人適格分割によって退職給付債務を移転する場合には 分割法人の負債

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

128 Z E I K E I T S U S H I N 10. 3

2018年 租税法基礎答練1回

第1章 簿記の一巡

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

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科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

スライド 1

損金経理と積立金経理の違い ( 圧縮超過額がない場合の基本構造 ) 例 A 社は 50の国庫補助金を得て 100で機械を取得した なお A 社の経常利益は 100 である * 仕訳の違い ( 単位 : 百万円 ) 損金経理積立金経理 補助金受贈と機械取得時の仕訳 ( 両者とも同じ ) 現金預金 50

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第4期 決算報告書

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前期に販売した商品を当期に修理する場合 前期末に設定した商品保証引当金を取り崩 す つまり借方に商品保証引当金を 50,000 計上する 差額の 30,000 は商品保証費とする (3) 資本金 資本準備金の問題当座預金に払い込まれた金額は次のように計算される 2,000 株 4,000 = 8,0

第 29 期決算公告 平成 26 年 4 月 1 日 平成 27 年 3 月 31 日 計算書類 1 貸借対照表 2 損益計算書 3 個別注記表 中部テレコミュニケーション株式会社

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

平成28年度 第144回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

第 151 回日商簿記 2 級解答解説 第 1 問 実教出版株式会社 解答 仕 訳 借方科目金額貸方科目金額 現 金 8,500,000 車両減価償却累計額 760,000 1 商 品 6,100,000 本 店 17,640,000 車 両 3,800,000 2 その他有価証券 2,000,00

Taro-入門ⅠA-2019.jtd

答 第 1 問 (20 点 ) 仕訳 1 組につき 4 点 仕 訳 借方科目金額貸方科目金額 1 仕 入 130,000 受 取 手 形 当 座 預 金 100,000 30,000 2 買掛金 500,000 売掛金当座預金 100, ,000 3 有価証券 490,000 現金 49

【表紙】

PowerPoint プレゼンテーション

第 3 期決算公告 (2018 年 6 月 29 日開示 ) 東京都江東区木場一丁目 5 番 65 号 りそなアセットマネジメント株式会社 代表取締役西岡明彦 貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科目金額科目金額 ( 単位 : 円 ) 資産の部 流動資産 負債の部 流動負債 預金

平成 26 年 5 月に 顧客との契約から生じる収益 (IASB においては IFRS 第 15 号 ( 平成 30 年 1 月 1 日 以後開始事業年度から適用 ) FASB においては Topic606( 平成 29 年 12 月 15 日後開始事業年度から適 用 )) を公表しました これらの

会社税務のてびき目次 平成 28 年度 法人税関係税制改正のポイント 1 1 法人税は何にかかるか? 3 2 収益は どの時点で計上するか? 8 3 配当金を受け取ったときは? 15 4 売上原価を求める方法 19 5 売却した有価証券の損益を求める 24 コラム 1 社長が会社にお金を貸していたら

第 2 期 ( 平成 29 年度 ) 計算書類 自 : 平成 29 年 1 月 1 日 至 : 平成 29 年 12 月 31 日 楽天 Edy 株式会社

営 業 報 告 書

平成25年度 第134回 日商簿記検定 1級 商業簿記 解説

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

問 1 ( 続き ) ⑵ 債務の意義 1 控除すべき債務 (➋ 点 ) ⑴ により控除すべき債務は 確実と認められるものに限る 2 公租公課の金額 (➍ 点 ) ⑴ により控除すべき公租公課の額は 被相続人の死亡の際納税義務が確定しているもののほか 被相続人の死亡後 相続税の納税義務者が納付し 又は

第6期決算公告

Taro-New2級2017-A.jtd

第4期電子公告(東京)

計算書類 第 60 期 自至 平成 29 年 7 月 1 日平成 30 年 6 月 30 日 協和医科器械株式会社

Microsoft Word - メルマガQ&A(23.8.1問2)利益剰余金の資本組入(父確認中)

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

Microsoft Word - 6回引当金.doc

法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人


1―3

Microsoft Word 決算短信修正( ) - 反映.doc

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[ テキストを入力 ] 貸借対照表 ( 平成 28 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 ( 資 産 の 部 ) ( 負 債 の 部 ) 流 動 資 産 54,445,301 流 動 負 債 49,249,578 現 金 及 び 預 金 3,101,2

野村アセットマネジメント株式会社 2019年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

ワコープラネット/標準テンプレート

⑶ 事実関係 損金算入の可否とその理由 商品 A の評価損 4,000,000 円は当期の損金の額に算入されない ❶ 過剰生産による時価の下落は 棚卸資産の評価損の計上が認められる 著しい陳腐化 に該当しない ❷ 1 商品 B の評価損 2,000,000 円は当期の損金の額に算入される ❶ 台風に

日商簿記2級 第1問 仕訳問題類題 解答セット

連結の補足 連結の 3 年目のタイムテーブル B/S 項目 5つ 68,000 20%=13,600 のれん 8,960 土地 10,000 繰延税金負債( 固定 ) 0 利益剰余金期首残高 1+2, ,120 P/L 項目 3 つ 少数株主損益 4 1,000 のれん償却額 5 1,1

Microsoft Word - 決箊喬å‚−表紎_18年度(第26æœ�ï¼›

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

損益計算書 2017 年 4 月 1 日から 2018 年 3 月 31 日まで ( 単位 百万円 ) 科目金額 電気通信事業営業損益営業収益 営 業 費 用 営 業 費 運 用 費 施 設 保 全 費 共 通 費 管 理 費 試 験 研 究 費 減 価 償 却 費 固 定 資 産 除 却 費 通

貸借対照表 ( 平成 25 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目金額科目金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 14,146,891 流動負債 10,030,277 現金及び預金 2,491,769 買 掛 金 7,290,606 売 掛 金 9,256,869 リ

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営 業 報 告 書

貸借対照表 (2019 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 科目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 3,784,729 流動負債 244,841 現金及び預金 3,621,845 リース債務 94,106 前払費用 156,652 未払金 18,745

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

貸借対照表 ( 平成 30 年 12 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 資 産 の 部 負 債 の 部 流 動 資 産 7,957,826 流 動 負 債 5,082,777 現 金 及 び 預 金 2,678,514 支 払 手 形 1,757,477

国家公務員共済組合連合会 民間企業仮定貸借対照表 旧令長期経理 平成 26 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 金額 ( 資産の部 ) Ⅰ 流動資産 現金 預金 311,585,825 未収金 8,790,209 貸倒引当金 7,091,757 1,698,452 流動資産合計 3

科目印収納科目一覧

Taro-法人2018b.jtd

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

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第28期貸借対照表

スライド 1

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

Transcription:

Z 66 D 第一問 法人税法解答速報 問 1 A 社の税務上の処理についての法的な理由 考え方 ( 益金の額及び損金の額 各 4 点 A 社からの質問の回答 12 点 ) ⑴ 益金の額の意義内国法人の各事業年度の所得の金額の計上その事業年度の益金の額に入すべき金額は 別段の定めがあるものを除き 資産の販売 有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供 無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係るその事業年度の収益の額とする ⑵ 損金の額の意義内国法人の各事業年度の所得の金額の計上その事業年度の損金の額に入すべき金額は 別段の定めがあるものを除き 次の額とする 1 その事業年度の収益に係る売上原価 完成工事原価その他これらに準ずる原価の額 2 1のほか その事業年度の販売費 一般管理費その他の費用 ( 償却費以外の費用でその事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く ) の額 3 その事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの ⑶ A 社からの質問の回答法人が商品の引渡し等を約した商品引換券等 ( カード ) を発行するとともにその対価を受領した場合における当該対価の額は その商品引換券等 ( カード ) を発行した日の属する事業年度の益金の額に入する ただし 一定の場合には この限りでない これは 払戻しや換金ができないことから対価の受領時に収益の権利が確定したと考えることができるからである また この場合の商品の引渡し等に要する費用については 収益と個別に対応するもので売上原価であり 債務の確定は要求されておらず その見積額を当該各事業年度の損金の額に入することができるものとされている 加盟店との契約で徴収する3% の手数料に係る収益については カードを利用して決済した場合に その手数料を支払うこととなっているため 利用があった時に 収益の権利が確定したことになり 益金の額に入する (1)

問 2( 仕訳 3 点 法的な理由 考え方 7 点 ) (1)1 テレビ CM 費用の処理 借方貸方 項目金額項目金額 前払金 8,000,000 円現金預金 8,000,000 円 ( 法的な理由 考え方 ) テレビCMの費用は収益と個別に対応するものではなく 期間対応させるべきものであるため 当期において損金入するためには 債務の確定が要求される その点 テレビCMは当期において放映されるものではないため このテレビCM の費用は 債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していない したがって 債務が確定しておらず 当期において 損金入されない (1)2 見本品の制作費用の処理借 方 貸 方 項 目 金 額 項 目 金 額 現 金 預 金 1,000,000 円 見 本 品 4,000,000 円 繰 延 資 産 3,000,000 円 繰 延 資 産 償 却 費 50,000 円 繰 延 資 産 50,000 円 ( 法的な理由 考え方 ) 法人が支出する費用のうち支出の効果が支出日以後 1 年以上に及ぶもので見本品のような広告宣伝用資産を贈与したことにより生ずる費用 ( 資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用を除く ) は 繰延資産とされる その繰延資産の額は 広告宣伝用資産の取得価額から譲渡価額を控除した金額とされる したがって その償却費として損金経理をした金額のうち 償却限度額に達するまでの金額が損金入される 広告宣伝用資産の贈与費用は均等償却を行う繰延資産であるため 支出の効果の及ぶ期間 ( 償却期間 ) にわたって損金入されるが 広告宣伝用資産の贈与費用の償却期間は 法定耐用年数の 10 分の7 相当期間と5 年とのいずれか少ない年数であるため 本問の場合は5 年となり その結果 償却限度額は 50 000 円と出される (2)

(2) 保険料の処理 借方貸方 項目金額項目金額 保険料 200,000 円現金預金 200,000 円 ( 法的な理由 考え方 ) 保険料は収益と個別に対応するものでないため 損金入するためには債務の確定が必要となる 損害保険契約にあってはその契約を締結しただけでは債務が確定したということはできず 保険期間の経過に従って債務が確定するため 当期に帰属する部分の損金入が原則であるが 法人が 前払費用の額で その支払った日から 1 年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において その支払った金額を継続してその事業年度の損金の額に入しているときは 原則にかかわらずその支払時点で損金の額に入することが認められる したがって 当期に支払ったその保険料の 200,000 円を当期の損金の額に入する (3)

( 問 1 ) Z 66 D 第二問 法人税法解答速報 区 分 総 1 額 計欄 当期利益又は当期欠損の額 1 154,209,000 円 損金経理をした法人税及び地方法 人税 ( 附帯税を除く ) 2 8,000,000 損金経理をした道府県民税 ( 利子 割額を除く ) 及び市町村民税 3 2,450,000 損金経理をした道府県民税利子割額 4 損金経理をした納税充当金 5 28,000,000 損金税理をした附帯税 ( 利子税を 加 除く ) 加金 延滞金( 延納分を除く ) 及び過怠税 6 減価償却の償却超過額 40,441,667 1. 建物附属設備 ⑴ 償却限度額 40,000,000 0.067 10 12 =2,233,333 円 ⑵ 償却超過額 40,000,000-⑴=37,766,667 円 2. 中古機械装置 ⑴ 耐用年数 (10 年 12 月 -65 月 )+65 月 20% =68 月 5 年 (1 年未満切捨 ) 7 ⑵ 会社償却費 5,000,000 0.500 7 12 =1,458,333 円 ⑶ 償却限度額 (3,000,000+2,500,000) 0.400 =2,200,000 円 (3,000,000+2,500,000) 0.10800=594,000 円 2,200,000 7 12 =1,283,333 円 ⑷ 償却超過額 (⑵+2,500,000)-⑶=2,675,000 円 3. 合計 40,441,667 円 (1)

役員給与の損金不入額 8 270,000 海外渡航費 定期同額給与 事前確定届出給与及 び利益連動給与以外の給与 900,000 (1-70%)=270,000 円 交際費等の損金不入額 9 加 一括貸倒引当金繰入超過額 10 440,000 個別評価金銭債権の事由は当期に生じていない ⑴ 期末一括評価金銭債権 38,500,000+124,000,000+150,000,000 =312,500,000 円 ⑵ 実質的に債権とみられない金額 T 社 15,000,000 円 >5,000,000 円 5,000,000 円 ⑶ 法定繰入率繰入限度額 (⑴-⑵) 8 1,000 =2,460,000 円 ⑷ 繰入超過額 2,900,000-⑶=440,000 円 個別貸倒引当金繰入超過額 4,800,000 7,700,000-2,900,000=4,800,000 円 先物利益計上もれ 3,200,000 未決済デリバティブ 小計 11 87,601,667 減価償却超過額の当期認容額 減 12 (2)

納税充当金から支出した事業税等 の金額 13 5,000,000 減 受取配当等の益金不入額 外国子会社から受ける剰余金の配 当等の益金不入額 14 15 1,125,326 ⑴ 配当等の額 1 完全子法人株式等 900,000 円 2 関連法人株式等 157,500 円 3 非支配目的株式等 480,000 円 ⑵ 控除負債利子 1 当期支払負債利子 3,260,100+132,450=3,392,550 円 2 総資産簿価 1,504,336,000+1,600,000 +1,520,791,000+7,700,000 =3,034,427,000 円 3 関連法人株式等の簿価 12,600,000+12,600,000=25,200,000 円 4 原則法 1 3 2 =28,174 円 ⑶ 益金不入額 900,000+(157,500-28,174)+480,000 20% =1,125,326 円 受贈益の益金不入額 16 適格現物分配に係る益金不入額 17 法人税等の中間納付額及び過誤納 に係る還付金額 18 所得税額等及び欠損金の繰戻しに よる還付金額等 19 仮払税金認定損 13,450,000 20 (3)

譲渡損益調整勘定繰入額 250,000,000 減 小計 21 269,575,326 仮計 22 27,764,659 関連者等に係る支払利子等の損金不 入額 23 超過利子額の損金入額 24 仮計 25 27,764,659 寄附金の損金不入額 法人税額から控除される所得税額 26 29 250,536,030 C 社に対する寄附金は 法人による完全支配関係 があるため損金不入 A 社に対する寄附金は一般寄附金の損金入限度額 1,463,970 円を超える分部の金額が損金不入 313,958 183,780+32,162+98,016=313,958 円 税額控除の対象となる外国法人税の額 30 合計 33 223,085,329 (4)

契約者配当の益金入額 34 非適格合併又は残余財産の全部分配等 による移転資産等の譲渡利益額又は譲 渡損失額 36 差引計 37 223,085,329 欠損金又は災害損失金等の当期控除額 38 総計 39 223,085,329 新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の特別控除額 40 残余財産の確定の日の属する事業年度に係る事業税の損金入額 46 所得金額又は欠損金額 47 223,085,329 ( 問 2)C 社の当期末における土地の帳簿価額 400,000,000 円 配点 : 1 つにつき 1 点 1 つにつき 2 点 合計 50 点 (5)

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