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流体地球科学第 11 回 東京大学大気海洋研究所准教授藤尾伸三 ttp://ovd.aori.u-tokyo.ac.jp/ujio/2015ciba/ ujio@aori.u-tokyo.ac.jp 2016/1/8 順圧流の運動方程式 流体の密度が一様ならば, 圧力 静水圧 の水平勾配は鉛直一様 海面の高さによる水平圧力勾配のみ ηx,y px, y, z = ρ g dz = ρgη z p x = ρg η x z 定数 密度 ρ η η: 水位 : 水深 ある時点で流速が鉛直に一様ならば, 流体にかかる力 加速度 も鉛直に一様 その後, 流速は変化しても, 鉛直に一様であることは変わらない Du Dt v = 1 p 2 ρ x + K u x + 2 u 2 u + K 2 2 V z 2 z u g u エクマン層 順圧流 z = 0 z = 海底や海面では粘性により力を受ける エクマン層の外には及ばない エクマン層の外の流速は, 鉛直に流速差があっても, 粘性で鉛直一様になる 最終更新日 2016/1/12 u δ エクマン層 順圧流 = 水は, 柱のように上下一体となって移動する 水柱 すいちゅう 前回のポイント 黒潮や湾流は, 主に 風が作っている 風成循環 熱塩循環 海流は, 地衡流であって, エクマン流ではない. 強い海流は, 海の西側にある 西岸境界流 1. 風によって, 表層でエクマン輸送が起きる 風応力に対して直角右向き 北半球 = 圧力傾度力に対する地衡流と同じ 大きさは, コリオリ係数 と風応力 τ で決まる τ/ρ 海水の密度 ρ 2. エクマン輸送の場所による違い 収束 発散 が, 鉛直流を作るエクマン湧昇 curl z τ/ρ ベクトルの回転の鉛直成分沿岸湧昇, 赤道湧昇 湧昇は, 栄養塩を表層に供給 亜熱帯循環系 北半球で時計回り : 偏西風 南向きエクマン輸送 貿易風 北向きエクマン輸送 の間 海面が盛り上がる 下降流 時計回りの地衡流 亜寒帯循環系 反時計回り Svrdrup t al. 1942 なぜ, 海の西側に強い流れができるのか? 渦度のバランス 海面の高さ 水位 の式 連続の式 もともとは質量の保存だが, 非圧縮近似により体積の保存 D Dt + x + v [ = 0 または t + + v ] = 0 x 底面積の変化率 導出 1 非圧縮でない連続の式 質量保存 と同じ 水柱が細くなると, 高くなる ラグランジュ的 水が集まると, 水面が盛り上がる オイラー的 導出 2 u = 0 を鉛直に積分 η x + v + w dz = η + z D Dt z に関して定数 x + v + wη Dη/Dt w D/Dt D/Dt 0, w 0 水は海底斜面に沿って流れる D = + u Dt t x + v = w Dη Dt = η t + u η x + v η = wη = 0 u w u : w = x : w = u x ujio@aori.u-tokyo.ac.jp ujio@aori.u-tokyo.ac.jp 1

浅水方程式 順圧であるためには, 静水圧近似が必要 Dw Dt + コリオリ力 = 1 p + 粘性 g ρ z w が u, v に比べて小さい 運動の水平距離に対して水深が浅い 浅水 海は深いが, 水平はさらに広い 最大 1 万 km 浅水方程式 : u, v, の式 水平 2 次元の解 D Dt + x + v D = 0, Dt = t + u x + v Du v = g η Dt x + K 2 u x + 2 u 2 2 圧力傾度力とコリオリ力 地衡流 渦度方程式 圧力傾度力と時間変化 浅水重力波 津波など 海面から海面まで一緒に前後運動する波, η = η + Dv + u = g η Dt + K 普通に見る波は 深水重力波 水面付近の水だけ動く 静水圧平衡になっていないので, 深さ方向に圧力の水平勾配が減少 密度 ρ 0 一様 2 v x + 2 v 2 2 渦度 渦度ベクトル 速度ベクトルの回転 w u = v z, z w x, v 渦度 渦度ベクトルの鉛直成分 ζ = v 剛体回転 どこも同じ角速度 Ω で回転 の場合, 中心の流体粒子の渦度は, 微小な距離を r として, ζ = v rω rω rω rω = = 2Ω 2r 2r 渦度は, 流体粒子の自転を表す 自転角速度の 2 倍 渦度は自転の強さであって, 公転の強さではない 地球も自転しているコリオリ係数 はその緯度での地球の自転速度の 2 倍惑星渦度 = 2Ω sin φ < 0 u = rω r u = rω y v x > 0 u, v は地面に対する相対速度なので ζ を相対渦度, ω = ζ + を絶対渦度という 静止系からみた渦度 x 渦度方程式 v の式を x で微分したものから, u の式を y で微分したものを引き, η を消去する左辺 = Dv x Dt + u Du Dt v D Dt = t + u x + v に注意 = D v Dt + v x x + v v x x v + u x + v + x + v = D v Dt v + + + x + v 右辺には水平粘性の項が残るが, 一般に, 左辺に比べて小さく, 0 に近似できる. 渦度 ω = v + とおけば, Dω + ω Dt x + v = 0 渦度の式 連続の式 Dω Dt D Dt + ω x + v D Dt = 0 D Dt = 0 とほぼ同じ形なので, ω = 0 ポテンシャル渦度 渦位 の式 渦度の例 剛体回転シア流 渦でない? 渦度 0 の渦 原点を除く u = ζ 0y 2, v = ζ 0x u = 0, v = ζ 0 x u = ζ 0y 2 x 2 + y, v = ζ 0x 2 x 2 + y 2 ujio@aori.u-tokyo.ac.jp ujio@aori.u-tokyo.ac.jp 2

惑星渦度と相対渦度 惑星渦度 = 2Ω sin φ 地面の自転 慣性周期 相対渦度 ζ = v 地面に対する自転 半回転に要する時間 剛体回転であれば, 渦度の大きさは周期を比べればよい傾度風で行ったことと同じ 質点の遠心力は, 流体では運動量の移流と対応 亜熱帯循環系の 1 周 数年 十年 相対渦度は極めて小さい シア流 水平に速度勾配がある流れ だと, 面倒 緯度 30 度 =7.3 10 5 s 1 黒潮 幅 100km, 最大流速 1m s 1 ζ= v x =1 10 5 s 1 海洋では, 惑星渦度に比べて相対渦度は小さい要するに, ほぼ地衡流であるということ 地衡流にとって重要なのは, コリオリ力そのものではない すでに圧力傾度力とバランスしている 海流がコリオリ力で右に曲がるわけではない コリオリ力の変化 定常状態を考えれば, 水平的な違い が渦度の変化を生む. 特に, 緯度によるコリオリ力の違いが重要 ベータ効果 地衡流と / ポテンシャル渦度は移動しても変化しない 変化しないように移動する 海面の高さ変化 η に比べて, 水深 が十分に大きい ω 相対渦度が惑星渦度よりも十分に小さい 地衡流 = ζ + η + 地衡流は の等値線に沿って流れる. 等圧線と が一致する が一定, が変化 海山 が変化, が一定 に比べて, の変化が大きい 等深線に沿う 黒潮 東シナ海, 日本南岸 海底が盛り上がったり, くぼんだりした場所を迂回して, 流れる に比べて, の変化が小さい 同じ緯度を流れる 緯線に沿う 黒潮続流 ほぼ東向き, 水温躍層の上 北 東 ポテンシャル渦度 ポテンシャル渦度 渦位 渦度を層厚で割ったもの ω = ζ + η + D ω = 0 体積の保存と角運動量 渦度 の保存から導かれる Dt 水柱のポテンシャル渦度は保存する 質量や回転が加わらない場合 時間が経っても別の場所に移動しても, 同じ値 水柱を伸ばせば, 早く回転 早く回転させれば, 水柱は伸びる 水柱が伸びる 鉛直流がある 板に穴をあけ, 通した糸の先のボールを回す 糸を引くと, ボールの回転が速くなる 海底付近の下降流は渦の回転を速くする 普通の流体力学 惑星渦度は相対渦度に比べて無視できる では = 0 初期に渦度ゼロならば, ずっと渦度ゼロ 流体の厚さは関係しない 相対渦度 + ζ が変化しないとして ζ を計算. は η に比べて十分に大きい ζ = 0 の水柱が水深 1 から水深 2 に移動水柱のポテンシャル渦度は保存するので = + ζ ζ = ζ = 0, 1 2 1 1 2 1 北半球 > 0 で深い側に移動すると, ζ > 0 水柱は反時計回りに回転 ζ > 0, 2 > 1 窪地では等深線に沿って反時計回りの流れ 逆に, 海山では時計回りの流れ 常に浅い側を右手に見る 南半球は逆 + ζ 水深一定で, 水柱が南北に移動する場合 + ζ = 一定なので, 北に移動する が増える と ζ < 0 時計回りの循環 逆に, 相対渦度が 0 でない水柱 たとえば, ζ > 0 が地衡流に変わるには 浅いところに移動 あるいは, 水平粘性で解消 北に移動 渦度方程式の導出で, 右辺は相対渦度の水平粘性 ujio@aori.u-tokyo.ac.jp ujio@aori.u-tokyo.ac.jp 3

西向きと東向きの違い 北 : 大 海山 : 小 南 : 小海山がある場合の / の等値線 海山上は周囲よりも / が大きい 水柱は, / に沿うと, 海山の南側を流れる海山に乗り上げると, 海山の回りに時計回りの循環 ζ < 0 を作る 西向きの流れ 両者は整合的であり, スムーズな流れ 東向きの流れ うまく合わない 蛇行する ヒマラヤを越えるジェットストリーム 窪地の場合や南半球の場合でも, 西向きは整合的, 東向きは合わない 鉛直流と渦度 渦度方程式を連続の式を使って w で書き換える. Dω + ω Dt x + v = 0 Dω = ω w w = ωwη Dt z η 順圧流なので, x, v は鉛直に変化せず, w z も鉛直に変化しない. = ω [wη w ] 海面付近には, エクマン湧昇 w がある wη = w 海面の起伏による鉛直流は無視 u η x + v η = 0 海底の摩擦を考えると, 海底エクマン層にも鉛直流 w b がある w = w b 水深が変化する場合, 海底では斜面に沿う w = w b u x v ω = ζ + で書き換えて, 相対渦度の式を作る. Dt + D Dt = ω w w b + u x + v, Dt ω x u + β ω コリオリ係数の南北勾配 v = ω w w b D Dt = t + u x + v = βv β = d d2ω sin φ = = 2Ω dy daφ a cos φ > 0 a: 地球の半径 風が渦度を与える場合 海面に時計回りの風 負の相対渦度 が吹く ω ポテンシャル渦度 を考える 北半球 エクマン輸送の 収束 が起き, 負のエクマン湧昇 下降流 が生じる 下層が縮む 横に広がる が減少 下層のポテンシャル渦度は不変 風応力は加わらないので が減少しただけ, ω も減る 負の ζ 時計回り 風が渦度をエクマン層に与える. エクマン層は, 鉛直流により下層の厚さを変える. 下層では, 惑星渦度から相対渦度が生まれる の変化 鉛直流鉛直流から渦度変化を計算するための式を導出. 海底エクマン層の鉛直流 海面エクマン層と同じ導出 地衡流を u, v, エクマン深度 δ = π 2KV とするとき, 海底エクマン輸送 U = δ 2π u + v, V = δ v u 2π U w b = x + V = δ 2π x + v + v = δ 2π ζ 発散相対渦度 地衡流 u = g η, v = g η x の発散 : 海底エクマン層の鉛直流は, 相対渦度に比例する x + v = 0 ただし, 一定 反時計周りの渦 ζ > 0 = 低気圧性の渦 = 海底エクマン層から上昇流 w > 0 海底エクマン流は, 高圧から低圧へ流れる向き 上昇流は, 上層を縮める + ζ/= 一定なので, ζ は減少 渦が弱くなる 海面のエクマン層と同じく, 鉛直流によって渦度が伝わる ujio@aori.u-tokyo.ac.jp ujio@aori.u-tokyo.ac.jp 4

渦度方程式 再 渦度方程式 ω = + ζ, = + η とする Dt x u + β v = w δ 2π ζ 水深の変化は, コリオリ係数の変化と同じ効果を持つ 地形性ベータ効果 地形性ベータ α T = / / x, β T = / / 場所のみの関数 惑星ベータ β = d /dy 浅い 高緯度 Dt + α Tu + β + β T v = w δ 2π ζ 水深が変化しない場合 Dt + βv = w δ 2π ζ 海底エクマン層の鉛直流の計算で地衡流の発散を 0 にした. β 0 の場合, 発散 = gβ η 2 x = βv 渦度方程式 Dt + 水柱の自転 相対渦度の時間変化 水柱の南北移動 惑星渦度の移流 風のトルク 海底摩擦のトルク 相対渦度の減衰 1 δ βv = w δ 2π ζ 水深 に比べて, エクマン深度 δ 10m ぐらい が小さいことを仮定しているので, 地衡流の発散による鉛直流は無視できる 風成循環その 2 相対渦度 ζ = 0 完全な地衡流 であれば, 風が与える渦度は惑星渦度の移流とバランス βv = w スベルドラップ平衡 w < 0 であれば, v < 0 南向き w = 10 6 m s 1, = 10 4 s 1 β = 10 11 m 1 s 1, = 1000 m ならば, v= 0.01 m s 1 北に流れるはずの, 西岸境界流がない 水は南に動く一方なので, 海の北側の水がなくなる 惑星渦度の移流と海底摩擦による相対渦度の減衰がバランス βv = δ 2π ζ 風が負の渦度を与えるので, 相対渦度 ζ < 0 v >0 北向き v = 1 m s 1 とすれば, ζ = 10 4 s 1 と同程度 この渦度をシア流が作る ζ = v/ x = V/L ならば, 幅 L は 10km 実際は 100km. δ と の設定がよくないので, ζ が大きくなりすぎた 風成循環 北半球の亜熱帯循環系 w < 0, curl z τ < 0 コリオリ係数 が定数 地球が平ら, β = 0 Dt + βv = w δ 2π ζ 風により水柱が縮む 負の相対渦度が増加時計回りの循環が形成される 負の渦度の循環は, 海底エクマン層では下降流 発散 を作る. 海面エクマン層の下降流と, 海底エクマン層の下降流が一致するまで, 時計回りの循環が強化される 強い相対渦度 定常状態では, 風が与える渦度と海底摩擦で消える渦度がバランス w = 10 6 m s 1, δ /2π = 1 m とすれば, 右辺 0 ζ = 10 6 s 1 惑星渦度 の大きさ 10 4 s 1 よりは小さい 循環系を半径 1000km 緯度の幅 20 度 の渦だと思えば, ζ = 2V/R 流速 V は 0.5 m s 1 β の大きさは 10 11 m 1 s 1 なので, = 1000 m 海底まで流れない とすれば, v = 0.5 m s 1 βv = 5 10 12 > w / = 10 13 βv は無視できない ujio@aori.u-tokyo.ac.jp ujio@aori.u-tokyo.ac.jp 5