患者 ID: 氏名 : ピロリ菌外来説明文書 1. ピロリ菌はいつ誰によって発見されたのでしょうかピロリ菌はオーストラリアのウォレンとマーシャルによって 1983 年ヒトの胃の中から発見されました その後 ピロリ菌がヒトの胃に与える様々な影響が解明

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したことによると考えられています 4. ピロリ菌の検査法ピロリ菌の検査法にはいくつかの種類があり 内視鏡を使うものとそうでないものに大きく分けられます 前者は 内視鏡を使って胃の組織を採取し それを材料にしてピロリ菌の有無を調べます 胃粘膜組織を顕微鏡で見てピロリ菌を探す方法 ( 鏡検法 ) 先に述

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どのくらいの人がピロリ菌に感染しているのですか? 日本人のピロリ菌感染者は約 3500 万人といわれています 日本では欧米に比べると感染率が高く 特に 50 歳以上の人で感染している割合が高いとされています しかし 衛生環境が整って来た事により若い世代の感染は減少傾向にあります ピロリ菌に感染すると

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D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

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はじめに 胃の中に住みつくヘリコバクター ピロリ ( ピロリ菌 ) が発見されたのは 1982 年のことです 以後 今日までにさまざかいようまな研究が進められ ピロリ菌感染が胃炎や消化性潰瘍 ( 胃潰じゅうにしちょうかいよう瘍 十二指腸潰瘍 ) の重要な原因であることが明らかになりました 現在では

スライド 1

別紙

3. 胃がんの診断について胃透視や上部消化管内視鏡検査により病変を検出するとともに病変の範囲や深さを詳細に観察し 内視鏡検査で採取します生検標本を病理組織学的に診断します 拡大内視鏡検査によりさらに詳細に観察したり 超音波内視鏡検査により病変の深さを観察します また 腹部超音波検査や CT 検査など

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消化性潰瘍(扉ページ)

横須賀市医師会事務局小田切行 FAX 中学生に対するピロリ菌検診と除菌治療に関する調査研究 申込書 申込み生徒 フリガナ氏名 E 生年月日年月日 中学校 2 年組 保護者氏名 住所 連絡先 TEL この調査研究に参加を希望しますので 同意書を送付ください 申込書を FAX

厚生連だより_No.482号.indd

もくじピロリ菌は胃 十二指腸以外にも悪影響を及ぼす 1 ピロリ菌と関係のある病気ピロリ菌感染率と感染経路 4 除菌治療を受けたほうがよい人 6 ピロリ菌を見つける検査 7 内視鏡を使わない検査法内視鏡を使う検査法 9 ピロリ菌を退治する除菌治療 10 薬の副作用 11 効果の確認と成功率除菌に失敗し

スイッチ OTC 医薬品の候補となる成分についての要望 に対する見解 1. 要望内容に関連する事項 組織名日本消化器病学会 要望番号 H28-11 H28-12 H28-16 成分名 ( 一般名 ) オメプラゾール ランソプラゾール ラベプラゾールオメプラゾール : 胸やけ ( 胃酸の逆流 ) 胃痛

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第三問 : 次の基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( 入してください ) 内に記 1( ) 胃液は胃酸 ( 塩酸 ) を含んでいるため 強い酸性を示す 2( ) ペプシンは胃粘膜を保護する働きがあるペプシンは攻撃因子の一つです 3( ) 十二指腸は胃の上にある長さ 25c

タケキャブ錠 10 mg 他に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ( 別紙様式 ) 販売名 タケキャブ錠 10 mg 同 20 mg 有効成分 ボノプラザンフマル酸塩 製造販売業者 武田薬品工業株式会社 薬効分類 提出年月 2018 年 4 月 1.1. 安全性検討事項 重要

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ヘリコバクター・ピロリ感染症

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ピロリ菌と胃癌と検診と 阪本康夫 * 近頃, テレビや新聞といったマスコミでもピロリ菌が胃癌発生の原因であることが話題とされるようになりました ピロリ菌の認知度も格段に上がってきたと感じられます テレビではピロリ菌抑制効果のあるヨーグルト LG21 のコマーシャルが盛んに流れており, 一役買っている

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2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

Drug Infomation

改訂の理由及び調査の結果直近 3 年度の国内副作用症例の集積状況 転帰死亡症例 アモキシシリン水和物及びクラブラン酸カリウム アモキシシリン水和物の国内症例が集積したことから 専門委員の意見も踏まえた調査の結果 改訂することが適切と判断した 血小板減少関連症例 1 アモキシシリン水和物 3 例 (

仙台市立病院医誌 索引用語 Hericobacter ITP Pb lori除菌 特発性血小板減少性紫斑病 ITP に対する Hericobαcter 介 昭 木 藤 横 修 村 々 基 圭 高佐一 幸 義遠 及 川島萱 ノ 矢ム 敦 枝 エ ハ 初 志 弓 保 史道 志

NUKUMORI No.32 2 胃の中に棲むピロリ菌(写真1)が胃潰瘍 十二指腸潰瘍 胃MALTリンパ腫 特発性血小板減少性紫斑病の原因とされ これらの疾患の方に対しピロリ菌の検査 除菌療法が認められていました 近年の研究で 胃癌の原因としてピロリ菌が関与している可能性が高いことが指摘されていまし

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Microsoft Word - 01.doc

がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な

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総合検査のご案内

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先発品とのの相違の一覧 エダラボン点滴静注 30mg 杏林 エダラボン点滴静注 30mg 杏林 脳梗塞急性期に伴う神経症候 日常生活動作障害 機能障害の改善 通常 成人に 1 回 1 管 ( エダラボンとして 30mg) を適当量の生理食塩液等で用時希釈し 30 分かけて 1 日朝夕 2 回の点滴静

患者さんへの説明書

Taro-01 胃がん内視鏡検診手引き

厚生労働省告示024号/平成22年1月22日告示/平成22年1月22日施行

ほかそれは 胃がんにかかる患者数が他のがんと比べて多いままであり 胃 がんの原因への対策が放置されているからです 胃がんは初期症状を見逃さなければ重篤化を防げますし 何よりもピロ リ菌の除去治療を行うことで 胃がんを発症するリスクを大幅に軽減で きます 感染症を原因とするがんと 生活習慣病を原因とす

医療連携ノートとは 手術などの治療を行った病院とかかりつけ医が協力して ( 医療連携 ) 専門的医療と総合的な診療を適切に提供するために使用する患者さん用のノートです 安全で質の高い医療を切れ目なく提供するため 専門医が協力して新潟県共通のものを作成しました 医療連携ノートの内容 1 患者さんの病状

針刺し切創発生時の対応

内視鏡検査のご案内

ロミプレート 患者用冊子 特発性血小板減少性紫斑病の治療を受ける患者さんへ

図 1 H. pylori と発生 0.4 の発見率となります 図 1 7 さらに H. pylori との発生に関して は組織学的 内視鏡的に詳細に検討されて 図 3 H. pylori と胃粘膜 未感染 表層性胃炎 C います以前は H. pylori が関与するのは分 萎縮性胃炎 軽度萎縮 中

改訂後 ( 下線 : 追加記載 ) 改訂前 用法 用量 用法 用量 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 吻合部潰瘍 Zollinger 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 吻合部潰瘍 Zollinger Ellison 症候群 Ellison 症候群現行のとおり略 逆流性食道炎 逆流性食道炎現行のとおり略 非びらん性胃食道逆流

要旨 平成 30 年 2 月 21 日新潟県福祉保健部 インターフェロンフリー治療に係る診断書を作成する際の注意事項 インターフェロンフリー治療の助成対象は HCV-RNA 陽性の C 型慢性肝炎又は Child-Pugh 分類 A の C 型代償性肝硬変で 肝がんの合併のない患者です 助成対象とな

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はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

目次 1. 地域医療連携パスとは 肝疾患医療連携パスの運用方法について... 3 (1) 特長 (2) 目的 (3) 対象症例 (4) 紹介基準 (5) 肝疾患医療連携パスの種類 (6) 運用 3. 肝疾患医療連携パス... 7 (1) 肝疾患診断医療連携パス ( 医療者用 : 様式

医薬品の適正使用に欠かせない情報です

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肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

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33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

札臨カタログWeb

第 2 部 CTD の概要 一般名 : エソメプラゾールマグネシウム水和物 版番号 : 緒言 ネキシウム カプセル ネキシウム 懸濁用顆粒分包 本資料に記載された情報に係る権利はアストラゼネカ株式会社に帰属します 弊社の事前の承諾なく本資料の内容を他に開示することは禁じられています

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

(別添様式)

減量・コース投与期間短縮の基準

My DIARY ベンリスタをご使用の患者さんへ

2017 年 10 月改訂 ( 第 3 版 ) 2017 年 4 月改訂プロトンポンプインヒビター 日本薬局方ランソプラゾール腸溶性口腔内崩壊錠 日本標準商品分類番号 Lansoprazole OD 規制区分 : 処方箋医薬品注意 - 医師等の処方箋によ

H1

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

区分商品名規格単位薬価 ( 円 ) 包装単位製造販売成分名効能 効果用法 用量規制等承認年月日備考 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 吻合部潰瘍 Zollinger-Ellison 症候群ネキシウム懸濁用顆粒分包 10mg1 包 円 28 包アストラゼネエソメプラ 胃潰瘍 十二指腸潰処方 新用量 剤

ピロリ 感染診断 除菌治療薬内服終了後 より4週以降に行う 陽性 ピロリ 除菌療法 第1章 除菌治療を行うために必要な知識 保険診療で認められた除菌治療が基本 保険適用疾患の診断 除菌成功 除菌判定 除菌不成功 レセプトの書き方 的確な保険請求に則ったピロリ除菌療法の遂行は保険医としての診療行為 の

血液 尿を用いたライソゾーム病のスクリーニング検査法の検討 に関する説明書 一般財団法人脳神経疾患研究所先端医療研究センター 所属長衞藤義勝 この説明書は 血液 尿を用いたライソゾーム病のスクリーニング検査法の検討 の内容について説明したものです この研究についてご理解 ご賛同いただける場合は, 被

ヘリコバクター ピロリの除菌の補助の場合通常 成人にはとして 1 回 3mg アモキシシリン水和物として 1 回 75mg( 力価 ) 及びクラリスロマイシンとして 1 回 2mg( 力価 ) の 3 剤を同時に 1 日 2 回 7 日間経口投与する なお クラリスロマイシンは 必要に応じて適宜増量

ROCKY NOTE 食物アレルギー ( ) 症例目を追加記載 食物アレルギー関連の 2 例をもとに考察 1 例目 30 代男性 アレルギーについて調べてほしいというこ

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別紙様式第1

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免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E106. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤

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(4940 人を 48 ヵ月間追跡した試験 )Kaplan-Meier s 法による解析により 4 年での累積再発率は 7.8% となり 年率 1.9% と計算された 胃潰瘍では 9.3%(2.3%/ 年 ) 十二指腸潰瘍 6.2%(1.6%/ 年 ) 胃十二指腸潰瘍 6.4%(1.6%/ 年 )

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2014 年 10 月 30 日放送 第 30 回日本臨床皮膚科医会② My favorite signs 9 ざらざらの皮膚 全身性溶血連鎖球菌感染症の皮膚症状 たじり皮膚科医院 院長 田尻 明彦 はじめに 全身性溶血連鎖球菌感染症は A 群β溶連菌が口蓋扁桃や皮膚に感染することにより 全 身にい

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平成14年度研究報告

情報提供の例

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Transcription:

ピロリ菌外来 についてのお知らせ ( 平成 21 年 11 月開設 ) 平成 21 年 11 月より当院消化器内科外来において 保険適応のない方についてピロリ菌の判定 除菌を目的とする ピロリ菌外来を実施してきましたが 平成 26 年 4 月からは 内視鏡検査を 6 ヶ月以内に行った方については 原則すべての患者において保険診療でピロリ菌の除菌ができるようになりました しかしながら 保険診療では除菌治療は 2 回までしか行うことができません また ペニシリンアレルギーのある方については 保険診療で認められた除菌治療の方法がありません そこで 3 回目の除菌 (3 次除菌 ) およびペニシリンアレルギーのある方を主な対象として 保険診療ではなく全額自費診療のピロリ菌外来を継続しております 引き続き 内視鏡を行わないピロリ菌の感染診断などについても全額自費診療で行っています 木曜日の午前に実施しておりますので ご希望される方で病院の診察券をお持ちの方は 予約センターで予約を承っております また 初診の方は 木曜日の午前 11 時までに受付願います なお ピロリ菌外来の診療に関するお問い合わせは消化器内科外来までお問い合わせください * ピロリ菌は日本人の約 50% に感染しており 胃 十二指腸潰瘍 胃癌などの原因として知られており 学会等でも除菌治療を行うことを強く推奨しています 平成 27 年 9 月病院長

患者 ID: @@SYPID@@ 氏名 : @@ORIBP_KANJI@@ ピロリ菌外来説明文書 1. ピロリ菌はいつ誰によって発見されたのでしょうかピロリ菌はオーストラリアのウォレンとマーシャルによって 1983 年ヒトの胃の中から発見されました その後 ピロリ菌がヒトの胃に与える様々な影響が解明され 2005 年には発見者の二人に ピロリ菌とその胃炎 消化性潰瘍疾患における役割 に関する発見を理由にノーベル生理学 医学賞が授与されました 2. ピロリ菌はどこに生息するのでしょうかピロリ菌は ヒトの胃のみに生息し自然界には存在しません 胃の中は胃酸により酸性に保たれていることから 他の細菌は生息することが出来ませんが ピロリ菌はウレアーゼという酵素によりアンモニアを作ることで胃酸を中和し胃の組織と粘液の間に住み着いています 日本人の場合 約 50% の人にピロリ菌が感染しています 高齢者ほど感染率が高く 若年者での感染率は低い傾向を示します ピロリ菌は 5 歳未満の幼少時に口から感染し半永久的に生息します 成人となってから新たに感染することはほとんどないことから 幼少期の衛生環境がピロリ菌の感染率に影響していると考えられています 通常ピロリ菌が陽性と診断されれば その人の年齢とほぼ同様の年数ピロリ菌の感染が持続していると考えられます 3. ピロリ菌が感染することで何が起こるのでしょうかピロリ菌は胃に感染することによって慢性活動性胃炎と呼ばれる持続性の炎症を引き起こします この炎症が持続することによって 胃粘膜は次第に萎縮していきます 胃粘膜が萎縮することによって胃酸の分泌は減少します 胃粘膜の萎縮は簡単に言えば胃の老化現象と例えることができるでしょう 胃の老化現象はピロリ菌に感染していない胃にはほとんど起きません 多くの日本人の場合 ピロリ菌に感染すると年齢とともに胃粘膜萎縮 ( 胃の老化 ) が進行します 老化のスピードは人によって様々ですが 強い炎症が続き 老化現象がより進んだ人では胃癌の発生リスクがより高くなることが判明しています また 胃粘膜萎縮が高度に進行すると ピロリ菌にとってはむしろ生息しにくい環境になり 菌数が減少あるいは消失することがあります このような場合ピロリ菌が陰性と判定されても 実は最も胃癌のリスクが高いと言えることから注意が必要です 日本人の場合 ピロリ菌の感染者は 全くピロリ菌に感染したことのない人に比べて胃癌のリスクは 10 倍以上であることが報告されています また ピロリ菌感染者は 80 歳までに 20 人に 1 人の確率で胃癌になるとも言われています 非ステロイド消炎薬が原因でない胃 十二指腸潰瘍のほとんどはピロリ菌が原因とされています その他 胃のマルトリンパ腫の約 80% はピロリ菌が関連すると言われています 胃の過形成ポリープのほとんどはピロリ菌が原因とされ 特発性血小板減少性紫斑病や鉄欠乏性貧血の一部においてもピロリ菌が関与していると言われています

4. ピロリ菌感染と腹部症状について胃 十二指腸潰瘍や胃癌などの疾患がなければ 多くの場合はピロリ菌感染による特別な症状はあません 高齢者においては ピロリ菌の持続感染による胃粘膜萎縮 ( 胃の老化 ) が胃酸の分泌を抑制し 胸焼けの原因となる逆流性食道炎の発症を予防している可能性もあります 5. ピロリ菌除菌の有効性について 1 現時点で判明している有効性胃 十二指腸潰瘍はほとんど再発することが無くなります 胃マルトリンパ腫 ( 早期 ) の約 8 割が除菌治療により消失します 特発性血小板減少性紫斑病の約 5 割は除菌治療にて血小板が増加します 内視鏡で胃癌を切除した人を除菌すると 新たな胃癌の発症を 1/3 に減少します 胃の過形成ポリープのほとんどが除菌により縮小あるいは消失します 若年の鉄欠乏性貧血の一部が除菌治療にて貧血が改善します 2 期待される有効性 上記疾患の発生リスクの低減が期待されます 上記疾患が全く発症しなくなるということではありません 6. ピロリ菌除菌のデメリットについてピロリ菌を除菌することにおけるデメリットも考えておかなければなりません ピロリ菌の除菌は 制酸剤と2 種類の抗生剤を1 週間服用することから 服用中に 下痢 味覚異常などの副作用が約 30% の人に生じます 稀ではありますが 抗生剤によるアレルギー反応や 出血性腸炎などが起こる可能性もあります また 除菌後には胃酸分泌の増加により胸焼けの原因となる逆流性食道炎を発症するリスクが高まり 制酸剤が必要となることがあります 7. ピロリ菌の感染診断についてピロリ菌の感染診断には複数の方法があります プロトンポンプインヒビター *( ボノプラザン エソメプラゾール オメプラゾール ランソプラゾール ラベプラゾール ) を服用していると偽陰性となる可能性がありますので 4 週間前から休薬するか 他の薬剤に変更しておく必要があります どの検査法も約 5% 偽陰性 ( 誤って陽性を陰性と判定してしまうこと ) となる可能性があるので注意が必要です * プロトンポンプインヒビターには以下のような商品があります タケキャブ ( ボノプラザン ) ネキシウム ( エソメプラゾール ) オメプラール ( オメプラゾール ) タケ プロン ( ランソプラゾール ) パリエット ( ラベプラゾール ) など 1

1 内視鏡によらない診断 内視鏡を行わないでも判定できる検査です いずれの方法でも偽陰性となる確率は約 5% あります ので 内視鏡検査による胃炎の評価を行っておくことをお勧めします a) 血清ピロリ菌抗体 血液検査にてピロリ菌の有無を調べます 既感染 ( 過去の感染 ) でも陽性となります b) 尿素呼気試験薬剤服用前後の呼気を調べることによりピロリ菌の有無を調べます 最も精度が高いとされています 検査前の絶食が必要です 2 内視鏡による診断内視鏡検査時に行います 生検 ( 胃粘膜をつまみ取ること ) が必要であり 稀ではありますが出血等のリスクがあります a) 迅速ウレアーゼ試験胃粘膜を生検しウレアーゼ反応をみることにより 60 分で判定出来ます b) 検鏡法胃粘膜を生検し顕微鏡でピロリ菌の有無を確認します c) 培養法胃粘膜を生検し培地にてピロリ菌を発育させ診断します 8. 除菌の方法について 一次除菌 ( 保険適用 ) 初めての除菌治療の場合 下記の 3 種類のお薬を 1 日 2 回に分けて 1 週間服用することで 約 80~90% の人が除菌に成功します 1 プロトンポンプインヒビター ( 以下の 4 剤のいずれか ) ボノプラザン 40mg エソメプラゾール 40mg ランソプラゾール 60mg ラベプラゾール 20mg 2 アモキシシリン 1500mg 3 クラリスロマイシン 400mg または 800mg 2

二次除菌 ( 保険適用 ) 1 回目の除菌治療に失敗した場合 下記の 3 種類のお薬を 1 日 2 回に分けて 1 週間服用することで 約 80~90% の人が除菌に成功します 1 プロトンポンプインヒビター ( 以下の 4 剤のいずれか ) ボノプラザン 40mg エソメプラゾール 40mg ランソプラゾール 60mg ラベプラゾール 20mg 2 アモキシシリン 1500mg 3 メトロニダゾール 500mg 三次除菌 ( 自由診療全て実費となります ) 2 回目の除菌治療に失敗した場合 当院では自由診療で下記治療を行うことができます 下記の 3 種類のお薬を 1 日 2 回に分けて 1 週間内服 約 70-90% の人が除菌に成功します 1 ボノプラザン 40mg 2 アモキシシリン 1500mg 3 シタフロキサシン 200mg 9. ピロリ菌の除菌判定について除菌内服治療終了後 少なくとも 4 週間以上経ってから判定します プロトンポンプインヒビター * ( ボノプラザン エソメプラゾール オメプラゾール ランソプラゾール ラベプラゾール ) を服用していると偽陰性となる可能性がありますので 4 週間以上前から休薬するか 他の薬剤に変更しておく必要があります 除菌成功後のピロリ菌の再感染は稀 (0-2%) です 除菌判定を必ず行っておきましょう 1 尿素呼気試験 薬剤服用前後の呼気を調べることによりピロリ菌の有無を調べます 検査前の絶食が必要です 2その他の検査血清ピロリ菌抗体は除菌成功後もしばらくは陽性となります 迅速ウレアーゼ試験 検鏡法 培養法は除菌判定には適していません これらの検査を補足的に測定することがあります 3

患者 ID: @@SYPID@@ 氏名 : @@ORIBP_KANJI@@ 同意書 国立国際医療研究センター病院長殿 私は ピロリ菌の除菌療法について 期待されるメリットとリスクについて ピロリ菌除菌 についての説明書 を熟読し理解した上で 自由診療にて除菌治療を行うことを承諾 いたします 平成年月日 ご住所 電話番号 お名前 印 平成年月日 担当医師 @@SYUSRNAME@@ 印 4

ピロリ菌外来一次除菌 二次除菌 三次除菌 最終判定までの料金表 受診者 初回 呼気検査初回判定 陽性一次除菌 13,700 円 + 消費税 陰性 終了 8,700 円 + 消費税 2 回目 1 回目除菌判定検査 陽性二次除菌 11,600 円 + 消費税 陰性 終了 3 回目 2 回目除菌判定検査陽性三次除菌 17,600 円 + 消費税 陰性 終了 三次除菌より開始する方 (1 回目 ) ペニシリンアレルギーのある方 (1 回目以降 ) 除菌 (1 回目 ~) ( お支払料金 1 回につき ) 13,900 円 + 消費税 4 回目 最終除菌判定検査 最終除菌判定検査 終了 終了