副甲状腺

Similar documents
PowerPoint プレゼンテーション

1)表紙14年v0

Microsoft PowerPoint - 薬物療法

<4D F736F F F696E74202D2094AD955C BD82BF82C482F F6E E63655B93C782DD8EE68

cover

<4D F736F F F696E74202D F95BD90AC E E63389F120956C8FBC82AA82F196F295A897C A837E B5F93FB82AA82F18DC494AD8CE38EA197C382CC8AEE D8EAF5F93BF F12E >

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

頭頚部がん1部[ ].indd

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

外来在宅化学療法の実際

PowerPoint プレゼンテーション

がん登録実務について

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

スライド 1

博士の学位論文審査結果の要旨

<4D F736F F F696E74202D FB8AE0938C966B208BB388E7835A837E B8EA197C E55F89F1939A95D22E >

<4D F736F F F696E74202D2088F38DFC B2D6E FA8ECB90FC8EA197C C93E0292E B8CDD8AB B83685D>

untitled

原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

フッ化ピリミジン

E3200 BV FOLFOX4 FOLFOX4 PFS % 0.42, 0.65 p< log-rank % FOLFOX4 8.6% FOLFOX % FOLFOX4 259/ % FOL

9章 その他のまれな腫瘍

第71巻5・6号(12月号)/投稿規定・目次・表2・奥付・背

ベバシズマブ併用 FOLFOX/FOLFIRI療法

<4D F736F F F696E74202D2091E F18E7396AF8CF68A4A82AA82F18D758DC020837A815B B E B8CDD8AB B83685D>

臨床No208-cs4作成_.indd

<4D F736F F F696E74202D F93FB8AE08A7789EF A837E B283193FA96DA816A95CF8D E >

スライド 1

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 印刷用 DR.松浦寛 K-net配布資料.ppt [互換モード]

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

核医学画像診断 第36号

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

悪性黒色腫(メラノーマ)薬物療法の手引き version


学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

健康バンザイ! いなぎ講座 乳癌の診断と治療について

遠隔転移 M0: 領域リンパ節以外の転移を認めない M1: 領域リンパ節以外の転移を認める 病期 (Stage) 胃がんの治療について胃がんの治療は 病期によって異なります 胃癌治療ガイドラインによる日常診療で推奨される治療選択アルゴリズム (2014 年日本胃癌学会編 : 胃癌治療ガイドライン第

CT 5 HE PSA PAP 6 1 1

Microsoft PowerPoint - たちてん(玉田) ppt

32 子宮頸癌 子宮体癌 卵巣癌での進行期分類の相違点 進行期分類の相違点 結果 考察 1 子宮頚癌ではリンパ節転移の有無を病期判定に用いない 子宮頚癌では0 期とⅠa 期では上皮内に癌がとどまっているため リンパ節転移は一般に起こらないが それ以上進行するとリンパ節転移が出現する しかし 治療方法

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

Microsoft PowerPoint - (3)BC.ppt

「             」  説明および同意書

「適正なHER2検査のために」

!"#$%&'() FNAC) CNB) VAB MMT!

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

orororor oror CINAHL breast cancerhormonal therapyorendocrine therapyortamoxifenorgoserelinside effectorsymptomexperien

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

乳腺病理の着実な進歩-これからの課題 乳癌不均質性に関する考察

がんの治療

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ


untitled

スライド タイトルなし

CSPOR CSPOR NEOS New primary Endocrine-therapy Origination Study 1 ~10%~ ~90%~ 2 CSPOR CSPOR ER/HER 3 N-SAS BC06 version CSPOR CSPOR St. Gallen

<4D F736F F F696E74202D208FAC97D18AC58CEC B A957A8E9197BF>

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

将来の出産をご希望の患者さんへ.indd

最近 乳がんの人が増えている? 最近 芸能人で乳癌になった人多くない? 乳がんって増えているの? なったら助からないんでしょ?

助成研究演題 平成 26 年度 国際共同研究 がん患者の QOLモニタリング 小林 埼玉医科大学国際医療センター 呼吸器内科 国彦 教授 スライド 1 ファイザーヘルスリ スライド 1 サーチ振興財団よりご 支援を受けて 重要な 知見が得られつつあり ます 本日は オラン ダのライデン大学との 共同

筆頭演者の利益相反状態の開示 すべての項目に該当なし

診療のガイドライン産科編2014(A4)/fujgs2014‐114(大扉)

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

Transcription:

教育セミナーテーマ : 転移 再発乳癌 ( 治療 ) 要望テーマ :Hortobagyi のアルゴリズムの改変 川崎医科大学乳腺甲状腺外科 山本裕 第 14 回日本乳癌学会中国四国地方会教育セミナー平成 29 年 9 月 17 日 ( 日 )

はじめに 転移 再発乳癌の治療法を選択する際に 様々な考え方があり 正解 というものは導き出せない 時間的にすべての subtype を網羅できないため 今回の症例は ER 陽性 HER2 陰性の乳癌に絞って検討する

総論 ( 薬物療法 転移 再発乳癌の治療 ) (1) 治療の目的 (2) 治療選択を行うにあたって (3) 治療の原則 (4) 単剤療法と併用療法 (5) 化学療法が奏効している場合に治療を継続すべきか

転移 再発乳癌の予後 (16.6%) (3.1%) 転移 再発乳癌で 5 年以上 CR を継続できるのはわずか 3% Greenberg PA et al J Clin Oncol. 1996;14(8):2197 205.

転移 再発乳癌の予後は改善さ れるのか? OS 時とともに転移 再発乳癌の予後は改善されてきた Giordano SH, et al Cancer. 2004;100(1):44 52.

FDA 承認新規薬剤 転移 再発乳癌の予後改善に 新規薬剤の開発が要因の一つとして考えられる Giordano SH, et al Cancer. 2004;100(1):44 52.

治療の目的 延命 生活の質 (QOL) の改善

総論 ( 薬物療法 転移 再発乳癌の治療 ) (1) 治療の目的 (2) 治療選択を行うにあたって (3) 治療の原則 (4) 単剤療法と併用療法 (5) 化学療法が奏効している場合に治療を継続すべきか

治療選択を行うにあたって考え るべき事柄 患者の個別性 : 腫瘍の生物学的特性 (ER PgR HER2 など ) 転移巣の場所 ( 臓器 ) とその広がり 再発までの期間 術後薬物療法としてどの薬剤を使用したか 現時点での症状の有無など これまで構築されたエビデンス 患者の希望

治療選択を行うにあたって考え るべき事柄 転移 再発乳癌の治療の際には, 患者の個別性を把握し, 標準治療を理解し, 患者の希望を踏まえつつ最善の治療を選択することが求められる 治癒は困難であるものの, 治療の手立てがない病態では決してないことを十分に説明して, 希望を損なわない配慮が必要である

総論 ( 薬物療法 転移 再発乳癌の治療 ) (1) 治療の目的 (2) 治療選択を行うにあたって (3) 治療の原則 (4) 単剤療法と併用療法 (5) 化学療法が奏効している場合に治療を継続すべきか

治療の原則 1 転移 再発乳癌には全身治療すなわち薬物療法が原則として必要である 可能であれば転移病巣から組織を採取し subtype を評価することが望ましい 遠隔再発巣であることが断定的であると思われる病変であっても, 原発巣の ER,PgR,HER2 が不明, あるいは検査の信頼性が低い場合 や, 治療方針が変わる可能性がある場合は, 再発巣の生検を行う ことが勧められる 推奨グレード B Hortobagyi のアルゴリズムに沿って治療を行う

Hortobagyi のアルゴリズム Hortobagyi GN. N Engl J Med. 1998;339(14):974 84. 改変

治療の原則 2 ホルモン感受性があり, かつ軟部組織や骨転移, あるいは内臓転移であっても, 差し迫った生命の危険 ( 例えば, 広範な肝転移や肺転移, 癌性リンパ管症など ) がない場合, 再発までの期間が長い症例などは, 内分泌療法から開始する 一次内分泌療法が奏効した場合は, 無効になるまで治療を継続する 同様に二次, 三次内分泌療法を行う

治療の原則 3 内分泌療法がまったく奏効しなかった場合, あるいは内分泌療法が効かなくなった場合は化学療法に移行する ホルモン感受性がない場合, あるいは感受性があっても, 差し迫った生命の危機がある内臓転移の場合, 再発までの期間が短い場合などは化学療法を一次治療から順に行う

総論 ( 薬物療法 転移 再発乳癌の治療 ) (1) 治療の目的 (2) 治療選択を行うにあたって (3) 治療の原則 (4) 単剤療法と併用療法 (5) 化学療法が奏効している場合に治療を継続すべきか

単剤療法と併用療法 化学療法の同時併用は単剤投与よりも奏効率は高いものの毒性が増加するため 原則単剤順次投与が勧められる しかし, 急速に進行し生命に危険を及ぼす内臓転移例では, 奏効率の高い同時併用を選択する余地はある 内分泌療法と化学療法を同時併用することは勧められず, 順次投与が望ましい

総論 ( 薬物療法 転移 再発乳癌の治療 ) (1) 治療の目的 (2) 治療選択を行うにあたって (3) 治療の原則 (4) 単剤療法と併用療法 (5) 化学療法が奏効している場合に治療を継続すべきか

化学療法が奏効している場合に 治療を継続すべきか 有害事象が軽度の場合は治療の継続が勧められる 有害事象が強い場合や患者の希望がある場合はいったん治療を休止し, 無治療で観察し増悪傾向を認めた場合に再度同じ化学療法を実施する方法も妥当である 有害事象の少ない他の治療の適応がある場合は, その治療への変更を考慮してもよい 臨床医は患者の有害事象の訴えと QOL を考慮して治療の継続の可否を判断することが必要である

Case 1 35 歳 右乳癌 T1N1M1 StageⅣ 肺門 縦隔リンパ節転移 CNB:ER>50%, PR>50%, HER2 :FISH 陰性, MIB-1:21-50% 症状なし 本人の希望 : できるだけ長生きしたい 治療は何を選択しますか? 1 2 3 4 5 6 LH-RH TAM LH-RH+TAM EC/AC/FEC/FAC Taxane (DTX/PTX) その他

閉経前ホルモン受容体陽性転移 再発 乳癌に対する内分泌療法 ( 一次治療 )

PFS LHRH-A 6.3M TAM 5.6M LHRH-A+TAM 9.7M P=0.0318 HR LHRH-A vs combined 1.65 TAM vs combined 1.50 OS LHRH-A 2.5Y TAM 2.9Y LHRH-A+TAM 3.7Y P=0.0114 HR LHRH-A vs combined 1.95 TAM vs combined 1.63 併用群が各単独群に比べ有意に優れていた Klijn JG, et al J Natl Cancer Inst. 2000;92(11):903 11.

閉経前ホルモン受容体陽性転移 再発 乳癌に対する内分泌療法 ( 一次治療 ) CQ17-a 推奨グレード A LH-RH アゴニストとタモキシフェンの併用が強く勧められる

Case 2 69 歳 ( 手術時 59 歳 ) 左乳癌で Bq+SLNB ALND 病理組織学的診断 : 浸潤径 2.5cm, 硬癌, ly1, v0, margin-, ER80%, PR80%, HER2 score0, GradeⅢ, pn+ 3/13 T2N1M0 StageⅡB EC 6 サイクル ANA 術後 10 年骨 多発肺転移 症状なし 本人の希望 : 先生にお任せします 治療は何を選択しますか? 1 2 3 4 5 6 AI SERD(FUL) SERMs (TAM TOR) EC/AC/FEC/FAC Taxane (DTX/PTX) その他

ホルモン感受性 Piccart M. Advanced Breast Cancer 2nd consensus conference 2013, 一部改変

内分泌療法進行 再発治療治療ラインの定義 再発 進行例の治療 5 年 1 年 >1 年 一次治療 二次治療 再発例 晩期再発 術後治療終了後 >1 年に再発 術後 HT 再発 1 次 早期再発 術後治療終了後 1 年に再発 術後治療中に再発 術後 HT 術後再発 HT 再発 2 次 2 次 進行がん 進行例 1 次 日本乳癌学会編 : 乳癌診療ガイドライン治療編 (2015 年版 ) を参考に作図

閉経後ホルモン受容体陽性転移 再発 乳癌に対する内分泌療法 ( 一次治療 )

Bonneterre J, et al Cancer. 2001;92(9):2247 58.

R. Paridaens et al Annals of Oncology 14: 1391 1398, 2003

HR 0.72, P<.0001 LET 9.4M TAM 6.0M Mouridsen, H., et al. J. Clin. Oncol.,21(11), 2101-2109, 2003

Postmenopausal ER positive locally advanced/mbc phase II randomized open-label multicenter trial 1 st line primary endpoint:os Ellis MJ, et al J Clin Oncol 2015 Nov 10;33(32):3781-7.

Ellis MJ, et al J Clin Oncol 2015 Nov 10;33(32):3781-7. FIRST Study OS HR 0.70 ((95% CI, 0.50-0.98), P=0.04 FUL 54.1M ANA 48.4M

閉経後ホルモン受容体陽性転移 再発 乳癌に対する内分泌療法 ( 一次治療 ) CQ18-a 推奨グレード A アロマターゼ阻害薬が強く勧められる

Postmenopausal ER positive locally advanced/mbc phase Ⅲ randomised double-blind international trial 1 st line primary endpoint:pfs John F R Robertson et al Lancet 2016 Dec 17;388(10063):2997-3005.

FALCON Trial PFS HR 0.797 ((95% CI, 0.637-0.999), P=0.0486 FUL 16.6M ANA 13.8M John F R Robertson et al Lancet 2016 Dec 17;388(10063):2997-3005.

閉経後ホルモン受容体陽性転移 再発 乳癌に対する内分泌療法 ( 一次治療 ) CQ18-a 推奨グレード A アロマターゼ阻害薬が強く勧められる 次回のガイドラインでは ここに FUL が掲載される可能性があるだろう

Case 3 59 歳 ( 手術時 53 歳 ) 左乳癌で Bq+SLNB ALND 病理組織学的診断 :2.5cm, 硬癌, ly1, v0 GradeⅢ pn+ 1/11 ER60%, PgR 20%, HER2(score2+, FISH-) T2N1M0 StageⅡB EC 4 サイクル PTX 4 サイクル ANA LET TAM( 有害事象のため ) 術後 6 年多発肝転移 治療は何を選択しますか? 1 2 3 4 5 SERD(FUL) AI DTX PTX + BEV その他

HER2 陰性転移 再発乳癌に対す る化学療法 ( 一次治療 )

OS 一次化学療法として, アンスラサイクリンまたはタキサンを使用し, 増悪後にもう一方を使用した場合, どちらを先に使用してもOSに差を認めなかった Paridaens R, et al J Clin Oncol. 2000;18(4):724-33.

OS HR=0.93 95% CI 0.86 1.00 P=0.05 TTP HR=0.92 95% CI 0.85 0.99 P=0.02 Ghersi D, et al Br J Cancer. 2005 Aug 8;93(3):293-301.

HER2 陰性転移 再発乳癌に対す る化学療法 ( 一次治療 ) CQ19-a 推奨グレード B アンスラサイクリン, タキサン,S 1 のいずれかの使用が勧められる

Case 4 56 歳 右乳癌 T4b N1 M1 StageⅣ 骨 胸膜転移 CNB: malignant, invasive carcinoma, 核異型 : 中等 ~ 軽度 ER95%, PR60%, HER2 score0, Ki- 67 陽性率 24.0% 症状 : 背部痛 + 呼吸困難 - 本人の希望 : できるだけ長く元気でいたい 治療は何を選択しますか? 1 2 3 4 5 6 SERD(FUL) AI EC/AC/FEC/FAC DTX PTX (+ BEV) その他

PFS:HR= 0.70; 95% CI, 0.57 0.86 OS:HR= 0.95; 95% CI, 0.85 1.06 Rossari JR, et al J Oncol. 2012;2012:417673.

BEV による癌性胸水に関する報告 肺癌において 胸腔内の腫瘍細胞から産生される VEGF によって血管透過性が亢進し 癌性胸水の形成を促進するが 抗 VEGF 抗体である BEV がそれを抑制した Yanagawa H, et al Cancer Immunol Immunother. 1999 48:396-400 癌性胸水を伴った乳癌に対して BEV+PTX を投与したところ 癌性胸水の減少に伴って胸水中の VEGF 濃度が低下した 米田央后ら乳癌の臨床 31(4) 349-354, 2016

Case 4 経過 しびれが気になります RT PTX BEV 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0

MBC N=46 BEV PTX N=19 N=12 PTX intolerable toxicity PD Yoshinami T, et al Breast Cancer (2017) 24:147 151

BEV+PTX re-induction therapy TTF:174 days 6 か月弱 OS: 777 days 約 2 年 ORR:25 % (3/12) CBR:58 % (7/12) Yoshinami T, et al Breast Cancer (2017) 24:147 151

Case 4 経過 RT PTX BEV 3500 腫瘍マーカーは上昇していたが 身体所見 画像上は増悪を認めていない 3000 2500 2000 1500 1000 500 0

今後の治療は? 腫瘍マーカーは上昇していたが 身体所見 画像上は増悪を認めていないので この時点で BEV+PTX は完全に failure していないと判断した BEV+PTX 継続も可能と考えるが どこかでホルモン感受性を確認する必要がある 一旦ホルモン療法に変更して 後に BEV+PTX の再投与も可能な状況を残しておきたい この考えの根拠は?

ASCO guideline (Tumor Marker) MBC 患者をモニタリングする際に CEA または CA15-3 は 画像診断 病歴および身体検査と併せて使用することができる 現在のデータでは 治療効果をモニターするために CEA または CA 15-3 単独の使用を推奨するには不十分である しかし測定可能病変が存在しない場合 CEA または CA15-3 の増加が治療耐性獲得を示すために使用され得る Harris L, et al J Clin Oncol. 2007 Nov 20;25(33):5287-312.

ABC 1 Endocrine treatment after CT (maintenance ET) to maintain benefit is a reasonable option. 化学療法後のホルモン療法は理にかなった治療法である Yes が 88% Cardoso F, et al Breast. 2012 Jun;21(3):242-52.

Case 4 経過 RT PTX BEV 3500 FUL 3000 2500 2000 1500 1000 500 0

Hortobagyi のアルゴリズムの改変 MBC の治療に Hortobagyi のアルゴリズムを用いるのが大原則であることに変わりはない しかし症例によっては 化学療法を休薬したり 化学療法からホルモン療法などの有害事象の少ない他の治療への変更を考慮してもよい ただしその場合 治療法を選択した根拠をはっきりさせ 患者の理解を得て 治療を行うことが重要である