税調第19回総会 資料2

Similar documents

平成 22 年 4 月 1 日現在の法令等に準拠 UP!Consulting Up Newsletter 無対価での会社分割 バックナンバーは 当事務所のホームページで参照できます 1

組織再編税制の見直し

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

2017年税制改正によるスピンオフ税制とスクイーズアウト関連税制の創設等

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

平成23年度税制改正の主要項目

実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ

128 Z E I K E I T S U S H I N 10. 3

に相当する金額を反映して分割対価が低くなっているはずですが 分割法人において移転する資産及び負債の譲渡損益は計上されませんので 分割法人において この退職給付債務に相当する金額を損金の額とする余地はないこととなります (2) 分割承継法人適格分割によって退職給付債務を移転する場合には 分割法人の負債

Microsoft Word - 02手引(説明).doc

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

完全子会社同士の無対価合併 1. 会社法の規制 100% 子会社同士が合併する場合は 兄弟合併とも言われます 実務上は新設合併はマイナーで 法律上の許認可の関係で一方が存続する吸収合併が一般的です また 同一企業グループ内での組織再編成の場合は 無対価合併が一般的です 簡易合併に該当する場合は 存続

税調第2回連結 資料4

法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

公益法人の寄附金税制について

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

スピンオフに関する組織再編税制の改正 PwC 税理士法人 国際税務 /M&A タックスグループディレクター原嵩 はじめに 2017( 平成 29) 年度税制改正では事業再編の環境整備のために 経営戦略に基づく先を見据えたスピード感のある事業再編等を加速するため 特定事業を切り出して独立会社とするスピ

スポンサー企業 増減資により 再生会社をスポンサー企業の子会社としたうえで 継続事業を新設分割により切り分ける 100% 新株発行 承継会社 ( 新設会社 ) 整理予定の事業 (A 事業 ) 継続事業 会社分割 移転事業 以下 分社型分割により事業再生を行う場合の具体的な仕組みを解説する の株主 整

税調第1回連結納税 資料2

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

平成30年公認会計士試験

「経済政策論(後期)」運営方法と予定表(1997、三井)

第一法基通改正7

法人税 faq

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

海運関係事項

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

目次 Ⅰ タックス ヘイブン対策税制の概要 3 Ⅱ 非課税所得の範囲 連結納税を適用している場合の取扱い 1 非課税所得の範囲 2 連結納税を適用している場合の租税負担割合の算定方法 Ⅲ 各国の事例に基づく検討 1 米国 ( 現物分配 連結納税 LLC) 2 英国 ( グループリリーフ ) 3 ドイ

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

本レターにおいては 本大綱により見込まれる改正の概要 改正後の税制を踏まえた スピンオフおよび現金交付組織再編の概要を解説します 3 Ⅱ. スピンオフに関する改正とその手続 1. スピンオフとは スピンオフ (spin-off) とは 一般に 現物配当等の方法により 子会社の株式または会社の事業を切

用紙.indd

. 減価償却の仕組みを理解する 60 定率法 定額法など減価償却の方法を理解しましょう. 有価証券の整理をする 68 有価証券一覧表に 購入売却のつど その取引内容を記載していくと 決算業務の際に便利です. 受取配当金を集計する 78 有価証券の整理後 受取配当金と源泉所得税を集計し 申告書作成の準

損金経理と積立金経理の違い ( 圧縮超過額がない場合の基本構造 ) 例 A 社は 50の国庫補助金を得て 100で機械を取得した なお A 社の経常利益は 100 である * 仕訳の違い ( 単位 : 百万円 ) 損金経理積立金経理 補助金受贈と機械取得時の仕訳 ( 両者とも同じ ) 現金預金 50

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

TAC2017.indb

企業会計の利益 法人税法上の所得金額 売上原価販売費一般管理費営業外費用特別損失 売上 営業外収益特別利益 損金の額原価費用損失の額 益金の額 ( 収益の額 ) 当期純利益所得の金額 2 益金の額に算入すべき金額とは何か益金の額に算入すべき金額とは 法人税法の規定や他の法令で 益金の額に算入する 又

(0830時点)PR版

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

自己株式とみなし配当 1. 自己株式取得の法務自己株式は 会計上は資本取引として認識し 純資産の部から取得価額を控除する形式で表示します ( 自己株式会計基準 7) 一方税務上では 発行法人の貸借対照表と自社株式の取引価額次第で みなし配当課税と所得税の源泉徴収が必要な場合があります 自己株式の取得

<928D8B4C8E968D DE90458B8B A2E786C73>

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

【表紙】

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

 

Microsoft Word - News_Letter_Tax-Vol.43.docx

日本基準基礎講座 資本会計

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

リリース

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

税調第20回総会 資料2-1

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

第3 法非適用企業の状況

税調第4回連結 資料1-2

1. みなし配当とは? A Q1. みなし配当の定義とみなし配当が生じる取引について教えてほしい みなし配当とは 以下 1~6 の事由により法人が株主へ金銭等の交付を行った場合において その交付金銭等の合計額がその法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうち交付の基因となった株式に対応する部分を

1 特別償却の適用例 コネクテッド インダストリーズ税制 (IoT 税制 ) よくあるご質問補足資料 例 ) a. 5,000 万円の課税対象設備を購入 ( 対象設備の法定耐用年数は 5 年とする ただし の計算法は 定額法 とする ) 5,000 万円 5 年 = 1000 万円 b. 当年度で

085 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 新株予約権 少数株主持分を株主資本に計上しない理由重要度 新株予約権を株主資本に計上しない理由 非支配株主持分を株主資本に計上しない理由 Keyword 株主とは異なる新株予約権者 返済義務 新株予約権は 返済義務のある負債ではない したがって

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

平成25年度 第134回 日商簿記検定 1級 商業簿記 解説

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

株主各位 平成 29 年 8 月 2 日東京都港区虎ノ門三丁目 1 番 1 号 ITbook 株式会社代表取締役会長兼 CEO 恩田饒 ストック オプション ( 新株予約権 ) の発行に関する取締役会決議公告 当社は 平成 29 年 7 月 19 日開催の取締役会において 当社取締役 執行役員および


カプコン (9697) 平成 25 年 3 月期 決算短信 ( セグメント情報等 ) ( セグメント情報 ) 1. 報告セグメントの概要 (1) 報告セグメントの決定方法 当社の報告セグメントは 当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり 取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価す

平成 29 年度税制改正解説国際課税 ~ 外国子会社合算税制の改正 2 4. 外国子会社合算税制の適用フローチャート 改正前 合算課税の適用対象となる内国法人等の判定 用語解説 丸数字は左のフローチャートと対応 合算対象法人における判定 1 外国法人の株式を 10% 以上保有しているか? 合算所得な

< F31322D89FC90B390C C18F578D8692C7985E5B315D2E6A74>

連結納税の概要と税制改正の影響~実務上の留意点をふまえて~

コア資本に係る調整項目 無形固定資産 ( モーゲージ サービシング ライツに係るものを除く ) の額の合計額 うち のれんに係るもの ( のれん相当差額を含む ) の額 うち のれん及びモーゲージ サービシング ライツに係るもの以外の額 繰延税金資産 ( 一時差異に係るものを除く ) の額 適格引当

新規文書1

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

[2] 財務上の影響 自己株式を 取得 した場合には 通常の有価証券の Ⅰ. 株主資本 ように資産に計上することはせず 株主との間の資本取 1. 資本金 引と考え その取得原価をもって純資産の部の株主資本 2. 資本剰余金 (1) 資本準備金 から控除します そのため 貸借対照表上の表示は金額 (2

用紙.indd

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

「連結納税の達人」 のご紹介

2 その他 H26 中間申告義務のない事業者が 届出 012 書を提出した場合には 自主的に中間申告 納付することができる旨を 検討したか ( 平成 26 年 4 月 1 日以 後開始課税期間より適用 ) 本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H26 課税期間の基準期間

企業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑦・連結税効果実務指針(その2)

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

2 2. グループ法人税制 ( とは?) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H ( 事業部門分社化 子会社化 ) 経営責任の明確化 迅速な経営判断 戦略立案 効率的な資源配分 (100% グループ内法人とは ) 例 1 A 社 ( 一の者 ) 例 2 A 社 ( 一の

税が課税される所得を生み出す事業活動に使われているか否かを基準に損金算入規制を設けていると考えられます 株式などの出資の取得のために資金を使った場合, 株式から生じる配当やキャピタルゲインは資本参加免税により非課税となります このケースでは, オランダでの課税所得を生じないことが想定されるため, 出

<4D F736F F D F816992F990B C B835E92F990B3816A E31328C8E8AFA208C888E5A925A904D816B93F

自己株式の消却の会計 税務処理 1. 会社法上の取り扱い取得した自己株式を消却するには 取締役会設置会社の場合は取締役会決議が必要となります ( 会 178) 取締役会決議では 消却する自己株式数を 種類株式発行会社では自己株式の種類及び種類ごとの数を決定する必要があります 自己株式を消却しても 会

投資主が受け取る配当等の額については 原則どおり配当等の額を受け取る際に20%( 所得税 )( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までは復興特別所得税とあわせて20.42%) の税率により源泉徴収された後 総合課税の対象となります ( ロ ) 出資等減少分配に係る税

平成20年2月

営業報告書

4. 附加価値への試みと挫折 現行事業税へ昭和 24 年 (1949 年 ) 第一次シャウプ勧告事業税の課税標準について 原料等 他の事業から購入したものの価値に その企業が附加したところの額である とし 課税標準を事業の所得によるのではなく 附加価値を採用すべきである旨勧告昭和 25 年 (194

( ロ ) 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る出資等減少分配 ( 所得税法第 24 条に定めるものをいいます 以下 本 ( ロ ) 出資等減少分配に係る税務 において同じです ) のうち本投資法人の税務上の資本金等の額に相当する金額を超える金額がある場合には みなし配当 ( 計

Transcription:

平 3 0. 1 0. 2 3 総 1 9-2 説明資料 連結納税制度について 平成 30 年 10 月 23 日 ( 火 ) 財務省

目次 1 連結納税制度の概要 連結納税制度の概要 4 連結所得金額 連結税額の計算 ( 概要 ) 5 連結納税制度導入に当たっての政府税調での議論 6 連結納税制度に関係する主な改正 8 連結納税制度の適用状況 9 2 連結納税制度を取り巻く状況 企業グループ経営の現状 11 連結納税制度の事務負担の現状 14 3 連結納税制度に関連する税制の変化 グループ法人税制の導入 16 連結納税制度とグループ法人税制 17 組織再編税制の概要 18 組織再編税制の主な改正 20 2

1 連結納税制度の概要 3

連結納税制度の概要 14 年度改正で創設 (1) 適用対象 親会社と それが直接又は間接に 100% の株式を保有するすべての子会社 ( 外国法人を除く ) 選択制 ( 一旦選択した場合は 原則として継続して適用 ) 国内 連結グループ 親会社 国外 20% 75% 100% 100% 100% 51% 関連会社子会社子会社子会社子会社子会社 100% 51% 30% 70% 100% 孫会社孫会社孫会社孫会社 (2) 申告 納付 親会社が法人税の申告 納付 ( 子会社は連帯納付責任を負い 個別帰属額等を提出 ) (3) 所得 税額の計算 連結グループ内の各法人の所得金額に所要の調整を行った連結所得金額に税率を乗じ さらに必要な調整を行い連結税額を算出 税率は 23.2% (4) 時価評価課税 欠損金の制限 連結納税の開始又は連結グループへの加入時に 原則として 開始時の子法人及び加入法人の資産を時価評価開始 加入前に生じた子法人の欠損金は 原則 切捨て一定の子法人については 時価評価課税及び欠損金切捨ての対象外 4

連結所得 額 連結税額の計算 ( 概要 ) < 親会社 A> 単体所得金額 < 子会社 b> 単体所得金額 < 子会社 c> 単体所得金額 減価償却 特別償却 準備金 圧縮記帳等 連結所得調整 1 連結所得調整 1 連結所得調整 1 グループ内取引に係る損益の調整 グループ内法人に対する金銭債権を貸倒引当金の対象から除外等 ( 配分額 ) ( 配分額 ) ( 配分額 ) ( 配分額 ) ( 配分額 ) ( 配分額 ) 配分額配分額配分額 連結所得調整 2 連結所得金額 調整前連結税額 寄附金 交際費等 連結欠損金額の繰越控除 連結税額調整 1 連結税額調整 1 連結税額調整 1 中小企業投資促進税制の税額控除等 ( 配分額 ) ( 配分額 ) ( 配分額 ) 連結税額調整 2 所得税額控除 外国税額控除 試験研究を行った場合の税額控除等 連結税額 配分額 配分額 配分額 5

連結納税制度導 に当たっての政府税調での議論 1 議論の背景 企業法制 純粋持株会社の解禁 ( 平 9) 株式交換 株式移転制度の創設( 平 11) 会社分割法制の創設( 平 13) 企業会計 連結財務諸表制度の抜本的見直し ( 平 11) 12 年度の税制改正 に関する答申 ( 平 11.12.16) 最近の企業経営をみると 企業集団の一体的経営の傾向が強まっています また 法制面でも 独占禁止法において持株会社の設立が原則として解禁されたこと 商法において会社分割法制の導入が検討されていることなどの動きが見られます こうした中で 企業の経営環境の変化に対応する観点や国際競争力の維持 向上に資する観点 さらには企業の経営形態に対する税制の中立性を図る観点から わが国においても 連結納税制度の導入を目指し 鋭意検討を進めることが適当と考えます 諸外国で導入されている企業集団に着目した税制を見ると いくつかの類型があります わが国に連結納税制度を導入するための具体的な検討を行うに当たっては まず導入すべき類型を検討する必要があります その類型については 米国などのような連結納税型と 英国のような損益振替型に区分することができます このうち 英国の損益振替型の制度は 連結対象や振替額を任意に調整することが可能であり 企業集団の一体性に着目した制度ではありません わが国に 企業集団に着目した新たな税制を導入するに当たっては 個々の企業の自立を促しつつ 企業集団の経済的一体性に着目して制度を構築するという理念の下 企業の経営形態に対する税制の中立性の観点などを踏まえ 米国において導入されているような本格的な連結納税型の制度を導入することが適当と考えます ( 略 ) 連結納税制度を導入するに当たっては 国際的にも遜色のない 21 世紀のわが国の法人税制としてふさわしい制度を構築する必要があり このため 法人課税小委員会において 検討を深めていくこととしています 6

連結納税制度導 に当たっての政府税調での議論 2 13 年度の税制改正 に関する答申 ( 平 12.12.13) 先に述べたように 企業組織の柔軟な再編成を可能とするための商法等の見直しが進められています 当調査会は 企業の経営環境の変化に対応する観点や国際競争力の維持 向上に資する観点 企業の経営形態に対する税制の中立性の観点から わが国においても連結納税制度の導入を目指すことが適当であるとしてきました 企業集団の一体性に着目して制度を構築するという理念の下 アメリカにおいて導入されているような本格的な連結納税制度の導入に向けた検討を進めています 連結納税制度は 21 世紀のわが国経済のインフラとなる制度であり 会社分割 合併等の企業組織再編成に係る法人税制に続いて速やかに整備すべき重要な課題です 当調査会は 既に多岐にわたる検討項目を示したところであり 国際的にも遜色のない制度を構築すべく 法人課税小委員会においてこれらの項目について具体的な検討を進めていくこととします 法人課税小委員会 連結納税制度の基本的考え方 ( 平 13.10.19) (1) 連結納税制度は 企業グループの一体性に着目し 企業グループ内の個々の法人の所得と欠損を通算して所得を計算するなど 企業グループをあたかも一つの法人であるかのように捉えて法人税を課税する仕組みである (2) このような連結納税制度の意義は 企業の事業部門が100% 子会社として分社化された企業グループやいわゆる純粋持株会社に所有される企業グループのように 一体性をもって経営され 実質的に一つの法人とみることができる実態を持つ企業グループについては 個々の法人を納税単位として課税するよりも グループ全体を一つの納税単位として課税するほうが その実態に即した適正な課税が実現されることにある また 近年 企業グループの一体的経営の急速な進展や企業組織の柔軟な再編成を可能とするための独占禁止法や商法の改正が行われる中にあって 連結納税制度の創設は 結果として 企業の組織再編成を促進し わが国企業の国際競争力の維持 強化と経済の構造改革に資することになるものと考えられる 7

連結納税制度に関係する主な改正 14 年度改正連結納税制度を創設 16 年度改正 連結付加税(2%) の廃止 18 年度改正 株式交換 株式移転に係る税制の本則化に伴い 適格株式交換による加入を時価評価の対象から除外し 非適格株式移転前の子法人の欠損金を連結納税への持込み対象から除外等 19 年度改正 合併等対価の柔軟化に伴い 連結開始時の時価評価の適用除外法人の範囲の見直し 22 年度改正 連結子法人の連結開始前欠損金の持込み制限の緩和( 時価評価の対象外法人について個別所得金額を限度として持込み可とする ) 等の見直し グループ法人税制の創設として 連結法人間の取引の譲渡損益の繰延制度 受取配当の益金不算入制度における負債利子控除を適用しない措置 寄附金の全額損金不算入措置について 連結納税を選択していない10 0% グループ内の法人間の取引に対象を拡大 支配日以後 2 月以内に離脱する法人の有する資産を時価評価の対象から除外等 29 年度改正 連結開始/ 加入時の時価評価資産の対象から 帳簿価額が1,000 万円未満の資産 を除外 スクイーズアウトによる完全子会社化について 組織再編税制に位置づけられたことにより 適格要件を満たす場合には 当該完全子会社を時価評価の対象から除外とするとともに 欠損金の持ち込みを可能とする等の見直し 8

平成 22 年度税制改正以降 連結法人数が急増 連結納税制度の適 状況 連結法人数の推移 法人数 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 親法人 子法人 平成 22 年度改正により 連結子法人の欠損金の持ち込み制限が緩和 税制改正 ( ) 8,368 9,491 10,321 10,899 11,670 11,977 12,681 4,473 5,511 6,047 6,463 6,546 6,630 6,733 381 537 629 724 795 864 930 1,141 1,288 1,450 1,541 1,631 1,698 1,775 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 事務年度 親 子法人合計 14,456 社 税務署所管 親 301 社 子 1,152 社 平均子法人数約 4 社 国税局所管 親 328 社 子 4,895 社 平均子法人数約 15 社 連結法人の子法人数の状況 ( 国税局所管 ) 税務署所管 国税局所管 親 955 社 親 820 社 子 2,718 社 平均子法人数約 3 社 子 9,963 社 平均子法人数約 12 社 子法人 101 社以上 子法人 51~100 社 子法人 1~50 社 約 10 法人 約 30 法人 約 800 法人 < 参考 > 東洋経済新報社 日本の企業グループ に掲載されている親法人約 3,000 社 ( 上場企業等 ) のうち 連結納税を適用している法人数は約 600 社 残る約 2,300 社のうち 約 2,200 社は 連結納税を適用可能であるが選択申請していない 9

2 連結納税制度を取り巻く状況 10

企業グループ経営の現状 1 持株会社 ( 自ら事業を行っている いわゆる 事業持株会社 も含む ) の増加や 連単倍率 ( 親会社単独の売上高等と 子会社や関連会社を含めたグループの連結決算における売上高等との比率 ) の拡大が続いている 企業経営における子会社の比重が増しており グループ経営は一層進展しつつある 180 持株会社 ( ) の数の推移 ( ) ここでは個社ごとに会計上の 単体関係会社株式 単体総資産 が 50% を超えているものを 持株会社 と考えて計算 独禁法上の定義と類似しているが 会社の他に関連会社を含んでいることや 海外 会社を含んでいることなど 部差異がある また 純粋持株会社に加え いわゆる事業持株会社も含んでいる ( 連結 / 単体 ) 1.3 上場企業の 連単倍率 の中央値 ( 売上 純利益 総資産を 較 ) 1.27 160 140 120 100 80 60 40 20 0 1.2 1.1 1.07 1.05 1.0 1.00 0.9 1.16 1.12 連単倍率 ( 売上高 ) 連単倍率 ( 純利益 ) 連単倍率 ( 総資産 ) ( 備考 ) いずれの図も 日経 Needs データを元に経済産業省作成 調査対象は東証 1 部 2 部上場企業 ( 出典 ) 経済産業省 CGS 研究会 ( 第 2 期 ) 第 1 回 第 2 回資料 11

企業グループ経営の現状 2 多くの企業グループが 企業グループの全体設計に関して 子会社へ権限を委譲することと 親会社が強い権限を持つことの双方を重視しており そのバランスが課題 また 意思決定事項に応じて 親会社の関与の程度が異なる ( 子会社の大きな方針決定等 グループ全体の方針 設計に関わる事項については親会社の関与が強い傾向 一方 購入 調達先及び納品 販売先の決定等 事業運営に係る事項については 子会社が自ら判断しており 親会社の関与が弱い傾向 ) 子会社の全ての情報や意思決定が親会社に集約されているわけではない 集権的な意思決定 ( イメージ ) ( 親会社による関与が深い ) 親会社権限 分権的な意思決定 ( イメージ ) ( 親会社による関与が浅い ) 親会社 情報 情報 情報 重要情報のみ親会社へ集約 子会社 子会社 子会社 子会社権限 子会社権限 子会社権限 親会社が強い権限を持ち 子会社の情報も親会社に集約される 子会社へ一定の権限が委譲され 重要情報のみが親会社に集約される 12

企業グループ経営の現状 3 企業グループの全体設計に関して重視しているかどうか また それが実現できているかどうかについてのアンケート結果 国内の中核子会社 ( 例. 事業会社 代表的な 100% 子会社 純粋持株会社 代表的な傘下子会社 ) に関する意思決定事項についての親会社の関与状況についてのアンケート結果 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 子会社や事業部に権限を委譲し 分権化を図ること 56% 23% 21% 中核子会社の社長の決定 73% 20% 5% 2% 他社との事業提携や M&A の決定 57% 26% 16% 1% 親会社や本部に強い権限を持たせ 子会社の経営ついて親会社が責任を果たすこと 54% 24% 22% 中核子会社の子会社 ( 孫会社 ) の新規設立の決定 57% 23% 18% 2% 事業や地域ごとの多様性に応じた最適解を実現すること 49% 42% 9% 外部からの資金調達の決定 48% 29% 19% 4% 親会社や本部に情報を集約化して判断を行うことで 全体最適を実現すること 56% 34% 10% 既存事業からの撤退決定 新規事業への進出決定 38% 35% 29% 31% 31% 27% 5% 5% 子会社や事業部における迅速な意思決定を可能にすること 57% 35% 8% 重要な組織変更の決定 33% 25% 32% 10% グループ全体で統一的な管理を行い 内部統制を確保すること 62% 34% 4% 中長期計画の決定 新製品 新技術の開発決定 29% 27% 23% 39% 36% 25% 14% 6% グループ全体でスケールメリットやコスト効率性を実現すること その他 44% 48% 26% 49% 26% 7% 年度予算 事業計画の決定 人事制度 ( 給与 昇進 異動等 ) の設計や運用の決定 購入 調達先および納品 販売先の決定 10% 22% 22% 14% 36% 33% 36% 31% 33% 39% 9% 14% 実現できている重視しているが 実現できていない重視しておらず 実現できていない 本社が決定本社の意向を多く反映 会社の意向を多く反映 会社が決定 ( 出典 ) 経済産業省 CGS 研究会 ( 第 2 期 ) 第 6 回資料 13

連結納税制度の事務負担の現状 未定稿 連結納税制度の事務負担に関し 以下のような声があった 導入時 各社ごとに様々になっている経理 申告方法を連結グループ全社で統一するのが大変 導入初期は相当負荷がかかる 連結納税のシステムを使う導入コストが必要 申告 税務調査 新規に加入した子会社で間違いが多いなど 申告書作成の事務負担は大きい 税務上の処理の元となる事実関係を子会社に確認する必要が生じることもあり 子会社とのやり取りが手間 導入から相当の期間が経過し 連結納税申告のフローが定着しており 子会社も慣れてきているため 親会社としても大きな事務負担があるわけではない 単体申告と比べて負担という印象はない 税務調査により過去の申告の修正等が生じ 事務的には大変 一社で数字が動くと調査が入っていない会社にも影響し さらに地方税にも影響する 事務負担としては一度の申告業務と同じくらいの負担がある 未導入企業の声 連結納税のための膨大な事務を現状の体制で行うことは困難 決算時の事務負担増を懸念している 今でも単体決算が期限ぎりぎりにできるので 連結納税を入れると45 日ルール が守れなくなる 税務調査も事務負担増で懸念する点のひとつ 証券取引所の自主的なルールとして 決算期末後 45 日以内に決算短信を開示することが適当とされている 14

3 連結納税制度に関連する税制の変化 15

グループ法 税制の導 グループ法人税制が平成 22 年度改正において導入されたことにより 連結納税を選択していない 100% グループ法人でも 個別申告において 資産の譲渡等に係る調整計算が適用されることとなった 連結納税制度は 納税者の選択により損益通算までを含めてグループの一体性をさらに強く課税関係に反映するための制度と位置付けることができる (1) 適用対象 (2) 具体的な措置の内容 100% グループ内の関係 ( 完全支配関係 ) のある法人 強制適用 一定の資産の移転を行ったことにより生ずる譲渡損益を その資産のそのグループ外への移転等の時に その移転を行った法人において計上する 寄附について 支出法人において全額損金不算入とされるとともに 受領法人において全額益金不算入とする 現物配当について 譲渡損益の計上を繰り延べる 受取配当について益金不算入制度を適用する場合には 負債利子控除を適用しない 株式を発行法人に対して譲渡する等の場合に その譲渡損益を計上しない 例 :100% グループ内の法人間の資産の譲渡取引の損益の繰延べ 16

連結納税制度とグループ法 税制 対象範囲 連結納税制度 完全支配関係にある法人 ( 選択適用 ) 連結納税を選択する場合は 原則として 完全支配関係にある全ての子法人が対象 グループ法人税制 完全支配関係にある法人 ( 強制適用 ) 申告方法 連結納税グループを一の課税単位として申告 連結親 子法人はそれぞれの個別帰属額届出書を作成 各法人がそれぞれ申告 グループ内取引 グループ内法人間での資産の譲渡 寄附や配当等の一定の取引については 課税の繰延べや益金不算入 ( 損金不算入 ) 租税特別措置の適用 一部の租特について グループ全体で適用の可否 限度額等を判定 研究開発や賃上げについて 赤字法人の投資額も含む 各法人ごとに適用の可否 限度額等を判定 損益通算 繰越欠損金の通算 可能 不可 17

組織再編税制の概要 1 連結納税制度は平成 13 年度改正で導入された組織再編税制を前提としていたが その後 新会社法の制定等 企業法制が見直されるとともに スクイ - ズアウトによる組織再編成も一般化するなど 企業の組織形態に関する環境が変化してきた このような経済社会の変化に伴い 組織再編税制において対象とする組織再編成の範囲や適格要件の見直しが続けられてきた 資産が移転する際にはその移転資産の譲渡損益に課税するのが原則 組織再編成 ( 合併 分割 現物出資 現物分配 ) についても同様 ただし 組織再編成により資産を移転する前後で経済実態に実質的な変更がない すなわち 移転資産に対する支配が再編成後も継続している と認められる場合は移転資産の譲渡損益の計上を繰り延べる との考え方に基づき 次頁の適格要件に該当する組織再編成で 対価として合併法人等の株式のみの交付 ( ) をする場合には 適格組織再編成として課税繰延べ ( 株式交換等については 非適格の場合に時価評価課税 ) 合併 分割及び株式交換については 合併法人 分割承継法人又は株式交換完全親法人の100% 親法人の株式のみの交付を含む 持株割合 3 分の2 以上の関係法人間の合併又は株式交換については 対価の制限なし 無対価の組織再編成についても 一定の場合には課税繰延べ 18

組織再編税制の概要 2 企業グループ内の組織再編成 共同事業を行うための組織再編成 独立して事業を行うための分割 株式分配 ( スピンオフ ) 適格要件 100% 関係の法人間で行う組織再編成 100% 関係の継続 50% 超関係の法人間で行う組織再編成 1 50% 超関係の継続 2 主要な資産 負債の移転 3 移転事業従業者の概ね80% が移転先事業に従事 ( 株式交換等 株式移転の場合は完全子法人の従業者の継続従事 ) 4 移転事業の継続 ( 株式交換等 株式移転の場合は完全子法人の事業の継続 ) 1 事業の関連性があること 2 ( イ ) 事業規模 ( 売上 従業員 資本金等 ) が概ね 5 倍以内又は ( ロ ) 特定役員への就任 ( 株式交換 株式移転の場合は完全子法人の特定役員の継続 ) 3 左の 2~4 4 支配株主 ( 分社型分割 現物出資の場合は分割法人 現物出資法人 ) による対価株式の継続保有 5 関係の継続 ( 株式交換 株式移転のみ ) 1 他の者による支配関係がないことの継続 2 特定役員への就任 ( 株式分配の場合は完全子法人の特定役員の継続 ) 3 主要な資産 負債の移転 4 移転事業従業者の概ね80% が移転先事業に従事 ( 株式分配の場合は完全子法人の従業者の継続従事 ) 5 移転事業の継続 ( 株式分配の場合は完全子法人の事業の継続 ) 19

組織再編税制の主な改正 13 年度改正組織再編税制を導入 18 年度改正 株式交換 株式移転に係る税制の本則化 19 年度改正 合併等対価の柔軟化に伴う対価要件の緩和 22 年度改正 適格現物分配を組織再編成に位置づけ 適格事後設立制度の廃止等 25 年度改正 適格組織再編成が行われた場合の欠損金の引継制限等の見直し等 29 年度改正 独立して事業を行うための分割 ( スピンオフ ) の適格分割への追加 持株割合が 3 分の 2 以上の関係法人間の吸収合併及び株式交換における対価要件の見直し 株式交換と同様の適格要件を満たすスクイーズアウト ( 全部取得条項付種類株式の端数処理 株式併合の端数処理及び株式売渡請求 ) について適格組織再編成とし 完全子会社化の課税関係の統一 適格要件の見直し ( 分割型分割に係る関係継続要件 共同事業再編における株式保有要件 多段階型組織再編における当初の組織再編成の適格要件 株式交換及び株式移転に係る株式の保有関係及び関係継続要件 ) 等 30 年度改正 スピンオフ実施の円滑化措置 完全支配関係内における従業者引継要件及び事業継続要件の見直し 特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る所得計算の特例の創設 20