目次構成

Similar documents
注意事項 P4-2 ホームズ君 構造 EX ( 以下 本ソフトウェア ) は 財団法人日本住宅 木材技術センターが実施している 木造建築物電算プログラム認定 において 関係法令や評価方法基準に準拠しているとして 認定書 ( 認定番号 :P4-2) の交付を受けております 認定対象の計算書 図面には用

耐震等級 ( 構造躯体の倒壊等防止 ) について 改正の方向性を検討する 現在の評価方法基準では 1 仕様規定 2 構造計算 3 耐震診断のいずれの基準にも適合することを要件としていること また現況や図書による仕様確認が難しいことから 評価が難しい場合が多い なお 評価方法基準には上記のほか 耐震等

日付 2017 年 12 月 21 日 新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法 による計算表 計算プログラム ホームズ君 耐震診断 Pro Ver.4.2 建物概要建物名称診断者備考所在地竣工年月建物用途構法建物仕様階高外壁材種地震地域係数 Z 軟弱地盤割増形状割増係数積雪深さ積雪割増基

<4D F736F F D2096D88E4F BE095A88D C982E682E989A189CB8DDE8B7982D197C090DA8D878BE095A882CC8C9F92E8>

説明書 ( 耐震性 ) 在来木造一戸建て用 ( 第二面 ) 基礎根入れ深さ深さ ( mm ) 住宅工事仕様書 適 基礎の 立上り部分 高さ ( mm ) 厚さ ( mm ) 基礎伏図 不適 各部寸法底盤の寸法厚さ ( mm ) 幅 ( mm ) 基礎詳細図 基礎の配筋主筋 ( 径 mm ) 矩計図

【補足資料】耐震診断基準とプログラムの対応

Ⅲ 診断判定モデル住宅事例 建物概要 2 階建て木造住宅延べ床面積 53 m2 1 昭和 56 年 6 月以降 2 地盤は普通か良い 3 鉄筋コンクリート基礎 4 屋根は軽い 5 健全である 6 壁量多い 7 筋かいあり 8 壁のバランスが良い 9 建物形状はほぼ整形 10 金物あり 老朽度 診断結

スライド 1

【建築基準法】 壁量計算

-

壁等の強さは 各階の張り間方向又はけた行方向につき 令第 46 条第 4 項表 1の軸組の種類の欄に掲げる区分に応じて倍率の欄に掲げる数値に 1.96 を乗じた数値 ( 別表第 2の軸組の種類の欄に掲げる軸組にあっては それぞれ同表の倍率の欄に掲げる数値とする )( 以下 壁強さ倍率 という ) に

日付 :04 年 月 6 日 6:03:9 建築基準法 ( 壁量計算 ) 建物名 壁量計算表存在壁量明細表壁量計算平面図見付面積根拠図見付面積計算表床面積根拠図床面積計算表立面図 注意事項 建築基準法施行令第 46 条 構造耐力上必要な軸組等 第 4 項により軸組長さを求める方法に準拠した計算を行い

日付 : 年 5 月 5 日 建築基準法 壁量計算 建物名 中京区 K 町新築工事 壁量計算表存在壁量明細表壁量計算平面図見付面積根拠図見付面積計算表床面積根拠図床面積計算表 注意事項 建築基準法施行令第 46 条 構造耐力上必要な軸組等 第 4 項により軸組長さを検討する方法に準拠した計算を行いま

定期報告 耐震診断基本データ 2006 年 4 月 1 日 ~2018 年 12 月 31 日 12 年 9 ヶ月 この耐震診断基本データは前回発表時から追加された診断結果を加算し毎回発表しています 対象の住宅について 1950 年 ( 昭和 25 年 )~2000 年 ( 平成 12 年 )5 月

Microsoft Word 木造継ぎ手( )●.docx

【建築基準法】壁配置偏心率/四分割法

CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐火性能の評価 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLTによる木造建築物の設計法の開発 ( その 3) ~ 防耐火性能の評価 ~ 建築防火研究グループ上席研究員成瀬友宏 1 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐

1. ファイルの確認 倒壊解析 converter for wallstat ( 略称 : 倒壊解析 convw) をインストールして 起動すると 下記の場所に お試し用のファイルがあります デフォルトのファイル用フォルダーマイドキュメント 倒壊解析 ConvW このフォルダ内にお試し用のファイルが

<8E7B8D E838A8358C495CA8E86352E786C73>

表紙

<91EA8CFB934E8E6A976C9340>

<4D F736F F D208E9197BF A082C68E7B8D A815B82CC8D5C91A28AEE8F C4816A2E646F63>

スライド 1

<4D F736F F D2095BD90AC E8D918CF08D9091E D862E646F63>

Taro-WEE入力に関する注意事項H23

技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説

<312E955C8E86>

スライド 1

-

木造住宅耐震改修費の補助対象 1 耐震改修と簡易耐震改修 本市では 耐震改修と簡易耐震改修を次のように定めています (1) 耐震改修 一般的な耐震改修工事のことで 現行の耐震基準を満たす改修工事を行うこと (2) 簡易耐震改修 現行の耐震基準には満たないが 改修前より一定基準以上の耐震性が向上する改

1 規定第 36 条の 2( 地階を除く階数が 4 以上である鉄骨造の建築物等に準ずる建築物 ) 第 36 条の 3( 構造設計の原則 自重 積載荷重 積雪 風圧 土圧及び水圧並びに地震に構造耐力上安全 ) 第 37 条 ( 構造部材の耐久 構造耐力上主要な部分で特に腐食 腐朽 ) 第 38 条 1

本文.indd

1 規定 共通 第 36 条の 2( 地階を除く階数が 4 以上である鉄骨造の建築物等に準ずる建築物 ) 第 36 条の 3( 構造設計の原則 自重 積載荷重 積雪 風圧 土圧及び水圧並びに地震に構造耐力上安全 ) 第 37 条 ( 構造部材の耐久 構造耐力上主要な部分で特に腐食 腐朽 ) 第 38

ホームズ君耐震診断 Pro Ver.3... ( 一財 ) 日本建築防災協会 P 評価 - 改 -W 日付 :5 年 6 月 6 日 5:3:37 耐震診断 ( 精密診断法 ) 建物名. 総合評価. 上部構造評点 3. 建物重量の計算 ( 必要耐力を建築基準法施行令に準じて求める場合のみ ) 4.

<4D F736F F D A957A D908EA689FC90B38CE3816A2E727466>

B5正誤表.indd

taishin

Microsoft Word - 000_表紙案 docx

【補足資料】一般診断法(方法1)による診断計算(A)

<96B391E8>

0720_最終_耐震性能検証法チラシ案3種サンプル

<8D5C91A28C768E5A8F91836C C768E5A8F A2E786C73>

CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~ 構造研究グループ荒木康弘 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~

第 14 章柱同寸筋かいの接合方法と壁倍率に関する検討 510

第11回地域活性化WG 資料1-3

1. 一般事項 1) 接合金物 名称 : フラットプレートスリム合板仕様 用途 : 在来軸組工法建築物における軸組材相互の接合 補強 2) 試験依頼者 名称 : 株式会社タナカ 所在地 : 茨城県土浦市大畑 連絡先 : TEL ) 試験の目的

02.xdw

ホームズ君耐震診断 Pro Ver.3. ( 財 ) 日本建築防災協会 P 評価 改 W 注意事項 ホームズ君 耐震診断 Pro は 財団法人日本建築防災協会の木造住宅耐震診断プログラム評価制度において 木造住宅の耐震診断と補強方法 の " 一般診断法 " および " 精密診断法 " に準拠している

Microsoft Word - 4_構造特性係数の設定方法に関する検討.doc

INDEX はじめに 1 P Ⅰ. 設計編 Planning Edition 1. 設計方法 1-1) 耐震改修促進法について 1-) 設計に用いる耐震診断 1-3) 適用範囲 3 1-4) フレーム耐力表の見方 3 1-) フレーム耐力表 4 1-6) 一般診断法 7 1-7) 設計上の注意事項

<4D F736F F F696E74202D F8AF991B B8A EA8EAE816A816990E096BE89EF8E5189C18ED C5816A>

集水桝の構造計算(固定版編)V1-正規版.xls

構造力学Ⅰ第12回

様式第 1 号 ( 第 6 条関係 ) 御殿場市プロジェクト TOUKAI-0 総合支援事業費補助金交付申請書 年月日 御殿場市長様 郵便番号 住所 ( 所在地 ) 申請者 ( フリガナ ) 氏名 ( 名称並びに代表者の役職及び氏名 ) 印 電話番号 御殿場市プロジェクト TOUKAI-0 総合支援

Microsoft Word - 01_はじめに

住まいづくりのポイント震対策[地震に強い住まいづくり]連続している地2. 地震に強い住まいづくりのポイント 住まいの耐震設計のポイントとして 耐震壁設置とその配置や1 2 階の柱位置 床 建 物の形状があげられます 次に挙げる点に気を付けましょう 1 建物の形状 建物が細長かったり でこぼこしている

<4D F736F F D208D7E959A82A882E682D18F498BC78BC882B B BE98C60816A2E646F63>

階の施工方法 1 は, スパン表に従って 支点間距離が許容範囲内となるように施工します 2 根太受け金物は 原則的に床梁用を使用します ( 図 10) 釘打ちには 必ず 金物専用の ZN 釘を使用し 横架材へ ZN65 10 本 Ⅰ 形梁へ ZN40 4 本とします 3 火打梁を省略す

スライド 1

A-2

別添資料 地下階の耐震安全性確保の検討方法 大地震動に対する地下階の耐震安全性の検討手法は 以下のとおりとする BQ U > I BQ UN I : 重要度係数で構造体の耐震安全性の分類 Ⅰ 類の場合は.50 Ⅱ 類の場合は.25 Ⅲ 類の場合は.00 とする BQ U : 地下階の保有

国土技術政策総合研究所資料

16 防災 日本再生シンポジウム - 住まい 学校 職場のに対する安全性を考えるシンポジウム 垂木 棟木 母屋 小屋束 桁 隅柱 柱 梁 通し柱 かたぎ大入れくぎ打ち 窓台火打梁 側 火打 側 根太 火打 管柱 大引布基礎 筋かい 布基礎 換気口 地盤面 敷地 910mm 2730mm m 水平力が

<96B391E8>

<834B E8D5C90AC8D8096DA31322E786C73>

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 01_内田 先生.pptx

接合部性能試験報告書

屋根ブレース偏心接合の研究開発

平成 24 年 4 月 1 日予定 メニュー無料耐震診断 ( 無料 ) 耐震おまかせパック ( 有料 ) 概 耐震診断 ( すまいの耐震診断員派遣事業 : メニュー選択 ) 要 対象住宅 神戸市から無料で耐震診断員 ( 建築士 ) を 派遣し 住宅の耐震性を診断します 後日 耐震診断員が診断報告書を

要 約 本件建物は 構造上の安全性に問題がある 前回裁判で提出されている本件の問題点に加え 現地調査書 (( 株 ) 日本建築検査研究所岩山氏作成 ) 施工図及び竣工図をもとに再検討を行なった その結果下記に示すように建物の安全性を損なう重要な問題点が発覚した 発覚した問題点を反映し構造の再計算を行

PowerPoint プレゼンテーション

ARCHITREND ZERO Ver.3の新機能

Microsoft Word - 山辺委員①.doc

接合部性能試験報告書

<4D F736F F D208E9197BF315F B838D C8C768E5A977697CC5F FC C8AEE8F808F808B925F E646F63>

<96B391E8>

< E191E82096B390CF90E1208CA792F18F6F94C52E786477>

<4D F736F F D2082B982F192668E8E8CB195F18D908F A836C A>

Microsoft Word - 耐震診断支援ソフト入力操作方法 Q&A

どこで起きてもおかしくない地震 必ずやってくる東南海地震!! 阪神 淡路大地震以降 日本は 地震活動期に突入 震度 6 以上の地震が日本 世界各地で群発しています 今後 30 年以内に予想される 三大巨大地震 2011 年 3 月 11 日東日本大地震が発生 多くの方々が 家屋倒壊 津波によって尊い

Microsoft PowerPoint - 構造力学Ⅰ第03回.pptx

ブレースの配置と耐力

内規( 既存不適格建築物への増築の取扱い)の内規【H 新規】

<4D F736F F D2082B982F192668E8E8CB195F18D908F D88C9A8B5A8CA4816A>

AP 工法 による増設壁補強計算例 (1) 設計フロー RC 耐震改修設計指針に示された 中低層鉄筋コンクリート造建物を対象とした開口付き増設壁に AP 工法 を用いて強度抵抗型補強とする場合の補強壁 ( せん断壁 ) の設計フローを示す 周辺架構から補強壁に期待できる耐力の目安をつけ プロポーショ

Microsoft Word 年版Q&A案_ docx

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6

<4D F736F F D E90AE816A8C9A927A8A6D94468EE891B182AB82CC897E8A8A89BB E7B8D7392CA926D816A>

Microsoft PowerPoint - 耐震診断セミナー2013 ver.1.1

Super Build/FA1出力サンプル

Microsoft Word - 建築研究資料143-1章以外

PowerPoint プレゼンテーション


FC 正面 1. 地震入力 1-1. 設計基準 準拠基準は以下による 建築設備耐震設計 施工指針 (2005 年版 ): 日本建築センター FH = KH M G KH: 設計用水平震度 KH = Z KS W : 機械重量 FV = KV M G = 機械質量 (M) 重力加速度 (G) KV =

Microsoft PowerPoint - zairiki_10

IT1815.xls

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月

第2章 事務処理に関する審査指針

untitled

Transcription:

< 参考資料 5> 多雪地域の耐震診断法について 今回の実験の結果 既存建築物の耐力は診断結果の耐力を大きく上回るものであった これは 積雪を考慮した診断法と積雪時のの低減に問題があるものと考えられる 積雪地域では現行の耐震診断法は安全側にききすぎている可能性があることから 多雪地域における耐震診断法の精緻化の方向性について提案する () 多雪地域における耐震診断法の課題と精緻化の方向性 多雪地域における耐震診断法の課題積雪による鉛直荷重の押さえ込みにより 低減は軽減されるはずである 積雪による必要耐力の割増しと無積雪時のの低減の両方を用いる現行の耐震診断法は安全側すぎることがわかる 2 多雪地域における耐震診断法の精緻化の方向性計算方法として 無積雪時の評点と積雪時の評点の両方を定め どちらか小さい方の値を診断値とする方向性が考えられる ( 可能であれば どちらが小さいかいくつかのケーススタディを行い こういう場合にはこちらで計算すればよいというルートにした方が手間は少なくて済む 手間の問題で言えば 現在流通しているプログラムでは 積雪荷重の影響を考慮したを入力できないという課題がある ) < 実験建物の精密診断法評点 > 積雪 m 積雪なし ( こまめに雪下ろしを行う ) 積雪 m 接合低減緩和 X 方向 Y 方向 X 方向 Y 方向 X 方向 2 階 2.79.78.45.96 階.7.35.7.58.97 43

(2) 多雪地域における耐震診断法の提案 多雪地域における耐震診断のルート無積雪時の評点と積雪時の評点の両者を求め 低いほうの評点を当該建物の耐震診断評点とする なお 積雪時の評点を求める際は 多雪地域における柱による f Cf を用いる < 多雪地域の耐震診断のルート > 無積雪時の評点 比較 積雪時の評点多雪地域用 f C f の適用 小さいほうを評点 2 多雪地域における一般診断法の柱による多雪地域における一般診断法の (c) 柱による f は以下の表による ) 積雪深 m の場合 ( 雪下ろしをおこなう場合 ) a) 最上階 ( 平屋建ての 階を含む ) 壁強さ倍率 C 2.5kN 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上. 5.7. 5.7..55..7. 5.7. 5.7.7.55 5.5.95.7.75.7.7.55.55.5 5 Ⅳ.7.7.35.7.55.55.55 44

b) 2 階建ての 階 3 階建ての 階及び3 階建ての2 階 壁強さ倍率 C 2.5kN 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上.....95.9..9. 5.7.....95.9..9. 5.7.....95.9.75.7.7 Ⅳ....9.9.9.7.7.7 2) 積雪深 2m の場合 ( 雪下ろしをおこなわない場合 ) a) 最上階 ( 平屋建ての 階を含む ) 壁強さ倍率 C 2.5kN 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上.....9 5. 5.7..75.55.....9 5 5.75.7.75.55....95.9 5.75.7.7.55.55 Ⅳ... 5 5 5.7.7.7.55.55.55 b) 2 階建ての 階 3 階建ての 階及び3 階建ての2 階 壁強さ倍率 C 2.5kN 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上........95.9..9........95.9..9.......95.9.9.95 5 Ⅳ.......9.9.9 45

3) 積雪深 2.5m の場合 ( 雪下ろしをおこなわない場合 ) a) 最上階 ( 平屋建ての 階を含む ) 壁強さ倍率 C Ⅳ 2.5kN 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上.....9 5. 5.7..75.55.....9 5 5.75.7.75.55....95.9 5.75.7.7.55.55... 5 5 5.7.7.7.55.55.55 b) 2 階建ての 階 3 階建ての 階及び 3 階建ての 2 階 壁強さ倍率 C Ⅳ 2.5Kn 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上........95.9..95.95........95.9..95.95.......95.9.9..95.95.......9.9.9.95.95.95 この表において ~Ⅳの仕様は以下の通り 式 () (2) に示すN 値計算により求めた接合仕様 羽子板ボルト 山形プレート VP かど金物 CP-T CP-L 込み栓 ほぞ差し 釘打ち かすがい ( 構面の両端が通し柱の場合 ) Ⅳ ほぞ差し 釘打ち かすがい 46

3 多雪地域における精密診断法 保有耐力診断法の柱による 多雪地域における精密診断法 保有耐力診断法の (-c) 柱による Cf は以下の表による ) 積雪深 m の場合 ( 雪下ろしをおこなう場合 ) a) 最上階 ( 平屋建ての 階を含む ) 壁の基準耐力 (kn/m) 2.5 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上 の仕様 式 () (2) に適接合する仕様. 5.7. 5.7..55..7 合 3kN 以上. 5.7. 5.7.7.55 5.5 部の仕様 3kN 未満 ( 構面の両端が通し柱の場合 ) 3kN 未満.95.7.7.75.7.7.35.7.7.55.55.55.55.55.5 5 b) 2 階建ての 階 3 階建ての 階及び3 階建ての2 階壁の基準耐力 2.5 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上 (kn/m) の仕様 の仕様 式 () (2) に適合する仕様.....95.9..9. 5.7 3kN 以上.....95.9..9. 5.7 3kN 未満 ( 構面の両端が通し柱の場合 ).....95.9.75.7.7 3kN 未満....9.9.9.7.7.7 2) 積雪深 2m の場合 ( 雪下ろしをおこなわない場合 ) a) 最上階 ( 平屋建ての 階を含む ) 壁の基準耐力 (kn/m) 2.5 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上 の仕様 式 () (2) に適接合する仕様.....9 5. 5.7..75.55 合 3kN 以上.....9 5 5.75.7.75.55 部の仕様 3kN 未満 ( 構面の両端が通し柱の場合 ) 3kN 未満.......95 5.9 5 5 5.75.7.7.7.7.7.55.55.55.55.55 47

の仕様 b) 2 階建ての 階 3 階建ての 階及び 3 階建ての 2 階 壁の基準耐力 (kn/m) の仕様 式 () (2) に適合する仕様 2.5 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上........95.9..9 3kN 以上........95.9..9 3kN 未満 ( 構面の両端が通し柱の場合 ).......95.9.9.95 5 3kN 未満.......9.9.9 3) 積雪深 2.5m の場合 ( 雪下ろしをおこなわない場合 ) a) 最上階 ( 平屋建ての 階を含む ) 壁の基準耐力 (kn/m) 2.5 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上 の仕様 式 () (2) に適接合する仕様.....9 5. 5.7..75.55 合 3kN 以上.....9 5 5.75.7.75.55 部の仕様 3kN 未満 ( 構面の両端が通し柱の場合 ) 3kN 未満.......95 5.9 5 5 5.75.7.7.7.7.7.55.55.55.55.55 b) 2 階建ての 階 3 階建ての 階及び3 階建ての2 階壁の基準耐力 2.5 未満 2.5 以上 4. 未満 4. 以上 6. 未満 6. 以上 (kn/m) の仕様 の仕様 式 () (2) に適合する仕様........95.9..95.95 3kN 以上........95.9..95.95 3kN 未満 ( 構面の両端が通し柱の場合 ).......95.9.9..95.95 3kN 未満.......9.9.9.95.95.95 ~Ⅳの仕様は以下の通り ただし 2 階 3 階に対しては の欄の数値を用いる 健全な鉄筋コンクリートの布又はべた ひび割れのある鉄筋コンクリートの布又はべた 無筋コンクリートの布 柱脚に足固めを設けた玉石 その他の 48

4 多雪地域における N 値計算式 (a) 平屋部分の柱又は 2 階建て部分の 2 階の柱の場合 N=A B-L () A: 当該柱の両端における軸組の倍率の差 ( 正の値とする 片側のみに軸組が取り付く場合は当該軸組の倍率 ) の数値 ただし 筋かいを設けた軸組の場合には別記の補正を加えたものとする B: 周辺部材による押さえ ( 曲げ戻し ) の効果を示す係数で出隅の柱においては そのほかの柱においては.5 とする L: 鉛直荷重による押さえの効果を示す係数で 出隅の柱においては +.29 d その他の柱においては +.57 d とする ここで d は積雪深 ( 単位 cm) (b)2 階建ての部分における 階柱の場合 N=A B+A2 B2-L (2) A B: 式 () に同じ A2: 当該柱に連続する 2 階柱の両側における軸組の倍率の差 ( 正の値とする 片側のみに軸組が取り付く場合は当該軸組の倍率 ) の数値 ただし 筋かいを設けた軸組の場合には別記の補正を加えたものとする ( 当該 2 階柱の引き抜き力が 他の柱等によって下階に伝達される場合は とする ) B:2 階の周辺部材による押さえ ( 曲げ戻し ) の効果を示す係数で 2 階の出隅の柱においては そのほかの柱においては.5 とする L: 鉛直荷重による押さえの効果を示す係数で 出隅の柱においては +.29 d その他の柱においては.6+.57 d とする ここで d は積雪深 ( 単位 cm) 49

< 解説 > 積雪荷重による柱 - 横架材の押さえ込み効果を見かけ上 接合金物の許容耐力が上昇したとして 積雪時の柱による f ならびに Cf を求める 出隅柱 その他の柱の負担面積を平成 2 年告示 46 号 木造の継手及び仕口の構造方法を定める件 の技術的背景と同様に図 2 のとおり仮定する.9.82.9.82 出隅の柱 その他の柱 図 2 出隅とその他の柱の負担面積 積雪荷重 Ws は平成 2 年告示第 455 号に基づいた耐震診断で用いる下記の式を用いて算 出する Ws=.3 d kn/m2/cm 以上の仮定により m 2m 2.5m 積雪による柱に作用する鉛直荷重の増加分は表 の通りとなる 表 積雪荷重によって増加する負担荷重 (kn) 積雪深 出隅の柱 その他の柱 m 2.964 5.726 2 m 5.928.45 2.5 m 7.4 4.34 耐震診断の柱による誘導に用いられている接合方法とその許容耐力を表 2 に示す 積雪時にはこの許容耐力が積雪荷重の分だけ見かけ上の許容耐力が上昇したと見なす その値を表 2 にあわせて示した なお ここで対象は端部の柱とした 5

表 2 の誘導に用いられている接合法と積雪時の見かけの許容耐力 (kn) 代表する接合方法 許容耐力 積雪 m 2m 2.5m ほぞ差し 釘うち かなしすがい. 2.96 5.93 7.4 ほぞ差し 釘うち か かすがい すがい ( 構面の両端が.62 4.58 7.55 9.3 通し柱の場合 ) CP-T CP-T 5.7 8.3. 2.48 HD-2 HD-2 2. 22.96 25.93 27.4 表 3 はのを決定するための解析結果のまとめを示したものである 壁の基準耐力別にの許容耐力を横軸にとり 縦軸をとして グラフで示したものが図 3 である 該当する積雪時のの見かけ許容耐力はこのグラフ上にあるものとして求める ただし HD2 の許容耐力が離れているため 直前の 2 点を伸ばし. と交わった点を求め グラフを修正した 図中 で示した点が修正した点であり 見かけの耐力に対して求めたを で示した 以上の手順でそれぞれの接合法に対して求めた積雪時ののまとめを表 4 に示した この表に基づいて耐震診断の柱の低減と同様の方法で一般診断法と精密診断の保有耐力診断法のを誘導した 5

.2..96 2 許容耐力 2kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2... 許容耐力 2kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2... 許容耐力 2kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力 積雪 m 積雪 2m 積雪 2.5m.2.97.77 8 許容耐力 4kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2..94 5 許容耐力 4kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2...94 許容耐力 4kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力 積雪 m 積雪 2m 積雪 2.5m.2 3 8 許容耐力 7kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2.76.54 許容耐力 7kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2 2 7 許容耐力 7kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力 積雪 m 積雪 2m 積雪 2.5m.2... 許容耐力 2kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2... 許容耐力 2kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2... 許容耐力 2kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力 積雪 m 積雪 2m 積雪 2.5m 52

.2..97 8 許容耐力 4kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2... 許容耐力 4kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2... 許容耐力 4kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力 積雪 m 積雪 2m 積雪 2.5m.2.77 8.97 許容耐力 7kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力.2.94 許容耐力 7kN/m 積雪 m 積雪 2m 積雪 2.5m. 5 5 2 見かけの許容耐力.2..94. 許容耐力 7kN/m 5 5 2 見かけの許容耐力 図 3 積雪を考慮した 表 3 構面の耐力 2 階建ての 2 階 接 金物なし.7.35 合 端部通し柱内部金物なし.7.35 仕 CP-T.5 様 端部 HD-2 または通し柱 内部 CP-T 2 階建ての 階 接 金物なし - 合 端部通し柱内部金物なし - 仕 CP-T - 様 端部 HD-2 または通し柱 内部 CP-T ( 木造住宅の耐震診断と補強方法資料編より抜粋 ) 53

表 4- m 積雪時の構面の耐力 2 階建ての 2 階 接 金物なし 2 8 合 端部通し柱内部金物なし.96.77 8 仕 CP-T.97 3 様 端部 HD-2 または通し柱 内部 CP-T 2 階建ての 階 接 金物なし - 8 8 合 端部通し柱内部金物なし -.97.77 仕 CP-T -.97 様 端部 HD-2 または通し柱 内部 CP-T 表 4-2 2m 積雪時の構面の耐力 2 階建ての 2 階 接 金物なし 5.54 合 端部通し柱内部金物なし.94 仕 CP-T.76 様 端部 HD-2 または通し柱 内部 CP-T 2 階建ての 階 接 金物なし - 合 端部通し柱内部金物なし -.94 仕 CP-T - 様 端部 HD-2 または通し柱 内部 CP-T 54

表 4-3 2.5m 積雪時の構面の耐力 2 階建ての 2 階 接 金物なし.94 合 端部通し柱内部金物なし 7 仕 CP-T 2 様 端部 HD-2 または通し柱 内部 CP-T 2 階建ての 階 接 金物なし -.94 合 端部通し柱内部金物なし - 仕 CP-T - 様 端部 HD-2 または通し柱 内部 CP-T 以上は 耐震診断のを誘導した方法に沿って 出隅のを対象に多雪地のの誘導を試みたものである 積雪は出隅以外の柱においてその影響が大きいと思われ 実際は N 値計算式に積雪の影響を考慮した式 () (2) によって 耐力壁の許容耐力が極端に大きい場合を除き 大半のは低減がかからなくなるものと予想される 実際 対象とした建物ではすべてのにおいて () (2) 式がマイナスとなり の低減はかからなかった 55

56 < 参考資料 5> 多雪地域の耐震診断法について