2016 年 ( 平成 28 年 )1 月実施 (2016 年 1 月 24 日 ) ファイナンシャル プランニング技能検定 3 級実技試験 < 個人資産相談業務 > 解答 解説集 ------------------------------------------------- ご注意 -------------------------------------------------- 1. 本冊子は3 級 FP 技能士試験の解答 解説集です 2. 問題文は ( 一社 ) 金融財政事情研究会が公式 HP 上で公開している試験問題より引用しております 出典 :( 一社 ) 金融財政事情研究会 http://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/list/fp/test 3. WEB 上での公開時の文字化けを回避するため 丸囲みの数字は (1)~(3) や というように表記を変更している場合があります 4. 解答 解説文は正確を期すよう努力しておりますが 分かりやすさ 読みやすさを重視していることから 記載を省略したり 平易な用語に読み替えている場合があります 5. 本冊子に記載されている情報については 利用者の責任に基づいてお取り扱いください 6. 本冊子に記載されている情報による損害については一切責任を負いません 7. 解説文に間違いを発見された場合や ご意見 ご感想などは 下記 URL よりご連絡頂けますと 大変ありがたいです 連絡先 :http://fp3test.ninpou.jp/contact.html -------------- Copyright(C) 3 級 FP 過去問解説. All rights reserved. ------------ - 1 -
第 1 問 個人事業主のAさん (48 歳 ) は 妻 Bさん (47 歳 ) との2 人暮らしである Aさんは 最近 老後の生活について考えるようになり その前提として 公的年金制度について理解したうえで老後資金を準備するための方法を知りたいと考えている そこで Aさんは ファイナンシャル プランナーのMさんに相談することにした Aさんおよび妻 Bさんに関する資料は 以下のとおりである Aさんおよび妻 Bさんに関する資料 (1) Aさん ( 個人事業主 ) 生年月日 : 昭和 42 年 9 月 19 日 公的年金の加入歴( 見込みを含む ) (2) 妻 Bさん ( 専業主婦 ) 生年月日 : 昭和 43 年 11 月 8 日 20 歳から国民年金に加入 平成 7 年 7 月から平成 10 年 6 月までの保険料全額免除期間を除き 保険料を納付している 妻 Bさんは 現在および将来においても Aさんと同居し 生計維持関係にあるものとする Aさんおよび妻 Bさんは 現在および将来においても 公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする 上記以外の条件は考慮せず 各問に従うこと - 2 -
問 1 Mさんは Aさんが60 歳に達するまで国民年金の保険料を納付した場合の老齢基礎年金の年金額を試算した Aさんが原則として65 歳から受給することができる老齢基礎年金の年金額を算出する計算式は 次のうちどれか なお 老齢基礎年金の年金額は 平成 27 年 10 月時点の価額に基づいて計算するものとする 1) 780,100 円 {(444 月 +36 月 1/3)/480 月 } 2) 780,100 円 {(461 月 +36 月 1/3)/480 月 } 3) 780,100 円 {(461 月 +36 月 1/2)/480 月 } - 3 -
問 1 < 解答 解説 > 老齢基礎年金の支給額に関する問題です 65 歳から受給できる老齢基礎年金の計算式は以下の通り 老齢基礎年金 = 満額の基礎年金 ( 納付済月数 + 免除分調整月数 )/( 加入可能年数 12) まず 平成 27 年度の満額の基礎年金額は 780,100 円 次に 保険料納付済月数ですが Aさんは昭和 61 年 4 月から84 月厚生年金に加入し その後国民年金に加入予定です 老齢基礎年金の支給額にカウントされるのは 20 歳以上 60 歳未満の加入期間ですから 厚生年金加入期間のうち 20 歳未満と60 歳以降の期間は除外します よって A さんの保険料納付済月数は 20 歳以上 60 歳未満までの444 月です (20 歳 ~60 歳までの480 月から 免除 36 月を差し引いた数 ) 次に免除期間は 全額免除や半額免除等 保険料の免除分に応じて免除月数に一定数を乗じて 調整計算します 国民年金の免除分調整割合は 平成 21 年 3 月分までは 以下の割合です 全額免除 :1/3 4 分の3 免除 :1/2 半額免除:2/3 4 分の1 免除 :5/6 よって A さんの免除分調整月数は 全額免除 :36 月 1/3 A さんは昭和 16 年 4 月 2 日以降生まれですので 加入可能年数 は 40 年です ( 昭和 16 年 4 月 1 日以前生まれの場合 加入可能年数は 40 年を下回ります ) A さんの老齢基礎年金 =780,100 円 {(444 月 +36 月 1/3)/(40 年 12)} 従って正解は 1) 780,100 円 {(444 月 +36 月 1/3)/480 月 } - 4 -
問 2 M さんは 公的年金制度について説明した M さんの A さんに対する説明として 次のう ち最も不適切なものはどれか 1) A さんが 60 歳以上 65 歳未満の間に老齢基礎年金の繰上げ支給を請求する場合 その 請求と同時に 老齢厚生年金の繰上げ支給を請求することになります 2) A さんは 国民年金の定額保険料のほかに月額 400 円の国民年金の付加保険料を納 付することにより 老齢基礎年金の受給時に 付加年金を受給することができます 3) A さんが原則として 65 歳から受給することができる老齢厚生年金には 加給年金額 が加算されます - 5 -
問 2 < 解答 解説 > 年金の繰上げ 付加年金 加給年金に関する問題です 1) は 適切 老齢厚生年金の繰上げは 老齢基礎年金と同時に請求しなければならないた め 老齢基礎年金の支給開始年齢を繰り上げると 老齢厚生年金も同時に繰上げ受給す ることになります 2) は 適切 国民年金の第 1 号被保険者は 付加保険料として月額 400 円を納付すること で 老齢基礎年金受取り時に 付加年金として 加入した月数 200 円 を受給できま す 3) は 不適切 厚生年金の被保険者期間が20 年以上で 65 歳未満の配偶者がいる場合には 老齢厚生年金に加給年金が加算されます A さんの場合 厚生年金の被保険者期間が7 年 (84 月 ) ですので 加給年金の支給対象外です - 6 -
問 3 M さんは 確定拠出年金について説明した M さんが A さんに対して説明した以下の文 章の空欄 (1)~(3) に入る語句の組合せとして 次のうち最も適切なものはどれか 老後の生活資金を準備する方法の1つとして 確定拠出年金制度の活用が挙げられます 確定拠出年金は 加入者自身が掛金の運用方法を選択し その運用結果に基づく給付を受け取る年金制度です 国民年金の第 1 号被保険者であるAさんは 確定拠出年金の個人型年金に加入することができますが 掛金の限度額は月額 ( 1 ) となり 掛金はその全額が ( 2 ) として所得控除の対象となります また 60 歳から老齢給付金を受給するためには通算加入者等期間が ( 3 ) 以上あることが必要です 1) (1) 6 万 8,000 円 (2) 社会保険料控除 (3) 5 年 2) (1) 5 万 5,000 円 (2) 社会保険料控除 (3) 10 年 3) (1) 6 万 8,000 円 (2) 小規模企業共済等掛金控除 (3) 10 年 - 7 -
問 3 < 解答 解説 > 確定拠出年金の個人型に関する問題です 確定拠出年金の個人型は 60 歳未満の国民年金の第 1 号被保険者と 60 歳未満で企業年金のない会社に勤務する厚生年金加入者 ( 第 2 号被保険者 ) が加入対象です 掛金の上限は国民年金基金や付加年金の掛金と合わせて 合計 68,000 円で 掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象です 確定拠出年金の加入者期間が 合算して 10 年以上あれば 60 歳から老齢給付金を受給で きますが 10 年に満たない場合は 60 歳よりも遅れて支給されます したがって正解は 3) (1) 6 万 8,000 円 (2) 小規模企業共済等掛金控除 (3) 10 年 - 8 -
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第 2 問 会社員のAさん (55 歳 ) は 長男が社会人になったことを機に 余裕資金を利用して資産運用を行いたいと考えている Aさんは 電子部品製造業のX 株式会社の株式 ( 以下 X 社株式 という ) および先日証券会社の営業担当者から紹介を受けた Y 株式会社の社債 ( 以下 Y 社債 という ) を運用対象として検討している そこで Aさんは ファイナンシャル プランナーのMさんに相談することにした X 社株式およびY 社債に関する資料は 以下のとおりである X 社株式に関する資料 業種: 電子部品製造 特徴: 業界内では大手の事業規模であり 輸出中心の企業である 株価:2,000 円 当期純利益 :200 億円 純資産( 自己資本 ):2,500 億円 発行済株式数 :1 億株 前期の配当金の額( 年額 ):40 円 (1 株当たり ) Y 社債に関する資料 表面利率 :1.3% 残存期間 :3 年 購入価格 :101.5 円 ( 額面 100 円当たり ) 償還価格 :100 円 上記以外の条件は考慮せず 各問に従うこと - 10 -
問 4 M さんは X 社株式について説明した M さんの A さんに対する説明として 次のうち最 も不適切なものはどれか 1) X 社は輸出中心の企業であるため 一般に円安の進行は株価にとって好材料となり ます 2) X 社は前期に 1 株当たり 40 円の配当金を支払っています この 1 株当たりの配当金 の額は会社の定款で定められているため 決算期ごとに同額が支払われます 3) X 社のような部品を製造する会社の株式を購入する場合 その会社の業績だけでな く その部品を使用した製品の市場動向についても着目することが重要です - 11 -
問 4 < 解答 解説 > 株価の変動要因 配当金等に関する問題です 1) は 適切 円安ドル高が進行すると 円ベースの販売額が増大するため 輸出型企業の株価の上昇要因となります 1 ドル80 円時に1 ドルで売ってた商品が 1 ドル100 円になれば円ベースでは100 円の売り上げに増大しますから 輸出型企業にはプラス要因となるわけです 2) は 不適切 配当金は会社の利益から支払われるため 金額は一定ではなく 決算期ご とに株主総会や取締役会で決定した額が支払われます ( 業績によっては無配 = 配当ゼロ も有り得ます ) 3) は 適切 会社の株式を購入する際は その会社の業績はもちろんのこと その会社が製造 販売している商品 サービスを活用している製品等の市場動向についても着目することが必要です 例えば 折り畳み式の携帯電話の折り畳み部分に最適なネジを作っていても 携帯電話の主流が折り畳み式からスマートフォンに移ってしまえば 部品メーカーの業績にも大きく影響してしまうわけです - 12 -
問 5 M さんは X 社株式の投資指標について説明した M さんが A さんに対して説明した以 下の文章の空欄 (1)~(3) に入る語句の組合せとして 次のうち最も適切なものはどれか 株価の相対的な割安 割高の度合いを測る指標としてPER( 株価収益率 ) や PBR ( 株価純資産倍率 ) がありますが X 社のPERは ( 1 ) PBRは ( 2 ) となっています また 株主への利益還元の度合いを測る指標として配当性向がありますが X 社の配当性向は ( 3 ) となっています 1) (1) 10 倍 (2) 1.25 倍 (3) 2% 2) (1) 10 倍 (2) 0.8 倍 (3) 20% 3) (1) 12.5 倍 (2) 0.8 倍 (3) 2% - 13 -
問 5 < 解答 解説 > 投資指標に関する問題です PER( 株価収益率 ) とは 現在の株価が 1 株当たりの当期純利益の何倍かを示すものです PER( 株価収益率 )= 株価 /1 株当たり利益 (EPS) = 株価 /( 当期純利益 / 発行済株式総数 ) よって X 社株式の PER=2,000 円 /(200 億円 1 億株 ) =10 倍 次に 株価純資産倍率 (PBR) の計算式は以下の通り PBR( 株価純資産倍率 )= 株価 /1 株当たり純資産 = 株価 /( 自己資本 / 発行済株式総数 ) よって X 社株式のPBR=2,000 円 /(2,500 億円 1 億株 ) =0.8 倍 最後に 配当性向は 当期純利益のうち配当に回した割合で 計算式は以下の通り 配当性向 =1 株当たり配当額 1 株当たり当期純利益 100(%) よって X 社株式の配当性向 =40 円 /(200 億円 1 億株 ) 100=20(%) 従って正解は 2) (1) 10 倍 (2) 0.8 倍 (3) 20% - 14 -
問 6 Y 社債を 設例 の条件で購入した場合の最終利回り ( 年率 単利 ) は 次のうちどれか なお 計算にあたっては税金や手数料等を考慮せず 答は % 表示における小数点以下第 3 位を四捨五入している 1) 0.79% 2) 1.28% 3) 1.77% - 15 -
問 6 < 解答 解説 > 債券の利回りに関する問題です 最終利回りとは 既発債を償還期限まで保有していた場合の利回りですが 単利の利回りの計算式は 利回り (%)=(1 年間の収益合計 / 投資金額 ) 100 です 1 年間の収益 =1 年分の利子 +1 年当たりの差益 1 年分の利子 : 額面 100 円 1.3%=1.3 円 1 年当たりの差益 :( 償還額 100 円 - 購入価格 101.5 円 )/ 所有期間 3 年 =-0.5 円 1 年間の収益合計 : 利子 1.3 円 + 差益 -0.5 円 =0.8 円利回り (%)=( 収益合計 0.8 円 / 投資金額 101.5 円 ) 100=0.7881 0.79%( 小数点以下第 3 位四捨五入 ) 以上により正解は 1)0.79% - 16 -
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第 3 問 Aさん (54 歳 ) は X 株式会社に勤務する会社員である Aさんは 平成 27 年中に 加入していた下記の生命保険を解約し 解約返戻金を受け取っている Aさんの平成 27 年分の収入等に関する資料等は 以下のとおりである Aさんの家族構成 Aさん(54 歳 ) : 会社員 妻 Bさん (48 歳 ) : 専業主婦 平成 27 年中にパートタイマーとして給与収入 96 万円を得ている 長女 Cさん (20 歳 ) : 大学生 平成 27 年中に収入はない 二女 Dさん (15 歳 ) : 中学生 平成 27 年中に収入はない Aさんの平成 27 年分の収入等に関する資料 給与収入の金額 :900 万円 生命保険の解約返戻金:600 万円 Aさんが平成 27 年中に解約した生命保険に関する資料 保険の種類 : 一時払変額個人年金保険契約年月日 : 平成 18 年 5 月 1 日契約者 (= 保険料負担者 ) :Aさん解約返戻金額 :600 万円正味払込保険料 :500 万円 妻 Bさん 長女 Cさんおよび二女 Dさんは Aさんと同居し 生計を一にしている 家族は いずれも障害者および特別障害者には該当しない 家族の年齢は いずれも平成 27 年 12 月 31 日現在のものである 上記以外の条件は考慮せず 各問に従うこと - 18 -
問 7 A さんの平成 27 年分の所得税の確定申告に関する以下の文章の空欄 (1)~(3) に入る語句の 組合せとして 次のうち最も適切なものはどれか Ⅰ) 給与所得者の給与から源泉徴収された所得税は 勤務先で行う年末調整によって精算されるため その年分の所得が給与所得だけであれば 通常 給与所得者は所得税の確定申告は不要である しかし その年分の給与収入の金額が ( 1 ) を超える給与所得者は 年末調整の対象とならないため 所得税の確定申告をしなければならない Ⅱ)Aさんの平成 27 年分の給与収入の金額は900 万円であり ( 1 ) を超えていないが Aさんは平成 27 年中に生命保険の解約返戻金を受け取っており この解約返戻金に係る所得金額が ( 2 ) を超えるため Aさんは所得税の確定申告をしなければならない なお 平成 27 年分の所得税の確定申告書の提出期限は 原則として 平成 28 年 ( 3 ) である 1) (1) 1,500 万円 (2) 10 万円 (3) 3 月 15 日 2) (1) 2,000 万円 (2) 20 万円 (3) 3 月 15 日 3) (1) 2,000 万円 (2) 10 万円 (3) 3 月 31 日 - 19 -
問 7 < 解答 解説 > 所得税の確定申告に関する問題です 給与所得者は通常年末調整されるため 確定申告は不要ですが 給与の年間総額が 2,000 万円を超える場合には 確定申告が必要です Aさんの給与収入は 900 万円ですので年末調整の対象者となり 所得が給与所得だけなら確定申告不要です しかし 年末調整を受けている給与所得者でも 給与を 1ヶ所から受けていて 給与所得や退職所得を除いた各種所得の合計が20 万円を超える場合には 確定申告が必要です Aさんには 給与所得以外に一時所得 ( 一時払変額個人年金保険の解約返戻金 ) がありますが 一時所得は総所得金額を計算する際に その2 分の1 が合算対象のため 確定申告の要否も2 分の1 が20 万円を超えるかで判断します 一時所得 = 収入額 - 収入を得るために支出した額 - 特別控除 50 万円ですので 一時所得 =600 万円 -500 万円 - 特別控除 50 万円 =50 万円 従って その 2 分の 1 の額 :25 万円 >20 万円ですので 確定申告が必要です また 所得税の確定申告の期間は 所得が生じた年の翌年 2 月 16 日から 3 月 15 日までで す 従って正解は 2)(1) 2,000 万円 (2) 20 万円 (3) 3 月 15 日 - 20 -
問 8 A さんの平成 27 年分の所得税における所得控除に関する次の記述のうち 最も不適切なも のはどれか 1) 妻 B さんは給与収入の金額が 38 万円を超えており 控除対象配偶者に該当しないた め A さんは 妻 B さんについて配偶者控除の適用を受けることはできない 2) 長女 C さんは特定扶養親族に該当するため A さんは 長女 C さんについて扶養控除 ( 控除額 63 万円 ) の適用を受けることができる 3) 二女 D さんは控除対象扶養親族に該当しないため A さんは 二女 D さんについて扶 養控除の適用を受けることはできない - 21 -
問 8 < 解答 解説 > 配偶者控除 扶養控除に関する問題です 1) は 不適切 所得税の配偶者控除は 生計同一で年間の合計所得額が 38 万円以下の配偶者であれば適用され 控除額は38 万円です 収入が給与のみの場合 年収 103 万円以下 ( 給与所得控除 65 万円適用後に38 万円 ) であれば 配偶者控除の適用対象です よって 妻 Bさんは給与収入 96 万円ですので 夫 Aさんは配偶者控除を受けることができます 2) は 適切 扶養控除は 生計同一で年間の合計所得額が 38 万円以下の親族であれば 適用されますが 特定扶養控除 63 万円は 19 歳以上 23 歳未満が対象です 収入が給与のみの場合 年収 103 万円以下 ( 給与所得控除 65 万円適用後に38 万円 ) であれば 扶養控除の適用対象です よって 20 歳で給与収入 0 円の長女 C さんは 特定扶養控除の対象です 3) は 適切 扶養控除は16 歳以上が適用対象で 控除額は38 万円です ( 被扶養者 1 人当たり ) また 生計同一で合計所得金額 38 万円以下 ( 給与収入だけなら103 万円以下 ) であることが必要です よって15 歳の二女 D さんは 扶養控除の対象外です - 22 -
問 9 A さんの平成 27 年分の総所得金額は 次のうちどれか 資料 給与所得控除額 1) 715 万円 2) 740 万円 3) 790 万円 - 23 -
問 9 < 解答 解説 > 総所得金額に関する問題です 総所得金額は 大雑把に言うと 総合課税の所得を合計し 損益通算した後の金額です Aさんの所得は 給与所得と一時所得 ( 一時払変額個人年金保険の解約返戻金 ) です 給与所得 = 給与収入額 - 給与所得控除額 =900 万円 -(900 万円 10%+120 万円 ) =900 万円 -210 万円 =690 万円 一時所得 = 収入額 - 収入を得るために支出した額 - 特別控除 50 万円 = 解約返戻金 600 万円 - 払込保険料 500 万円 - 特別控除 50 万円 =50 万円 なお 総所得金額を計算する際に 一時所得はその 2 分の 1 が合算対象ですので 総所得金額 =690 万円 +50 万円 1/2=715 万円 従って正解は 1)715 万円 - 24 -
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第 4 問 会社員のAさん (50 歳 ) は 平成 27 年 10 月に 母親の自宅およびその敷地 ( 甲土地 ) を相続により取得した Aさんはすでに自宅マンションを所有しているため 母親の自宅を取り壊し 甲土地に賃貸アパートを建築したいと考えている 甲土地の概要は 以下のとおりである 甲土地の概要 指定建ぺい率および指定容積率とは それぞれ都市計画において定められた数値である 上記以外の条件は考慮せず 各問に従うこと - 26 -
問 10 甲土地の取得および賃貸アパートの建築に関する次の記述のうち 最も不適切なものはど れか 1) 相続による甲土地の取得に対しては 不動産取得税が課されない 2) 甲土地に耐火建築物を建築する場合 建ぺい率の上限は緩和され 指定建ぺい率に 10% が加算される 3) A さんは 賃貸アパートを新築した日から所定の期間内に 新築建物に関する表題登 記の申請をしなければならない - 27 -
問 10 < 解答 解説 > 不動産取得税 建ぺい率 建物表題登記に関する問題です 1) は 適切 相続による不動産の取得に対しては 不動産取得税は課されません ( 相続税 の課税対象 ) 2) は 不適切 特定行政庁の指定した角地に建築する場合や 防火地域に耐火建築物を建 築する場合 10% の建ぺい率緩和を受けることができますが 甲土地は防火地域では なく また角地でもないため 建ぺい率緩和の対象外です 3) は 適切 建物を新築した際には 建築後 1 ヶ月以内に建物表題登記の申請が必要です ( 新築時は 当然登記簿にはその建物は登記されていませんから 建物の所有者を把握 して固定資産税や都市計画税を課すために 登記が義務付けられています ) - 28 -
問 11 A さんが甲土地に賃貸アパートを建築する際の最大延べ面積は 次のうちどれか 1) 300 m2 60%=180 m2 2) 300 m2 200%=600 m2 3) 300 m2 240%=720 m2-29 -
問 11 < 解答 解説 > 延べ面積の上限に関する問題です 延べ面積の上限 = 敷地面積 容積率で 容積率は 前面道路の幅が 12m 未満の場合に 用途地域によって制限されます 計算式は 住居系用途地域の場合 前面道路幅 4/10 その他の用途地域の場合 前面道路幅 6/10 この計算式結果と指定容積率を比べて 小さいほうが容積率の上限です 前面道路は 6m 用途地域は第一種中高層住居専用地域ですから 容積率の計算は 6m 4/10=240% > 指定容積率 200% よって容積率は 200% 従って 延べ面積の上限 =15m 20m 200%=300 m2 200%=600 m2 よって正解は 2) 300 m2 200%=600 m2-30 -
問 12 固定資産税に関する以下の文章の空欄 (1)~(3) に入る語句の組合せとして 次のうち最も適 切なものはどれか 毎年 ( 1 ) 現在において土地 家屋の所有者として固定資産課税台帳に登録されている者に対しては 土地 家屋に係る地方税である固定資産税が課される 固定資産税の税額は課税標準に税率を乗じて計算され その課税標準の基礎となる価格 ( 固定資産税評価額 ) は 原則として ( 2 ) に1 度評価替えが行われる また 土地 家屋に係る固定資産税の標準税率は1.4% であり 各市町村はこれを超える税率を条例によって定めることが ( 3 ) 1) (1) 1 月 1 日 (2) 5 年 (3) できない 2) (1) 4 月 1 日 (2) 3 年 (3) できない 3) (1) 1 月 1 日 (2) 3 年 (3) できる - 31 -
問 12 < 解答 解説 > 固定資産税に関する問題です 土地 家屋の固定資産税の納税義務者は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 ) 時点で土地 家屋の所 有者として固定資産課税台帳に登録されている者です また 固定資産税評価額は 固定資産税や都市計画税を算出する基礎となるもので 3 年ご とに見直され 市町村が決定します ( 公示価格の 7 割程度 ) なお 固定資産税の標準税率は 1.4% ですが 財政上その他の必要性に応じて 各市町村は 条例で税率を変更可能です 以上により正解は 3) (1) 1 月 1 日 (2) 3 年 (3) できる - 32 -
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第 5 問 Aさん (70 歳 ) は 妻 Bさん (68 歳 ) との2 人暮らしである Aさん夫婦には長女 Cさん (38 歳 ) と二女 Dさん (35 歳 ) の2 人の子がおり,Aさんは 平成 27 年中に 二女 Dさん 孫 Eさん (10 歳 ) および孫 Fさん (8 歳 ) に対して現金の贈与を行っている Aさんの親族関係図等は 以下のとおりである A さんの親族関係図 Aさんが平成 27 年中に行った贈与の内容 二女 Dさんに対して 平成 27 年 6 月に自動車の購入資金として現金 500 万円を贈与した 孫 Eさんおよび孫 Fさんに対して 平成 27 年 3 月に 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税 の特例の適用を受けて それぞれ現金 500 万円を贈与した 上記以外の条件は考慮せず 各問に従うこと - 34 -
問 13 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税 の特例に関する以下 の文章の空欄 (1)~(3) に入る語句の組合せとして 次のうち最も適切なものはどれか 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税 の特例の適用を受けるためには 受贈者の年齢は 教育資金管理契約を締結する日において ( 1 ) 未満でなければならない また この特例の適用を受けた場合 非課税拠出額の限度額は 受贈者 1 人につき ( 2 ) とされており その非課税拠出額のうち 一定の教育資金に支出し かつ 領収書等の提出により金融機関等に教育資金支出額として記録された部分が最終的に非課税となる なお 学校等以外の者に教育に関する役務の提供の対価として直接支払われる金銭で一定のものに係る支出については ( 3 ) を限度として非課税となる 1) (1) 25 歳 (2) 1,500 万円 (3) 1,000 万円 2) (1) 30 歳 (2) 2,000 万円 (3) 1,000 万円 3) (1) 30 歳 (2) 1,500 万円 (3) 500 万円 - 35 -
問 13 < 解答 解説 > 教育資金の非課税特例に関する問題です 教育資金の非課税特例は 受贈者は 30 歳未満 ( 教育資金管理契約の締結日時点 ) である必 要があります なお 贈与者には年齢要件はありません また 教育資金の非課税特例の非課税の限度額は 受贈者ごとに 1,500 万円までで 学校 等に直接支払われる入学金や授業料等ついては 1,500 万円まで利用できますが 学校等以 外の者に支払われる金銭については 500 万円が限度です 以上により正解は 3) (1) 30 歳 (2) 1,500 万円 (3) 500 万円 - 36 -
問 14 二女 Dさんが 平成 27 年中に Aさんから受けた現金 500 万円の贈与について二女 Dさんが納付すべき平成 27 年分の贈与税額は 次のうちどれか なお 二女 Dさんは相続時精算課税を選択せず 暦年課税を選択するものとする また 二女 Dさんはこれ以外の贈与を受けていないものとする 資料 贈与税の速算表 ( 特例贈与財産用 一部抜粋 ) 1) (500 万円 -110 万円 ) 15%-10 万円 =48 万 5,000 円 2) 500 万円 20%-30 万円 =70 万円 3) (500 万円 -30 万円 -110 万円 ) 20%=72 万円 - 37 -
問 14 < 解答 解説 > 暦年課税の贈与税に関する問題です 平成 27 年 1 月 1 日以降の贈与からは 20 歳以上の子 孫が直系尊属から受けた贈与財産は特例贈与財産として 税率と控除が優遇されます ( それ以外の贈与財産は一般贈与財産として従来通りの課税 ) よって35 歳の二女 D さんへの贈与については 父親であるA さんからの贈与ですので 特例贈与財産となります 暦年課税の贈与税の基礎控除は 110 万円ですので 資料の速算表により 二女 D さんの贈与税 =(500 万円 -110 万円 ) 15%-10 万円 =48.5 万円 以上により正解は 1)(500 万円 -110 万円 ) 15%-10 万円 =48 万 5,000 円 - 38 -
問 15 贈与税の申告 納付に関する次の記述のうち 最も適切なものはどれか 1) 贈与税の申告は 原則として 受贈者が その納税地の所轄税務署長に対して行うこ ととされている 2) 贈与税の申告書は 原則として 贈与を受けた年の翌年 2 月 1 日から 3 月 31 日までに 提出しなければならない 3) 贈与税は 贈与税の申告書を提出した日の翌日から 6 カ月以内に納付しなければなら ない - 39 -
問 15 < 解答 解説 > 贈与税の申告 納付に関する問題です 1) は 適切 贈与税の申告書の提出先は 財産を贈与した人の住所地の所轄税務署ではな く 財産を受け取った人 ( 受贈者 ) の住所地の所轄税務署です 2) は 不適切 贈与税の申告と納税は 贈与を受けた人が 贈与を受けた年の翌年の 2 月 1 日から 3 月 15 日までに行う必要があります 3) は 不適切 贈与税の申告と納税は 贈与を受けた人が 贈与を受けた年の翌年の 2 月 1 日から 3 月 15 日までに行う必要があります ( 申告期限と納付期限は同じです ) - 40 -