平成 27 年 9 月 2 級 FP 技能検定 / 実技試験 < 個人資産相談業務 > 解答と解説 第 1 問 問 1 記号ハニチ 問 2 判定 問 3 493,300( 円 ) 第 2 問 問 4 4 記号ロハチル 問 5 判定 問 6 1300,000( 円 ) 25(%) 360,945( 円 ) 第 3 問 問 7 記号イニチ 問 8 判定 問 9 17,500,000( 円 ) 2580,000( 円 ) 3380,000( 円 ) 4692,500( 円 ) 第 4 問 問 10 判定 問 11 1288( m2 ) 2720( m2 ) 問 12 判定 第 5 問 問 13 記号ハホチ 問 14 判定 問 15 15,400( 万円 ) 22,500( 万円 ) 3500( 万円 ) 44,000( 万円 ) ( 注 ) 各問題の配点は 公表されていない 1
第 1 問 問 1 難易度 B 記号 ハ ニ チ ⅰ) 出産手当金は 出産のために休業し その期間について事業主から給与の支払いを受けられない場合 出産の日 ( 実際の出産が予定日後のときは出産予定日 ) 以前 42 日 ( 多胎妊娠の場合は 98 日 ) から出産の日後 56 日の範囲内で1 日につき標準報酬日額の 3 分の 2 に相当する額が支給される 標準報酬日額は 標準報酬月額の 30 分の 1 に相当する額で 会社を休んだ日について給与の支払いがあり その給与が出産手当金の額より少ない場合は 出産手当金と給与の差額が出産手当金として支給される また 出産手当金の支給期間中に傷病手当金も受けられるようになった場合は 出産手当金が優先して 支給される ⅱ) 出産育児一時金は 産科医療補償制度に加入している医療機関で出産した場合 1 児につき 42 万円 である 産科医療補償制度とは 分娩に関連して発症した重度脳性まひの子と家族の経済的負担を補償 ( 一時金と分割金をあわせ総額 3,000 万円 ) するとともに 原因分析を行い 再発防止に資する情報を提供することなどにより 紛争の防止 早期解決および産科医療の質の向上を図ることを目的とした制度である なお 産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合の出産育児一時金は 40.4 万円であるが 現状 国内の 99.9% の分娩機関が制度に参加している 問 2 難易度 B 判定 1 適切 産前産後休業期間については 所定の手続きをすることにより 被保険者および事業主の健康保険 厚生年金保険の保険料が免除される 2 適切 育児休業給付は 1 歳 ( パパママ育休プラス制度 ( 父母ともに育児休業を取得する場合の育児休業取得可能期間の延長 ) を利用する場合は1 歳 2ヵ月 支給対象期間の延長に該当する場合は1 歳 6ヵ月 ) 未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に支給されるが 支給額は 原則として 休業開始時賃金日額 支給日数の67% ( 育児休業の開始から6ヵ月経過後は50%) 相当額となっている 3 不適切 育児休業給付金は非課税である 問 3 493,300( 円 ) 難易度 B * 遺族厚生年金の年金額 = 基本額 + 中高齢寡婦加算額 基本額( 昭和 21 年 4 月 2 日以後生まれの人の場合 ) 基本額 =(1+2) 3/4 1 平成 15 年 3 月以前 ( 総報酬制導入前 ) の期間分 2
平均標準報酬月額 7.125/1,000 平成 15 年 3 月までの被保険者期間の月数 ( 注 1) 2 平成 15 年 4 月以後 ( 総報酬制導入後 ) の期間分平均標準報酬額 ( 注 2) 5.481/1,000 平成 15 年 4 月以後の被保険者期間の月数 ( 注 1) ( 注 1) 被保険者が死亡したときに 被保険者期間が 300 月 (25 年 ) 未満の場合は 300 月とみなして計算する ( 注 2) 平均標準報酬額とは 平成 15 年 4 月以後の再評価された後の標準報酬月額と標準賞与額の総額を平成 15 年 4 月以後の被保険者期間の月数を割って算出したもの A さんの場合は 被保険者期間がすべて平成 15 年 4 月以後で 被保険者期間は 125 月 だが 300 月とみなして計算されるので 次のようになる 5.481 3 400,000 円 300 月 =493,290 円 493,300 円 1,000 4 ( 注 ) 年金額は 50 円未満を切捨て,50 円以上 100 円未満を 100 円に切上げ なお 平成 27 年 10 月から厚生年金と共済年金が統一されたことに伴い 年金額は 100 円単位から 1 円単位に変更されている 中高齢寡婦加算額 次のいずれかに該当する妻が受ける遺族厚生年金には 40 歳から 65 歳になるまでの間 585,100 円 ( 平成 27 年度価額 ) が加算される これを 中高齢寡婦加算額という 1 夫が亡くなったとき 40 歳以上 65 歳未満で 生計を同じくしている子がいない妻 2 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻 (40 歳に達した当時 子がいるた め遺族基礎年金を受けていた妻に限る ) が 子が 18 歳到達年度の末日に達した ( 障害の 状態にある場合は 20 歳に達した ) ため 遺族基礎年金を受給できなくなったとき 設例の妻 B さんは これらの要件に該当しないので 中高齢寡婦加算額は加算されない 妻 B さんが受給できる遺族厚生年金の年金額 493,300 円 ( 注 ) 妻 B さんの場合は該当しないが 子のない若齢期の妻 ( 夫の死亡時に 30 歳未満 ) に支給される遺族厚生年金は 5 年間の有期年金となる 第 2 問 問 4 難易度 A 4 記号 ロ ハ チ ル 1 2 NISAの非課税投資額 ( 年間投資上限額 ) は平成 26 年と平成 27 年は年間 100 万円 平成 28 年以降は年間 120 万円である 3 NISAでは 最長 5 年間 非課税で運用ができる 4 NISA 口座における譲渡損失はなかったものと見なされる このため 課税口座 ( 特定口座や一般口座 ) で受け取った上場株式等の配当金等や譲渡益と損益を通算することはできず 損失の繰越控除もできない 3
問 5 難易度 B 判定 1 不適切 投資信託のシャープ レシオの計算式は次のとおり ( 投資信託の収益率 )-( 無リスク資産の利子率 ) シャープ レシオ= ( 投資信託の標準偏差 ) 計算式の分子は安全な資産 ( 無リスク資産 ) で運用した場合に比べたファンドの超過リターンを示し 分母はリスクの大きさを示している 数値が高いほうが とったリスクに比べてリターンが優れていたと評価される X 投資信託とY 投資信託のシャープ レシオは次のとおり 5.5%-0.1 % X 投資信託 = =0.675 8.0% 10.5%-0.1 % Y 投資信託 = =0.472 22.0% X 投資信託のほうがシャープ レシオが高いので Y 投資信託より効率的に運用されていたと評価することができる 2 適切 Y 投資信託は 為替ヘッジなし の投資信託なので 投資対象国通貨に対して円高になると 為替差損を被る 為替リスクをヘッジする場合は 円高による為替差損はおおむね回避できるので 円高になった場合のY 投資信託の値下がりは 為替リスクをヘッジした場合と比較すれば大きくなる 3 不適切 信託財産留保額は 投資信託を解約等した受益者と引き続き保有する受益者との公平性を確保するために設定されるものであり 販売会社によってその料率が異なることはない という部分は正しい ただし すべての投資信託に設定されている わけではなく 信託財産留保額を徴収しない投資信託も多数存在する 問 6 1300,000( 円 ) 25(%) 360,945( 円 ) 難易度 B X 投資信託は公募株式投資信託であり 解約請求による損益は 譲渡所得として上場株式等と同じく 20.315% の申告分離課税となる 20.315% の税率の内訳は 所得税が復興特別所得税を含んだところで 15.315% 住民税が 5%(=2) である 問題文で X 投資信託から元本払戻金 ( 特別分配金 ) は一度も受け取っていないとされているので AさんのX 投資信託の個別元本は購入時の 1 万口当たり 8,480 円のままで変更はない 購入時の手数料は取得価額に含まれるが X 投資信託の購入時手数料はなしなので AさんのX 投資信託の取得価額は 1 万口当たりで 8,480 円となる これを 1 万口当たり 10,000 円で解約することになるが 解約時には基準価額の 0.2% が信託財産留保額として差し引かれる 10,000 円の基準価額で解約するので 信託財産留保額 =10,000 円 0.2%=20 円 換金時の解約価額 =10,000 円 -20 円 =9,980 円つまり 1 万口当たり 8,480 円で購入したX 投資信託を 1 万口当たり 9,980 円の解約価 4
額で 200 万口すべて解約するので 譲渡所得の金額 所得税および住民税の合計額は次のようになる 譲渡所得の金額 (9,980 円 -8,480 円 ) 2,000,000 口 10,000 口 =300,000 円 (=1) 所得税( 復興特別所得税を含む ) および住民税の合計額所得税 ( 復興特別所得税を含む ) 300,000 円 15.315%=45,945 円 住民税 合計額 300,000 円 5%(=2)=15,000 円 45,945 円 +15,000 円 =60,945 円 (=3) 第 3 問 問 7 難易度 B 記号 イ ニ チ ⅰ) 所得税は個人に課税される税金なので 長男 Cさんが平成 27 年 10 月にAさんの事業を引き継いだ場合 その事業に関する納税義務は 1 月 ~9 月の期間についてはAさん 10 月 ~12 月の期間についてはCさんが負う Cさんが 青色申告を希望する場合には 新たに手続きが必要で 事業開始日から原則 2ヵ月以内 ( 相続による事業承継の場合は原則 4ヵ月以内 ) に青色申告承認申請書を納税地の税務署長に提出する ⅱ) 青色申告の承認を受けることによる税務上の特典としては 青色申告特別控除や青色事業専従者給与の必要経費算入 最長で 3 年 にわたる純損失の繰越控除などがある ( 法人の場合の欠損金の繰越控除期間は9 年間 ) このうち 青色申告特別控除については 事業に係る取引の内容を正規の簿記の原則により記帳し それに基づいて作成した貸借対照表等を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出した場合 最高で 65 万円 を所得金額から控除することができる この要件を満たさない場合の青色申告特別控除は10 万円である 問 8 難易度 B 判定 1 不適切 所得税において, 扶養控除の対象となるのは 1 納税者と生計を一にしてい る親族 ( 配偶者を除く ) 216 歳以上 3 年間の合計所得金額が 38 万円以下 4 青色 申告者の事業専従者又は白色申告者の事業専従者でないことなどの要件を満たした場 合で 控除額は年齢等に応じて 次のようになっている 区分一般の控除対象扶養親族 (16 歳以上 19 歳未満 23 歳以上 70 歳未満 ) 特定扶養親族 (19 歳以上 23 歳未満 ) 老人扶養親族 (70 歳以上 ) 同居老親等以外の者同居老親等 ( 注 ) 控除額 38 万円 63 万円 48 万円 58 万円 5
( 注 ) 同居老親等とは 老人扶養親族のうち 納税者又はその配偶者の直系の尊属 ( 父母 祖父母など ) で 納税者又はその配偶者と常に同居している人をいう Aさんは年間の合計所得金額が38 万円を超えているので 控除対象扶養親族にはなれない 2 不適切 AさんがCさんに事業を引継ぐ場合 Aさんは事業を廃止するので 個人事業の開業 廃業等届出書 を納税地の所轄税務署長に提出する この場合 その提出をもって青色申告を取りやめたことにはならないので Aさんがアパート経営による不動産所得について青色申告を継続する場合 改めて青色申告の承認を得る必要はない なお 事業の廃止とともに青色申告も取りやめる場合には 別途 青色申告の取りやめ届出書 を税務署に提出する 3 適切 長男 Cさんは 新たに青色申告の承認を得ることになるため Bさんがたとえ同じ事業に従事する形であっても 改めてBさんに係る 青色事業専従者給与に関する届出書 を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない 問 9 17,500,000( 円 ) 2580,000( 円 ) 3380,000( 円 ) 4692,500( 円 ) 難易度 B (a) 総所得金額 事業所得の金額:8,000,000 円 不動産所得の損失金額:700,000 円 7,500,000 円不動産所得の損失のうち 土地の取得に要した負債利子は損益通算 (1) の対象とならないので 損益通算の対象となる不動産所得の損失は 700,000 円 -200,000 円 =500,000 円 総所得金額:8,000,000 円 -500,000 円 =7,500,000 円 社会保険料控除 円 生命保険料控除 円 扶養控除 Aさんの家族で 扶養控除の対象になるのは 580,000 円母 Eさんで 控除額は 同居老親等に該当する (2) ので 580,000 円である ( 上記問 81 参照 ) 基礎控除 所得税では 誰でも 38 万円の基礎控除を受けられる 380,000 円 (3) (b) 所得控除の額の合計額 : 1,900,000 円 (c) 課税総所得金額 :(a-b) 7,500,000 円 -1,900,000 円 =5,600,000 円 5,600,000 円 (d) 算出税額 :(c に対する所得税額 ) 5,600,000 円 20%-427,500 円 =692,500 円 692,500 円 (4) (e) 復興特別所得税額 :692,500 円 2.1%=14,542 円 ( 円未満切捨 ) 14,542 円 (f) 所得税および復興特別所得税額 : 692,500 円 +14,542 円 =707,042 円 707,000 円 ( 百円未満切捨 ) 707,000 円 6
第 4 問 問 10 難易度 B 判定 1 不適切 建築物の絶対高さの制限は 第 1 種低層住居専用地域または第 2 種低層住居専用地域に適用されるもので 建築物の高さは原則として10mまたは12mのうち都市計画で定められた高さを超えてはならないこととされている 第一種住居地域では こうした絶対高さの制限は適用されない 2 不適切 防火地域内においては 階数 3 以上または延べ面積 100m2を超える建築物は 原則として耐火建築物としなければならないとされている 3 適切 不動産登記法では 建物を新築した場合 その建物の所有権を取得した日から1 ヵ月以内に建物の表題登記を申請しなければならないとされている 問 11 1288( m2 ) 2720( m2 ) 難易度 B 1 最大建築面積建築物の敷地が, 特定行政庁の指定する角地の場合は, 建ぺい率 ( 敷地面積に対する建築面積の割合 ) は 10% 緩和される さらに 防火地域内で 耐火建築物を建築する場合は 建ぺい率が 10% 緩和される したがって 合計 20% 緩和されるので 建ぺい率は 60%+ 20%=80% となる したがって 360 m2 80%=288 m2 2 最大延べ面積幅員 12m 未満の道路に接する敷地では ( イ ) 指定容積率 と( ロ ) 前面道路幅員 6/10 ( 住居系用途地域では 4/10) のいずれか低い方の容積率が適用される また 敷地が2 以上の道路に接面している場合でそれぞれの道路の幅員が異なる場合は 幅員が最大のもの ( 設例の場合 幅員 6m) が前面道路となる ( ア ) 容積率の判定 指定容積率:200% 前面道路幅員による容積率の制限: 6(m) 4/10=240%(3) 200%<240% 200% ( イ ) 最大延べ面積 360 m2 200%=720 m2 ( 注 ) 特定行政庁が指定する幅員 6mの区域では 幅員が 6m 未満の道路に接する敷地は 道路の中心線から水平距離 3m 後退した線が道路境界線となり セットバックしなければならないが 本問は そうした区域に該当しない 7
問 12 難易度 C 判定 1 適切 自己居住用住宅で 床面積 50 m2以上 新築または取得後 1 年以内に登記するなどの要件を満たした場合 所有権保存登記では 4/1,000 1.5/1,000 所有権移転登記 ( 売買の場合 ) では 15/1,000 3/1,000 などの軽減税率の特例を受けることができる 2 適切 所定の要件を満たす新築住宅を取得した場合 不動産取得税の課税標準の算定については 一戸につき最高で 1,200 万円 ( 認定長期優良住宅については 1,300 万円 ) が価格 ( 固定資産税評価額 ) から控除される 3 不適切 住宅用地に対する固定資産税では 200 m2までの小規模住宅用地については 固定資産税の課税標準となるべき価格を 6 分の 1 とする特例の適用を受けることができる なお 200 m2を超える部分は 3 分の 1 とされる 第 5 問 問 13 難易度 A 記号 ハ ホ チ ⅰ) 遺産分割にあたり 遺言書がない場合 協議分割をすることになるが 協議分割を成立させるためには共同相続人の全員の参加と合意が必要である この合意が成立しないために協議分割を行えない場合 共同相続人は 家庭裁判所 に対して申立てを行い 家庭裁判所の調停 審判による遺産分割を行うことになる ⅱ) 相続税額の計算上 配偶者に対する相続税額の軽減 の規定の適用を受けた場合 相続税の課税価格の合計額に対する配偶者の法定相続分相当額または 1 億 6,000 万円 のいずれか多い金額までの取得に対し 配偶者の納付すべき相続税額は算出されない また 被相続人が死亡した年分の所得税について確定申告をしなければならない場合 相続人は 相続の開始があったことを知った日の翌日から原則として 4 ヵ月以内 以内にその所得税について確定申告書を提出しなければならない 問 14 難易度 B 判定 1 適切 配偶者が相続により被相続人の自宅の敷地を取得し 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 の適用を受けた場合 特定居住用宅地等となり 平成 27 年 1 月 1 日以後の相続から 330m2を限度面積として 評価額の80% を減額することができる 8
< 小規模宅地等の特例 > 減額対象面積 減額割合 特定居住用宅地等 ( 平成 26 年 12 月 31 日まで相続 )240 m2 ( 平成 27 年 1 月 1 日以後の相続 )330 m2 80% 特定事業用宅地等 400 m2 80% 貸付事業用宅地等 200 m2 50% 2 不適切 相続時精算課税制度により贈与を受けた財産は 贈与者である父母又は祖父母が亡くなった時の相続税の計算において 相続財産の価額に加算されるので たとえ長男 CさんがAさんから相続または遺贈により財産を取得しなかった場合でも 長男 CさんがAさんから贈与によって取得した現金 1,500 万円は 相続税の課税価格に加算される 3 不適切 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税 の特例の適用を受けている期間中に贈与者が死亡した場合 拠出額に残額があっても その残額は相続税の課税対象外となる したがって 孫 Fさんがこの特例を受けて贈与された金額 500 万円のうち Aさんの死亡日において残額 200 万円があったとしても その金額は相続税の課税価格に加算されない なお 同様の非課税措置に 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税 があるが この特例の場合は 適用を受けている期間中に贈与者が死亡した場合 残額は相続税の課税対象となる < 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 > 期間平成 25 年 4 月 1 日から平成 31 年 3 月 31 日までに拠出贈与者直系尊属 ( 父母 祖父母など ) 受贈者 30 歳未満の子 孫受贈者ごとに 1,500 万円 ( 注 ) まで非課税非課税金額 ( 注 ) 学校等以外のものに支払われたものについては 500 万円が限度手続き1 受贈者名義の金融機関の口座等に 教育資金を一括して拠出手続き2 教育資金の使途は 金融機関が領収書等をチェックし 書類を保管受贈者が 30 歳になったとき残額 ( 使い残し ) があれば贈与税課税終了時受贈者が死亡したとき贈与税は課税しない贈与者の死亡贈与者が死亡した場合 残額は相続税の課税対象外 < 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 > 期間 平成 27 年 4 月 1 日から平成 31 年 3 月 31 日までに拠出 贈与者 直系尊属 ( 父母 祖父母など ) 受贈者 20 歳以上 50 歳未満の子 孫 非課税金額 受贈者ごとに 1,000 万円 ( 注 ) まで非課税 ( 注 ) 結婚費用は 300 万円までが非課税限度額 手続き1 受贈者名義の金融機関の口座等に 結婚 子育て資金を一括して拠出 9
受贈者は払い出した金銭を結婚 子育て資金に充当したことを証する手続き2 書類を金融機関に提出受贈者が 50 歳になったとき残額 ( 使い残し ) があれば贈与税課税終了時受贈者が死亡したとき贈与税は課税しない贈与者の死亡贈与者が死亡した場合 残額は相続税の課税対象 問 15 15,400( 万円 ) 22,500( 万円 ) 3500( 万円 ) 44,000( 万円 ) 難易度 B * 相続税の計算において 相続税の総額 までは 誰がどのように相続したかにかかわらず 法定相続分通りに相続したものとみなして計算する 課税価格の合計額本問では 金額を明らかにしていないが 課税遺産総額 ( 課税価格の合計額 - 基礎控除額 )2 億 1,000 万円が明記されており 下記の基礎控除額から逆算すると 2 億 6,400 万円となる 遺産に係る基礎控除額基礎控除額は 平成 27 年 1 月 1 日以後の相続より 3,000 万円 +600 万円 法定相続人の数 で計算されるようになった なお この 法定相続人の数 は 民法上の取り扱いと異なっており ( イ ) 相続放棄した人も放棄しなかったものとして取り扱う ( ロ ) 養子 ( 普通養子 ) が複数いる場合 実子がいる場合は 1 人 実子がいない場合は 2 人までしかカウントできないという制限がある 設問の場合 法定相続人の数は妻 Bさん 長男 Cさん 長女 Dさん 養子 Eさんの 4 人なので 基礎控除額は次のようになる 3,000 万円 +600 万円 4 人 =5,400 万円 (1) 課税遺産総額 2 億 6,400 万円 -5,400 万円 =2 億 1,000 万円 ( この金額が設問上の前提条件として記載されている ) 相続税の総額妻 Bさんの相続税の総額の基となる税額 2 億 1,000 万円 1/2=1 億 500 万円 1 億 500 万円 40%-1,700 万円 =2,500 万円 (2) 長男 Cさんの相続税の総額の基となる税額 2 億 1,000 万円 1/2 1/3=3,500 万円 3,500 万円 20%-200 万円 =500 万円 (3) 長女 Dさんの相続税の総額の基となる税額長男 Cさんと同じ=500 万円養子 Eさんの相続税の総額の基となる税額長男 Cさんと同じ=500 万円相続税の総額 2,500 万円 +500 万円 3 人 =4,000 万円 (4) 10