小学生の英語学習に関する調査

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結果からの考察 中学校 高校の英語の授業では音声指導や文法指導などが多く 話す 書く を含めた言語活動がまだ十分に行われていないという課題が明らかになりました 中高生の英語によるコミュニケーション能力の向上のためには 従来の文法中心の指導からの脱却が求められます 英語教員の多くは 英語で表現する機会

調査結果からみえてきたこと 大学教育改革の渦中にあった 8 年間の学生の意識や学びの変化をまとめると 以下 3 点です (1) アクティブ ラーニング形式の授業が増え 自己主張できる学生が増加 大学の授業で際立って増加しているのが アクティブ ラーニングの機会です 特にこの 4 年間で ディスカッシ

報道関係各位 2018 年 5 月 31 日 東京大学社会科学研究所所長佐藤岩夫株式会社ベネッセホールディングス代表取締役社長安達保 東京大学社会科学研究所 ベネッセ教育総合研究所共同研究プロジェクト 子どもの生活と学びに関する親子調査 2017 結果速報 勉強や目標が 自己肯定感 に影響 - 保護

ニュースレター 報道関係各位 2018 年 10 月 26 日 株式会社ベネッセホールディングス広報 IR 部 小学生の読書に関する実態調査 研究 読書は学力が低い子どもたちに大きなプラス効果 自分で調べる 話題が増える 幅広いメリットが明らかに 株式会社ベネッセホールディングスの子会社 株式会社ベ

< F C18D E93788EF38D7590B B CC8F578C76834F E786C73>

本調査では 学習時間を十分に取っている子どもほど学業成績がよいという結果が明らかになりました 学習の 量 と 成績 は ある程度比例します この意味で 一定の学習時間を確保することは 学力を高めるのに重要な要素といえます しかし一方で 相対的に短い学習時間でも 学習方法の工夫によって成果を上げること

3. 将来の目標がはっきりしている を肯定する子どもは半数程度 中学生がもっとも低く 高校 3 年生で 6 割になる 将来の目標がはっきりしている ( あてはまる [ とても + まあ ]) の比率は 小 4~6 生で 5 割強 中学生で 4 割台に低下し 高 3 生で 6 割になる 夢見る小学生と

家庭における教育

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

報道関係各位 2012 年 1 月 25 日 株式会社ベネッセコーポレーション 代表取締役社長福島保 高校受験調査 ~ 高校 1 年生は自らの高校受験をどのように振り返っているのか ~ 高校受験を通じて やればできると自信がついた 71% 一方で もっと勉強しておけばよかった 65% 株式会社ベネッ

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

勉強のときも デバイス片手に が普通に 5. の 4 割が 勉強中にもメールやチャット 友だちへの質問に使う割合も 5 割近くいる メールやチャット (LINE など ) を書きながら ( 返事を出す場合も含む ) 勉強することがある比率は で 24.3% で 37.5% 一定の割合の中高生が 勉強

調査の概要調査方法 : インターネットによる調査調査対象 : 全国のイーオンキッズに通う小学生のお子様をお持ちの保護者 500 名全国の英会話教室に通っていない小学生のお子様をお持ちの保護者 500 名計 1,000 名調査実施期間 : イーオン保護者 :2017 年 4 月 1 日 ( 土 )~

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

資料1 団体ヒアリング資料(ベネッセ教育総合研究所)

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

自己紹介をしよう

第4章妊娠期から育児期の父親の子育て 45

世の中の人は信頼できる と回答した子どもは約 4 割 社会には違う考え方の人がいるほうがよい の比率は どの学年でも 8 割台と高い 一方で 自分の都合 よりみんなの都合を優先させるべきだ は 中 1 生から高 3 生にかけて約 15 ポイント低下して 5 割台にな り 世の中の人は信頼できる も

本日 2012 年 2 月 15 日の記者説明会でのご報告内容をお送りいたします 文部科学省記者会でも配布しております 報道関係各位 2012 年 2 月 15 日 株式会社ベネッセコーポレーション代表取締役社長福島保 新教育課程に関する校長 教員調査 新教育課程に関する保護者調査 小学校授業 国語

3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

調査の概要調査方法 : インターネットによる調査調査対象 : 全国のイーオンキッズに通う小学生のお子様をお持ちの保護者 500 名全国の英会話教室に通っていない小学生のお子様をお持ちの保護者 500 名計 1,000 名調査実施期間 : イーオン保護者 :2016 年 2 月 22 日 ( 月 )~

3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

24 京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 内容 発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されてい る そこでは ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に 系統だった指導と学習 評価 筆記テストのみならず スピーチ イン

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

調査結果からの考察 幼稚園や保育園から小 1 の接続期は 幼児期から児童期に入り 学習生活が始まる重要な時期です なかでも 年長児期に 生活習慣 や 学びに向かう力 の がんばる力 文字 数 思考 の 言葉 が身についている子どもほど 小 1 で 自ら進んで学ぶ 傾向にあることがわかりました 年長児

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

図表 私立中学校に進学した理由 ( 中学 2 年生 ): 生活困難度別 % 66.8% 68.5% 66.9% 47.2% 48.9% 41.1% 41.7% 30.4% 27.5% 21.1% % 17.9% 13.1% 10.4% 10.8

ニュースリリース AVON

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

いろいろな衣装を知ろう

①H28公表資料p.1~2

資料3 高校生を取り巻く状況について

報道関係各位

調査結果からみえてきたこと 2017 年の出生数は 1899 年の統計開始以降 最も少ない 94.6 万人になりました 急速な少子化の進行は 日本の人口構造に変化を与え 労働力不足や社会保障の在り方など さまざまな面に課題をもたらします こうした社会環境の中にあって 0~1 歳児を育てている母親の

4 調査結果について (1) 教科に関する調査の結果 ( 公立 ) の平均正答率を % として換算した市内の領域 観点 問題形式別正答率 グラフの途切れは, 問題が出題されなかった項目 < 小学校 > : 概要 : 課題 : 今後の学習ポイント国語 A( 基礎 ) 国語 B( 活用 ) 話すこと聞く

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

< 受験生トレンド > 受験生に必須のアイテム 受験生の半数以上が勉強に SNS を活用 3 人に 1 人以上が活用している Twitter が第 1 位に 目的は モチベーションを上げたい 記録に残したい 共有して安心したい が上位に 勉強専門アカウントについては約 5 割が興味 約 2 割が活用

45 宮崎県

2) 親子関係 家族との生活に満足している について と の調査と比較した 図 12-2 に 示しているように の割合は 4 かとも増加傾向が見られた 日 本 米 中

学級担任が T1 として授業を進められる環境の工夫 寿都町立寿都小学校 掲示物の工夫 教室環境の工夫 イングリッシュルーム設置の目的 学級担任によるT1の授業で 多様な学習形態で学習することにより 英語に対する児童の意欲を高めることができるようにする イングリッシュルーム活用の頻度 第 3~6 学年

A Research on Can-do Abilities and Ways of Teaching across Korea, China, and Japan

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(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

調査結果の概要

派遣社員の評価に関する 派遣先担当者調査結果

調査の目的と概要 Ⅰ 調査の目的 札幌市の児童生徒の実態に関する基礎調査 は 札幌市の小学生 中学生 高校生の意識や心情 生活 行動などについて 継続的に調査し その実態の変容を明らかにすることにより 子どもを取り巻く社会変化や教育情勢と子どもの生活との関連性を客観的に把握し 教育施策の推進に資する

調査結果概要

H30全国HP

外国語活動の実践 外国語活動におけるコミュニケーションを大切にした活動の工夫 1 単元名 5 年数で遊ぼう ~ How many?~ ( 教材 Hi,friends! 1 文部科学省) 2 目標 積極的に数を数えたり, 尋ねたりしようとする 1~20の数の言い方や数の尋ね方に慣れ親しむ 言語には,

学校教育に対する保護者の意識調査2 調査テーマ 保護者の学校教育に対する意識 調査方法学校通しによる家庭での自記式質問紙調査 ( 子どもを経由した配布 回収 ) 調査対象 調査時期 対象 調査時期 有効回収数 協力校 調査概要 全国の公立の小 2 生 小 5 生 中 2 生をもつ保護者 年調査 年調

< 児童の実態 > 男子 23 名, 女子 12 名, 計 35 名の学級である 男女の仲がよく, 休み時間など活発に遊んでいる様子が見られる いろいろなことに興味を持ち, 集中して努力することができる 最上級生として, 学校の中での活躍も見られるようになっている 学習に対する意欲は高くなってきてい

2017 年 9 月 8 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2017 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

調査の概要調査方法 : インターネットによる調査調査対象 : 全国のイーオンキッズ保護者様 598 名 < お子様の年齢 > 未就学児 232 名 / 小学校低学年 (1~2 年生 )155 名 / 中学年 (3~4 年生 )123 名 / 高学年 (5~6 年生 )88 名 調査実施期間 :201

問 1 貴校のこれまでの外国語活動の取り組みについて あてはまるもの 1 つを選んでください 本調査のサンプル数 1530 校のうち もっとも多かったのは いずれの区分にもあてはまらない で 1140 校 ( 74.5%) であった 次いで 平成 21 年度における文部科学省指定の 教材の活用 評価

スライド 1

新学習指導要領を具現化した新教材の解説

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

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学校評価保護者アンケート集計結果 2 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収集を適切に行っている 十分 おおむね十分 やや十分 不十分 分からない 不明

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

第 4 章大学生活および経済 生活支援とキャリア行動 キャリア意識との関連 本章では 学生の大学生活や経済 生活支援の利用状況をふまえて キャリア行動やキャリア意識に違いが見られるかについて検討する 1 節では 大学生活とキャリア支援の利用との関連を示し どのような大学生活を送る学生がキャリア支援を

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単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

[2007版] 平成23年度 全国学力・学習状況調査の結果概要(01 小・・

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インターネットの活用をみると インターネットでニュース関連の情報をみること の肯定率が4か国とも7 割以上と高い そのほか は インターネットで学習の情報や資料を調べたり 収集したりすること メールやチャット (LINE を含む ) で先生や友だちにわからないところを質問すること の肯定率も 75%

西ブロック学校関係者評価委員会 Ⅰ 活動の記録 1 6 月 17 日 ( 火 ) 第 1 回学校関係者評価委員会 15:30~ 栗沢中学校 2 7 月 16 日 ( 水 ) 学校視察 上幌向中学校 授業参観日 非行防止教室 3 9 月 5 日 ( 金 ) 学校視察 豊中学校 学校祭 1 日目 4 9

(2) あなたは選挙権年齢が 18 歳以上 に引き下げられたことに 賛成ですか 反対ですか 年齢ごとにバラツキはあるものの概ね 4 割超の人は好意的に受け止めている ここでも 18 歳の選択率が最も高く 5 割を超えている (52.4%) ただ 全体の 1/3 は わからない と答えている 選択肢や

現課程の高校生の実態

調査概要 基本属性 調査の枠組み 調査概要 調査テーマ中高生の英語学習の実態と意識に関する調査 調査方法郵送法による自記式質問紙調査 調査時期 2014 年 3 月 調査対象全国の中 1 生 ~ 高 3 生 6,294 名 ( 有効回答数 ) * 中 1 生 1,057 名中 2 生 1,028 名

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

3. 分析と結果 公表に対する配慮事項 公表に際しては 文部科学省が定めた平成 29 年度全国学力 学習状況調査実施要領に基づき 次の点に配慮して実施します 1) 本調査は 太子町の子どもたちの学力や学習状況を把握し分析することにより 全国 大阪府の状況との関係において教育及び教育施策の成果と課題を

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

表紙(A4)

この章のポイント 高校での指導の実態からみる高校教育の課題 Benesse 教育研究開発センター研究員 岡部悟志 解説の時間 が中心の高校での授業中学校から高校にかけて生徒が様々なとまどいを感じていることは第 1 章で確認した通りだが その背景には中学校と高校とで大きく異なる指導の実態がありそうだ

難聴児童の伝える力を 高めるための指導の工夫 -iPadを活用した取り組みを通して-

2 経年変化 ( 岡山平均との差の推移 ) (1) 中学校 1 年生で比較 ( 昨年度まで中学校 1 年生のみの実施のため ) 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度 国 数 語 学 基 礎 活 用 基 礎

かたがみ79PDF用

睡眠調査(概要)

2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

Transcription:

2015 年 11 月 5 日 株式会社ベネッセホールディングス 代表取締役会長兼社長原田泳幸 小学生の英語学習に関する調査小 5 6 生の 6 割が 教室の外で英語を使ってみたい と回答 しかし 保護者の約 6 割は 外国語活動 に 満足していない 株式会社ベネッセホールディングス ( 本社 : 岡山市 以下ベネッセ ) の社内シンクタンク ベネッセ教育総合研究所 では 2015 年 3 月に 全国の小学 5 6 年生とその保護者 1,565 組を対象に 小学生の英語学習に関する調査 を実施しました 英語教育の改革によって 2011 年度から小学 5 6 年生に 外国語活動 が導入されました しかし その成果と課題についてはまだ十分に検証されていません そこで 小学校の 外国語活動 の成果と課題を明らかにし 今後の英語教育の在り方を検討することを目的に今回の調査を実施しました 主な調査結果は以下の通りです 1. 小学 5 6 年生の 6 割が 教室の外で英語を使ってみたい と意欲を示している 子ども調査 外国語活動 について 教室の外で英語を使ってみたい と回答した小学 5 6 年生は 61.5%( とても + まああてはまる の %) 英語がわかったり通じたりするとうれしい 英語の授業に一生懸命取り組んでいる という回答も 8 割以上と高く 意欲的に活動に取り組んでいる ( 図 1-1) 教室の外で英語を使ってみたい という意欲は 将来 自分が英語を使うイメージと関連する 将来 自分が英語を使うと考える比率 * は 教室の外で英語を使ってみたい と思う子どもが 64.5% であるのに対して 教室の外で英語を使ってみたい と思わない子どもは 46.9% である ( 図 1-2) * 日常生活で外国の人と英語を話すことがある + いつもではないが仕事で英語を使うことがある + 仕事ではほとんどいつも英語を使う の合計 教室の外で英語を使ってみたい と考える子どもほど 中学校で英語を学ぶことが楽しみだ 外国の人と友だちになりたい などの項目を肯定 ( とても + まあそう ) している比率がより高い ( 図 1-3) 2. 外国語活動 は 英語で コミュニケーションを図ろうとする態度 を育成している 子ども調査 外国語活動 では 7 割以上が 英語のあいさつ 英語のゲーム 英語のことば (cat apple など ) を言う練習 英語の発音練習 短い文や質問を英語で言う練習 を している ( いつも + 時々している ) と回答しており 英語の音声や表現に慣れ親しむ取り組みが多いことがわかる 自分の考えや気持ちを英語で話すこと といったコミュニケーションを意識した活動は少し比率が下がるが 56.2% が している と回答している ( 図 2-1) 外国語活動 に対する態度では 7 割以上が あいさつや感謝の気持ちをできるだけことばであらわすようにする 英語で話している人の気持ちや考えを理解しようとする わからない英語があっても続けて聞こうとする を肯定 ( とても + まあそう ) している 取り組みを通じて コミュニケーションを図ろうとする態度 が育まれている様子がうかがえる ( 図 2-2) 3. 保護者の約 6 割は 外国語活動 に 満足していない 保護者調査 保護者の学校の英語教育内容に対する認知度は低く 約 6 割が 知らない ( あまり + まったく知らない ) と回答している ( 図 3-1-1) 保護者の 外国語活動 に対する満足度は低く 約 6 割が 満足していない ( あまり + まったく満足してない )( 図 3-1-2) 外国語活動 に 満足していない 保護者は 子どもが英語力の基礎を身につけること 中学校での英語学習がスムーズになること 英語を聞いたり話したりすること で とても望む の数値が 満足している保護者 よりも特に高かった 満足していない 保護者は 小学校の英語教育に対する要求が高く さらなる英語力の向上を望んでいる ( 図 3-2) 1

結果からの考察 今回の調査では 小学校の 外国語活動 で英語の音声や表現に慣れ親しむ活動が多く行われていことがわかりました また 取り組みを通して 英語で コミュニケーションを図ろうとする態度 が育まれている様子も見られました 子ども調査 の結果からは 総じて小学校の英語教育が順調に行われている印象を受けます しかし 文部科学省が実施した 英語教育改善のための英語力調査 (2014 年 ) によると 多くの高校生が 書くこと 話すこと といった表現力に大きな課題があることが指摘されています 今回の小学生を対象とした調査でも 英語に慣れ親しむ活動 に比べて 自分の考えや気持ちを英語で話す活動 は少し低い比率でした 小学校の 外国語活動 をさらに充実させ 中学校や高等学校での課題を改善するためにも コミュニケーションの楽しさを子どもが体験することが大切です そのような活動を充実させるためには 教員の指導力の向上が欠かせません 学習指導要領には 外国語活動 の目標について 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成 が重要と記載されています 教員研修や大学の教員養成課程で その趣旨を徹底し 教員が指導力を高めるための支援をする必要があります さらに 子どもが英語に触れる機会は 学校の中だけにとどまりません 小学校段階で多くの子どもたちが持っている 英語を使ってみたい という意欲を大切にし 行政 学校 地域 家庭や民間事業者などが連携して 英語でコミュニケーションする機会を増やしていけるとよいと考えます 保護者調査 では 大きな課題も見られました 保護者の 外国語活動 に対する満足度が高くない点です どのような活動をしているか知らない保護者が多いという実態もあります 子どもが英語に対する意欲や関心を高めるためには 家庭との連携が欠かせません 家庭で外国の文化やニュースに触れたり 家族で話題にしたりすることも重要です 保護者の協力を得るためにも 外国語活動 のねらいや活動の様子を 行政や学校がもっと積極的に発信したほうがいいといえる結果です 今回 2011 年度から小学 5 6 年生に導入された 外国語活動 の成果と課題が 様々な形で明らかにされました 多くの子どもたちが 英語を使ってみたい という意欲を持っています この意欲を大切にしながら コミュニケーションの機会を充実させる必要があります ベネッセ教育総合研究所でも 本調査の結果をもとによりよい英語教育の在り方を引き続き考えていきたいと思います 調査概要 名称 調査テーマ 調査方法 調査時期 調査対象 調査項目 調査企画 分析メンバー 小学生の英語学習に関する調査 小学生の英語学習に関する意識と実態 保護者の英語に対する意識や英語学習観 郵送法による質問紙調査 2015 年 3 月 全国の小学 5 年生 6 年生とその保護者 1,565 組 * 東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所共同研究 子どもの生活と学び 研究 PJ の調査モニター < 子ども調査 > 小学校での英語学習 ( 実施状況 内容 ) 英語や外国に対する意識や興味 関心 英語の必要性と使うイメージ 学校外での英語学習 英語学習観 CAN-DO など < 保護者調査 > 小学校での英語学習に対する意識 学校外での英語学習 英語全般に対する意識 保護者の英語学習歴など吉田研作 ( 上智大学教授 ) 酒井英樹 ( 信州大学教授 ) 長沼君主 ( 東海大学准教授 ) 金子真理子 ( 東京学芸大学准教授 ) 木村治生 ( ベネッセ教育総合研究所副所長 東京大学客員准教授 ) 加藤由美子 ( ベネッセ教育総合研究所主任研究員 ) 福本優美子 ( ベネッセ教育総合研究所研究員 ) ベネッセ教育総合研究所のホームページから 本リリース資料をダウンロードできます http://berd.benesse.jp/ 2

主な調査結果 1. 小学 5 6 年生の 6 割が 教室の外で英語を使ってみたい と意欲を示している 図 1-1 学校での英語の授業や活動について * とてもあてはまる + まああてはまる の % * 学校では英語の授業や活動はありますか について ある と回答した人のみ 図 1-2 将来の英語の使用イメージ ( 教室の外で英語を使ってみたい 意欲別 ) 英語を使うことはほとんどない 日常生活で外国の人と英語を話すことがある いつもではないが仕事で英語を使うことがある 仕事ではほとんどいつも英語を使う 教室の外で英語を使ってみたい 無回答 不明 * 教室の外で英語を使ってみたい という項目で とてもあてはまる まああてはまる と回答した人を あてはまる あまりあてはまらない まったくあてはまらない と回答した人を あてはまらない とした 3

図 1-3 英語に関する意識 ( 教室の外で英語を使ってみたい 意欲別 ) 中学校で英語を学ぶことが楽しみだ 英語を使ってみたいと思わない群 36.1 英語を使ってみたいと思う群 80.2 外国の人と友だちになりたい 43.3 84.8 スポーツ選手や英語を使っている大人を見ると自分も英語をがんばろうと思う 36.8 76.4 英語の文のつくりやしくみがおもしろい 28.8 68.0 英語を使って仕事をしたい 17.1 55.2 日本の文化を外国の人に紹介したい 31.2 66.4 英語の音やリズムがおもしろい 50.3 84.1 2020 年の東京オリンピック パラリンピックでは英語で外国の人を おもてなし したい 28.8 61.1 外国の文化やスポーツに興味がある 47.3 77.1 世界で活躍できる人になりたい 34.2 63.9 外国の高校や大学に留学したい 14.6 38.1 英語が話せたらかっこいい 72.8 95.1 英語のテストでいい点を取りたい 71.1 91.6 海外旅行に行きたい 63.9 82.3 英語ができるといい高校や大学に入りやすい 73.5 88.4 英語ができると就職に役立つ 78.4 92.8 通訳や字幕などがあるから英語を学習する必要はない 12.9 19.9 * とてもそう思う + まあそう思う の% * 教室の外で英語を使ってみたい という項目で とてもあてはまる まああてはまる と回答した人を 英語を使ってみたいと思う群 あまりあてはまらない まったくあてはまらない と回答した人を 英語を使ってみたいと思わない群 とした * グラフは 英語を使ってみたいと思う群 と 英語を使ってみたいと思わない群 の差が大きい順に表示している 4

2. 外国語活動 は 英語で コミュニケーションを図ろうとする態度 を育成している 図 2-1 学校での英語の授業や活動 * 学校では英語の授業や活動はありますか について ある と回答した人のみ 図 2-2 コミュニケーションに対する関心 意欲 態度 * とてもそう + まあそう の % * 学校では英語の授業や活動はありますか について ある と回答した人のみ 5

3. 保護者の約 6 割は 外国語活動 に 満足していない 図 3-1-1 学校の英語教育内容の認知 よく知っているだいたい知っているあまり知らないまったく知らない 無回答 不明 0.0 * お子さまは学校で英語教育を受けていますか について 受けている と回答した保護者のみ 図 3-1-2 保護者の満足度 とても満足している まあ満足している あまり満足していない まったく満足していない よくわからない * お子さまは学校で英語教育を受けていますか について 受けている と回答した保護者のみ 無回答 不明 0.0 図 3-2 小学校での英語教育に望むこと ( 満足度別 ) * とても望む の% * お子さまは学校で英語教育を受けていますか について 受けている と回答した保護者のみ * あなたは お子さまの学校で行われている英語教育について 満足していますか という問いで とても満足している + まあ満足している と回答した保護者を 満足している保護者 あまり満足していない + まったく満足していない と回答した保護者を 満足していない保護者 としている 6