消費税の消費への影響 平成 24 年 7 月 23 日戦略企画部統計課 消費税がマクロ経済に与える影響について 消費税が経済に影響を与える仕組み () 代替効果 ( 駆込み需要と反動減 ) 消費税導入 ( 税率引き上げ ) は 導入 ( 税率引き上げ ) 前に消費を増加させ 導入 ( 税率引き上げ ) 後に消費を減少させると考えられます (2) 所得効果消費税導入 ( 税率引き上げ ) は 消費者物価の上昇により家計の実質可処分所得の減少をもたらす 県内総支出 ( 支出側からみた GDP) (%) 5 図 消費税導入及び税率引き上げ時における県内総支出の動き アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀 山一破たん ) 5 5 個人消費寄与度設備投資寄与度住宅投資寄与度財貨 サ-ビスの移出入 ( 純 ) 寄与度その他寄与度県内総支出の伸び率 リーマンショック 景気後退期 S5 S52 S53 S54 S6 S6 H H H ( 年度 ) ( 出所 ) 三重県戦略企画部統計課 県民経済計算 より ( 注 )S5~H 元年は 平成 2 年基準 ~7 年は 平成 7 年基準 ~2 年は 平成 2 年基準 ) 平成元年度の消費税導入時はバブル景気の高成長が続く中で実施され 従来の物品税廃止によって自動車など耐久財の多くが実質減税となったため 平成元年度以降に個人消費寄与度がマイナスになることはありませんでした 一方 平成 9 年度の 5% への税率引き上げ時には 個人消費寄与度はマイナスとなり 住宅投資寄与度も大きくマイナスとなりました しかし 平成 年度以降の個人消費寄与度はプラスが続きます ) 物品税は 乗用車 クーラー等の耐久財 宝飾品 毛皮等の奢侈財等に販売価格の 5~4% が課税されていた 主な物品税率 普通乗用車 23% 小型乗用車 8.5% 軽自動車 5.5% ルームクーラー 2% など
2 自動車登録台数 ( 台 ) 2,, 図 2 消費税導入 税率引き上げ時における自動車登録台数 ( 三重県 ) の推移 景気後退期, 6, 物品税の廃止による反動増 駆け込み需要 反動減 4, アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ リーマンショック 2, 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀 山一破たん ) 東日本大震災 S6 S6 H H H 2 3 平成元年度の消費税導入時には物品税廃止による反動増が顕著にみられます 平成 9 年度の税率引き上げ時には駆け込み需要とその反動減がはっきりとみられます ( 年 ) ( 台 ) 9, 8, 図 3 消費税導入時における自動車登録台数 ( 三重県 季調値 ) の推移 7, 6, 物品税の廃止による反動増 5, 4, 導入前の買い控え 3, 2,, 2 3 4 5 6 7 8 9 2 H 2 3 4 5 6 7 8 9 2 平成元年度の消費税導入時を月別にみると 導入前の買い控えもはっきりと解ります ( 出所 ) 日本自動車販売協会連合会三重県支部 新車登録台数 より ( 備考 ) 新車登録台数 の季節調整済値は 三重県戦略企画部統計課に算出 2
( 台 ), 9, 8, 図 4 消費税率引き上げ時における自動車登録台数 ( 三重県 季調値 ) の推移 景気後退期 ( 年 6 月 ~H 年 2 月 ) 7, 6, 駆け込み需要 反動減 5, 4, 3, アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀 山一破たん ) 2,, 2 3 4 5 6 7 8 9 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 平成 9 年度の税率引き上げ時を月別にみると 駆け込み需要とその反動減もはっきり現れています 消費税導入時 平成元年 4 月 = 消費税引上時 平成 9 年 4 月 = 3 図 5 自動車登録台数 ( 三重県 季調値 ) の推移 税率引き上げ月 平成 9 年 4 月 2 税率引き上げ月 年 4 月 = 消費税導入月 H 元年 4 月 = 7 消費税導入月 平成元年 4 月 -2 - - -9-8 -7-6 -5-4 -3-2 - 2 3 4 5 6 7 8 9 2 ( 消費税導入月 税率引き上げ月からの経過月 ) 導入時には買い控えと反動増 引き上げ時には駆け込み需要と反動減がはっきりとみられます ( 出所 ) 日本自動車販売協会連合会三重県支部 新車登録台数 より ( 備考 ) 新車登録台数 の季節調整済値は 三重県戦略企画部統計課に算出 3
3 新設住宅着工戸数 ( 戸 ) 3, 25, 図 6 消費税導入 税率引き上げ時の新設住宅着工戸数 ( 三重県 ) の推移 駆け込み需要 景気後退期 2, 反動減 5,, 景気対策の側面が加わった住宅ローン減税スタート ( 昭和 6 年 ~) 平成 9 年 5 月 ~ アジア通貨危機 リーマンショック 5, 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀 山一破たん ) 東日本大震災 S6 S6 H H H 2 3 平成元年の消費税導入の際には バブル景気だったこともあり 住宅需要への影響はそれほど なく むしろ昭和 6 年から始まった景気対策の側面が加わった住宅ローン減税のスタートが 住 宅需要を押し上げています 平成 9 年の税率引上げ時には 駆け込みと反動減が鮮明に ( 年 ) ( 戸 ) 2,5 図 7 消費税導入時における新設住宅着工戸数 ( 三重県 ) の推移 2,,5, 5 2 3 4 5 6 7 8 9 2 H 平成元年の消費税導入時を月別にみると 影響はあまりみられません 2 3 4 5 6 7 8 9 2 ( 出所 ) 国土交通省 建設着工統計 より 4
( 戸 ) 3, 図 8 消費税税率引き上げ時における新設住宅着工戸数 ( 三重県 ) の推移 2,5 2, 景気後退期 ( 年 6 月 ~H 年 2 月 ),5, 駆け込み需要 反動減 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀 山一破たん ) 5 平成 9 年 5 月アジア通貨危機 2 3 4 5 6 7 8 9 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 平成 9 年 4 月の税率引き上げの際には 駆け込み需要とその反動減がみられます 平成 9 年度の税率引き上げ時を月別にみると 駆け込み需要が平成 8 年末まであり その反動減が平成 9 年 月くらいからみられます なお, 税率引上げ前から住宅着工戸数が減少しているのは このような前倒し需要の反動が現れたことによるものと考えられます 消費税導入時 平成元年 4 月 = 消費税引上時 平成 9 年 4 月 = 2 税率引き上げ月 年 4 月 = 図 9 新設住宅着工戸数 ( 三重県 ) の推移 税率引き上げ月 平成 9 年 4 月 6 4 2 消費税導入月 H 元年 4 月 6 4 消費税導入月 平成元年 4 月 -2 - - -9-8 -7-6 -5-4 -3-2 - 2 3 4 5 6 7 8 9 2 ( 消費税導入月 税率引き上げ月からの経過月 ) 平成元年度の消費税導入の際は あまり変化はみられません 平成 9 年度の税率引き上げの際には 直前ではありませんが駆け込み需要がみられ 少し早いその反動減がみられます ( 出所 ) 国土交通省 建設着工統計 より 5
(%) 3 2 図 消費税導入及び税率引き上げ時における新設住宅着工戸数 ( 三重県 ) の動き アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ 景気後退期 リーマンショック 2 3 4 持家寄与度 貸家寄与度 給与住宅寄与度 分譲住宅寄与度 新設住宅着工戸数の伸び率 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀 山一破たん ) S5 S52 S53 S54 S6 S6 H H H 2 3 ( 年 ) ( 出所 ) 国土交通省 建設着工統計 より 平成元年の消費税導入に際しての変化としては 前年の昭和 63 年に貸家と持家で対前年比 9.% の落ち込みが特徴的なくらいで 基本的にはバブル景気をベースに推移しています しかし 平成 9 年の税率引き上げの際には 前年の平成 8 年に持家と貸家を中心に駆け込み需要があり 対前年比 23.% 増加し その反動減で平成 9 年には持家を中心に対前年比 8.8% 減少し その後は平成 4 年まで 6 年連続して対前年比減で推移しています (%) 4 3 2 図 消費税税率引き上げ時における新設住宅着工戸数 ( 三重県 ) の動き 景気後退期 (.6~H.2) アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ 2 3 4 5 2 持家寄与度 給与住宅寄与度 新設住宅着工戸数の伸び率 貸家寄与度 分譲住宅寄与度 3 4 5 6 7 8 9 2 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀 山一破たん ) 2 3 4 5 6 7 8 9 2 ( 出所 ) 国土交通省 建設着工統計 より 消費税導入の平成元年は決定から実施までの期間が短かったことから 経過措置 2) が設けられたことに伴う住宅投資の前倒し需要があまり生じませんでした これに対し 平成 9 年の税率引き上げの時は 税率引上げ決定から経過措置 3) までの期間が長く このことも前倒し需要を大きくしたものと考えられます なお, 税率引上げ前から住宅投資が低下しているのは このような前倒し需要の反動が現れたことによるものと考えられます 2) 昭和 63 年 2 月 3 日までに契約すれば 平成元年 4 月以降に引渡しがあった場合でも消費税が免除される措置 3) 平成 8 年 9 月末までに契約すれば 平成 9 年 4 月以降に引渡しがあった場合でも 3% の消費税率が適用される措置 6
4 消費者物価指数 ( 平成 22 年 =) (2=) 図 2 消費税導入 税率引き上げ時における三重県消費者物価指数の推移 第 2 次石油危機 (%) 図 3 消費税導入 税率引き上げ時における三重県消費者物価指数 ( 対前年比 ) の推移 3 第 次石油危機 25 7 6 第 次石油危機 消費税導入 消費税税率引き上げ 世界的な石油価格や穀物価格の高騰 2 5 第 2 次石油危機 消費税導入 消費税税率引き上げ 世界的な石油価格や穀物価格の高騰 5 5 4 3 S46 S47 S48 S49 S5 S5 S52 S53 S54 S6 S6 H H H 2 3 ( 年 ) 5 S46 S47 S48 S49 S5 S5 S52 S53 S54 S6 S6 H H H 2 3 ( 年 ) ( 出所 ) 三重県戦略企画部統計課 消費者物価指数 より 消費税の導入 ( 平成元年 ) 対前年で 2.2 上昇 対前年比で 2.4% 上昇その後 2 年は 3% 台の伸び 税率引き上げ ( 平成 9 年 ) 対前年で.8 上昇 対前年比.8% 上昇翌年.% 上昇しますが その後は 5 年連続で前年を下回ります 参考 第 次石油危機 ( 昭和 49 年 ) 対前年で.5 上昇 対前年比で 26.% 上昇 第 2 次石油危機 ( 昭和 55 年 ) 対前年で 6.7 上昇 対前年比で 9.3% 上昇 世界的な石油価格 穀物価格の高騰 ( 平成 2 年 ) 対前年で.8 上昇 対前年比で.8% 上昇 (2=) 96 図 4 消費税導入時における三重県消費者物価指数の推移 (2=) 5 図 5 消費税税率引き上げ時における三重県消費者物価指数の推移 94 4 92 消費税導入 3 2 消費税税率引き上げ 88 86 99 84 98 82 2 3 4 5 6 7 8 9 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 H 97 2 3 4 5 6 7 8 9 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 2 3 4 5 6 7 8 9 2 H ( 出所 ) 三重県戦略企画部統計課 消費者物価指数 より 消費税の導入 ( 平成元年 4 月 ) 対前月で.7 上昇し その後も増加傾向で推移します 税率引き上げ ( 平成 9 年 4 月 ) 対前月で.6 上昇しますが その後はおおむね横ばいで推移します 7
消費税導入時 平成元年 4 月 = 消費税引上時 平成 9 年 4 月 = 5 図 6 消費税導入及び税率引き上げ時における三重県消費者物価指数の推移 消費税導入時 5 95 消費税税率引き上げ時 年前 年後 2 年後 3 年後 4 年後 5 年後 6 年後昭和 63 年 4 月平成元年 4 月平成 2 年 4 月平成 3 年 4 月平成 4 年 4 月平成 5 年 4 月平成 6 年 4 月平成 7 年 4 月 ( 導入時 ) 平成 8 年 4 月平成 9 年 4 月平成 年 4 月平成 年 4 月平成 2 年 4 月平成 3 年 4 月平成 4 年 4 月平成 5 年 4 月 ( 引上時 ) ( 出所 ) 三重県戦略企画部統計課 消費者物価指数( 平成 22 年基準 ) より導入 引き上げ時ともに上昇し その後は引き上げ時のみ低下していきます 図 7 消費税導入及び税率引き上げ時における三重県消費者物価指数 ( 大 中分類別 ) の推移 ( 消費税導入時 平成元年 = 消費税引き上げ時 平成 9 年 =) 2 5 消費税導入時 食料 6 4 2 消費税導入時 住居 5 95 消費税税率引き上げ時 -5 年 -3 年 - 年 年 3 年 5 年 7 年 9 年 年 3 年 年 S6 年 年 年 年 年 年 H 年 年 年 ( 導入時 ) 年 年 年 H 年 年 年 年 年 年 2 年 ( 引上時 ) 消費税税率引き上げ時 6-5 年 -3 年 - 年 年 3 年 5 年 7 年 9 年 年 3 年 年 S6 年 年 年 年 年 年 H 年 年 年 ( 導入時 ) 年 年 年 H 年 年 年 年 年 年 2 年 ( 引上時 ) 家庭用耐久財 電気冷蔵庫 電気掃除機 電気洗濯機など 被服及び履物 衣料 履物 被服関連サービスなど 2 消費税導入時 家庭用耐久財 2 5 消費税導入時 被服及び履物 5 7 95 6 消費税税率引き上げ時 消費税税率引き上げ時 5 85 4-5 年 -3 年 - 年 年 3 年 5 年 7 年 9 年 年 3 年 年 S6 年 年 年 年 年 年 H 年 年 年 ( 導入時 ) 年 年 年 H 年 年 年 年 年 年 2 年 ( 引上時 ) -5 年 -3 年 - 年 年 3 年 5 年 7 年 9 年 年 3 年 年 S6 年 年 年 年 年 年 H 年 年 年 ( 導入時 ) 年 年 年 H 年 年 年 年 年 年 2 年 ( 引上時 ) 2 5 自動車等関係費 自動車 自転車 自動車等維持 ( 整備 ) 費など 消費税導入時 自動車等関係費 6 4 2 教養娯楽用耐久財 テレビ パソコン ビデオレコーダー カメラなど 消費税導入時 教養娯楽用耐久財 5 95 6 85 消費税税率引き上げ時 -5 年 -3 年 - 年 年 3 年 5 年 7 年 9 年 年 3 年 年 S6 年 年 年 年 年 年 H 年 年 年 ( 導入時 ) 年 年 年 H 年 年 年 年 年 年 2 年 ( 引上時 ) 耐久財は 導入 引き上げ後ともに低下しています 4 2 消費税税率引き上げ時 -5 年 -3 年 - 年 年 3 年 5 年 7 年 9 年 年 3 年 年 S6 年 年 年 年 年 年 H 年 年 年 ( 導入時 ) 年 年 年 H 年 年 年 年 年 年 2 年 ( 引上時 ) 8
5 消費総合指数 ( 平成 7=) (=) 図 8 消費税税率引き上げ時における消費総合指数 ( 全国 ) の推移 5 95 東日本大震災 85 消費税税率引き上げ H H 2 3 4 ( 出所 ) 内閣府 消費総合指数 より ( 備考 ) 消費総合指数 とは 需要面 供給面からみた消費の動きを総合的に示す指数 消費税率引き上げ時 ( 平成 9 年 4 月 ) には 5.7 ポイント低下しました これは東日本大震災 ( 平成 23 年 3 月 ) 時の 5.6 ポイントの低下とほぼ同じです ( 年 4 月 = ) 2 5 5 95 85 図 9 形態別消費総合指数 ( 全国 ) の推移 ( 年 4 月 = ) 駆け込み需要 非耐久財 ( 食料品等 ) 半耐久財 ( 被服 履物等 ) サービス リーマンショックによる落ち込み 東日本大震災による落ち込み 消費総合 35 3 25 2 5 75 7 年 4 月 = 7 耐久財 右目盛 ( 自動車やテレビ パソコン等 ) 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 H H 2 3 4 5 ( 出所 ) 内閣府 消費総合指数 より 平成 9 年 4 月の消費税率引き上げ時には 保存の効く耐久財 半耐久財を中心に駆け込み需要があり その反動減は耐久財にみられましたが 一時的ですぐに回復しています 税率引き上げ後 半耐久財が低下し続けていくが特徴的です 9
6 大型小売店販売額 ( 億円 ) 図 2 消費税導入及び税率引き上げ時における大型小売店販売額 ( 三重県 ) の推移 景気後退期 7 6 5 4 3 アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀 山一破たん ) リーマンショック 2 東日本大震災 H H H 2 3 4 ( 四半期別 ) ( 出所 ) 中部経済産業局 大型小売店販売額 より 平成元年の消費税導入の際は 大きな変化は無く堅調に推移しています 平成 9 年の税率引き上げの際は 導入時よりは駆け込み需要とその反動減がみられます
7 家計調査 ( 百万円 ) 7 図 2 実質可処分所得の推移 65 三重県 全国平均 6 55 5 45 4 S5 S5 S52 S53 S54 S6 S6 H H H 2 ( 出所 ) 総務省 家計調査 三重県戦略企画部統計課 消費者物価指数 より作成 ( 備考 ) 実質可処分所得は 世帯当たり年平均 か月間の可処分所得 2 か月 消費者物価指数 ( 帰属家賃を除く総合 ) にて実質化 ( 平成 22 年基準 ) しました ( 年 ) 全国平均の実質可処分所得をみると 導入 引上げ時の年はともに低下していますが 引上時の方が大きく低下しています 導入後は再び増加基調に戻りますが 税率引上げ後は低下していきます (%) 85 図 22 平均消費性向の推移 三重県 全国平均 75 7 65 6 S5 S5 S52 S53 S54 S6 S6 H H H 2 ( 年 ) ( 出所 ) 総務省 家計調査 より ( 備考 ) 平均消費性向とは 可処分所得に占める消費支出の割合 全国平均の平均消費性向をみると 導入 引上げ時の年はともに上昇していますが 引上時の方が大きく上昇しています 導入後は再び低下傾向に戻りますが 税率引上げ後は平成 年から上昇に転じるようになります
消費税と消費支出との関連についての分析 ( 補足 ) 概要 ここでは 平成元年 4 月の消費税導入や平成 9 年 4 月の消費税税率引き上が消費支出に与えた影響について分析しました なお 消費税の導入と同様な影響を及ぼすと考えられるエコカー補助金の終了時についても比較を行っています 2 消費税導入等の消費への影響について 年間の消費水準指数について 総合及び 交通 通信 の指数の推移は次のグラフのとおりとなっています 消費水準指数 : 消費支出から世帯規模 ( 人員 ), か月の日数及び物価水準の変動の影響を取り除いて計算した指数 交通 通信 には自動車等購入以外に 自動車等維持 交通 通信等を含む 消費水準指数 ( 世帯人員分布調整済 )- 二人以上の世帯 ( 平成 22 年 =) 2. 消費税導入 税率引上 エコカー補助金終了 ( 東日本大震災 ).... 7. 6. 5. 4. ~ 6 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 2 3 4 5 6 7 8 9 2 2 22 23 総合 交通 通信 網掛部分は景気後退期 平成元年の消費税導入時はバブル景気の最中であり 消費への影響は見られない 税率引上後の平成 年は総合指数が低下しているが 平成 9 年 月以降の金融危機やアジア通貨危機の影響も大きいと考えられる 平成 2,22 年の 交通 通信 指数の上昇はエコカー補助金等の影響と考えられる 23 年の低下はその反動減もあるが 大震災の影響も大きいと考えられる 2
3 消費税導入等前後における四半期別の消費の動向について 消費水準指数 ( 総合 交通 通信 )) について 四半期別の動きを見ると次のグラフのとおりとなっています 消費水準指数 ( 世帯人員分布調整済 )- 二人以上の世帯季節調整値 ( 四半期 ) 平成 22 年 = < 消費税導入時 > 平成元年 4 月 ( 第 Ⅱ 四半期 ) < 消費税引上時 > 平成 9 年 4 月 ( 第 Ⅱ 四半期 )... 7.. 6. 7. ~ ~ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 昭和 63 年平成元年平成 2 年.... 7. ~ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 平成 8 年平成 9 年平成 年 平成元年の消費税導入時や 9 年の税率引き上げ時において それぞれ前四半期の指数は上昇しており 駆け込み需要が見られた また 導入 ( 引上 ) 後の四半期は一時的な反動減が見られるが その後はまちまちで 消費税の影響は明確ではない 導入時は同時に自動車等の物品税廃止もあったため 駆け込み需要と反動減は緩和されている < エコカー補助金 > 平成 2 年 4 月 ~22 年 9 月.... 7. ~ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 平成 2 年平成 2 年平成 22 年平成 23 年 総務省 家計調査報告平成 23 年平均速報結果の概況より 平成 2 年のエコカー補助金の導入後から終了にかけて 交通 通信 の指数は高水準であったが 終了後はその反動減が大きくなっている 平成 23 年第 四半期は反動減からの回復が見られたが その後大震災の影響で大幅に低下した 3
< 参考 > 消費税導入等に伴う県内生産への影響について 消費税導入等前後の四半期について三重県の鉱工業指数の動きをみると次のグラフのとおりです < 消費税導入時 > 平成元年 4 月 ( 第 Ⅱ 四半期 ) < 消費税引上時 > 平成 9 年 4 月 ( 第 Ⅱ 四半期 ) < エコカー補助金 > 平成 2 年 4 月 ~22 年 9 月 4 3 昭和 6 年 = 2 輸送用機械 鉱工業 耐久消費財 非耐久消費財 7 6 ~ 5 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 昭和 63 年 平成元年 平成 2 年 7 平成 7 年 = 6 耐久消費財 5 輸送用機械 4 3 2 鉱工業非耐久消費財 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 平成 8 年 平成 9 年 平成 年 3 平成 7 年 = 2 鉱工業輸送用機械 7 6 5 4 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 平成 2 年 平成 2 年 平成 22 年 平成 23 年 消費税導入時 引上時とも各指数が当該四半期や次四半期に上昇する等 消費税導入 ( 引上 ) による落ち込みは見られない エコカー補助金実施期間においては 輸送用機械の指数はほぼ横ばいでそれまでの低下傾向に歯止めがかかっているが 補助金終了後の 2 四半期は 反動減で輸送用機械の指数は大きく低下 その後平成 23 年第 Ⅱ 四半期は震災の影響もありさらに低下 4