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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成23年度税制改正の主要項目

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

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個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

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2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

3. 生命保険料控除の改組 1 平成 24 年 1 月 1 日以後に締結した保険契約等 ( 新契約 ) に係る生命保険料控除は 新たに介護保険料控除を設け 一般生命保険 個人年金保険のそれぞれの適用限度額を 4 万円とし 合計適用限度額が 12 万円に引き上げる 2 平成 23 年 12 月 31

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

Microsoft Word - 平成15年税制改正(2).doc

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

平成18年度地方税制改正(案)について

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

平成19年度分から

Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税

平成19年度市民税のしおり

スライド 1

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

平成20年2月

税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

平成16年版 真島のわかる社労士

(0830時点)PR版

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

申告所得税関係 手続名 帳票名平成年分セルフメディケーション税制の明細書 ( 次葉 ) 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 平成 年分給与所得の源泉徴収票 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分特定口座年間取引報告書 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 ( 平成

法人税 faq

申告者と配偶者の合計所得金額の入力フォーム 申告者 ( 給与の支払いを受ける人 ) の事業所得 雑所得 配当所得 不動産所得 その他の所得の収入金額と必要経費を入力して合計所得金額を計算します 申告者の合計所得金額が 900 万円を超えると 配偶者控除または配偶者特別控除の控除額が変動します 申告者

平成19年度税制改正.xls

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

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平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

9. 移転価格税制の見直し 10. 給与の源泉徴収票の電子交付 11. 特定口座年間取引報告書の電子交付 12. 特定口座に係るみなし廃止制度の見直し 13. 郵送等に係る書類の提出時期の見直し 14. 期限後申告書に係る無申告加算税の見直し 15. 不納付加算税の見直し 16. 無申告加算税の割合

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

平成23年度税制改正大綱(閣議決定)における要望実現項目

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

ワコープラネット/標準テンプレート

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

2011年税制改正のポイント

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

平成10年8月

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

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PowerPoint プレゼンテーション

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投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

15 18 定率減税の縮減 (15% 控除 7.5% 控除 (2 万円上限 )) 資本金等の額 ( 税法に規定する資本金等の額又は連結個別資本金等の額 ) が 50 億円超 800,000 円 10 億円超 50 億円以下 540,000 円 1 億円超 10 億円以下 130,000 円 1 千万

法人税 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設教育資金贈与の見直し非上場株式等に係る贈与税 相続税の納税猶予制度の見直し法人税率の引き下げについて 個人 (20 歳以上 50 歳未満の者に限る 以下 受贈者 という ) の結婚 子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属 ( 以下

法人税制改正詳解 CONTENTS はしがき 第 1 章平成 23 年 12 月改正 第 1 節 法人税率の引下げ 2 1 改正の趣旨及び内容 2 2 税率引下げの必要性 5 3 実効税率の計算への改正の影響 7 4 適用関係 8 5 実効税率と復興特別法人税との関係 8 6 法

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

第6回税制調査会 総6-3

1 生命保険料控除が改組され『介護医療保険料控除』が新設されました

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

上場株式等の配当等に対する課税

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2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

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イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

やさしい税金教室

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

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事務所通信増刊 平成 23 年度改正税法特集号 追録 平成 23 年度税制改正未成立のため特集号の内容にご注意ください 事務所通信増刊 平成 23 年度改正税法特集号 では 平成 23 年度税制改正法案の中でも 影響が大きそうな改正事項について 税制改正大綱等をもとに改正ポイントをいち早く紹介しています しかしご承知のとおり 本年度は例年と異なり 改正法案が1 月 25 日に国会に提出されましたが 衆議院を通過しておらず 4 月 1 日時点において 税制改正法案が成立していない状況にあります こうした状況の下 混乱を回避するためのいわゆる つなぎ法案 ( 国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律 ) が国会で3 月 31 日に可決成立しています 平成 23 年度改正税法特集号は あくまで平成 23 年度税制改正大綱に基づく内容であっ て 成立した内容ではないことにご注意いただくとともに つなぎ法案 により6 月 末まで延長されている項目もありますのでご留意ください < 税制改正法案の未成立及び つなぎ法案 の成立に伴う特集号のご注意 > 企業関係 1. 法人税率の引下げについて税制改正法案が未成立のため 平成 23 年 4 月 1 日以後開始事業年度からの適用となっている引下げは実施されていません 法人税基本税率 ( 国税 ) は従前どおり30 % のままです 2. 中小法人の軽減税率を15% に引下げについて つなぎ法案 により 中小法人の所得金額のうち800 万円以下の部分に適用される軽減税率 18% の適用が平成 23 年 6 月 30 日まで延長され 4 月 1 日から6 月 30 日までの間に終了する事業年度についても適用されることになります なお 税制改正法案が未成立のため 平成 23 年 4 月 1 日から同 26 年 3 月 31 日までの間に開始する事業年度について適用となっている軽減税率の15% への引下げは実施されていません 3. 減価償却制度の縮減について税制改正法案が未成立のため 平成 23 年 4 月 1 日以後に取得する減価償却資産の定率法の償却率の縮減は実施されていません したがって定率法の償却率は 従前どおり定額法の償却率の2.5 倍です 4. 青色欠損金の繰越控除制度 貸倒引当金制度の見直しについて 1 青色欠損金の繰越控除期間の延長税制改正法案が未成立のため 平成 20 年 4 月 1 日以後終了した事業年度に生じた欠損金額に適用される青色欠損金の繰越控除の繰越期間の延長は実施されず7 年のままです - 1 -

2 欠損金の繰越控除制度等の控除範囲の制限と貸倒引当金制度の適用限定税制改正法案では 中小法人等 ( 資本金等の額が1 億円以下の普通法人など ) をこの制限等の対象から除外していますが 税制改正法案が未成立のため適用関係は従前どおりです 5. 寄附金の損金算入限度額の引下げについて税制改正法案が未成立のため 一般の寄附金の損金算入限度額は引き下げられず 従前どおり 資本金等の額の1,000 分の2.5 相当額と所得金額の100 分の2.5 相当額との合計額の2 分の1のままです 6. 雇用促進税制の創設について税制改正法案が未成立のため 平成 23 年 4 月 1 日から同 26 年 3 月 31 日までの間に開始する事業年度に従業員を増やした企業の法人税を減税する制度の創設は実施されていません 7. 環境関連投資促進税制の創設について税制改正案が未成立のため エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却または特別控除の見直しによる環境関連投資促進税制の創設 ( 改組 ) は実施されず つなぎ法案 により従前のエネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却または特別控除が6 月 30 日まで延長されます 8. 租税特別措置の廃止 縮減等について [ 廃止されるもの ( 適用期限の到来により )] 1 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の特例 つなぎ法案 により 総額型 の税額控除限度額は30% のまま6 月 30 日まで延長されます つまり6 月 30 日まで研究開発税制は縮減されず従前どおりです 2 中小企業等基盤強化税制 つなぎ法案 により 6 月 30 日まで延長されます 中小企業等基盤強化税制に含まれている中小企業者等の教育訓練費に係る特別税額控除なども6 月 30 日まで延長されます 3 地震防災対策用資産の特別償却制度 つなぎ法案 により 6 月 30 日まで延長されます [ 延長 拡充等されるもの ] 1 医療用機器等の特別償却制度税制改正法案が未成立のため一定の見直しは行われず 従前のまま つなぎ法案 により6 月 30 日まで延長されます 2 高齢者向け優良賃貸住宅の割増償却制度税制改正法案が未成立のため見直しは行われず 従前のまま つなぎ法案 により 6 月 30 日まで延長されます 3 特定の資産の買換の場合等の課税の特例税制改正法案が未成立のため 買換資産の対象区域等の見直しは行われず つなぎ法案 により 従前のまま6 月 30 日まで延長されます - 2 -

個人所得関係 1. 給与所得控除の見直しについて 1 給与所得控除の上限設定税制改正法案が未成立のため 平成 24 年分以後の所得税及び平成 25 年度分以後の個人住民税について 給与等の収入金額が1,500 万円超の場合の給与所得控除額について245 万円に上限を設ける見直しは行われていません 2 役員給与等に係る給与所得控除の見直し税制改正法案が未成立のため 平成 24 年分以後の所得税及び平成 25 年度分以後の個人住民税について 役員給与等に係る給与所得控除の見直しは行われていません 3 給与所得者の特定支出控除の見直し税制改正法案が未成立のため 平成 24 年分以後の所得税及び平成 25 年度分以後の個人住民税について 特定支出控除の特定支出の範囲に職務と関連のある図書購入費などの費用を追加するなど見直しは行われていません 2. 役員等の退職金の課税方法の見直しについて税制改正法案が未成立のため 平成 24 年分以後の所得税などおいて 特定の法人役員等 ( 役員等としての勤続年数が5 年以下の人 ) が受ける退職所得の金額について 退職所得控除額を控除した残額の2 分の1とする措置の廃止は行わていません 3. 成年扶養控除の対象を限定について税制改正法案が未成立のため 平成 24 年分以後の所得税及び平成 25 年度分以後の個人住民税について 成年扶養控除の対象を限定する見直しは行われていません 4. 上場株式等の配当 譲渡所得等の軽減税率延長について税制改正法案が未成立のため 上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10% 軽減税率 ( 所得税 7% 住民税 3%) の適用期限は延長されず 従前どおり平成 23 年 12 月 31 日までのままです 5. 認定 NPO 法人等への寄附に税額控除制度導入について税制改正法案が未成立のため 平成 23 年分以後の所得税について適用となっている 個人が認定 NPO 法人等に支出した寄附金の税額控除制度の導入は行われていません 6. 租税特別措置の縮減 延長等について [ 縮減 延長等されるもの ] 1 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除等の見直し つなぎ法案 にはなく 税制改正法案も未成立のため 見直しも平成 24 年 12 月 31 日までの2 年延長も行われていません 適用は 従前どおり平成 22 年 12 月 31 日までに居住した場合のままです 2 電子申告に対する所得税額の特別控除延長 つなぎ法案 にはなく 税制改正法案も未成立のため 見直しも 平成 19 年から平成 24 年の各年分の所得税 との2 年延長も行われていません 適用は 従前どおり 平成 19 年から平成 22 年までの各年分の所得税 のままです - 3 -

7. その他 1 年金所得者の申告手続の簡素化税制改正法案が未成立のため 平成 23 年分以後の所得税について適用される 公的年金等の収入金額が400 万円以下で かつその年金以外の所得金額が20 万円以下の人に対する確定申告不要制度の創設は行われていません また平成 24 年 1 月 1 日以後に支払われる公的年金等について適用となっている 公的年金等に係る源泉徴収税額計算において控除対象とされる人的控除への寡婦 ( 寡夫 ) 控除の追加は行われていません 2 所得税の確定申告書の提出期間 ( その年の翌年 2 月 16 日から3 月 15 日まで ) の見直し税制改正法案が未成立のため 平成 23 年分以後の所得税について適用される 申告義務のある人の還付申告書について その年の翌年 1 月 1 日から提出できるようにするとの見直しは行われていません 相続贈与関係 1. 相続税の基礎控除の引下げと税率区分の見直しについて以下の改正事項は 平成 23 年 4 月 1 日以後の相続または遺贈により取得する財産の相続税について適用となっていますが 税制改正法案が未成立のため実施されていません 1 相続税の基礎控除の引下げ税制改正法案が未成立のため 基礎控除を3,000 万円 +(600 万円 法定相続人数 ) として引き下げる見直しは実施されず 従前どおりです 2 死亡保険金に係る非課税限度額の縮小税制改正法案が未成立のため 死亡保険金の非課税限度額の算定基準となる 法定相続人 の範囲を限定する見直し実施されず 従前どおりです 3 相続税の税率区分の見直し税制改正法案が未成立のため 最高税率を55% に引き上げ 税率区分を8 段階にする見直しは実施されず 従前どおり最高税率は50% で税率区分は6 段階のままです 4 未成年者控除及び障害者控除の見直し税制改正法案が未成立のため 未成年者控除額及び障害者控除額の引上げは実施されず 従前どおりです 2. 相続時精算課税制度の見直しについて以下の改正事項は 原則として 平成 23 年 1 月 1 日以後の贈与により取得する財産の贈与税について適用となっていますが 税制改正法案が未成立のため実施されていません 1 相続時精算課税制度の適用要件の拡充イ. 受贈者の範囲に20 歳以上の孫を追加する見直しは 税制改正法案が未成立のため実施されていません 従前どおり20 歳以上の推定相続人のみです - 4 -

ロ. 贈与者の年齢要件を 60 歳以上 に引き下げる見直しは 税制改正法案が未成立のため実施されていません 従前どおり 65 歳以上 です 2 相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率区分の見直し税制改正法案が未成立のため 相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率区分の見直しはなされず 従前どおりです 3. 住宅取得等資金贈与の非課税制度の拡充について税制改正法案が未成立のため 平成 23 年 1 月 1 日以後の贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税に適用となっている 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の適用対象となる住宅取得等資金の範囲に 住宅の新築等に先行してその敷地用の土地等を取得するための資金を追加する見直しは行われていません つまり従前どおり 住宅の新築等に先行して敷地用の土地等を取得するための資金は非課税制度の対象にはなっていません 消費税 その他 1. 消費税の見直しについて 1 消費税の免税事業者の要件を見直し税制改正法案が未成立のため 消費税の事業者免税点制度の適用を受ける事業者のうち 一定の課税売上高が1,000 万円を超える事業者については免税点制度が適用されないという見直しは行われていません 2 課税売上割合が95% 以上の場合の仕入税額控除の見直し税制改正法案が未成立のため 平成 24 年 4 月 1 日以後に開始する課税期間から適用となっている 課税売上割合が95% 以上の場合に課税仕入れ等の税額の全額を仕入税額控除できるという制度における課税売上高が5 億円以下の事業者に限定して適用する見直しは行われていません 2. 環境税 ( 地球温暖化対策税制 ) の課税強化について税制改正法案の未成立のため 平成 23 年 10 月 1 日から段階的実施となっている 石油石炭税に各燃料のCO2 排出量に応じての税率上乗せは行われていません 3. 不動産譲渡の契約書の印紙税率の特例延長について つなぎ法案 により 6 月 30 日まで延長されます 平成 23 年 4 月 1 日から同年 6 月 30 日までに作成された不動産の譲渡に関する契約書等について 従前どおり印紙税の軽減税率が引き続き適用されます 納税環境整備 1. 更正の請求期間 ( 従前 1 年 ) を5 年に延長について 1 更正の請求期間の延長税制改正法案が未成立のため 平成 23 年 4 月 1 日以後に法定申告期限等が到来する国税に適用することになっている 更正の請求期間の5 年への延長は行われていません * 更正の請求 とは 納税者が申告税額の減額を求める手続をいいます - 5 -

2 内容虚偽の更正請求書の提出に対する処罰税制改正法案が未成立のため 平成 23 年 6 月 1 日以後に行う更正の請求に適用することになっている 内容虚偽の更正請求書を提出した場合の処罰規定の創設は行われていません 2. 税務調査を文書で事前通知について 1 税務調査の事前通知税制改正法案が未成立のため 平成 24 年 1 月 1 日以後に納税義務者等に対して調査等に係る質問検査等について適用されることになっている 税務調査の書面による事前通知は実施となっていません 2 税務調査の文書による終了通知税制改正法案が未成立のため 平成 24 年 1 月 1 日以後に納税義務者等に対して調査等に係る質問検査等について適用されることになっている 税務調査終了時における調査結果の書面による通知は実施となっていません * 租税特別措置法と つなぎ法案 所得税や法人税 相続税 消費税などの国税全般にわたって 本則 ( 例 : 所得税であれば本体である所得税法 ) とは別に特例措置を定めているのが租税特別措置法で その多くは適用期限が設けられています 上記の つ なぎ法案 は 国民生活や企業活動に混乱を招く事態を避けるために 3 月末で期限切れとなる租税特別措置 法等の一部を平成 23 年 6 月 30 日まで延長する内容となっています 以上 - 6 -