目次 調査結果 はじめに 3 キャリアのウルトラマラソンに備えるトレーニング 5 会社に残るか 今すぐ転職するか 8 新たな働き方 11 実践的アドバイス ラーナビリティ 学習意欲 13 実践的アドバイス 16 エキスパートの視点 17 ミレニアル世代に キャリアについて質問しました 自分のキャリア

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ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン 調査結果とワークフォースエキスパートからの 実践的アドバイス

目次 調査結果 はじめに 3 キャリアのウルトラマラソンに備えるトレーニング 5 会社に残るか 今すぐ転職するか 8 新たな働き方 11 実践的アドバイス ラーナビリティ 学習意欲 13 実践的アドバイス 16 エキスパートの視点 17 ミレニアル世代に キャリアについて質問しました 自分のキャリアにどれくらい自信がありますか スキル開発をどの程度重視していますか いつまで働きますか 途中でキャリアを中断する予定は ありますか 雇用の安定とは何だと思いますか それはどれくらい 重要ですか 会社に残りたいと思う理由は何ですか 2 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン

はじめに 世界のワークフォース 世代別 2020 年 1 2020 年には ミレニアル世代 1982 1996 生まれ が世界のワークフォー ス 労働力 の 3 分の 1 以上を占めます この世代に関するレポートが多く 書かれている理由のひとつは そこにあります ミレニアル世代は忠誠心が 低く 自己中心的で怠け者だという意見もあれば 彼らはデジタル起業家や イノベーターの世代だともてはやす声もあります また周囲が作り出した虚 像の打破を目指す者もいます グーグルの検索ウィンドウに ミレニアル世 代とは と打ち込めば 彼らをめぐる様々な固定観念に出会えます このレポートは ミレニアル世代に関する他のレポートとは異なります 本 書では 企業と社員双方の視点から得た新鮮な洞察に基づき 新たな知見を 提示します マンパワーグループは 働く世界のエキスパートとして社員 30,000 人を擁し 毎年 40 万社のクライアントに 採用決定と人材育成に関 するアドバイスを提供しています 当社は 340 万人に仕事を紹介しており その約半数がミレニアル世代です 私たちは定量調査を実施し 25 カ国のミレニアル世代 19,000 人 マンパ ワーグループのアソシエイト 8,000 人を含む と採用担当者 1,500 人以上 を対象に 仕事に求めること 彼らが望む能力開発の機会 会社に残りたい と思う理由などを尋ねました ミレニアル世代とそれ以前の世代の間に違いはあるのか あるとすればそれ はどんな違いかを探るためです 上位数パーセントのテクノロジーに精通し た高所得層だけでなく 多様な業種 所得 教育水準の新卒者 既卒者を含め 働くすべてのミレニアル世代を代表するサンプルを集めるよう配慮しました 企業が人材戦略を見直すべき時が来ています このレポートは 優秀なミレ ニアル世代を 21 世紀のワークフォースとして引き付け 確保 育成し その 35% ミレニアル世代 35% ジェネレーション X 24% ジェネレーション Z 6% ベビーブーマー 意欲を高めるための明確な提言を示す 実践的なガイドブックシリーズの第 1 弾です 2020 年には ミレニアル世代が世界の ワークフォースの 3 分の 1 以上を占めます マンパワーグループによる国連人口データの分析 ミレニアル世代 はジェネレーション Y と同義で 1982 1996 年生まれ 20 34 歳 の集団を指します 1 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 3

調査結果 現在も将来も キャリアに不安を 感じていない世代 Human Age2 において ミレニアル世代は働く世界によって成形される一方 彼ら もこの世界を形成し 企業と社員の関係のあり方を問い直しています 70 年代 80 年代 90 年代と次第に雇用の不安定さが深刻化した両親世代の体験を経て ミレニ アル世代は世界同時不況のさなかに労働市場へと参入しました この不況期に若者 の失業率は記録的な水準に達し 景気循環が急速に変動 新たなスキルへの需要が 高まりました ではミレニアル世代は 働く世界をどう感じているのでしょう ミレニアル世代は キャリアの将来性にどれくらい自信を持っているでしょう 楽観的 自信がある 70% - 80% 中国 ドイツ インド メキシコ スイス アメリカ 60% - 69% オーストラリア ブラジル カナダ オランダ ノルウェー スペイン イギリス 50% - 59% フランス シンガポール 40% - 49% ギリシャ イタリア 30% - 39% 日本 悲観的 自信がない ミレニアル世代は 驚くほどキャリアを楽観視しています 3 分の 2 が当面の就業見 通しに楽観的で 62 は主な収入源が明日途絶えても 3 カ月以内に前と同等以上の 仕事を見つけられると確信しています 全体としてメキシコ 中国 スイス ドイ ツのミレニアル世代が最も楽観的で 日本 ギリシャ イタリアは最も悲観的です これには各国の経済 政治 文化的要因が反映されています 世界で多くのミレニ アル世代が 明るい未来とキャリアの成功を見据えています マンパワーグループ The Human Age 2011 年 3 月 Human Age は人材が資本を超え 重要な経済的差別化 要因となる新たな時代と定義されています 2 4 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン

調査結果 キャリアのウルトラマラソンに 備えるトレーニング 前の世代より長期間 必死に働かねばならない ミレニアル世代の行く手には キャリアのウルトラマラソンが待ち受けています 彼らもそれを知って います 金時計をもらって 50 歳や 60 歳で早期退職するなど もはや昔話です この世代はキャリアを 生涯で1つの仕事に就くものではなく 途中で道筋やペースを変えながら何度かの休憩を挟む 波 の ようなものと捉えています 死ぬまで働くか ほとんどのミレニアル世代は 前の世代より長い期間働くことになると考えています 世界的に見て半数以上が 65 歳以降 も働くと想定しています 日本は 72% 27 は 70 歳以降も働く 日本は 46% 12 は死ぬまで働くと回答しています 日本は 37% とはいえ 65 歳までに退職するという楽観的な声もまだ多く聞かれます こうした少数派が現実的なのか 楽観的なのか それとも考えが甘いだけなのかは 時間が経てば分かるでしょう 死ぬまで働く予定と答えたミレニアル世代 日本 37% 中国 18% ギリシャ 15% カナダ 15% 14% 14% 14% 14% 14% 14% インド シンガポール イタリア 11% 10% 11% 9% 10% 9% 9% 8% 9% 8% オランダ イギリス アメリカ オーストラリア ブラジル ドイツ ノルウェー フランス 6%8% 3% メキシコ スイス スペイン 日本の働くミレニアル世代の 3 分の 1 以上が 死ぬまで 働くと回答しています 8% 6% 3% 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 5

調査結果 ミレニアル世代はいつ引退するつもりか 40歳未満 1% 40 44歳 1% 45 49歳 1% 50 54歳 6% 55 59歳 8% 60 64歳 23% 65 69歳 33% 70 74歳 11% 75 79歳 2% 80歳以上 2% 死ぬまで働く 世界のミレニアル世代の 12 が リタイアなど考えられないと回答しています 週 40 時間労働が理想ですが 調査結果は怠け者というレッテルに反し 別の事実を語っています ミレニアル世代は 他の世代に負けず劣 らず熱心に働いています 73 が週 40 時間以上働くと回答し 日本は 80% 4 分の 1 近くが週 50 時間以上 働いています 日本は 25% 週当たり労働時間が最も長いのはインドの 52 時間 最も短いのはイギリス オー ストラリアの 41 時間でした 世界全体で 26 が 複数の仕事を掛け持ちしています 日本は 7% フランス 中国 シンガポール 48時間 インド イギリス 52時間 44時間 メキシコ 週当たり労働時間 オーストラリア 41時間 スイス ギリシャ 47時間 日本 46時間 カナダ オランダ 42時間 スペイン ドイツ イタリア アメリカ ブラジル 6 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン ノルウェー 45時間 43時間

調査結果 キャリアはウルトラマラソン 時には休暇も必要 ミレニアル世代は前の世代より熱心に長期間働くことを想定しているため 様々な形で頻繁に仕事のペースを緩めることを考 えています 84 がいずれかの時点で長期間の休暇を見込んでおり 前の世代の キャリアラダー キャリアップのための はしご に代わり キャリアウェーブ という考え方が登場しています 3 日本でもミレニアル世代の 70% は 主に個人的 な理由からキャリアの途中で 4 週間以上の休暇取得を見込んでいます 休暇をとる様々な理由が 明らかになっています 女性は 子どもや親 パートナーの世話やボランティアなど 他人のため に仕事を休むつもりですが 男性の優先順位は異なります 男女両方が育児を担う男女平等を目指す上で これは好ましいこ とではありません 自分を大事にする点はすべてのミレニアル世代に共通し 男女問わず 自分の時間 やレジャー関連の休暇を大切にしたいと 考えています 性別に関係なくミレニアル世代の 4 割は 旅行やバカンス リフレッシュのための長期休暇を計画しています 日 本は 24% 働くパートナーを支えるために休暇をとると答えた人の割合は 男女ともに極めて低く 共働き世帯の増加傾向 が裏付けられました 休暇が必要になると思う理由 他人のため 32% 出産 61% 20% 育児 33% 親や高齢の 親戚の介護 働くパートナーの サポート ボランティア 慈善活動 ミレニアル世代の 女性は 他人の ために仕事を休む つもりですが 25% 30% 11% 10% 9% 自分のため リフレッシュ 旅行 バカンス 42% 39% 26% 結婚 ハネムーン 27% 人生の夢や 趣味の追求 24% 22% 復学 新たなスキル習得 4週間も 休むことはない 女性 3 21% 23% 同じ世代の男性は 優先順位が異なり 自分に目が向いています 20% 11% 男性 長期休暇とは 夏季や年末年始より長い休暇を取得し 連続 4 週間以上仕事を休むことを指します 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 7

調査結果 会社に残るか 今すぐ転職するか キャリアにかかわるミレニアル世代特有の考え方が分かってきました よく働きよく遊ぶこの世代は 長距 離走者のように地平線の彼方を見据えています 長いスパンで計画を立て 自分の長期的な雇用可能性が高 まる仕事を求めます お金 安定 心の余裕 働く場所や働き方を選ぶ際 ミレニアル世代はお金 安定 休暇の 3 つを重視します 努力が報われる職場 安定した雇用に加え 時々休んで充電する自由を求めています また 柔軟な働き方や新たなスキル獲得 の機会だけではなく 優秀な人がいる環境 楽しく働ける職場なども重視しています 求職時の優先事項トップ5 お金 92% 安定 87% 優秀な 人材 休暇 86% 80% 日本の優先順位は お金 88% 休暇 78% 福利厚生 75% 安定 68% 柔軟な働き方 61% でした New 8 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン Benefits Promotion Opportuni- 柔軟な 働き方 79%

調査結果 職場に何を求めるか ミレニアル世代の優先順位 は国よって様々です ブラジルのミレニアル世代 は 91 が優秀な人材がいる職場を重視しますが ブラジルのミレニアル世代は 91 が優秀な人材がいる職場を 重視しますが 日本では 55 に とどまります 日本では 55 にとどまります 退職金制度を重 視する人は 日本では 39 オーストラリアでは 50 であるのに対し インドでは 85 以上にのぼ ります 企業の目的も重要です メキシコ インド ブラジルではミレニアル世代の 8 割が 自分の価 値観に合い社会的責任を果たしている企業で働く ことを重視しています ドイツ オランダ ノル ウェーではこの数字が 6 割です 世界各地のミレ ニアル世代の大半が 企業の目的を重視すると答 えています 新たな意味での雇用の安定 仕事よりも学びの旅 ミレニアル世代にとって雇用の安定は欠かせませんが 彼らはこの言葉を違う意味で捉えています 彼らは一部で揶揄される ような 職を転々とするジョブホッパーではありません チャンスがあれば キャリアアップのために転職しますが 多くの 場合 同じ会社の中での出世を望んでいます 戦前生まれの伝統主義者世代と同様 彼らも生活水準を維持するため 安定し た正社員の地位を求めています 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 9

調査結果 あなたにとって 雇用の安定とは何ですか 長期的に安定した仕事 27% 市場ニーズに合った職業スキル 27% 生活水準の維持 24% 所得の安定 職探しに役立つ人脈 5% 解雇された場合の解雇手当 5% 生涯で1つの仕事に就くのではなく ミレニアル世代は雇用可能性を維持するための持続的なスキル開発の必 要性を理解しています 93 が生涯にわたる学習を望み 研鑽を積むために自分のお金や時間を進んで費やし ます 日本は 52% 5 人中 4 人が転職する際は新たなスキルを学習する機会が一番重要な要因になると回答し 日本は 59% 22 は新たな資格 スキル取得のために長期休暇を取りたいと考えています 日本は 9% ミレニアル世代は1つひとつの仕事を 最終目的地ではなく 自分を高めるための足場とみなしています 彼らは雇用の安定をキャリアの安定と捉えています それは仕事ではなく 学びの旅なのです 次の職務レベルに昇進するには 何が必要ですか スキル向上 資格取得 46% 現在の仕事で成果を上げる 45% 新たな役割 任務を通じて経験を積む 35% 有益な人脈 28% チャンスを探す 23% 上司やメンター スポンサーとの強固な関係 17% 長時間の残業 17% 幸運 16% 上司とのキャリアにかかわる 有意義な対話 昇進の見込みはない 10 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン 14% 2% ミレニアル世代は 成功するか どうかは 人脈ではなく適切な スキルの有無で決まると 回答しています

調査結果 新たな働き方 ミレニアル世代は 会社に残りたがっている ミレニアル世代は正社員雇用の安定性を重視する一方 定期的な変化や新たな挑戦 昇進も望んでいます 何事もシェアされ評価され 即座にフィードバックが得られるペースの速い世界で育った彼らは 全員 同じ視点でキャリアを捉えています 1 昇給 ボーナス 何があれば 今の会社に 残りますか? 新たな機会か 新たな職場か ミレニアル世代は転職先ではなく 今の会社で新たな機会を求めています 63 が 今後数年間またはそれ以上 今の会社にとどまる意向です 日本 は 70% しかし昇進や異動まで どれくらいの期間同じポジションで待 2 新たな 挑戦 昇進 てますかと質問すると 約 3 分の 2 が 2 年未満 日本は 64% 4 分の 1 が 1 年未満と回答しました 日本は 35% これは彼らの 新たな挑 戦やポートフォリオ型の仕事 2 つ以上の仕事を兼業するスタイル に対 する嗜好を裏づけるものです 会社に残るその他の理由 3 ワークライフバランスを実現できる 4 明確なキャリアパスがある 5 上司や同僚に評価されている 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 11

調査結果 評価されたい 評価され肯定されることが重要です ミレニアル世代の半数は 評価されなければ今の仕事を辞めることを考え出 します 日本は 32% 転職先を探し始める頃には 給与 福利厚生 機会の欠如など他の問題も重視するようにな ります より頻繁に対面でフィードバックを伝えることで 企業はこうした不満の芽を摘むことができます 人間的な触れ あいを維持し 評価や上司 同僚との情報共有を促す新たなチャネルを見いだすことが 社員の仕事への関与を高 める低コストかつ効果的な手段です 73% 働くミレニアル世代の 71% 4 分の 3 今どんな働き方をしていますか 将来的にどんな働き方をしたいですか が 現在フルタイムの仕事に ついています しかし 2 分の 1 将来的に従来とは異なる 働き方も視野に入れています 34% 30% は 28% 21% 14% 16% 14% 9% 8% 4% フルタイム パートタイム フリーランス 契約社員 自営業 臨時雇い 季節労働 3% 3% ギグ ポートフォリオ ウーバー 2つ以上の タスクラビット 仕事を兼業 など単発請負型 世界中がギグ エコノミーに移行したわけではない ギグ ワーク 単発請負型の仕事 がメディアを賑わせていますが 働くミレニアル世代の 4 分の 3 はフルタイム 勤務です 日本は 67% ウーバーやタスクラビットなど 新たな就労形態がどこよりも急速に広がっているアメリ カでさえ ギグ エコノミーで働くミレニアル世代は 3 に過ぎません 日本は 1% しかしミレニアル世代は 既存の価値を破壊することに積極的です フルタイム勤務を希望する一方 半数以上が 将来的に フリーランスやギグ ワーク 複数の仕事を掛け持ちするポートフォリオ型キャリアなど 従来とは異 なる働き方も視野に入れています 自営業も将来的には魅力的な選択肢です 既存価値の破壊や新たな働き方を受 け入れる彼らの姿勢が 企業に対し 新たな雇用モデルに基づく柔軟で多様な働き方を迫る圧力になるかもしれま せん 12 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン

実践的アドバイス 結局 何が大切なのか ラーナビリティ 学習意欲 技術革新が働き方を変化させる中 キャリアの成功は次第に本人のラーナビリ ティに左右されるようになっています ラーナビリティとは 職業人生を通じて 雇用可能性を維持するために 自分のスキルを速やかに高め順応させる意欲や能 力を指します 企業はラーナビリティを評価し これに見返りを与えるべき です ワークフォースに不可欠なスキルの不足や喪失を避け るため ラーナビリティを育む必要があります ミレニアル世代の圧倒的多数 93 が 継続的なスキ ル開発を未来のキャリアにおける重要な要素とみなしていま す 日本は 63% スキル開発のため 彼らは自分のお金や 時間を費やすでしょう 自己研鑽に関心がないミレニアル世 代は 7 に過ぎません 日本は 15% しかし 学習への 意欲や能力 コミットメントには個人差があります 高いラー ナビリティとキャリアの成功の間には 強い相関関係があり ます より高い教育を受け 就業準備を万端に整えると より高い報酬を手にしています 加えて ラーナビリティが 高い人材は学習を続ける傾向があるため 長期的な効果はさ ラーナビリティ らに大きくなります 職業人生を通じて雇用可能 性を維持するために 自分 のスキルを速やかに高め順 応させる意欲や能力 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 13

実践的アドバイス 注目すべきポイント 成功のためのスコアカード 世界のミレニアル世代 特徴 学歴 1 仕事の展望について楽観的 学習意欲の 高い人 29% 2 別の仕事を見つける能力に自信がある 3 自己研鑽の責任を感じている 4 研鑽に自分の時間を積極的に費やす 5 研鑽に自分のお金を積極的に費やす 6 スキル訓練のために転職する意志がある 7 知的好奇心が旺盛 コストを問わずスキルを高めたい 8 自立的で耐性がある 学習意欲が 潜在する人 64% 学習意欲の 低い人 7% 14 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン 学士以上 66% 1 研鑽に自分の時間を積極的に費やす 2 研鑽に自分のお金を積極的に費やす 3 自信がない 4 昇進機会が少ない 学士以上 57% 1 学習意欲がほとんどあるいは全くない 2 研鑽に自分のお金や時間を費やしたがらない 3 会社のお金や時間を使った自己研鑽にも消極的である 学士以上 49%

実践的アドバイス 昔は企業も人材育成に時間や資源を投入でき 人を育てる管理職もいました 今の企業は 価値創出までの時間を短縮させるために 社員を学習意欲が潜在 する人から 学習意欲の高い人へと素早く成長させる必要があります 社員の 潜在的な学習能力を把握できるかが 企業の成功の鍵を握ります 所得 就業準備 成功の秘訣 企業は 学習意欲の高い人を積極的に引き付けておく必要があります 学習意欲の高い人は 学習意欲に促されて成長し 一層貴重な人材になります 会社が提供するサポートの量に関係 なく 彼らはスキル向上の手段を見いだします スキルを生かし新たな経験を積む機会があれば 学習意欲の高い人は自力で成長し 自己啓発 と適応性を重んじる文化を組織にもたらします 所得水準が 国内平均以上 就業に必要な 教育を受けている 69% 63% 企業は 機会創出とエンゲージメント推進を実現する人材施策の見直しを通じて このグルー プの確保に重点的に取り組むべきです 次頁の 実践的アドバイス ミレニアル世代を引き 付け 確保 育成 を参照ください 企業には このグループを育て取り込む大きなチャンスがあります 学習意欲が潜在する人に は刺激を与え 能力開発とキャリアの成功の相関性を理解させる必要があります 才能や聡明さ スキルの関連性を見極める上で アセスメントが格好の出発点になります 所得水準が 国内平均以上 就業に必要な 教育を受けている 60% 54% 企業は 学習環境の提供と定期的なキャリア面談を通じて ミレニアル世代が 達成可能な能 力開発目標を 明確な手順 成果と併せて設定するよう支援してください 能力面 意欲面でこのグループの学習能力の低さを考えると 彼らを成長させるのは難しいか もしれません 所得水準が 国内平均以上 就業に必要な 教育を受けている 54% 49% * 各国のミレニアル世代回答者全員に占める 所得が平均以上の人の割合 のグローバル合計 企業は早い段階でラーナビリティを評価し 初期の採用判断で考慮すべきです 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 15

実践的アドバイス 実践的アドバイス ミレニアル世代を引き付け 確保 育成 2 1 ミレニアル世代が経験を蓄積し社内 会社に残ればキャリアアップで に人脈を築けるよう 多様なチーム きると証明してください 自己研 と様々なプロジェクトに関わる機会 鑽と OJT を通じ出世した人の事 を作ります 新たな機会に対する欲 例を社内で共有しましょう 長期 求を 転職ではなく社内で満足させ 的な雇用可能性を高めたいとい ましょう スキルや経験のポートフォ う ミレニアル世代の思いに訴え リオを構築するためには昇進だけで ます なく 成長の重要性を強調してくだ さい 3 定期的にキャリアパスと能力開発 の状況を確認しましょう 年次レ ビューではなく 短期的な目標を 重視し その目標を達成するため の計画を実施します 面談を通じ て今の仕事を 将来的なキャリア アップや 長期的な雇用可能性の 向上と結びつけてください キャリアの多様性 流動性の重視 安定した キャリアの提供 キャリアウェーブ に乗り 柔軟に 対応する ミレニアル世代を 評価する 5 4 定期的な キャリア面談の実施 個人的な理由での休暇を想定に入れ 出産や結婚 介護以外にも休むことが あることを覚悟しましょう 長いキャ リアの途上ではリフレッシュする時間 人間的な触れあいを維持し 頻 繁に直接的なフィードバックを 伝え相手を評価しましょう 評 価や上司 同僚との情報共有を 促す新たなチャネルを見つけて ください これはコストをかけ ずに 社員の仕事への意欲を高 める効果的な手段です 16 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン も必要です 充電期間が欠かせません キャリアウェーブに乗り 休暇取得す ることを 企 業 文 化 と し て 受 け 入 れ ま しょう 柔軟に対応できることを明確 に示し 企業の戦力となる社員として の復帰を支援します 新たな就労モデルを 受け入れる 6 ミレニアル世代はフルタイム勤務 を好みがちですが 多くはパート フリーランス ポートフォリオ型 キャリアなどの新たな働き方も視 野に入れています ミレニアル世 代の労働者を取り込み確保するた めには こうした就労モデルの魅 力を部分的に取り入れましょう 例えば 働く場所や時間 働き方 の柔軟性を高め プロジェクトの 多様性を増やすことなどです

人材施策を見直す エキスパートの視点 マーラ スワン マンパワーグループ エグゼクティブ バイス プレジデント グローバル戦略 人事部門および ライトマネジメントの グローバルブランドリーダー 企業は今こそ 人材施策を見直すべきです 成長が必ず昇進を指すわけではありません キャリ アアップが 出世である必要はないのです ミレニアル世代の新たなスキル獲得やキャリアアッ プに 昇進か転職しか選択肢がないのなら ジョブホッピングの原因は彼らと企業 一体どちら にあるのでしょう 今回の調査と私たちの経験から ペースが速い世界に慣れ親しんだミレニアル世代は 短期間で 成長できる多様なキャリアを求めていることが分かりました 彼らは 昔より長い職業人生にお いて雇用可能性を維持するためには 定期的なスキル向上が必要だと理解しています そのため なら 自分のお金や時間も費やすでしょう 企業は耳を傾けるべきです 次の世代へのアピールが必要です 企業と社員の関係が変化し 企業は人材育成の場ではなく労働を消費する場になっています もっと創造性を発揮し 優秀な ミレニアル世代を引き付け 彼らに刺激を与える方法を考えねばなりません 教育訓練への投資や 社内を異動し実務経験を積む制度作りは 企業を一層魅力的な職場にする確実な方法です 現在は 社員から会社へだけでなく 会社から社員への忠誠心も求められます ミレニアル世代 が会社に残ることのメリットを理解すれば 少なくとも前の世代に劣らず献身性や生産性を発揮 するでしょう そして当然 ミレニアル世代に効果的な対策は それ以外の世代のワークフォー スにも効果的です 2020 年に向けたビジョンなどなくても この事実は明らかです 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 17

本調査の概要 マンパワーグループは ジェネレーション Y が現在および将来 何を求めているのかを理解 し 新たな働く世界における組織と個人の成功を支援するため 25 カ国の働くミレニアル世 代 19,000 人と採用担当者 1,500 人を対象とする定量的なグローバル調査の実施をコンサルタ ント会社 レピュテーション リーダーズに委託しました ミレニアル世代は 1982 1996 年生まれの世代と定義しています 調査対象は 世界各地域を代表する 18 カ国の働くミレニアル世代 11,000 人から成る独立サ ンプルです 年齢 男女構成についてバランスが均等になるよう配慮しました またマンパワー グループのミレニアル世代アソシエイト 8,000 人以上および採用担当者 1,500 人についても 25 カ国で調査を行いました 両グループに話を聞くことで 企業と社員それぞれの独自な視 点が得られました 実地調査は 2016 年 2 月と 4 月に実施しました 対象国は アルゼンチン オーストリア オー ストラリア ベルギー ブラジル ブルガリア カナダ 中国 フランス ドイツ ギリシャ インド イタリア 日本 マレーシア メキシコ オランダ ノルウェー パラグアイ シンガポー ル セルビア スペイン スイス イギリス アメリカです 18 ミレニアル世代のキャリア 2020 年に向けたビジョン

マンパワーグループについて マンパワーグループ NYSE MAN は 70 年近くにわたり革新的なワークフォースソリューションを 生みだしている 世界のワークフォースエキスパートです マンパワーグループは 毎日 60 万人以上の 人々に 幅広い業種や業界にわたり意義ある仕事を提供しています マンパワーグループのブランドである Manpower Experis Right Management および ManpowerGroup Solutions を通じて 80 の国と地域で 40 万社以上の顧客が重要な人材ニーズに対処できるよう支援し 人材の調達 管理 育成のための総合的 なソリューションを提供しています 2016 年には 6 年連続で 世界で最も倫理的な企業 およびフォーチュ ン誌の 最も称賛されるべき企業 に選出されており 業界で最も信頼されるブランドであることが確認さ れました 働く世界を活性化するマンパワーグループの活動については www.manpowergroup.jp をご 覧ください レピュテーション リーダーズについて レピュテーション リーダーズは ソートリーダーシップに関する国際コンサルタント会社です 自社ブラ ンドに対する人々の認識の変化を引き起こす 説得力ある調査を実施しています 企業のブランドポジショ ニングを支援し グローバルな1次調査 2次調査を用いて信頼できるソートリーダーシップを生みだします 2016, ManpowerGroup. All rights reserved. 調査結果とワークフォースエキスパートからの実践的アドバイス 19

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