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第 14 章柱同寸筋かいの接合方法と壁倍率に関する検討 510

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Microsoft Word - 平成 12 年 1399 号.doc

壁等の強さは 各階の張り間方向又はけた行方向につき 令第 46 条第 4 項表 1の軸組の種類の欄に掲げる区分に応じて倍率の欄に掲げる数値に 1.96 を乗じた数値 ( 別表第 2の軸組の種類の欄に掲げる軸組にあっては それぞれ同表の倍率の欄に掲げる数値とする )( 以下 壁強さ倍率 という ) に

説明書 ( 耐震性 ) 在来木造一戸建て用 ( 第二面 ) 基礎根入れ深さ深さ ( mm ) 住宅工事仕様書 適 基礎の 立上り部分 高さ ( mm ) 厚さ ( mm ) 基礎伏図 不適 各部寸法底盤の寸法厚さ ( mm ) 幅 ( mm ) 基礎詳細図 基礎の配筋主筋 ( 径 mm ) 矩計図

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第2章 事務処理に関する審査指針

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Ⅲ 診断判定モデル住宅事例 建物概要 2 階建て木造住宅延べ床面積 53 m2 1 昭和 56 年 6 月以降 2 地盤は普通か良い 3 鉄筋コンクリート基礎 4 屋根は軽い 5 健全である 6 壁量多い 7 筋かいあり 8 壁のバランスが良い 9 建物形状はほぼ整形 10 金物あり 老朽度 診断結

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日付 :04 年 月 6 日 6:03:9 建築基準法 ( 壁量計算 ) 建物名 壁量計算表存在壁量明細表壁量計算平面図見付面積根拠図見付面積計算表床面積根拠図床面積計算表立面図 注意事項 建築基準法施行令第 46 条 構造耐力上必要な軸組等 第 4 項により軸組長さを求める方法に準拠した計算を行い

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隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

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上記工事が行われ 認定長期優良宅に該当することとなった場合長期優良宅建築等計画の認定主体長期優良宅建築等計画の認定番号 第 号 長期優良宅建築等計画の認定年月日 平成 年 月 日 上記の工事が租税特別措置法若しくは租税特別措置法施行令に規定する工事に該当すること又は上記の工事が地方税法若しくは地方税

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面する側にあっては2メートル以上 精華台みずき通り線に面する側及び精華大通り線に面する区域にあっては5メートル以上 精華台地区計画により別に定める側にあっては10 メートル以上後退しなければならない 3 前 2 項の規定は 守衛室その他これに類するもので 延べ面積が50 平方メートル以下かつ地階を除

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5.1.2 気密材の種類と特長気密層は 室内と外気の境界部分に連続して設けなくてはならない 一口に気密層といっても 躯体工法 断熱工法の違いにより 必ずしも部材構成として新たに一層増えるわけではなく 従来のほかの目的を持つ部材 例えば防湿層 断熱材 防風層 あるいは構造躯体自体を気密層として考えるこ

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3.3 木造 ( 令第 40 条 ~ 令第 49 条 ) 告示平 12 建告第 1460 号 最終改正平成 30 年 3 月 26 日国土交通省告示第 490 号 1 20 2 30 3 40 4 木造の継手及び仕口の構造方法を定める件建築基準法施行令 ( 昭和 2 年政令第 338 号 ) 第 47 条第 1 項の規定に基づき, 木造の継手及び仕口の構造方法を次のように定める 建築基準法施行令 ( 以下 令 という ) 第 47 条に規定する木造の継手及び仕口の構造方法は, 次に定めるところによらなければならない ただし, 令第 82 条第一号から第三号までに定める構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては, この限りでない 一筋かいの端部における仕口にあっては, 次に掲げる筋かいの種類に応じ, それぞれイからホまでに定める接合方法又はこれらと同等以上の引張耐力を有する接合方法によらなければならない イ径 9ミリメートル以上の鉄筋柱又は横架材を貫通した鉄筋を三角座金を介してナット締めとしたもの又は当該鉄筋に止め付けた鋼板添え板に柱及び横架材に対して長さ9センチメートルの太め鉄丸くぎ ( 日本工業規格 A08( くぎ )-1992のうち太め鉄丸くぎに適合するもの又はこれと同等以上の品質を有するものをいう 以下同じ ) を8 本打ち付けたものロ厚さ1.センチメートル以上で幅 9センチメートル以上の木材柱及び横架材を欠き込み, 柱及び横架材に対してそれぞれ長さ6.センチメートルの鉄丸くぎ ( 日本工業規格 A08( くぎ )-1992のうち鉄丸くぎに適合するもの又はこれと同等以上の品質を有するものをいう 以下同じ ) を 本平打ちしたものハ厚さ3センチメートル以上で幅 9センチメートル以上の木材厚さ1.6ミリメートルの鋼板添え板を, 筋かいに対して径 12ミリメートルのボルト ( 日本工業規格 B1180( 六角ボルト )-1994のうち強度区分 4 6 に適合するもの又はこれと同等以上の品質を有するものをいう 以下同じ ) 締め及び長さ 6.センチメートルの太め鉄丸くぎを3 本平打ち, 柱に対して長さ6.センチメートルの太め鉄丸くぎを3 本平打ち, 横架材に対して長さ6.センチメートルの太め鉄丸くぎを4 本平打ちとしたものニ厚さ4.センチメートル以上で幅 9センチメートル以上の木材厚さ2.3ミリメートル以上の鋼板添え板を, 筋かいに対して径 12ミリメートルのボルト締め及び長さ0ミリメートル, 径 4.ミリメートルのスクリューくぎ7 本の平打ち, 柱及び横架材に対してそれぞれ長さ0ミリメートル, 径 4.ミリメートルのスクリューくぎ 本の平打ちとしたものホ厚さ9センチメートル以上で幅 9センチメートル以上の木材柱又は横架材に径 12ミリメートルのボルトを用いた一面せん断接合としたもの二壁を設け又は筋かいを入れた軸組の柱の柱脚及び柱頭の仕口にあっては, 軸組の種類と柱の配置に応じて, 平家部分又は最上階の柱にあっては次の表 1に, その他の柱にあっては次の表 2に, それぞれ掲げる表 3( い ) から ( ぬ ) までに定めるところによらなければならない ただし, 次のイ又はロに該当する場合においては, この限りでない イ当該仕口の周囲の軸組の種類及び配置を考慮して, 柱頭又は柱脚に必要とされる引張力が, 当該部分の引張耐力を超えないことが確かめられた場合ロ次のいずれにも該当する場合 ⑴ 当該仕口 ( 平家部分又は階数が二の建築物の一階の柱の柱脚のものに限る ) の構造方法が, 次の表 3( い ) から ( ぬ ) までのいずれかに定めるところによるもの (120ミリメートルの柱の浮き上がりに対してほぞが外れるおそれがないことを確かめられるものに限る ) であること ⑵ 令第 46 条第 4 項の規定による各階における張り間方向及び桁行方向の軸組の長さの合計に, 軸組の種類に応じた倍率の各階における最大値に応じた次の表 4に掲げる低減係数を乗じて得た数値が, 同項の規定による各階の床面積に同項の表 2の数値 ( 特定行政庁が令第 88 条第 2 項の規定によって指定した区域内における場合においては, 同表の数値のそれぞれ1. 倍とした数値 ) を乗じて得た数値以上であることが確かめられること 123

第 3 章構造細則 表 1 軸組の種類 木ずりその他これに類するものを柱及び間柱の片面又は両面に打ち付けた壁を設けた軸組 厚さ 1. センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かい又は径 9 ミリメートル以上の鉄筋の筋かいを入れた軸組 出隅の柱 その他の軸組端部の柱 表 3( い ) 表 3( い ) 表 3( ろ ) 表 3( い ) 厚さ 3 センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいを入れた軸組 筋かいの下部が取り付く柱表 3( ろ ) 表 3( い ) その他の柱表 3( に ) 表 3( ろ ) 厚さ 1. センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組又は径 9 ミリメートル以上の鉄筋の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 表 3( に ) 表 3( ろ ) 厚さ 4. センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいを入れた軸組 筋かいの下部が取り付く柱表 3( は ) その他の柱表 3( ほ ) 表 3( ろ ) 構造用合板等を昭和 6 年建設省告示第 10 号別表第 1⑷ 項又は ⑸ 項に定める方法で打ち付けた壁を設けた軸組 厚さ 3 センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 厚さ 4. センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 表 3( ほ ) 表 3( ろ ) 表 3( と ) 表 3( は ) 表 3( と ) 表 3( に ) 表 2 軸組の種類 木ずりその他これに類するものを柱及び間柱の片面又は両面に打ち付けた壁を設けた軸組 厚さ 1. センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かい又は径 9 ミリメートル以上の鉄筋の筋かいを入れた軸組 厚さ 3 センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいを入れた軸組 厚さ 1. センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組又は径 9 ミリメートル以上の鉄筋の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 厚さ 4. センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいを入れた軸組 構造用合板等を昭和 6 年建設省告示第 10 号別表第 1⑷ 項又は ⑸ 項に定める方法で打ち付けた壁を設けた軸組 厚さ 3 センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 厚さ 4. センチメートル以上幅 9 センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 上階及び当該階の柱が共に出隅の柱の場合 上階の柱が出隅の柱であり, 当該階の柱が出隅の柱でない場合 上階及び当該階の柱が共に出隅の柱でない場合 表 3( い ) 表 3( い ) 表 3( い ) 表 3( ろ ) 表 3( い ) 表 3( い ) 表 3( に ) 表 3( ろ ) 表 3( い ) 表 3( と ) 表 3( は ) 表 3( ろ ) 表 3( と ) 表 3( は ) 表 3( ろ ) 表 3( ち ) 表 3( へ ) 表 3( は ) 表 3( り ) 表 3( と ) 表 3( に ) 表 3( ぬ ) 表 3( ち ) 表 3( と ) 124

3.3 木造 ( 令第 40 条 ~ 令第 49 条 ) 表 3 ( い ) 短ほぞ差し, かすがい打ち又はこれらと同等以上の接合方法としたもの ( ろ ) ( は ) ( に ) ( ほ ) ( へ ) ( と ) ( ち ) ( り ) 長ほぞ差し込み栓打ち若しくは厚さ 2.3 ミリメートルの L 字型の鋼板添え板を, 柱及び横架材に対してそれぞれ長さ 6. センチメートルの太め鉄丸くぎを 本平打ちとしたもの又はこれらと同等以上の接合方法としたもの 厚さ 2.3 ミリメートルの T 字型の鋼板添え板を用い, 柱及び横架材にそれぞれ長さ 6. センチメートルの太め鉄丸くぎを 本平打ちしたもの若しくは厚さ 2.3 ミリメートルの V 字型の鋼板添え板を用い, 柱及び横架材にそれぞれ長さ 9 センチメートルの太め鉄丸くぎを 4 本平打ちとしたもの又はこれらと同等以上の接合方法としたもの 厚さ 3.2 ミリメートルの鋼板添え板に径 12 ミリメートルのボルトを溶接した金物を用い, 柱に対して径 12 ミリメートルのボルト締め, 横架材に対して厚さ 4. ミリメートル,40 ミリメートル角の角座金を介してナット締めをしたもの若しくは厚さ 3.2 ミリメートルの鋼板添え板を用い, 上下階の連続する柱に対してそれぞれ径 12 ミリメートルのボルト締めとしたもの又はこれらと同等以上の接合方法としたもの 厚さ 3.2 ミリメートルの鋼板添え板に径 12 ミリメートルのボルトを溶接した金物を用い, 柱に対して径 12 ミリメートルのボルト締め及び長さ 0 ミリメートル, 径 4. ミリメートルのスクリュー釘打ち, 横架材に対して厚さ 4. ミリメートル,40 ミリメートル角の角座金を介してナット締めしたもの又は厚さ 3.2 ミリメートルの鋼板添え板を用い, 上下階の連続する柱に対してそれぞれ径 12 ミリメートルのボルト締め及び長さ 0 ミリメートル, 径 4. ミリメートルのスクリュー釘打ちとしたもの又はこれらと同等以上の接合方法としたもの 厚さ 3.2 ミリメートルの鋼板添え板を用い, 柱に対して径 12 ミリメートルのボルト 2 本, 横架材, 布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径 16 ミリメートルのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの 厚さ 3.2 ミリメートルの鋼板添え板を用い, 柱に対して径 12 ミリメートルのボルト 3 本, 横架材 ( 土台を除く ), 布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径 16 ミリメートルのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの 厚さ 3.2 ミリメートルの鋼板添え板を用い, 柱に対して径 12 ミリメートルのボルト 4 本, 横架材 ( 土台を除く ), 布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径 16 ミリメートルのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの 厚さ 3.2 ミリメートルの鋼板添え板を用い, 柱に対して径 12 ミリメートルのボルト 本, 横架材 ( 土台を除く ), 布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径 16 ミリメートルのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの ( ぬ ) ( と ) に掲げる仕口を 2 組用いたもの 表 4 軸組の種類に応じた倍率の各階における最大値 低減係数階数が1の建築物階数が2の建築物の1 階階数が2の建築物の2 階 1.0 以下の場合 1.0 1.0 1.0 1.0を超え,1. 以下の場合 1.0 1.0 0.9 1.を超え,3.0 以下の場合 0.6 0.9 0. 三前二号に掲げるもののほか, その他の構造耐力上主要な部分の継手又は仕口にあっては, ボルト締, かすがい打, 込み栓打その他の構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結したものでなくてはならない 12

第 3 章構造細則 1 20 ⑵ 平 12 建告第 1460 号は, 令第 47 条の規定に基づき, 継手及び仕口の仕様を定めたものである 内容としては, 筋かい端部と軸組との止め付け部, 軸組端部の柱と主要な横架材との仕口及びその他の緊結方法について規定している 使用するくぎ, 金物については,JIS 規格によるもののほか, 同等以上の性能を有する材料や構造によることができるとされている 具体的には,Z マーク金物のほか, 指定性能評価機関等の第三者機関による信頼性の高い試験や接合部耐力に係る計算等によって同告示に定める金物と同等以上の耐力を有することが確認された金物を用いることが可能である また, 複数の種類の金物を組み合わせる場合 ( 例えば, くぎ接合による金物とボルト接合による金物を併用するような場合など ) の接合部耐力は, 一般に金物の種類に応じて荷重 - 変形関係の特徴に違いがあり, それぞれの金物の接合部耐力の単純な和よりも低い値となることが多い したがって, 組み合わせによって告示に掲げる構造方法と同等以上の引張耐力を有する接合方法として検討する場合は留意が必要である なお, 令第 82 条第一号から第三号までに規定する許容応力度計算を行った場合は, これらの仕様によらないことができる いずれの方法を選択する場合も, 木材の樹種や乾燥状態等に留意し, 施工時にあってはくぎ間隔や木材の縁端距離を十分に確保して, 有害な割れが発生しないようにしなければならない ⑶ 筋かい端部と軸組との止め付け部在来軸組構法による木造建築物は, 地震 風といった水平方向の外力に対し, 筋かい等を設置した軸組 ( 耐力壁 ) によって抵抗し, その抵抗力に応じて軸組には倍率が設定されている そこで本告示第一号において, 筋かい端部と軸組との止め付け部に関して, 筋かいに想定される壁倍率 ( 令第 46 条第 4 項表 1に対応 ) に応じ, 必要とされる金物及びくぎ等の本数, 打ち付け方について規定している 図 3.3-12 筋かいの端部と軸組との止め付け部 126

3.3 木造 ( 令第 40 条 ~ 令第 49 条 ) 1 20 2 30 3 ⑷ 軸組端部の柱と主要な横架材との仕口 1) 告示第二号表 1から表 3までによる場合軸組の端部の柱は, 終局時に耐力壁よりも先行破壊が生じずに水平方向の外力に対して有効に抵抗するため, 適切な方法により横架材等に緊結されなければならない そのため, 本告示第二号において, 上記 ⑶ 筋かい端部の止め付け部と同じく, 軸組の倍率に対応して柱に想定される力をもとに, 必要とされる金物及びくぎ等の本数, 打ち付け方について規定している これらは告示第二号中表 3( い )~( ぬ ) として定められており, 詳細を図 3.3-13に示す 特に引張力が大きくなると考えられる筋かい上部が取り付く柱を考えると, 圧縮筋かいがまず横架材を突き上げるかたちとなり, 柱と横架材との間の接合部によって柱に力が流れて引張軸力となる したがって, 柱に加わる固定荷重による差等を除けば, 柱頭には柱脚に生じる引張力と同じ大きさの引張力が生じると考えられ, 柱頭と柱脚には同じ仕様が規定されている 告示第二号中, 表 1 及び表 2は軸組の端部に取り付く柱を対象としているが, 中柱であるため引抜力が生じにくい等により表の仕口の仕様が過大なことが考えられる場合や例示以外の倍率の軸組を設けた場合, またこれらに当てはまらない部位等については, ただし書の規定に基づき次の2) を参照のうえ適切な仕口の構造方法を採用することが必要である 2) 告示の表によらない場合告示の表によらない場合は, 同号イの規定により, 次に掲げる式その他の適切な構造計算によって柱に必要な引張耐力を求め, 当該耐力に応じて表 3.3-2に掲げる金物等を選定することが必要であり, 同表に掲げる仕様以外のものを採用する場合は, 信頼に足る試験結果に基づいて得られた引張耐力を.3で除した値を以下の算定式における N の値と比較する等の検討を行うこととなる 当該計算は張り間及びけた行の各方向について行い, 大きな方の値を採用することとする また,2 階建ての1 階部分の柱については, その直上にある2 階部分の柱の引張力を土台又は基礎へと伝達する必要があるため,2 階部分の柱の仕口の仕様と同等以上の仕様とする必要がある 1 平家建ての場合若しくは2 階建ての部分における2 階の柱の場合 ( 算定式 ) N=A 1 B 1 -L この式において,N,A 1,B 1, 及び L は, それぞれ次に掲げるところによる N ( 表 3.3-2) に規定する N の数値 A 1 当該柱の両側における軸組の倍率の差 ( 片側のみ軸組が取り付く場合には当該軸組の倍率 ) の数値 ただし, 筋かいを設けた軸組の場合には,( 表 3.3-3) 又は ( 表 3.3-4) の補正を加えたものとする B 1 周辺の部材による押さえ ( 曲げ戻し ) の効果を表す係数で, 柱の上下においてほぼ均等に耐力壁の回転を拘束していると仮定し,0.( 出隅の柱においては,0.8) とする ただし, 詳細な計算により適切な数値としてもよい L 鉛直荷重による押さえの効果を表す係数で,0.6( 出隅の柱においては,0.4) とする 2 2 階建ての部分における1 階の柱の場合 ( 算定式 )N=A 1 B 1 +A 2 B 2 -L この式において,N,A 1,B 1,A 2,B 2 及び L は, それぞれ次に掲げるところによる N ( 表 3.3-2) に規定する N の数値 A 1 当該柱の両側における軸組の倍率の差 ( 片側のみ軸組が取り付く場合には当該軸組 127

第 3 章構造細則 の倍率 ) の数値 ただし, 筋かいを設けた軸組の場合には,( 表 3.3-3) 又は ( 表 3.3-4) の補正を加えたものとする B 1 周辺の部材による押さえ ( 曲げ戻し ) の効果を表す係数で,0.( 出隅の柱においては,0.8) とする ただし, 詳細な計算により適切な数値としてもよい A 2 当該柱に連続する2 階柱の両側における軸組の倍率の差 ( 片側のみ軸組が取り付く場合には当該軸組の倍率 ) の数値 ただし, 筋かいを設けた軸組の場合には,( 表 3.3-3) 又は ( 表 3.3-4) の補正を加えたものとする ( 当該 2 階柱の引抜力が他の柱等により下階に伝達され得る場合には,0とする ) B 2 2 階の周辺の部材による押さえ ( 曲げ戻し ) の効果を表す係数で, 柱の上下においてほぼ均等に耐力壁の回転を拘束していると仮定し,0.(2 階部分の出隅の柱においては,0.8) とする ただし, 詳細な計算により適切な数値としてもよい L 鉛直荷重による押さえの効果を表す係数で,1.6( 出隅の柱においては,1.0) とする N の値表 3 必要耐力 (kn) 表 3.3-2 接合部の仕様 ( 告示第二号表 3 に対応 ) 金物等 ( これらと同等以上の接合方法を含む ) 0.0 以下 ( い ) 0.0 短ほぞ差し, かすがい打 0.6 以下 ( ろ ) 3.4 長ほぞ差し込み栓打,L 字形かど金物くぎ CN6 本 1.0 以下 ( は ).1 T 字形かど金物くぎ CN6 本, 山形プレート金物くぎ CN90 8 本 1.4 以下 ( に ) 7. 羽子板ボルトφ12mm, 短冊金物 1.6 以下 ( ほ ) 8. 羽子板ボルトφ12mm に長さ0mm 径 4.mm のスクリューくぎ 1.8 以下 ( へ ).0 kn 用引き寄せ金物 2.8 以下 ( と ) 1.0 1kN 用引き寄せ金物 3.7 以下 ( ち ) 20.0 20kN 用引き寄せ金物 4.7 以下 ( り ) 2.0 2kN 用引き寄せ金物.6 以下 ( ぬ ) 30.0 1kN 用引き寄せ金物 2 枚.6 超 - N.3 表 3.3-3 筋かいが片側から取り付く柱の場合の補正値 1 筋かいの種類 取り付く位置 厚さ 1mm 以上 幅 90mm 以上の木材又は φ9mm 以上の鉄筋 厚さ 30mm 以上 幅 90mm 以上の木材 厚さ 4mm 以上 幅 90mm 以上の木材 厚さ 90mm 以上 幅 90mm 以上の木材 柱頭部 柱脚部 備 考 0.0 0.0 0. -0. たすき掛けの筋かいの場合には,0とする 0. -0. 2.0-2.0 128

3.3 木造 ( 令第 40 条 ~ 令第 49 条 ) 表 3.3-4 筋かいが両側から取り付く柱の場合の補正値 a) 両側が片筋かいの場合 ( いずれも柱頭部に取付く場合 :/ \) 一方の筋かい厚さ1mm 以上 幅 又はφ 9mm 以上の鉄 厚さ30mm 以上 幅 厚さ4mm 以上 幅 厚さ90mm 以上 幅 備 考 他方の筋かい 筋 厚さ1mm 以上 幅 又はφ9mm 以上の鉄筋厚さ30mm 以上 幅 厚さ4mm 以上 幅 厚さ 90mm 以上 幅 0 0. 0. 2.0 0. 1.0 1.0 2. 0. 1.0 1.0 2. 2.0 2. 2. 4.0 両筋かいがともに柱脚部に取り付く場合には, 加算する数値を 0 とする a') 両側が片筋かいの場合 ( 一方の筋かいが柱頭部に, 他方の筋かいが柱脚部に取付く場合 :/ /) 柱脚部に取り付く筋かい 柱頭部に取付く筋かい 厚さ1mm 以上 幅 又はφ9mm 以上の鉄筋厚さ30mm 以上 幅 厚さ4mm 以上 幅 厚さ90mm 以上 幅 厚さ 1mm 以上 幅 90mm 以上の木材又は φ9mm 以上の鉄筋 厚さ 30mm 以上 幅 90mm 以上の木材 厚さ 4mm 以上 幅 90mm 以上の木材 0-0. -0. 2.0 0. 0. 0 1. 0. 0. 0. 1. 2.0 1. 1. 2.0 厚さ90mm 以 上 幅 90mm 以上の木材 備 考 両筋かいがともに柱脚部に取り付く場合には, 加算する数値を 0 とする b) 一方がたすき掛けの筋かい, 他方が柱頭部に取り付く片筋かいの場合 ( \) 片筋かい たすき掛けの筋かい厚さ1mm 以上 幅 又はφ9mm 以上の鉄筋 厚さ 30mm 以上 幅 厚さ4mm 以上 幅 厚さ90mm 以上 幅 厚さ 1mm 以上 幅 又は φ9mm 以上の鉄筋 厚さ 30mm 以上 幅 厚さ 4mm 以上 幅 厚さ 90mm 以上 幅 0 0. 0. 2.0 0 0. 0. 2.0 0 0. 0. 2.0 0 0. 0. 2.0 b ) 一方がたすき掛けの筋かい, 他方が柱脚部に取り付く片筋かいの場合 ( /) 加算しない c) 両側がたすき掛けの筋かいの場合加算しない 129

第 3 章構造細則 表 3.3-13 軸組端部の柱と主要な横架材との仕口 130

3.3 木造 ( 令第 40 条 ~ 令第 49 条 ) 1 20 2 30 3 告示第二号ただし書の規定に基づく構造計算による安全性の確認に当たっては, 接合部に生じる力が許容耐力以下であることを許容応力度計算によって確認するだけでなく, 終局状態において耐力壁の破壊以前に柱頭柱脚の接合部が破壊しないことも併せて確認する必要がある また, 詳細な構造モデル化を行って, 終局状態における力の釣合いから必要な接合部の耐力を求めれば, 柱頭と柱脚の仕様を別々に選択することも可能である なお, 平成 29(2017) 年の告示改正により, 告示第二号ロの規定に基づき, 平家建て又は2 階建ての1 階の柱の柱脚の仕口に限り, 一定の要件に該当する場合は従前の緊結方法によらないことができることとされた 具体的には, 次の2つの項目をいずれも満足するものにあっては, 第二号本文に定める緊結方法 ( 表 1~ 表 3に基づく仕口の構造 ) によらないことができることとされた 短ほぞ差し等による接合方法であって,120mm の柱の浮き上がりに対してほぞが外れるおそれがなく ( 第二号ロ⑴), 令第 46 条第 4 項の規定に基づく各階における張り間方向及び桁行方向の軸組の長さの合計に, 軸組の種類に応じた倍率の各階における最大値 ( 軸組を併用する場合は, それぞれの軸組の倍率の和 ) に応じた表 4に掲げる低減係数を乗じて得た数値が, 同項の規定による各階の床面積に同項の表 2の数値を乗じて得た数値以上であることが確かめられた場合 ( 第二号ロ⑵) ただし, 軸組の種類に応じた倍率の各階における最大値については, 表 4において3 倍までを規定しており, 倍率 3を超える軸組が建築物に設けられている場合は, 当該規定を適用することはできない ⑸ その他の部分筋かい及び軸組の仕口以外の部分については, 従来と同じく存在応力を伝えるように緊結することを求めている このような部分と, それぞれに応じた継手及び仕口としては次に示す構造方法が考えられるが, これらと同等以上の継手及び仕口を用いてよい 通し柱と胴差の仕口胴差を柱にかたぎ大入れ短ほぞ差し, 羽子板ボルト, かね折り金物のいずれか ( 通し柱を挟んで胴差相互を継ぐ場合にあっては, 胴差を柱にかたぎ大入れ短ほぞ差しとし, 胴差を短冊金物にて緊結するもの ) とする ただし, 通し柱において厚さ90mm 以上幅 90mm 以上の筋かいを建物の隅に用いる場合又は外壁と直交して当該接合部近傍に当てる場合にあっては,1kN 用引き寄せ金物を水平に用いて緊結するものとする 外壁上部における胴差, けたその他の横架材の継手腰掛け蟻継ぎ短冊金物補強, 腰掛け鎌継ぎ短冊金物補強, 追っかけ大栓継ぎ, 金輪継ぎ, しっぱさみ継ぎのいずれかとする また, 建築物内部において, 柱又は他の横架材の直上で継ぐ場合にあっては, 台持ち継ぎとする 横架材の仕口大入れ蟻掛け羽子板ボルト締め, かぶとあり羽子板ボルト締め, わたりあご等とする 主要な小屋束の上下短ほぞ差しかすがい打ち, 短ほぞ差し平金物当てを用い長さ6mm の太め鉄丸くぎを2 本打ち, 長ほぞ差し込み栓打ちとする 131

第 3 章構造細則 3.3.9 学校の木造の校舎 ( 令第 48 条 ) 政令第 48 条 1 ( 学校の木造の校舎 ) 第 48 条学校における壁, 柱及び横架材を木造とした校舎は, 次に掲げるところによらなければならない 一外壁には, 第 46 条第 4 項の表 1の⑸に掲げる筋かいを使用すること 二けた行が12メートルを超える場合においては, けた行方向の間隔 12メートル以内ごとに第 46 条第 4 項の表 1の⑸に掲げる筋かいを使用した通し壁の間仕切壁を設けること ただし, 控柱又は控壁を適当な間隔に設け, 国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては, この限りでない 三けた行方向の間隔 2メートル ( 屋内運動場その他規模が大きい室においては,4メートル) 以内ごとに柱, はり及び小屋組を配置し, 柱とはり又は小屋組とを緊結すること 四構造耐力上主要な部分である柱は,13.センチメートル角以上のもの(2 階建ての1 階の柱で, 張り間方向又はけた行方向に相互の間隔が4メートル以上のものについては,13.センチメートル角以上の柱を2 本合わせて用いたもの又は1センチメートル角以上のもの ) とすること 2 前項の規定は, 次の各号のいずれかに該当する校舎については, 適用しない 一第 46 条第 2 項第一号に掲げる基準に適合するもの二国土交通大臣が指定する日本工業規格に適合するもの 告示平 12 建告第 143 号 20 2 最終改正平成 27 年 6 月 4 日国土交通省告示第 699 号学校の木造の校舎の日本工業規格を指定する件建築基準法施行令 ( 昭和 2 年政令第 338 号 ) 第 48 条第 2 項第二号の規定に基づき, 学校の木造の校舎の日本工業規格を次のように指定する 建築基準法施行令第 48 条第 2 項第二号に規定する学校の木造の校舎の日本工業規格は, 日本工業規格 A3301( 木造校舎の構造設計標準 )-201とする 附則一 ( 略 ) 二改正後の平成 12 年建設省告示第 143 号の規定の適用については, 日本工業規格 A3301( 木造校舎の構造設計標準 )-1993は, 日本工業規格 A3301( 木造校舎の構造設計標準 )-201とみなす 30 3 本条は学校の木造校舎に関する規定である ここで想定する木造校舎は次の3 種類である 1 第 1 項第一号から第四号までの規定を満たす校舎 2 令第 46 条第 2 項第一号の規定を満たす校舎 3 JIS A3301( 木造校舎の構造設計標準 )-1993 又は201に適合する校舎木造の校舎については, 大規模な木造建築物であり, 教室という室の性格から通常の住宅等の木造建築に比べ一室の面積も大きくなることが予想される そのため, 木造の校舎については, 通常の木造建築物の規定に加え, けた行方向の間隔 12m 以内ごとに令第 46 条第 4 項表 1⑸ 項に規定されている軸組 (9cm 角以上の木材の筋かいを入れた軸組 ) を使用した通し壁の間仕切壁を設けることを原則としている 当該規定は, 控柱, 控壁を同等の耐力を有するように設けた場合は適用除外とすることができるが, そのために必要な構造計算の方法については, 大臣が定めている ( 昭 62 建告第 1899 号,3.3.7⑻ 項参照 ) 132

3.3 木造 ( 令第 40 条 ~ 令第 49 条 ) 3.3. 外壁内部等の防腐措置等 ( 令第 49 条 ) 政令第 49 条 ( 外壁内部等の防腐措置等 ) 第 49 条木造の外壁のうち, 鉄網モルタル塗その他軸組が腐りやすい構造である部分の下地には, 防水紙その他これに類するものを使用しなければならない 2 構造耐力上主要な部分である柱, 筋かい及び土台のうち, 地面から1メートル以内の部分には, 有効な防腐措置を講ずるとともに, 必要に応じて, しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない 1 20 本条は木造建築物における木材の防腐措置及び蟻害の防止措置についての規定として, 最低限の留意事項を述べたものである 腐朽や蟻害における重量減少と断面欠損により木材の強度は著しく低下する したがって, 木造建築物に使用される構造部材の腐朽や蟻害による劣化は建築物の構造安全性を低下させる要因の一つであり, 建築物を設計 施工する際には, 防腐 防蟻 防湿措置として有効な構工法上の工夫 ( 例えば, 外壁の通気工法の採用, 雨水のはね返りを考慮した基礎高さの確保, 外壁の下端に設けた水切りの設置等 ) を行う必要がある 併せて, ヒノキ, ヒバ等の高耐朽樹種 ( 心材部分に限る ) を使用したり, 防腐 防蟻処理薬剤 ( 例えば,JIS K170における K3 相当の薬剤など ) で減圧 加圧等処理することも耐久性向上には有効である さらに, これらの防腐 防蟻 防湿措置の効果が持続するように適切な維持管理を行う必要がある なお, 日本しろあり対策協会から平成 6(2004) 年に 木造建築物等防腐 防蟻 防虫処理技術指針 同解説改訂版 4) が発行されている 本指針は, 昭和 8(1983) 年に発行された指針を改訂し, 有効な防腐 防蟻 防虫処理方法についての基本的な考え方及び具体的な施工方法, 環境汚染防止等に対する薬剤の適正な使用等の解説に加え, クロルデン製剤に代わるしろありの防除製剤の取り扱い, 作業上の安全確保等についても配慮した内容のものとなっており, 有用なものとして参考となる 2 30 3 ( 参考木材の腐朽と蟻害に対する措置について ) 一般に木材は含水率 2~3% 以上になると腐朽しはじめるので, 材の含水率を2% 以下に保つための処置を施すことが望ましい 一方, 木造建築物の蟻害はヤマトシロアリとイエシロアリによるものが著しい 前者は我が国のほぼ全域に分布し, 湿潤した木材を食するため被害は建築物の下部に集中する 後者は静岡以西の海岸地域に多く分布し, 気乾した木材も食するので, 被害は建築物の上部にまで及ぶ 薬剤処理に関しては自然環境への負荷に十分配慮し, 養生 薬剤の保管 健康に対する影響に十分留意する必要がある 以下に, やや具体的な処置を示す 1. 腐朽防止のため, 風通しの悪いところ, 雨露を受ける部分, 常時水が使用される部位, 内部結露が発生しやすいところなどでは, 雨仕舞, 水仕舞, 換気等の処置を適切に施し, 必要に応じ薬剤による防腐処理を施す 2. 蟻害防止のため, 防水, 防露による木材の湿潤化防止とシロアリの建築物内への進入防止のための構造的な処置を施し, さらに必要に応じ構造材や土壌に薬剤処理を施す 3. 長期間にわたって木造建築物の構造安全性を保つには, 建築物の維持管理を適切に行う必要がある 維持管理では, 構造材の被害を早期に発見するための点検を行うとともに, 被害原因の除去と被害を受けた部材の補修を行う また, 維持管理しやすい設計 施工を行うことが望ましい 133-1

第 3 章構造細則 3.3 節参考文献 1) 日本建築学会 木質構造設計規準 同解説 - 許容応力度 許容耐力設計法 -,2006.12 2) 日本住宅 木材技術センター 土塗壁 面格子壁 落とし込み板壁の壁倍率に係る技術解説書, 2004.2 3) 日本住宅 木材技術センター 木造軸組工法住宅の許容応力度設計 (2008 年版 ),2008.12 4) 日本しろあり対策協会 木造建築物等防腐 防蟻 防虫処理技術指針 同解説改訂版昭和 61 年,1986 133-2 134