1.表紙 比較用A

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長野県の少子化の現状と課題

資料 7 1 人口動態と子どもの世帯 流山市人口統計資料 (1) 総人口と年少人口の推移流山市の人口は 平成 24 年 4 月 1 日現在 166,924 人で平成 19 年から増加傾向で推移しています 人口増加に伴い 年尐人口 (15 歳未満 ) 及び年尐人口割合も上昇傾向となっています ( 人

妊娠 出産 不妊に関する知識の普及啓発について 埼玉県参考資料 現状と課題 初婚の年齢は男女とも年々上昇している 第一子の出生時年齢も同時に上昇している 理想の子ども数を持たない理由として 欲しいけれどもできないから と回答する夫婦は年々上昇している 不妊を心配している夫婦の半数は病院へ行っていない

表紙


平成29年版高齢社会白書(全体版)

第2節 茨木市の現況

人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

希望をかなえるまちづくり 結婚 出産 子育て 結婚 出産 子育ての希望実現 1 結婚や出産に対する支援の充実 一人ひとりが結婚や出産について諦めることなく取 り組める環境をつくることによって まちに家族を持つこ との幸せをもたらします 結婚を希望する人の未婚率の改善 結婚や妊娠 出産に関するライフプ

次に 母親の年齢別 出生順位別の出生数をみていきましょう 図 2-1は母親の年齢別に第 1 子出生数をみるグラフです 第 1 子の出生数は20 年間で1,951 人 (34.6%) 減少しています 特に平成 18 年から平成 28 年にかけて減少率が大きく 年齢別に見ると 20~24 歳で44.8%

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

2014人口学会発表資料2

Microsoft Word - 02_2‘Í_‹É’¨„´†j.doc


【資料1-1】人口ビジョン編・表紙(案) 省略版

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

1 現状と課題

平成27年版高齢社会白書(全体版)

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

ポイント 〇等価尺度法を用いた日本の子育て費用の計測〇 1993 年 年までの期間から 2003 年 年までの期間にかけて,2 歳以下の子育て費用が大幅に上昇していることを発見〇就学前の子供を持つ世帯に対する手当てを優先的に拡充するべきであるという政策的含意 研究背景 日本に

旭川市の子ども 子育てを取り巻く状況 本市の子ども 子育てを取り巻く状況について, 各種統計資料や平成 25 年 7 月に子育 て中の保護者を対象として実施したアンケート調査 ( 以下 ニーズ調査 という ) の結果 等から整理します 1 少子化について本市は, 全国平均よりも少子高齢化の進行の度合

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ふくい経済トピックス ( 就業編 ) 共働き率日本一の福井県 平成 2 2 年 1 0 月の国勢調査結果によると 福井県の共働き率は % と全国の % を 1 1 ポイント上回り 今回も福井県が 共働き率日本一 となりました しかし 2 0 年前の平成 2 年の共働き率は

調査の背景 埼玉県では平成 29 年度から不妊に関する総合的な支援施策として ウェルカムベイビープロジェクト を開始しました 当プロジェクトの一環として 若い世代からの妊娠 出産 不妊に関する正しい知識の普及啓発のため 願うときに こうのとり は来ますか? を作成し 県内高校 2 年生 3 年生全員

はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 ) 25 年 ( 未就学児 )) < 平成 20 年 > 無回答 2.9% < 平成 25 年 > 無回答 %

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

【資料3】少子化モデル事業資料

Microsoft Word - 28概況(所得・貯蓄)(170929)(全体版・正)

( 2 ) % % % % % % % % 100% 20 90% 80% 70% 60%

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歯科中間報告(案)概要

相対的貧困率の動向: 2006, 2009, 2012年

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25~34歳の結婚についての意識と実態

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

平成30年版高齢社会白書(概要版)(PDF版)

資料 4 明石市の人口動向のポイント 平成 27 年中の人口の動きと近年の推移 参考資料 1: 人口の動き ( 平成 27 年中の人口動態 ) 参照 ⑴ 総人口 ( 参考資料 1:P.1 P.12~13) 明石市の総人口は平成 27 年 10 月 1 日現在で 293,509 人 POINT 総人口

第 1 子出産前後の女性の継続就業率 及び出産 育児と女性の就業状況について 平成 30 年 11 月 内閣府男女共同参画局

Microsoft Word 結果の概要(1世帯)

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

第 1 章調査の概要 1 調査の目的 県民の結婚や子どもを持つこと 子育てに関する意識や現状を把握し 奈良県において子どもを 生み育てやすい環境づくりを進める取組を検討するための基礎資料を得ることを目的に実施した 2 調査の実施概要 (1) 調査対象 夫婦調査 : 平成 30 年 9 月 1 日現在

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目次 第 1 章調査概要 調査の目的 調査の方法... 1 第 2 章分析内容 世帯主年齢階級別の世帯数割合 世帯主年齢階級別の等価可処分所得 世帯主年齢階級別の等価所得 拠出金の内訳 世帯主年齢階級別

第 2 章近江八幡市を取り巻く状況と今後の課題 1 データからみえる地域福祉の状況 1 人口の状況近江八幡市は 平成 22 年 3 月に旧近江八幡市と旧安土町が合併し 人口 8 万人を超える市となりました 旧市町の人口を合計した数値を見ると 平成 12 年から平成 22 年は横ばいで推移していますが

平成27年国勢調査世帯構造等基本集計結果の概要

第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

02世帯

平成25年 国民生活基礎調査【所得票】 結果表一覧(案)

21年度第1回協議会資料5

Ⅲ 結果の概要 1. シングル マザー は 108 万人我が国の 2010 年における シングル マザー の総数は 108 万 2 千人となっており 100 万人を大きく超えている これを世帯の区分別にみると 母子世帯 の母が 75 万 6 千人 ( 率にして 69.9%) 及び 他の世帯員がいる世

Microsoft PowerPoint - ★グラフで見るH30年度版(完成版).

併せて 妊娠 出産 更年期など女性特有の生涯にわたる健康問題を気軽に相談できるよう 対 応を充実させる必要があります はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 横浜市利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 )

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

スライド 1

整整合合 本計画は 第三次宜野湾市総合計画 ( 案 ) に則するものとして位置づけられます また 第 2 次宜野湾市男女共同参画計画 や他の関連する計画との整合性をもったものとして定めています 一方 本計画には母子の健康確保を盛り込むことが定められていることから 宜野湾市母子保健計画 は本計画に包含

平成23年度 旭区区民意識調査

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柏市母子保健計画

人 ) 195 年 1955 年 196 年 1965 年 197 年 1975 年 198 年 1985 年 199 年 1995 年 2 年 25 年 21 年 215 年 22 年 225 年 23 年 235 年 24 年 第 1 人口の現状分析 過去から現在に至る人口の推移を把握し その背

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Microsoft Word - P11~19第2部② 母子保健の現状

質問 1 企業 団体にお勤めの方への質問 あなたの職場では定年は何歳ですか?( 回答者数 :3,741 名 ) 定年は 60 歳 と回答した方が 63.9% と最も多かった 従業員数の少ない職場ほど 定年は 65 歳 70 歳 と回答した方の割合が多く シニア活用 が進んでいる 定年の年齢 < 従業

Microsoft Word 「100年人生を考えようLAB」アンケート調査 ニュースレター.docx

いる 少子化の要因として 未婚化 晩婚化の進行や第 1 子出産年齢の上昇 長時間労働 子育て中の孤立感や負担感が大きいことなど 様々な要因が複雑に絡み合っており きめ細かな少子化対策が必要となっている 市民アンケート調査 ( 平成 27 年 8 月 ) の結果によると 少子化対策について すぐ取り組

2. 女性の労働力率の上昇要因 М 字カーブがほぼ解消しつつあるものの 3 歳代の女性の労働力率が上昇した主な要因は非正規雇用の増加である 217 年の女性の年齢階級別の労働力率の内訳をみると の労働力率 ( 年齢階級別の人口に占めるの割合 ) は25~29 歳をピークに低下しており 4 歳代以降は

1. 結婚についての意識 結婚について肯定的な考え方 ( 結婚はするべきだ 結婚はしたほうがよい ) の割合は男性の方が高い一方 自身の結婚に対する考えについて いずれ結婚するつもり と回答した割合は女性の方が高い 図表 1 図表 2 未婚の方の理想の結婚年齢は平均で男性が 29.3 歳 女性は 2

4 年齢階級別の死因山形県の平成 28 年の死因順位は 20 歳から 34 歳までの各階級において自殺が1 位となっているほか 64 歳までの各階級においても死因順位の上位にあり おおむね全国と同様の傾向が見られます < 表 7> 年齢階級別の死因順位 死亡者数 ( 山形県 ) 年齢階級 総死亡者数

1.表紙

3.HWIS におけるサービスの拡充 HWISにおいては 平成 15 年度のサービス開始以降 主にハローワーク求人情報の提供を行っている 全国のハローワークで受理した求人情報のうち 求人者からインターネット公開希望があったものを HWIS に公開しているが 公開求人割合は年々増加しており 平成 27

合計特殊出生率 : 15 歳から49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので 1 人の女性が生涯に生む子どもの数の平均に相当するとされる 図 2-1 総人口及び年少 老年人口割合の推移 図 2-2 合計特殊出生率の推移 -8-

1 計画見直しの趣旨 中央区では 平成 27 年 4 月の子ども 子育て支援新制度実施に伴い 幼児期の教育 保育および地域子ども 子育て支援事業の提供体制の確保を円滑に行うため 子ども 子育て支援施策を中心に 母子保健 教育 ワーク ライフ バランス等の取組を総合的に推進する ( 以下 本計画 とい

01表紙福島

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統計トピックスNo.92急増するネットショッピングの実態を探る

資料2(コラム)

図 3 世界の GDP 成長率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas Piketty ホームページ 図 4 世界の資本所得比率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas P

第2節 茨木市の現況

1 人口動態の概況 ( 平成 24 年 1 月 ~12 月 ) (1) 出生数 < 減少 > 出生数は56,943 人で前年に比べ1,116 人減少し 出生率は人口千人に対し8.0で 前年と比べ0.2ポイント低下した (2) 死亡数 < 増加 > 死亡数は59,137 人で前年に比べ1,467 人増

はじめに 当財団では これまで 212 年と 15 年に 沖縄県の 5 年先までの将来推計人口を推計してきたが その後 5 年毎に公表される国勢調査および都道府県別生命表の 215 年の統計が公表されたことから同統計のほか 人口動態調査や住民基本台帳人口移動報告などの年次統計なども直近のデータに更新

目 次 調査概要 第 1 部調査結果の概況 未婚者アンケート 既婚者アンケート....5 第 2 部アンケート結果 未婚者アンケート....8 問 1(1): 年齢 (NA)....8 問 1(2): 性別 (SA)....9 問 2(

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2013年7月3日

第4章妊娠期から育児期の父親の子育て 45

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

第1章 計画の目指すもの

第 2 章子どもを取り巻く現況 1 少子化の状況 (1) 出生数の減少と合計特殊出生率の低下愛媛県の出生数は 35 年間で半減本県の出生数は 昭和 48 年 (1973 年 ) に 24,648 人となりましたが その後は徐々に減少傾向が続き 平成 20 年 (2008 年 ) には 11,561

地域子育て支援拠点事業について


[ 国立社会保障 人口問題研究所の地域別将来推計人口 (2013 年 3 月推計 )] 本市の総人口は 2015 年以降減少に転じ 2040 年に 万人 (2015 年比 93%) 2060 年には 93.3 万人 ( 同 79%) に減少する そのような中 2025 年には老年人口は


15 第1章妊娠出産子育てをめぐる妻の年齢要因

平成28年度企業主導型保育事業の助成決定について(第1回)

安心して子どもを産み 育てたいという希望をかなえるためには 子育てにかかる経済的負担の軽減のほか 晩婚化による出産に対する年齢上の課題への対応 市内で出産できる環境の整備 更なる保育サービスの充実など 複数の絡み合う課題の解決が必要である 図 1 理想とする子どもの人数 ( 平成 27 年度北広島市

( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

タイトル

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

Transcription:

健やか親子 21( 第 2 次 ) について検討会報告書 平成 26 年 4 月 健やか親子 21 の最終評価等に関する検討会

健やか親子 21( 第 2 次 ) について検討会報告書 目次 第 1 はじめに 1 第 2 現状 2 1 少子化社会における母子保健対策の意義 2 2 母子保健及び育児を取り巻く状況 3 (1) 少子化の進行 3 (2) 晩婚化 晩産化と未婚率の上昇等 8 (3) 子育て世代の状況 13 (4) その他 23 3 母子保健の水準等 28 4 母子保健領域における健康格差 36 5 母子保健に関わる計画等 44 (1) 母子保健計画と関連のある主な施策や計画等 44 ア国民健康づくり運動 ( 健康日本 21( 第二次 ) ( 平成 25 年度から開始 )) 44 イ子ども 子育て支援策 44 ウ医療計画 45 (2) 母子保健計画について 45 第 3 最終評価で示された 健やか親子 21( 第 2 次 ) に向けた課題 47 1 最終評価の概要 47 2 母子保健事業の推進のための課題 47 (1) 母子保健に関する計画策定や取組 実施体制等に地方公共団体間の格差 があること 47 (2) 母子保健事業の推進のための情報の利活用 48 ア健康診査の内容や手技の標準化 48 イ情報の利活用の促進 48 ( ア ) 問診内容等情報の地方公共団体間の比較が困難なこと 48 ( イ ) 情報の分析 活用ができていない地方公共団体があること 49 ( ウ ) 関連機関の間での情報共有が不十分なこと 50

3 各指標の分析から見えた課題 51 (1) 思春期保健対策の充実 51 (2) 周産期 小児救急 小児在宅医療の充実 51 (3) 母子保健事業間の有機的な連携体制の強化 52 (4) 安心した育児と子どもの健やかな成長を支える地域の支援体制づくり 52 (5) 育てにくさを感じる親に寄り添う支援 52 (6) 児童虐待防止対策の更なる充実 53 第 4 基本的な考え方 54 1 基本的視点 54 2 健やか親子 21( 第 2 次 ) の 10 年後に目指す姿 55 3 健やか親子 21( 第 2 次 ) の課題の構成 56 第 5 目標の設定 58 1 目標の設定と評価 58 (1) 指標の構成 58 (2) 指標の内容 58 (3) 目標の設定 59 (4) 評価 59 2 課題ごとの具体的目標 60 (1) 基盤となる課題 60 ア切れ目ない妊産婦 乳幼児への保健対策 ( 基盤課題 A) 60 ( ア ) 妊産婦死亡率の減少 61 ( イ ) 全出生数中の低出生体重児の割合の減少 64 ( ウ ) 妊娠 出産について満足している者の割合の増加 67 ( エ ) むし歯のない 3 歳児の割合の増加 70 イ学童期 思春期から成人期に向けた保健対策 ( 基盤課題 B) 72 ( ア ) 十代の自殺死亡率の減少 73 ( イ ) 十代の人工妊娠中絶率及び十代の性感染症罹患率の減少 75 ( ウ ) 児童 生徒における痩身傾向児の割合及び児童 生徒における肥満傾向児 の割合の減少 79 ( エ ) 歯肉に炎症がある十代の割合の減少 84 ウ子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり ( 基盤課題 C) 86 ( ア ) この地域で子育てをしたいと思う親の割合の増加 87 ( イ ) 妊娠中 仕事を続けることに対して職場から配慮をされたと思う就労妊婦の 割合の増加 91

(2) 重点課題 94 ア育てにくさを感じる親に寄り添う支援 ( 重点課題 1) 94 ( ア ) ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合の増加 96 ( イ ) 育てにくさを感じたときに対処できる親の割合の増加 99 イ妊娠期からの児童虐待防止対策 ( 重点課題 2) 102 ( ア ) 児童虐待による死亡数の減少 103 ( イ ) 子どもを虐待していると思う親の割合の減少 106 第 6 国民運動計画としての取組の充実に向けて 109 1 国民運動計画としての取組の推進体制 109 (1) 国民の主体的取組の推進 110 (2) 健やか親子 21 推進協議会及び各参画団体の活動の更なる活性化 110 (3) 企業や学術団体等との連携 協働による取組推進の体制づくり 110 (4) 国及び地方公共団体における取組の推進 - 健康格差の解消に向けて 国 都道府県 市町村に求められる役割 - 110 ア国の役割 111 イ都道府県の役割 112 ウ県型保健所の役割 112 エ市町村の役割 113 2 効果的な取組方策のあり方について 114 (1) 関係者による課題の共有や意見交換ができる体制づくり 114 (2) 関係機関間における意見交換及び情報共有の充実 114 (3) 多様な媒体を活用した更なる周知広報 114 第 7 おわりに 115

参考資料 参考資料 1 指標及び具体的な取組方策等について 117 参考資料 2 指標及び目標の一覧 131 参考資料 3 参考資料 4 参考資料 5 指標に対する目標の考え方等について ( 目標シート ) 139 健やか親子 21 の最終評価等に関する検討会開催要綱 193 健やか親子 21 の最終評価等に関する検討会開催経過 195

第 1 はじめに 平成 13 年 (2001 年 ) から開始された 健やか親子 21 は 20 世紀の母子保健の取組の成果を踏まえ 残された課題と新たな課題を整理するとともに 課題それぞれについての目標を設定することにより 関係者 関係機関 団体が一体となって母子保健に関する取組を推進する国民運動計画であり 21 世紀の母子保健の主要な取組を提示するビジョンである 併せて 健やか親子 21 は 安心して子どもを産み 健やかに育てることの基礎となる少子化対策としての意義に加え 少子 高齢化社会において 国民が健康で明るく元気に生活できる社会の実現を図るための国民の健康づくり運動 ( 健康日本 2 1) の一翼を担うものである 現在の 健やか親子 21 ( 以下 現計画 という ) では 21 世紀に取り組むべき主要な 4 つの課題を設定し 課題の解決に向けて関係者 関係機関 団体が一体となって取組を進めてきた 課題 1 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進 課題 2 妊娠 出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援 課題 3 小児保健医療水準を維持 向上させるための環境整備 課題 4 子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減 当初 現計画は 平成 13 年から平成 22 年までの 10 年間を計画期間として開始されたが 次世代育成支援対策推進法 ( 平成 15 年法律第 120 号 ) に基づく次世代育成行動計画と連携して更なる取組の推進を図る観点から その計画期間を平成 26 年まで 4 年間延長し 現在に至っている この間 平成 17 年と平成 22 年に中間評価を行ってきた 現計画については 平成 26 年末で終期を迎えることから 現計画の最終評価と 次なる 健やか親子 21 について検討するため 平成 25 年 7 月に 関係する専門家等による本検討会が設置された 本検討会では まず 3 回にわたる議論を経て 目標の達成状況や関連する取組の状況に関する評価を行い 同年 11 月に 健やか親子 21 最終評価報告書 をとりまとめた さらに 本検討会においては 平成 27 年度から始まる 健やか親子 21( 第 2 次 ) の策定に向けて 現在の母子保健及び育児を取り巻く状況や 晩婚化や未婚率の上昇といった変化を踏まえ 6 回にわたり検討を進めた 今般 その検討結果として 健やか親子 21( 第 2 次 ) について検討会報告書 をとりまとめ すべての子どもが健やかに育つ社会 の実現に向けて 今後 10 年間を見据えた母子保健の主要な取組を提示することとした 今後 本報告書を踏まえ 国民をはじめ国 地方公共団体 専門団体 推進協議会やその他民間団体等が連携し 健やか親子 21 が国民運動計画として更に推進 展開されることを期待する - 1 -

第 2 現状 1 少子化社会における母子保健対策の意義 わが国の母子保健対策は 母子の生命を守る あるいは母子の健康の保持 増進を図ることを一義的な目的としている 母子保健における支援は 妊娠期から始まり 周産期 乳幼児期 学童期 思春期 そしてまた妊娠期へと循環する 妊娠 出産 子育てへのライフサイクルを通じた切れ目ない支援体制構築の重要性については 平成 25 年 8 月にとりまとめられた社会保障制度改革国民会議報告書においても指摘されているところである 昨今 少子化や子育て世帯の孤立化といった社会構造の変化や 核家族や共働き世帯の増加といった家族形態の多様化等 子育てを取り巻く環境が大きく変化しており わが国における 住民と行政とを直接繋ぐ役割を担う母子保健対策の意義は より一層増している 母子保健対策がすべての母子を対象に事業を展開していることから 母子をはじめとした住民と行政とが直接接する貴重な機会を十分に活用し 個々のニーズを把握するとともに 地域の支援ニーズを把握することが重要である 併せて 子育て環境の変化に対応していくために課題を整理し 地域の実情を踏まえた母子保健対策の充実と 母子保健の枠を越えた有機的な連携を築く必要がある 切れ目ない母子の健康支援を行うためには 地域の母子保健と 学校保健や産業保健との連携が必要不可欠である まず 学校保健との連携の観点からは 学校での健康教育への協力や医療機関と連携した健康管理への支援を行うとともに 乳幼児健康診査等で把握した子どもの健康に関する情報が 就学前後で途切れることなく学童 生徒の健康支援においても活用されることが重要である 次に 産業保健との連携の観点からは 就労している妊婦に対する健康支援を両者が協同して進め また 育児中の男女の心身の健康を保持 増進するための職場環境の整備に対して 地域保健の専門的立場から協力することも求められる このように 母子を取り巻く環境が複雑化 多様化する近年においては 妊娠中から子育て中の親子とその家族が 主体的に自らの健康に関心を持つとともに お互いを支え合い理解し合えるような環境づくりが必要となる 加えて 学校や企業等も含めた地域社会全体で子どもの健やかな成長を見守るとともに 子育て世代の親を孤立させないよう温かく見守り支える地域づくりも重要である - 2 -

2 母子保健及び育児を取り巻く状況 近年の母子保健及び育児を取り巻く状況は 母子保健の水準が大幅に改善する一方で 晩婚化や未婚率の上昇 子育て世代の家族形態が多様化する等 大きな変化が見られている また 現行の 健やか親子 21 の策定当時 (2000( 平成 12) 年 ) と比較しても この 10 数年間で人口減少社会を迎える等 大きな変化がある 健やか親子 21( 第 2 次 ) を策定するにあたっては 今後 10 年間 20 年間の状況の変化を見据えつつ 必要な母子保健事業を展開する必要がある (1) 少子化の進行 〇総人口と人口構成の変化 2012( 平成 24) 年の我が国の総人口は 約 1 億 2,752 万人となり 前年比約 28 万人の減少となった 2005( 平成 17) 年前後には人口増加率はマイナスを記録し人口減少社会に入り ( 図 1) 現行の 健やか親子 21 の策定時 (2000( 平成 12) 年 ) と現在は状況が大きく異なる 図 1 日本の長期人口すう勢 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 1 (p.5) 年齢 3 区分別人口の割合では 現行の 健やか親子 21 策定時は年少人口 (0~14 歳 ) が 14.6% 生産年齢人口 (15~64 歳 ) が 68.1% 老年人口 (65 歳以上 ) が 17.4% だったのが 2012 ( 平成 24) 年には年少人口が 13.0% 生産年齢人口が 62.9% 老年人口が 24.1% と大きく変化してきている この約 30 年の間には 老年人口は 189% 増加し 年少人口は 40% 減少している ( 図 2 図 3) 1 厚生労働省 (2012). 平成 25 年版厚生労働白書 - 若者の意識を探る -, 平成 24 年度厚生労働行政年次報告. 平成 26 年 4 月 14 日アクセス,http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/13/ - 3 -

図 2 日本の人口推移と将来推計人口 図 3 人口構成割合の変化 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.5) 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.6) - 4 -

2006( 平成 18) 年以降の合計特殊出生率は 横ばいもしくは微増傾向だが 2012( 平成 24) 年も 1.41 と依然として低い水準にある また 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 ( 平成 24 年 1 月推計 ) によると 現在の傾向が続けば 2060( 平成 72) 年には 我が国の人口は 8,674 万人となり 1 年間に生まれる子どもの数が現在の半分以下の 50 万人を割り 高齢化率は約 40% に達するという厳しい見通しが示されている ( 図 4) 図 4 人口ピラミッドの変化 (1990 2010 2040 2060)- 平成 24 年中位推計 - 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.188) 〇出生数の変化出生数は 現行の 健やか親子 21 が策定された 2000( 平成 12) 年は 119 万 547 人であったが 2012( 平成 24) 年は 103 万 7,101 人と過去最低を記録した 2012( 平成 24) 年は 前年より 1 万 3,705 人減少した ( 図 5) 合計特殊出生率は 2005( 平成 17) 年には 1.26 と過去最低を更新した ( 図 6) 主に 20 歳代の出生率の低下によるもので 30~49 歳の各階級では上昇した ( 図 7) - 5 -

図5 上 図6 下 少子化の進行と人口減少社会の到来 資料 図5 総務省推計人口 平成 23 年 10 月1日現在 図6 厚生労働省人口動態統計 - 6 -

図 7 母の年齢階級別出生率の年次推移 注 : 母の各歳別出生率を足し上げたもので 各階級の合計が合計特殊出生率である 資料 : 平成 26 年我が国の人口動態 (p.9) - 7 -

(2) 晩婚化 晩産化と未婚率の上昇等 〇婚姻数と婚姻率の減少少子化による若年者の減少 未婚率の上昇などを背景に 我が国の婚姻件数は減少傾向にあり 直近の 2012( 平成 24) 年の婚姻数は年間約 67 万組で 最も多かった 1972( 昭和 47) 年の 6 割程度となっている ( 図 8) 図 8 婚姻数及び婚姻率の年次推移 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.57) - 8 -

〇晩婚化 晩産化の進行大学進学率の上昇 ( 図 9) 独身者の意識変化などを背景に 結婚する年齢が高くなる晩婚化が進行している ( 図 10) 図 9 進学率の推移 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.30) 図 10 大学進学率と平均初婚年齢の関係 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.58) - 9 -

日本人の平均初婚年齢は 2012( 平成 24) 年で 夫が 30.8 歳 妻が 29.2 歳となっている 1980( 昭和 55) 年 ( 夫が 27.8 歳 妻が 25.2 歳 ) からの約 30 年間に 夫は 3.0 歳 妻は 4.0 歳 平均初婚年齢が上昇している さらに 出生したときの母親の平均年齢をみると 2012( 平成 24) 年では第 1 子が 30.3 歳 第 2 子が 32.1 歳 第 3 子が 33.3 歳であり 1980 年と比較すると それぞれ 3.9 歳 3.4 歳 2.7 歳上昇している ( 図 11) 図 11 平均初婚年齢 母親平均出生時年齢推移 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.58) - 10 -

〇未婚者の平均希望結婚年齢の上昇 各年齢層で男女ともに上昇しており 18~34 歳の未婚者の平均希望結婚年齢は男性で 30.4 歳 女性で 28.4 歳となっており ここ 30 年で男性は 2 歳 女性は 3 歳上昇している ( 図 12) 図 12 未婚者の平均希望結婚年齢の推移 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.68) - 11 -

〇生涯未婚率の上昇生涯未婚率 (50 歳時点で一度も結婚したことのない人の割合 ) も男性 19.3% 女性 9.9% となっており 1980( 昭和 55) 年と比べて男性で 16.8 ポイント 女性で 5.3 ポイント上昇している ( 図 13) 図 13 年齢別未婚率の変化 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.59) - 12 -

(3) 子育て世代の状況 〇理想子ども数の推移等国立社会保障 人口問題研究所 出生動向基本調査 によると 理想子ども数の分布は 1982 ( 昭和 57) 年では 3 人 が最多割合を占めていたが 2010( 平成 22) 年時点では 2 人 が約 5 割と逆転し 全体的により少ない子ども数へと選択が移ってきているものの 2 人以上を選択する夫婦は 9 割を超えている ( 表 1) 表 1 平均理想子ども数の分布 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.96) また 平均出生子ども数 平均予定子ども数 平均理想子ども数の推移は いずれも減少傾向にあるが 平均出生子ども数と平均理想子ども数の差は変わらずに推移している ( 図 14) 図 14 平均出生子ども数 平均予定子ども数 平均理想子ども数の年次推移 平均出生子ども数平均予定子ども数平均理想子ども数 3 ( 人 ) 2.5 2 1.5 2.61 2.62 2.67 2.64 2.53 2.56 2.48 2.42 2.17 2.20 2.23 2.18 2.16 2.13 2.11 2.07 1.89 1.93 1.96 1.9 1.84 1.79 1.77 1.71 1 0.5 0 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2005 2010 資料 : 国立社会保障 人口問題研究所 社会保障 人口問題基本調査 ( 出生動向基本調査 ) ( 年 ) - 13 -

理想の子ども数実現への課題として 理想の子ども数を持たない理由として最も多いのは 子育てや教育にお金がかかりすぎるから であり 6 割以上がこの理由を選択し 妻の年齢が 30 歳未満の若い世代では 8 割以上に上っている また 30 歳未満では それ以上の年代に比べ 自分や夫婦の生活を大切にしたいから という回答が多い傾向にある 一方 30 歳代になると 欲しいけれどもできない 高年齢で生むのはいやだから といった年齢 身体的理由の選択率が高くなっており これ以上育児の心理的 肉体的負担に耐えられないから という回答も比較的多くなっている ( 表 2) 表 2 理想の子ども数を持たない理由 ( 妻の年齢別 ) 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.98) - 14 -

今後 1 人以上の子どもを産むつもりの夫婦に その実現可能性の高さと 実現できないとしたときに考えられる理由について尋ねた結果は 表 3 の通りであった 実現できない理由として 妻が 30 歳未満では 4 割以上が 収入が不安定なこと を挙げており 妻が 35~39 歳の夫婦では 6 割以上が 年齢や健康上の理由で子どもができない ことを挙げている 表 3 追加の子どもを実現できない理由 ( 妻の年齢別 ) 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.99) - 15 -

未婚 既婚を問わず 子どもを持つことについての考え方の回答割合から 子育てによる経済的 精神的負担よりも 子どもは日々の生活を豊かにしてくれ 生きる上での喜びや希望であるという意識が強いことがうかがえる ( 図 15) 図 15 子どもを持つことについての考え方 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.94) - 16 -

〇世帯類型別構成割合 単身世帯 や ひとり親と子世帯 は増加しているが 三世帯同居世帯 は減少している 三世代同居の減少やひとり親と子世帯の増加により 家庭外からの子育て支援を求めることがより必要になってきていると言える ( 図 16 と図 17) 図 16 世帯類型別構成割合 図 17 単身世帯と三世代同居の推移 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.92) 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.93) - 17 -

〇不妊について医学的には男性 女性ともに妊娠 出産には適した年齢があることが指摘されており 30 歳代半ば頃から 年齢が上がるにつれて様々なリスクが相対的に高くなるとともに 出産に至る確率が低くなっていくことが指摘されている また 35 歳前後からは流産率も上昇する ( 図 18) ほか 妊娠高血圧症候群や前置胎盤等の妊娠 出産のリスクも高くなる 図 18 不妊治療における年齢別の出産率と流産率 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.107) - 18 -

国立社会保障 人口問題研究所 第 14 回出生動向基本調査 によると 不妊を心配したり 検査や治療経験のある夫婦の割合は 近年増加傾向にある ( 図 19) 図 19 不妊について心配したことのある夫婦の割合と治療経験 ( 調査 結婚持続期間別 ) 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.111) - 19 -

〇女性の雇用数の増大 2012( 平成 24) 年の女性の労働力率をみると 25~29 歳層及び 45~49 歳層を左右のピークとし 35~39 歳層を底とする M 字カーブを描いている 1970( 昭和 45) 年以降 10 年ごとの推移をみると 25~29 歳層及び 30~34 歳層の上昇幅が大きく M 字の底は上がってきているものの 潜在的労働力率と現実の労働力率との差は 依然として大きい なお M 字の底の年齢層が上の層にシフトしているのは 結婚年齢や出産年齢の上昇に起因したものと考えられる ( 図 20) 図 20 年齢階級別女性労働力率 潜在的労働力率 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.158) - 20 -

〇完全失業率の上昇 1980( 昭和 55) 年時点 2000( 平成 12) 年時点 2012( 平成 24) 年時点の 15~24 歳 25~34 歳の完全失業率を取り出すと図 21 のようになる 1980( 昭和 55) 年と 2012( 平成 24) 年を比較すると 15~24 歳では 3.6% から 8.1% へ上昇 25~34 歳では 2.2% から 5.5% へ上昇している 図 21 若者の年齢階級別失業率の推移 (1980 2000 2012 年 ) 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.20) - 21 -

〇非正規雇用の増加 15~24 歳までの非正規雇用率は 1991( 平成 3) 年の 9.5% から 2010( 平成 22) 年には 30.4% と大幅に上昇しており 正規雇用に比べて 雇用が不安定 賃金が低いなど様々な課題があり 非正規雇用の労働者の増加は 所得格差の増大や生活不安の増大の一因となっている ( 図 22) 図 22 年齢階級別非正規雇用比率の推移 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.21) - 22 -

(4) その他 〇子どもの貧困子どもの相対的貧困率 ( ) は 15.7%(2009( 平成 21) 年 ) となっており ( 図 23) OECD 34 カ国中 24 位 (2012 年の OECD レポート ) と高い水準になっている 相対的貧困率は可処分所得のみで算定されていることから この数字だけで貧困の状況すべてを測ることはできないが 子どもの貧困が解決しなくてはならない状況にあることがうかがえる 子どもが成育環境に左右されることのないよう 貧困の状態にある子どもが健やかに育成される環境を整備する必要がある ( ) 相対的貧困率とは等価可処分所得 ( 世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得 ) の中央値の半分 ( 貧困線 ) に満たない世帯員の割合をいう 子どもの相対的貧困率とは 17 歳以下の子ども全体に占める 貧困線に満たない 17 歳以下の子どもの割合をいう 図 23 相対的貧困率の推移 資料 : 平成 22 年国民生活基礎調査 - 23 -

〇インターネットの普及総務省 通信利用動向調査 によると インターネットの普及率は 1997( 平成 9) 年の 9.2% から 2011( 平成 23) 年には 79.1% と著明な増加が見られる ( 図 24) 図 24 インターネットの普及率 資料 : 平成 25 年版厚生労働白書 (p.31) - 24 -

中でもパソコンは 75.8%(2012( 平成 24) 年 ) で スマートフォンは 2010( 平成 22) 年の 9.7% から 2012( 平成 24) 年には 49.5% に著増している ( 図 25) 図 25 世帯における主な情報通信機器保有率の推移 資料 : 日本子ども資料年鑑 2014(p.385) - 25 -

子育てに関する情報源は 2006( 平成 18) 年と比べて インターネット は妻では 70.4% から 81.6% へと増加し 携帯サイト 配信サービス も 19.6% から 41.1% へと増加している ( 図 26) また年齢層別にみると 携帯サイト 配信サービス を情報源としている割合は 40 歳以上の母親は 20.6% であるのに対して 24 歳以下の母親では 70.0% であることから 若い母親ほど情報源としてより多用していることが分かる ( 表 4) 図 26 子育ての情報源 ( 経年比較 ) 注 1) 複数回答資料 : 第 2 回妊娠出産子育て基本調査 ( ベネッセ教育総合研究所,2011) - 26 -

表 4 子育ての情報源 (2011 年全体 妻の年齢別 ) 全体 (1,843) 妻の年齢別 24 歳以下 25~29 歳 30~34 歳 35~39 歳 40 歳以上 (100) (453) (686) (427) (102) 雑誌 85.5 92.0 87.6 86.3 82.9 76.5 インターネット 81.6 74.0 82.6 84.7 78.9 80.4 テレビ ラジオ 78.4 76.0 78.8 78.3 78.9 76.5 書籍 雑誌別冊 ( ムック ) 54.6 48.0 55.0 55.7 54.8 53.9 メーカーカタログ 通信販売カタログ 41.7 40.0 41.3 41.8 42.4 53.9 携帯サイト 配信サービス 41.1 70.0 55.8 38.6 28.8 20.6 新聞 25.8 11.0 17.9 28.9 32.8 32.4 店員 店頭 15.0 11.0 17.0 13.8 14.3 24.5 ビデオ DVD 14.9 7.0 12.4 15.5 17.1 16.7 習い事 7.4 2.0 4.2 7.9 10.1 13.7 その他 10.1 8.0 8.4 11.7 10.5 12.7 特になし 0.5 2.0 0.4 0.3 0.7 0.0 注 1 複数回答注 2 13 項目中 12 項目を図示注 3 ( ) 内はサンプル数 資料 : 第 2 回妊娠出産子育て基本調査 ( ベネッセ教育総合研究所,2011) また平成 25 年度厚生労働科学研究 ( 健やか親子 21 の最終評価 課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究 ( 研究代表者 : 山縣然太朗 ) ) において 母親の育児についての相談相手の上位 3 項目は 夫婦で相談する (78.8%) 祖母 (73.6%) 友人 (64.2%) であった 続いて 保育士や幼稚園の先生 (27.5%) 近所の人 (10.8%) インターネット (10.5%) であり 誰もいない は 0.3% であった 過去の中間評価を参照すると 最近では 夫婦での相談 友人 インターネットなどが増加傾向であり核家族化の現状がうかがえる - 27 -