様式第1号

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機能分類や左室駆出率, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (Brain Natriuretic peptide, BNP) などの心不全重症度とは独立した死亡や入院の予測因子であることが多くの研究で示されているものの, このような関連が示されなかったものもある. これらは, 抑うつと心不全重症度との密接な

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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TDM研究 Vol.26 No.2

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平成14年度研究報告

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

ストラクチャークラブ ジャパン COI 開示 発表者名 : 高木祐介 演題発表に関連し, 開示すべき COI 関係にある 企業などはありません.

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50% であり (iii) 明らかな心臓弁膜症や収縮性心膜炎を認めない (ESC 2012 ガイドライン ) とする HFrEF は (i)framingham 診断基準を満たす心不全症状や検査所見があり (ii) は EF<50% とした 対象は亀田総合病院に 年までに初回発症

検査項目情報 6158 CK アイソザイム 一次サンプル採取マニュアル 3. 生化学的検査 >> 3B. 酵素および関連物質 >> 3B025.CKアイソザイム Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 cr

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ここが知りたい かかりつけ医のための心不全の診かた

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適応病名とレセプト病名とのリンクDB

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

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( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect again

1 解除 (decongestion) という 目に見える治療 LECTURE の重要性を示唆するデータが関心を集めてい ます 心不全急性増悪後 4 8 時間以内の入院 体液貯留管理におけるうっ血解除の意義 患者を対象に 退院時または入院 7 日目のうっ血の程度をCCS(composite cong

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高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

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1)表紙14年v0

する ) ( 要望するについて記載する ) 備 考 ( 該当する場合はチェックする ) 7.5 mg 15 mg, 最大 30 mg まで 小児に関する要望 ( 特記事項等 ) 希少疾病用 医薬品の該 当性 ( 推定対 象患者数 推定 方法について も記載する ) 国内の承認 内容 ( 適応外 薬の

「血液製剤の使用指針《(改定版)

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

SpO2と血液ガス

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

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査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

562 当院におけるプロカルシトニンとプレセプシンの比較検討 東恭加 1) 加藤淳子 1) 井元明美 1) 上霜剛 1) 秋篠範子 1) 兵庫県立柏原病院 1) はじめに プロカルシトニン (PCT) は 細菌性敗血症のマーカーとして日常診療に用いられており 当院でもイムノクロマト法 (PCT-Q:

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針刺し切創発生時の対応

1 ムを知ることは, 治療介入時の注意点を知る上で重要である. つまり, 臓器の組織還流を維持するために腎での水と Na 保持作用は重要な代償機構である. 利尿薬投与によって体液量を減少させれば, 浮腫は減少するが, 同時に組織還流も減少するため, その程度によっては臓器障害をきたしうることをよく理

25 年 ₅ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 565 号付録 ) 平成25 年5 月平成 講演 2 心不全バイオマーカーの紹介津川和子 ( 広島大学病院検査部 ) ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体 N 端フラグメント (NT-proBNP) は BNP の前駆体である probnp

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

6. 研究対象者として選定された理由 当科を受診された各種慢性肝疾患の方が研究対象者に含まれます 7. 研究対象者に生じる利益 負担および予想されるリスクノベルジン錠の国内臨床試験に置ける安全性評価対象例 74 例中 23 例 (31.1%) に副作用が認められ 主な自覚症状では悪心 4 例 (5.

Virtual Touch Quantification 法を用いたエラストグラフィによる心不全患者に対する臓器うっ血の評価の有用性に関する研究 [全文の要約]

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うっ血性心不全におけるコペプチンの病態的意義に関する研究 Therapeutic and Pathophysiological Significance of Plasma Copeptin in Patients with Congestive Heart Failure 平成 24 年度入学岩下菜摘子 (Iwashita,Natsuko) 指導教員庄司優 心不全は循環器疾患における主要な死因であり 近年日本では高齢化に伴い増加傾向にある バゾプレシン (AVP) は心血管系の制御に重要な役割を担っていることは良く知られており 心不全において AVP 濃度の上昇が報告されていた AVP 前駆体の C 末端を構成するコペプチンは AVP に比べ体内で安定であり高い血漿濃度が観察できるため AVP の代替マーカーとして心不全をはじめ様々な病態で注目されている 1) しかし心不全治療中のコペプチンの反応については明らかでなく また日本人の心不全患者でコペプチン測定の意義を検討した報告もない 心不全患者のリスク評価改善のために 心不全マーカーの経時的変化について知ることは重要である そこで本研究では 心不全増悪で入院した患者においてコペプチンの治療反応性を評価した また 治療抵抗性重症うっ血性心不全に対して 新たな治療薬である選択的 AVP V2 受容体拮抗薬の効果に期待が集まっている トルバプタン (TLV) 投与の目安については 尿浸透圧など現在も検討がなされており 多様な背景を持つ心不全患者において TLV の選択にコペプチン測定は有用であるか注目が集まっている そこで心不全増悪で入院した患者の TLV 治療前後のコペプチン濃度の変動についても検討した

1. 心不全入院症例における血漿コペプチンの治療反応性に関する検討 対象はうっ血性心不全にて 213 年 9 月から 215 年 5 月までに JCHO 横浜保土ヶ谷中央病院に入院したクリニカルシナリオ (CS)1 と 2 に該当する患者である 検討は各施設の倫理委員会の承認下に 53 症例からインフォームドコンセント (IC) を得て施行された 除外基準は 悪性腫瘍 ( 進行 ) ショック 急性冠症候群 AVP V2 受容体拮抗薬投与患者 透析 肺性心とした 治療はガイドライン (JCS211) に沿って行い NYHA 心機能分類と CS によりそれぞれに分類し評価した 入院時と経過中に一般検査や心臓超音波検査を行った コペプチン測定のため 入院時及び治療開始 1 週間後を目安に血液検体 5mL を採取し 直ちに冷却遠心後 血漿を凍結保存した 測定は血漿検体 1mL を SEP-Column により抽出し凍結乾燥後 EIA 法 (Peninsula Laboratories International Incorporation, San Carlos, CA 947, U.S.A.) により メーカーの推奨する方法で行った 結果は平均 ±SE n 数 (%) 中央値( 第 1 四分位数 - 第 3 四分位数 ) で適宜示した 統計解析は StatFlex Ver.6 を用いて行い P<.5 を統計的に有意とみなした 経過中に除外基準の抵触又は該当が判明した症例を除外し 39 名を対象に解析を実施した 心不全の主な原因疾患は弁膜症 (43.6%) と高血圧症 (43.6%) であった 治療にはフロセミド (89.7%) やカルペリチド (87.2%) が最も多く投与された 39 名中 37 名は初期治療後に症状の改善がみられたが 1 名は症状の変化はなく もう 1 名は悪化した 血清 Na は正常範囲であったのに対し Ccr の低下が認められた 症例は入院時のコペプチン濃度により三分位に分け比較を行ったが コペプチン濃度以外で入院時の各パラメータに有意差は認めなかった 入院時のコペプチン濃度と血清 Na 血液浸透圧との間に相関はみられなかった ( 図 1) 入院時の全症例のコペプチン濃度の中央値は.5(.1-5.6) 2)

Square root Copeptin (pmol/l) Square root NT-proBNP (pg/ml) pmol/l であり 初期治療後には.4(.2-33.)pmol/L へ低下する傾向が認められた ( 図 2) ただし コペプチンの治療への反応はその濃度により異なり コペプチン濃度の高い第 3 三分位の群では 8.5(51.5-87.)pmol/L より初期治療後 9.4(.2-66.8)pmol/L へ有意に低下したのに対し (P<.5) コペプチン濃度の低い第 1 三分位の群では.7(.3 -.13)pmol/L から.3(.1-16.2)pmol/L へ有意に上 昇した (P<.1)( 図 3A) 図 1 コペプチンと血清 Na 及び血液浸透圧性との相関 A 2 B 2 P<.1 全症例の NT-proBNP 濃度は Square root Copeptin (pmol/l) 15 1 5 before (n=39) Square root NT-proBNP (pg/ml) 15 1 5 after before after (n=39) (n=37) (n=35) 図 2 初期治療前後のコペプチンと NT-proBNP の変化 入院時 5794.(2289.- 12778.)pg/mL から初期治療後 1652.(66.- 3786.)pg/mL へ有意に低下した (P<.1)( 図 2) A 入院時の NT-proBNP 濃度により三分位に分けた場合もそれぞれの分位にお いて有意な低下を認めた ( 第 1 三分位 ; P<.1, 第 2; P<.1, 第 3; P<.1) ( 図 3B) また NYHA 分類では重症度と共に入院時コペプチン濃度は段階的 2 ** * B 2 ** *P<.5 **P<.1 P<.1 * * ** 15 15 1 1 5 5 before after before after before after before after before after before after (n=13) (n=13) (n=13) (n=13) (n=13) (n=13) (n=11) (n=11) (n=11) (n=11) (n=11) (n=11) 1 st tertile 2 nd tertile 3 rd tertile 1 st tertile 2 nd tertile 3 rd tertile 図 3 各三分位群患者における初期治療前後のコペプチンと NT-proBNP の変化

に上昇し 治療後コペプチン濃度は NYHAⅠとⅡの群と NYHAⅢとⅣの群で有意差を認めた (P<.1) 一方 入院時 NT-proBNP 濃度は NYHAⅠとⅡの群と NYHAⅢとⅣの群で有意差を認め (P<.5) 治療後 NYHAⅢとⅣの群で有意に低下した (P<.1) CS1 の入院時コペプチン濃度は CS2 より低い傾向にあった 入院時 NT-proBNP 濃度は CS1 と 2 で治療後それぞれ有意に低下した 入院時のコペプチンと NT-proBNP には正の相関が認められ (r=.373 P=.23) また治療前後の変化量についても同様に正の相関が認められた (r=.426 P=.13) 重回帰分析ではコペプチンの独立した予測因子として NT-proBNP が抽出された (r=.495 P=.12) 本研究での入院時のコペプチン濃度は 生理的な変動外の上昇を認めた コペプチンと NT-proBNP の間 及び両者の反応性にそれぞれ正の相関を認め さらに重回帰分析では NT-proBNP はコペプチン濃度の独立した予測因子だった これらの知見は BNP や NT-proBNP のように AVP とコペプチンは心不全の神経内分泌系マーカーであるという報告と一致する 3) 入院時コペプチン濃度と血清 Na や血液浸透圧と相関を認めなかったことから 心不全患者でのコペプチン分泌は非浸透圧性の刺激によるものと考えられた 心不全では血管充満圧の低下をきたし それによる頸動脈の圧受容体の活性化が AVP の非浸透圧性刺激として重要とされてきた 3) さらに AVP の刺激因子として アンジオテンシンⅡや インターロイキン 1 のような炎症性サイトカインの心不全での関与が報告されている 逆に AVP 分泌の抑制因 子として動脈圧の上昇 3) やグルココルチコイド BNP の報告がある このよ うに AVP 及びコペプチンの分泌調節には複雑なメカニズムが背景にあり コペプチン値の変動の個体差が観察されたものと考えられた コペプチン濃度の高い第 3 三分位では 初期治療後コペプチン濃度が低下したのに対し 低い第 1 三分位では上昇を認めた これらの結果はコペプチン濃度の高

BW (kg) Urine volume (ml) EF (%) CRP (mg/dl) Serum osmolality (mosm/l) Urine osmolality (mosm/l) Na (meq/l) K (meq/l) TP (g/dl) UA (mg/dl) copeptin (pmol/l) NT-proBNP (pg/ml) い群では入院時のコペプチン放出の刺激因子が優位であるのに対し 低い群では抑制因子が優位であると考えられた また初期治療によりコペプチン濃度の回復が見られ コペプチン放出を刺激又は抑制する因子が治療により減弱したと考えられた 以上より 心不全患者での心機能障害や治療に対するコペプチンの反応は多様性を有し 心臓非特異的で 刺激と抑制性因子の統合が個々におけるコペプチンの反応を反映すると考えられた 2. トルバプタン投与症例における血漿コペプチンの治療反応性に関する検討 IC が得られたうっ血性心不全急性期症例中 TLV を投与された 2 症例について その治療効果とコペプチンの病態的意義について検討した 症例 71 歳女性 38 の発熱 呼吸困難を主訴に 肺炎を契機 1 Carperitide.125μg/kg/min Furosemide4mg i.v. 4mg p.o. Tolvaptan3.75mg Spironolactone25mg Digoxin 3 とした心不全増悪にて入院 僧帽弁狭窄症に起因する慢性心不全 慢性心房細動 高血圧症 脂質異常症を治療中であった 入院時所見では 頸静脈怒張がみ 8 6 4 2 7.4 7. 6.6 6.2 5.8 138 134 13 288 284 2 1 1. 9. 8. 7. 4.2 3.8 3.4 3. 2.6 6 5 られ NYHA は Ⅳ CS は 2 EF は 28 3 4 5.4% X 線上胸水を認めた 臨床経過について図 4 に示した 2 1 65 6 55 第 4 病日から第 23 病日まで TLV 5 42 41 2 3.75mg による治療を行った コ 4 39 1 ペプチン濃度は入院時 87.6 38 day 5 1 15 2 25 図 4 トルハ フ タン治療によるコヘ フ チン濃度の推移及び臨床経過 pmol/l と高値を示し 1 週間後の TLV 投与中の採血では 87.9pmol/L と高値のまま変化はなく TLV 投与終了後に 31.7pmol/L まで低下した TLV 投与により利尿が得られ 血液浸透圧の上昇と尿中浸透圧の低下を認めた また

NT-proBNP は低下し 症状も改善を認めた もう 1 症例の NYHA はⅣ CS は 1 であった コペプチン濃度は入院時.3pmol/L と低く TLV 投与中の採血では 66.8pmol/L へ上昇を認め 症状に著しい変化はみられなかった 考察 今回の 2 症例は NYHAⅣで重症度は同じだったが 入院時のコペプチン濃度に差異がみられた 1 症例目は TLV 投与後 NT-proBNP は低下し また症状の改善もみられ TLV の治療効果を認めた症例と考えられる この症例は 1. の検討での第 3 三分位に属し 入院時コペプチン濃度は高値で TLV 治療中のコペプチン濃度も高値のまま変化を認めなかった 本来治療による症状の改善からこの群ではコペプチン値の低下が予想されたが コペプチン濃度に変化はなく 循環血液量の低下と血液浸透圧及び Na の上昇を認めた 2 症例目では TLV 投与中のコペプチン濃度は上昇した これらは TLV の V2 受容体拮抗作用を介した AVP 分泌の亢進を示唆している可能性がある TLV 投与の際 コペプチン濃度の高い方が治療薬の効果は得られやすく 安全な投与を可能にするのではないかと考える コペプチン濃度の測定は 治療の選択に寄与する可能性が高くその役割は重要であると考えられる 総括入院時の心不全患者ではコペプチン濃度の上昇が認められ コペプチンは心不全マーカーとして重要と考えられた さらにコペプチンは治療への多様な反応性から 心不全の層別化に役立つ可能性が考えられた TLV 治療では コペプチン分泌へのフィードバックを考慮する必要が認められたものの コペプチンは TLV 選択の意思決定に役立つ可能性が示唆された 参考文献 1) Morgenthaler NG.,Congest. Heart Fail.,16,S37-44 (21). 2) Iwashita N., Nara N., Sato R., Nakatogawa T., Kobayashi S., Zama S., Mita M., Hishinuma S., Shoji M., Tohoku J. Exp. Med.,239,213-221 (216). 3) Schrier R.W., Abraham W.T.,N. Engl. J. Med.,341,577-585 (1999).