区分所有者 居住者 購入予定者のための マンション管理の必須知識 リライフコンサルティング コンサルタント鳥塚泰之 1
第 1 章ますます社会問題化するす社会問題する マンション管理の重要性 建物 設備のハード面より管理組合の管理 運営のソフト面の不安が顕著 マンションを人間にたとえれば 管理組合は頭脳 建物 設備は身体 マンションを管理する頭脳 管理組合が 多くの課題を抱え病んでいる
管理組合運営における将来への不安京都市の平成 19 年度分譲マンション実態調査結果 居住者の高齢化 :61.9% 建物 設備の老朽化 :69.5% 住宅の賃貸化 :26.7% 管理費等の未払いの増加 :17.5% 管理費 積立金等の負担増 :33.3% 管理組合運営への無関心居住者の増加 :45.7% 大規模修繕工事の実施 :45.7% 大規模地震による建物破損 37.1% 3
京都市の平成 19 年度分譲マンション実態調査結果 4
第 2 章マンション管理とは何か ~ 管理の対象は共用部分 ~ 分譲マンションの場合 一つの建物に それぞれの購入者が所有する個人の財産 専有部分 と 区分所有者全員の共有財産 共用部分 とが存在している 共用部分の維持管理を誰が行い その費用負担をどうするかがマンション管理の出発点 5
個人の財産 専有部分 と所有者全員の共有財産 共用部分 あなたが支払ったマンションの購入代金の殆どは共有財産 専有部分の例示 : 玄関扉のドアノブ 下駄箱壁紙 天井クロス 照明器具 風呂浴槽 洗面所洗面台 床下の給排水枝管等 共用部分の例示 : エントランス エレベーター 廊下 階段 壁 床 柱 玄関扉 窓枠 窓ガ窓ガラス ベランダ 駐車場 駐輪場等 6
マンションは維持管理が 不可欠な資産 維持管理をしないマンションは老朽化する 資産の管理は所有者自身の自己責任原則 他人には あなたのマンションを維持管理する責任は いささかもない 役員を引受けない等マンション管理への無関心 無責任が資産価格を下げる 30 数年が経過した雑排水管 7
分譲マンションを購入すると自動的に管理組合のメンバーになる 区分所有者は 全員で建物 設備を管理するための団体 ( 管理組合 ) を結成しなければなならない マンションを購入すると自動的に管理組合の組合員となり 建物 設備の管理を行う責任と義務を負う 8
基本ルールを定めた管理規約や日常生活の細かいルールの細則は全員に効力が及ぶ 管理規約使用細則 管理費 修繕積立金の負担額等ルールを納得してマンションを買う 現状にあわない規約は, 見直しをして, 合理的な規約に改正することが出来る マンションの使い方に 多くの制限があります トラブルに陥りやすいペットの飼育や専有部分の改修工事等は細則の規定に従う
マンションライフは 共同所有 共同管理 共同生活 マンションは 基本的に同じ屋根の下の共同所有 共同管理 共同生活 鍵共同生活 鍵 1 本でプライバシーを確保することは出来ない 自己中心的な人 マンション管理に対する認ン管理に対する認識不足の人は共同生活に不向き マンションライフに向かない人は 本人も周りの人も不愉快 不幸 10
第 3 章管理組合の組織と運営 総会 : 最高議決機関 理事会 : 執行機関 ( 理事 監事 ) 組合員 : 区分所有者 マンションの居住者 : 家族 賃借人
総会 : 最高議決機関 マンションの重要事項が討議 決定される 役員の選任 解任 管理費等の金額の変更 規約 細則の変更 大規模修繕工事 マンションの建替え等 総会に欠席し 決議された議案に後日異議を唱えるのは論外 12
理事会 : 執行機関 理事長等の役員は順番性で 区分所有者は役員を引受ける義務がある 役員を引受けないのは無責任 理事長 副理事長 会計理事 監事等の役職は役員の互選 任期は規約の定めで 通常 1 年または 2 年 2 年任期で 1 年に半数交代するのが理想的 同じ理事長が何期も続けると弊害が発生
監事 : 会計や業務執行 状況について監査 監事は理事会で決議の加わることはできないが 意見を述べることは出来る 監事がしっかりチェックしないと理事や管理会社の不正が発生する 14
マンションの管理方式 自主管理 : 役員は並大抵でない努力が必要 一部委託 : 管理組合業務の一部を管理会社等に委託 全部委託 : 管理組合の殆どの業務を管理会社等へ委託する エレベーターの保守点検 セキュリティ契約等は管理組合が保守会社等と直接契約を締結するのも選択肢 管理費会計の70%~80% が管理会社等へ委託管理費として支払われる
マンション管理士は 管理組合のホーム ドクター マンション管理士は国家資格を有する専門家として 管理組合が抱える問題の解決を支援します 管理組合は マンション管理士と顧問契約等を締結し かかりつけマンション管理士 を持ちましょう ホーム ドクターを持ちましょう マンション管理士は豊かな経験に基づき 知恵と熱い努力の汗を出し 問題を 解決するための実務を遂行支援します
第 4 章マンション管理とお金 区分所有者がマンションの管理費等として支払うべきお金には 管理費 修繕積立金 駐 駐車場 駐輪場等の使用料 水道使用料等がある 管理費等の滞納が深刻 入居者の高齢化 所得の伸び悩みが背景 資金不足から必要な補修ができずに 老朽化するマンションも出現 17
管理費と修繕積立金の使われ方 管理費 管理費は管理組合の管理運営を行うための費用 維持費がかかる無駄な設備 派手な外観は管理費が高い 自分が使わない共用施設は管理費の取られ損 修繕積立金 修繕積立金は周期的 計画的に行う大規模な修繕工事等に備える準備金 安い修繕積立金は 後で大幅な値上げが必要 18
修繕積立金には適正な金額がある 住宅金融支援機構の月額戸当たり積立基準 築年数築 5 年未満築 5 年以上 10 年未満築 10 年以上 17 年未満築 17 年以上 月額積立基準 6 千円以上 7 千円以上 9 千円以上 1 万円以上 平均専有面積 55m2以上のマンション 19
第 5 章マンション管理の 問題点やトラブル 管理事務所 集会室は最低限不可欠な共用施設 これらが無いと 管理が粗略になる 生活騒音には空気音 固体音 低周波音がある ペットの飼育は 通常 細則でルールを決めている 飼育を全面的に禁止する規約も有効 専有部分の工事は 通常 規約の定めにより理事長の許可が必要 20
権利関係等からみて避けた 方がよいマンション 等価交換方式で 元の地主が多くの割合の専有部分を所有しているマンション 駐車場 管理事務所を分譲業者 元の地主が所有しているマンション 駐車場を分譲しているマンション 21
騒音被害から避けた 方がよい住戸 大きな道路 グランド 鉄道等に面した住戸 エレベーターに隣接した住戸 給水ポンプ室 エントランスホールの真上にある 2 階の住戸 22
第 6 章安心できるマンションの構造 地震に負けない耐震 免震構造 ~ 日本住宅性能表示基準の耐震等級 ~ 等級 3 等級 2 等級 1 極めて稀に発生する地震による力の1.5 倍の力に対して倒壊 崩壊等しない程度 極めて稀に発生する地震による力の1.25 倍の力に対して倒壊 崩壊等しない程度 極めて稀に発生する地震による力に対して倒壊 崩壊等しない程度
等級 等級 5 上下階の遮音性能は 床の厚さが基本 5 等級分類床スラブの厚さ 270mm 以上 等級 4 230mm 以上 ~270mm 未満 等級 3 200mm 以上 ~230mm 未満 等級 2 等級 1 180mm 前後 150mm 以下 24
隣の住戸との遮音性能は 戸境壁の厚さが基本 5 等級分類 等級等級 5 等級 4 等級 3 等級 2 等級 1 戸境壁の厚さ 260mm 以上 200mm 以上 ~260mm 未満 180mm 以上 ~200mm 未満 150mm 以上 ~180mm 未満 150mm 以下
性能表示制度で変わった マンション選び 新築分譲マンションでは 近時 性能表示が当たり前 この制度は 品確法 に基づき 住宅にとって重要な性能を 10 分野にわたって専門家が全国一律の基準で評価して表示する制度 これには 図面で評価する 設計住宅性能評価 と建築時に現場で評価を行う 建設住宅建設住宅性能評価 とがある
第 7 章大規模修繕工事 長期修繕計画書の作成目的 マンションの建物 設備には設備には 平均的な耐用年数と修繕周期がある 25 年 ~30 年の長期展望に立ち マンション共用部分の修繕時期と概算費用を予測し 必要な修繕積立金の算定根拠を把握する 27
マンションの 大規模修繕工事とは何か マンションの建物や設備は 時間の経過と共に劣化や不具合が生じる 大規模修繕工事とは 日常の維持補修とは別に 計画的に実施する外壁補修 屋上防水 給排水管取替え 窓及び玄関扉等の開口部の改良等をいう ( 標準管理規約コメント第 31 条 ) 大規模修繕工事を行うには 総会決議が必要 形状または効用を大きく変える工事でなければ 普通決議で OK 28
期総設計事務所等建築コンサルタント定設計事務所等建築コンサルタント決議住者調査 診断 修繕基本設計居の広報修繕時期の決定へ大規模修繕工事の進め方 ( その 1) 会大規模修繕工事における管理組合と建築コンサルタントとの関係 管理組合 コンサルタント決定 報 告 調査 診断依頼 調査診断修繕基本設計 修繕工事内容の決定修繕時期の決定設計 監理依頼説明工事資金計画策定 会29
管理組合設計事務所等建築コンサルタント居住提出修繕設計 ( 仕様書 設計図 設計見積 ) 者への広 説施工会社選定方法の決定報時会工事契約監理契約着工臨決工事完了総大規模修繕工事の進め方 ( その2) 会等工事費予算化 施工会社によ施工会社選定への協力明る工事費見積 工事内容 工事費 施工会社内定 工事契約 監理契約 着工 議工事完了 30
工事期間中の生活への影響の影響 工事は居住者が日常生活をしている中で行われる 洗濯物が干せない エアコン バルコニーが使えない 窓が開けられない 断水する 水が流せない 廊下が歩行できない エレベーターが使えない 騒音 振動 ほこり 臭い等 工事中の広報 ( 例 ) 工事のお知らせこうじ 壁や天井にペンキを塗ります ペンキ塗りたての所は触らないでください 今日の工事は 大きな騒音 振動 ほこりが発生します 窓は開けないでください 31
本プレゼンテーションを作成するにあたり参考とした文献 ( 財 ) マンション管理センター刊マンション管理の知識 ( 財 ) マンション管理センター刊長期修繕計画標準様式 作成ガイドライン活用の手引き ( 財 ) マンション管理センター刊マンションの修繕積立金算出マニュアル ( 財 ) マンション管理センター刊計画修繕工事の進め方 国土交通省刊改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル 広田茂著マンション管理はこうして見直しなさい 成美堂出版絶対失敗しないマンションの買い方 32