1 FP3 級資格 ( 国家資格 ) 合格対策講座 明治大学リバティーアカデミー 第 3 章年金 社会保険 小林労務管理事務所社会保険労務士小林優美子
保険者と被保険者 ( 健康保険 ) 保険者 保険給付 ( 現物給付 : 病院で診察を受ける ) ( 現金給付 : お金が振り込まれる ) 保険料を納める 会社協会けんぽの被保険者の保険料の半額を負担して納める 組合管掌の健康保険の被保険者の保険料の決められた負担割合の額を納める 協会けんぽの保険料率 ( 都道府県により異なる ) 健康保険料率 9.63%( 新潟県 )~10.61%( 佐賀県 )H30.4 月より介護保険料率 ( 全国同じ料率 ) 平成 30 年度 1.57%( 前年 0.08%) 保険料の免除 産前産後休業の間及び育児休業の間は被保険者 会社ともに保険料は免除となる ( 国民健康保険は免除にはならない ) 国民健康保険料の軽減措置 ( 平成 22 年 4 月より ) 被保険者 被扶養者 パートタイム労働者の社会保険の適用が拡大 ( 平成 28 年 10 月 1 日から ) 従業員数が 501 人以上の会社に勤める 1 から 4 のすべてに該当する従業員は 会社の社会保険 ( 健康保険 厚生年金保険 ) に新たに加入することと改正された 今まで被扶養者であった人も保険料を納める被保険者となることとなった 1 週の労働時間が 20 時間以上 21 年以上勤める予定がある 3 給与の月額が 88,000 円以上 ( 年収 106 万円以上 ) 4 学生でない 500 人以下の会社に勤めるパートタイマーは その会社の 1 週間の所定労働時間及び 1 カ月の所定労働日数の 4 分の 3 以上働くときに加入する 倒産解雇等の理由で離職を余儀なくされた人 ( 離職時点で 65 歳未満 ) に対して 国民健康保険の保険料が軽減される措置 雇用保険の特定受給資格者と特定理由離職者に対して失業時から翌年度末 (3 月 31 日 ) までの期間 前年の給与所得を 100 の 30 とみなして保険料が計算される 離職者本人が住所地の市区町村に 雇用保険受給資格者証 を持参し申請する 高額療養費の所得区分の判定も 給与所得 ( 前年 ) を 100 分の 30 として行う 2
健康保険の医療費 ( 現物給付 ) かかった医療費が1000 円のとき 保険者 7 割を医療機関に支払う 700 円 被保険者 3 割窓口負担 300 円 3 割負担の額が自己負担の限度額を超えたとき 高額療養費として申請支給される ( 現物給付として受けることもできる ) 健康保険の主な保険給付 高額療養費 傷病手当金 出産手当金 出産育児一時金家族出産育児一時金 埋葬料 ( 埋葬費 ) ひと月の医療費 ( 窓口で支払った額 ) が自己負担限度額を超えて高額になったときに 所得区分に応じた自己負担限度額を超える額が申請により支給される 限度額適用認定申請書 を保険者に提出し 健康保険限度額適用認定証 をうけると 医療機関の窓口で支払う額が自己負担限度額まで ( 現物給付 ) となる 病気やケガの療養のため 連続 4 日以上仕事を休み 給与が払われないとき 連続休業の 4 日目より支給される (3 日間は待期期間で支給はなし ) 休業 1 日当たりの支給額 ( 支給開始日以前の継続した 12 か月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ) 30 日 3 分の 2 の額 ( 平成 28 年 4 月 1 日より計算方法が変更 ) 支給開始日から最長 1 年 6 ヶ月以内の期間 被保険者が出産のため業務につけず 給与が支払われないとき休業 1 日当たりの支給額 ( 支給開始日以前の継続した 12 か月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ) 30 日 3 分の 2 の額 ( 平成 28 年 4 月 1 日より計算方法が変更 ) 出産日 ( 予定日 ) 以前 42 日 ( 双子以上は 98 日 ) 出産日後 56 日の間 被保険者 被扶養者が出産したとき 1 児につき 420,000 円 ( 産科医療補償制度に加入の場合 ) 直接支払制度 本人の申請により保険者から医療機関等に直接支払うことができる 被保険者が死亡したとき その家族に 50,000 円家族がいないときは 埋葬を行った人に 50,000 円以内で埋葬にかかった費用の実費 健康保険の期間が 12 か月未満のときは 12 か月未満の平均の額 と 280,000 円 ( 前年年度 9 月 30 日現在の全被保険者の平均額 ) のいずれか低い額で計算する 3
労災保険 ( 労働者災害補償保険 ) のおもな給付 療養 ( 補償 ) 給付 業務上の災害または通勤災害による傷病により 労災病院や労災指定医療機関等で療養を受けるとき 休業 ( 補償 ) 給付 傷病 ( 補償 ) 年金 障害 ( 補償 ) 給付 業務上の災害または通勤災害により 療養のため仕事につけず 4 日以上休み ( 連続してなくてもよい ) 給料が支払われないとき休業 1 日つき給付基礎日額の 60%( 休業 4 日目から ) ( この他に休業特別支給金が 1 日につき 20% 支給される ) 合計 80% 支給 休業後 1 年 6 カ月経過し 傷病が治らないとき現在の障害の程度に応じて 給付基礎日額の 313 日分から 245 日分 ( 年金 ) 傷病が治癒 ( ちゆ ) したときに障害が残ったとき その障害の程度に応じて 給付基礎日額の 313 日分から 131 日分 ( 年金 ) 障害の程度が軽いときは給付基礎日額の 503 日分から 56 日分 ( 一時金 ) 介護 ( 補償 ) 給付介護が必要なとき介護の費用として支払った額 ( 上限あり ) 遺族 ( 補償 ) 給付 亡くなったとき 遺族の数に応じて年金を支給遺族 1 人給付基礎日額の 153 日分 (55 歳以上の妻 175 日分 ) 遺族 2 人給付基礎日額の 201 日分遺族 3 人給付基礎日額の 223 日分遺族 4 人以上給付基礎日額の 245 日分 葬祭料 葬祭給付 315,000 円に給付基礎日額の 30 日分を加えた額と給付基礎日額 60 日分をくらべて いずれか高い額 給付基礎日額 災害発生前 3 ヶ月に支払われた賃金の総額を 3 ヶ月の歴日数で割った 1 日当たりの賃金額 ( ) 内は業務上の災害のときに支給される給付 例 ) 業務災害で休業するときは 休業補償給付 通勤災害で休業するときは 休業給付 業務上の災害で休業するとき 3 日目までは 労働基準法 の 災害補償 の規定により休業補償を受けることができる ( 通勤災害は労働基準法に規定がないため受けられない ) 4
雇用保険のおもな給付 求職者給付 就職促進給付 基本手当離職の日以前 2 年間に被保険者期間 ( 賃金が支払われた日が 11 日以上ある月 ) が通算して 12 ヶ月以上あること ( 倒産 解雇などの場合は 離職の日以前 1 年間に被保険者期間が 6 ヶ月以上 ) 下記の表の日数分の基本手当日額を支給 基本手当を受けている間 老齢厚生年金 退職共済年金は支給停止される 再就職手当基本手当の支給残日数を 3 分の 1 以上残して 再就職したとき 3 分の 2 以上残しての再就職したとき賃金日額 基本手当の支給残日数 70%( 60%) 3 分の 1 以上残しての再就職したとき賃金日額 基本手当の支給残日数 60%( 50%) 再就職日が平成 29 年 12 月 31 日までのときは ( ) 内の支給率となる就業促進定着手当 ( 平成 26 年 4 月 1 日 ~) 再就職手当の支給を受けた人が その再就職先に 6 か月以上雇用され かつ再就職先で 6 か月の間に支払われた賃金の 1 日分の額が雇用保険の給付を受ける離職前の賃金の 1 日分の額 ( 賃金日額 ) より低下しているとき その差額を支給 ( 上限額あり ) 基本手当の所定給付日数 1 年以上 5 年以上 10 年以上被保険者であった期間 1 年未満 20 年以上 5 年未満 10 年未満 20 年未満定年退職 自己都合退職 - 90 日 120 日 150 日 ( すべての年齢 ) 特定受給資格者 30 歳未満 90 日 120 日 180 日 - 特定理由離職者 30 歳以上 35 歳未満 90 日 120 日 ( 90 日 ) 210 日 240 日 180 日 ( 倒産解雇などに 35 歳以上 45 歳未満 150 日 ( 90 日 ) 240 日 270 日より離職を余儀な 45 歳以上 60 歳未満 180 日 240 日 270 日 330 日 90 日くされたとき ) 60 歳以上 65 歳未満 150 日 180 日 210 日 240 日身障者等の 45 歳未満 300 日 150 日就職困難者 45 歳以上 60 歳未満 360 日 離職日が平成 29 年 3 月 31 日以前のときは 90 日 基本手当日額 = 賃金日額 ( 退職前 6 か月間に支払われた賃金の合計を 180 で除した額 ) 50~80% 育児休業給付 介護休業給付の賃金日額は 休業前 6 カ月間に支払われた賃金を 180 で除した額 5
雇用保険のおもな給付 ( つづき ) 雇用継続給付 教育訓練給付 高年齢雇用継続給付 育児休業給付 介護休業給付 一般教育訓練給付金被保険者期間が 3 年以上 ( 初めて受給する人は 1 年以上 ) ある人が指定の教育訓練を修了したとき教育訓練経費の 20%( 上限 10 万円 4 千円以下のときは支給なし ) 専門実践教育訓練給付金 ( 平成 34 年 3 月 31 日までの時限措置 ) 受講開始 1 カ月前までに 受給資格確認票 ジョブカード等をハローワークに提出した被保険者期間が 3 年以上 ( 初受給者は 2 年以上 ) ある人が指定の教育訓練を受講し修了したとき教育訓練経費の 50%( 上限 1 年間で 40 万円 ( 最大で 3 年間 120 万円が上限 ) とし 4 千円以下のときは支給なし ) 資格等を取得し訓練終了後 1 年以内に一般被保険者として雇用されたとき 20%( 上限 168 万円 : 既支給額との差額 ) 看護師 美容師等 介護福祉士等 専門学校職業実践課程 専門職大学院 高年齢雇用継続基本給付金 ( 被保険者期間が5 年以上あるとき ) ( 在職中の人または退職後基本手当を受けず再就職した人 65 歳になるまで ) 60 歳時の賃金と比べて 75% 未満に低下した賃金を受けるとき ( 低下した賃金の上限額 359,899 円 ) 160 歳時の賃金に比べて61% 未満のとき 支払われた賃金の15% 260 歳時の賃金に比べて61% 以上 75% 未満のとき 15% から逓減した率例 )60 歳時の月給が30 万円 62 歳で月給 18 万円となったとき % に低下しているので 万円の % が受給できる ( 受給額 :27,000 円 / 月 ) 高年齢再就職給付金 ( 退職後に基本手当を受給し 60 歳以降 65 歳未満で再就職したとき ) 上記 1または2を基本手当の支給残日数に応じて 次の期間受給できる (65 歳になるまで ) 基本手当支給残日数 200 日以上は2 年間 残日数 100 日以上 200 日未満は1 年間育児休業給付金休業開始前 2 年間に被保険者期間が通算して12カ月必要育児休業の期間中受けられる 子が1 歳になるまで 延長し1 歳 6か月まで 平成 29 年 10 月 1 日改正 : 子の誕生日が平成 28 年 3 月 31 日以降の場合は 再延長で2 歳まで休業開始後 6カ月までは 休業開始時賃金日額の67% 休業日数休業開始 6カ月経過後からは 休業開始時賃金日額の50% 休業日数 介護休業給付金休業開始前 2 年間に被保険者期間が通算して 12 ヶ月必要平成 28 年 8 月 1 日以降に介護休業を開始した人は 休業開始時賃金日額の 67% 休業日数 ( 最長 3 か月間 ) 6