分析結果

Similar documents
本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

調査結果の概要

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

平成 27 年度全国体力 運動能力 運動習慣等調査愛媛県の結果概要 ( 公立学校 ) 調査期間 : 調査対象 : 平成 27 年 4 月 ~7 月小学校第 5 学年 ( 悉皆 ) 中学校第 2 学年 ( 悉皆 ) 男子 5,909 人男子 5,922 人 女子 5,808 人女子 5,763 人 本

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

平成 28 年度全国体力 運動能力 運動習慣等調査愛媛県の結果概要 ( 公立学校 ) 調査期間 : 調査対象 : ( 悉皆 ) 平成 28 年 4 月 ~7 月 小学校第 5 学年 中学校第 2 学年 男子 5,688 人 女子 5,493 人 男子 5,852 人 女子 5,531 人 本調査は

<8A DFB8E712E786C73>

全国調査からみる子どもの運動・スポーツの現状と課題

平成 27 年度 全国体力 運動能力 運動習慣等調査の概要 平成 28 年 3 月 四條畷市教育委員会

p 札幌市小学校).xls

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

[ 中学校男子 ] 1 運動やスポーツをすることが好き 中学校を卒業した後 自主的に運動やスポーツをする時間を持ちたい 自分の体力 運動能力に自信がある 部活動やスポーツクラブに所属している 3 運動やスポーツは大切 [ 中学校女子

平成 26 年度 全国体力 運動能力 運動習慣等調査の概要 平成 27 年 1 月 四條畷市教育委員会

(3) 生活習慣を改善するために

全国体力調査によって明らかになったこと

平成25~27年度間

5 児童生徒質問紙調査 (~P23) (1) 運動に対する意識等 [ 小学校男子 ] 1 運動やスポーツを [ 小学校女子 ] することが好き 1 運動やスポーツをすることが好き H30 全国 H30 北海道 6 放課後や学校が休みの日に 運動部や地域のスポーツクラブ以外で運動やスポーツをすることが

スライド 1

スライド 1

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

調査結果概要

学校体育と幼児期運動指針の概要について

p 旭川市.xls

2 調査人員 体力調査 性別 15 歳 16 歳 17 歳 18 歳 合計 男子 12,746 12,471 11, ,297 女子 12,519 12,125 11, ,586 合計 25,265 24,596 23, ,883 質問紙調査 性

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

「公立小・中・高等学校における土曜日の教育活動実施予定状況調査」調査結果

調査実施概況 小学校 ( 都道府県 ( 指定都市除く )) 教育委員会数 ( 1) 学校数児童数 ( 2) 全体 実施数 調査対象者在籍学校数 実施数国語 A 国語 B 主体的 対話的で深い学びに関する状況 ( 3) 算数 A 算数 B 質問紙 平均正答率 13~15 問 国語

平成 24 年度職場体験 インターンシップ実施状況等調査 ( 平成 25 年 3 月現在 ) 国立教育政策研究所生徒指導 進路指導研究センター Ⅰ 公立中学校における職場体験の実施状況等調査 ( 集計結果 ) ( ) は 23 年度の数値 1 職場体験の実施状況について ( 平成 24 年度調査時点

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

-218-

Microsoft Word - 05出力帳票詳細

<H19 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平成 23 年度は震災のため中止となりました 豊能町立小学校全国学力学習状況調査結果 ( 平均正答率全国を 1 として ) H19 H20 H21 H

平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査 集計結果

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

man2

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

十和田市 事業別に利用数をみると 一時預かりは 年間 0 (.%) 以 上 (.) - (.%) の順となっています 問. 一時預かり ( 年間 ) n= 人 以上. 幼稚園の預かり保育は 年間 0 (.%) 以上 (.%) (.%) の順となっています ファミリー サポー

2.調査結果の概要

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

Microsoft Word - 表紙~目次.doc

<4D F736F F D F81798E9197BF94D48D A95CA8E B8CA782CC8EE691678FF38BB581698B6096B18B4C8DDA92F990B38CE3816A2E646

2.調査結果の概要

2 次 2 次 率 2 次 2 次 大阪教育 ( 教育 - 小中 - 保健体育 ) 69 ( 教育 - 中等 - 保健体育 ) 奈良教育 ( 教育 - 教科 - 英語 ( 中 )) 55.0 山口 ( 教育 - 学校 - 国語 ) 50.0 ( 教育 - 学校 - 英語 ) 52.5 福岡教育 (

3 睡眠時間について 平日の就寝時刻は学年が進むほど午後 1 時以降が多くなっていた ( 図 5) 中学生で は寝る時刻が遅くなり 睡眠時間が 7 時間未満の生徒が.7 であった ( 図 7) 図 5 平日の就寝時刻 ( 平成 1 年度 ) 図 中学生の就寝時刻の推移 図 7 1 日の睡眠時間 親子

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

< 調査の概要 > 1 調査の目的 (1) 子供の体力等の状況に鑑み 国が全国的な子供の体力 運動能力の状況を把握 分析することにより 子供の体力 運動能力の向上に係る施策の成果と課題を検証し その改善を図る (2) 各教育委員会 各国公私立学校が全国的な状況との関係において自らの子供の体力 運動能

する・みる・ささえるの スポーツ文化

 

平成19年度学校保健統計調査結果

< E B B798E7793B188F5936F985E8ED EA97975F8E9696B18BC CBB8DDD816A E786C7378>

平成20年度携帯電話の利用についての実態把握町について【概要】

< E188CA8C9F8FD88A65955C2E786C73>

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

しおり改訂版_5.indd

< E B B798E7793B188F5936F985E8ED EA97975F8E9696B18BC CBB8DDD816A E786C7378>

平成19年度学校保健統計調査結果

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

目 次 1. 策定の趣旨 2 2. 基本理念 2 3. 計画の期間及び推進状況の把握 2 4. 計画の対象 2 5. 第 1 次計画 における成果と課題 2 (1) 成果 2 (2) 課題 3 6. 計画の全体構想図 3 7. 推進事業 4 (1) 家庭における読書活動の推進 4 (2) 地域 図書

発育状態調査 身長 身長 ( 平均値 ) を前年度と比較すると 男子は 5~8,10,11,16 歳で 女子は 7~12,15,17 歳で前年度を上回っている (13 年齢区分中 男子は増加 7 減少 4 女子は増加 8 減少 3) 全国平均と比較すると 男子は全ての年齢で 女子は 9~11 歳を除

別紙1 H28体制整備

小学生の英語学習に関する調査

町全体の状況を把握 分析するとともに 平均正答率については 全国 全道との比較を数値以外の文言で表現します また 質問紙調査の結果や 課題解決に向けた学力向上の取組を示します (3) 学校ごとの公表小規模校において個人が特定される恐れのあることから 学校ごとの結果公表はしません (4) 北海道版結果

(2) 体重 平成 25 年度の幼稚園 小学校 中学校及び高等学校における幼児 児童及び生徒の体重 ( 県平均値 以下同じ ) については次のとおりである 1 前年度との比較 ( 表 2) 男子の体重は 6 歳 11 歳 13~17 歳で 前年度の同年齢より.2~2. kg増加しており 最 も増加し

保育園・幼稚園~小学校低学年のこどもを持つお父さん、お母さん600人に聞く「こどもの教育に関する夫婦の意識調査」

小学生の運動 スポーツ活動に関するアンケート 調査報告書 1 調査の概要 (1) 調査目的本市における小学生のスポーツ活動の実態を調査し 豊川市スポーツ振興計画 ( 改訂版 ) 策定のための基礎資料を得るため (2) 調査対象豊川市内小学校 6 年生の全児童学校数 26 校児童数 1,825 人 (

 

Microsoft PowerPoint - 【セット版】140804保育キャンペーン資料

に教室の中を立ち歩いたり 教室の外へ出て行ったりする 68.5% 次に 担任の指示通りに行動しない 62.1% などとなっている また 不適応状況の発生の予防に効果的と思われる対応策 ( 図 2) 6 として最も多かったのが 学級担任の援助となる指導員等の配置 校長 61.4% 教諭 61.0% 次

情報コーナー用

領域別レーダーチャート 教科の領域別に全国を 100 とした場合の全道及び根室市の状況をレーダーチャートで示したもの 小学校 : 国語 小学校 : 算数 国語 A( 話すこと 国語 B( 読むこと ) 聞くこと ) 国語 A( 書くこと

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

Microsoft Word - 小学生調査(FINAL) _.doc

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和元年 5 月 16 日観光庁 ( 平成 31 年 2-3 月分及び平成 30 年度累計値 : 住宅宿泊事業者からの定期報告の集計 ) 概要 住宅宿泊事業の宿泊実績について 住宅宿泊事業法第 14 条に基づく住宅宿泊事業者から の定期報告に基づき観光庁において集計

Water Sunshine

<4D F736F F D208E7182C782E082CC90B68A888EC091D492B28DB870302D70362E646F63>

(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

別添2 乳児家庭全戸訪問事業の実施状況

研究組織 研究代表者西山哲成 日本体育大学身体動作学研究室 共同研究者野村一路 日本体育大学レクリエーション学研究室 菅伸江 日本体育大学レクリエーション学研究室 佐藤孝之 日本体育大学身体動作学研究室 大石健二 日本体育大学大学院後期博士課程院生

小学生対象アンケート調査 低学年調査 () 基本属性 学年 ( 問 ) 学年は 年生 (33.0 %) 2 年生 ( 34.2 %) 3 年生 ( 32.5 %) ともに 30% 台前半と なっている ( 図表 --) 図表 -- 学年 ( 全体 ) 年生 2 年生 3 年生 全体 (N=,54)

15

表 S3. 学校がある日は 朝 何時ごろ起きますか と ふだん 何時ごろ朝ごはんを食べていますか 学校がある日は 朝 何時ごろ起きますか 午前 6 時以降 午前 6 時 30 分より前 午前 6 時 30 分以降 午前 7 時より前 午前 7 時以降 午前 7 時 30 分より前 午前 7 時 30

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

< 先生方へ > 長崎県学力向上推進協議会では 子どもに確かな学力をつけていくためには 何 が大切か また 学力の向上を阻害している要因は何かなどについて 検討を重ね ています その中から次のようなことが指摘されました 1 家庭で毎日決まった時間に学習をする習慣をつけることが大切である 2 食事や睡

参考資料3 総合型地域スポーツクラブの取組事例

不登校傾向にある子どもの実態調査報告書

H30全国HP

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

 

4 調査対象者数 実施人数及び実施率 公立小学校 205 校 公立中学校 97 校 公立全日制 34 校 定時制 9 校の児童生徒全員を対 象とした 実施人数及び実施率については 次の表及び図に示すとおりである 表. 各校種別調査対象者数 実施人数及び実施率 校種 年齢項目 性別等 小学校中学校 6

2008/3/4 調査票タイトル : ( 親に聞く ) 子どものダイエットについてのアンケート 調査手法 : インターネットリサーチ ( ネットマイル会員による回答 ) 調査票種別 : Easyリサーチ 実施期間 : 2008/2/22 14:28 ~ 2008/2/22 21:41 回答モニタ数

はじめに 体力は 人間のあらゆる活動の源であり 健康維持のほか 意欲や気力の充実にも大きくかかわる まさに 生きる力 の基盤になるものであることから 本県の将来を担う子どもたちの体力を向上させることは大変重要だといえます 毎年 文部科学省が行ってきた 体力 運動能力調査 によると 子どもの体力は昭和

Transcription:

第 章 分析結果と 取組事例 幼少期の多様な運動経験 分析結果のまとめ 8 事例報告のまとめ 2 事例 北海道標津町教育委員会 4 事例 2 島根県雲南市教育委員会 6 2 3 4 体育 保健体育の授業の充実 部活動の充実 家庭や地域でもっと運動をするようになる条件整備 分析結果のまとめ 2 事例報告のまとめ 24 事例 3 東京都文京区立林町小学校 26 事例 4 兵庫県姫路市立別所小学校 28 事例 5 秋田県大館市立第二中学校 分析結果のまとめ 34 事例報告のまとめ 38 事例 6 千葉県習志野市立津田沼小学校 事例 7 東京都港区立港南小学校 42 事例 8 茨城県日立市立河原子中学校 44 事例 9 埼玉県三郷市立彦糸中学校 46 分析結果のまとめ 5 事例報告のまとめ 54 事例 熊本県御船町立御船小学校 56 事例 新潟県阿賀野市立笹神中学校 58 事例 2 宮崎県小林市立野尻中学校 6 5 生涯にわたって運動やスポーツをしようとする意欲 分析結果のまとめ 64 事例報告のまとめ 68 事例 3 茨城県利根町立布川小学校 7 事例 4 熊本県熊本市立向山小学校 72 事例 5 茨城県城里町立桂中学校 74 事例 6 鹿児島県奄美市立名瀬中学校 76

小学校入学前の体を動かす遊びの経験と体力総合評価 ( 小学校女子 ) 小学校 5 年生女子の体力総合評価のA+B 率は 小学校入学前に体を動かす遊びを行っていた中でも いろいろな内容 の群で42.8% と最も高く いつも同じ内容 の群よりも7.7ポイント 体を動かす遊びを 行っていなかった 群よりも23.ポイント高かった 男子でも同様の傾向がみられた (%) 45 35 力総合25 評価A+2 B率5 5 小学校入学前の体を動かす遊び体行っていた ( いろいろな内容 ) ( いつも同じ内容 ) 行っていなかった 小学校女子全体 39.7 % 23. ポイント 有効回答数 いろいろな内容 36,468 いつも同じ内容 93,735 行っていなかった 3,383 小学校 5 年生女子で 入学前にどのように体を動かす遊びをしていたか ( いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった ) への 回答別に 体力総合評価のA 及びBの割合の合計 (A+B 率 ) を比較した ( p.35 児童 ) 6/ 第 章分析結果と取組事例 ( 平成 26 年度 )

学校入学前から運動がで小あった児童の多くは 小学生になっても運動がである傾向は 昨年度の分析からもうかがえた また 小学校入学前から運動がな児童は だった児童に比べ 運動時間が長く 体力合計点も高い 傾向がみられた 同様に 小学校入学前にいろいろな内容の運動を行った児童は いつも同じ内容の運動を行った児童や 運動を行っていなかった児童に比べ 運動時間が長く 体力合計点も高い傾向がみられた 事例では 児童で継続できる運動プログラムの実施や 小学校入学前の幼児を対象とした体力測定会にあわせた運動体験会の開催など 幼児への働きかけの推進で成果を上げている自治体の取組を紹介する 幼少期の多様な運動経験 児童生徒の運動能力や運動時間 運動やスポーツに対する意欲や関心 体を動かすことへの親しみは 幼少期の運動習慣や意識とどのように関係しているだろうか また 同じ内容の運動に取り組むことと いろいろな内容の運動に触れることには 何か違いがあるだろうか 幼少期の多様な運動経験の影響という観点から 集計結果をみた 幼少期の多様な運動経験 /7

幼少期の多様な運動経験 幼少期の運動経験が 体力 運動能力に及ぼす効果 は 男 女 と も に 約6 で あ っ た 男子で27.7 女子で9.4 であっ p.34 児童 -, -2, -3 一人遊 た ここで 体を動かす遊びは行っ びや家の人以外の大人 あるいは地 ていなかった と回答した児童が男 域以外の子供たちなどと 体を動か 女ともに約7 みられたことから 多少を尋ねた結果 幼稚園 保育所 す遊びをしていたことも考えられる 前述の体を動かす遊びの多少に対す に通っていた男女ともに 約85 の また 体を動かす遊びの内容を尋 る回答と照らし合わせると 体を動 児童が 多かった と回答した 誰 ねた結果では いろいろな内容 かす遊びが 少なかった と回答し とするかについて 家の人と 地 と回答した児童が 男子で65.4 た児童の約半数が 実際には体を動 域の子供たちと 体を動かす遊びを 女子で74. と大半を占めた い かす遊びをしていなかったことにな することが多かったと回答した児童 つも同じ内容 と回答した児童は る 図- 小学校入学前の運動の状況 8割以上が多くの運動経験あり 児童に小学校入学前の運動経験の [図-] 小学校入学前の体を動かす遊び 児童 - 頻度 幼稚園 多かった:84.7 少なかった:5.3 頻度 幼稚園 多かった 85.6 少なかった 4.4 保育園 多かった:82. 少なかった:7.9 保育園 多かった 84. 少なかった 6. 内容 体を動かす遊び いつも同じ内容:27.7 2 いろいろな内容:65.4 5 6 7 8 9 行っていなかった:6.9 小学校入学前の多様な運動経験と 現在の運動習慣 体力 運動能力 これらの運動経験は その後の児 童の意識や運動習慣 体力 運動能 力等にどのような影響を与えるのだ ろうか ここでは 小学校入学前の まず 小学校入学前にどのように 2 分, 9 8 7 6 5 2 5 635.7分 598.6 358. 6 7 8 9 行っていなかった 6.6 いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった 別に 週間の総運動時間を比較し た いろいろな内容 と回答した 55 37.分 2.4 いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった 点 6 54.6点 53.8 5 全国平均 55 47.6 5 45 3.9 学校入学前の体を動かす遊びの内容と [図-3] 小 現在の体力合計点との関連 児童 点 6 もに いつも同じ内容 と回答した 37.分と最も長く 次いで男女と 分, 9 8 7 6 5 2 体を動かす遊びをしていたかの回答 児 童 は 男 子 で635.7分 女 子 で いろいろな内容 74. [図-2] 小学校入学前の体を動かす遊びの内容と 現在の週間の総運動時間との関連 児童 運動経験別に 現在 小学校5年時 の状況を比較して考えてみたい 内容 体を動かす遊び いつも同じ内容 9.4 55.7点 54. 全国平均 49.9 45 いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった 児 童 が 男 子 で598.6分 女 子 で また 同様に体力合計点との関連 53.8点 女子で54.点であった こ を動かす遊びは行っていなかった では いろいろな内容 と答えた れに対して 体を動かす遊びは行っ と回答した児童が 男子で358.分 児童の体力合計点は男子で54.6点 ていなかった と回答した児童が 女子で2.4分と大きく下回ってい 女子で55.7点と最も高く 次いで い 男子で47.6点 女子で49.9点と全国 た 図-2 つも同じ内容 と回答した男子で 平均を大きく下回っていた 図-3 3.9分であった これに対して 体 8/ 第章 分析結果と取組事例 平成26年度

分析結果のまとめ 女子59.9 と最も高かった 図-6 した児童では64.8 だっ 小学校入学前の体を動かす遊びの と現在の運動習慣 た と回答した児童では35. であ り その割合は 2倍程度の違いが 以上のことから 男女ともに 幼 小学校入学前に体を動かす遊びが ある 女子も同様の状況がみられる 少期の運動経験や がそ だったかについては だっ が だった 場合が36.9 き の後の運動習慣や体力 運動能力に た ややだった と回答した らいだった 場合が7.5 と それ 大きな影響を与えていることがうか 児童が 男子で89.9 女子で86.7 ぞれ男子の約半数であった 図-5 がえる また 単一の運動よりも 様々 また 現在 運動やスポーツをす な運動を経験することが より良い 小学校入学前の体を動かす遊びの ることがかについて ややき 効果をもたらすことも期待できる結 と 現在の週間の総 らい と回答した児童に 果が得られた 幼少期に多様な運動 運動時間との関連をみると 週間 その理由をたずねたところ 小学 やスポーツに親しみ 運動をする意 に42分以上の運動を行っている男 校入学前から体を動かすことが苦手 欲を高めていく取組が重要である 子の割合は だった と回答 だったから との理由が男子5. といずれも高かった 図-4 [図-4] 小学校入学前と現在の運動に対する意識の比較 児童 89.9% 69.7 入学前 2.2 6. 4. 86.7% 6.7 入学前 25. 8.5 4.9 4. 74.5 現在 [図-5] 2 やや.7 9.7 5 6 7 8 9 3.6. 5.4 35. 2 42分以上 [図-6] 2. 5. 33. やや 5 6 46.3 6分以上 42分未満 やや 8. 7.6 7.7.9 6 54. 2.4 5.9 6.2.2 6.2 59.3 7.5 7.5 3.9 54. 2 42分以上 分 分以上 6分未満 9 3.2 8 8 3. 36.9 5.6 4.5 7.6 64.8 2 9.3 32.5 小学校入学前の運動に対する意識と現在の週間の総運動時間との関連 児童 やや 55. 現在 6分以上 42分未満 4.7 6 9.2 3.7 8 分以上 6分未満 分 運動やスポーツが と回答した児童の 運動がになったきっかけ 児童 -2 5. 小学校入学前から体を動かすことが苦手だったから 59.9 男子 女子 27.9 8.2 24.6 小学校の授業でうまくできなかったから 33.9 6. 友達の前ではずかしい 冷やかされることがあったから 7.9 2.6 小学校の授業以外の場でうまくできなかったから. 4.3 先生や親にしかられたから 2.3 2 6 8 1 幼少期の多様な運動経験 /9

幼少期の多様な運動経験 幼少期の運動経験を支える取組 象である5年生のみで実施している学 している学校が最も低く 校は9.2 であった それ以外の実 次いで の学校 全学年で 施学年の内訳をみると 6年生を含め 実施 している学校で最も良い結果 学校の新体力テストの実施状況を た高学年 5 6年 でして さらに そ が得られた 表-,図-8 みてみよう これまでの実施期間は いる学校が23.3 し の他 の学校の中でも 低学年 小 中学校ともに8 以上の学校が ている学校が64.5 の学年 2年 から実施している学校の方が 6年以上 継続して実施していると の組み合わせで実施している学校が より良い結果が得られている 回答した また 本調査対象学年以 これらの実 2.2%であった 図-7 これらのことから 児童の体力 外の学年でも 6 8 の割合で 施学年の内訳別に 学校の体力合計 運動能力について早期から実態を把 実施されていることがわかった 点の平均 体力総合評価の割合 1 握することの大切さがうかがえ 指 週間の総運動時間の6分未満率 42 導の改善や取組の工夫につなげるこ 分以上率を比較したところ 高学年 とが期待される 学校における 低学年からの取組 p.77 学校㉒,㉒-3 また 小学校において本調査の対 [図-7] 小学校の新体力テスト実施学年の 組み合わせ 学校 -3 [表-] 小学校の新体力テスト実施学年別体力 運動時間 小学校 < 平均値 > 体力合計点 体力合計点 高学年 5 6年 23.3 64.5 2,65.% 4,84 23.3% 3,325 64.5% 2,5 2.2% 54.25 55.79 53.4 54.8 54.6 56. 54. 55.7 38.32 43.78 28.6 22.87.26 2.9 34.9 3.3 26.4 3.7 3. 45.3 26.9 2.5 2.6 23.8 38. 43.2 28.6 24. 9.4 9.2 6.24 2.8 56.58 3.9 7.3 3.7 55.2.9 5.8 2.4 57.2 32.3 6.7 3.4 55.6 3.7 男子 女子 総合評価 AB 率 男子 総合評価 AB 率 女子 総合評価 DE 率 男子 総合評価 DE 率 女子 総合評価 AB 率 -DE 率 総合評価 AB 率 -DE 率 有効回答件数 回答比率 2.2 高 学 年 5 6 年 全体 小学校 男子 女子 総運動時間 6 分未満率 男子 総運動時間 6 分未満率 女子 総運動時間 42 分以上率 男子 総運動時間 42 分以上率 女子 学校ごとに児童生徒の回答を集計し 得られた値 平均または回答比率 をもとに算 出している [図-8] 小学校の新体力テスト実施学年の組み合わせと体力総合評価A B率との関連 学校 -3 42 46 4 45 39 38. 38 37 36 35 43 43.2 42 4 34.9 38 33 37 高学年 5 6年 39 34 32 45.3 44 / 第章 分析結果と取組事例 平成26年度 36 高学年 5 6年

分析結果のまとめ 取組内容の内訳をみると 幼児 きな影響を与えることが明らかなこ 教育委員会と 地域の幼稚園 保育所との連携 期運動指針の普及に取り組んでいる とから 小中連携はもちろんのこと 教育委員会は 都道府県で63.2 で 地域の幼稚園 保育所を巻き込んだ 幼児の運動促進に取り組んでい あるのに対し 市区町村では22.3 校種間連携を積極的に進めていくこ と非常に少ない 図-9 とが重要な課題であると思われる る 取り組む予定である 教育委員 児童の運動習慣や体力 運動能力 会は 都道府県では8.8 市区町 村では34.3 である p.82 教委6 [図-9] の向上には 幼児期の運動経験が大 幼児の運動促進の取組を実施している する予定である 教育委員会の取組内容 教委6-2 都道府県 市区町村 63.2 7. 5. 42.3 2 27.6 29.4 幼児の遊び場の確保 整備 5.8 6 5.6 保護者への呼びかけ 5.3 8 27.7 幼稚園 保育所団体 関係者への呼びかけ 2. 22.3 幼児期運動指針の普及 教育委員会での幼児の運動促進に係る 取組事例の情報収集 指導法の研究 普及 幼稚園 保育所への訪問 研修会開催による取組促進 55.3 9.6 2 6 8 幼児期運動指針ガイドブックより 文部科学省の調査では 体力の向上への基礎づく りを行った実践園と行わなかった協力園を卒園した 児童を追跡し 卒園後 小学年生 の運動の頻度 や運動部の活動 スポーツクラブへの加入率及び新 体力テストの結果を調べた結果 幼児期によく体を 動かして遊ぶ経験をした子供は その後も活動的な 傾向にあることがわかった 子供の体力 運動能力は 活発に体を動かして遊 ぶ習慣や規則正しい生活習慣の影響が積み重ねられ て徐々に向上する 生涯にわたる心身の健康づくり の視点からも まずは幼児が体を動かす楽しさに触 れ その継続による運動習慣づくりに努めることが 大切である 運動の頻度 運動の頻度 ほとんど毎日 ほとんど毎日 週に 2日 週に 2日月に 3日 月に 3日 しない しない 2. %% 2. 9.4 以外 以外 9.4 点 点.. 29. 29. 28.4 28.4 26. 26. 47. 47. はいっている はいっている 25.97 25.97 25. 25. 5.2 5.2 2.9 2.9 6.7 6.7 6.8 6.8 運動部 スポーツクラブ 運動部 スポーツクラブ 28. 28. 27. 27. 5.9 5.9 以外 以外 24. 24..%.% 36.4 36.4 はいっていない はいっていない 59.9 59.9 63.6 63.6 以外 以外 実践園を卒園した児童とそれ以外を比較した結果 実践園を卒園した児童とそれ以外を比較した結果 新体力テストの合計得点 新体力テストの合計得点 就学後の運動頻 就学後の運動頻 度度 2 2 丈丈 夫夫 でで 健健 康康 なな 体体 にに ななる る 1 幼少期の多様な運動経験 / 健健 康を維持するための 康を維持するための