第 章 分析結果と 取組事例 幼少期の多様な運動経験 分析結果のまとめ 8 事例報告のまとめ 2 事例 北海道標津町教育委員会 4 事例 2 島根県雲南市教育委員会 6 2 3 4 体育 保健体育の授業の充実 部活動の充実 家庭や地域でもっと運動をするようになる条件整備 分析結果のまとめ 2 事例報告のまとめ 24 事例 3 東京都文京区立林町小学校 26 事例 4 兵庫県姫路市立別所小学校 28 事例 5 秋田県大館市立第二中学校 分析結果のまとめ 34 事例報告のまとめ 38 事例 6 千葉県習志野市立津田沼小学校 事例 7 東京都港区立港南小学校 42 事例 8 茨城県日立市立河原子中学校 44 事例 9 埼玉県三郷市立彦糸中学校 46 分析結果のまとめ 5 事例報告のまとめ 54 事例 熊本県御船町立御船小学校 56 事例 新潟県阿賀野市立笹神中学校 58 事例 2 宮崎県小林市立野尻中学校 6 5 生涯にわたって運動やスポーツをしようとする意欲 分析結果のまとめ 64 事例報告のまとめ 68 事例 3 茨城県利根町立布川小学校 7 事例 4 熊本県熊本市立向山小学校 72 事例 5 茨城県城里町立桂中学校 74 事例 6 鹿児島県奄美市立名瀬中学校 76
小学校入学前の体を動かす遊びの経験と体力総合評価 ( 小学校女子 ) 小学校 5 年生女子の体力総合評価のA+B 率は 小学校入学前に体を動かす遊びを行っていた中でも いろいろな内容 の群で42.8% と最も高く いつも同じ内容 の群よりも7.7ポイント 体を動かす遊びを 行っていなかった 群よりも23.ポイント高かった 男子でも同様の傾向がみられた (%) 45 35 力総合25 評価A+2 B率5 5 小学校入学前の体を動かす遊び体行っていた ( いろいろな内容 ) ( いつも同じ内容 ) 行っていなかった 小学校女子全体 39.7 % 23. ポイント 有効回答数 いろいろな内容 36,468 いつも同じ内容 93,735 行っていなかった 3,383 小学校 5 年生女子で 入学前にどのように体を動かす遊びをしていたか ( いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった ) への 回答別に 体力総合評価のA 及びBの割合の合計 (A+B 率 ) を比較した ( p.35 児童 ) 6/ 第 章分析結果と取組事例 ( 平成 26 年度 )
学校入学前から運動がで小あった児童の多くは 小学生になっても運動がである傾向は 昨年度の分析からもうかがえた また 小学校入学前から運動がな児童は だった児童に比べ 運動時間が長く 体力合計点も高い 傾向がみられた 同様に 小学校入学前にいろいろな内容の運動を行った児童は いつも同じ内容の運動を行った児童や 運動を行っていなかった児童に比べ 運動時間が長く 体力合計点も高い傾向がみられた 事例では 児童で継続できる運動プログラムの実施や 小学校入学前の幼児を対象とした体力測定会にあわせた運動体験会の開催など 幼児への働きかけの推進で成果を上げている自治体の取組を紹介する 幼少期の多様な運動経験 児童生徒の運動能力や運動時間 運動やスポーツに対する意欲や関心 体を動かすことへの親しみは 幼少期の運動習慣や意識とどのように関係しているだろうか また 同じ内容の運動に取り組むことと いろいろな内容の運動に触れることには 何か違いがあるだろうか 幼少期の多様な運動経験の影響という観点から 集計結果をみた 幼少期の多様な運動経験 /7
幼少期の多様な運動経験 幼少期の運動経験が 体力 運動能力に及ぼす効果 は 男 女 と も に 約6 で あ っ た 男子で27.7 女子で9.4 であっ p.34 児童 -, -2, -3 一人遊 た ここで 体を動かす遊びは行っ びや家の人以外の大人 あるいは地 ていなかった と回答した児童が男 域以外の子供たちなどと 体を動か 女ともに約7 みられたことから 多少を尋ねた結果 幼稚園 保育所 す遊びをしていたことも考えられる 前述の体を動かす遊びの多少に対す に通っていた男女ともに 約85 の また 体を動かす遊びの内容を尋 る回答と照らし合わせると 体を動 児童が 多かった と回答した 誰 ねた結果では いろいろな内容 かす遊びが 少なかった と回答し とするかについて 家の人と 地 と回答した児童が 男子で65.4 た児童の約半数が 実際には体を動 域の子供たちと 体を動かす遊びを 女子で74. と大半を占めた い かす遊びをしていなかったことにな することが多かったと回答した児童 つも同じ内容 と回答した児童は る 図- 小学校入学前の運動の状況 8割以上が多くの運動経験あり 児童に小学校入学前の運動経験の [図-] 小学校入学前の体を動かす遊び 児童 - 頻度 幼稚園 多かった:84.7 少なかった:5.3 頻度 幼稚園 多かった 85.6 少なかった 4.4 保育園 多かった:82. 少なかった:7.9 保育園 多かった 84. 少なかった 6. 内容 体を動かす遊び いつも同じ内容:27.7 2 いろいろな内容:65.4 5 6 7 8 9 行っていなかった:6.9 小学校入学前の多様な運動経験と 現在の運動習慣 体力 運動能力 これらの運動経験は その後の児 童の意識や運動習慣 体力 運動能 力等にどのような影響を与えるのだ ろうか ここでは 小学校入学前の まず 小学校入学前にどのように 2 分, 9 8 7 6 5 2 5 635.7分 598.6 358. 6 7 8 9 行っていなかった 6.6 いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった 別に 週間の総運動時間を比較し た いろいろな内容 と回答した 55 37.分 2.4 いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった 点 6 54.6点 53.8 5 全国平均 55 47.6 5 45 3.9 学校入学前の体を動かす遊びの内容と [図-3] 小 現在の体力合計点との関連 児童 点 6 もに いつも同じ内容 と回答した 37.分と最も長く 次いで男女と 分, 9 8 7 6 5 2 体を動かす遊びをしていたかの回答 児 童 は 男 子 で635.7分 女 子 で いろいろな内容 74. [図-2] 小学校入学前の体を動かす遊びの内容と 現在の週間の総運動時間との関連 児童 運動経験別に 現在 小学校5年時 の状況を比較して考えてみたい 内容 体を動かす遊び いつも同じ内容 9.4 55.7点 54. 全国平均 49.9 45 いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった いつも同じ内容 いろいろな内容 行っていなかった 児 童 が 男 子 で598.6分 女 子 で また 同様に体力合計点との関連 53.8点 女子で54.点であった こ を動かす遊びは行っていなかった では いろいろな内容 と答えた れに対して 体を動かす遊びは行っ と回答した児童が 男子で358.分 児童の体力合計点は男子で54.6点 ていなかった と回答した児童が 女子で2.4分と大きく下回ってい 女子で55.7点と最も高く 次いで い 男子で47.6点 女子で49.9点と全国 た 図-2 つも同じ内容 と回答した男子で 平均を大きく下回っていた 図-3 3.9分であった これに対して 体 8/ 第章 分析結果と取組事例 平成26年度
分析結果のまとめ 女子59.9 と最も高かった 図-6 した児童では64.8 だっ 小学校入学前の体を動かす遊びの と現在の運動習慣 た と回答した児童では35. であ り その割合は 2倍程度の違いが 以上のことから 男女ともに 幼 小学校入学前に体を動かす遊びが ある 女子も同様の状況がみられる 少期の運動経験や がそ だったかについては だっ が だった 場合が36.9 き の後の運動習慣や体力 運動能力に た ややだった と回答した らいだった 場合が7.5 と それ 大きな影響を与えていることがうか 児童が 男子で89.9 女子で86.7 ぞれ男子の約半数であった 図-5 がえる また 単一の運動よりも 様々 また 現在 運動やスポーツをす な運動を経験することが より良い 小学校入学前の体を動かす遊びの ることがかについて ややき 効果をもたらすことも期待できる結 と 現在の週間の総 らい と回答した児童に 果が得られた 幼少期に多様な運動 運動時間との関連をみると 週間 その理由をたずねたところ 小学 やスポーツに親しみ 運動をする意 に42分以上の運動を行っている男 校入学前から体を動かすことが苦手 欲を高めていく取組が重要である 子の割合は だった と回答 だったから との理由が男子5. といずれも高かった 図-4 [図-4] 小学校入学前と現在の運動に対する意識の比較 児童 89.9% 69.7 入学前 2.2 6. 4. 86.7% 6.7 入学前 25. 8.5 4.9 4. 74.5 現在 [図-5] 2 やや.7 9.7 5 6 7 8 9 3.6. 5.4 35. 2 42分以上 [図-6] 2. 5. 33. やや 5 6 46.3 6分以上 42分未満 やや 8. 7.6 7.7.9 6 54. 2.4 5.9 6.2.2 6.2 59.3 7.5 7.5 3.9 54. 2 42分以上 分 分以上 6分未満 9 3.2 8 8 3. 36.9 5.6 4.5 7.6 64.8 2 9.3 32.5 小学校入学前の運動に対する意識と現在の週間の総運動時間との関連 児童 やや 55. 現在 6分以上 42分未満 4.7 6 9.2 3.7 8 分以上 6分未満 分 運動やスポーツが と回答した児童の 運動がになったきっかけ 児童 -2 5. 小学校入学前から体を動かすことが苦手だったから 59.9 男子 女子 27.9 8.2 24.6 小学校の授業でうまくできなかったから 33.9 6. 友達の前ではずかしい 冷やかされることがあったから 7.9 2.6 小学校の授業以外の場でうまくできなかったから. 4.3 先生や親にしかられたから 2.3 2 6 8 1 幼少期の多様な運動経験 /9
幼少期の多様な運動経験 幼少期の運動経験を支える取組 象である5年生のみで実施している学 している学校が最も低く 校は9.2 であった それ以外の実 次いで の学校 全学年で 施学年の内訳をみると 6年生を含め 実施 している学校で最も良い結果 学校の新体力テストの実施状況を た高学年 5 6年 でして さらに そ が得られた 表-,図-8 みてみよう これまでの実施期間は いる学校が23.3 し の他 の学校の中でも 低学年 小 中学校ともに8 以上の学校が ている学校が64.5 の学年 2年 から実施している学校の方が 6年以上 継続して実施していると の組み合わせで実施している学校が より良い結果が得られている 回答した また 本調査対象学年以 これらの実 2.2%であった 図-7 これらのことから 児童の体力 外の学年でも 6 8 の割合で 施学年の内訳別に 学校の体力合計 運動能力について早期から実態を把 実施されていることがわかった 点の平均 体力総合評価の割合 1 握することの大切さがうかがえ 指 週間の総運動時間の6分未満率 42 導の改善や取組の工夫につなげるこ 分以上率を比較したところ 高学年 とが期待される 学校における 低学年からの取組 p.77 学校㉒,㉒-3 また 小学校において本調査の対 [図-7] 小学校の新体力テスト実施学年の 組み合わせ 学校 -3 [表-] 小学校の新体力テスト実施学年別体力 運動時間 小学校 < 平均値 > 体力合計点 体力合計点 高学年 5 6年 23.3 64.5 2,65.% 4,84 23.3% 3,325 64.5% 2,5 2.2% 54.25 55.79 53.4 54.8 54.6 56. 54. 55.7 38.32 43.78 28.6 22.87.26 2.9 34.9 3.3 26.4 3.7 3. 45.3 26.9 2.5 2.6 23.8 38. 43.2 28.6 24. 9.4 9.2 6.24 2.8 56.58 3.9 7.3 3.7 55.2.9 5.8 2.4 57.2 32.3 6.7 3.4 55.6 3.7 男子 女子 総合評価 AB 率 男子 総合評価 AB 率 女子 総合評価 DE 率 男子 総合評価 DE 率 女子 総合評価 AB 率 -DE 率 総合評価 AB 率 -DE 率 有効回答件数 回答比率 2.2 高 学 年 5 6 年 全体 小学校 男子 女子 総運動時間 6 分未満率 男子 総運動時間 6 分未満率 女子 総運動時間 42 分以上率 男子 総運動時間 42 分以上率 女子 学校ごとに児童生徒の回答を集計し 得られた値 平均または回答比率 をもとに算 出している [図-8] 小学校の新体力テスト実施学年の組み合わせと体力総合評価A B率との関連 学校 -3 42 46 4 45 39 38. 38 37 36 35 43 43.2 42 4 34.9 38 33 37 高学年 5 6年 39 34 32 45.3 44 / 第章 分析結果と取組事例 平成26年度 36 高学年 5 6年
分析結果のまとめ 取組内容の内訳をみると 幼児 きな影響を与えることが明らかなこ 教育委員会と 地域の幼稚園 保育所との連携 期運動指針の普及に取り組んでいる とから 小中連携はもちろんのこと 教育委員会は 都道府県で63.2 で 地域の幼稚園 保育所を巻き込んだ 幼児の運動促進に取り組んでい あるのに対し 市区町村では22.3 校種間連携を積極的に進めていくこ と非常に少ない 図-9 とが重要な課題であると思われる る 取り組む予定である 教育委員 児童の運動習慣や体力 運動能力 会は 都道府県では8.8 市区町 村では34.3 である p.82 教委6 [図-9] の向上には 幼児期の運動経験が大 幼児の運動促進の取組を実施している する予定である 教育委員会の取組内容 教委6-2 都道府県 市区町村 63.2 7. 5. 42.3 2 27.6 29.4 幼児の遊び場の確保 整備 5.8 6 5.6 保護者への呼びかけ 5.3 8 27.7 幼稚園 保育所団体 関係者への呼びかけ 2. 22.3 幼児期運動指針の普及 教育委員会での幼児の運動促進に係る 取組事例の情報収集 指導法の研究 普及 幼稚園 保育所への訪問 研修会開催による取組促進 55.3 9.6 2 6 8 幼児期運動指針ガイドブックより 文部科学省の調査では 体力の向上への基礎づく りを行った実践園と行わなかった協力園を卒園した 児童を追跡し 卒園後 小学年生 の運動の頻度 や運動部の活動 スポーツクラブへの加入率及び新 体力テストの結果を調べた結果 幼児期によく体を 動かして遊ぶ経験をした子供は その後も活動的な 傾向にあることがわかった 子供の体力 運動能力は 活発に体を動かして遊 ぶ習慣や規則正しい生活習慣の影響が積み重ねられ て徐々に向上する 生涯にわたる心身の健康づくり の視点からも まずは幼児が体を動かす楽しさに触 れ その継続による運動習慣づくりに努めることが 大切である 運動の頻度 運動の頻度 ほとんど毎日 ほとんど毎日 週に 2日 週に 2日月に 3日 月に 3日 しない しない 2. %% 2. 9.4 以外 以外 9.4 点 点.. 29. 29. 28.4 28.4 26. 26. 47. 47. はいっている はいっている 25.97 25.97 25. 25. 5.2 5.2 2.9 2.9 6.7 6.7 6.8 6.8 運動部 スポーツクラブ 運動部 スポーツクラブ 28. 28. 27. 27. 5.9 5.9 以外 以外 24. 24..%.% 36.4 36.4 はいっていない はいっていない 59.9 59.9 63.6 63.6 以外 以外 実践園を卒園した児童とそれ以外を比較した結果 実践園を卒園した児童とそれ以外を比較した結果 新体力テストの合計得点 新体力テストの合計得点 就学後の運動頻 就学後の運動頻 度度 2 2 丈丈 夫夫 でで 健健 康康 なな 体体 にに ななる る 1 幼少期の多様な運動経験 / 健健 康を維持するための 康を維持するための