第 2 学年 1 組国語科学習指導案 指導者平方舜 1. 単元名二千五百年前からのメッセージ - 孔子の言葉 - 2. 単元について (1) 単元観本題材に用いられる 論語 は古代中国の思想家 孔子とその弟子たちの言行を記録したものである 簡潔な文章で書かれていて 抽象的なメッセージが多く それゆえに多様な解釈ができる名言 格言が多い 単元名にもあるように 二千五百年前に生きた人物からのメッセージが 現代を生きる中学生の悩みや疑問を解決することもあるということに この教材の価値を見いだしたい 簡潔な文章で書かれているということは 十分な説明がなされていないということでもある そのため 生徒個人によって 多様な解釈が生まれると思うが それを妨げず 言語感覚や想像力を豊かにしたい ただし 多様な解釈をする中にも 返り点や置き字といった漢文の知識は必要とされる それらは学習指導要領の 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 に関連するものなので 漏らすことなく説明すべき事項であるし それらの理解なくして 中国の古典である漢文は理解できない 形式を理解させたうえで 内容を多様に理解できる題材である (2) 生徒の実態授業中の発表回数も多く 活発で話をすることが好きな生徒が多い 学習意欲が高い生徒も多いが なかなか学習に気持ちが向かない生徒も少なくない 授業を展開する上でとったアンケートの結果が以下の通りである アンケート (31 名実施うち男子 16 名女子 15 名 ) 1 国語の学習が好きですか 好き 7 名どちらかといえば好き 11 名どちらかといえば嫌い 12 名嫌い 1 名 2 漢文の学習が好きですか 好き 9 名どちらかといえば好き 8 名どちらかといえば嫌い 10 名嫌い 4 名 3 話し合い活動が好きですか 好き 11 名どちらかといえば好き 14 名どちらかといえば嫌い 3 名嫌い 3 名 4 孔子という人物を知っていますか 知っている 6 名知らない 25 名 5 今どのような悩みがありますか ( 複数回答可 ) 勉強 9 名進路 7 名部活動 6 名友人関係 6 名恋愛関係 2 名家族 1 名 事前にとったアンケートの結果では 1 国語の学習と 2 漢文の学習のアンケート結果から 約 半数の生徒が国語や 漢文を嫌い どちらかといえば嫌いと答えている その理由として 難 しいから や 意味がわからない といったものが挙げられていた また アンケートの 1 2
に比べて3の話し合い活動についてのアンケート結果は好き どちらかといえば好きと答えた人数が多かった その理由として 自分一人で解決できなかったことが解決できるから や 話し合いながら学習できるのが楽しい といったものが挙げられた 4 孔子のことを知っているかという質問には 6 名の生徒が知っていると答えたが 儒教を広めた 名前だけ聞いたことがある という回答は出たが 論語 というキーワードは出てこなかった また 5 今どのような悩みがあるかという質問には 勉強のことが一番多く挙げられた 約半数ほど国語や漢文を嫌いと答えた生徒が在籍しており その生徒たちへの手立てとして グループ学習を取り入れたい 話し合いの活動をすることが好きな生徒が多い学級であるから 教科書を読みこむだけに留まらない 他者との協同的な学びを実践することで 楽しみながら国語や漢文に触れ 苦手な意識を拭えるようにしたいと思う また アンケートの5で多く挙げられていた勉強に関する悩みも 論語 を読むことで解決ができることもあると思うが なかなか全員が内容を一人で読み込んで理解できるわけではないと思うので 噛み砕いて より簡単に 論語 に触れられるように 教え合いのできる少人数によるグループ学習が効果的だと考える (3) 指導観 論語 は 二千五百年ほど前の中国で書かれた書物であるが 現代の中学生が読んでも共感をできるようなフレーズがあることに気づかせたい また それらを自分の中で消化するだけでなく 発信していくことで 学級全体としての漢文や 論語 の理解につなげたい また 級友に伝えるために 主体性をもって 論語 を調べることは 生徒自身の深い学びへとつながると思うので 自分自身を振り返り 個に返るような授業ともしたい 中学 2 年生は自我が確立しようとしている時期であり 精神的に不安定な時期でもある また 自らの将来について真剣に考え始めるときでもあり 論語 に触れることで 今後の長い人生の指針となり得る言葉に出会うことがあるかもしれない 長く人々に読まれ続けてきた 論語 を 教科書に載っているだけのものを学習するだけで終わりにするのではなく 他の名文を知り 孔子の様々なものの見方 考え方に触れることで 自らの進路や社会に出てからに役立つ力を身につけさせたい (4) 研究主題との関わり本校の国語科の共通の取り組みとして 小集団活動による学び合い というものがある 話し合い活動をすることが好きな生徒が多く在籍しているので 国語や漢文を苦手としている生徒が 授業に取りかかりやすくするために 本単元では 小集団による話し合い活動を多く取り入れていきたいと考える 本時の展開では 4 人グループでの話し合い活動を通して グループで助け合い 話し合いながら 論語 が現代にまで広く読まれていることの価値に迫りたい
3. 単元の目標 (1) 国語への関心 意欲 態度 文章の特徴や孔子の考えに関心を持つことができる 他者の調べた論語を理解しようと積極的に取り組むことができる (2) 話すこと 聞くこと 正しく教科書の書き下し文を音読できるか 自らの考えを級友に言葉で伝えることができる (3) 書くこと 調べた論語のフレーズを丁寧にまとめることができる (4) 読むこと 現代語訳を見ながら 孔子の考えを自分なりに解釈できる 論語 の中にある現代に応用できるフレーズを見つけることができる (5) 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 返り点や置き字を理解し 訓読文を書き下し文にできる 指導計画 (5 時間扱い ) 時間 ねらい 学習活動 評価の観点 関心 意欲 態度 話すこと聞くこと 書くこと 読むこと 言語の知識 理解 1 置き字や返り点が理解できる 1 年生の復習をして 訓読文を書き下し文にする 訓読ができるように各自が音読する 正しく教科書の書き下し文を音読できるか 返り点や置き字を理解し 訓読文を書き下し文にできるか 2 各章句の現代語訳を確認し 意味を捉えることができる 現代語訳を音読し 孔子が伝えたいこと考える 現代語訳を見ながら 孔子の考えを自分なりに解釈できる か
3 4 論語 の一 調べた 論語 調べた 論語 節で 興味 の説明をまとめ 論語のフ の中にあ 関心のあるも る レーズを る現代に のを調べるこ 丁寧にま 応用でき とができる とめるこ るフレー とができ ズを見つ るか けること ができる か 5 発表を通し 前時に調べた 他者の 自らの ( 本時 ) て 論語 に 論語 をまと 調べた論 考えを級 関しての理解 め 発表する 語を理解 友に言葉 を深めること しようと で伝える ができる 積極的に ことがで 取り組む きるか ことがで きるか 4. 本時の活動 (5/5) (1) 目標 国語への関心 意欲 態度 他者の調べた論語を理解しようと積極的に取り組むことができる 話すこと 聞くこと 自らの考えを級友に言葉で伝えることができる
(2) 展開学習過程学習内容 と活動 ( 時配 ) 共通の取り組み 見出す 本時の課題を把握する (5) 教師の発問に答えながら前時までの振り返りをする 指導上の留意点 支援の手だて 評価評 ( 評価の観点 ) 答えに詰まる生徒には手助けとなる追加発問をする 資料等 クラスメートに論語の言葉を贈ろう 調べる (15) 深める (20) まとめあげる (10) 調べた 論語 をワークシートにまとめ 机間指導をしながら声をかける ワークシ る ワークシートに自分が調べた 論語 の一節を書く 作業が進まない生徒に手助けをすート1 る 書き上がった生徒には自らの選ん だ言葉がわかりやすくなるような 挿絵を描いたり 色を塗ったりし てもよいことを伝える 調べた 論語 を共有する 教師が模範発表を行う 4 人グループで発表を行う 次の作業に取りかかりやすくするため 静かに教師の発表を聞く姿勢を作らせる 発表を受けて グループで1 人代表者 発表が円滑に進まない場合は生徒 を決める に助言を与える 代表者を決めるときには 選んだ 理由を言わせる 評自らの考えを級友に言葉で伝える ことができたか ( ワークシート 観察 ) クラスメートに向けて論語を紹介す 発表の順番を決め 聞く姿勢をに実物投影 る 作らせる 機 代表者は前に出て 実物投影機を用い 発表に詰まる場合は教師が追加の て クラス全体へ発表をする その後 発問をする 質問の時間を設ける 本時の授業の感想をまとめる 机間指導をしながら よい意見をワークシ 誰の発表が一番印象に残っているかワークシートにまとめる 書いている生徒に声をかける 評他者の調べた論語を理解しようと ート2 自分が悩んでいたことに答えた発表が積極的に取り組むことができたか あった人はどう感じたか 発表させる ( ワークシート 観察 ) 本単元のまとめを教師が述べる
二千五百年前からのメッセージ - 孔子の言葉 - ワークシート二年組番氏名 [ ] 私の調べた論語は意味はこの論語をで悩んでいる人に贈りたいです ですです 僕は ~ のように解釈しました ~ したときには ~ と思ってほしいです などのように書く
板書案クラスメートに論語の言葉を贈ろう ~ 今日の流れ ~ 1 調べた論語をワークシートにまとめる分 2 ワークシートを元に班で発表する分 3 班の代表は全体に発表する分 4 誰の発表が一番印象に残ったか分 15 10 10 10