第 2 章近江八幡市を取り巻く状況と今後の課題 1 データからみえる地域福祉の状況 1 人口の状況近江八幡市は 平成 22 年 3 月に旧近江八幡市と旧安土町が合併し 人口 8 万人を超える市となりました 旧市町の人口を合計した数値を見ると 平成 12 年から平成 22 年は横ばいで推移していますが 平成 27 年以降の推計によると減少していくことが予想されています 25 年後の平成 47 年には 人口 7 万人を下回り 平成 22 年と比較し 1 万人以上減少することが見込まれています 人口推移 ( 人 ) 9, 8, 7, 6, 実績値 79,488 8,669 8,61 81,738 11,149 13,178 15,316 17,61 推計値 78,613 76,787 2,584 22,128 74,5 71,878 22,34 年齢不詳 65 歳以上 15~64 歳 15 歳未満 22,221 68,99 22,171 5, 4, 54,69 55,146 53,56 52,44 3, 47,916 45,641 44,25 42,44 39,69 2, 13,73 12,321 11,492 11,614 1,112 9,17 8,171 7,613 7,129 H7 H12 H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 出典 : 国勢調査 ( 各年 1 月 1 日現在 ) 国立社会保障 人口問題研究所 日本の市区町村別将来推計人口 ( 平成 2 年 12 月推計 ) 注 1: 平成 22 年 3 月 21 日 旧近江八幡市と旧安土町が合併し 新 近江八幡市 となったため それ以前のデータは旧市町の数値を合算した数値となります ( 以下同じ ) 注 2: 年齢不詳者数 H7( 人 ) H12(24 人 ) H17(296 人 ) H22(47 人 ) 注 3: 将来推計人口は四捨五入の関係で 年齢別人口の合計が総人口に合致しないことがあります 注 4: 上記のデータは 国勢調査及び国立社会保障 人口問題研究所のデータを出典としているため 5 期総合介護計画に記載されているデータと数値が異なります
2 世帯の状況世帯数は年々増加しており 平成 7 年から平成 22 年にかけて 約 5, 世帯増加しています 特に単独世帯が大幅に増加しており 平成 7 年から平成 22 年にかけて約 2 倍に増加しています 一方 世帯人員は 3.4 人から 2.8 人に減少しています 高齢者のいる世帯も年々増加しており 中でも高齢者のいる世帯に占める単独世帯及び高齢夫婦世帯の割合は 増加傾向にあります 世帯 ( 一般世帯 ) の推移 ( 世帯数 ) 3, 25, 2, 15, 5, 3.4 23,499 3,586 5,958 2.8 25,458 4,586 3.1 5,715 2.7 26,785 5,328 5,351 3. 2.6 28,588 6,32 4,861 2.8 2.4 13,912 15,92 15,999 17,169 H7 H12 H17 H22 ( 世帯人員 : 人 ) 3.6 3.4 3.2 3. 2.8 2.6 2.4 2.2 2. 単独世帯 非親族世帯 その他の親族世帯核家族世帯 世帯人員 世帯人員 ( 全国 ) 出典 : 国勢調査 ( 各年 1 月 1 日現在 ) 注 : 非親族世帯数 H7(43 世帯 ) H12(65 世帯 ) H17(17 世帯 ) H22(218 世帯 ) 高齢者のいる世帯の推移 ( 世帯 ) 14, 12, 8, 6, 4, 2, 11,682 1,37 9,124 7,971 6,94 6,561 (59.1%) 6,289 (63.7%) 5,93 (68.9%) (74.1%) 2,874 2,26 1,664 (21.4%) (24.6%) 1,184 (14.9%) (18.2%) 1,54 1,94 884 (11.1%) 1,171 (12.8%) (14.9%) (16.3%) H7 H12 H17 H22 その他の世帯 高齢夫婦世帯 単独世帯 出典 : 国勢調査 ( 各年 1 月 1 日現在 ) 2
3 子どもの状況年少人口 (~14 歳 ) は 平成 17 年から平成 22 年にかけて横ばいとなったものの 平成 27 年以降は減少傾向であり 平成 47 年には現在の約 6 割程度になることが見込まれています 合計特殊出生率は 増減を繰り返していますが 平成 21 年現在全国値よりも高い値となっています 年少人口及び年少人口の占める割合の推移 ( 年少人口 : 人 ) 16, 14, 12, 8, 6, 4, 2, 実績値 推計値 年少人口 (-14 歳 ) 17.3% 18.% 年少人口の割合 15.3% 年少人口の割合 ( 全国 ) 16.% 15.9% 14.3% 14.2% 14.6% 12.9% 14.% 13.7% 13.2% 11.7% 11.% 12.% 11.8% 1.6% 1.3% 13,73 12,321 1.8% 1.% 1.% 11,492 9.7% 9.5% 11,614 8.% 1,112 9,17 6.% 8,171 7,613 7,129 4.% H7 H12 H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 出典 : 国勢調査 ( 各年 1 月 1 日現在 ) 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 ( 平成 18 年 2 月推計 ) 日本の市区町村別将来推計人口 ( 平成 2 年 12 月推計 ) 2.% 2.%.% 合計特殊出生率の推移 1.6 1.5 1.4 1.3 1.39 1.38 1.26 1.46 1.41 1.41 1.32 1.45 1.43 1.34 1.37 1.46 1.45 1.4 1.56 1.52 1.45 1.37 1.2 1.1 1. 1.19 1.21 全国滋賀県旧近江八幡市旧安土町 H17 H18 H19 H2 H21 出典 : 庁内資料 3
4 高齢者の状況今後人口は減ることが予想されるなか 高齢者数は年々増加しており 平成 22 年から 15 年後の平成 37 年には約 1.3 倍に増加することが予想されています 特に 75 歳以上の高齢者数は更なる増加傾向にあります また 要介護 ( 要支援 ) 認定者数も年々増加しており 平成 22 年現在 2,494 人 認定率は 14.2% となっています 高齢者人口及び高齢化率の推移 ( 高齢者人口 : 人 ) 25, 2, 15, 5, 11,149 17.3% 14.5% 14.% 5,353 4,291 (4.6%) (38.5%) 6,858 (61.5%) 高齢者人口 (75 歳以上 ) 22,128 22,34 22,221 22,171 高齢者人口 (65~74 歳 ) 2,584 33.7% 31.8% 高齢化率 3.5% 29.2% 高齢化率 ( 全国 ) 17,61 26.9% 28.8% 29.9% 3.9% 32.2% 15,316 13,623 23.% 26.2% 13,92 13,68 (61.4%) 13,178 21.% 11,4 (62.6%) (58.6%) 21.5% 9,592 (49.7%) 8,36 (46.6%) 19.% 16.3% (47.5%) 7,19 (45.8%) 7,825 (59.4%) 8,297 (54.2%) 実績値 9,25 (52.5%) 推計値 1,993 (53.4%) 11,125 (5.3%) 9,235 (41.4%) 8,33 (37.4%) 8,548 (38.6%) H7 H12 H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 ( 高齢化率 ) 出典 : 国勢調査 ( 各年 1 月 1 日現在 ) 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 ( 平成 18 年 2 月推計 ) 日本の市区町村別将来推計人口 ( 平成 2 年 12 月推計 ) 注 1: 将来推計人口は四捨五入の関係で 年齢別人口の合計が総数に合致しないことがあります 注 2: 上記のデータは 国勢調査及び国立社会保障 人口問題研究所のデータを出典としているため 5 期総合介護計画に記載されているデータと数値が異なります 4.% 35.% 3.% 25.% 2.% 15.% 1.% 5.%.% 要介護 ( 要支援 ) 認定者数及び認定率の推移 ( 認定者数 : 人 ) 3, 2,5 2, 1,5 1, 5 2,11 2,189 1,759 2,26 2,336 16.2% 16.% 16.1% 16.1% 1,859 1,927 2,2 13.3% 13.4% 13.4% 13.5% 2,494 2,174 342 33 333 316 32 H18 H19 H2 H21 H22 16.6% 18.% 17.% 16.% 15.% 14.2% 14.% 13.% 12.% 75 歳以上 65~74 歳 認定率 認定率 ( 全国 ) 出典 : 近江八幡市 庁内資料 ( 各年 1 月 1 日現在 ) 全国値 介護保険事業状況報告月報 ( 各年 1 月 1 日現在 ) 注 : 上記のデータは 厚生労働省が公表している介護保険事業報告を出典としているため 第 5 期総合介護計画に記載されているデータと数値が異なります 4
5 障がい児者の状況身体障害者手帳 療育手帳 ( 知的障がい ) 精神障害者保健福祉手帳等の所持者数をみると 身体障害者手帳所持者数が最も多くなっています 身体障害者手帳保持者数は 平成 18 年度から横ばいで推移しており 平成 22 年度現在 2,667 人となっています 一方 療育手帳保持者数及び精神障害者保健福祉手帳所持者数は 増加傾向にあります また 自立支援医療精神通院受給者証交付者数も増加しており 平成 18 年度から平成 22 年度にかけて約 1.7 倍に増加しています なお 発達障がいは 近年相談件数等が大幅に増えてきていますが 本人や保護者の障がい認識の欠落及び精神障がい者に含まれる拒否感等から 手帳取得者は極めて少ないのが実態です 障がい児者数の推移 ( 人 ) 3, 2,5 2,587 2,621 2,682 2,644 2,667 身体障害者手帳所持者数 2, 療育手帳所持者数 1,5 1, 5 574 954 835 661 747 376 44 436 47 53 219 256 281 317 361 H18 年度 H19 年度 H2 年度 H21 年度 H22 年度 精神障害者保健福祉手帳所持者数 自立支援医療精神通院受給者証交付者数 出典 : 庁内資料 5
6 外国人住民人口の状況人口に占める外国人登録者数の割合は 全国的には増加傾向にありますが 近江八幡市では登録者数及び割合ともに平成 17 年をピークに減少に転じています 平成 22 年の登録者数は 1,239 人で 学区 ( 地域自治区 ) 別では 金田学区が 316 人と最も多くなっています 外国人登録者数の推移及び人口に占める外国人登録者数の割合 ( 人 ) 1,6 1,4 1,2 1, 8 6 4 2 827 1.%.9% 1,11 1.4% 1.% 1,346 1.7% 1.2% 1,239 1.5% 1.3% 1.9% 1.7% 1.5% 1.3% 1.1%.9%.7% 外国人登録者数 外国人登録者数の割合 外国人登録者数の割合 ( 全国 ) H7 H12 H17 H22 出典 : 近江八幡市値 滋賀県 県内外国人登録者数 ( 各年 12 月末日現在 ) 全国値 国勢調査 ( 各年 1 月 1 日現在 ).5% 学区 ( 地域自治区 ) 別の外国人登録者数 島 (6 人 ) 凡例 5 人未満 5~1 人 ( なし ) 11~15 人 151~2 人 ( なし ) 21~25 人 251~3 人 31 人以上 北里岡山 (34 人 ) (22 人 ) 八幡 (239 人 ) 金田桐原 (316 人 ) (26 人 ) 馬淵武佐 (124 人 ) (25 人 ) 安土 (267 人 ) 出典 : 庁内資料 ( 平成 22 年 12 月末現在 ) 6
7 学区 ( 地域自治区 ) の状況学区 ( 地域自治区 ) 別の人口及び高齢化率の状況は 地域によって大きく異なっています 桐原学区は人口が最も多く 最も少ない島学区との人口差は 約 7.5 倍となっています また 高齢化率の一番高い島学区は 25.8% と一番低い金田学区の 17.8% と 8. ポイントの差があります 自治会加入率では 桐原学区が最も高いものの減少傾向にあり 一方 金田学区は最も低いものの増加傾向にあります 学区 ( 地域自治区 ) 別人口 ~14 歳 15~64 歳 65 歳以上 2, 18, 16, 15,255 14, 12, 8, 6, 4, 2, 八幡2,395 島5,5 岡山14,554 金田17,932 桐原3,752 馬淵5,88 北里4,158 武佐12,56 安土( 人 ) 65 歳以上 15~64 歳 ~14 歳 3,43 618 1,46 2,584 3,511 946 1,182 1,12 2,86 (22.5%) (25.8%) (25.6%) (17.8%) (19.6%) (25.2%) (2.4%) (24.3%) (22.9%) 9,569 1,488 3,343 9,541 11,923 2,293 3,89 2,652 7,946 (62.7%) (62.1%) (6.8%) (65.6%) (66.5%) (61.1%) (65.6%) (63.8%) (63.5%) 2,256 289 751 2,429 2,498 513 817 494 1,7 (14.8%) (12.1%) (13.7%) (16.7%) (13.9%) (13.7%) (14.1%) (11.9%) (13.6%) 出典 : 庁内資料 ( 平成 22 年 1 月 1 日現在 ) 近江八幡市の自治会加入率の推移 1% 95% 9% 85% 8% 75% 91.5% 89.5% 84.5% 83.5% 83.1% 78.2% 76.6% 桐原 (91.5%) 岡山 (89.5%) 武佐 (84.5%) 北里 (83.5%) 島 (83.1%) 7% 65% 6% 55% 5% 64.% H19 年度 H2 年度 H21 年度 H22 年度 出典 : 庁内資料注 : 安土町地域自治区の自治会加入率のデータは平成 21 年度以前未集計 馬淵 (78.2%) 八幡 (76.6%) 金田 (64.%) 安土 (9.3%) ( ) は H22 年度自治会加入率 7
8 NPO 法人及びボランティア団体の状況特定非営利活動促進法が平成 1 年 12 月 1 日に施行されて以降 特定非営利活動法人 (NPO 法人 ) は年々増加しています 市内を主な活動地域とする NPO 法人は平成 22 年度現在 35 団体となっています また 市社会福祉協議会に登録されているボランティア団体数も増加していますが 平成 17 年度以降の伸びは緩やかになっています NPO 法人及びボランティア団体の推移 (NPO 法人数 ) 4 35 3 25 NPO 法人数ボランティア団体数 19 ( ホ ランティア団体数 ) 12 113 1 8 2 15 1 5 19 2 47 H7 年度 H12 年度 H17 年度 H22 年度 出典 : NPO 法人数 滋賀県 NPO データベース ボランティア団体数 市社会福祉協議会資料 22 35 6 4 2 9 ふれあいサロン活動の状況ふれあいサロンは市社会福祉協議会が支援し 自治会が中心となって開設されています 事業開始以降 ふれあいサロン活動は年々増加しています 平成 17 年度までは 5 年間で 5 地域程度増加していましたが 平成 17 年度から平成 22 年度にかけては 2 地域の増加と 増加の傾向がやや緩やかになっています ふれあいサロン実施地域の推移 13 11 62 1 14 12 1 8 6 4 2 H7 年度 H12 年度 H17 年度 H22 年度出典 : 市社会福祉協議会資料 8
2 計画を展開していく上で踏まえるべき課題 1 地域懇談会や事業所ヒアリングなどから見えてくる課題学区 ( 地域自治区 ) 別に開催した地域懇談会では 高齢化が進展するに伴い 地域の中での支えあいや助け合いがより一層重要になるという意見が多く聞かれました 一方 それを実現するための課題として 自治会への加入率の低下 地域内でのコミュニケーション不足 個人情報の保護意識の高まりによる情報の不足に伴い地域の課題が共有できていないことなどがあげられました 事業所ヒアリングなどからも 子どもから高齢者 障がい児者などの抱える問題を地域住民が正しく理解し 地域で支えていくことが必要という意見が多く聞かれました しかし それを実現するための課題として 事業所と地域との関わりが不均一であるため 平準化を図ることとあわせて それぞれが持つ専門性を活かし 地域と連携した支えあいの展開が必要であることがあげられました また 要支援者が地域で暮らしていくためには 公的なサービスだけでは対応が十分ではない人がいることや 一事業所では対応できない困難事例が増えていることも課題としてあげられています 今後は 地域の中でのつながりを強め 支えあいや助け合いの環境がつくれるような支援や 事業所が地域との関わりを強めていけるような支援が求められています 2 データ等から見えてくる課題近江八幡市の人口は減少傾向にあり 今後少子高齢化が進展することが見込まれています 一方 世帯数は増加傾向にあり 単独世帯や核家族が増加していることから 家庭内の支えあい機能の低下が懸念されます そのため 子育て家庭においては 家庭内における子育ての負担が増加していることが考えられ 地域全体で支え 子育てがしやすい環境づくりが求められます また 高齢者数及び要介護 ( 要支援 ) 認定者数 高齢者世帯 高齢者単独世帯も年々増加していることから 老老介護 地域の中での孤立 孤独死など様々な課題が地域で発生することが想定されます そのため 地域で高齢者を見守り 支えあえる体制を構築するとともに 元気な高齢者が生き生きと生活できる環境づくりが必要です 障がい児者 外国人住民においても 地域の中で様々な課題を抱えながら生活していることから 地域住民の理解 交流や支えあい助け合いが大切となります 学区 ( 地域自治区 ) 別の状況を見ると 地域ごとに人口や高齢化率に特性があります 各地域の福祉課題を解決していくためには 市全体の取り組みとともに 地域特性に応じた 住民主体の活動が求められます NPOやボランティア団体などの数は 年々増加していますが 平成 17 年以降 増加の傾向が緩やかになっており 団体の活動や育成支援が必要です 9