宇宙工学基礎講義資料摂動 ( 松永担当分 ) ベクトル行列演算 ) 微分演算の定義 [ ] ) 微分公式 ( ベクトル記法と行列記法 ) E E ここで E は単位行列 チルダ演算は外積演算と等価の反対称行列を生成する演算 : ( ) ) 恒等演算式 : 次元列ベクトル ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) E E ) ( ( )( ) ( )( ) ( )( ) ( ) ( ) ( ) ( )
宇宙機の運動方程式 µ 摂動公式 (posso の公式 ) 宇宙機の位置 速度 宇宙機に働く摂動加速度 ケプラー軌道 ( 接触軌道 ) の保存量 軌道要素の摂動方程式 µ e ( p ) ( )( ) µ e [ ( )( ) ] p os( ) ( )( ) e s ω s os ω os [ ] [ ] ) 動径横断座標系 { } での表現 { }[ ] p es e p { s [ os e] } p os ( p ) s e s ω s os ω os [ ]
) 接線垂直座標系 { } での表現 { }[ ] µ ( ) e e os s e p p s e e os s ω s s os ω os 座標系の変換関係式赤道面基準慣性座標系 { } 軌道面基準昇交点 ( 回転 ) 座標系 { } 動径横断座標系 { } 接線垂直座標系 { } () ( ) () ( ) os s os os s s os os os s s os os s s os os s s os ( ) () ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) os s os s s os s os os os s s os os s s os s s s os os os os s os s os os s os os s π π
各座標系間関係図 北極点方向 s / f 昇交点方向 ω 軌道面 赤道面 γ 方向 昇交点方向 { } { } : 赤道基準慣性座標系 { } { } : 軌道面基準昇交点 ( 回転 ) 座標系 摂動時 : 動径横断座標系 : 接線垂直座標系 s / ω ω f 軌道面
宇宙工学基礎講義資料摂動 ( 松永担当分 ). 重力ポテンシャル 衛星位置 における地球の重力ポテンシャルは 位置 における微小質量要素 の重力 ポテンシャルの和 ( 積分 ) である U ここで ( ) ( ) ( ) p : 衛星 と微小要素 の距離 () : 万有引力定数 : 地球の体積部分 ただし 座標は地球固定座標系 { } q q q で表現している () q q ϕ q γ ϕ q q λ λ q q 図 位置ベクトルの定義図 極座標表示 極座標で表現すると ( )( ) osγ () ここで ϕ λ : 衛星 の緯度 経度 のなす角 即ち os γ { } ϕ ϕ : 微小要素 の緯度 経度 γ : ベクトル λ だけ回転した座標系 { } q q q 系を q 軸回り で ベクトル を表現すると式 (4) より容易に以下が求められる os γ sϕ sϕ osϕ osϕ osλλ (5) ( ) 式 () の逆数は> のとき次のように展開できる ここで ε ε ( ) ( ) ( sϕ) os( λλ ) (6) (4) (7)
また ( ) は第 種ルジャンドル陪関数 (ssoe Legee fos of he fs of egee oe ): / / はルジャンドル多項式 (Legee poos): ここに ( ) ただし [ ] ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) [ / ] ( ) ( )( ) (9) : 実数 を越えない最大整数 (ss の記号 ) 定義式 (8) より ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( 5 )... / ( ) ( ) / ( ) ( ) ( ) ( ) < 式 (6) の証明の道筋 > 式 () は テイラー展開または二項展開を用いると / ( ) ( / osγ) ( ) ( ) / ( 5 ) ( ) 5( ) ( ) 5( ) /... / [ / ] / ( ) ( ) ( osγ) / ( ) ( ) λ 式 (5) が成立するとき ( sϕ) e λ の完全性および直交性より ( osγ) は ( sϕ) e 関して展開できて次の加法定理が成立する ( 詳しいことは特殊関数に関する本などを参照せよ また 直接展開すれば長い計算の後に証明できる ) ( ) ( ) osγ ε ( sϕ ) os( λλ) () ( ) 式 () を式 () に代入すると式 (6) が得られる < 証明終 > 以上より 式 (6) を式 () に代入して整理すると µ R U ( sϕ )( osλ S sλ) () ここで R : 地球の平均赤道半径 ( 無次元化のために導入 ) µ M : 地球の重力定数 M : 地球の全質量 ε ( ) ( ) ( ) sϕ osλ () M R ( ) ( ) ε S M R ( sϕ) sλ (4) 地球の質量分布および形状に関連する球面調和係数 の物理的意味を調べる S に (8) ()
(... ) S ( 恒等的に成立 ) (5) ) : (6) ) : M ) : sϕ M R MR R S M osϕ osλ M R MR osϕ sλ R MR ここで 地球の質量中心 (6) M である 一般に座標系は質量中心を原点に取るので (7) S が成立する 4) : A A MR 4MR E D F S S (9) MR MR MR ここで 地球の慣性モーメントと慣性垂積 A D E () F である 軸を地球の極軸に取れば ( 地球の慣性主軸の一つに 軸を一致させる ) D E F () ( 他のつの慣性主軸は 軸に一致しないことに注意せよ ) したがって S () が成立する 式 (8) と () を併せて禁止項 (foe e) と呼ぶ また 帯球面調和係数について習慣的に J(... ) と書くことから 重力ポテンシャルは以下のようにも表現される U µ R J R R R ( sϕ) ( sϕ)( osλ S sλ) (8) () (4)
. 体問題による摂動力. 体問題と保存量 個の質点からなる系を考える 質量 を を持つ質点 の慣性系 { } とすると 質点 の運動方程式は 万有引力の法則により から測った位置ベクトル ɺ ɺ... () ここで ( )( )...... () ) 並進運動量 : 式 () の全てを加え合わせると ɺ ɺ () 即ち 慣性系における 体系の質量中心の加速度は零である 上式を積分すると系の並進運動量が求められる ここで は 6 個の積分定数である また質量中心の定義より ( ) Mo のとき系は静止しているが それ以外は系は一様な速度で移動する (4) (5) ) 角運動量 : 式 () に左から を外積して加えあわせると ɺ これから ɺ であるから 原点回りの角運動量保存測が成立する : o L ɺ os. これは 個の積分定数である (6) (7) ) エネルギー : 式 () にɺ を内積して加えると ɺ ɺɺ ɺ ɺ ɺ ( ) ( )( ) > ɺ ɺ (8) > と変形できるので次のエネルギー保存則が成立する V os. E (9) ただし は運動エネルギー V はポテンシャルエネルギーである : ɺ ɺ V () > 式 (4)(7)(9) より 体問題には 個の独立した積分定数があることが分かる ところで 系の自由度は 個で 式 () が 階の常微分方程式であることから 式 () を
解くには 6 個の積分定数が必要である のときは自明 (Newo の第 法則 ) のとき ( 体問題 ) はケプラー軌道として球積可能 のとき ( 体問題 ) は一般に 8 個の積分定数が必要であるが 上で求めた 個意外に簡単には得られず完全解は求められない 問題を特殊化した制限 体問題についてはいくつかの特解 ( ラグランジュ解など ) が得られている. 摂動関数 体問題は球積できることから他の 個の影響を摂動と見なす 式 () より特に について ( ) ( ) ɺ ɺ ( ) ( ) ɺ ɺ と変形する これから質点 に対する質点 の相対運動は次式のようになる µ ɺ ɺ () ただし () ( ) µ 式 () の右辺 項目は質点 による質点 への直接項 右辺 項目は間接項である 宇宙機 惑星 ( 地球 ) 月 太陽など図 体問題における位置ベクトルところで () であるので 式 () は R µ ɺ ɺ (4) ここに 質点 による摂動関数を定義した : R os ( ) ( ) os (5) これより 式 (4) は
µ ɺ [ ( ) ( ) ] os os (6) ただし は 方向への単位ベクトル ( ) ( ) os os 一般に はほとんど等しいため式 (5)(6) のように展開することがある 普通 極めて 早く収束するので最初の数項だけで十分である. 太陽輻射圧 輻射エネルギー ( 光子 ) E () E IA 等価運動量 H () A : 面積 : 時間 : 光速 I 5± W/ : 太陽定数 H IA 面に働く力の大きさ F A () I 光エネルギーを吸収する面に作用する輻射圧 : (4) 完全吸収体 ( 黒体 ) 4.5 6 N/ ( 地球近傍 ) 完全反射体 ( 鏡 ) 9 6 N/ : 倍 ( 作用反作用 ) 反射の種類 () 鏡反射 (spe efeo) () 散乱反射 (ffse ) () 部分散乱反射 (p ffse ). 鏡反射 spe efeo : 反射係数 入射光による力 F Aos (5) 吸収による力 F Aos (6) ( ) 反射光による力 F Aos (7) A に働く力 F F F F sp ここで F F (8) F Aos (9) ( ) ( ) ( ) 法線 入射光 F F F 面積 A F Aos. 散乱反射 ffse efeo 反射光のs の割合のみ反射とき ( s) の割合で散乱反射 ただし s sのとき鏡面反射 s のとき完全散乱反射鏡面反射する光のみによる力 Fs sf 入射光が止まることによる力 ()
F ( s) Aos () 散乱反射による力 F ( s) Aos () 全ての力 f F F F F () s 即ち f. 極限例 ( s) os ( s) os [( s) os s] A ) 吸収面のみ ( ) f ( os s) osa ) 鏡面反射面のみ ( s ) fs ( ) os ( ) s ) 分散反射面のみ ( ) (5) [ ] osa (6) s f ( os ) s osa (7) (4) 4. 大気抵抗 衛星は一般に密度 の大気中を速度 で通過する このとき大気抵抗力は FD A または 大気抵抗加速度 D ここで A は衛星の基準面積 ( 例えば に沿った断面積 ) は全抵抗係数 は弾道係数である を求めることは難しい問題である 衛星高度において は一日の時刻や太陽の活動に非常 に強く依存し 例えば 高度 6 では 昼間の最大密度と夜の最小密度では 倍以上異なる 簡易大気密度モデルについては理科年表や 配布資料を参照 また の値は主に形状に依存し 衛星 が球状の場合 自由分子運動流を仮定すれば 平均で. 円柱で 程度である (8) (9)