算数科学習指導案 指導者伊達詩恵 1 日時平成 24 年 5 月 21 日 ( 月 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 1 組 22 名 3 場所 6 年 1 組教室 4 単元名文字と式 5 単元について 単元観 本単元は, 数量の関係を表す式についての理解を深め, 式に表したり, 式を読み取ったりするなど, 式を用いることが出来るようにすることをねらいとしている や などの代わりに a や x などの文 字を用いた式に表すことを学習する また, 文字が本格的に使用される中学校数学科への接続を円滑 なものにするという観点からも, 簡潔性など, 文字を用いて式で表すことのよさを味わうことができ る素地を培うこともねらいとしている 児童観 児童はこれまでに, 数量や数量の関係を表すのに, ことばの式を作ったり, や, を用いて式 に表したりする学習をしてきている また, 三角形や平行四辺形などの図形の面積を既習の求積可能 な図形の面積の求め方を基に考え, 公式を作り出す学習もしている 本単元に関する実態把握のため のレディネステストの結果は, 次の通りである 問題結果つまづきの原因 立式の問題 1 底辺が cmで高さが 12 cmの三角形の面積は cm2です 12 2= 2 底辺が 12 cmで高さが cmの平行四辺形の面積は cm2です 12 = 式と考えたかの組み合わせ底辺 8 cm, 高さ 6 cmの三角形の面積を (8 6) 2,8 (6 2), (8 2) 6 の考え方で求めた 式と図の組み合わせを考えよう また, そのわけも説明しよう (8 6) 2 8 (6 2) (8 2) 6 正答率 誤答例 150% 12= 272.7% 12 2= 正答率 誤答例組み合わせ 86.3% あと いを逆に考えている 理由 31.8% 長方形になっているから 8 cmがあるから 無記入 (40.9%) 自分の考えや理由を記述することが苦手な児童が多い 三角形の面積の公式が理解できていない 平行四辺形と三角形の面積の公式を混同している 記号が入り, わからなくなっている 組み合わせはわかっているが, 理由を書くことができない 式の意味を説明することが難しい 説明の仕方がよくわかっていない 指導観本単元では, 中学校に向けて文字に慣れさせるという意図があり, 文字に対する苦手意識を児童に抱かせないようにしなければならない そのために 既習内容である数量や数量の関係を,, を使って式に表すことと結び付けて指導したり, 最初にことばの式をかいてそこに数や文字をあてはめるようにしたりして, 文字へのハードルを低くしていく また, 式が何を表しているのかを考える際には, それぞれの文字や数字などが何を表しているのかを確認したり, 図や式に書き込ませたりして, 図やことばの式, 文字式を対応させながら, 式の一部がどの数量と対応しているかを的確につかませて式をよみ取るようにしていく そして, 自分の言葉でそれらを説明させることで表現力も高めていく
6 単元の系統性 3 年 4 年 を使った式 (3 年 ) ことばの式と を使った式 式と計算の順じょ (4 年 ) 計算のきまり, 計算の間の関係を を使った式で確かめること 変わり方 (4 年 ) と を使った数量関係を表す式 5 年 や を使った式 と を使った数量関係を表す式 比例しているかどうかを調べること 6 年 文字と式 a やx などの文字を使った式 文字を使った式に数をあてはめて調べること 式をよむこと 比例と反比例 比例の式, グラフ 反比例の意味と式, グラフ 中学 1 年 文字の式, 方程式 関数, 比例, 反比例 7 単元の目標 数量や数量関係を文字を使った式で表すことができ, 文字の値の数をあてはめて求めることができ る また, 式の意味を考察し, よみ取ることができる 文字を使った式のよさがわかり, 数量や数量の関係を進んで文字を使って式で表そうとする ( 関心 意欲 態度 ) 式の表す意味を, 具体に即して色々に読み取ることができ, 説明することができる ( 数学的な考え方 ) 個数や値段の求め方を文字を使って式に表したり, 数をあてはめてxの値を求めたりすることができる ( 技能 ) 数量を表すことばや などの代わりにxなどの文字を用いることを理解できる ( 知識 理解 )
準備文字を使った式る 式のよみ方る たしかめ道場8 単元の評価規準 関心 意欲 態度数学的な考え方技能知識 理解 文字を使った式のよ 式の表す意味を, 具体 個数や値段の求め方 数量を表すことばや さがわかり, 数量や数量 に即して色々に読み取 を文字を使って式に表 などの代わりに x な の関係を進んで文字を ることができたり, 説明 したり, 数をあてはめて どの文字を用いること 使って式で表そうとし したりすることができ x の値を求めたりする を理解している ている ている ことができている 9 指導計画 ( 全 8 時間 ) 関考技知概ね満足できる ( 方法 ) 工夫 改善復習と学習内容 評価の観点 対称な図形, 割合 1 ことばの式や や を用い た表現 2 x の値やyの値の意味を理解する x の値に対応するy の値, および,y の値に対応するx の値を求める 〇 x の値,y の値の意味が分かっている x に数をあてはめて,y の値を求めることができる や を使って導入し文字への抵抗感を小さくする ことばの式から文字の式へと進み意味理解をさせる 3 ことばの式にあてはめて,x とy の関係を式に表す x の値に対応するy の値を求め, 表にまとめる 文字を使って数量の関係を式に表し,xの値に対応するy の値を求めることができる 前時との違いに気づかせ, 消しゴム代が加わることを押さえる 4 y の値に対応する x の値を, x に数をあてはめて求める 文字を使って数量の関係を式に表し,yの値に対応するx の値を求めることができる ことばの式から文字式へと 進むことで意味理解をさせ 5 問題場面を見て,3 つの式がどれぞれどのような代金を表しているかを考える x を用いた式が何を表しているをよみ取り, 説明することができる 問題場面を理解しやすいように提示の仕方を工夫する 絵や値段表, ことばの式と文字式を対応させながら説明させる 6 変形された図と面積を求める式から, どのように台形の面積を求めたかを考える 同じ式でも色々によみ取り, 説明することができる 既習事項や問題を視覚的に理解しやすいように提示す工夫をする 図やことばの式, 文字式を対応させながら説明させる 7 式から三角形や平行四辺形の面積の求め方をよみ取る 本時 図形の面積を求める式の意味を理解し, 図と式を結び付けて考え, 説明することができる ( 発言 ワークシート 振り返り ) 既習事項や問題を視覚的に理解しやすいように提示す工夫をする 図やことばの式, 文字式を対応させながら説明させ 学習内容のまとめをする 8
10 本時の展開 (7/8) (1) 本時の目標 式の意味を理解し, 図とつなげて説明することができる ( 数学的な考え方 ) (2) 本時の評価規準 図形の面積を求める式の意味を理解し, 図と式を結び付けて説明することができている ( 数学的な考え方 ) (3) 思考力 表現力を育てるための指導の工夫 Ⅱ 型 めあて 式の意味を考え, 図とつなげて説明しよう 検証 2 検証 3 評価規準 説明する 適用問題をする 図形の面積を求める ( 自分の考えを話す ) ( 活用して考える ) 式の意味を理解し, 図や式に書き込みをした 学習したことを使って, 図と式を結び付け り, それぞれを対応させ それぞれの式がどの図か て説明することが たりしながら自分の考え ら求めたのか自分の考え できている を説明する をワークシートにかく 考えるための手段ワークシート図と面積の求積公式の提示物 検証 1 考える ( 自分の考えを持つ ) 図や式に言葉や数字などを書き込みながらワーク 検証 4 たしかめる ( まとめを書く ) 本時の学習で, わかったことや思ったこと, 友達 ふりかえり 文字や数字が何を表しているのかを考えるとわかった シートに自分の考えを書 のよくわかった意見など 文字や数字と図を く について具体的に振り返 対応させて考える りを書く とわかりやすい まとめ式の一部が図形のどの部分と対応しているのかを考える
(4) 学習展開 学習内容 予想される児童の反応 ( ) 1 既習事項を想起する 正方形や台形, 三角形, 平行四辺形の面積の求め方と求積公式を確認する それぞれの図形と公式を提示しながら確 認する 指導上の留意点 検証の視点評価導入(5分)2 問題把握をする 底辺が a cm, 高さが 8 cmの三角形の 面積を, いろいろな考え方で求めまし た 次の 3 つの式は どの図から考え たものですか (a 8) 2 a (8 2) (a 2) 8 a と 8 が何を表しているのか確認する 既習内容をもとに, どんな図形が使われ ているのかを確認し, 見通しを持たせ る 考える(5分)3 本時のめあてを確認する 4 それぞれの式がどの図と対応するの かを考える 数字や文字, 式の一部が何を表しているのかを図や式に書き込ませる 図や文字, 記号, 矢印, 式, 言葉などを活用して簡潔に自分の考えをワークシートに書かせる 検証 1 図や式に言葉や数字などを書き込みながらワークシートに自分の考えを書く 式の意味を考え, 図とつなげて説明しよう
説明する(20分)適用問題をする(12分)5 自分の考えを発表し合い, 話し合う ( a 8) 2 長方形をつくって面積を半分にした 数字や文字, 式の一部が何を表している のかを図や式と対応させながら, 自分の 考えを説明させる a が底辺で 8 が高さなので,(a 8) は, この長方形の面積をもとめています ( のところの面積が同じで, のところの面積が同じなので,) 求める三角形の面積はこの長方形の半分なので 2 でわっています だから (a 8) 2 は あの図から考えています ( a 2) 8 底辺を半分にして, 縦長の長方形に変形した 意図的指名を行い, 練り合いを構成する 互いの発表が理解できているかを観察 し, 必要に応じて切り返す ( をここに移動して, をここに移動すると縦長のこの長方形になります )(a 2) は, 底辺 a の半分の長さでここのことです 8 は, 高さ 縦の長さです (a 2) 8 は, 横が (a 2) 縦が 8 のこの長方形の面積をもとめているので, いの図から考えています 6 まとめる a (8 2) 高さを半分にして横長の長方形に変形した ( をここに移動して, をここに移動すると横長のこの長方形になります )a が底辺, 横の長さです (8 2) は, 高さ 8 の半分の長さでここの横の長さです だから,a (8 2) は, この長方形の面積を求めているので うの図から考えています 検証 2 図や式に書き込みをしたり, それぞ れを対応させたりしながら自分の考 えを説明する 式の一部が図形のどの部分と対応しているのかを考える 7 学習したことを基に適用問題を解く 3 つの式がとの図の求め方なのかを考える 5 a 縦横右の直角三角形を左にずらして長方形に変形 数字や文字, 式の一部が何を表している のかを図や式と対応させながら, 自分の 考えを説明させる 右の直角三角形を左にずらすと, この長方形になります 5 は, 縦の長さで,a は横の長さです 5 a は, この方形の面積を求めているので, あの図から考えています 図形の面積の求め方を図と式を結び付けて考え, 説明することができている ( 発言 ワークシート 振り返り )
2 はこの直角三角形の底辺の長さ,5 はここの縦の長さです 2 5 2 は左のこの直角三角形の面積を求めています 左と右の直角三角形は同じなので 2 5 2 2 は, 左右の直角三角形の面積を表しています 5 は, 縦の長さ,(a-2) は, ここの横の長さです 5 (a-2) は, この長方形の面積を表しています だから 2 5 2 2+5 (a 2) は, いの図から考えています る たしかめる(3分)2 5 2 2+5 ( a-2) 左右の直角三角形 8 本時の振り返りをする 文字や数字が何を表しているのかを考え るとわかった 文字や数字と図を対応させて考えるとわ かりやすい 長方形 左右の直角三角形と中央の長方形 の面積を合わせた a 5 2 2 三角形の面積 対角線で面積が 同じ 2 つの三角 形に分ける 検証 3 学習したことを使って, それぞれの 式がどの図から求めたのか自分の考 えをワークシートにかく (A から C へ対角線を引くと, 面積が同じ 2 つの三角形ができます )a はここの底辺の長さ,5 はこの三角形の高さです a 5 2 は, この三角形の面積を表していて, それが 2 つ分なので 2 となります だから,a 5 2 2 は, うの図から考えています 他の児童の考えを自分の言葉で説明させ 検証 4 本時の学習で, わかったことや思った こと, 友達のよくわかった意見などに ついて具体的に振り返りを書く (5) 準備物 図形の挿絵, ホワイトボード, ワークシート (6) 板書計画 め 式の意味を考え, 図とつなげて説明しよう ま 式の一部が図形のどの部分と対応しているのかを考える 三角形の面積 = 底辺 高さ 2 a 8 2 平行四辺形の面積 = 底辺 高さ 5 a 縦横 a 5 長方形の面積 右の直角三角形 を左にずらして 長方形に変形 ( a 8) 2 ( a 2) 8 a (8 2) a 5 2 2 2 5 2 2+5 ( a-2) 長方形の面積半分 底辺の半分高さ 底辺高さの半分 三角形の面積 直角三角形の面積 2 倍長方形の面積 長方形をつくって面積を半分にした 底辺を半分にして, 縦長の長方形に変形した 高さを半分にして横長の長方形に変形した 対角線で面積が同じ 2 つの三角形に分ける 左右の直角三角形と中央の長方形 の面積を合わせた