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Transcription:

研究用 EpiScope ChIP Kit (anti-mouse IgG) 説明書 v201802da

クロマチン免疫沈降 (ChIP; Chromatin Immunoprecipitation) は 生きた細胞内のタンパク質 - DNA 間の相互作用を解析する方法の 1 つで 修飾ヒストンや転写因子などのクロマチン関連タンパク質のゲノム上局在解析に利用されています 本キットには クロスリンク処理後の細胞からの (1) 細胞溶解および超音波処理によるクロマチン断片化 (2) 断片化クロマチンの特異抗体を用いた免疫沈降 (3) 免疫沈降後の目的タンパク質 - DNA 複合体からの DNA 溶出の各ステップに必要な試薬が含まれています クロマチン免疫沈降用の磁性ビーズ (Magnosphere anti-mouse IgG) は マウス IgG と特異的に結合する抗体が固定化されているため 目的タンパク質を認識するマウス IgG 抗体を別途用意することで 容易にクロマチン免疫沈降実験が行えます 本製品では 従来 2 ~ 3 日を要する細胞のクロスリンク処理から免疫沈降後の DNA 溶出までを 1 日で行えます また 免疫沈降後の溶出 DNA は 精製操作を行わずに直接 PCR の鋳型として利用できるため クロマチン免疫沈降後の解析対象ゲノム領域の濃縮率を リアルタイム PCR を用いて迅速に測定することが可能です Y Y 図 1. クロマチン免疫沈降の概略 タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 2

I. 内容 (24 反応分 ) EpiScope ChIP Kit (anti-mouse IgG) は EpiScope ChIP Core Kit と Magnosphere anti-mouse IgG のセット品です EpiScope ChIP Core Kit は - 20 輸送 / 保存の Package 1 と 4 輸送 / 保存の Package 2 で構成されています Magnosphere anti-mouse IgG は 4 保存で EpiScope ChIP Core Kit の Package 2 とともにお届けします EpiScope ChIP Core Kit( 製品コード 5330) Package 1 (- 20 輸送 / 保存 ) 1. Quenching Solution 35 ml 2 2. Cytoplasmic Lysis Buffer 25 ml 3. SDS Lysis Buffer 5 ml 4. Dilution Buffer 15 ml 5. RIPA Buffer-1 35 ml 6. RIPA Buffer-2 20 ml 7. TE 40 ml 8. Elution Buffer 2.5 ml 11. Proteinase K 50 μl 12. RNase A 1 mg/ml 50 μl 13. 10 EASY Dilution 10 500 μl Package 2 (4 輸送 / 保存 ) 9. Chelate Resin 10% 840 μl 3 10. Protease Inhibitor Cocktail 100 330 μl Magnosphere anti-mouse IgG( 製品コード 5321)(4 輸送 / 保存 ) Magnosphere anti-mouse IgG 0.2% 2.5 ml 2 注 ) 製品コード 5330 および 5321 の単品販売は行っておりません II. 保存 Package 1:- 20 保存 (Component 1 ~ 8 は室温保存可能 しかし 防腐剤が入っていないためー 20 保存を推奨する ) Package 2:4 保存 ( 凍結不可 ) Magnosphere anti-mouse IgG:4 保存 ( 凍結不可 ) タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 3

III. キット以外に必要なもの ( 主なもの ) 1 PBS 4% ホルムアルデヒド ( 医薬用外劇物に指定されているので 取り扱い 廃棄にご注意ください ) 培地 ( 血清含有培地または無血清培地 ) セルスクレーパー 1.5 ml シリコナイズドチューブ チューブの種類によっては ビーズが吸着しやすいものがありますのでご注意ください 50 ml 遠心チューブ ( 浮遊細胞の場合 ) 微量高速冷却遠心機 Magnetic Stand(6 tubes)( 製品コード 5328) 超音波破砕機 ChIP 用マウス IgG 各種抗体 ( 製品コード MA301A/B ~ MA333A/B 等 ) NucleoSpin Gel and PCR Clean-up ( 製品コード 740609.10/.50/.250) Buffer NTB( 製品コード 740595.150) サーマルサイクラー リアルタイム PCR 用試薬 : TB Green Premix Ex Taq GC (Perfect Real Time)( 製品コード RR071A/B) * など *: タカラバイオでは インターカレーター法のリアルタイム PCR(qPCR) 試薬の製品名を 2017 年 10 月下旬より順次 TB Green シリーズ に名称変更いたします 製品コードや試薬の性能に変更はありません これまで通りご使用ください IV. 操作 A. クロスリンク 接着細胞の場合 1. 10 cm dish で 80 ~ 90% confluency(~ 5 10 6 cells) の細胞を準備する 2. 培地を除去した後 1% ホルムアルデヒド入りの培地 * を 10 ml 添加して 室温で 5 分間静置する *: 培地は 血清含有培地 無血清培地のいずれも使用可能 3. Quenching Solution を 2.1 ml 加えて 室温で 5 分間静置する 4. dish の中の溶液を除去し 10 ml の PBS で洗う 5. PBS を除去し 新たに PBS を 1 ml 添加する 6. セルスクレーパーで細胞をかきとり 1.5 ml シリコナイズドチューブに集める 7. 180 g( 約 1,500 rpm) で 3 分間 4 で遠心する 8. 上清を除き Protease Inhibitor Cocktail を 1 μl 添加する 9. ステップ B に進む すぐに使用しない場合はー 80 で保存する 浮遊細胞の場合 1. 細胞懸濁液 (~ 5 10 6 cells) を 10 ml 準備する 2. 50 ml 遠心チューブに細胞を移し 4% ホルムアルデヒトを 3.3 ml 添加して ( 終濃度 1%) 室温で 5 分静置する 3. さらに Quenching Solution を 2.8 ml 加えて 室温で 5 分間静置する 4. 180 g( 約 1,500 rpm) で 3 分間 4 で遠心する 5. 上清を除き PBS を 10 ml 添加し 懸濁する 6. 180 g( 約 1,500 rpm) で 3 分間 4 で遠心する 7. 上清を除き PBS を 1 ml 添加し 懸濁する 懸濁液を 1.5 ml シリコナイズドチューブに移す 8. 180 g( 約 1,500 rpm) で 3 分間 4 で遠心する 9. 上清を除き Protease Inhibitor Cocktail を 1 μl 添加する 10. ステップ B に進む すぐに使用しない場合はー 80 で保存する タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 4

B. 細胞の溶解 1. 細胞に 1 ml の Cytoplasmic Lysis Buffer ( 使用直前に Protease Inhibitor Cocktail を 10 μl 添加 ) 加えて懸濁する 2. 氷上に 10 分間置く 途中 5 分経過後に穏やかにボルテックスにかける 3. 2,400 g( 約 5,000 rpm) で 3 分間 4 で遠心する 4. 上清を除き 沈殿に SDS Lysis Buffer を 200 μl 添加する 5. ピペッティングを 10 回行い 懸濁する C. クロマチンの断片化 1. 超音波破砕機でクロマチンを断片化する 破砕機により条件が異なる また ChIP 後の解析手法により 最適な断片化サイズは異なる リアルタイム PCR には 200 ~ 2,000 bp 程度 マイクロアレイには 200 ~ 600 bp 程度 高速シーケンス解析には 200 bp 前後が適している 2. 15,000 g( 約 13,000 rpm) で 10 分間 4 で遠心する 3. 上清を回収する Dilution Buffer を 600 μl 添加してよく混合する 4. 直ちに免疫沈降に進む すぐに使用しない場合は 100 μl ずつ 1.5 ml シリコナイズドチューブに分注して ー 80 で保存する 断片化クロマチンのアガロースゲル電気泳動をおこない サイズ分布を確認することをお勧めします (V. Appendix 参照 ) 以後 解析法により操作が異なります 解析法に従って操作を選択してください < PCR 解析の場合 > D-1. 免疫沈降 1. Magnosphere anti-mouse IgG ( 以下 ビーズ と呼ぶ )200 μl を 1.5 ml シリコナイ ズドチューブに移す 2. Magnetic Stand を使用して 200 μl の RIPA Buffer-1 でビーズを 2 回洗浄する 洗浄 後 20 μl の RIPA Buffer-1 に懸濁する 3. ビーズの入ったチューブに以下のようにサンプルを加える ( ビーズ 20 μl) 断片化クロマチン (~ 6.2 10 5 cells 相当量 ) 100 μl Protease Inhibitor Cocktail 2 μl 10 EASY Dilution 20 μl ChIP 用マウス抗体 x μl RIPA Buffer-1( 合計 200 μl となるように添加 ) y μl この時 Input DNA( コントロール ) として C-4 の断片化クロマチンを 10 μl 別のチューブに入れ E-1-1 で使用するまで 4 に置く 4. 4 4 時間以上 ゆっくり回転しながら抗体反応を行う 5. Magnetic Stand を使用して 上清 ( 非吸着クロマチン ) を除去する 6. RIPA Buffer-1 を 800 μl 加え 軽くボルテックスした後 Magnetic Stand を用いて Buffer を除き ビーズを回収する 7. RIPA Buffer-2 を 800 μl 加え 軽くボルテックスした後 Magnetic Stand を用いて Buffer を除き ビーズを回収する 8. TE を 800 μl 加え 軽くボルテックスした後 Magnetic Stand を用いて Buffer を除き ビーズを回収する 9. TE を 800 μl 加えてビーズを懸濁し 新しいチューブに移す ( チューブ交換 ) 10. Magnetic Stand を使用して TE を除き E-1. DNA 溶出に進む タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 5

E-1.DNA 溶出 1. ビーズに Chelate Resin を 100 μl 加えてボルテックスする このステップから D-1-3 で用意した Input DNA も同様に操作する 注 : Chelete Resin はよく懸濁してご使用ください また 200 μl 容量のマイクロピペット用チップで Resin を吸い取った場合 Resin がチップにつまることがありますので 1,000 μl 容量チップのご使用をお勧めします それでも Resin を吸い取りにくい場合は チップの先端を切って操作することをお勧めします 2. 95 で 15 分間反応により 脱クロスリンクする 3. チューブを室温に戻し Proteinase K と RNase A を各 1 μl 添加する 4. 65 で 15 分間反応させる 5. ( オプション )95 で 10 分反応し Proteinase K を失活させる 6. 15,000 g で 1 分間遠心し 上清を回収する 上清を使用して PCR 解析をおこなう DNA 精製を行ってもよいが そのまま PCR に使用しても問題ない F-1. リアルタイム PCR リアルタイム PCR 用試薬 TB Green Premix Ex Taq GC (Perfect Real Time) を使用した Thermal Cycler Dice Real Time System II でのリアルタイム PCR 実施例を示す 1. 以下の反応液を氷上で調製する 試薬 TB Green Premix Ex Taq GC(2 ) Primer Mix (10 μm each) Template 滅菌精製水 Total 使用量 12.5 μl 0.5 μl ~ 2.5 μl x μl Up to 25 μl 2. 反応を開始する まずは 標準プロトコールで行う 必要に応じて PCR 条件を至適化する 標準プロトコール 95 30 秒 95 5 秒 40 cycles 60 30 秒 Dissociation Curve Analysis 3. 反応終了後 解析を行う 検出された Input DNA 量に対する 各抗体で免疫沈降された DNA 量の割合 (% Input 値 ) を求める % Input 算出方法例 % Input = ChIP 沈降物の quantitiy 1 100 Input の quantitiy 10 免疫沈降に使用したクロマチンの 10% 量を Input sample として分取した場合の計算式 タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 6

< 高速シーケンス マイクロアレイの場合 > D-2. 免疫沈降 1. Magnosphere anti-mouse IgG ( 以下 ビーズ と呼ぶ )200 μl を 1.5 ml シリコナイ ズドチューブに移す 2. Magnetic Stand を使用して 200 μl の RIPA Buffer-1 でビーズを2 回洗浄する 洗浄 後 20 μl の RIPA Buffer-1 に懸濁する 3. ビーズの入ったチューブに以下のようにサンプルを加える ( ビーズ 20 μl) 断片化クロマチン (~ 6.2 10 5 cells 相当量 ) 100 μl Protease Inhibitor Cocktail 2 μl 10 EASY Dilution 20 μl ChIP 用マウス抗体 x μl RIPA Buffer-1( 合計 200 μl となるように添加 ) y μl この時 Input DNA( コントロール ) として C-4 の断片化クロマチンを 10 μl 別のチューブに入れ E-2-1 で使用するまで 4 に置く 4. 4 4 時間以上 ゆっくり回転しながら抗体反応を行う 5. Magnetic Stand を使用して 上清 ( 非吸着クロマチン ) を除去する 6. RIPA Buffer-1 を 800 μl 加え 軽くボルテックスした後 Magnetic Stand を用いて Buffer を除き ビーズを回収する 7. RIPA Buffer-2 を 800 μl 加え 軽くボルテックスした後 Magnetic Stand を用いて Buffer を除き ビーズを回収する 8. TE を 800 μl 加え 軽くボルテックスした後 Magnetic Stand を用いて Buffer を除き ビーズを回収する 9. TE を 800 μl 加えてビーズを懸濁し 新しいチューブに移す ( チューブ交換 ) 10. Magnetic Stand を使用して TE を除き E-2. DNA 溶出に進む E-2.DNA 溶出 1. ビーズに Elution Buffer を 100 μl 添加してよく懸濁する このステップから D-2-3 で用意した Input DNA も同様に操作する 2. 95 で 15 分間反応により 脱クロスリンクする 3. チューブを室温に戻し Proteinase K と RNase A を各 1 μl を添加する 4. 65 で 15 分間反応させる 5. ( オプション )95 で 10 分反応し Proteinase K を失活させる 6. Magnetic Stand を使用して 上清を回収する 7. F-2. DNA 精製に進む 回収上清には SDS が含まれているため 必ず DNA 精製を行う F-2.DNA 精製 ChIP 後の DNA は微量であるため 精製前にキャリアとして Gen とるくん エタ沈キャリア ( 製品コード 9094) を 4 μl 添加すると良い NucleoSpin Gel and PCR Clean-up ( 製品コード 740609.10/.50/.250) Buffer NTB * ( 製品コード 740595.150) を組み合わせて DNA 精製を行う * : SDS 入りサンプルを精製する場合は Buffer NTB が必要である フェノール / クロロホルム抽出などの他の精製法により DNA 精製しても良い タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 7

V.Appendix 1. 断片化クロマチンのサイズ分布確認 密閉式超音波細胞破砕装置 Bioruptor UCD-250( コスモバイオ社 ) を使用して HeLa 細胞の断片化を行った例を示します 1. 破砕装置の反応層をあらかじめ 4 に冷却しておく IV. 操作 A, B に従って調製した Hela 細胞を 12 分 (30 秒破砕ー 30 秒休止 ) 出力:High(250 W) で破砕する 2. 15,000 g で 10 分間 4 で遠心する 3. 上清を回収する Dilution Buffer を 600 μl 添加してよく混合する 4. 20 μl をサイズ分布を確認するために分注し 残りは免疫沈降に使用する 5. 分注した 20 μl を 95 で 15 分間反応させ 脱クロスリンクする 6. チューブを室温に戻し Proteinase K と RNase A を各 1 μl を添加する 7. 65 で 15 分間反応させる 8. 2% アガロースゲルで電気泳動を行う 200 ~ 2,000 bp に分布していることを確認する クロマチン断片化サイズが短いほど高速シーケンス解析での解像度が高くなるので 解像度を上げたい場合は 200 ~ 800 bp 程度が最適であるが 断片サイズが短いと % Input 値が下がるため 200 ~ 2,000 bp の範囲内になるように条件を設定するのがよい M (bp) 1,500 1,000 500 100 M:100 bp DNA Laddar 2% Agarose L03 TaKaRa 図 2. 断片化クロマチンのサイズ分布確認 タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 8

2.DNA 精製後のサイズ分布確認 細胞の種類により 脱クロスリンク Proteinase K および RNase A 処理後に DNA 精製を行うことによりサイズ分布が明確になる場合があります 必要に応じて精製することをお勧めします 以下に K562 細胞から調製した断片化クロマチンを 1. 断片化クロマチンのサイズ分布確認 と同様に脱クロスリンク Proteinase K RNase A 処理した後に精製 * した例を示します *: 精製には NucleoSpin Gel and PCR Clean-up ( 製品コード 740609.10/.50/.250) Buffer NTB( 製品コード 740595.150) を使用した 精製前 精製後 M M (bp) 1,500 1,000 500 (bp) 1,500 1,000 500 100 100 M:100 bp DNA Laddar 2% Agarose L03 TaKaRa 図 3. 精製後のサイズ分布確認 タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 9

VI. 使用例 :HeLa 細胞を用いたクロマチン免疫沈降 6.0 10 6 cells の HeLa 細胞からクロマチンを調製し 修飾ヒストン抗体 Anti-monomethyl Histone H3(Lys4), mouse mab( 製品コード MA302A/B) Anti-dimethyl Histone H3(Lys4), mouse mab( 製品コード MA303A/B) Anti-dimethyl Histone H3(Lys9), mouse mab( 製品コード MA307A/B) を各 0.5 μg 使用 ネガティブコントロールとして Anti-ProS2, Monoclonal( 製品コード M200) を 2 μg 使用して免疫沈降 (4 時間反応 ) を行った ビーズ洗浄後 Chelate Resin による DNA 溶出を行った 回収した上清を鋳型として GAPDH 遺伝子のプロモーター領域および β-globin 遺伝子のプロモーター領域に設定したプライマーを用いてリアルタイム PCR 解析を行った 図 4. リアルタイム PCR による ChIP 解析結果 タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 10

VII. トラブルシューティング 1. クロマチンが断片化されない 装置や細胞の種類によって破砕条件が異なります 出力を上げる 処理時間を延ばすことで断片化されやすくなります 2. PCR 解析を行ったが 目的遺伝子の増幅が見られない または抗体による特異性が認められない クロスリンクが弱すぎる または強すぎる ホルムアルデヒド処理時間の検討を行ってください また 反応時の温度によってもクロスリンクの強度 * が異なります 厳密にコントロールするためにはインキュベーター等をご使用ください *: クロスリンクが強過ぎるとクロマチンに対する抗体の反応性が低下し 収率 (% Input) が低下することがあります クロスリンクが弱過ぎると反応中に目的タンパク質とゲノム DNA が解離し 正しい結果が得られないことがあります クロマチンサイズが適当ではない 電気泳動でサイズを確認してください 適当な長さでない場合は 断片化条件を検討してください 抗体の特異性が低い ウェスタンブロッティングや ELISA などで抗体の特異性を確認することをお勧めします 他の抗体で試してください *: タカラバイオの修飾ヒストン抗体 ( 製品コード MA301A/B ~ MA312A/B) は 高い特異性が確認されたモノクローナル抗体です PCR 反応がうまくいっていない プライマー配列を見直してください ポジティブコントロールで確認してください 鋳型量が多過ぎると 夾雑物の影響により PCR 反応が阻害されることがあります Input DNA サンプルは 1.5 10 4 cells 相当量を上限とします それ以上の場合は サンプルを希釈した後に PCR の鋳型としてご使用ください VIII. 参考文献 Kimura, H., Hayashi-Takanaka, Y., Goto, Y., Takizawa, N., and Nozaki, N. Cell Struct Funct. (2008) 33: 61-73. タカラバイオ ( 株 )http://www.takara-bio.co.jp/ 11

IX. 関連製品 Gen とるくん エタ沈キャリア ( 製品コード 9094) NucleoSpin Gel and PCR Clean-up ( 製品コード 740609.10/.50/.250) Buffer NTB( 製品コード 740595.150/.1) 100 bp DNA Ladder( 製品コード 3407A/B) Agarose L03 TaKaRa ( 製品コード 5003/5003B) TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Gradient( 製品コード TP600) Thermal Cycler Dice Real Time System II( 製品コード TP900/TP960) 修飾ヒストン抗体 ( 製品コード MA301A/B ~ MA312A/B MA321A/B ~ MA323A/B MA331A/B ~ MA333A/B MA251A/B) TB Green Premix Ex Taq GC (Perfect Real Time)( 製品コード RR071A/B) 等 Magnetic Stand (6 tubes)( 製品コード 5328) X. 注意 本製品は研究用試薬です ヒト 動物への医療 臨床診断には使用しないようご注意ください また 食品 化粧品 家庭用品等として使用しないでください タカラバイオの承認を得ずに製品の再販 譲渡 再販 譲渡のための改変 商用製品の製造に使用することは禁止されています ライセンスに関する情報は弊社ウェブカタログをご覧ください EpiScope Thermal Cycler Dice タカラバイオ株式会社の登録商標です TB Green Premix Ex Taq Gen とるくんはタカラバイオ株式会社の Magnosphere は JSR 株式会社の商標です その他 本説明書に記載されている会社名および商品名などは 各社の商号 または登録済みもしくは未登録の商標であり これらは各所有者に帰属します v201802da