相対的貧困率の動向: 2006, 2009, 2012年

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3 世帯属性ごとのサンプルの分布 ( 両調査の比較 参考 3) 全国消費実態調査は 相対的に 40 歳未満の世帯や単身世帯が多いなどの特徴がある 国民生活基礎調査は 高齢者世帯や郡部 町村居住者が多いなどの特徴がある 4 相対的貧困世帯の特徴 ( 全世帯との比較 参考 4) 相対的貧困世帯の特徴とし

PDF化【公表】290606報告書(横計入)

第 2 章近江八幡市を取り巻く状況と今後の課題 1 データからみえる地域福祉の状況 1 人口の状況近江八幡市は 平成 22 年 3 月に旧近江八幡市と旧安土町が合併し 人口 8 万人を超える市となりました 旧市町の人口を合計した数値を見ると 平成 12 年から平成 22 年は横ばいで推移していますが

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

平成25年 国民生活基礎調査【所得票】 結果表一覧(案)

Autumnʼ15 第 19 回厚生政策セミナー : 多様化する女性のライフコースと社会保障 拡大する傾向にあり, 特に60 歳を超えると, 男女格差が急速に拡大しています 70 歳を超えると女性の貧困率は2 割を超え, 最大 25.4%(75-79 歳 )

平成22年度

01 公的年金の受給状況

 


第2章 調査結果の概要 3 食生活

平成30年版高齢社会白書(概要版)

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人口動態から見た2025年問題

2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢

平成28年版高齢社会白書(概要版)

 第1節 国における子育て環境の現状と今後の課題         

< 図 Ⅳ-16-2> 性別 年齢別 / 家族構成別 / 居住地域別 現在, 参加している今は参加していないが, 今後ぜひ参加したい今は参加していないが, 今後機会があれば参加したい参加したいとは思わない参加できないわからない無回答 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80


平成27年国勢調査世帯構造等基本集計結果の概要

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Ⅰ 調査の概要 1. 調査の目的 本調査は 今後の公的年金制度について議論を行うにあたって 自営業者 被用者 非就業者を通じた横断的な所得に関する実態を総合的に把握し その議論に資する基礎資料を得ることを目的とする なお 本調査は 平成 22 年公的年金加入状況等調査 の特別調査として 当該調査の調

Ⅰ 障害福祉計画の策定にあたって

第 7 回大阪市人口移動要因調査報告書 平成 27 年 3 月 大阪市都市計画局

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表紙

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年 4 月期関西圏 中京圏賃貸住宅指標 大阪府京都府兵庫県愛知県静岡県 空室率 TVI( ポイント ) 募集期間 ( ヶ月 ) 更新確率 (%)

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調査結果概要 ( 旭川市の傾向 ) 健康状態等 子どもを病院に受診させなかった ( できなかった ) 経験のある人が 18.8% いる 参考 : 北海道 ( 注 ) 17.8% 経済状況 家計について, 生活のため貯金を取り崩している世帯は 13.3%, 借金をしている世帯は 7.8% となっており

生活困窮者支援事業について 平成 28 年 11 月 14 日市長定例記者会見資料 2 さまざまな悩みを抱える生活困窮者 仕事はしたいけど 今日食べるものもないな 実施住居確保給付金必須事業安定的に就職活動を行うことができるよう, 有期で家賃相当額を支給 借金の返済 子どもの将来が心配だな 高知市生

目次 第 1 章調査概要 調査の目的 調査の方法... 1 第 2 章分析内容 世帯主年齢階級別の世帯数割合 世帯主年齢階級別の等価可処分所得 世帯主年齢階級別の等価所得 拠出金の内訳 世帯主年齢階級別

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

日本の富裕層は 122 万世帯、純金融資産総額は272 兆円

主要結果表目次 1. 単純集計 クロス集計 158 表 1 世帯の所得階級別支出項目別平均支出額 158 表 2 世帯の所得階級別家計簿の作成状況別世帯数 160 表 3 世帯の所得階級別必要なものが購入できなかった経験 ( 食料 ) 別世帯数 160 表 4 世帯の所得階級別必要なも

1 見直したい費目のトップは 光熱費 で 82.9% 電力自由化の認知率も 97.1% を超える 各世帯の支出が発生している中で 見直したい費目の 1 位は 光熱費 で 82.9% 携帯電話料金 が 76.3% 食費 が 76.2% と続きました なお 光熱費を見直したい という意識は ライフステー

20 金融資産目標残高 今後の金融商品の保有希望 元本割れを起こす可能性があるが 収益性の高いと見込まれる金融商品の保有 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 ( 続き )

資料 7 1 人口動態と子どもの世帯 流山市人口統計資料 (1) 総人口と年少人口の推移流山市の人口は 平成 24 年 4 月 1 日現在 166,924 人で平成 19 年から増加傾向で推移しています 人口増加に伴い 年尐人口 (15 歳未満 ) 及び年尐人口割合も上昇傾向となっています ( 人

02世帯

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高齢者の居住安定確保プラン 第2章 東京の高齢者を取り巻く状況


平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 経済状況に関する事項

質問 1 11 月 30 日は厚生労働省が制定した 年金の日 だとご存じですか? あなたは 毎年届く ねんきん定期便 を確認していますか? ( 回答者数 :10,442 名 ) 知っている と回答した方は 8.3% 約 9 割は 知らない と回答 毎年の ねんきん定期便 を確認している方は約 7 割

16211 インターネットバンキングの利用 ( 第 13 回 ) 性年代 性年代 男性 10 代男性 20 代男性 30 代男性 40 代男性 50 代以上女性 10 代女性 20 代女性 30 代女性 40 代女性 50 代以上合計 列 %

( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

次に 母親の年齢別 出生順位別の出生数をみていきましょう 図 2-1は母親の年齢別に第 1 子出生数をみるグラフです 第 1 子の出生数は20 年間で1,951 人 (34.6%) 減少しています 特に平成 18 年から平成 28 年にかけて減少率が大きく 年齢別に見ると 20~24 歳で44.8%

三鷹市健康福祉総合計画2022

目次 1 高齢化率 ( 山形県 ) 1 2 高齢化率 ( 全国 ) 2 3 将来の高齢化率 ( 山形県 ) 3 4 将来の高齢化率 ( 全国 ) 4 5 人口ピラミッド ( 山形県 ) 5 6 平均寿命の推移 6 7 出生数 出生率の推移 7 8 高齢者のいる世帯 ( 山形県 ) 8 9 高齢者のい

本資料は 様々な世帯類型ごとに公的サービスによる受益と一定の負担の関係について その傾向を概括的に見るために 試行的に簡易に計算した結果である 例えば 下記の通り 負担 に含まれていない税等もある こうしたことから ここでの計算結果から得られる ネット受益 ( 受益 - 負担 ) の数値については

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

35

ふくい経済トピックス ( 就業編 ) 共働き率日本一の福井県 平成 2 2 年 1 0 月の国勢調査結果によると 福井県の共働き率は % と全国の % を 1 1 ポイント上回り 今回も福井県が 共働き率日本一 となりました しかし 2 0 年前の平成 2 年の共働き率は

平成23年度 旭区区民意識調査

困窮度別に見た はじめて親となった年齢 ( 問 33) 図 94. 困窮度別に見た はじめて親となった年齢 中央値以上群と比べて 困窮度 Ⅰ 群 困窮度 Ⅱ 群 困窮度 Ⅲ 群では 10 代 20~23 歳で親となった割 合が増える傾向にあった 困窮度 Ⅰ 群で 10 代で親となった割合は 0% 2

スライド 1

初めて親となった年齢別に見た 母親の最終学歴 ( 問 33 問 8- 母 ) 図 95. 初めて親となった年齢別に見た 母親の最終学歴 ( 母親 ) 初めて親となった年齢 を基準に 10 代で初めて親となった 10 代群 平均出産年齢以下の年齢で初めて親となった平均以下群 (20~30 歳 ) 平均

日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―

社会保障改革に関するこれまでの主な議論

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出産・育児調査2018~妊娠・出産・育児の各期において、女性の満足度に影響する意識や行動は異なる。多くは子どもの人数によっても違い、各期で周囲がとるべき行動は変わっていく~

! 3

平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 日常生活に関する事項

各質問項目の単純集計結果 設問 1. 性別 男性 女性 無回答 設問 2. 年齢 合計 ( 改 3) 代 代 代 代 代 1767

1 / 5 発表日 :2019 年 6 月 18 日 ( 火 ) テーマ : 貯蓄額から見たシニアの平均生活可能年数 ~ 平均値や中央値で見れば 今のシニアは人生 100 年時代に十分な貯蓄を保有 ~ 第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 ( : )

長野県の少子化の現状と課題

第14回税制調査会 総14-4

平成 25 年 3 月 27 日 国立社会保障 人口問題研究所 ( 厚生労働省所管 ) から 日本の地域別将来推計 人口 ( 平成 25 年 3 月推計 ) が公表されました これに基づく石川県関係分の概要は次のとおりです 目次 1 石川県の将来推計人口 1 2 県内市町 地域の将来推計人口 5 3

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Microsoft Word - 【第2章】主な調査結果260624

先方へ最終稿提出0428.indd

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初めて親となった年齢別に見た 就労状況 ( 問 33 問 8) 図 97. 初めて親となった年齢別に見た 就労状況 10 代で出産する人では 正規群 の割合が低く 非正規群 無業 の割合が高く それぞれ 22.7% 5.7% であった 初めて親となった年齢別に見た 体や気持ちで気になること ( 問

計画の今後の方向性

神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

14 日本 ( 社人研推計 ) 日本 ( 国連推計 ) 韓国中国イタリアドイツ英国フランススウェーデン 米国 図 1. 1 主要国の高齢化率の推移と将来推計 ( 国立社会保障 人口問題研究所 資料による ) 高齢者を支える

「高齢者の健康に関する意識調査」結果(概要)1

平成 28 年度の貸付決定件数 1 平成 27 年度貸付 決定件数 2 平成 28 年 度貸付決定件 数 ( 速報値 ) 3 貸付決定件 数の増減 2-1 (%) 4 2 のうち 自立を利用し た件数 (%) 件 5 2 のうち 家計を利用し た件数 (%) 全資金合計 29,782 28,386-

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平成 2 8 年 6 月 平成 27 年中における行方不明者の状況 警察庁生活安全局生活安全企画課

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図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

図 3 世界の GDP 成長率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas Piketty ホームページ 図 4 世界の資本所得比率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas P

かけはし_049.indd

地域別の一般世帯数における平成 22 年から平成 までの今後 25 年間の増減率をみると 区部では北区を除くすべての地域で増加となり 多摩 島しょにおいては 八王子市をはじめとする 18 地域で増加し 青梅市や福生市などその他の地域では減少することが見込まれる ( 図 1-2) 図 1-2 地域別一

Transcription:

東京都福祉先進都市東京に向けた懇談会 2014 年 11 月 6 日 資料 2 高齢者の貧困と孤立 阿部彩 国立社会保障 人口問題研究所 1

30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% 年齢層別 性別貧困率 (2012 年 ) 21.8% 19.5% 25.4% 23.9% 男性 女性 17.3% 年齢別 性別に相対的貧困率を見ると 男性においては 20-24 歳の貧困率が特に高く 25-29 歳以降は 10-13% で移行し 60-64 歳から徐々に増加するものの 80 歳以上でも 17% 台に留まっています 一方 女性では同じく20-24 歳で一つ目のピークを迎えますが その後 50-59 歳から急激に貧困率が増加し 70 歳以上では20% を超える数値が続きます 中年期でも 女性の貧困率は男性よりも高く 35-39 歳からは常に女性の方が男性よりも高い貧困率となります 出所 2~6: 厚生労働省 平成 25 年国民生活基礎調査 を二次利用申請して筆者推計 2

男性の年齢層別貧困率 : 時系列の変化 25% 男性 : 年齢層別 20% 15% 10% 5% 2006 2009 2012 0% 2006 年 09 年 12 年の男性の年齢階層別貧困率を見ると まず 2006 年から 2009 年にかけて 高齢層 (65 歳以上 ) の貧困率が大幅に下がり その傾向が 2012 年にも確認されます かつて見られた高齢者の貧困問題は 男性に限って言えば 解消の方向にあります 一方 20-24 歳をピークとする子ども期から 20 歳前半の貧困の 山 が 2012 年も拡大方向にあることがわかります 20-24 歳の男性の貧困率は 21.7% と 5 人に 1 人という状況となり 男性の年齢層別では もっとも貧困のリスクが高いのが子ども期となっています しかしながら ピークの直後の25-29 歳の貧困率は比較的に低くなっており 個人個人のライフコー 3 スから見れば 25-29 歳になれば貧困のリスクが収まりつつある可能性があります

0-4 歳 5-9 歳 10-14 歳 15-19 歳 20-24 歳 25-29 歳 30-34 歳 35-39 歳 40-49 歳 45-49 歳 50-54 歳 55-59 歳 60-64 歳 65-69 歳 70-74 歳 75-79 歳 80 歳以上 女性の年齢層別貧困率 : 時系列の変化 30% 25% 20% 女性年齢階層別 15% 10% 5% 2006 2009 2012 0% 女性の年齢層別貧困率を時系列で見ると 男性で見られたような高齢者における貧困率の低下は女性では見られません 2012 年の高齢女性の貧困率は 年齢階層別に見ると 80 歳以上で低下がありますが それ以外では 2009 年と大差はありません 一方で 20-24 歳をピークとする子ども期から 20 代前半にかけての 山 は徐々に大きくなってきています 中年期 (25-64 歳 ) の貧困率は 2009 年に比べて 大きな変化はありません 4

高齢男性の貧困率 : 世帯タイプ別 高齢 (65+) 男性の貧困率 : 世帯タイプ別 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% 35.7% 28.7% 29.3% 17.3% 16.0% 13.7% 14.2% 12.6% 12.7% 25.4% 23.1% 23.1% 2006 2009 2012 17.3% 14.8% 13.4% 11.5% 10.8% 8.4% 高齢男性の貧困率は全般的に低下傾向にあります ひとり親と未婚子のみ世帯 以外では どの世帯タイプで見ても 2006 年に比べ 2012 年の貧困率が減少しました 5

高齢女性の貧困率 : 世帯タイプ別 高齢 (65+) 女性の貧困率 : 世帯タイプ別 60% 50% 40% 30% 20% 10% 50.8% 46.6% 44.6% 18.4% 14.5% 14.8% 16.4% 12.4% 12.7% 33.2% 32.8% 30.2% 2006 2009 2012 19.9% 17.7% 15.3% 11.1% 12.3% 12.5% 0% 高齢女性の貧困率も全般的には低下傾向にあります 三世代世帯 以外では どの世帯タイプで見ても 2006 年に比べ 2012 年の貧困率が減少しました しかし 単独 ( 一人暮らし ) 世帯の貧困率は 未だに 4 割を超えています 6

食料が金銭的な理由で買えなかった ときどきあったまれにあったまったくなかっ世帯タイプ総数よくあった (%) 無回答 (%) (%) (%) た (%) 総数 11,000 1.6 4.7 8.5 80.9 4.4 子どもがない世帯単独世帯単独高齢男性 289 2.1 6.9 9.7 69.6 11.8 単独高齢女性 740 0.8 3.9 6.2 81.9 7.2 単独非高齢男性 940 2.9 6.8 8.8 75.0 6.5 単独非高齢女性 560 1.8 5.5 9.5 78.6 4.6 夫婦のみ世帯夫婦ともに高齢者 1,178 0.9 3.5 7.6 84.6 3.4 夫婦の一方が高齢者 331 0.9 3.9 7.6 84.9 2.7 夫婦ともに非高齢者 1,033 1.5 3.0 4.5 87.0 4.0 その他世帯高齢者のみ世帯 89 0.0 2.2 5.6 86.5 5.6 高齢者以外も含む世帯 2,799 1.4 4.1 8.9 79.8 5.8 子どもがある世帯二親世帯 ( 三世代 ) 415 0.7 4.8 9.2 84.3 1.0 二親世帯 ( 二世代 ) 2,059 1.5 4.7 9.9 83.5 0.4 ひとり親世帯 ( 三世代 ) 142 3.5 9.9 7.7 78.9 0.0 ひとり親世帯 ( 二世代 ) 234 3.8 10.7 17.5 67.5 0.4 注 ) 世帯タイプが不詳の世帯を除く 過去 1 年の間に金銭的な理由で家族が必要とする食料が買えなったことがありますか に対する回答 (2007 年調査 ) 7 出所 : 国立社会保障 人口問題研究所 (2013) 2012 年生活と支え合い調査の概況

公共料金の未払いや債務の滞納 世帯タイプ総数電気 (%) ガス (%) 電話 (%) 家賃 (%) 住宅ローン (%) その他債務 (%) 総数 11,000 4.8 4.7 5.0 6.6 4.6 8.9 子どもがない世帯単独世帯単独高齢男性 289 5.4 4.6 5.8 6.9 4.8 10.6 単独高齢女性 740 2.6 2.0 3.0 4.8 1.7 3.6 単独非高齢男性 940 8.7 8.9 10.2 8.3 4.8 15.2 単独非高齢女性 560 5.8 4.8 6.0 6.5 2.6 9.8 夫婦のみ世帯夫婦ともに高齢者 1,178 1.5 1.4 1.4 4.3 4.2 3.5 夫婦の一方が高齢者 331 2.2 2.4 1.0 10.0 4.0 7.6 夫婦ともに非高齢者 1,033 3.6 3.5 3.6 4.2 4.0 5.5 その他世帯高齢者のみ世帯 89 2.4 0.0 3.9 0.0 0.0 6.9 高齢者以外も含む世帯 2,799 4.6 4.4 4.3 6.6 5.4 9.7 子どもがある世帯二親世帯 ( 三世代 ) 415 4.0 4.0 5.2 0.0 7.9 10.0 二親世帯 ( 二世代 ) 2,059 5.3 5.4 5.5 6.4 3.5 8.0 ひとり親世帯 ( 三世代 ) 142 11.3 10.7 10.9 3.7 24.4 20.7 ひとり親世帯 ( 二世代 ) 234 14.1 16.2 15.3 13.4 8.1 18.5 注 ) あった とした世帯数/( 非該当と無回答を除く全世帯数 ) とくにひとり親世帯は すべての支払いについて ( 住宅ローンを除く ) 金銭的なストレスが大きいふた親世帯においても 約 4-6% の世帯がさまざまな支払い困難 約 10-13% は債務の滞納経験がある 8 出所 : 国立社会保障 人口問題研究所 (2013) 2012 年生活と支え合い調査の概況

35 40 45 50 55 56 57 58 59 60 61 62 63 平成元年 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 一方で生活保護の保護率は高齢層で増加 ( ) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 0~5 歳 6~11 歳 12~14 歳 15~19 歳 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~64 歳 65~69 歳 70 歳 ~ 60-64 歳 65-69 歳 70 歳以上の保護率 ( 人口 1000 人あたり保護者数 ) は急増している 今でも 生活保護受給者の過半数が高齢者 (+60) であり その割合も数も今後ますます増える 出所 : 国立社会保障 人口問題研究所 (2013) 生活保護に関する公的統計データ一覧 9

( 万人 ) 高齢単身世帯の急増 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 東京都の年齢階層別人口推計 2010 年 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2035 年 2040 年 東京都の高齢者 (65+) の世帯類型推計 0-14(M) 15-64(M) 65+(M) 75+(M) 0-14(F) 15-64(F) 65+(F) 75+(F) 東京の高齢者 (65+) は 2040 年までに 100 万人増加 東京都における高齢者の増加 + 単独世帯の増加 = 膨大な貧困かつ孤独な高齢者世帯 出所 : 国立社会保障 人口問題研究所 日本の世帯数の将来推計 ( 都道府県別推計 ) (2010), 日本の地域別将来推計人口 ( 平成 25 年 3 月推計 ) 10

社会的孤立の実態 : だいたいの人は毎日会話をしている しかし全国で 2.1% の人々は 2 週間に 1 回以下 しか会話がない 毎日 2-3 日に 1 回 4-7 日に 1 回 2 週間に 1 回以下 男性 20-29 歳 30-39 歳 40-49 歳 50-59 歳 60-69 歳 70-79 歳 2.1 2.0 2.4 2.5 3.1 4.8 80 歳以上 6.4 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 毎日 2-3 日に 1 回 4-7 日に 1 回 2 週間に 1 回以下 女性 20-29 歳 30-39 歳 40-49 歳 50-59 歳 60-69 歳 70-79 歳 80 歳以上 0.9 0.5 1.1 0.8 1.4 2.4 2.1 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 出所 : 国立社会保障 人口問題研究所 生活と支え合い調査 2012 年

一人暮らしの高齢男性の 6 人に 1 人は孤立 男性 女性 世帯タイプ 総数 毎日 会話頻度 (%) 2~3 日に 1 回 4~7 日に 1 回 2 週間に 1 回以下 単独世帯 252 50.0 18.3 15.1 16.7 夫婦のみ世帯 1,338 85.4 8.1 2.4 4.1 単独世帯 646 62.8 24.9 8.4 3.9 夫婦のみ世帯 1,026 86.7 8.6 3.1 1.6 出所 : 国立社会保障 人口問題研究所 生活と支え合い調査 2012 年

会話の頻度が極端に少ない人は低所得層ほど多い 会話の頻度 2 週間に 1 回程度 1 ヶ月に 1 回未満 6 5 歳未満 高所得層 中所得層 低所得層 0.5 0.9 1.1 0.9 0.6 2.5 6 5 歳以上 高所得層 0.1 0.5 中所得層 0.1 0.9 低所得層 0.7 2.1 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 出所 : 国立社会保障 人口問題研究所 生活と支え合い調査 2012 年

すべての施策に貧困層の視点が必要 医療 介護 受診抑制が起こっている実態 経済的制約 ( 保険料と自己負担 ) と 時間制約の問題の解消が必要 ( 在宅 ) 医療も介護も 家族を前提としていないか 生活 住だけではなく 食 電気 ガス 電話 つきあいなどの生活必需品 最低限度の生活は守られているか 蔓延する高齢者の孤立問題 底辺にある貧困 -> 日常生活の継続 とあるが 病気でなくても介護が必要でなくても 日常生活 が脅かされている現実 孤立死 介護難民 の前の 社会的孤立 具体的な 参加 の方法の欠如 14

提言 ( これからの ) 高齢者の生活実態の調査 東京都の地域別の高齢者の生活 ( 経済状況 就労状況 健康状況 住居の状況 人との関係 地域との関係 支援の必要性等 ) の調査 問題のタイプ別に地理的分布の把握 将来の 貧困率 孤立率 の推計 生活保護予備軍の把握 労働力 としての高齢者のポテンシャルを推測 社会的包摂政策の計画 上記を踏まえた地域別政策の模索と提言 高齢者政策は 介護や医療政策だけではない 高齢者の生産性と Well-being を同時にあげる方法の模索 年金 生活保護に頼らない高齢期の生活 所得設計 東京都だからこそ できる 未来像 15