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第 5 章管理職における男女部下育成の違い - 管理職へのアンケート調査及び若手男女社員へのアンケート調査より - 管理職へのインタビュー調査 ( 第 4 章 ) では 管理職は 仕事 目標の与え方について基本は男女同じだとしながらも 仕事に関わる外的環境 ( 深夜残業 業界特性 結婚 出産 ) 若

三世代で暮らしている人の地域 親子関係 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室的場康子 < 減り続ける > 戦後 高度経済成長を迎えた我が国においては 産業構造の変化により都市化 工業化が進む中で 多くの人が地方から都市に移動し核家族化が進んだ 低成長経済に移行した後

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第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

◎公表用資料

初めて親となった年齢別に見た 母親の最終学歴 ( 問 33 問 8- 母 ) 図 95. 初めて親となった年齢別に見た 母親の最終学歴 ( 母親 ) 初めて親となった年齢 を基準に 10 代で初めて親となった 10 代群 平均出産年齢以下の年齢で初めて親となった平均以下群 (20~30 歳 ) 平均

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調査実施の背景 近年 ライフスタイルの多様化が著しく進んでいます 生涯未婚率が上昇し 単身世帯 一人親世帯も増加するなど 世帯構成が大きく変化しました また 25 歳から 39 歳の就業率が上昇し 共働き世帯も増加しました においては 管理職の積極的な登用が推進される一方で非正規社員の占める割合は高


調査結果概要

2) 親子関係 家族との生活に満足している について と の調査と比較した 図 12-2 に 示しているように の割合は 4 かとも増加傾向が見られた 日 本 米 中

1 施設で生活する高校生の本音アンケート 3 2 調査項目 4 3 施設で生活する高校生の自己肯定感について...5 (1) 一般高校生との比較 5 4 施設で生活する高校生の進路について.7 (1) 希望職種の有無と希望進路 7 (2) 性別 学年による進路の違い 8 5 施設で生活する高校生のア

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第4章妊娠期から育児期の父親の子育て 45

調査の結果 問 1 あなたの性別は 調査に回答していただいた生徒の性別は 男 が問 % 女 が 49.5% です 男 女 問 2 あなたは, 生まれてからずっと鈴鹿市に住んでいますか 生まれたときから鈴鹿市に ずっと住ん

「女性のコミュニケーション実態とニオイの意識」に関する調査

(2) あなたは選挙権年齢が 18 歳以上 に引き下げられたことに 賛成ですか 反対ですか 年齢ごとにバラツキはあるものの概ね 4 割超の人は好意的に受け止めている ここでも 18 歳の選択率が最も高く 5 割を超えている (52.4%) ただ 全体の 1/3 は わからない と答えている 選択肢や

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3 調査項目一覧 分類問調査項目 属性 1 男女平等意識 F 基本属性 ( 性別 年齢 雇用形態 未既婚 配偶者の雇用形態 家族構成 居住地 ) 12 年調査 比較分析 17 年調査 22 年調査 (1) 男女の平等感 (2) 男女平等になるために重要なこと (3) 男女の役割分担意

困窮度別に見た はじめて親となった年齢 ( 問 33) 図 94. 困窮度別に見た はじめて親となった年齢 中央値以上群と比べて 困窮度 Ⅰ 群 困窮度 Ⅱ 群 困窮度 Ⅲ 群では 10 代 20~23 歳で親となった割 合が増える傾向にあった 困窮度 Ⅰ 群で 10 代で親となった割合は 0% 2

II. 調査結果 1 調査世帯の状況 世帯の状況 1 家族形態 H28 平成 5 年の調査 ( 小学 2 年 小学 5 年 中学 2 年 ) との比較では 祖父母同居のは 13.3 ポイント減少しており 核家族化の傾向が見られる また は 3.5 ポイント増加している 小学 2 年生

調査結果概要 ( 旭川市の傾向 ) 健康状態等 子どもを病院に受診させなかった ( できなかった ) 経験のある人が 18.8% いる 参考 : 北海道 ( 注 ) 17.8% 経済状況 家計について, 生活のため貯金を取り崩している世帯は 13.3%, 借金をしている世帯は 7.8% となっており

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参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

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3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

5 児童生徒質問紙調査 (~P23) (1) 運動に対する意識等 [ 小学校男子 ] 1 運動やスポーツを [ 小学校女子 ] することが好き 1 運動やスポーツをすることが好き H30 全国 H30 北海道 6 放課後や学校が休みの日に 運動部や地域のスポーツクラブ以外で運動やスポーツをすることが

2/5 1. 恋のきっかけ SNS 女性の 4 人に 1 人が SNS がきっかけで 異性に好意を持った 経験アリ はじめに 恋愛におけるコミュニケーションにおいて SNS を活用することは有効だと思いますか? と聞いたところ SNS ユーザーの 20~30 代未婚女性のうち 56% と半数以上が

Ⅲ 調査対象および回答数 調査対象 学校数 有効回答数児童生徒保護者 (4~6 年 ) 12 校 1, 校 1, 校 1,621 1,238 合計 41 校 3,917 ( 有効回答率 96.3%) 3,098 ( 有効回答率 77.7%) Ⅳ 調査の実施時期


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3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

(市・町)        調査

初めて親となった年齢別に見た 就労状況 ( 問 33 問 8) 図 97. 初めて親となった年齢別に見た 就労状況 10 代で出産する人では 正規群 の割合が低く 非正規群 無業 の割合が高く それぞれ 22.7% 5.7% であった 初めて親となった年齢別に見た 体や気持ちで気になること ( 問

表紙案8

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第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

2-2 大阪市における主な課題 大阪市の合計特殊出生率は全国と比較してさらに低くなっています 平成 18 年以降 出生数や合計特殊出生率が持ち直し 横ばい傾向にあるものの 総人口に占める年少人口 生産年齢人口の割合は減少しており 少子化への対応が喫緊の課題となっています 加えて 子育て層と考えられる

平成 26 年度生徒アンケート 浦和北高校へ入学してよかったと感じている 1: 当てはまる 2: だいたい当てはまる 3: あまり当てはまらない 4: 当てはまらない 5: 分からない 私の進路や興味に応じた科目を選択でき

世の中の人は信頼できる と回答した子どもは約 4 割 社会には違う考え方の人がいるほうがよい の比率は どの学年でも 8 割台と高い 一方で 自分の都合 よりみんなの都合を優先させるべきだ は 中 1 生から高 3 生にかけて約 15 ポイント低下して 5 割台にな り 世の中の人は信頼できる も

第3節 重点的な取り組み

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Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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表 6.1 横浜市民の横浜ベイスターズに対する関心 (2011 年 ) % 特に何もしていない スポーツニュースで見る テレビで観戦する 新聞で結果を確認する 野球場に観戦に行く インターネットで結果を確認する 4.

中国帰国者以外 フィリピン アジア諸国 中米南米諸国 欧米系諸国 全体 就業の状態 (1) 現在の職業表 -2.5 は 国籍グループ別に有業者の現在の職業をみたものである

0ミ

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5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

仕事と生活の調和 ( ワーク ライフ バランス ) に関する意識調査について Ⅰ. 調査目的 本調査は 仕事と生活の調和 ( ワーク ライフ バランス ) の現状及び仕事と生活の調和の実現を推進するための新たな国民運動である カエル! ジャパンキャンペーン に関して 国民の意識やニーズを把握し 今後

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

2. 調査結果 1. 回答者属性について ( 全体 )(n=690) (1) 回答者の性別 (n=690) 回答数 713 のうち 調査に協力すると回答した回答者数は 690 名 これを性別にみると となった 回答者の性別比率 (2) 回答者の年齢層 (n=6

目次 調査概要調査サマリー 歩きスマホ は危ないと思うか?/ 歩きスマホ をしたことがあるか? 歩きスマホ をしてしまう理由は? 歩きスマホ をしている人に対して危ないと感じたことはあるか? 歩きスマホ が危ないと感じたのはどのようなシーンか? 歩きスマホ で最も危ないと感じたのはどのようなシーンか

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働き方の現状と今後の課題

( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

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平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

- 目次 - Ⅰ 計画策定の趣旨等 1 Ⅱ 船橋市における自殺の現状 2 Ⅲ 船橋市の自殺対策における取組 3 Ⅳ 船橋市の自殺対策推進体制 6

男女別クロス表 F2 ( 年代 ) 項目 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳代 70 歳代 無回答 回答者数 度数 度数 度数 度数 度数 度数 度数 度数 男性 女性

Ⅲ 調査研究報告 / 若者の結婚観 子育て観等に関する調査 77 交際中 (n=671) 交際経験あり (n=956) 交際経験なし (n=767) 早く結婚したいいい

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Transcription:

特集 若者にとっての人とのつながり 1 はじめに人は, 出生から乳幼児期, 学童期, 思春期を経て, 青年期, 成人期といった段階を社会と関わりながら過ごしていく 家族, 近所の人たち, 学校, 部活 サークル, 会社, 結婚して築く家庭, 共通の趣味を持つ仲間など, ライフサイクルの各段階に応じて, 人は様々な集団に属したり離れたり, 新たに形成したりしてその時期を過ごす 日常生活を送るとき, 自分自身について考えるとき, 新しい挑戦をするとき, 何か困難を乗り越えようとするときなど, 人生のあらゆる場面において, 常に人は他者とつながり, 助け合っており, 他者とのつながりの中で生きていく とりわけ, 進学 就職などのライフステージの移行時やそれに伴う環境の変化の中で様々な問題に直面する若者にとって, 家庭, 学校, 地域等における 人とのつながりのありよう は, 若者自身が社会的な成長を遂げ自立していく上で大きな影響を与える要素と考えられる 一方で, 若者の中には, 学校や職場などの集団の中での人間関係がうまく築けなかったり, 維持できなかったりしたことをきっかけとして, 不登校, ひきこもりなどの状況にある者や, 目立った困難さを抱えているようには見えない若者であっても, 周囲と十分なコミュニケーションが取れずに孤立し, または, 心を開いて悩みなどを相談できる相手がいないなどといった状況にある者もおり, これらの者は, 自分ひとりで悩みを抱え込む状況が続くことにより, 様々な問題を複合的に抱えた状態に陥ることが懸念される そこで, 今回の特集は, 平成 28(2016) 年度に内閣府が行った 子供 若者の意識に関する調査 ( 平成 28 年 12 月に全国の15 歳から29 歳までの男女 6000 名を対象に実施したインターネット調査 ) の結果をもとに, 若者のつながりに関する現状とそこから見える課題を考察するとともに, 若者を孤立から守り, その成長を支援するために参考となる取組を紹介する 2 若者にとっての人とのつながりに関する意識調査の概要本特集では, 若者にとっての人とのつながりについて, 1ほっとできる, 居心地の良い場所としての 居場所 の存在 2 悩みを相談できるなど他者とのつながりの状態の2つの視点を軸にすえて分析した このことにより, 若者の所属意識と他者とのつながりの状態の関係について分析が可能となった 本特集における居場所とつながりについての概念を図表 1に示す 2

図表 1 居場所とつながり つながり : 自分 : 他者 居場所 家庭 学校 地域 インターネット 職場 図表 1は, 家庭, 学校, 職場, 地域, インターネット空間において, それぞれの場における自分と他者とのつながりの有無を両者を結ぶ線で示し, その強さを線の太さで概念的に表わしたものである 例えば, 生徒 学生の場合, 在籍する学校があり, 多くの他の生徒 学生と学校生活を送っているが, ある生徒 学生にとって, 学校がほっとできる, 居心地の良い場所と感じられていれば, 学校はその生徒 学生にとっての 居場所 になっていると整理した また, 他の生徒 学生とのつながりの状態は様々であり, 悩み事を含めてお互いに何でも話したりできる仲の良い生徒 学生もいれば, たまに声をかける程度の生徒 学生や一度も話したことのない生徒 学生もいるであろう 何でも悩みを相談できる, など相手との関わりを示す項目を肯定している場合は, その相手との つながりが強い と整理した 1 以下では, 居場所について, 上記 5つの場所に自分の部屋を加えた6つの場に分けてみていく また, つながりの対象として, 家族 親族, 学校で出会った友人, 職場 アルバイト関係の人, 地域の人, インターネット上の人の5つに分けて分析を進める なお, 図表では, 小数点以下第 2 位を四捨五入しているため, 回答の合計が100.0% にならない場合がある 1 居場所だと感じていない場でもつながりを感じる場合 ( 例えば, 学校におけるカウンセラーとの関係など ) も考えられるが, 本分析では, 居場所とつながりに関する一般的な関係のみを対象とした また, 場所をまたぐつながり ( 例えば, 地域の知り合いが外部講師として学校を訪れる場合など ) も考えられるが, 本分析では, 各居場所は独立したものとして捉えることとした 3

若者にとっての人とのつながり特集特集 ⑴ 若者の居場所, 他者とのつながりの状況まず, 若者がどのような場を居場所と感じているのか, また, どのような相手とつながりを感じているのか等をみていく ア居場所の状況居場所を,1 自分の部屋,2 家庭,3 学校,4 職場,5 地域,6インターネット空間の6つの場に分け, それぞれ自分の居場所と思うかをたずねた質問に対する回答をみると, そう思う, どちらかといえばそう思う を合わせて,1 自分の部屋が89.0%,2 家庭が79.9%,6インターネット空間が62.1% と, それぞれ比較的高い割合を占めている 一方,3 学校が49.2%,4 職場が39.2%, 5 地域が58.5% となっている ( 図表 2) 図表 2 居場所の有無 自分の部屋 61.0 28.0 6.2 4.8 家庭 ( 実家や親族の家を含む ) 39.1 40.7 12.6 7.5 学校 ( 卒業した学校を含む ) 12.2 37.0 26.4 24.3 職場 (n=4243) ( 過去の職場を含む ) 8.1 31.2 30.4 30.3 地域 ( 現在住んでいる場所や 13.2 45.3 25.1 16.4 そこにある施設など ) インターネット空間 18.7 43.4 25.3 12.6 0 20 40 60 80 100(%) そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わない そう思わない ( 注 )1. 職場 ( 過去の職場を含む ) は就業経験者のみ回答 2. グラフでは, そう思う, どちらかといえばそう思う それぞれの回答率について, 小数点以下第 2 位を四捨五入しているため, 両者を合わせた回答数の回答率とは合わない場合がある 6つの場について, 自分の居場所と思うかをたずねた質問に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う と回答した場の数をみると, 居場所であると感じている場の数の平均は 3.7で, 居場所の数が3つ以上あると回答した者は, の約 75% を占める ( 図表 3) 図表 3 居場所と思う場の数 5 つ 21% 6 つ 14% 4 つ 20% 0 4% 1 つ 6% 2 つ 15% 3 つ 20% ( 注 ) 居場所になっていると思うかをたずねた質問に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う の回答を合わせた数を計上 4

つながりの状況つながりの対象を1 家族 親族,2 学校で出会った友人,3 職場 アルバイト関係の人,4 地域の特人,5インターネット上の人の5つのカテゴリーに分け, 若者がそれぞれのカテゴリーに示される相手とどのようにつながっていると感じているかを把握するため, 楽しく話せる時がある, 何でも集イ悩みを相談できる人がいる, 困ったときは助けてくれる, 他の人には言えない本音を話せることがある, 強いつながりを感じている という5つの他者との関わりを示す項目についてそれぞれ質問した その回答をみると, そう思う, どちらかといえばそう思う を合わせて,1 家族 親族とは, 楽しく話せる時がある と回答した者の割合は81.0%, 困ったときは助けてくれる は 78.4%, 強いつながりを感じている は69.7% であった また,2 学校で出会った友人とは, 楽しく話せる時がある と回答した者の割合は76.9%, 困ったときは助けてくれる は65.0%, 強いつながりを感じている は59.6% となっており,1 家庭 親族と2 学校で出会った友人との間に, 楽しく話したり, 悩みを相談したり, 助け合ったり, 本音を言ったりするなどのつながりの強さ ( 以下, 単に つながりの強さ という ) を感じている若者の割合が大きいことがわかる 一方で,4 地域の人とは, 楽しく話せる時がある と回答した者の割合は27.8%, 困ったときは助けてくれる は26.4%, 強いつながりを感じている は20.2%,5インターネット上の人とは, 楽しく話せる時がある と回答した者の割合は37.5%, 困ったときは助けてくれる は 21.8%, 強いつながりを感じている は21.8% となっており4 地域の人と5インターネット上の人との間では,1 家族 親族や2 学校で出会った友人と比べてつながりの強さを感じている若者の割合はそれほど大きくないことがわかる なお,3 職場 アルバイト関係の人とは, 楽しく話せる時がある と回答した者の割合は 58.7%, 困ったときは助けてくれる は50.6%, 強いつながりを感じている は31.3% であり, つながりの強さを感じている若者の割合は,1 家庭 親族及び2 学校で出会った友人と4 地域の人及び5インターネット上の人の2つの間に位置している ( 図表 4) 図表 4 対象別のつながりの強さ (%) 90 81.0 78.4 80 76.9 59.8 60.2 69.7 70 65.0 58.7 57.7 58.5 59.6 60 50.6 50 40 37.5 27.8 31.1 26.4 29.0 31.3 30 21.3 18.2 21.8 25.4 17.2 20.2 21.8 )20 10 0 楽しく話せる何でも悩みを相談困ったときは他の人には言えない強いつながりを時があるできる人がいる助けてくれる本音を話せる感じていることがある家族 親族 学校で出会った友人 職場 アルバイト関係の人 (n=4243) 地域の人 インターネット上の人 ( 注 ) そう思う( 計 ) は, そう思う, どちらかといえばそう思う の合計 5 う思う(計他者との関わりを示す項目そ

若者にとっての人とのつながり特集特集 さらに,5つのそれぞれのカテゴリーに示された相手との間で, 会話やメール等をたくさんしている かをたずねた質問に対して そう思う, どちらかといえばそう思う と回答した者を抽出し, それぞれのカテゴリーに示された相手とのつながりの強さに関する回答を組み合わせたところ ( 図表 5), 他者との関わりを示す項目の全てにおいて, 図表 4で示されている数値よりも高い数値を示している 特につながりの強さを感じる若者の割合がそれほど大きくなかった4 地域の人,5インターネット上の人について, 数値の上昇が著しい 会話やメール等の普段のやりとりの多寡がつながりの強さを感じるかどうかに影響していることも考えられる 図表 5 対象別のつながりの強さ ( 普段のやりとりが多い間柄を抽出 ) 思う(計)(%) 100 94.4 94.9 90.1 90 86.2 86.9 81.7 80 77.6 68.9 70 60 50 40 30 ときがあるそ相談できる人がいる 20 10 0 楽しく話せる 何でも悩みを う90.5 87.6 83.7 79.8 81.9 63.9 62.3 困ったときは助けてくれる 80.2 76.0 75.3 65.1 67.9 他の人には言えない本音を話せることがある 85.8 84.0 80.9 70.5 64.5 強いつながりを感じている 他者との関わりを示す項目 家族 親族 (n=3992) 学校で出会った友人 (n=3568) 職場 アルバイト関係の人 (n=1508) 地域の人 (n=1149) インターネット上の人 (n=1730) ( 注 ) そう思う ( 計 ) は, そう思う, どちらかといえばそう思う の合計 ウインターネット上でのつながりインターネット空間においては, 相手とのつながりはフェイス トゥ フェイス ( 対面 ) の形をとらないため, 他の居場所とは異なる特徴を示すことも考えられる インターネットの利用についての意識をたずねた質問への回答をみると, 場所を問わないので参加しやすい や 情報発信 収集の手段として活用できる 等と答えた若者の割合が大きく, 他者と関わる際にインターネットを利用することについて, 手軽さや利便性を感じていると考えられる 一方, 自分や相手の気持ちが伝わりづらい, 自分の情報が悪用されそうで心配だ 等と答えた若者の割合が大きく, 他者との意思疎通などコミュニケーションの質については, 物足りなさや不安を感じている様子がうかがえる ( 図表 6) 図表 6 他者と関わる際のインターネットの利用について そう思う ( 計 ) ( 単位 :%) そう思わない ( 計 ) 率直に話ができるので便利 61.3 38.7 自分や相手の気持ちが伝わりづらい深く関わらなくてすむので参加しやすい参加者同士の一体感や共感が薄れそう場所を問わないので参加しやすい自分の情報が悪用されそうで心配だ情報発信 収集の手段として活用できる 68.8 31.3 67.7 32.3 48.3 51.7 71.9 28.1 62.8 37.2 70.7 29.3 ( 注 )1. そう思う ( 計 ) は, そう思う, どちらかといえばそう思う の合計 2. そう思わない ( 計 ) は, そう思わない, どちらかといえばそう思わない の合計 3. 色付は 6 割以上の回答があった項目 ( ピンク : インターネットに対する肯定的な評価, 青 : インターネットに対する否定的な評価 ) 6

エ 学校における居場所とつながり 現在学校に在籍している者のうち, 学校が居場所となっていると思うかをたずねた質問に対 し そう思わない と回答した者の割合は 12.7% であった ( 図表 7) 図表 7 居場所の有無 ( 現在学校に在籍している者にとっての学校 ) 学生 ( 高校生, 専門学校生, 大学生, 大学院生, 予備校生 ) 15.5 48.5 23.4 12.7 学校 ( 卒業した学校を含む ) が居場所になっているそう思うどちらかといえばそう思うどちらかといえばそう思わないそう思わない ( 注 ) そう思う ( 計 ) は, そう思う, どちらかといえばそう思う の合計 また, 現在学校に在籍している者に対して, 家族 親族, 学校で出会った友人とのつながりをた ずねた質問項目のうち, 何でも悩みを相談できる人がいる についての回答を, 学校を居場所と思うかどうかという認識別にみると, 学校を居場所と思っていないと回答した者の方が, 学校を居場所と思っている者に比べて, そう思わない と回答した者の割合が高くなっている( 図表 8) 現在在籍している学校を居場所と感じていない者は, 家族 親族, 学校で出会った友人という身近な相手とのつながりについても希薄である傾向がうかがえるところであり, 孤立化し退学にまで結びついてしまうことを含めて懸念される群であると考えられる 図表 8 居場所の認識別つながりの認識 ( 現在学校に在籍している者にとっての家族 親族及び学校で出会った友人 ) 学校(卒業した学校を含む)が(1) 家族 親族 (2) 学校で出会った友人 21.9 42.3 24.2 11.6 23.3 42.9 23.2 10.6 そう思う (n=411) 47.2 36.3 10.2 6.3 どちらかといえばそう思う (n=1285) 19.5 50.8 24.5 5.1 どちらかといえばそう思わない (n=620) 13.5 39.0 34.5 12.9 そう思わない (n=336) 15.5 23.2 20.8 40.5 そう思う (n=411) 55.2 35.3 どちらかといえばそう思う (n=1285) 20.9 51.8 22.3 5.1 どちらかといえばそう思わない (n=620) 12.1 40.0 36.3 11.6 そう思わない (n=336) 13.7 24.1 22.0 40.2 何でも悩みを相談できる人がいるそう思うどちらかといえばそう思うどちらかといえばそう思わないそう思わない 学校(卒業した学校を含む)が居場所になっている( 注 )(1)(2) ともに, 現在学校に在籍している者のみの回答を抽出 居場所になっている7.3 2.2 7 特集以後の分析では, 基本的にインターネット上のつながりを除いたつながりに着目して考察を行う

(何でも悩みを相談できる人がいる(何でも悩みを相談できる人がいる若者にとっての人とのつながり特集特集 ⑵ 居場所及びつながりの重要性 次に, 居場所と感じている場の数やつながりが, 生活の充実度や将来に対する意識にどのような影響 を与えているのかをみていく ア 居場所及びつながりと生活の充実度 図表 9 は,6 つの場について, それぞれ自分 図表 9 居場所の数と生活の充実度 の居場所と思うかをたずねた質問に対し, そ (%) う思う, どちらかといえばそう思う と回答 100 86.7 89.9 90 した場の数別に, それぞれの回答者が現在の生 80 76.3 70 活について 充実している, どちらかといえ 61.2 60 52.3 ば充実している と回答した者の割合を示して 50 40 36.4 いる これをみると,6つの場について, いず 30 25.3 )20 れも居場所になっていると思うと答えなかった 10 者 ( 居場所が0の者 ) で生活が充実している 0 0 1つ 2つ 3つ 4つ 5つ 6つ ( どちらかといえば充実している の回答を含 (n=225) (n=341) (n=888) (n=1232) (n=1222) (n=1268) (n=824) む ) と回答した者の割合は25.3%, 同様に, 居場所と思うと回答した場の数居場所になっていると思うと回答した場の数が ( 注 )6 つの場について居場所になっていると思うかをたずねた質問に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う と回答した場の数別に, 現在 1つの者については36.4%,2つの者についての生活について 充実している, どちらかといえば充実している と回答した者の割合 は52.3%,3つの者については61.2%,4つの者については76.3%,5つの者については 86.7%,6つの者については89.9% となっており, 居場所であると感じている場の数が多くなるにつれ, 生活が充実していると回答した者の割合が高くなっている ( 図表 9) 学校で出会った友人, 地域の人とのつながりをたずねた質問項目のうち, 何でも悩みを相談できる人がいる に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う, どちらかといえばそう思わない, そう思わない と回答した者それぞれについて, 現在の生活の充実度に関する質問の回答をみると, どちらのつながりにおいても, 何でも悩みを相談できる人がいると感じている者の方が, いないと感じている者に比べて, 充実している と回答した者の割合が高くなっている( 図表 10) 充実している(計図表 10 つながりの認識別の生活の充実度 学校で出会った友人)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) (1) 学校で出会った友人 20.2 49.4 20.3 10.2 10.3 そう思う 40.8 45.1 3.7 (n=1190) どちらかといえばそう思う 19.6 60.0 15.6 4.8 (n=2270) どちらかといえばそう思わない 12.2 (n=1463) 49.0 29.7 9.2 そう思わない 9.4 (n=1077) 32.1 28.6 29.9 (2) 地域の人 20.2 49.4 20.310.2 そう思う 7.5 50.7 38.6 3.2 (n=280) 地どちらかといえばそう思う 29.0 50.7 14.3 域5.9 (n=810) の人どちらかといえばそう思わない 17.6 57.0 21.0 4.4 (n=1507) そう思わない 16.7 46.5 22.5 14.3 (n=3403) ) 充実しているどちらかといえば充実しているどちらかといえば充実していない充実していない 8

居場所及びつながりと自己の将来像集イ 居場所であると感じている場の数と自己の将来像についても, 居場所であると感じている場の数が 多くなるにつれ, 生活の自立や社会への貢献, 対人関係等について前向きな将来像を描く傾向の回答 割合が高くなっている ( 図表 11) 図表 11 居場所の数と自己の将来像 (10 年後 ) (%) 90 87.9 83.5 82.3 80.7 73.2 76.5 78.6 あ80 74.0 70.2 70.5 72.1 70 66.2 57.8 59.2 59.5 61.2 60 48.0 49.3 52.4 54.9 48.7 50 43.6 40.7 40.4 40 36.1 36.1 30.5 32.6 )30 25.3 18.7 20.9 23.8 26.1 20.0 20 15.1 100 10 0 何でも話せる人がいる 共通の趣味を持った仲間がいる 自分の収入で暮らせる仕事についている 周りの人や社会の役に立っている なりたい自分に近づいている 居場所と思うと回答した場の数 0 (n=225) 1つ (n=341) 2つ (n=888) 3つ (n=1232) 4つ (n=1222) 5つ (n=1268) 6つ (n=824) 注 )6 つの場について居場所になっていると思うかをたずねた質問に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う と回答した場の数別に, 将来像に関する各項目につ いて あてはまる, どちらかといえばあてはまる と回答した者の割合 学校で出会った友人, 地域の人とのつながりをたずねた質問項目のうち, 何でも悩みを相談でき る人がいる に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う, どちらかといえばそう思わない, そう思わない と回答した者それぞれについて, 10 年後なりたい自分に近づいている かをたず ねた質問の回答をみると, どちらのつながりにおいても, 何でも悩みを相談できる人がいると感じて いる者の方が, いないと感じている者に比べて, なりたい自分に近づいていると回答した者の割合が 高くなっている ( 図表 12) 図表 12 つながりの認識別の将来像 (10 年後なりたい自分に近づいている ) (1) 学校で出会った友人 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) ( 14.3 42.4 28.8 14.5 何 14.3 42.4 28.8 14.5 でそう思う 34.2 43.4 16.6 5.7 もそう思う 47.1 41.4 8.6 2.9 (n=1190) 相(n=280) どちらかといえばそう思う談地どちらかといえばそう思う (n=2270) 10.8 54.1 28.9 6.1 で域15.1 56.9 23.7 4.3 きの(n=810) どちらかといえばそう思わないる人どちらかといえばそう思わない (n=1463) 8.3 38.1 42.1 11.5 人10.3 46.8 37.2 5.6 (n=1507) がそう思わないそう思わない 7.8 22.4 23.7 46.1 い13.2 37.1 27.9 21.8 (n=1077) る(n=3403) )10 年後なりたい自分に近づいている あてはまる どちらかといえばあてはまる どちらかといえばあてはまらない あてはまらない てはまる(計(何でも悩みを相談できる人がいる学校

暮らし向き若者にとっての人とのつながり特集特集 ⑶ どのような若者が孤立しがちなのか次に, つながりが比較的弱い状況にあると思われる若者の特徴についてみていくこととする ア暮らし向きとの関係 6つの場について, それぞれ自分の居場所と思うかをたずねた質問に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う と回答した場の数を, 現在の暮らし向きの認識別にみると, 居場所であると感じている場の数は, 現在の暮らし向きを良いと感じている者の方が, 低いと感じている者に比べて多い ( 図表 13) 図表 13 暮らし向き別の居場所の数 3.8 5.7 14.8 20.5 20.4 21.1 13.7 良い (n=906) 1.7 1.3 10.9 15.2 20.1 26.8 24.0 どちらかといえば良い (n=2985) 3.4 2.2 12.7 19.4 22.7 24.4 15.2 どちらかといえば低い (n=1719) 5.1 9.6 18.8 24.5 18.4 15.6 7.9 低い (n=390) 15.4 15.4 22.1 23.8 11.5 7.4 4.4 居場所と思うと回答した場の数 0 1 つ 2 つ 3 つ 4 つ 5 つ 6 つ 10

, 良い, どちらかといえば良い, どちらかといえば集現在の暮らし向きをたずねた質問に対し 低い, 低い と回答した者それぞれについて, 家族 親族, 学校で出会った友人, 職場 アルバイ ト関係の人, 地域の人とのつながりをたずねた質問項目のうち, 何でも悩みを相談できる人がいる についての回答をみると, いずれのつながりにおいても, 現在の暮らし向きを良いと感じている者の 方が, 低いと感じている者に比べて, そう思う と回答した者の割合が高くなっている( 図表 14) 図表 14 暮らし向き別のつながりの認識 (1) 家族 親族 (2) 学校で出会った友人 21.8 38.0 24.4 15.8 19.8 37.8 24.4 18.0 良い良い 41.3 37.7 13.2 7.7 (n=906) (n=906) 37.7 38.1 15.1 9.1 どちらかといえばどちらかといえば 21.0 43.0 24.5 11.4 良い (n=2985) 良い (n=2985) 19.4 41.8 25.5 13.3 どちらかといえばどちらかといえば 14.8 33.6 30.9 20.6 13.7 低い (n=1719) 低い (n=1719) 33.9 28.5 23.9 低い低い 13.6 18.5 21.0 46.9 8.2 (n=390) (n=390) 24.4 19.2 48.2 (3) 職場 アルバイト関係の人 (4) 地域の人 7.5 23.6 33.7 35.2 4.7 13.5 (n=4243) 25.1 56.7 良い良い 19.8 28.7 26.2 25.3 13.5 (n=596) (n=906) 18.8 22.6 45.1 どちらかといえばどちらかといえば 6.6 26.3 36.8 30.2 14.7 良い (n=2066) 良い (n=2985) 3.8 28.1 53.4 2.1 どちらかといえばどちらかといえば 4.0 20.0 34.6 41.3 9.9 24.4 63.6 低い (n=1299) 低い (n=1719) 2.1 低い低い 4.3 9.2 22.0 64.5 (n=282) (n=390) 7.7 11.5 78.7 ( 注 ) 就業経験者のみ回答 何でも悩みを相談できる人がいる そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わない そう思わない 暮らし向き暮らし向き暮らし向き暮らし向き

暮らし向き若者にとっての人とのつながり特集特集 現在の生活の充実度に関する質問の回答を, 暮らし向きの認識別にみた場合にも, 現在の暮らし向 きを良いと感じている者の方が, 低いと感じている者に比べて 充実している と回答した者の割合が高くなっている ( 図表 15) 図表 15 暮らし向き別の生活の充実度 20.2 49.4 20.3 10.2 良い (n=906) どちらかといえば良い (n=2985) どちらかといえば低い (n=1719) 54.1 36.9 6.3 2.8 18.5 61.0 15.8 4.6 8.4 43.2 35.4 13.0 低い 5.4 (n=390) 16.4 20.8 57.4 充実している どちらかといえば充実している どちらかといえば充実していない 充実していない イ就学や就業との関係就学 就業の状況別に,6つの場について, 自分の居場所と思うかをたずねた質問に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う と回答した場の数の割合を比較してみると, 無業者においては,6つの場について, いずれも居場所になっていると思うと答えなかった者 ( 居場所の数が0) の割合は10.5%, 居場所になっていると思うと回答した場の数が1つの者の割合は13.2%,2つの者の割合は22.3%,3つの者の割合は29.6% となっており, 他の区分より高い割合となっている ( 図表 16) 図表 16 就学 就業の状況別の居場所の数 3.8 5.7 14.8 20.5 20.4 21.1 13.7 学生 ( 高校生, 専門学校生, 大学生, 大学院生, 予備校生 ) 2.3 3.3 11.3 19.7 23.3 29.4 10.6 正規職員 ( 自営業を含む ) 3.5 5.3 (n=1395) 16.6 16.6 18.5 16.3 23.1 パート アルバイト, 契約社員など非正規職員 (n=960) 4.0 9.0 17.5 23.1 18.9 13.5 14.1 専業主婦 ( 夫 ) 4.9 6.0 14.6 21.8 20.9 16.7 15.1 (n=431) 無業者 ( 求職中の人を含む ) 10.5 13.2 22.3 29.6 12.4 8.7 3.2 (n=493) 居場所と思うと回答した場の数 0 1 つ 2 つ 3 つ 4 つ 5 つ 6 つ ( 注 ) 就学 就業の状況別に, 居場所になっていると思うかをたずねた質問に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う と回答した場の数の割合 12

, 就学 就業の状況別に職場 アルバイト関係の人, 家族 親族, 学校で出会った友人, 地域集また の人とのつながりをたずねた質問項目のうち, 何でも悩みを相談できる人がいる についての回答 をみると, 職場 アルバイト関係の人では, 無業者で そう思わない と回答した者の割合は 69.8%, 非正規職員では35.3%, 正規職員では23.2% と, 無業者と正規職員の差が大きい 同様に, 家族 親族, 学校で出会った友人, 地域の人では, いずれのつながりにおいても, 無業者において は, そう思わない と回答した者の割合が他の区分より高くなっている( 図表 17) 図表 17 就学 就業の状況別のつながりの認識 (1) 職場 アルバイト関係の人 (2) 家族 親族 7.5 23.6 33.7 35.2 (n=4243) 21.8 38.0 24.4 15.8 学生 ( 高校生, 専門学校生, 学生 ( 高校生, 専門学校生, 正規職員 ( 自営業を含む ) 10.4 31.8 34.7 23.2 正規職員 ( 自営業を含む ) (n=1395) (n=1395) 大学生, 大学院生, 予備校生 ) 5.5 19.3 36.2 39.0 大学生, 大学院生, 予備校生 ) (n=1163) 21.9 21.6 42.3 39.4 24.2 25.7 11.6 13.3 パート アルバイト, パート アルバイト, 契約社員など非正規職員 7.0 23.1 34.6 35.3 契約社員など非正規職員 18.2 31.5 28.8 21.6 (n=960) (n=960) 専業主婦 ( 夫 ) 8.2 22.0 29.4 40.4 専業主婦 ( 夫 ) (n=391) 2.8 (n=431) 39.4 38.1 14.2 8.4 無業者 ( 求職中の人を含む ) 6.9 20.5 69.8 無業者 ( 求職中の人を含む ) 12.6 (n=288) (n=493) 22.7 23.7 41.0 ( 注 ) 就業経験者のみ回答 (3) 学校で出会った友人 (4) 地域の人 19.8 37.8 24.4 18.0 4.713.5 25.1 56.7 学生 ( 高校生, 専門学校生, 23.3 42.9 23.2 10.6 大学生, 大学院生, 予備校生 ) 4.714.2 27.6 53.5 正規職員 ( 自営業を含む ) 17.6 40.5 26.7 15.2 正規職員 ( 自営業を含む ) (n=1395) 6.2 17.8 25.1 51.0 (n=1395) パート アルバイト, パート アルバイト, 3.4 契約社員など非正規職員 17.7 31.8 26.4 24.2 契約社員など非正規職員 10.7 24.0 61.9 (n=960) (n=960) 専業主婦 ( 夫 ) 4.6 24.6 38.7 20.6 16.0 専業主婦 ( 夫 ) (n=431) 10.7 25.5 59.2 (n=431) 2.4 無業者 ( 求職中の人を含む ) 8.5 15.6 23.3 52.5 無業者 ( 求職中の人を含む ) (n=493) 6.3 15.0 76.3 (n=493) 何でも悩みを相談できる人がいる そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わない そう思わない 学生 ( 高校生, 専門学校生, 大学生, 大学院生, 予備校生 )

誰とでもすぐに仲良くなれ若者にとっての人とのつながり特集特集 さらに, 現在の生活の充実度に関する質問の回答を就学 就業の状況別にみた場合にも, 無業者にお いては, 充実してない と回答した者の割合が他の区分より高くなっている ( 図表 18) 図表 18 就学 就業の状況別の生活の充実度 学生 ( 高校生, 専門学校生, 大学生, 大学院生, 予備校生 ) 正規職員 ( 自営業を含む ) (n=1395) パート アルバイト, 契約社員など非正規職員 (n=960) 専業主婦 ( 夫 ) (n=431) 13.9 20.2 24.3 20.5 23.7 42.2 無業者 ( 求職中の人を含む ) 6.9 (n=493) 25.2 31.8 36.1 充実しているどちらかといえば充実しているどちらかといえば充実していない充実していない 49.4 48.7 55.8 55.9 30.5 20.3 22.2 14.3 15.3 10.2 8.7 13.4 5.6 5.1 ウ他者との交流における自己認識との関係他者と付き合う時に, 誰とでもすぐ仲良くなれる, その場に合った行動がとれる かをたずねた質問の回答別に,6つの場について, 自分の居場所と思うかをたずねた質問に対し, そう思う, どちらかといえばそう思う と回答した場の数の割合を比較してみると, 誰とでもすぐ仲良くなれる, または, その場に合った行動がとれると思っている者の方が, そう思っていない者に比べて, 居場所であると感じている場の数が多い ( 図表 19) 図表 19 他者との交流における自己認識別の居場所の数 る(1) 誰とでもすぐ仲良くなれる (2) その場に合った行動がとれる 3.8 3.8 5.7 14.8 20.5 20.4 21.1 13.7 5.7 14.8 20.5 20.4 21.1 13.7 1.4 1.6 2.1 2.9 あてはまるあてはまる 7.414.0 19.4 25.8 30.0 10.413.7 21.3 25.9 24.2 (n=666) (n=694) 1.6 1.3 どちらかといえば 3.0 どちらかといえば 3.1 あてはまる 10.9 16.8 21.9 27.6 18.2 あてはまる 12.1 19.9 22.0 25.4 16.1 (n=1914) 3.6 (n=3048) 4.0 どちらかといえば 5.4 どちらかといえば あてはまらない 15.2 22.9 21.1 21.2 10.6 あてはまらない 7.9 19.3 23.5 20.2 16.5 8.7 (n=1976) 4.6 (n=1661) 6.7 3.2 あてはまらないれあてはまらない 8.011.3 22.8 25.3 17.8 10.3 17.9 16.2 21.4 23.3 11.2 (n=1444) (n=597) その場に合った行動がと居場所と思うと回答した場の数 0 1 つ 2 つ 3 つ 4 つ 5 つ 6 つ 14

3 孤立を防ぐ手立てについて特集高校の学校図書館における若者の孤立化に対する予防的支援の取組 ~ 神奈川県立田奈高等学校 ぴっかりカフェ ~ 15 若者が成長し自立する過程では, 誰もが悩みを抱えたりつまずきを覚えたりすることがあるが, その 際に大事なのは, ひとりで問題を抱え込み困難な状態に陥ってしまうことを防ぐことである そのためには, 普段から, 家庭の他にも自分がほっとできる居心地の良い場所を持つとともに, 何かあった時に支えとなってくれる人との関わりを築いておくことが大切であると考えられる 本特集では, 若者の居場所及びつながりに着目し, 居場所と思う場所やつながる対象者, つながりの強さと, 生活に対する充実度や自分の将来像との関係を把握するとともに, 孤立しがちな若者の特徴などを分析した 現在の暮らし向きに対する認識が良くないと感じる群や無業者については, 孤立化する可能性が他の群に比べて高いと考えられることから, 経済的支援や就労支援に加えて, 若者を孤立から守りその成長を支援する居場所とつながりを作り出す取組が求められる また, 現在学校に在籍しているが, 周りとのつながりの強さをあまり感じていない者についても, 孤立することから守り居場所とつながりを作り出す取組が重要である これらの課題に対応するためには, 行政が実施する各種の支援策だけでなく NPO 法人等民間団体による, 若者に寄り添い, 若者をつないでいく, きめ細かな取組に期待されるところも大きいと考える 最後に, 社会の中で孤立化することが心配される環境にある若者に対し, ほっとできる居心地の良い場所を提供するとともに社会の様々な人と結び付ける取組について,3つの事例を紹介し本特集の結びとしたい ⑴ 神奈川県立田奈高等学校は, 中学校までに持てる力を必ずしも十分に発揮することのできなかった生徒を積極的に受け入れる クリエイティブスクール として県より指定されており, 特に, 支援を必要としている生徒の立場に軸足をおいた教育に力を入れている しかし, これまでは, 中退や進路未決定のまま卒業し支援が途切れてしまう生徒が少なからずいることが課題となっていた このような困難を抱える生徒へきめ細かく対応するためには,1 学校の先生を含めた周囲の大人が, 生徒が抱える問題について, それが顕在化する前の段階で気づくこと,2 親や先生以外の様々な大人が, 困難を抱える生徒に対し, 自らの経験を踏まえた助言を与える機会をなるべく多く持つことで, 生徒の視野と人間関係の広がりを構築する一助となることが重要であるとの考えから, 同校で外部相談員として活動していた現 NPO 法人パノラマの提案を受け, 平成 26(2014) 年に同校内の図書館に生徒が気軽に立ち寄れる高校内カフェ, 通称 ぴっかりカフェ をオープンした 現在, ぴっかりカフェは毎週 1 回, 木曜日の昼休みと放課後に開かれているが, 毎回, 大勢の生徒でにぎわい, 人気を博している ぴっかりカフェを訪問した生徒は, 飲み物やお菓子を片手に, 本を読んだり, 何気ない会話をしたり, 楽器を演奏したりして, それぞれがくつろいだ時間を過ごしている また, ぴっかりカフェには, 年齢の近い大学生ボランティアや地域の市民ボランティアも参加しており, 生徒は先生や親にはなかなか話せないことを相談して, アドバイスをもらったりすることもある この ( ぴっかりカフェの様子 )