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以下 変数の上のドットは時間に関する微分を表わしている (ex. 2 dx d x x, x 2 dt dt ) 付録 E 非線形微分方程式の平衡点の安定性解析 E-1) 非線形方程式の線形近似特に言及してこなかったが これまでは線形微分方程式 ( x や x, x などがすべて 1 次で なおかつ

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マルチボディダイナミクス手法を取り入れて 計算時には, はじめに剛体の質量 慣性半径 重心位置や連結要素の取り付け位置, 初期荷重などを定義する, 運動方程式はシミュレーション実行中に自動導出され これを時間 Δt 毎に積分する ここでは数値積分にRunge-Kutta- Gill 法を用いている

今週の内容 後半全体のおさらい ラグランジュの運動方程式の導出 リンク機構のラグランジュの運動方程式 慣性行列 リンク機構のエネルギー保存則 エネルギー パワー 速度 力の関係 外力が作用する場合の運動方程式 粘性 粘性によるエネルギーの消散 慣性 粘性 剛性と微分方程式 拘束条件 ラグランジュの未

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鉄道における車輪 レール間の動的転がり接触解析 第 42 回 FrontISTR 研究会 ( 公財 ) 鉄道総合技術研究所鉄道力学研究部計算力学研究室林雅江

目次 1 研究背景および開発目的 2 解析結果のご紹介 大規模一台車モデルによる曲線走行の実現 一台車モデルの構築 ( 高い計算精度と自由度の抑制を両立したメッシュ ) 複雑な曲線モデルの自動生成機能 解析ツールのソルバー部分の高速化 衝撃挙動の計算例 車輪フラットを有する車輪モデルによる数値解析 MBD との連成システムの構築と計算例 3 今後の展望 2

目次 1 研究背景および開発目的 2 解析結果のご紹介 大規模一台車モデルによる曲線走行の実現 一台車モデルの構築 ( 高い計算精度と自由度の抑制を両立したメッシュ ) 複雑な曲線モデルの自動生成機能 解析ツールのソルバー部分の高速化 衝撃挙動の計算例 車輪フラットを有する車輪モデルによる数値解析 MBD との連成システムの構築と計算例 3 今後の展望 3

研究背景 鉄道車両の走行 車輪 レール間の振動 衝撃力 接触面の相対すべり 移動 車輪 バラスト層 ( 砕石集合 ) 現状対策 : 定期的なメンテナンス 荷重 振動加速度 発生メカニズムは未解明な点が多い 車輪側 レール側 波状摩耗 フラット 多角形摩耗 きしみ割れゲージコーナーき裂 バラストの粉粒化によるの軌道の沈下 安全性 乗り心地 騒音 現象解明によって より適切なメンテナンス頻度 よりよい形状設計につなげられる

車輪 レール間の接触問題に関するアプローチ 実験的なアプローチは困難 接触面積が小さく 接触部の応力は数百 MPa レベル ( センサが壊れる ) マクロな量 ( 輪重 横圧など ) を測るなど間接的な評価が一般的 理論的アプローチ Hertz の接触理論 車輪 レールを単純な形状 ( 円柱面と円柱面 ) とみなす まっすぐに押しつけ合う場合の弾性範囲の解析解 ( 転がっていない ) 数値解析的アプローチ Kalker の CONTACT 実際の車輪 レールの複雑形状 / 複雑な接触状況 ( スピンや側面での接触 ) に拡張 BEM ベースの数値解析プログラム 非線形材料の取り扱いが弱い FEM モデルによる数値シミュレーション 材料非線形 より現実的な接触の取り扱い 動解析

解析対象のサイズや接触面で起こる現象 接触領域はわずか数センチ四方のサイズ 進行方向前側と後側にそれぞれ 固着 すべり が発生 接触領域の精緻な評価には,1ミリオーダーやそれ以下の離散化が必要 大規模計算となるため, 転動状態の再現による動解析事例は少ない 接触領域における固着 / 滑り分布 接触領域における微視すべり X. Zhao, Z. Li, The solution of frictional wheel-rail rolling contact with a 3D transient finite element model: Validation and error analysis, Wear, 271, pp.444-452, 2011.

車輪 レール間の転がり接触解析ツール 大規模並列有限要素法構造解析ソフトウェア FrontISTR に 機能拡張をすることで 車輪 レール間の転がり接触解析 ツールを開発 トルクによる駆動力制御 ( 公開版へ ) 走り終わったレールを再利用するキャタピラメッシュ機能 レールモデル端部における反射波低減境界の導入 独自のパーティショニング ( paracon へ ) 車輪 レール ( ブロックに分割 ) 伝搬 弾性波を減衰 キャタピラメッシュ 弾性波 反射波低減領域 ( レーリー減衰 ) 反射波低減境界 接触領域を常に一領域に収めるパーティショニング

FrontISTR における動的接触解析手法 弾性 / 弾塑性解析 ( 本発表では弾性解析 ) 時間積分 :Newmark β 法 接触解析 : 法線方向 ラグランジュ乗数法 接線方向 ペナルティ法 摩擦力を考慮 ( クーロン摩擦 ) 領域分割法による並列計算 行列方程式解法 : 分散並列用直接解法 MUMPS ( ベース )

目次 1 研究背景および開発目的 2 解析結果のご紹介 大規模一台車モデルによる曲線走行の実現 一台車モデルの構築 ( 高い計算精度と自由度の抑制を両立したメッシュ ) 複雑な曲線モデルの自動生成機能 解析ツールのソルバー部分の高速化 衝撃挙動の計算例 車輪フラットを有する車輪モデルによる数値解析 MBD との連成システムの構築と計算例 3 今後の展望 9

目次 1 研究背景および開発目的 2 解析結果のご紹介 大規模一台車モデルによる曲線走行の実現 一台車モデルの構築 ( 高い計算精度と自由度の抑制を両立したメッシュ ) 複雑な曲線モデルの自動生成機能 解析ツールのソルバー部分の高速化 衝撃挙動の計算例 車輪フラットを有する車輪モデルによる数値解析 MBD との連成システムの構築と計算例 3 今後の展望 10

解析モデルの変遷 加速トルク まくらぎ方向変位拘束 軸重 軸半断面にまくらぎ方向変位拘束があるため 直線走行のみ 左右動 ローリングが再現できない 一軸一輪モデル まくらぎ方向変位拘束 加速トルク 車体荷重 加速トルク 軸重 二軸二輪モデル 1 1

一台車モデルを用いた曲線走行の再現 実形状一台車モデルによる曲線走行の実現 新幹線の車輪/ レールの幾何形状を精緻にモデル化 ( 最小メッシュサイズは2mm) 簡易な側はり/ 軸はり構造を組み込んだ 一台車モデル を用いる 緩和曲線 (60m) 直線 (10m) カント 150mm( 最高速度 40km/h) 計算は 20km/h での走行 12

大規模モデルを用いた曲線走行実現のために 曲線走行を実現するための要素技術 曲線形状は複雑なため手作業のモデル作成は困難 緩和曲線(3 次放物線 / サイン半波長逓減曲線 ) カント( プロペラ [ 軌道中心線が回転中心 ]/ 片上げ [ 内軌が回転中心 ]) Step1 一つの曲線区間をセグメントに分割する Step3 rr(0 rr 1) の断面について局所座標 rr, ss, tt を求め断面毎に節点を配置する Step2 セグメント毎に媒介変数 rr(0 rr 1) を用い曲線形状に沿う近似多項式を求める xx PP = xx 1 rr = aa 3 rr 3 +aa 2 rr 2 aa 1 rr +aa 0 yy 1 (rr) = bb 3 rr 3 +bb 2 rr 2 bb 1 rr +bb 0 13 13

解析結果 緩和曲線走行時の相当応力分布 ( 視点 1) 14

解析結果 緩和曲線走行時の相当応力分布 ( 視点 2) 15

解析結果 ( 曲線内でのフランジ接触 ) フランジ接触発生時の相当応力分布 16

解析結果 ( 曲線内でのフランジ接触 ) レールのみ表示 17

計算速度のボトルネック どこに / なぜ時間がかかっているのか? ボトルネックは領域再分割とソルバー部分の二つだったが Paracon 機能を利用することとなり再分割のコストは解消 内訳のほとんどは ソルバーによる求解 なぜ ソルバー部分にそんなに時間がかかるのか? 接触を 厳密 に解いている ペナルティ法 ( 仮想バネ ) ではなくラグランジュ未定乗数法 ( つり合い ) ラグランジュ未定乗数法による接触解析の求解 解くべき方程式 : 求解に 直接法 を用いている 大規模なモデル ( 数百万自由度レベル ) を扱っている 大規模並列計算で高速化するための要件 非正定値行列 反復法では解き難い 大規模並列計算において 直接法では限界がある 18

現行の解法 ( 直接法 ) による並列化効率 Cray XC30(Intel Xeon E5-2695 2.4GHz) による計算結果 使用した解析モデル 927,000 節点 808,000 要素 1 軸 1 輪モデル 接触部の最小メッシュサイズは1mm 32 並列あたりが直接法での高速化の限界 Elapsed time for 100 time steps(s) SMP parallel with 32 process Elapsed time for 100 time steps(s) Strong Scaling, 24threads/process 速度が頭打ちに 19

ソルバー部分の高速化 ( 反復法の適用 ) 接触部の求解アルゴリズムの違いと高速化の関係 一般的な有限要素法による求解 ( ペナルティ法を用いた接触計算も含む ) 解くべき方程式 : Ku = f 正定値行列 反復法で解きやすい ラグランジュ未定乗数法による接触解析の求解 解くべき方程式 : 非正定値行列 反復法では解き難い 自由度消去 正定値行列 ただし 自由度消去よにる正定値化により反復法が適用可能に ただし その過程であらわれる疎行列の三重積や新係数行列通信テーブルの構築 再構築の処理が不可欠 のために 20

高速化の効果検証 ( 逐次ベンチマークテスト ) まずは 通信テーブルの再構築などの必要のない逐次ケース 大変形 摩擦 ( 接触 ) を考慮した動解析 解析規模は約 18 万自由度 反復法の計算手順は以下の通り 1 解くべき式をK u p =f に変換 2 収束性向上のための前処理 (ILUやSSORなど) 3 GPBiCG 法で反復計算 Avg. time/solve [s] 60.00 50.00 40.00 30.00 20.00 10.00 直接法の 37 倍の高速化 ( 最大 ) 解析モデル 0.00 Diag SSOR ILU(1) ILU(2) ILU(1) ILU(2) GPBi-CG with elim. GPBi-CG Without without elim. MKL elim. Paradiso PARDISO 反復法直接法 解析モデルの変形図 計算時間の比較 ( 直接法 / 反復法 ) 21

車輪 レール転がり接触モデルでの効果 計算時間 (s) 8500 8000 7500 7000 6500 6000 約 300 万節点 (900 万自由度 ) のモデル CrayXC30 (Intel Xeon E5v2, 24core/node) 上で評価 反復法は AMG 前処理 (Trillinos ML) と GMRES(40) を採用 最適な直交基底数を事前に調査 ( 下図右 ) ストロングスケーリングで 96 並列まで高速化 MUMPS@96 並列では 46000s に対して約二倍の高速化 0 20 40 60 80 100 120 GMRES 法の直交基底の数 70000 60000 50000 40000 30000 20000 10000 0 0 50 100 150 200 250 300 350 400 並列数 さらなる規模のケースを想定したとき直接法では 計算量およびメモリ使用量が急激に増大することを踏まえると 反復法にしたことの効果は大きい 計算時間 (s) 24 48 MUMPS96 並列 実用問題でも二倍の高速化 さらに 並列数を増やしても安定して計算可能 通信部分の最適化 スレッド並列化などによって今後もさらなる高速化が見込める 96 192 22

目次 1 研究背景および開発目的 2 解析結果のご紹介 大規模一台車モデルによる曲線走行の実現 一台車モデルの構築 ( 高い計算精度と自由度の抑制を両立したメッシュ ) 複雑な曲線モデルの自動生成機能 解析ツールのソルバー部分の高速化 衝撃挙動の計算例 車輪フラットを有する車輪モデルによる数値解析 MBD との連成システムの構築と計算例 3 今後の展望 23

フラットを有する車輪の転がり接触解析 このイメージは 現在表示できません 車輪フラットとは 列車の急激な加減速等によって レールと接する面( 踏面 ) にできる傷 フラット部分がレールと当たるたびに衝撃力が発生 車両や軌道に悪影響を与える( 損傷要因 ) 騒音の発生( カンカンという音 ) 実験的にその影響を調べる取り組みもある その際は機械加工を行う ( 右下図 ) 車輪フラットの数値解析 開発した数値計算手法を用いて 車輪のモデルにフラットをつけた状態で車輪を転動させ 車軸の振動を調べた 24

フラットを有する車輪の転がり接触解析 ( 結果 1) 25

フラットを有する車輪の転がり接触解析 ( 結果 2) 走行速度は約 30km/h 車軸中心の節点における 上下方向加速度の時刻歴 転動方向 最大加速度は( 走行速度にも依存するが ) 数千 m/s 2 にも及ぶ 開発したツールで衝撃力の再現が可能であることが確認できた 26

目次 1 研究背景および開発目的 2 解析結果のご紹介 大規模一台車モデルによる曲線走行の実現 一台車モデルの構築 ( 高い計算精度と自由度の抑制を両立したメッシュ ) 複雑な曲線モデルの自動生成機能 解析ツールのソルバー部分の高速化 衝撃挙動の計算例 車輪フラットを有する車輪モデルによる数値解析 MBD との連成システムの構築と計算例 3 今後の展望 27

MultiBodyDynamics システムとの連成 既存の FEM 計算 一定の車体荷重 加速トルク 実際には 車体の運動とともに時々刻々と変化する車体荷重 加速トルク とはいえ 車両の複雑な機構 ( バネ ダンパー ) を全て FEM でモデル化するのは現実的ではない 28

今後の展望 29

熱構造連成解析の検討 熱 - 構造連成解析手法の構築 制動時の車輪 ~ 制輪子間の摩擦熱の伝導 外気への熱拡散 温度依存性材料の構成式の導入 熱影響を考慮した弾塑性構成式への拡張 制輪子 車輪 / 制輪子間の摩擦熱 Q 30

ご清聴ありがとうございました 31