<4D F736F F F696E74202D EA474AE71B6A9A4D32DA4E9A4E5C1BFBD5A28B1C6AAA9ABE1292E707074>

Similar documents
Microsoft PowerPoint 次世代自動車講義

2 前頭前野を活発に働かせる 3 原則 のうきのう最も高次の脳機能を司っている前頭前野を 生活の中で活発に働かせるための原則そうちを 脳機能イメージング装置 ( 注 1) を用いた脳科学研究成果から見つけ出しました 読み 書き 計算をすること 他者とコミュニケーションをすること 手指を使って何かを作

Microsoft PowerPoint _kawashima_DL

Microsoft Word - tohokuuniv-press _03(修正版)

これは何だろう 野菜かな 目の前の環境に適応した結果 どうやって使うんだっけ 物事が分かりづらくなったことで募る焦りや不安などのストレスが もういやっ!! 異食 という BPSD につながる 認知症の進行につながる 認知症ケア最前線 Vol

ヒト脳機能データ推定システムの研究開発

課題 1-1 画像からの 3 次元形状推定 画像を刺激とした入力刺激の次元圧縮を行うため ヒトの視覚処理と似た画像処理を行うことで どのような情報が抽出可能であるかを調査した ヒトの一次視覚野で行われているような方位情報抽出をフィルタ処理により行った その方位情報をアルゴリズムにより加工することで

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

認知症の有病率 筑波大学臨床医学系精神医学 朝田隆 1 認知症の有病率調査 全国 7か所で認知症高齢者数 ( 有病率 症状別 分布 所在の推計 ) を推計する 2

Microsoft PowerPoint - 身心14May29saiki

HSR第15回 勉強会資料

課題ア -1 fmri と超多チャンネル MEG による脳活動計測のオンラインアルゴリズム技術 ダイナミクスモデルに基づく階層変分ベイズ推定の有効性の検証 オンライン階層変分ベイズ推定の日をまたがる汎化性能の向上 ダイナミクスモデルに基づく階層変分ベイズ推定 ダイナミクスモデルに基づく階層変分ベイズ

Microsoft Word - 【確定】東大薬佐々木プレスリリース原稿

函館市認知症ケアパス

「複数モダリティー統合による 脳活動計測技術の研究開発」

untitled

<4D F736F F D E D8A E291E F0939A816A>

報道関係者各位 2019 年 1 月 17 日 国立大学法人筑波大学 株式会社 MCBI 認知機能の低下を評価する有効な血液バイオマーカーの発見 認知症発症の前兆を捉える 研究成果のポイント 1. アルツハイマー病など認知症の発症に関わる3 種類のタンパク質の血液中の変化が 軽度認知注障害 (MCI

脳循環代謝第20巻第2号

3T MRI導入に伴う 安全規程の変更について

ス ペ クト ドパミン神経の状態をみるSPECT検査 検査の受け方 診察を受けます 疑問や不安がありましたら 納得が 検査前 ス ペ クト いくまで確認しておきましょう 新しいSPECT検査 検査の予約をしてください 検査に使う薬は検査当日しか 使えませんので 確実に来られる 日に予約してください

Ⅲ 研究論文 憶える を可視化する技術 ~NIRS とワーキングメモリー ~ 保健管理センター准教授川池陽一 NIRSとは NIRS( 近赤外線スペクトロスコピィ ) は 近赤外光を用いて脳内の毛細血管のヘモグロビンの変化を測定することで画像化する方法である 波長 700nm から 2500nm の

Microsoft Word - 4㕕H30 �践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪ�ㅥㅩㅀ.docx

<4D F736F F D E616C5F F938C91E F838A838A815B835895B68F B8905F905F8C6F89C8816A2E646F63>

第三問 : 認知症の主な症状にどのようなものがあるか 下枠に二つ記入してください 例 ) 同じことを何度も言うなど ( 答えはたくさんあります ) 例 ) ささいなことで怒るなど ( 答えはたくさんあります ) 第四問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには

神経行動療法とは 神経行動療法への展開 認知コントロール訓練の DBT 増強効果 認知コントロール訓練による脳血流の変化 大うつ病の弁証法的行動療法 (DBT) による治療に 注意持続機能と作動記憶を増強させる Cognitive Control Training(Wells の注意訓練 +Pace

発行 : 日本のお手玉の会本部 愛媛県新居浜市泉池町 10 番 1 号 TEL: / FAX: 特別寄稿 連載 お手玉と前頭前野 お手玉が脳にとって良いのか否か 第 4 回前頭前野と学習 ( 平成 31 年 4 月 ) 脳科学者森昭雄


Microsoft Word - シラバス.doc

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

記憶を正しく思い出すための脳の仕組みを解明 ~ 側頭葉の信号が皮質層にまたがる神経回路を活性化 ~ 1. 発表者 : 竹田真己東京大学大学院医学系研究科統合生理学教室特任講師 ( 研究当 時 )( 現順天堂大学大学院医学研究科特任講師 ) 2. 発表のポイント : 脳が記憶を思い出すための仕組みは解

Ø Ø Ø

一行あけ

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

Microsoft PowerPoint - 心と脳.ppt [互換モード]

みんなで学ぼう! 認知症

1. 背景コンピュータが目覚ましく進歩し 演算速度や記憶容量の大きさでは人の脳を凌駕するスーパーコンピュータも出現してきました しかし 言語を用い 直観を働かせ 抽象や概念を形成し 問題への解答を見いだし 自分自身を改善する 人間のような思考能力を持つ人工知能の実現にはまだ遠い道のりがあるように見え

フレイルのみかた

0_____目次.indd

PowerPoint プレゼンテーション

9(1) 介護の基本的な考え方 9() 介護に関するこころのしくみの基礎的理解 9() 介護に関するからだのしくみの基礎的理解 9(4) 生活と家事 5 9(5) 快適な居住環境整備と介護 9(6) 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 4 4 理論と法的根拠に基づき介護を行うこと

研究報告書レイアウト例(当該年度が最終年度ではない研究班の場合)

2016年度 心理検査講習会最終版

いて認知 社会機能障害は日々の生活に大きな支障をきたしますが その病態は未だに明らかになっていません 近年の統合失調症の脳構造に関する研究では 健常者との比較で 前頭前野 ( 注 4) などの前頭葉や側頭葉を中心とした大脳皮質の体積減少 海馬 扁桃体 視床 側坐核などの大脳皮質下領域の体積減少が報告

事業内容

千葉テストセンター発行 心理検査カタログ

アルツハイマー型認知症ってどんな病気?

Microsoft Word 西方抄読会資料.docx

第43号(2013.5)

研究の背景社会生活を送る上では 衝動的な行動や不必要な行動を抑制できることがとても重要です ところが注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などの精神 神経疾患をもつ患者さんの多くでは この行動抑制の能力が低下しています これまでの先行研究により 行動抑制では 脳の中の前頭前野や大脳基底核と呼ばれる領域が

lesson03.key

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 の相対生存率は 1998 年以降やや向上した 日本で

PowerPoint プレゼンテーション

報道発表資料 2007 年 11 月 16 日 独立行政法人理化学研究所 過剰にリン酸化したタウタンパク質が脳老化の記憶障害に関与 - モデルマウスと機能的マンガン増強 MRI 法を使って世界に先駆けて実証 - ポイント モデルマウスを使い ヒト老化に伴う学習記憶機能の低下を解明 過剰リン酸化タウタ

附帯調査

的な記憶を使って素早く学習しますが 練習時間が長くなると長期的な記憶を使い 長く記憶を残せるようになります 例えば いちど練習してできるようになった運動のやり方を忘れてしまっても 2 回目に練習するときは 1 回目より早くできるようになります これは 短期の記憶が失われても 長期の記憶が残っているか

Taro-自立活動とは

Human Developmental Research 2014.Vol.28, 注意欠陥 / 多動性障害, 広汎性発達障害, 及び合併症例の前頭葉機能評価 ( 中間報告 ) 福井大学子どものこころの発達研究センター 浅野みずき Frontal lobe functions in a

INTRODUCTION 各人が被験者となり 脳波の測定を実際に経験することで 測定方法や 得られたデータの評価方 法などを学ぶ METHODS 頭部の皮膚の所定の部位をアルコールでよく拭き ペーストをつけて電極を接着する 電極の位置は国際 法に従う 増幅器の時定数は 0.3 秒にする

01 R1 å®�剎ç€fl修$僓ç€flä¿®ï¼„æł´æŒ°ç€fl修+å®�剎未組é¨fi蕖咂ㆂ;.xlsx

研究の背景私たちの日常生活においては モノを持つ ドアを開ける 高いところにあるモノをとる 料理をする 自動車の運転をするなど 様々な活動の過程で視覚情報に基づき五指と上肢の協調的な運動を行っています 健常な人においては特に意識をしなくても使うことができる機能です しかし 協調的な運動をするための機

 

統合失調症患者の状態と退院可能性 (2) 自傷他害奇妙な姿勢 0% 20% 40% 60% 80% 100% ないない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 尐ない 中程度 高い 時々 毎日 症状なし 幻覚 0% 20% 40% 60% 80% 100% 症状


(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

従来の画像検査では検出できない 高次脳機能障害の病態解明と その労災認定基準に関する研究

職業訓練実践マニュアル 発達障害者編Ⅰ

研究課題 : 認知症高齢者が表出する BPSD( 行動心理学的徴候 ) に対する包括的ケアアプローチに関する研究 -BPSD 軽減のための身体的 情緒的側面からのケアモデルの開発を目的とした実践的取り組み 代表研究者 : 木村裕美 ( 佐賀大学医学部准教授 ) 1. 研究の背景高齢化の進展や高齢者人

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

Microsoft Word 紀要表紙.doc

無料低額宿泊所等を利用する被保護者等に対する知的障害及び適応行動等に関する調査研究

課題名

研究の背景と目的 人の脳が外界の情報を認識するプロセスを認知と呼びます 認知においては それより先行して持っている概念的な記憶との照合が行われます 例えば水に接した人が視覚 聴覚 触覚などを通じて知覚した情報は すでにその人が脳内に持っている水というものの概念的な記憶と照合され どうやらこれも (

<8A DFB8E712E786C73>

IMAGE PREVIEW MRI による認知症性疾患の診断 櫻井圭太ほか P 参照 図 3 70 代女性軽度認知機能障害からアルツハイマー病に進行した症例軽度認知機能障害の時点 (X 年 ) では辺縁系の萎縮を視覚的に評価することは困難だが VSRAD では萎縮の客観的な評価が可能

1 単位対象学年 組 区分 1 年 必修 奥村秀章 黒尾卓宏 晝間久美 保健体育 保健 我が国の健康水準 健康であるための成立要因や条件について理解させ 飲酒や喫煙等の生活習慣について考える 薬物乱用 感染症 エイズの予防対策の重要性について認識させる ストレス社会への対処の仕方や身

2015三井住友_研究結果報告書

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D208E9197BF C D8FC782C68C D8B40945C8FE18A5182C982C282A282C42E646F63>

睡眠調査(概要)

5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

2015電磁波_歯科医.rtfd

居宅介護支援事業者向け説明会

2015リハトレ再版11校

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

評価対象競技会 本選考における評価対象競技会は次のとおりとする 年 年シーズン ( 以下 昨シーズン という ) における W I E NA 及び平成 28 年度全日本選手権 2 平成 29 年度全日本プッシュ選手権 ( 平成 29 年 8 月頃開催予定 以下 プッシュ選手

食糧 その科学と技術 No.47( )

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

2. 研究成果 乳児の視覚のパフォーマンスに関する U 字型変化の発見 人間の視覚系は多数のモジュールから構成されていると考えられている 例えば 視覚刺激は 形 色 動きのような特徴に一度分解され それぞれが特定のモジュールで処理されると考えられている それならば モジュールは生得的に存在するのか

幻覚が特徴的であるが 統合失調症と異なる点として 年齢 幻覚がある程度理解可能 幻覚に対して淡々としている等の点が挙げられる 幻視について 自ら話さないこともある ときにパーキンソン様の症状を認めるが tremor がはっきりせず 手首 肘などの固縮が目立つこともある 抑うつ症状を 3~4 割くらい

第 33 回 ( 平成 27 年度 ) 大阪科学賞記念講演レジュメ ~ 研究者を目指す高校生の皆さんへ 脳情報デコーディング 脳から心を読む技術 京都大学 / 国際電気通信基礎技術研究所 (ATR) 神谷之康 デコーディングとは? サザエさん で有名な長谷川町子にこんな 4 コマ漫画があります 若い

久保:2011高次脳機能障害研修会:HP掲載用.pptx

論文 アルツハイマー型認知症における近赤外光を用いた脳血液量と脳萎縮の関連 清水祐介 * 高橋真悟 * 児玉直樹 * 小杉尚子 * 竹内裕之 * Relations between cerebral blood volume using near-infrared spectroscopy and

日本 現状 図 2013 厚生労働省 全国 10 市 65 歳以 高齢者 9,000 人 象 認知症機能検査 脳 像診断 行 調査結 高齢者認知症 割合 15% 全国 65 歳以 高齢者数 3,080 万人 日本 認知症患者数 462 万人 計 齢 図 う 齢 急速 い 70~74 歳 4.1% 低

心理データ解析演習(前半)藤野

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

2. 手法まず Cre 組換え酵素 ( ファージ 2 由来の遺伝子組換え酵素 ) を Emx1 という大脳皮質特異的な遺伝子のプロモーター 3 の制御下に発現させることのできる遺伝子操作マウス (Cre マウス ) を作製しました 詳細な解析により このマウスは 大脳皮質の興奮性神経特異的に 2 個

Transcription:

スマート エイジング 東北大学加齢医学研究所スマート エイジング国際共同研究センター 川島隆太 http://www.fbi.idac.tohoku.ac.jp/fbi/index.html?lang=en http://www.idac.tohoku.ac.jp/dep/sairc/

スマート エイジングという考え方 伝統的な老化の概念 スマート エイジングの思想 加齢は失うことである 加齢は退化である 灰色になっていく等々 アンチエイジング 年をとることは病気である 年をとることは醜い 若者は年寄よりも優れている 加齢現象は成長であり より賢くなることである 加齢は何かを得ることである 加齢は人間の発達である

スマート エイジングとは何か? エイジングによる経年変化に賢く対処し 個人 社会が知的に成熟すること 年齢と共に人生が豊かになっていく明るく輝くエイジング ~ 高齢者の活力 ~ 豊かな 知縁 社会の創生 誰もが知的好奇心によって繋がり お互いを支えあう社会 ~ 世代間の知恵の共有 ~ アンチエイジングのように 高齢期を認めたくない 遭遇したくないという意味が込められたネガティブな概念ではなく 高齢期を人生の収穫期として積極的に受容しようというもので 高齢社会に対する考え方のパラダイムシフトの提案である

健やで穏やかな生活を送るための四大要素 脳を使う習慣 身体を動かす習慣 バランスのとれた栄養 人と積極的に関わる習慣

大脳は 4 つの部分で構成されている 前頭葉 運動 触覚 頭頂葉 視覚 後頭葉 聴覚 側頭葉

前頭前野が何を行っているのか? 思考創造 行動 情動の制御 コミュニケーション 記憶学習 自発性 身辺自立 意欲 集中力

脳の機能は加齢と共に低下する? 1.0 知識を問うテストの成績 0.0 Z-score -1.0 前頭前野の働きを必要とするテストの成績 -2.0 20 30 40 50 60 70 80 90 年齢 Salthouse 2006 より改編

東北大学加齢医学研究所のシーズ 脳機能イメージング技術

ラット用脳波計測装置 + 神経細胞活動記録 Simultaneous recoding by multi-channel EEG and multi-unit recording

小動物用 MRI 装置 + 脳波計測 & 神経細胞活動記録 10

機能的 MRI 装置 (fmri) 研究専用超高磁場 (3T)MRI 装置の稼働 精緻な解剖情報取得 神経線維連絡の解析 個人の脳活動の評価が可能に

近赤外計測装置 (NIRS) より自由度の増したウエアラブルタイプの導入 日立基礎研究所試作機 従来型 NIRS +

ヤマハ発動機 ( 株 ) との産学連携 ~ 自動二輪運転中の脳活動計測 ~

脳磁計測装置 (MEG) 脳波計測装置 160 チャンネル MEG 192 チャンネル EEG

写真を見ている時の脳活動計測 (fmri 実験 ) + 好き? 普通? 嫌い? +

結果 (fmri 実験 ) 好きな写真を見ている時の脳活動 (5 名の平均活動 )

写真を見ている時の前頭前野の活動 前頭前野の前 ~ 下面 好き 普通普通好き普通嫌い + + + + + (time)

写真を見ている時の前頭前野の活動 前頭前野の前 ~ 下面 好き 普通普通好き普通嫌い + + + + + (time)

写真を見ている時の前頭前野の活動 前頭前野の前 ~ 下面 好き普通普通好き普通嫌い + + + + + (time) 1.5-1.5 好き判断 (Attractive) に関連する脳活動 普通判断 (Neutral) に関連する脳活動 嫌い判断 (Nonattractive) に関連する脳活動

超小型近赤外計測装置の開発 Under Development 20

脳を鍛えるとは何か? Takeuchi et al. Training of working memory impacts structural connectivity. Journal of Neuroscience, 30: 3297-303, 2010.

作動記憶 理解 学習 推論など認知的課題の遂行中に情報を一時的に保持し操作するためのシステム 学習効果作動記憶のトレーニング作動記憶力アップ! 流動性知能アップ! 転移効果 新しい場面に適応する新しい問題を解決する方法を見つけ出す さまざまな認知力アップ!

作動記憶トレーニング 視空間スパン課題 ( 空間位置の記憶 ) N バック課題 ( 計算負荷 ) ( 数字の記憶 + 二重課題 ) 3+2 1+1 6+1 1+2 答えを記憶 (5) 答えを記憶 (2) 答えを記憶 (7) 2 つ前の答えを回答 =>5 答えを記憶 (3) 2 つ前の答えを回答 =>2 10 名の若年健常被験者 ( 平均年齢 19.6 歳 ) 認知機能検査脳画像検査 作動記憶トレーニング (2 カ月 ) 1 日約 25 分週 3~5 日間 認知機能検査脳画像検査

視空間スパン課題

N バック課題 ( 計算負荷 ) 3 + 2 1 + 1 5 + 1 => 5 1 + 2 => 2. 53 12 7 + 31 4 => 課題の説明 ( 再記 )

スケルトン競技成績が向上 冬季オリンピックの正式採用競技 スケルトンはソリに加速を与え ソリに頭部から乗り込み 頭を前にしたうつ伏せの姿勢で滑走する 標高差 100~140m 全長 1200~1500mの氷壁のコースの滑走タイムを競い 最高時速は130km/hにも達する 59 秒)ベス 58 トタ 57 イ y = -0.56x + 62.71 56 ム R 2 = 0.8174 (55 r=0.9041 P<0.01 54 8 9 10 11 12 13 14 空間記憶トレーニング達成レベル 未経験者 09 年度 08 年度 03~06 年度 n=4 n=5 n=17 WMトレーニング実施群 WMトレーニング非実施群 *(P<0.05) 56 57 58 59 60 57 58 59 60 平均タイム ( 秒 ( 秒 ) ) * *

作動記憶トレーニングの効果 訓練していないさまざまな認知課題の成績の向上 + 脳形態の変化 2 か月間のトレーニングによって大脳皮質体積が増加した領域 2 か月間のトレーニング量と相関して大脳皮質体積が増加した領域

どうすれば前頭前野を活性化し 鍛えることができるか?

Functional MRI

脳機能イメージング研究のレビュー 単純計算例 : 2 + 3, 5 + 8 左脳 右脳 音読

手紙を書く 手書きパソコン携帯電話メール

料理 考える 切る 炒める 盛る

テレビやビデオは脳のリラクゼーション テレビを見ている時に活性化する領域 テレビを見る時間が長い高齢者の認知機能は低い (Wang ら 2006) アルツハイマー型認知症になるリスクが高くなる (Lindstrom ら 2005) テレビを見ている時に活動が抑制される領域

読み書き計算の効果 認知症を改善する効果

学習療法とは何か? NHK スペシャル 2007.02.25

高齢者専用教材の開発

症例 混合型認知症 78 歳女性 37

症例 脳血管性認知症 76 歳女性 38

近赤外計測による音読中の 前頭前野機能測定 学習療法前 学習療法開始 1 ヵ月後 82 歳女性アルツハイマー MMSE15 FAB7 学習療法によって 脳の可塑性が生じ 前頭前野の活動性が増強 ( 改善 ) した

学習療法 6 ヶ月間の成果 MMSE の変化 FAB の変化 22 21 20 19 18 17 16 15 前 学習群 (16 名 ) 追跡調査 (2004 名 ) n.s. p < 0.001 p < 0.05 6 カ月後 対照群 (16 名 ) 10 9 8 7 6 5 前 p < 0.001 p < 0.05 n.s. 6 カ月後 学習群と対象群は DSM-IV にてアルツハイマー型認知症と診断された症例 Kawashima et al. J Gerontology 2005

護保険給付額削護保険負担額削減( 個前 5 年後介護度学習療法の経済的効果 1 2 3 4 5 対照群 (19 名 ) ~ 介護保険費用の観点からの試算 ~ 学習群 (16 名 ) 1 年間の平均をすると 学習群の方が 0.17 介護度の低下を緩やかにした 2 介0-2 人) 万円減( 国) 介学習費用( 教材費) -4 介護度が 1 上がると介護保険費用は平均年間約 62 万円増額になる 学習療法を行うことにより 年間約 10 万円の介護保険費用の削減ができる (62 万円 / 年 x 0.17) -6-8 -10

学習療法は世界へ 2011 年トライアル開始予定 トライアル検討中 トリノ工科大学 ( イタリア ) AARP( 米国 ) トライアル検討中 トライアル検討中 >60 Design Center at Tamasek politechiniq ( シンガポール ) THL( フィンランド ) 2011 年トライアル開始予定 ロンドン大学 ( 英国 )

読み書き計算の効果 認知症を予防する効果

脳の健康教室 学習の様子 鶴谷小学校 鶴谷東小学校

使用した教材の例

脳の健康教室 6 ヶ月間の成果 ( 仙台 ) 30 29 28 27 MMSE 得点 対照群 (n = 47) pre p = 0.80 p = 0.055 post 学習群 (n = 51) p = 0.05 15 14 13 FAB 得点 p < 0.001 p = 0.078 p = 0.49 pre post 47 46 45 44 43 42 41 40 DST 得点 p = 0.0044 p = 0.19 p = 0.13 pre post MMSE: Mini-mental state examination ( 全般的認知機能検査 ) FAB: Frontal Assessment Battery at Bedside ( 前頭前野機能検査 ) DST: Digit symbol substitution test of WAIR-R ( 全般的脳機能検査 ) Uchida & Kawashima, Age 2005

大垣健康道場 6 ヶ月間の成果 軽度認知障害疑い参加者の全般的認知機能検査 MMSE 得点の変化 30 29 28 18 名 正常範囲 27 26 25 24 23 20 名 2 名 軽度認知障害疑い 22 21 20 前 6 ヵ月後 認知症疑