<4D F736F F D CC82E898678E77906A E DD8C7697E181698F4390B3816A312E646F63>

Similar documents
コンクリート実験演習 レポート

集水桝の構造計算(固定版編)V1-正規版.xls

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

< B795FB8C6094C28F6F97CD97E12E786477>

Microsoft Word - A doc

<4D F736F F D C082CC8BC882B08B7982D182B982F192668E8E8CB12E646F63>

Taro-2012RC課題.jtd

<4D F736F F D208D7E959A82A882E682D18F498BC78BC882B B BE98C60816A2E646F63>

IT1815.xls

Microsoft PowerPoint - zairiki_10

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月

DNK0609.xls

参考資料 -1 補強リングの強度計算 1) 強度計算式 (2 点支持 ) * 参考文献土木学会昭和 56 年構造力学公式集 (p410) Mo = wr1 2 (1/2+cosψ+ψsinψ-πsinψ+sin 2 ψ) No = wr1 (sin 2 ψ-1/2) Ra = πr1w Rb = π

<8D5C91A28C768E5A8F91836C C768E5A8F A2E786C73>

<8BC882B082A882E682D18EB297CD82F08EF382AF82E CD82E882CC90DD8C E93E7817A2E786477>

目次 1 章設計条件 形状寸法 上部工反力 設計水平震度 単位重量他 柱 使用材料 鉄筋 柱躯体自重 章柱の設計 ( レベル 1 地震


<424F58834A838B836F815B836782CC90DD8C76>

05設計編-標準_目次.indd

Microsoft Word - ›ª†E”–„´.doc

Super Build/宅造擁壁 出力例1

1.2 耐荷力の算定対象となる柱部材の危険断面における耐荷力を算定する場合, 曲げ耐力 ( 課題 1にて学習した方法 ) およびせん断耐力 ( 課題 2の方法 ) を求め, 両者のうち小なる耐荷力がその部材の終局耐荷力となる. 別途設定された設計外力に対して十分な耐荷力を有することはもちろんのこと,

計算例 5t超え~10t以下用_(補強リブ無しのタイプ)

. 軸力作用時における曲げ耐力基本式の算定 ) ここでは破壊包絡線の作成を前提としているので, コンクリートは引張領域を無視した RC 断面時を考える. 圧縮域コンクリートは応力分布は簡易的に, 降伏時は線形分布, 終局時は等価応力ブロック ( 図 -2) を考えることにする. h N ε f e

<4D F736F F D208E9197BF A082C68E7B8D A815B82CC8D5C91A28AEE8F C4816A2E646F63>

AP 工法 による増設壁補強計算例 (1) 設計フロー RC 耐震改修設計指針に示された 中低層鉄筋コンクリート造建物を対象とした開口付き増設壁に AP 工法 を用いて強度抵抗型補強とする場合の補強壁 ( せん断壁 ) の設計フローを示す 周辺架構から補強壁に期待できる耐力の目安をつけ プロポーショ

建築支保工一部1a計算書

RC単純床版橋(オルゼン解析) 出力例

目次 章設計条件 適用基準 形式 形状寸法 地盤条件 使用材料 土砂 載荷荷重 その他荷重 浮力 土圧 水圧 基礎の条件..

構造力学Ⅰ第12回

POWER-直接基礎Ⅱの出力例(表形式)

RC 規準 3 条改定案 平成 0 年 3 月 3 日 /4 月 日第 回公開小委員会提出用 5. 前各項の算定のほか, 梁は次の限度に従うこと. () 長期荷重時に正負最大曲げモーメントを受ける部分の引張鉄筋断面積は,0.004 bd または存在応力によって必要とされる量の 4/3 倍のうち, 小

コンクリート工学年次論文集Vol.35

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E6328FCD2E646F63>

Microsoft Word - 技術資料Vol.2.docx

水平打ち継ぎを行った RC 梁の実験 近畿大学建築学部建築学科鉄筋コンクリート第 2 研究室 福田幹夫 1. はじめに鉄筋コンクリート ( 以下 RC) 造建物のコンクリート打設施工においては 打ち継ぎを行うことが避けられない 特に 地下階の施工においては 山留め のために 腹起し や 切ばり があ

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

<4D F736F F F696E74202D E518D6C8E9197BF31817A92DD82E E494C282CC8D5C91A2>

コンクリート工学年次論文集 Vol.30

国土技術政策総合研究所資料

<4D F736F F D2096D88E4F BE095A88D C982E682E989A189CB8DDE8B7982D197C090DA8D878BE095A882CC8C9F92E8>

Microsoft PowerPoint - zairiki_3

(Ver.4.-L0 Ver.4.-L0) 08 年 0 月 主な項目 新設内容 複合標準第 Ⅲ 編. に準拠した 矩形断面の鋼管 (CFT 矩形断面 ) に関する断面照査機能を追加しました CFT 部材の照査項目別の適用断面 VePP-HS CFT 部材における復旧性の照査 [ 損傷 ] 変形 項

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - OPA M-N破壊包絡線.doc

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

スライド 1

FC 正面 1. 地震入力 1-1. 設計基準 準拠基準は以下による 建築設備耐震設計 施工指針 (2005 年版 ): 日本建築センター FH = KH M G KH: 設計用水平震度 KH = Z KS W : 機械重量 FV = KV M G = 機械質量 (M) 重力加速度 (G) KV =

Microsoft PowerPoint - zairiki_7

1- 擁壁断面の形状 寸法及び荷重の計算 ( 常時 ) フェンス荷重 1 kn/m 1,100 0 上載荷重 10 m kn/ 3, (1) 自重 地表面と水平面とのなす角度 α=0.00 壁背面と鉛直面とのなす角度 θ=.73 擁壁

GEH-1011ARS-K GEH-1011BRS-K 1. 地震入力 参考 1-1. 設計基準 使用ワッシャー 準拠基準は以下による M10 Φ 30 内径 11 t2 建築設備耐震設計 施工指針 (2005 年版 ): 日本建築センター FH = KH M G KH: 設計用水平震度 KH =

付着割裂破壊の検討の概要と取り扱いの注意点

土留め工の設計サンプルデータ 概略出力例 Mix3+2 鉄道標準 慣用法と弾塑性法の設計計算例切梁 アンカー併用工法のサンプルデータ

耐雪型歩道柵 (P 種 )H=1.1m ランク 3 ( 基礎ブロック ) 平成年月日

表 6.3 鉄筋のコンクリートに対する許容付着応力度 (N/mm 2 ) 長 期 短 期 異形鉄筋 かつ 5 上端筋 Fc 以下 75 0 その他の鉄筋 かつ.35 + Fc 以下 25 < 表を全面差し替えた > 長期に対する値の.5 倍 丸鋼 4 Fc かつ 0.9 以下 00

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

材料の力学解答集

1

技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説

コンクリート工学年次論文集 Vol.33

<82658C5E95578EAF928C208BAD93788C768E5A8F >

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631308FCD2E646F63>

<30382D348E6C95D392508F838E788E9D939995AA957A89D78F642E786C73>

コンクリート工学年次論文集 Vol.25

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6

じるとする考え方とは異なり, 曲げモーメントに対する抵抗機構の最大抵抗モーメントにより接合部の終局強度が決まる je De De C M e = ( ) + C (1) 2 2 2bbσ cb T T C + N 0 (2) b = M b Lb = M e (3) L D b c σ

Microsoft Word - KSスラブ 論文.doc

鋼連続合成ラーメン 2 主鈑桁橋へのコンパクト断面設計法および二重合成構造の適用検討 東田典雅 1 西川孝一 1 登石清隆 2 脇坂哲也 2 西村治 2 田嶋一介 2 1 東日本高速道路 ( 株 ) 新潟支社 ( 新潟市中央区天神 1-1 プラーカ3 4F) 2 大日本コンサルタン

第1章 単 位

技術基準およびRC規準改訂による開口補強筋の取り扱いについてわかりやすく解説

事例に基づく耐震性能の評価と被災度区分判定および復旧計画

砂防堰堤設計計算 透過型砂防堰堤

(3) 基準強度 a) 鋼材 平成 12 年建設省告示第 2464 号 ( 平成 19 年国土交通省告示 623 号改正 ) による (N/mm 2 ) 種類 基準強度 鋼材 SS400 板厚が 40mm 以下 235 SM490 板厚が 40mm 以下 325 鋼材の材料強度の基準強度は 表中の値

4

-

Microsoft PowerPoint - 静定力学講義(6)

コンクリート工学年次論文集Vol.35

<4D F736F F F696E74202D AD482DC82C682DF2E B8CDD8AB B83685D>

第1章 単 位

<4D F736F F F696E74202D E838A815B83678D5C91A295A882CC90DD8C7682CC8AEE967B F A2E707074>

<95F18D908F912E4F5554>

Microsoft PowerPoint - 構造設計学_2006

Microsoft Word - 1B2011.doc

コンクリート工学年次論文集,Vol.36,No.2,2014 論文低強度コンクリート RC 部材の合理的なせん断設計法の構築 根口百世 *1 *2 南宏一 要旨 : 本論では, 圧縮強度 13.5N/mm 2 未満の低強度コンクリート RC 部材のせん断強度を, 合理的に評価する手法を提案する 提案

コンクリート工学年次論文集 Vol.30

<4D F736F F F696E74202D BD E838A815B836791A28D9C916782CC94F190FC8C6089F090CD288C9A8CA4292E707074>

日本内科学会雑誌第102巻第4号

破壊の予測

Microsoft PowerPoint - 01_内田 先生.pptx

7-2 材料 (1) 材料一般 1. アンカーの材料は JIS などの公的機関の規格により保証されているものか もしくは所要の品質や性能を有していることを確認したものとする 2. アンカーの材料を組み立てる場合には 各材料は他の材料に悪影響を与えないことを確認したものを使用する 1) 材料に関する一

Microsoft Word - (23)久保田淳.doc

コンクリート工学年次論文集 Vol.24

第 14 章柱同寸筋かいの接合方法と壁倍率に関する検討 510

コンクリート工学年次論文集 Vol.28

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631318FCD2E646F63>

Microsoft PowerPoint - zairiki_11

コンクリート工学年次論文集 Vol.30

公開小委員会 鉄筋コンクリート構造計算規準の改定案

アンカーボルトの扱いとルート3における露出型柱脚の検討について分かりやすく解説

Transcription:

付録 1. 吹付枠工の設計例 グラウンドアンカー工と併用する場合の吹付枠工の設計例を紹介する 付録図 1.1 アンカー配置 開始 現地条件の設定現況安全率の設定計画安全率の設定必要抑止力の算定アンカー体の配置計画アンカー設計荷重の設定作用荷重および枠構造の決定設計断面力の算定安全性の照査 土質定数 (C φ γ) 等を設定 例 ) ここでは Fs0.95~1.05 を設定 例 ) ここでは Fsp1.20~1.50 を設定 極限平衡法などを用いた必要抑止力の設定 アンカー本数 間隔 段数などの設定 アンカー設計荷重 (P) アンカー仕様の決定 アンカー設計荷重が枠に等分布荷重として載荷されると仮定 ( 単純ばり連続ばり 張出ばり ) した場合の作用荷重の算定アンカー位置をはりの支点と考えて 設計曲げモーメント せん断力を単純ばり 連続ばり 張出ばりなどと仮定した算定 断面耐力の照査 終了 付録図 1.2 設計断面耐力の算出フロー ( 例 ) 付 1

1. 限界状態設計法による設計例 11 作用荷重およびはりの種類 のり枠に作用する荷重は グラウンドアンカーの設計荷重およびその荷重に対する地盤の反力とする 設計基準強度 : f ck 18N/mm 2 アンカー設計荷重 : P 398.0kN/ 本 地盤からの反力 : W P 398.0 10 3 72.36 N/mm (L1+L2b) (3,000+3,000500 ) P : グラウンドアンカー設計荷重 (N) W : 地盤からの反力 (N/mm) L : 枠長 (L1: 縦枠 L2: 横枠 張出長 ;1/2 L11/2 L2) b : 枠幅 P P W A A 付録図 1.3 アンカー配置 地盤からの反力は等分布荷重を仮定し アンカー位置を支点とした張り出しばりとして計算する アンカーの設計荷重およびその地盤からの反力は 縦方向 横方向にほぼ均等に伝達されるものと仮定して 枠に作用する荷重は二方向ばりとして算定する 計算に用いる作用曲げモーメントは 以下のとおりとする 作用曲げモーメント : M 1 W L 2 1 72.36 1,500 2 81.41 10 6 N mm 2 2 作用せん断力 : V 3 W L 3 72.36 3,000 130.25 10 3 N 5 5 付 2

12 設計荷重および設計断面力 のり枠工の設計断面力の算出に用いる設計荷重は 作用荷重 ( アンカー設計荷重 ) に荷重係数を乗じて求める ( 設計荷重 Pd 作用荷重 ( アンカーの設計荷重 ) 荷重係数 ) 荷重係数を付録表 1.1 に この計算例で用いる設計荷重および断面諸元を付録表 1.2 付録図 1.4 に示す 付録表 1.1 作用荷重の種類と各限界状態に対する設計荷重 作用荷重の種類 使用限界状態の設計荷重 ( 作用荷重 γf) 終局限界状態の設計荷重 ( 作用荷重 γf) グラウンドアンカー併用作用荷重 1.0 作用荷重 1.2 付録表 1.2 各限界状態設計時の設計断面 使用限界状態設計時 終局限界状態設計時 設計曲げモーメント Md 81.41 kn m 設計曲げモーメント Md 97.69 kn m 設計せん断力 Vd 130.25 kn 設計せん断力 Vd 156.30 kn 断面諸元 l1 幅 高さ 有効高さ b 500mm h 500mm d 410mm D19 鉄筋の中心間隔 ; 鉄筋が配置される区間に 鉄筋を均 等に配置したときの値とする l1φ cs 100mm n1 l1; 鉄筋の配置長 n; 鉄筋本数 引張鉄筋のかぶり 鉄筋径 引張鉄筋量 c 80mm φ 19mm (SD345) As 1,146mm 2 (4D19) 付録図 1.4 のり枠断面の諸元 付 3

13 部分安全係数 計算例に使用する部分安全係数は 2002 年制定土木学会コンクリート標準示方書 [ 構造性能照査編 ] を参考とし のり面吹付施工となることを考慮して 次のような値を用いる 付録表 1.3 のり枠工の部分安全係数 ( 例 ) 安全係数 材料係数 γm 部材係数 構造解析 荷重係数 構造物 モルタル 鋼材 係数 係数 限界状態 γc γs γb γa γf γi Mud 曲げ 軸耐力 ;1.15 終局限界状態 1.3 1.0 Vcd モルタルが負担するせん断耐力 ;1.30 Vsd せん断補強筋が負担するせん断耐力 ;1.10 Vwcd 斜め圧縮破壊耐力 ;1.30 1.0 1.2 1.2 使用限界状態 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 14 断面諸係数 ( 本編 p43~44 参照 ) f ck 50N/mm 2 の場合 α 0.68 (α0.880.004 f ck 0.68) ε cu 0.0035 fyd 345N/mm 2 ; 鉄筋の設計引張降伏強度 f cd f ck/γc 18/1.3 13.85 N/mm 2 ; モルタルの設計強度 ( 終局限界状態 ) 鉄筋比 p As 1,146 b d 500 410 0.00559 釣合鉄筋比 ε cu pbα ( ) ε cu+fyd/es f cd fyd 0.0035 0.68 13.85 0.01828 0.0035+345/(200 10 3 ) 345 p<0.75 pb より 鉄筋降伏先行型破壊となる OK 付 4

15 安全性能の照査 安全性能の照査は 終局限界状態の曲げとせん断破壊に対して行う (1) 曲げモーメントに対する照査 ( 本編 p43~44 参照 ) 材料強度吹付モルタル圧縮強度の特性値 ( 設計基準強度 ) f ck 18 N/mm 2 吹付モルタル設計圧縮強度 f cd 13.85 N/mm 2 鉄筋の設計引張降伏強度 fyd 345 N/mm 2 a) 設計曲げ耐力の算定 終局曲げ耐力は次式により算出する k2χ 圧縮合力 中立軸 b 500 d 410 β 0.52+80ε cu 0.8 k1 0.85 (k110.0030 f ck 0.85) 引張合力 k2 β/20.4 ; 圧縮縁から中立軸までの距離 ⅹ に対する圧縮合力までの距離の比 p 0.00559 k2 p fyd Mub d 2 p fyd (1 ) β k1 f cd 0.4 0.00559 345 500 410 2 0.00559 345 (1 ) 0.8 0.85 13.85 148.82 10 6 N mm 設計曲げ耐力は次式により算出する Mu 148.82 10 6 Mud 129.41 10 6 N mm γb 1.15 b) 安全性に対する照査 Md γi 1.2 97.69 10 6 0.91 1.0 OK Mud 129.41 10 6 付 5

(2) せん断力に対する照査 ( 本編 p45~46 参照 ) a) 吹付モルタルが負担する設計せん断耐力 (Vcd ) の算出 fvcd 0.20 (f cd) 1/3 0.48N/mm 2 βd (1000/d) 1/4 1.25 (d;mm) βp (100 p) 1/3 0.82 βn 1.00 Vcd βd βp βn fvcd bw d/γb 1.25 0.82 1.0 0.48 500 410/1.377,585 N b) せん断補強筋が負担する設計せん断耐力 (Vsd) の算出 使用するせん断補強鉄筋の仕様を以下に示す 区間 S におけるスターラップの総断面積 (2D16) Aw 397.2mm 2 スターラップの配置ピッチ s 300mm せん断補強鉄筋の設計降伏強度 fwyd 345N/mm 2 圧縮応力の合力位置から鉄筋図芯までの距離 z d/1.15410/1.15356.5mm Vsd(Aw fwyd/s) z/γb (397.2 345/300) 356.5/1.10148,038 N c) 設計せん断耐力 (Vyd) の算出 Vyd Vcd+Vsd 77,585+148,038 225,623 N d) 腹部モルタルの設計斜め圧縮破壊耐力 (Vwcd) の検討 せん断補強筋が降伏せずに 腹部モルタルの圧縮破壊が先行し 脆性的なせん断破壊に至らないこと を確認する fwcd 1.25 f cd 1/2 1.25 13.850 1/2 4.65N/mm 2 7.8N/mm 2 Vwcd fwcd bw d/γb 4.65 500 410/1.3 733,269 N Vyd(225,623N) Vwcd(733,269N) より せん断補強筋が先に降伏することになる OK 付 6

e) 安全性に対する照査 Vpd 156,300 γi 1.2 0.83 1.0 OK 225,623 Vyd Vpd γi 1.2 156,300 0.21 1.0 OK Vwcd 733,269 16 使用性能の照査 使用性能の照査は 使用限界状態の曲げひび割れとせん断ひび割れに対しておこなう 付録図 1.4 より 引張り鉄筋のかぶりcは 80mm であることから 許容ひび割れ幅 Wa は Wa0.005c0.005 800.4mm となる (1) 曲げひび割れに対する照査 ( 本編 p47~48 参照 ) a) 曲げひび割れ幅の算出 鋼材の表面形状がひび割れに及ぼす影響係数モルタルの品質がひび割れ幅に及ぼす影響係数引張り鉄筋の段数の影響を表す係数引張り鉄筋の段数ひび割れ幅の増加を考慮する係数鉄筋応力の増加量 ( 鉄筋の応力度 ) k1 1.00 k2 0.9 k3 5(n+2)/(7n+8)1.0 n 1.0 ε csd150 10 6 σse Md/(As j d)81.41 10 6 /(1,146 0.909 410)190.61N/mm 2 j 1k/310.272/30.909 k (2n p+(n p) 2 )n p0.272 n Es/Ec200/229.09 Es 200 10 3 N/mm 2 Ec 22 10 3 N/mm 2 曲げひび割れ幅 (w) を下式により算出する W1.1 k1 k2 k3 (4 c+0.7 (csφ)) (σse/es+ε csd) 1.1 1.00 0.9 1.0 (4 80+0.7 (10019)) (190.61/(200 10 3 )+150 10 6 )0.411mm b) 安全性の照査 W 0.411 γi 1.0 1.03 > 1.0 NG 0.4 Wa 付 7

(2) せん断ひび割れに対する照査 ( 本編 p48~49 参照 ) a) 永久荷重によるせん断補強鉄筋の応力度 (σwpd) の算出 区間 s におけるスターラップの総断面積 (2D16) Aw 397.2mm 2 スターラップの配置ピッチ s 300mm 永久荷重による設計せん断力 圧縮応力の合力位置から鉄筋図芯までの距離 Vpd 130.25 10 3 N z d/1.15356.5mm σwpd (VpdVcd) s Aw z (130.25 10 3 109.27 10 3 ) 300 397.2 356.5 44.45 N/mm 2 吹付モルタルが負担する設計せん断耐力 (Vcd ) の算出 fvcd 0.20 (f cd) 1/3 0.20 (18/1.0) 1/3 0.52 N/mm 2 ( 使用限界状態 ) βd (1000/d) 1/4 1.25 (d;mm) βp (100 p) 1/3 0.82 βn 1.00 Vcd βd βp βn fvcd b d/γb 1.25 0.82 1.0 0.52 500 410/1.0109.27 10 3 N b) 安全性の照査 設計せん断力 Vpd がモルタルのせん断耐力 Vcd の 70% 以下であれば せん断ひび割れの検討は省略で きる Vpd(130.25 10 3 N)>Vcd 0.7(109.27 10 3 0.776.489kN) となるため 検討が必要である せん断補強鉄筋の応力度の制限値 σa 120N/mm 2 構造物係数 γi 1.0 せん断ひび割れの安全性の照査は 次式によって求められる σwpd 44.45 γi 1.0 0.37 1.0 OK σa 120 付 8

(3) 支圧強度に対する照査 支圧強度の照査は 支圧板の大きさを決めることと関連する 支圧板は グラウンドアンカーの部材であり ( 社 ) 日本アンカー協会の グラウンドアンカー施工のための手引書 で紹介されているので ここでは支圧板の照査方法については 省略することとした したがって 支圧板の検討は ( 社 ) 日本アンカー協会の グラウンドアンカー施工のための手引書 を参考にされたい 17 まとめ 以上のことから 限界状態設計法による吹付枠工の照査結果を付録表 1.4 にまとめる 付録表 1.4 設計計算結果一覧表 項 目 限界状態設計法 設計基準強度 18N/mm 2 断面形状 ( 幅 高さ ) 500 500 使 用 鉄 筋 主鉄筋 (D19 4 2) スターラップ (D16 2/ 組 @30cm) 曲げモーメントに対する照査 0.91 1.0 OK 終局限界状態 せん断力に対する照査 0.83 1.0 OK 曲げひび割れに対する照査 1.03 >1.0 NG 使用限界状態 せん断ひび割れに対する照査 0.37 1.0 OK 尚 鉄筋径を 22mm とすると 使用限界状態の曲げひび割れに対する照査は OK となる * アンカー品質保証試験時におけるアンカー力の扱いについてグラウンドアンカー工の品質保証試験では 原則としてアンカーの設計荷重に 1.5 倍程度を乗じて載荷する 一時的な試験荷重の載荷であるが 吹付枠工に対して終局限界状態以上の荷重を与えることもある 地盤の性状によっては 地盤の変形が大きくなり 有害なひび割れを発生させる可能性があるので 注意して載荷しなければならない 付 9

2. 許容応力度法による設計例 21 作用荷重および梁の種類 11 と同様に仮定する 22 設計断面力 1.2 における使用限界状態設計時と同値を用いる 23 断面諸元 単鉄筋断面として計算する 断面諸元 幅 高さ b 500mm h 500mm D19 有効高さ d 410mm 引張鉄筋量 As 1,146mm 2 (4D19) 付録図 1.5 のり枠断面の諸元 24 許容応力度 吹付モルタルの設計基準強度 f ck 18 N/mm 2 材料強度 吹付モルタルの許容曲げ圧縮応力度 σca 7.0 N/mm 2 吹付モルタルの許容せん断応力度 τca 0.4 N/mm 2 吹付モルタルの許容付着応力度 τoa 1.4 N/mm 2 鉄筋の許容引張応力度 σsa 196N/mm 2 (SD345) 弾性係数比 n 15 25 吹付モルタルの圧縮応力度と鉄筋の引張り応力度の検討 鉄筋比 As p 1,146 0.00559 b d 500 410 これより係数は j0.889 m29.8 となる 付 10

σs Md As j d 81.41 10 6 1146 0.889 410 194.90 N/mm 2 σsa 196 N/mm 2 OK σc σs m 194.90 29.8 6.54 N/mm 2 σca 7.0 N/mm 2 OK 26 吹付モルタルのせん断応力度の検討 τc Vd b j d 130.25 10 3 500 0.889 410 0.71 N/mm 2 > τca 0.40 N/mm 2 OUT スラーラップによる補強が必要 (1) 吹付モルタルが負担する設計せん断耐力 (Vc) の算出 τca b d j 0.4 500 410 0.889 Vc 36,449 N 2 2 (2) せん断補強筋の検討 VsVdVc130,25036,44993,801 N スターラップの配置ピッチ S を 300mm とすると 計算上必要なスターラップ筋の総断面積 Aw1 は下式により求められる Vs s Aw1 93,801 300 393.90 mm σsa j d 2 196 0.88861 410 D16 にて主鉄筋を囲んで配置したとすると Aw1 393.90 mm 2 Aw 397.2 mm 2 OK (3) 鉄筋と吹付モルタルの付着応力度の検討 τo Vd U j d 65,125 240 0.889 410 0.744 N/mm 2 τco 1.40 N/mm 2 OK 主鉄筋の全周長 (D19) U60 mm 4 本 240 mm Vd Vd/2 : 十分なスターラップを併用してせん断力を受けさせた場合にはせん断力を 1/2 に低減できる 付 11