HSR第15回 勉強会資料

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表 1 高齢者虐待の判断件数 相談通報件数 ( 平成 26 年度対比 ) 養介護施設従事者等 ( 1) によるもの虐待判断件数相談 通報件数 ( 3) ( 4) 養護者 ( 2) によるもの虐待判断件数相談 通報件数 ( 3) ( 4) 27 年度 408 件 1,640 件 15,976 件 26

Microsoft PowerPoint - 実務研修・認知症共通

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第15-③章

第三問 : 認知症の主な症状にどのようなものがあるか 下枠に二つ記入してください 例 ) 同じことを何度も言うなど ( 答えはたくさんあります ) 例 ) ささいなことで怒るなど ( 答えはたくさんあります ) 第四問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには

認知症の有病率 筑波大学臨床医学系精神医学 朝田隆 1 認知症の有病率調査 全国 7か所で認知症高齢者数 ( 有病率 症状別 分布 所在の推計 ) を推計する 2

幻覚が特徴的であるが 統合失調症と異なる点として 年齢 幻覚がある程度理解可能 幻覚に対して淡々としている等の点が挙げられる 幻視について 自ら話さないこともある ときにパーキンソン様の症状を認めるが tremor がはっきりせず 手首 肘などの固縮が目立つこともある 抑うつ症状を 3~4 割くらい

みんなで学ぼう! 認知症

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

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まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

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連載臨床医学の現在 ( プライマリ ケアレビュー ) 図 1 DSM- Ⅳ -TR による認知症診断基準の要約 A. 多彩な認知障害の発言. 以下の 2 項目がある. 1) 記憶障害 ( 新しい情報を学習したり, 以前に学習していた情報を想起する能力の障害 ) 2) 次の認知機能の障害が 1 つ以上

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附帯調査

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

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リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

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01 表紙

2018 年度以降に入学した方が対象の科目です 2017 年度以前に入学した方は履修登録できません リング老年心理学 B 2018~ 科目コード FD2545 単位数履修方法配当年次担当教員 2 R or SR( 講義 ) 1 年以上吉川悠貴 161 基礎心理 2017 年度以前に入学した方は 本科

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基本料金明細 金額 基本利用料 ( 利用者負担金 ) 訪問看護基本療養費 (Ⅰ) 週 3 日まで (1 日 1 回につき ) 週 4 日目以降緩和 褥瘡ケアの専門看護師 ( 同一日に共同の訪問看護 ) 1 割負担 2 割負担 3 割負担 5, ,110 1,665 6,

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

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統合失調症患者の状態と退院可能性 (2) 自傷他害奇妙な姿勢 0% 20% 40% 60% 80% 100% ないない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 尐ない 中程度 高い 時々 毎日 症状なし 幻覚 0% 20% 40% 60% 80% 100% 症状

本日のメニュー 若年性認知症の定義 若年性認知症の疫学データ 症例提示 本症例に対する検討事項


臨床神経学雑誌第48巻第7号

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

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問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

( 図 ) 若年性認知症の基礎疾患の内訳 ( 厚生労働省 HP より引用 ) 主な若年性認知症 1, 血管性認知症 (Vascular Dementia:VaD) 若年性認知症では最も多く AD との合併も多くみられます 脳の血管障害 ( 脳梗塞 脳出血など ) により認知症が発症した疾患です 症状

加算 栄養改善加算 ( 月 2 回を限度 ) 栄養スクリーニング加算 口腔機能向上加算 ( 月 2 回を限度 ) 5 円 重度療養管理加算 要介護 であって 別に厚生労働大が定める状態である者に対して 医学的管理のもと 通所リハビリテーションを行った場合 100 円 中重度者ケア体制加算

2. 視空間失認 ( ア ) 注視空間障害 1 バリント症候群同時に 2 つ以上のものを 知覚することが困難 2 半側空間無視 半側空間にある対象の存在を無視 ( イ ) 地誌的障害 1 街並失認 自分の周りの風景がよくわからない 2 道順障害 自宅の道順を説明できない 身体 身体失認 身体認知障害

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適応病名とレセプト病名とのリンクDB

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

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栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

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26 年度後期時間割 時限は下記の通り 11 8:50~10: :30~12: :00~14: :50~14: :40~16: :30~16: :20~17:50 時限の例 開始時限が11で終了時限が11の場合は8:

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健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

特別養護老人ホーム瑞光の里金表 ( 従来型個室 ) ( 平成 30 年 4 月 1 日現在 ) + 口腔衛生管理加算 介護職員処遇改善加算 + 所定単位数 介護度 ,867 21,516 介護度 ,975 23, 介護度

介護度 1 か月 (30 日 ) あたりの施設利用料グループホームかじかの里平成 28 年 5 月 1 日現在 負担割合 介護サービス利用料加算料金居室料食費光熱水費合計 要介護 1 1 割 2 割 22,770 45,540 2,475 4,949 37,500 30,000 11,

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

スライド 1

計画の今後の方向性

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施設長 副施設長 事務長 施設課長 相談員 入所区分 一般 特例 入所申込日 平成 年 月 日 入所申請受付日 平成 年 月 日 特別養護老人ホームさくら苑入所申請書 特別養護老人ホームさくら苑 施設長 坂本正司 様 入所申込者 - 住所 : 氏名 : 電話番号 : -( )- 入所希望者との続柄

脳血管性認知症 脳の血管病変により認知症をきたすことを言う 特に多いのは多発性脳梗塞 2 によるもの ( 多くの小さい血管の流れが悪くなり 多発性の脳梗塞になっている状態 ) 日本では 6 割を占めるが アメリカなどでは認知症の中で 1-2 割だけと言われており人種差がある ただ 日本でも脳血管性認

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ス ペ クト ドパミン神経の状態をみるSPECT検査 検査の受け方 診察を受けます 疑問や不安がありましたら 納得が 検査前 ス ペ クト いくまで確認しておきましょう 新しいSPECT検査 検査の予約をしてください 検査に使う薬は検査当日しか 使えませんので 確実に来られる 日に予約してください

脳卒中に関する留意事項 以下は 脳卒中等の脳血管疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあ たって ガイドラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 脳卒中に関する基礎情報 (1) 脳卒中の発症状況と回復状況脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患

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訪問リハビリテーションに関する調査の概要

4 介護支援専門員証の有効期間を更新するためには 所定の研修の受講が必要です 更新のために必要な研修を受講された人は研修を受講後 有効期間満了の 1 か月前までに様式第 4 号 介護支援専門員証有効期間更新交付申請書 を提出手数料として 香川県証紙 4,200 円分が必要 有効期間満了日までの 5

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平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月


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図表 リハビリテーション評価 患 者 年 齢 性 別 病 名 A 9 消化管出血 B C 9 脳梗塞 D D' E 外傷性くも幕下出血 E' 外傷性くも幕下出血 F 左中大脳動脈基始部閉塞 排尿 昼夜 コミュニ ケーション 会話困難 自立 自立 理解困難 理解困難 階段昇降 廊下歩行 トイレ歩行 病

スライド 1

認知症を診る 現在と未来

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

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平成29年版高齢社会白書(全体版)

ファーストケアチーム 事業実施マニュアル 阿南市保健福祉部福祉事務所 介護 ながいき課 平成 28 年 6 月作成

アルツハイマー型認知症ってどんな病気?

監修 作成作成ご協力者 氏名 中島健二 和田健二 所属 鳥取大学医学部脳神経内科教授 鳥取大学医学部脳神経内科講師

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

科目名

認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅱ 以上の高齢者及び 認知症 施策推進 5 か年計画 ( オレンジプラン ) の公表について 認知症施策検討プロジェクトチームが 平成 24 年 6 月 18 日にとりまとめた 今後の認知症施策の方向性について ( 介護保険最新情報 Vol.291 参照 ) や 同年

【最終版】医療経営学会議配付資料 pptx

板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました

Transcription:

認知症者の介護サービスのあり方に関する研究 HSR( 第 15 回 ) 研究進捗状況報告古城隆雄中島民恵子 2006 年 4 月 20 日 1

今日の内容 研究目的 研究手法 レビュー状況 ディスカッション 2

ディスカッション 研究方法への提案 レビューに対する提案 レビュー方法に対する意見 認知症者が抱える課題 & 対応する政策に関する意見 質疑応答 3

研究目的 認知症を患う本人とその家族 地域が抱える問題を明確にすること 一般の要介護高齢者と比較して認知症者が抱える問題の特異性を明確にすること 社会的に援助が必要な課題 特に現行の政策では対応仕切れていない課題について明確にすること 4

研究手法 先行研究のレビューを通じて 研究目的を明らかにする レビュー方法 MAGAGINEPLUSと医中誌で 論文検索 キーワード ; 認知症 痴呆症 若年認知症 若年痴呆症 期間 :2000 年以降 参考文献の中から関係論文を収集 対象外 : 座談会 シンポジウムの報告 体験談など 5

検索結果の概要 ヒット件数 : 約 750 件 取り寄せ候補件数 : 約 204 件 医学 看護学 薬学の研究で研究目的と合致しないもの 座談会 シンポジウムの報告 体験談 議事録など 研究論文としての体裁をとっていないもの 認知症に関する特集記事は取り寄せ候補とした チェック済み件数 : 約 150 件 引用対象候補件数 : 約 51 件 研究目的に有用な知見を提供するもの 根拠に乏しいもの 単一事例のみを扱ったもの 研究方法に不備があると考えられるもの その他特集記事など研究論文ではないもの 6

論文の構成 1. はじめに 2. 認知症とは何か 定義 診断方法 原因と種類 症状 治療と予防 3. 認知症者の現状 有病率 人数と居住地 4. 認知症がもたらす問題 本人から見た問題 家族から見た問題 地域から見た問題 介護サービス提供者から見た問題 5. 現在の政策実施状況 6. 現状の課題 7

本人から見た問題 Bryden, Christine Dancing with dementia( 痴呆とダンスを )(2004) Who will I be when I die? ( 私は誰になっていくの?) (2003) 沖田裕子 永田久美子 痴呆の人の体験に基づいたケア (2004) 松本一生 (2005) 初期認知症者本人に直接聞き取り調査 8

本人から見た問題 沖田 永田 (2004) 家族全体の生計問題 財産管理が必要 記憶の不安定さ 表現が困難になる 痴呆ケア 出典参照 松本 (2005) 相談相手がいない (87 例 ) 相談に乗ってもらえない (46 例 ) 144 人から回答 9

家族介護者が抱える問題 認知症の判断と受容 認知症の判断が難しい 認知症の判断が遅れる 認知症であることを受け入れられない 介護することを受け入れられない 介護方法 介護方法がわからない 社会的な支援サービスに関する知識がない 介護の負担感と介護の継続 介護負担が重い ストレスに対する対処方法がわからない 適切なサポートがない 在宅で続けられない 虐待 心理的虐待をする 身体的虐待をする 無視をする 経済的虐待をする 10

介護の負担感に関連する研究の概要 Ⅰ 介護の負担感 ストレス研究介護のQOL 介護評価 ( 肯定感 否定感 ) 虐待 Ⅱ 介護者の意識 介護者の状況 ( 属性 代替介護者 ) 要介護者の状況 ( 属性 ADL 自立度 問題行動 ) 家族の状況 介護サービス 11

虐待に関する状況 12

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認知症とは何か ( 定義と診断方法 ) 定義 いったん発達した知的機能が後天的な脳の器質障害による持続的に低下し 日常生活や社会生活が営めなくなっている状態 認知症とは 記憶 思考 見当識 理解 計算 学習 言語および判断力など多くの高次皮質機能の障害であり 慢性的 進行性の経過をたどる脳疾患による症候群である (WHO) 診断方法 神経心理学的テストの実施 ( 長谷川式 MMSE など ) CT MRI 脳 SPECT などの画像診断 せん妄やうつ病との鑑別 治療可能な認知症との鑑別等のため 早期診断が大切 19

認知症とは何か ( 原因と種類 1) 脳血管の疾患 高血圧 脳動脈硬化 脳梗塞などの脳血管障害が原因でおこる認知症 退行性の疾患 年齢が大きな要因となっている疾患で 脳変性疾患が原因でおこる認知症 加齢に伴い脳の神経細胞の脱落が病的な速さで起こり 脳全体に萎縮が起こるためと考えられている疾患で アルツハイマー型認知症と呼ばれる 脳萎縮がみられる 脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症で全体の約 7 ~8 割を占める 20

認知症とは何か ( 原因と種類 2) 感染性の疾患 進行麻痺 ( 中枢神経梅毒 ) 各種髄膜炎 各種脳炎 各種ウイルス性感染症など 中毒性の疾患 各種の薬物中毒 一酸化炭素中毒 慢性アルコール中毒など 内分泌性 代謝性の疾患 甲状腺機能低下症 低血糖症 肝性脳症 慢性低酸素血症 ビタミン B12 欠乏症など 脳外傷性疾患 頭部外傷後遺症 慢性硬膜下血腫など その他の疾患 脳腫瘍 正常圧水頭症 ( 脳髄液の循環障害 ) 多発性硬化症 など 21

認知症とは何か ( 症状 ) 中核症状 精神機能障害 ( 記憶障害 見当識障害 失語 失行 失認 実行機能障害など ) 周辺症状 中核症状が背景となり 周囲の状況 ( 介護者の対応 環境の変化など ) に対する事実誤認 勘違い 判断違い 身体の状況 ( 感染 脱水など ) 心理状態などをもとに起こる精神症状や行動障害 BPSD 22

認知症とは何か ( 治療と予防 ) 薬物療法と非薬物療法 薬物療法 アルツハイマー型認知症の場合 塩酸ドメペジル ( アリセプト ) により 2 年ほど遅延可能 BPSD に対しては グラマリールやリスパダースなどの抗精神病薬 ( 副作用に注意 ) 非薬物療法 回想法 運動療法 予防 認知症の発病遅延効果を証明する強力な証拠を提示するところまで至っていない 食習慣 運動習慣 知的行動習慣などの生活習慣の関連 住民活動教室等の取り組みが比較的見られる 23

認知症者の現状 ( 有病率 ) 国の指導による全国規模での調査は実施されていない 自治体単位で様々な方法で実施されてきたため 有病率にばらつきあり おおよぞ 在宅で65 歳以上人口の4-5% 病院 施設の認知症者を追加すると 6-7% % 35 30 25 20 15 10 5 0 老年期認知症の性別 年齢別有病率 29.8 15.6 22.1 7 12.8 3.9 2 1.1 7.1 3.3 65-69 70-74 75-79 80-84 85 以上 男性 女性 24

認知症者の現状 ( 人数と居住地 ) 要介護 ( 要支援 ) 認定者における認知症高齢者の推計 要介護 ( 要支援 ) 認定者 居宅 特別養護老人ホーム 認定申請時の所在 老人保健施設 介護療養型医療施設 その他 総数 314 210 32 25 12 34 自立度 Ⅱ 以上 149 73 27 20 10 19 自立度 Ⅲ 以上 79 (25) 28 (15) 20 (4) 13 (4) 8 (1) 11 (2) 居宅にいる要介護 ( 要支援 ) 認定者のおよそ3 人に1 人は 何らかの介護 支援を必要とする認知症がある高齢者 介護保険 3 施設にいる要介護 ( 要支援 ) 認定者のおよそ8 割は 何らかの介護 支援を必要とする認知症がある高齢者 今後の増加 2010 年 242 万人 2020 年 325 万人 2030 年 384 万人 2040 年 399 万人 25

地域 認知症者 介護サービス提供者 介護者 同居家族 26

虐待に関する研究 虐待の内容 虐待者の状況 ( 属性 代替者 ) 被虐待者の状況 ( 属性 ADL 自立度 問題行動 ) 27