Microsoft Word - 山辺委員①.doc

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CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐火性能の評価 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLTによる木造建築物の設計法の開発 ( その 3) ~ 防耐火性能の評価 ~ 建築防火研究グループ上席研究員成瀬友宏 1 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐

CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~ 構造研究グループ荒木康弘 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~

Ⅲ 診断判定モデル住宅事例 建物概要 2 階建て木造住宅延べ床面積 53 m2 1 昭和 56 年 6 月以降 2 地盤は普通か良い 3 鉄筋コンクリート基礎 4 屋根は軽い 5 健全である 6 壁量多い 7 筋かいあり 8 壁のバランスが良い 9 建物形状はほぼ整形 10 金物あり 老朽度 診断結

Microsoft Word - 建築研究資料143-1章以外

強化 LVL 接合板および接合ピンを用いた木質構造フレームの開発 奈良県森林技術センター中田欣作 1. はじめに集成材を用いた木質構造で一般的に用いられている金物の代わりに スギ材単板を積層熱圧した強化 LVL を接合部材として用いる接合方法を開発した この接合方法では 集成材と接合板である強化 L

目次構成

説明書 ( 耐震性 ) 在来木造一戸建て用 ( 第二面 ) 基礎根入れ深さ深さ ( mm ) 住宅工事仕様書 適 基礎の 立上り部分 高さ ( mm ) 厚さ ( mm ) 基礎伏図 不適 各部寸法底盤の寸法厚さ ( mm ) 幅 ( mm ) 基礎詳細図 基礎の配筋主筋 ( 径 mm ) 矩計図

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A-2

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耐震等級 ( 構造躯体の倒壊等防止 ) について 改正の方向性を検討する 現在の評価方法基準では 1 仕様規定 2 構造計算 3 耐震診断のいずれの基準にも適合することを要件としていること また現況や図書による仕様確認が難しいことから 評価が難しい場合が多い なお 評価方法基準には上記のほか 耐震等

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第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

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PowerPoint プレゼンテーション

別添資料 地下階の耐震安全性確保の検討方法 大地震動に対する地下階の耐震安全性の検討手法は 以下のとおりとする BQ U > I BQ UN I : 重要度係数で構造体の耐震安全性の分類 Ⅰ 類の場合は.50 Ⅱ 類の場合は.25 Ⅲ 類の場合は.00 とする BQ U : 地下階の保有


Super Build/FA1出力サンプル


階の施工方法 1 は, スパン表に従って 支点間距離が許容範囲内となるように施工します 2 根太受け金物は 原則的に床梁用を使用します ( 図 10) 釘打ちには 必ず 金物専用の ZN 釘を使用し 横架材へ ZN65 10 本 Ⅰ 形梁へ ZN40 4 本とします 3 火打梁を省略す

第2章 事務処理に関する審査指針

国土技術政策総合研究所資料

83

II 鉄骨造の耐力度調査(II-1~II-36)

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建築支保工一部1a計算書

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さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 第 4 渡り廊下で接続されている場合の取り扱い 155 第 4 渡り廊下で接続されている場合の 取り扱い

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要 約 本件建物は 構造上の安全性に問題がある 前回裁判で提出されている本件の問題点に加え 現地調査書 (( 株 ) 日本建築検査研究所岩山氏作成 ) 施工図及び竣工図をもとに再検討を行なった その結果下記に示すように建物の安全性を損なう重要な問題点が発覚した 発覚した問題点を反映し構造の再計算を行

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隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

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官庁施設の総合耐震 対津波計画基準 第 1 編総 則 第 1 章目的及び適用範囲 目的この基準は 国家機関の建築物及びその附帯施設の位置 規模及び構造に関する基準 ( 平成 6 年 12 月 15 日建設省告示第 2379 号 )( 以下 位置 規模 構造の基準 という ) 及び 国家機

目次 ( )

申請図書の作成要領 耐震診断評定の対象とする建築物等 耐震診断評定に適用する基準等 標準的な業務の流 れ 変更評定の業務の流れ及び留意事項等は 別に定める申請要領をご参照ください 1-1 申請図書の体裁 (1) 申請図書は A4 判の差し替え可能なファイルとしてください ( 両面印刷可 ) 図面等で

構造番号質疑回答 3 講習会資料 P5 判定事例の対応集 横補剛材について屋根ブレース等により水平移動が拘束された大梁に対して 例えば図 1 のよう下図 a 又は b 又は a b 材共に ( 梁に ) 対する横補剛材として c の火打ち材をに大梁せいの中心位置に横補剛材を設け 補剛材

< 被害認定フロー ( 地震による被害木造 プレハブ > 第 次調査 ( 外観による判定 一見して住家全部が倒壊 一見して住家の一部の階が全部倒壊 地盤の液状化等により基礎のいずれかの辺が全部破壊 いずれかに いずれにも ( 傾斜による判定 全壊 外壁又は柱の傾斜が/ 以上 ( % 以上 ( 部位

中間検査が必要となる建築物の対象拡大について

1. 一般事項 1) 接合金物 名称 : フラットプレートスリム合板仕様 用途 : 在来軸組工法建築物における軸組材相互の接合 補強 2) 試験依頼者 名称 : 株式会社タナカ 所在地 : 茨城県土浦市大畑 連絡先 : TEL ) 試験の目的

を 0.1% から 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% まで増大する正負交番繰り返し それぞれ 3 回の加力サイクルとした 加力図および加力サイクルは図に示すとおりである その荷重 - 変位曲線結果を図 4a から 4c に示す R6-1,2,3 は歪度が 1.0% までは安定した履歴を示した

ブレースの配置と耐力

第 14 章柱同寸筋かいの接合方法と壁倍率に関する検討 510

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道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月


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コンクリート実験演習 レポート

【補足資料】耐震診断基準とプログラムの対応

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( 参考 ) 業務報酬基準の概要について ( 告示 15 号の構成 ) 建築士事務所の開設者が業務に関して請求することのできる報酬の基準を示しており 第一 ~ 第三の実費加算方法に関する項と第四の略算方法に関する項で構成されている 実費加算方法 ( 第一 第二 第三 ) 実費加算方法 : 各経費等に

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接合部性能試験報告書

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< 小学校 > 学校名川越第一小川越小中央小仙波小武蔵野小新宿小大塚小泉小月越小今成小芳野小古谷小南古谷小牛子小高階小 施設の名称 ( 呼称 ) 構造 面積 建築年度 最低 Is 最低 CTU SD 教室棟 R3 2,156m2昭和 教室棟 R3 1,170m2昭和 39 管理 特別教室

Microsoft Word - 毛井首団地集会所設計における木造工法の検討

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大阪市再開発地区計画にかかる

0720_最終_耐震性能検証法チラシ案3種サンプル

過去の地震における天井脱落被害 十勝沖地震 ( 平成 15 年 9 月 26 日 ) 年十勝沖地震における空港ターミナルビル等の天井被害に関する現地調査報告国土技術政策総合研究所 ( 独 ) 建築研究所 過去の地震における天井脱落被害 宮城県沖地震 ( 平成 17 年 8 月 16 日

日付 :04 年 月 6 日 6:03:9 建築基準法 ( 壁量計算 ) 建物名 壁量計算表存在壁量明細表壁量計算平面図見付面積根拠図見付面積計算表床面積根拠図床面積計算表立面図 注意事項 建築基準法施行令第 46 条 構造耐力上必要な軸組等 第 4 項により軸組長さを求める方法に準拠した計算を行い

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技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説

接合部性能試験報告書

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施設・構造1-5b 京都大学原子炉実験所研究用原子炉(KUR)新耐震指針に照らした耐震安全性評価(中間報告)(原子炉建屋の耐震安全性評価) (その2)

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耐雪型歩道柵 (P 種 )H=1.1m ランク 3 ( 基礎ブロック ) 平成年月日

2015/11/ ( 公財 ) 建築技術教育センター平成 27 年度普及事業第 4 回勉強会於 : 大垣ガスほんのりプラザ 近似応答計算の要点 (1 質点系の応答 ) 齋藤建築構造研究室齋藤幸雄 現行の耐震規定 ( 耐震性能評価法 ) 超高層建築物等を除いて 静的計算 (

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事前調査の方法参考資19 外壁リフォームの設計標準施工法標準施工法標準施工法リフォーム工法部分へのリフォーム工法外壁リフォームニチハMARCシステム11 適用条件 3) 適合地域 建築地域条件高さ (m) 13m 超料木胴縁工法RC造タイル外壁への施工高さ13mを超える1 外壁リフォームの設計 1)

1 規定第 36 条の 2( 地階を除く階数が 4 以上である鉄骨造の建築物等に準ずる建築物 ) 第 36 条の 3( 構造設計の原則 自重 積載荷重 積雪 風圧 土圧及び水圧並びに地震に構造耐力上安全 ) 第 37 条 ( 構造部材の耐久 構造耐力上主要な部分で特に腐食 腐朽 ) 第 38 条 1

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床倍率表 床倍率表 階 方向 1 階 X 方向 1 階 Y 方向 2 階 X 方向 2 階 Y 方向 床倍率手順 床倍率の条件全ての階 方向 区画において ( 平均存在床倍率 必要床倍率 ) を満たしている必要があります (= 床倍率充足率 ( 平均存在床倍率 / 必要床倍率 ) が 1.00 以上

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Microsoft PowerPoint - 01_内田 先生.pptx

2-3. 設計段階の検討事項設計では本建物の条件として, 特に以下に着目した 1 兵庫県南部地震により杭への被災が想定される 2 建物外周地下に液状化対策として地盤改良が行われている 以上の条件で, 免震改修工法の検討を行うにあたり, 比較検証を基本設計で行った. 比較案は, 基礎下免震型 2 案,

Transcription:

資料 6 学校の木造設計等を考える研究会 009.09.07 山辺豊彦 第 回事例に基づくコストを抑えた木造施設の整備取組事例の紹介設計事例として 3 件取り上げました ( 資料参照 ) 木造の学校建築における構造上の特色と注意点は 下記の点である 1) 比較的大スパンで床面積も広い ) 階高も高い 3) 地域荷重の影響が大きい ( 特に積雪荷重 地震地域係数など ) 4) 木材のヤング係数が小さいため RC 造との併用構造も有効である 5) 支持点や接合部に引張力が作用する場合は 充分注意する 6) その他 構造面からの設計内容によるコストの違い コストを抑える工夫など 1. 設計内容のコストの違い設計上注意すべき点は 建物荷重の軽量化を図ることと適切なスパン 階高の設定と言える なお 設計事例は 必ずしもコストに配慮した事例とは言えないものもありますが 反面の資料として参考として下さい. 構造面からの具体的なコストに配慮する工夫 1 製材部品は定尺材の使用を原則とする原木丸太は 4~3.65m の長さで切り出され製材されることを考慮し 合理的なコスト監理 生産管理を可能とする 規格材の製作を考える規格材の製作により 材のストックを確保する 一方 使用方法のモデル開発を行う 例えば 重ね梁 合せ梁 重ね柱 合せ柱等 3 我が国の伝統技術を最大限に活かす木材の特性を熟慮し その特性を最大限生かすべく発展してきた我が国の成熟した木造伝統技術に着目し そこを出発点に新しい架構システムを提案する 4 生産性に配慮したプレカット工法を採用する一般市民の施設にふさわしい生産性やコストを配慮し 可能な限り部材を統一化して 工場での加工 組立てを原則とした近代的な側面を併せ持つようにする 5 ディテールの統一化を図る部材を一種のプレキャスト部材とすれば 取付詳細 接合方法のディテールの統一化は 現場での作業性に影響を与え しいては 工期 コストに影響する 6 鉄筋コンクリート造を合理的に活用する延べ面積の大きい学校を全て木造とすることは法規上許されない また 防火区画や遮音性や構造上の問題 防災 避難なども考えると 鉄筋コンクリート造の導入はやむをえない そこで 階床を全て人工地盤のように RC 造の構造とするか 防火区画上必要な RC 壁や RC 造建物が 木造架構体の水平力を全て負担するといった合理的な併用構造形式を採用する 前者は立面的併用構造で 後者は平面的併用構造である 後者は基準法上難しい問題がある

設計事例 1 山辺構造設計事務所七沢希望の丘初等学校この建物は RC 造との混構造 階建ての部分を左右に 建物の中間は木造 階建で計画されている 混構造建物で延べ床面積が 500m を超えるため 大規模建築物に分類される ( 建築基準法第 0 条第 号に掲げる建築物に該当 ) 1) 構造的なゾーニングと 解析 検討 木造部分は 建物全体を一体と考え 三次元立体解析にて応力および変位を計算し 断面の検討は応力の大きい部材を部材毎に適宜選定して 検討している また 木造部分の地震力は範囲分けの範囲毎に算定している RC 造部分はそれぞれの範囲分けごとにモデル化し 検討を行っている 多目的ホール部分 ( 図の範囲 1) および高基礎部分 ( 図の範囲 ) は一貫計算プログラムを利用して検討している 多目的ホールは Y 方向のスパンが 1m になるので ひび割れ防止の目的でプレストレストコンクリート梁を採用している ゾーニング図 構造三次元立体解析モデル ( 木造架構部分 )

木造部分の設計の考え方 特徴 木造部分の設計方針は 以下に示すような内容となっている 1. 木材は地場産の材料 ( スギ ) を使用する. 材料は含水率 5% 以下 ヤング係数 E70 の規定に合格した材を使用する ( 面格子に用いる材料は含水率 15% 以下 ) 3. 桁方向はポリカーボネイト+ 面格子壁耐力壁 構造用合板耐力壁などの耐力壁により耐震性能を確保する ポリカーボネイト + 面格子耐力壁 梁間方向は 耐力壁によらず 木造ブレースをふくむ木造ラーメン架構で耐震性能を確保する 木造ブレース付きラーメン架構の接合部はアフタイトや引きボルト等を用いて接合する 床面の水平剛性は構造用合板にて 屋根面の水平剛性は構造用合板とラーメン架構から棟にむけて伸びる斜め材で確保する 接合金物アフタイト 木造ブレース付きラーメン架構とラーメン架構から棟に伸びる斜め材

80 30 ポリカーボネイト+ 面格子壁耐力壁のうち ポリカーボネイト耐力壁については東京大学大学院農 学生命科学研究科 稲山研究室で アフタイトについては東洋大学工学部建築学科 松野研究室で それぞれ性能実験を行い 性能評価書を添えて確認申請を行っている 換気扇開口 300 柱間にト ーフ チ配置の上 釘打ちをする事 CFL(60.5) WG1 WG1 WG1 WG1 WG1 WG1 WG1 SA SA SA WG30 WG1 WG1 WG1 SA WB6 SA1 SA1 WG1 SA1 WG1 SA1 WG1 WG1 WG1 WG1 WG1 SA SA WG7 WG7 WG10 WG10 WG10 WG10 WG10 WG5 SA1 3000 BFL(57.5) コンクリート Fc=1N/mm W W W W W W W W 40 B5 G4 G7 G7 G7 G7 540 1700 5150 00 AFL(5.35) コンクリートコンクリート Fc=1N/mm Fc=7N/mm C FB1 W C EW C FG11 W18 C3 山止めを行い 現状地盤を崩さない事 F3 1000 F3 F1 F1 (54.0) 960 3500 1500 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 3000 1000 7000 Y1 Y Y3 Y4 Y5 Y6 Y7 Y8 Y9 Y10 Y11 Y1 Y13 Y14 Y15 Y16 Y17 Y18 コンクリート Fc=1N/mm X 通り軸組図 1/100 桁方向軸組図 鉄骨補強 WG4 WG4 V1 V1 ST1 J.T 750 ST1 CFL(60.5) WG11 WG9 3000 SC1 WC5 WC WC5 BFL(57.5) 1500 3500 540 CB1 B B1 B1 (54.0) 1500 371.5 371.5 1500 400 51.5 51.5 X5 X4 X3 X 梁間方向軸組図 Y15 通り軸組図 1/100 ) 設計ルートと確認申請設計ルートはルート (RC 造部分ルート -1 木造部分ルート ) を採用している ルート で要求される壁量 偏心率 剛性率を満足することを確認した後 諸規定により断面や接合部の検討を行った また 確認申請については大規模建築物に該当するので ( 建築基準法第 0 条第 号に掲げる建築物に該当 ) 確認申請 + 構造計算適合性判定を受けている 3) 基礎計画敷地内で標準貫入試験を 1 箇所 スウェーデン式サウンディング試験を 6 箇所行い その結果 N 値 4-6 のローム層を支持層に出来ることが明らかになったため 神奈川県構造関連取り扱い基準 に従い 長期許容地耐力 fe=100kn/m として直接基礎で設計を行った ( 施工時 載荷試験を行って地耐力の確認を行った ) 基礎形式は 多目的ホール部分がベタ基礎 木造 階建て部分が布基礎と独立基礎 高基礎部分が独立基礎となっている

設計事例 つくば東小学校この建物は 防火性能や遮音性能を確保することから RC 造と木造を合理的に組み合わせた混構造 階建て建物となっている RC 造部分はフラットスラブによる人工地盤を構成し 木造部分を支える役割を持っている また 同時に RC 部分は木造部分の水平力も負担するよう計画されている 木造部分は定尺材を用い 持ち送り重ね梁架構の採用により長いスパンを架け渡している 竣工が 1995 年であり 007 年の建築基準法改正以前の建物である 建物 ( 教室棟 ) 外観 1) 構造計画と解析 検討 建物は渡り廊下によって繋がれた分棟形式となっている そのため 各棟と渡り廊下はそれぞれ構造的に独立した建物として安全性の確認を行っている 建物平面図 ( 配置図 ) 断面図

木造部分の水平力は RC 部分に負担させるよう計画しているが 方向によっては落とし込み板壁の耐力壁 ( 実験にて性能を確認 ) を適宜配置することで 木造部分単独でも耐震性か確保出来るよう計画している 応力 変位の検討は平面フレームモデルを用いて行っている RC 造部分は棟毎にモデル化して 一貫計算プログラムを利用して検討している また スラブは立体解析プログラムを用いて 板要素としてモデル化し検討を行っている スラブの中で 大きなスパン (9.8m) を架け渡す部分には プレストレストコンクリートを採用している 教室棟 架構アイソメ図 体育館棟 架構アイソメ図

木造部分の設計の考え方 特徴 木造部分の設計方針は 以下に示すような内容となっている 1. 木材は地場産の材料 ( スギ ) を使用する. 材料は含水率 5% 以下 ヤング係数 E70 の規定に合格した材を使用する 3. 水平力は原則 RC 造部分が負担すると考えるが 落とし込み板壁の耐力壁により 木造部分が自立出来るように計画する 体育館棟は方向によらず 水平力は RC 造部分が負担するように考える また 水平力の伝達のため 屋根は斜め板張りとして 水平剛性を確保する 耐力壁 床の構造性能実験 屋根の斜め板張り 4. スパンの長い部分は 持ち送り重ね梁架構を採用する 特に体育館棟はスパンが長い (4.0m) ので 持ち送り重ね梁形式と鋼棒タイバーによる張弦梁の複合構造とする ( 重ね梁の最上段には集成材を採用している ) 5. 定尺材を用いて 同じ架構を並列させることで 合理的な架構とする B C 棟 製材 ( 杉 ) と集成材 ( 米松 ) で 8.0m 架構を組んだ場合 フレーム図と部材断面 製材 145x35 95 6,150 95 集成材 175x360 製材 145x35 製材 145x35 600 500 500 製材 115x35 1,000,000 8,000,000 1,000 0.03 0.03 0.05 0.1 0.1 0.05 0.39 0.39 0.54 0.54 変形図 (cm) 0.84 0.84 0.93(=1/860) 教室棟 持ち送り重ね梁の解析 教室棟 持ち送り重ね梁