ワーク ライフ バランス 麗澤大学国際経済学部国際経営学科荻原小百合 第一章ワーク ライフ バランスとは何か第一節ワーク ライフ バランスとはなにか第二節諸外国での取り組み状況第三節国際比較第四節日本人の世論調査 第二章ワーク ライフ バランスが成り立たない理由第一節少ない休暇第二節通勤時間問題第三節労働時間問題 第三章ワーク ライフ バランスの重要性第一節女性の就業問題第二節健康問題第三節企業側のメリット おわりに 1
第一章 ワーク ライフ バランスとは何か 1. ワーク ライフ バランスとはなにか 意味 : 仕事と私生活の両立 1980 年代ワーク ファミリー バランス 共働き家族やシングルマザーを対象として労務に重 点を置く企業多 1990 年代ワーク ライフ バランス 全従業員対象 仕事と生活の調和と訳され 国民国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き 仕事上の責任感を果たすと共に 家庭や地域生活においても 子育て期 中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択 実現できる Wikipediaより 2
図表 1. ワーク ライフ バランス の認知状況 http://www.metro.tokyo.jp/inet/chousa/2008/05/60i5s126.htm 2. 諸外国での取り組み状況 (1) 北欧諸国の取組み スウェーデン サバティカル休暇制度 勤続 2 年以上の労働者対象手当 ( 賃金の 68%) を支給されながら 最長最長一年間の休暇を取得できる 失業者が代替要員として雇い入れられること フィンランド ジョブローテーション制度 フルタイムの従業員対象 90~359 日の範囲で休暇を取得できる 休暇中は 社会保障から失業手当 ( 日額 70% 相当額 ) が日数分支給される なお その使途に制限はなく 育児や趣味 教育訓練等に使用できる 代替要員として失業者が雇用されること 3
(2) フランスの取組み 認定保育ママ を雇用する家庭に対する援助制度 (AFEAMA) の導入 一定の要件を備えた者を 保育ママ として認定 登録する制度 認定を受けた保育ママは 親と雇用契約を結び その親の家かもしくは自分の家で子どもの世話をする 現在 認定保育ママとして登録している者はおよそ34 万人 休暇積立口座制度 最大で年間 22 日間の有給休暇を積み立てて 無給休暇 ( 原則 2カ月以上 ) の際の給与補償に充てるもの 実施には 企業または産別ごとに労使協定を締結する必要がある (3) アメリカの取組み 保育サポート 介護サポート 養子縁組サポート 転勤サポート EAP( 社員援護プログラム ) ヘルス アンド ウェルネス 各種保険制度 休暇制度 教育サポート フレキシブル ワーク正社員の働き方に柔軟性をもたせるプログラムフレックス タイム ジョブ シェアリング テレコミュート ( 在宅勤務 ) など 4
3. 国際比較図表 2. 女性の労働力率の国際比較 http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w- 2008/20webhonpen/html/i1311000.htm 図表 3. 労働者の労働時間の国際比較 http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w- 2008/20webhonpen/html/i1311000.html 5
4. 日本人の世論調査図表 4. 生活の中での優先状況 http://www.metro.tokyo.jp/inet/chousa/2008/05/60i5s118.htm 図表 5. 仕事と仕事以外の生活のバランス http://www.metro.tokyo.jp/inet/chousa/2008/05/60i5s129.htm 6
図表 6. ワーク ライフ バランスに対する意見 http://www.metro.tokyo.jp/inet/chousa/2008/05/60i5s132.htm 第二章ワーク ライフ バランスが成り立たない理由 7
1. 少ない休暇 図表 7. 労働者一人平均年次有給休暇の取得状況 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/08/3a.html 2. 通勤時間問題 図表 8. 通勤時間 http://benesse.jp/berd/center/open/report/wakamono/2006/wakamono1_1_01.html 8
3. 労働時間問題図表 9.1 日あたりの仕事時間 http://benesse.jp/berd/center/open/report/wakamono/2006/wakamono1_1_01.html 図表 10. 一週間当たり労働時間が 50 時間以上の労働者割合 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-06-21/2006062101_04_0.html 9
第三章ワーク ライフ バランスの重要性 図表 11. 第 1 子出産前後の女性の就業状況の変化 http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200805/1.html 10
図表 12. 仕事をやめた理由 http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200805/1.html 2. 健康問題 Q1. 一日の仕事でぐったりと疲れて 退社後は何もやる気になれない A. いつもそうだ 14.7% しばしばある 27.8% Q2. 今のような調子で仕事や生活を続けたら 健康を害するのではないか A. よくそう思う 17.8% ときどきそう思う 39.3% Q3. 何が原因で健康を害するか A. 仕事上または職場での心労から 65.1% 仕事による過労から 52.1% 休養 睡眠不足から 42.7% http://www.jil.go.jp/institute/reports/2005/documents/022.pdf 11
3. 企業側のメリット 離職率低下従業員がそれまで培ってきたスキルを失うことなく 新しい人材を採用 育成するコストが削減される 従業員の満足度従業員のニーズに応えることにより 従業員の満足度が高まる それにより 仕事への意欲が増し 会社への忠誠心にもつながる コストの削減残業代や高熱費を削減することができる 企業イメージの向上社会に貢献する企業として 企業イメージが向上し 企業のPR につながる おわりに ワーク ライフ バランスを取り入れることによって 様々な社会問題や 個人の問題が改善されることが大いに期待される ワーク ライフ バランスは絶対に取り入れるべきである 十分な制度を設け 働く人も 企業も 社会も豊かになることを私は望んでいる そのためにまず日本では ワーク ライフ バランスというものの認知度を上昇させるということからはじめなければならない 政府 企業がワーク ライフ バランスの重要性を十分に理解し 一丸となって施策することが最も重要な第一歩になるだろう また ワーク ライフ バランスを取り入れた制度をより生かすため 次のことをしなければならない 1 有給休暇などを取りやすくする社内の環境作り 2 時間を有効に使うことができる人材の採用 育成 3 周囲の従業員の業務の見直し 若手の育成の推進 4 業務を補い合うため 従業員の日々の業務日程に関する情報を周囲で共有化 12
参考文献 厚生労働省 (2004 ) 世界の厚生労働 2004 海外情勢白書 TKC 出版 小倉一哉 (2001) 欧州におけるワークシェアリングの現状 フランス ドイツ オランダを中心に 日本労働研究機構労働政策レポートVol.1 佐藤博樹 武石恵美子 (2004) 男性の育児休業 中公新書 パク ジョアン スックチャ (2002) 会社人間が会社をつぶす 朝日新聞社 林雅彦 (2003) フランスの家族政策 両立支援政策及び出生率上昇の背景と要因 日本労働研究機構欧州事務所 特別レポート Vol.5 前田信彦 (2005) 欧州における長期休暇制度-ワーク ライフ バランス政策の試み 日本労働研究雑誌 No.540 労働政策研究 研修機構 Business Labour Trend 2004 年 1 月号 株式会社エスピー研生活文化スポーツ局 仕事と生活の調和に関する世論調査 結果 13