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7 章摂動法講義のメモ 式が複雑なので 黒板を何度も修正したし 間違ったことも書いたので メモを置きます 摂動論の式の導出無摂動系 先ず 厳密に解けている Schrödiger 方程式を考える,,,3,... 3,,,3,... は状態を区別する整数であり 状態 はエネルギー順に並んでいる 即ち は基底状態 は励起状態である { m } は相互に規格直交条件が成立する k m k mdx km k m と 式から次式が容易に導かれる k m khmdx 3 Ek k m 3 は ハミルトニアン直交性 と呼ばれることもある 摂動系 厳密に解けている系 Ĥ に小さな変化をもたらす項 W を考える Ĥ +W の系はもはや厳密には解けないとする W の例は 弱い外部電場とか 他の分子が接近したときの相互作用 箱型ポテンシャ ル系に追加された小さなポテンシャル障壁 V などを想定する 重要なことはW は小さな変化を表 現する項であること Ĥ +W によって作られるエネルギー演算子を Ĥ とする W 4 Ĥ の Schrödiger 方程式は次式である E,,,3,... 5 E E E E 3 以上の設定は 厳密には解けないけれどなんとかして解きたい系のエネルギー演算子 Ĥ を 厳密に解ける部分 Ĥ と それ以外の部分 W に分けたことになる Ĥ を無摂動系ハミルトニアン W を摂動項と呼ぶ 摂動項 W の大きさ 強度 を形式的に で表現する W 6 は摂動の次数を表すためのパラメーターである 電場の強さ 相互作用の大きさ ポテンシャル障 壁の高さ といった強度を形式的に表現すると思って下さい 5 式のエネルギーと波動関数は 次式のように の冪乗で展開することができる 3 3 E E E E E 7 3 3 8 6~8 を 5 に代入して 46 を考慮すると の次数ごとに整理することができる 3 上式が任意の で成立するためには の各次数の係数がゼロでなければならない 具体的に書くと の 乗の項から E 9 の 乗の項から E E

の 乗の項から の 3 乗の項から E E E E E E E -b 3 3 摂動の展開式を整理する流儀は何通りかあり 上述の流儀は Rayleigh-Schrödiger 摂動法と呼ばれる 一般に 漸化式の項数を増やして計算するほど つまり 摂動の次数を上げるほどに近似の精度 は向上する 9- 式が求まれば の役割は終わったので消えてもらう と置く 次摂動 9 式のみを考えた近似法を 次摂動法という 9 と 式を比較すれば直ちに,,,3, E,,,3, 3 であることが解る つまり 次摂動法は無摂動系と同じである もう一点 強調するとすれば 3 式は 無摂動系の 番目の解 摂動系の 番目の解という対応を示している この順番が破れるほどに大きな摂動 W は通常成立しない E 3 3 であれば 摂動論 E E E Ĥ 無摂動系 H 摂動系 無摂動系の 番目の状態は 摂動系の 番目の状態に対応する この対応が崩れるほどに摂動項 ŵ が大きい時は 摂動法はしばしば使えない 次摂動 を求めるために を無摂動系の厳密解 { k } で展開する 展開係数を { c k } とすると次式となる ck k k k 4 k の条件で和をとる理由は 次摂動 の式 に が含まれるので上式には は必要ないからである 34 を 式に代入し ckk E k k 左方から を乗じて積分する '

k k c dv dv E dv k k { k } の規格直交条件 とハミルトニアン直交条件 3 を考慮すると E dx,,,3, 5 ここで km kmdx 6 ŵ はエルミート演算子であるゆえに dx dx km k m m k mk 次に このページの ' 式に左方から を乗じて積分する m k k k m k m m m c dv dv E dv 同様に { k } の規格直交条件 とハミルトニアン直交条件 3 を考慮すると m cm m m cm 従って 4 式の係数 { c k } が決まり それを 7 式とする k k 7 k k k これらの結果をまとめると 次摂動までの全エネルギーは ここで 8 式を変形する E E 8 9 k k k k E E dx H dx H dx m 8 つまり 次までの摂動エネルギーは 無摂動系の波動関数 を使って 摂動系のハミルトニアン Ĥ Ĥ +W の期待値を計算したことになる 次摂動 式に 次と 次の摂動法の結果を順次に代入すればよい E E E 再掲 k k H k k E k k k k k k

両辺に を左から掛けて積分する H dx dx dx E dx k k k k k k k k k k k k kdx kdx E k k k k k k E kk k k k k k k k k k 7 式 に 35 を代入すれば 次摂動法の範囲で次式を得る k k k k k k k k k E E E Wiger の定理 8 式を別の観点で見ると 次摂動の波動関数 て 次摂動までのエネルギー E E が得られる dv E E があれば そのエネルギー期待値とし 3 次の摂動エネルギー E 3 を求めてみよう 講義で説明した簡易な説明は厳密ではなかったのでここで再度導出します 導出に興味のない人は 4 式だけ眺めて下さい -b 式を再掲する E E E E 3 3 この式の左方から を乗じて積分する は代入する 3 3 E dx dx E dx E dx E dx 整理すると次式を得る E E dxe dx 3 ここで 式を整理すると下式を得る E E 7 式からは下式を得る dx これを 式に代入する 波動関数のエルミート性を利用している E 3 H E dx 3 式の左側から を掛けて積分する E E E 式再掲

E dx E dx この式を 3 式に代入する E 3 E dx 4 3 次摂動までの波動関数 があれば3 次摂動までのエネルギー E E E E が得られる 一般には 次の摂動波動関数 があれば 次の摂動のエネルギー E が得られる こ れは Wiger の定理である

例題を解く長さ L の 次元空間を粒子 質量 m が運動する 次元箱型ポテンシャルの問題を考える ポテンシャルの関数形は次式 下図のように変形されているものとする x V L V x V x L x L V x x L L/ L このポテンシャル V x でのシュレーディンガー方程式の解を次式のように E と,,3, とする x E x,,3, d H V x mdx E E E3 から始まる 5 式の設定とは異なるので注意されたし 無摂動系は V x の とした系である これは普通の長さLの 次元箱型ポテンシャル問題なので その方程式は厳密に解けており そのエネルギーと波動関数は 節に書かれている si x x,,3, L L ml と を図示すると以下の通りである 従って 摂動項 W x は V x V の部分なので x L では次式となる L V x W x L x L ここでV を の 分のとしよう 摂動は十分に小さいという想定の具体化である V ml 最低エネルギー の解 E を 次まで を 次までの摂動法で求めよ 但し 摂動式の総和は第 項まででよい つまり 9 式の k の和はまで < 解答 > に対応する 次摂動エネルギーは E E E E W e W k k e k

ここで k までを採用して和をとる W k W k k E W W 積分の定義式を代入して計算すると 次摂動の波動関数は E x W x dx L V 6V 9 V 6V 9 3 6 9 3 4 4 7 W k x x k x k k L x W x エネルギーと同様に k までを採用して和をとると x x W x 4 x V x 3 3 x 4 x x x 3 3 9 概形を右図で示しておこう 青色が無摂動系 ポ テンシャルが高い部分 をやや避けていることが解るであろう 参考までに必要な積分計算を載せておく x x x x dx si dx cos dx L L L L x x x 3x x xdx si si dx si si dx L L L L L L L/ L x L 3x 4 si si L L 3 L 3 L/ L/ L/ L/ L/ L/ x x L

レポート課題 A 資料の本文中での k において と k は何を示しているのか 言葉で説明せよ B 式 を導出せよ 式 9 式までに示された式は全て使ってよい C 最低エネルギー解 を考える k k とすると式 は常に負値 マイナスの値 であることを示せ つまり 次摂動エネルギーは 次摂動エネルギーと比べて常に低くなる D 例題の を付けた文章で k を k 3に替えて例題を解け