0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ a a を自然数とする O を原点とする座標平面上で行列 A= a の表す 次変換 を f とする cosθ siθ () >0 および0θ <π を用いてA= siθ cosθ と表すとき,, cosθ, siθ を a で表せ () 点 Q(, 0) に対し, 点 Q ( =,,, ) を Q= Q, Q + = f (Q ) で定める OQ Q + の面積 S をa と を用いて表せ () f によって点 (, 7) に移されるもとの点 P の 座標の小数第 位を四捨五入し て得られる近似値が であるという 自然数 a の値を求めよ またこのとき 0 S >0 となる最小の の値を求めよ ただし0.<log0<0. を用いてよい --
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ実数 θ が動くとき, y 平面上の動点 P(0, si θ) およびQ(cos θ, 0) を考える θ が0θ π の範囲を動くとき, 平面内で線分 PQ が通過する部分をD とする D を 軸のまわりに 回転してできる立体の体積 V を求めよ --
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ 実数の組 ( p, q) に対し, f = ( p) + q とおく () 放物線 y= f が点 (0, ) を通り, しかも直線 y= の >0 の部分と接するよ うな実数の組 ( p, q) と接点の座標を求めよ () 実数の組 ( p, q ), ( p, q) に対して, = ( p) + q f = ( p) + q f および とおく 実数 α, β ( ただし α <β ) に対して f( α) <f ( α) かつ f β <f ( β) であるならば, 区間 α β において不等式 f <f がつねに成り立つこと を示せ () 長方形 R:0, 0y を考える また, 4 点 P(0, 0 ), P(0, 0), P(, ), P(, 0) をこの順に結んで得られる折れ線を L とする 実数の組 ( p, q) を, 放物 線 y= f と折れ線 L が共有点がないようなすべての組にわたって動かすとき, R の点のうちで放物線 y= f が通過する点全体の集合をT とする R からT を除 いた領域 S を座標平面上に図示し, その面積を求めよ --
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 4 解答解説のページへ a, b, c を正の定数とし, の関数 f = + a + b+ c を考える 以下, 定数は すべて実数とする () 定数 p, q に対し, 次を満たす定数 が存在することを示せ ならば p+ q () 恒等式 ( α β)( α + αβ+ β ) = α β を用いて, 次を満たす定数 k, l が存在す ることを示せ ならば f k l () すべての自然数 に対して, f が自然数であるとする このとき関数 f は, 自然数の定数 m を用いて f = ( + m) と表されることを示せ -4-
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 5 解答解説のページへ正数 に対して, a = 0, a= とおき, 数列 { a } を次の漸化式で定める a = a + ( a a ) ( =,, 4, ) + ただしa とa から漸化式を用いてa + を決める際には硬貨を投げ, 表がでたとき =, 裏がでたとき = とする ここで表がでる確率と裏がでる確率は等し いとする a の期待値をp とするとき, 以下の問いに答えよ () p およびp 4 を, を用いて表せ () のときにp を, と を用いて表せ () 数列 { p} が収束するような正数 の範囲を求めよ (4) が () で求めた範囲を動くとき, 極限値 limp の最小値を求めよ -5-
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへ a () 条件より, A cosθ siθ = = a siθ cosθ なので, a= cosθ, = siθ より, a cosθ= + = となり, >0 から, a, a + siθ= a + = a + () 次変換 f によって, 平面上の点は, 原点のまわりに θ だけ回転し, さらに原点 () との距離が 倍となる点に移るので, Q (, 0) に対し, Q + = f(q ) から, Q ( cos( ) θ, si( ) θ) すると, OQ Q + の面積 S は,() より, S = siθ = a + ( ) = a + a + cos si A θ θ cos 7si = より, A θ θ siθ cosθ + 7 = siθ 7cosθ となり, 条件から, + (cos θ+ 7si θ ) < 5 a + 7 < 5, a + a + a + () より, より, 4 より, a + 4a+ 4, 5a + 5> 4a+ 4 4 a 4a 0 となり, a>0 なので, a+ 7 < 5 であるので, a + 0<a + 7 5a 4a 9> 0, (5a 9)( a+ ) >0 となり, a>0 なので, a> 9 5 すると, < + 7 < から, 4を満たす自然数 a は, a= である 0 0 このときS >0 から, 5 0 >, 5 >0 となり, 両辺の対数をとって, (log05) >, ( log0) >, > 5 log ここで, 0.<log0<0. から, よって, 5を満たす最小の は= 6 である 5.7< < < < 6 0.7 log 0.69 0 0 [ 解説 ] 相似変換が題材となっています この意味を考えると, ではありません A の計算は, 必要不可欠 -- 電送数学舎 0
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへまず, θ= π のとき, 線分 PQ を表す方程式は, = 0 (0y) である また, 0θ <π のとき, 線分 PQ を表す方程式は, y y= aθ+ siθ (0 cos θ) さて, 直線 = (0 cos θ) 上における y の siθ P とりうる値の範囲を求める ここで, f( θ) = aθ+ siθ とおくと, cos θ f θ = + cosθ= cos θ cos θ すると, 0cosθ から0 cosθ となり, 存在する また, cos から, αβ である β= ( cos ) β= とおくと, これより, f( θ) の増減は右表のようになり, f( α) = aα+ siα= siα + cosα ( 4 ) 4 = = ( 4 ) 4 よって, 線分 PQ が通過する部分 D は, 0y 4 ( ) したがって, D を 軸のまわりに 回転してで きる立体の体積 V は, cosα= となるα がただ つ = + 4 4 ( 4 V= π ) d= π ( 64 4+ ) d 64 64 0 0 4 5 7 64 4 = π ( 9 9 9 + 9 9 9 ) 0 = π + 64 5 7 = π( 9 + 9 5 7 ) = 05 π y θ 0 α β f ( θ) + 0 - O O Q cosθ f ( θ) 0 0 64 5 7 [ 解説 ] 線分の通過領域を求める際に, 文字を固定して処理する有名問題です なお, 定 積分の数値計算が面倒なので, 変数を取り直した方がよかったかもしれません -- 電送数学舎 0
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへ () f = ( p) + q に対して, 条件から, f(0) = となり, 次に, y= f とy= を連立して, ( p) + q=, (p+ ) + p + q= 0 p + q= >0 で, y= f とy= が接することより, f = は正の重解をもち, D= (p+ ) 4( p + q) = 0, p+ > 0 4 より, に代入すると, (p+ ) = 4 となり, 4から, p+ =, p= q= となり, このときの重解は, 4 よって, 接点の座標は, (, ) である p+ = = () g = f f とおくと, 条件より g( α) >0 かつ g( β) >0 であり, q p q g = ( p ) + ( ) = ( p p ) + p p + q q (i) p p のとき g は単調に減少し, α <<β において, g g ( β) >0 (ii) p <p のとき g は単調に増加し, α <<β において, g g ( α) >0 (i)(ii) より, α β において f <f が成り立つ () 点 (0, ) を通り, 直線 y= と点 (, ) で接する放物線 は,() より, ( ) y= + = + 4 この放物線をy= f とおき, 放物線 y= f が, 不 等式 = f(0) <f(0) かつ = f() <f() を満たすとする と,() より, y= f は折れ線 L と共有点をもたない また, f(0) f(0) または f() f() が満たされるとき, 長方形 R を通過する 放物線 y= f は, 折れ線 L と共有点をもつ そこで, 長方形 R を通過する放物線 y= f を, 折れ線 L と共有点がないよう に動かすとき, y= f が通過する領域は, y= f の 上部全体となる したがって, 長方形 R から, 上記の通過領域 T を除いた 領域 S を図示すると, 右図の網点部となる ただし, 境界 線は含む また, この領域 S の面積は, 0 ( + ) d= + = 5 6 y P0 P P O P y O [ 解説 ] () の論理展開は感覚的すぎると思いながらも, この程度の記述に留めました -- 電送数学舎 0
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 4 問題のページへ () 三角不等式を用いて, p+ q p + q = p + q また, であれば, p + q = p + q p + q = ( p + q ) そこで, p + q = とおくと, より, p+ q となる () まず, a f ( + k) = ( + a + b+ c) ( + k) = ( a k) + ( b k ) + ( c k ) k= >0 の場合は, f ( + k) = a a ( b ) + ( c ) そこで, のとき, f ( + k) l また, a, b, c は正の定数より, のとき, 7 b a + c a = l とおくと,() より, 7 ( ) f + f( + k) + ( + k) ( ) + + 4 4 より, f ( + k) f k = ( f ) + f( + k) + ( + k) l l = () 正の数 k の整数部分を [ k ], 小数部分をα とすると, 0α < である さて,() より, すべての自然数 に対して, f [ k] α l, α l f ( ) [ k ] α+ l 5 また, 区間 I: α l α+ l とおくと, I I I I となる (i) 0<α < のとき 区間 J:0<< とすると, 0 においてJ I となる 0 が存在する しかし, f [ k] は整数であることから, 5は成立しない (ii) α= 0 のとき 5より, l f ( ) [ k] l 6 ここで, [ k] = m>0 とおくと, 十分大きな に対しても6が成立することより, f m= 0, f = ( + m) 7 すると, 次関数 f に対し, 任意の自然数 に対して7が成立するので, f = ( + m) [ 解説 ] () は, k が整数であることを示すのがポイントですが, その記述方法は -4- 電送数学舎 0
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 5 問題のページへ () 漸化式 a = 0, a=, a+ = a+ ( a a ) ( ) に対して, = ( 硬貨を投げ表がでたとき ) = ( 硬貨を投げ裏がでたとき ) まず, 硬貨を 回投げ表がでたとき, a= a+ ( a a) = + = + また, 硬貨を 回投げ裏がでたとき, a = a + ( ) a a = + = + よって, a の期待値 p は, p = + + + = + + 4 4 さらに, もう一度, 硬貨を投げると, (i) 表 表のとき a4= a+ ( a a) = + + = + + 4 (ii) 表 裏のとき a4 = a 5 + ( a a) = + + = 4 + (iii) 裏 表のとき a4= a 5 + ( a a) = + + = + 4 (iv) 裏 裏のとき a4= a + ( a a) = + + = + + 4 よって, a4 の期待値 p4 は, ( 5 5 ) p 4= + + + + + + + + + 4 4 4 4 4 = + + 9 + + 6 4 4 6 () b = a + a とおくと, b= 0= で, から, b = b となり, b = b = ( ) ところで, 硬貨を 回投げたとき, 表がk 回, 裏が k 回でたとすると, k k b= = k + また, このときの確率は, ( ) ( C ) C ( k k ) そこで, b の期待値をq とするとき, q k = + C k k= 0 k k = となる + 4 k= 0 = = ( + ) = + (4 ) 4 4 なお, この式は= のときも成立する C k k = (4 ) さて, に対して, 両辺の期待値をとると, q= p+ p k = 0 C k k -5- 電送数学舎 0
0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 p = 0 なので, より, = q i + i= ( + ) 4 4 i= i= p p ( ) (i) 4 + 4 ( ± ) のとき ( + ) p 4 4 4 = = + ( + ) 4+ 4 4 4 4 (ii) 4 + 4 = ( = ± ) のとき p = ( ) () 数列 { p} が収束する条件は, >0 から, { } (i) ± のとき 4 + 4 <, すなわち 4+ <0 より, << + (ii) = ± のとき limp = より, 不適である (i)(ii) より, 求める条件は, << + (4) () のとき, limp = 4 = 4 = 4 4 + + 4 ( ) + ここで, <<+ より, = << = + となり, + 0< + したがって, = ( = ) のとき, limp は最小値 4 をとる [ 解説 ] 式は, 和の期待値は期待値の和 という考え方を用いています 阪大の出題範囲 からすると, 掟破りですが -6- 電送数学舎 0