2011年度 大阪大・理系数学

Similar documents
2011年度 筑波大・理系数学

2018年度 筑波大・理系数学

2018年度 東京大・理系数学

2018年度 2次数学セレクション(微分と積分)

2014年度 名古屋大・理系数学

2011年度 東京工大・数学

2014年度 東京大・文系数学

2017年度 長崎大・医系数学

2016年度 筑波大・理系数学

2015年度 信州大・医系数学

2010年度 筑波大・理系数学

2017年度 金沢大・理系数学

2018年度 岡山大・理系数学

2011年度 東京大・文系数学

2015年度 金沢大・理系数学

2015年度 京都大・理系数学

2014年度 筑波大・理系数学

2016年度 京都大・文系数学

2018年度 神戸大・理系数学

2017年度 千葉大・理系数学

2017年度 神戸大・理系数学

2013年度 九州大・理系数学

2014年度 九州大・理系数学

2014年度 千葉大・医系数学

2019年度 千葉大・理系数学

2017年度 京都大・文系数学

2017年度 信州大・医系数学

2014年度 センター試験・数学ⅡB

2015年度 岡山大・理系数学

2014年度 信州大・医系数学

2016年度 九州大・理系数学

2013年度 信州大・医系数学

2015-2017年度 2次数学セレクション(複素数)解答解説

2016年度 広島大・文系数学

平成 年 月 7 日 ( 土 第 75 回数学教育実践研究会アスティ 45 ビル F セミナールーム A 札幌医科大学 年 P ab, を正の定数とする 平面上において ( a, を中心とする円 Q 4 C と (, b を中心とする円 C が 原点 O で外接している また P を円 C 上の点と

p tn tn したがって, 点 の 座標は p p tn tn tn また, 直線 l と直線 p の交点 の 座標は p p tn p tn よって, 点 の座標 (, ) は p p, tn tn と表され p 4p p 4p 4p tn tn tn より, 点 は放物線 4 p 上を動くこと

<8D828D5A838A817C A77425F91E6318FCD2E6D6364>

20~22.prt

学習指導要領

2014年度 九州大・文系数学

Microsoft Word - 微分入門.doc

数学 Ⅲ 微分法の応用 大学入試問題 ( 教科書程度 ) 1 問 1 (1) 次の各問に答えよ (ⅰ) 極限 を求めよ 年会津大学 ( 前期 ) (ⅱ) 極限値 を求めよ 年愛媛大学 ( 前期 ) (ⅲ) 無限等比級数 が収束するような実数 の範囲と そのときの和を求めよ 年広島市立大学 ( 前期

2015年度 2次数学セレクション(整数と数列)

重要例題113

2015-2018年度 2次数学セレクション(整数と数列)解答解説

Math-Aquarium 例題 図形と計量 図形と計量 1 直角三角形と三角比 P 木の先端を P, 根元を Q とする A 地点の目の位置 A' から 木の先端への仰角が 30,A から 7m 離れた AQB=90 と なる B 地点の目の位置 B' から木の先端への仰角が 45 であ るとき,

数学 ⅡB < 公理 > 公理を論拠に定義を用いて定理を証明する 1 大小関係の公理 順序 (a > b, a = b, a > b 1 つ成立 a > b, b > c a > c 成立 ) 順序と演算 (a > b a + c > b + c (a > b, c > 0 ac > bc) 2 図

解答例 ( 河合塾グループ株式会社 KEI アドバンスが作成しました ) 特別奨学生試験 ( 平成 29 年 12 月 17 日実施 ) 数 学 数学 2= 工 経営情報 国際関係 人文 応用生物 生命健康科 現代教育学部 1 整理して (60 分 100 点 ) (2 3+ 2)(

2018試行 共通テスト 数学ⅠA 解答例

Chap2.key

< BD96CA E B816989A B A>

頻出問題の解法 4. 絶対値を含む関数 4.1 絶対値を含む関数 絶対値を含む関数の扱い方関数 X = { X ( X 0 のとき ) X ( X <0 のとき ) であるから, 絶対値の 中身 の符号の変わり目で変数の範囲を場合分けし, 絶対値記号をはずす 例 y= x 2 2 x = x ( x

学習指導要領

1 対 1 対応の演習例題を解いてみた 微分法とその応用 例題 1 極限 微分係数の定義 (2) 関数 f ( x) は任意の実数 x について微分可能なのは明らか f ( 1, f ( 1) ) と ( 1 + h, f ( 1 + h)

1999年度 センター試験・数学ⅡB

05 年度センター試験数学 ⅡB () において,cos q 0 であるから,P ( cos q, sin q) より, 直線 OP を表す方程式は y sin q sin q x cos q cos q x すなわち, (sin q) x - (cos q) y 0 ( ) ク 点 O,P,Q が

Chap2

高ゼミサポSelectⅢ数学Ⅰ_解答.indd

<4D F736F F D F90948A F835A E815B8E8E8CB189F090E05F8E6C8D5A>

DVIOUT-SS_Ma

Math-quarium 練習問題 + 図形の性質 線分 は の二等分線であるから :=:=:=: よって = = = 線分 は の外角の二等分線であるから :=:=:=: よって :=: したがって == 以上から =+=+= 右の図において, 点 は の外心である α,βを求めよ α β 70

代数 幾何 < ベクトル > 1 ベクトルの演算 和 差 実数倍については 文字の計算と同様 2 ベクトルの成分表示 平面ベクトル : a x e y e x, ) ( 1 y1 空間ベクトル : a x e y e z e x, y, ) ( 1 1 z1

PowerPoint プレゼンテーション

平成 30 年度入学試験問題 数学 注意事項試験開始後, 問題冊子及び解答用紙のページを確かめ, 落丁, 乱丁あるいは印刷が不鮮明なものがあれば新しいものと交換するので挙手すること 1. 試験開始の合図があるまで問題冊子を聞かないこと 試験開始後は, すべての解答用紙に受験番号 氏名を記入すること

公式集 数学 Ⅱ B 頭に入っていますか? 8 和積の公式 A + B A B si A + si B si os A + B A B si A si B os si A + B A B os A + os B os os A + B A B os A os B si si 9 三角関数の合成 si

学習指導要領

学習指導要領

学習指導要領

2019 年 6 月 4 日演習問題 I α, β > 0, A > 0 を定数として Cobb-Douglas 型関数 Y = F (K, L) = AK α L β (5) と定義します. (1) F KK, F KL, F LK, F LL を求めましょう. (2) 第 1 象限のすべての点

FdData中間期末数学2年

数学 Ⅲ 無限等比級数の問題解答 問 1 次の無限級数の和を求めよ (1) (5) (2) (6) (7) (3) ( 解 )(1) 初項 < 公比 < の無限等比級数より収束し (4) (2) (3) その和は ( 答 ) であるから 初項 < 公比 となっている よって 収束し その和は よって

2015-2018年度 2次数学セレクション(整数と数列)解答解説

( 表紙 )

学習指導要領

DVIOUT-SS_Ma

2019対策 千葉大・文系数学

Microsoft Word - 201hyouka-tangen-1.doc

以下 変数の上のドットは時間に関する微分を表わしている (ex. 2 dx d x x, x 2 dt dt ) 付録 E 非線形微分方程式の平衡点の安定性解析 E-1) 非線形方程式の線形近似特に言及してこなかったが これまでは線形微分方程式 ( x や x, x などがすべて 1 次で なおかつ

経済数学演習問題 2018 年 5 月 29 日 I a, b, c R n に対して a + b + c 2 = a 2 + b 2 + c 2 + 2( a, b) + 2( b, c) + 2( a, c) が成立することを示しましょう.( 線型代数学 教科書 13 ページ 演習 1.17)

解答速報数学 2017 年度大阪医科大学 ( 前期 ) 一般入学試験 1 (1) 0, 8 1 e9 進学塾 0t= $ e e 0t= 11 2e -1 1 = 2 e 0t= -11 dy dx = -2 - t te 3t 2-1 = = ビッグバン dy (2) x

< 図形と方程式 > 点間の距離 A x, y, B x, y のとき x y x y : に分ける点 æ ç è A x, y, B x, y のとき 線分 AB を : に分ける点は x x y y, ö ø 注 < のとき外分点 三角形の重心 点 A x, y, B x, y, C x, を頂

学習指導要領

データ解析

学習指導要領

曲線 = f () は を媒介変数とする自然な媒介変数表示 =,= f () をもつので, これを利用して説明する 以下,f () は定義域で連続であると仮定する 例えば, 直線 =c が曲線 = f () の漸近線になるとする 曲線 = f () 上の点 P(,f ()) が直線 =c に近づくこ

座標軸以外の直線のまわりの回転体の体積 ( バウムクーヘン分割公式 ) の問題の解答 立体の体積の求め方 図 1 の立体の体積 V を求める方法を考えてみる 図 1 図 1 のように 軸の から までの長さを 等分する そして とおく とすると となる 図 1 のように のときの 軸に垂直な平面 に

Microsoft PowerPoint - 9.pptx

Σ(72回生用数ⅠA教材NO.16~30).spr

学習指導要領

Microsoft PowerPoint - 9.pptx

学力スタンダード(様式1)

チェビシェフ多項式の2変数への拡張と公開鍵暗号(ElGamal暗号)への応用

学習指導要領 ( イ ) 集合集合と命題に関する基本的な概念を理解し それを事象の考察に活用すること 向丘高校学力スタンダード 三つの集合について 共通部分 和集合を求めることができる また 二つの集合について ド モルガンの法則 を理解する ( 例 ) U ={ n n は 1 桁の自然数 } を

PoincareDisk-3.doc

学習指導要領

PowerPoint Presentation

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

< D8C6082CC90AB8EBF816989A B A>

学習指導要領

中1数学 移行措置資料

Transcription:

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ a a を自然数とする O を原点とする座標平面上で行列 A= a の表す 次変換 を f とする cosθ siθ () >0 および0θ <π を用いてA= siθ cosθ と表すとき,, cosθ, siθ を a で表せ () 点 Q(, 0) に対し, 点 Q ( =,,, ) を Q= Q, Q + = f (Q ) で定める OQ Q + の面積 S をa と を用いて表せ () f によって点 (, 7) に移されるもとの点 P の 座標の小数第 位を四捨五入し て得られる近似値が であるという 自然数 a の値を求めよ またこのとき 0 S >0 となる最小の の値を求めよ ただし0.<log0<0. を用いてよい --

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ実数 θ が動くとき, y 平面上の動点 P(0, si θ) およびQ(cos θ, 0) を考える θ が0θ π の範囲を動くとき, 平面内で線分 PQ が通過する部分をD とする D を 軸のまわりに 回転してできる立体の体積 V を求めよ --

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ 実数の組 ( p, q) に対し, f = ( p) + q とおく () 放物線 y= f が点 (0, ) を通り, しかも直線 y= の >0 の部分と接するよ うな実数の組 ( p, q) と接点の座標を求めよ () 実数の組 ( p, q ), ( p, q) に対して, = ( p) + q f = ( p) + q f および とおく 実数 α, β ( ただし α <β ) に対して f( α) <f ( α) かつ f β <f ( β) であるならば, 区間 α β において不等式 f <f がつねに成り立つこと を示せ () 長方形 R:0, 0y を考える また, 4 点 P(0, 0 ), P(0, 0), P(, ), P(, 0) をこの順に結んで得られる折れ線を L とする 実数の組 ( p, q) を, 放物 線 y= f と折れ線 L が共有点がないようなすべての組にわたって動かすとき, R の点のうちで放物線 y= f が通過する点全体の集合をT とする R からT を除 いた領域 S を座標平面上に図示し, その面積を求めよ --

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 4 解答解説のページへ a, b, c を正の定数とし, の関数 f = + a + b+ c を考える 以下, 定数は すべて実数とする () 定数 p, q に対し, 次を満たす定数 が存在することを示せ ならば p+ q () 恒等式 ( α β)( α + αβ+ β ) = α β を用いて, 次を満たす定数 k, l が存在す ることを示せ ならば f k l () すべての自然数 に対して, f が自然数であるとする このとき関数 f は, 自然数の定数 m を用いて f = ( + m) と表されることを示せ -4-

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 5 解答解説のページへ正数 に対して, a = 0, a= とおき, 数列 { a } を次の漸化式で定める a = a + ( a a ) ( =,, 4, ) + ただしa とa から漸化式を用いてa + を決める際には硬貨を投げ, 表がでたとき =, 裏がでたとき = とする ここで表がでる確率と裏がでる確率は等し いとする a の期待値をp とするとき, 以下の問いに答えよ () p およびp 4 を, を用いて表せ () のときにp を, と を用いて表せ () 数列 { p} が収束するような正数 の範囲を求めよ (4) が () で求めた範囲を動くとき, 極限値 limp の最小値を求めよ -5-

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへ a () 条件より, A cosθ siθ = = a siθ cosθ なので, a= cosθ, = siθ より, a cosθ= + = となり, >0 から, a, a + siθ= a + = a + () 次変換 f によって, 平面上の点は, 原点のまわりに θ だけ回転し, さらに原点 () との距離が 倍となる点に移るので, Q (, 0) に対し, Q + = f(q ) から, Q ( cos( ) θ, si( ) θ) すると, OQ Q + の面積 S は,() より, S = siθ = a + ( ) = a + a + cos si A θ θ cos 7si = より, A θ θ siθ cosθ + 7 = siθ 7cosθ となり, 条件から, + (cos θ+ 7si θ ) < 5 a + 7 < 5, a + a + a + () より, より, 4 より, a + 4a+ 4, 5a + 5> 4a+ 4 4 a 4a 0 となり, a>0 なので, a+ 7 < 5 であるので, a + 0<a + 7 5a 4a 9> 0, (5a 9)( a+ ) >0 となり, a>0 なので, a> 9 5 すると, < + 7 < から, 4を満たす自然数 a は, a= である 0 0 このときS >0 から, 5 0 >, 5 >0 となり, 両辺の対数をとって, (log05) >, ( log0) >, > 5 log ここで, 0.<log0<0. から, よって, 5を満たす最小の は= 6 である 5.7< < < < 6 0.7 log 0.69 0 0 [ 解説 ] 相似変換が題材となっています この意味を考えると, ではありません A の計算は, 必要不可欠 -- 電送数学舎 0

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへまず, θ= π のとき, 線分 PQ を表す方程式は, = 0 (0y) である また, 0θ <π のとき, 線分 PQ を表す方程式は, y y= aθ+ siθ (0 cos θ) さて, 直線 = (0 cos θ) 上における y の siθ P とりうる値の範囲を求める ここで, f( θ) = aθ+ siθ とおくと, cos θ f θ = + cosθ= cos θ cos θ すると, 0cosθ から0 cosθ となり, 存在する また, cos から, αβ である β= ( cos ) β= とおくと, これより, f( θ) の増減は右表のようになり, f( α) = aα+ siα= siα + cosα ( 4 ) 4 = = ( 4 ) 4 よって, 線分 PQ が通過する部分 D は, 0y 4 ( ) したがって, D を 軸のまわりに 回転してで きる立体の体積 V は, cosα= となるα がただ つ = + 4 4 ( 4 V= π ) d= π ( 64 4+ ) d 64 64 0 0 4 5 7 64 4 = π ( 9 9 9 + 9 9 9 ) 0 = π + 64 5 7 = π( 9 + 9 5 7 ) = 05 π y θ 0 α β f ( θ) + 0 - O O Q cosθ f ( θ) 0 0 64 5 7 [ 解説 ] 線分の通過領域を求める際に, 文字を固定して処理する有名問題です なお, 定 積分の数値計算が面倒なので, 変数を取り直した方がよかったかもしれません -- 電送数学舎 0

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへ () f = ( p) + q に対して, 条件から, f(0) = となり, 次に, y= f とy= を連立して, ( p) + q=, (p+ ) + p + q= 0 p + q= >0 で, y= f とy= が接することより, f = は正の重解をもち, D= (p+ ) 4( p + q) = 0, p+ > 0 4 より, に代入すると, (p+ ) = 4 となり, 4から, p+ =, p= q= となり, このときの重解は, 4 よって, 接点の座標は, (, ) である p+ = = () g = f f とおくと, 条件より g( α) >0 かつ g( β) >0 であり, q p q g = ( p ) + ( ) = ( p p ) + p p + q q (i) p p のとき g は単調に減少し, α <<β において, g g ( β) >0 (ii) p <p のとき g は単調に増加し, α <<β において, g g ( α) >0 (i)(ii) より, α β において f <f が成り立つ () 点 (0, ) を通り, 直線 y= と点 (, ) で接する放物線 は,() より, ( ) y= + = + 4 この放物線をy= f とおき, 放物線 y= f が, 不 等式 = f(0) <f(0) かつ = f() <f() を満たすとする と,() より, y= f は折れ線 L と共有点をもたない また, f(0) f(0) または f() f() が満たされるとき, 長方形 R を通過する 放物線 y= f は, 折れ線 L と共有点をもつ そこで, 長方形 R を通過する放物線 y= f を, 折れ線 L と共有点がないよう に動かすとき, y= f が通過する領域は, y= f の 上部全体となる したがって, 長方形 R から, 上記の通過領域 T を除いた 領域 S を図示すると, 右図の網点部となる ただし, 境界 線は含む また, この領域 S の面積は, 0 ( + ) d= + = 5 6 y P0 P P O P y O [ 解説 ] () の論理展開は感覚的すぎると思いながらも, この程度の記述に留めました -- 電送数学舎 0

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 4 問題のページへ () 三角不等式を用いて, p+ q p + q = p + q また, であれば, p + q = p + q p + q = ( p + q ) そこで, p + q = とおくと, より, p+ q となる () まず, a f ( + k) = ( + a + b+ c) ( + k) = ( a k) + ( b k ) + ( c k ) k= >0 の場合は, f ( + k) = a a ( b ) + ( c ) そこで, のとき, f ( + k) l また, a, b, c は正の定数より, のとき, 7 b a + c a = l とおくと,() より, 7 ( ) f + f( + k) + ( + k) ( ) + + 4 4 より, f ( + k) f k = ( f ) + f( + k) + ( + k) l l = () 正の数 k の整数部分を [ k ], 小数部分をα とすると, 0α < である さて,() より, すべての自然数 に対して, f [ k] α l, α l f ( ) [ k ] α+ l 5 また, 区間 I: α l α+ l とおくと, I I I I となる (i) 0<α < のとき 区間 J:0<< とすると, 0 においてJ I となる 0 が存在する しかし, f [ k] は整数であることから, 5は成立しない (ii) α= 0 のとき 5より, l f ( ) [ k] l 6 ここで, [ k] = m>0 とおくと, 十分大きな に対しても6が成立することより, f m= 0, f = ( + m) 7 すると, 次関数 f に対し, 任意の自然数 に対して7が成立するので, f = ( + m) [ 解説 ] () は, k が整数であることを示すのがポイントですが, その記述方法は -4- 電送数学舎 0

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 5 問題のページへ () 漸化式 a = 0, a=, a+ = a+ ( a a ) ( ) に対して, = ( 硬貨を投げ表がでたとき ) = ( 硬貨を投げ裏がでたとき ) まず, 硬貨を 回投げ表がでたとき, a= a+ ( a a) = + = + また, 硬貨を 回投げ裏がでたとき, a = a + ( ) a a = + = + よって, a の期待値 p は, p = + + + = + + 4 4 さらに, もう一度, 硬貨を投げると, (i) 表 表のとき a4= a+ ( a a) = + + = + + 4 (ii) 表 裏のとき a4 = a 5 + ( a a) = + + = 4 + (iii) 裏 表のとき a4= a 5 + ( a a) = + + = + 4 (iv) 裏 裏のとき a4= a + ( a a) = + + = + + 4 よって, a4 の期待値 p4 は, ( 5 5 ) p 4= + + + + + + + + + 4 4 4 4 4 = + + 9 + + 6 4 4 6 () b = a + a とおくと, b= 0= で, から, b = b となり, b = b = ( ) ところで, 硬貨を 回投げたとき, 表がk 回, 裏が k 回でたとすると, k k b= = k + また, このときの確率は, ( ) ( C ) C ( k k ) そこで, b の期待値をq とするとき, q k = + C k k= 0 k k = となる + 4 k= 0 = = ( + ) = + (4 ) 4 4 なお, この式は= のときも成立する C k k = (4 ) さて, に対して, 両辺の期待値をとると, q= p+ p k = 0 C k k -5- 電送数学舎 0

0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 p = 0 なので, より, = q i + i= ( + ) 4 4 i= i= p p ( ) (i) 4 + 4 ( ± ) のとき ( + ) p 4 4 4 = = + ( + ) 4+ 4 4 4 4 (ii) 4 + 4 = ( = ± ) のとき p = ( ) () 数列 { p} が収束する条件は, >0 から, { } (i) ± のとき 4 + 4 <, すなわち 4+ <0 より, << + (ii) = ± のとき limp = より, 不適である (i)(ii) より, 求める条件は, << + (4) () のとき, limp = 4 = 4 = 4 4 + + 4 ( ) + ここで, <<+ より, = << = + となり, + 0< + したがって, = ( = ) のとき, limp は最小値 4 をとる [ 解説 ] 式は, 和の期待値は期待値の和 という考え方を用いています 阪大の出題範囲 からすると, 掟破りですが -6- 電送数学舎 0