2018年度 2次数学セレクション(微分と積分)

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数学 Ⅲ 微分法の応用 大学入試問題 ( 教科書程度 ) 1 問 1 (1) 次の各問に答えよ (ⅰ) 極限 を求めよ 年会津大学 ( 前期 ) (ⅱ) 極限値 を求めよ 年愛媛大学 ( 前期 ) (ⅲ) 無限等比級数 が収束するような実数 の範囲と そのときの和を求めよ 年広島市立大学 ( 前期

2015-2017年度 2次数学セレクション(複素数)解答解説

2014年度 センター試験・数学ⅡB

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平成 年 月 7 日 ( 土 第 75 回数学教育実践研究会アスティ 45 ビル F セミナールーム A 札幌医科大学 年 P ab, を正の定数とする 平面上において ( a, を中心とする円 Q 4 C と (, b を中心とする円 C が 原点 O で外接している また P を円 C 上の点と

2015年度 2次数学セレクション(整数と数列)

1 対 1 対応の演習例題を解いてみた 微分法とその応用 例題 1 極限 微分係数の定義 (2) 関数 f ( x) は任意の実数 x について微分可能なのは明らか f ( 1, f ( 1) ) と ( 1 + h, f ( 1 + h)

学習指導要領

平成 30 年度入学試験問題 数学 注意事項試験開始後, 問題冊子及び解答用紙のページを確かめ, 落丁, 乱丁あるいは印刷が不鮮明なものがあれば新しいものと交換するので挙手すること 1. 試験開始の合図があるまで問題冊子を聞かないこと 試験開始後は, すべての解答用紙に受験番号 氏名を記入すること

2014年度 信州大・医系数学

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Chap2

2015-2018年度 2次数学セレクション(整数と数列)解答解説

20~22.prt

学習指導要領

公式集 数学 Ⅱ B 頭に入っていますか? 8 和積の公式 A + B A B si A + si B si os A + B A B si A si B os si A + B A B os A + os B os os A + B A B os A os B si si 9 三角関数の合成 si

重要例題113

頻出問題の解法 4. 絶対値を含む関数 4.1 絶対値を含む関数 絶対値を含む関数の扱い方関数 X = { X ( X 0 のとき ) X ( X <0 のとき ) であるから, 絶対値の 中身 の符号の変わり目で変数の範囲を場合分けし, 絶対値記号をはずす 例 y= x 2 2 x = x ( x

2018試行 共通テスト 数学ⅠA 解答例

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p tn tn したがって, 点 の 座標は p p tn tn tn また, 直線 l と直線 p の交点 の 座標は p p tn p tn よって, 点 の座標 (, ) は p p, tn tn と表され p 4p p 4p 4p tn tn tn より, 点 は放物線 4 p 上を動くこと

1999年度 センター試験・数学ⅡB

数学 ⅡB < 公理 > 公理を論拠に定義を用いて定理を証明する 1 大小関係の公理 順序 (a > b, a = b, a > b 1 つ成立 a > b, b > c a > c 成立 ) 順序と演算 (a > b a + c > b + c (a > b, c > 0 ac > bc) 2 図

Math-Aquarium 例題 図形と計量 図形と計量 1 直角三角形と三角比 P 木の先端を P, 根元を Q とする A 地点の目の位置 A' から 木の先端への仰角が 30,A から 7m 離れた AQB=90 と なる B 地点の目の位置 B' から木の先端への仰角が 45 であ るとき,

PowerPoint プレゼンテーション

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05 年度センター試験数学 ⅡB () において,cos q 0 であるから,P ( cos q, sin q) より, 直線 OP を表す方程式は y sin q sin q x cos q cos q x すなわち, (sin q) x - (cos q) y 0 ( ) ク 点 O,P,Q が

解答速報数学 2017 年度大阪医科大学 ( 前期 ) 一般入学試験 1 (1) 0, 8 1 e9 進学塾 0t= $ e e 0t= 11 2e -1 1 = 2 e 0t= -11 dy dx = -2 - t te 3t 2-1 = = ビッグバン dy (2) x

Chap2.key

学習指導要領

数学○ 学習指導案

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座標軸以外の直線のまわりの回転体の体積 ( バウムクーヘン分割公式 ) の問題の解答 立体の体積の求め方 図 1 の立体の体積 V を求める方法を考えてみる 図 1 図 1 のように 軸の から までの長さを 等分する そして とおく とすると となる 図 1 のように のときの 軸に垂直な平面 に

2019対策 千葉大・文系数学

学習指導要領

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日本内科学会雑誌第98巻第4号

日本内科学会雑誌第97巻第7号

学習指導要領

DVIOUT-SS_Ma

解答例 ( 河合塾グループ株式会社 KEI アドバンスが作成しました ) 特別奨学生試験 ( 平成 29 年 12 月 17 日実施 ) 数 学 数学 2= 工 経営情報 国際関係 人文 応用生物 生命健康科 現代教育学部 1 整理して (60 分 100 点 ) (2 3+ 2)(

<4D F736F F D F90948A F835A E815B8E8E8CB189F090E05F8E6C8D5A>

Microsoft Word - 町田・全 H30学力スタ 別紙1 1年 数学Ⅰ.doc

FdData中間期末数学2年

竹田式数学 鉄則集

代数 幾何 < ベクトル > 1 ベクトルの演算 和 差 実数倍については 文字の計算と同様 2 ベクトルの成分表示 平面ベクトル : a x e y e x, ) ( 1 y1 空間ベクトル : a x e y e z e x, y, ) ( 1 1 z1

以下 変数の上のドットは時間に関する微分を表わしている (ex. 2 dx d x x, x 2 dt dt ) 付録 E 非線形微分方程式の平衡点の安定性解析 E-1) 非線形方程式の線形近似特に言及してこなかったが これまでは線形微分方程式 ( x や x, x などがすべて 1 次で なおかつ

曲線 = f () は を媒介変数とする自然な媒介変数表示 =,= f () をもつので, これを利用して説明する 以下,f () は定義域で連続であると仮定する 例えば, 直線 =c が曲線 = f () の漸近線になるとする 曲線 = f () 上の点 P(,f ()) が直線 =c に近づくこ

学習指導要領

エンマの唇

学力スタンダード(様式1)

2019 年 6 月 4 日演習問題 I α, β > 0, A > 0 を定数として Cobb-Douglas 型関数 Y = F (K, L) = AK α L β (5) と定義します. (1) F KK, F KL, F LK, F LL を求めましょう. (2) 第 1 象限のすべての点

学習指導要領 ( イ ) 集合集合と命題に関する基本的な概念を理解し それを事象の考察に活用すること 向丘高校学力スタンダード 三つの集合について 共通部分 和集合を求めることができる また 二つの集合について ド モルガンの法則 を理解する ( 例 ) U ={ n n は 1 桁の自然数 } を

データ解析

二次関数 1 二次関数とは ともなって変化する 2 つの数 ( 変数 ) x, y があります x y つの変数 x, y が, 表のように変化するとき y は x の二次関数 といいます また,2 つの変数を式に表すと, 2 y x となりま

長尾谷高等学校レポート 回目 全枚. 関数 f() = について, 次の各問いに答えよ ( 教科書 p6~7, 副読本 p97) () 微分係数 f ( ) を定義に従って求めよ ただし, 求める過程を必ず書くこと () グラフ上の (, ) における接線の傾きを求めよ. 関数 ( ) = 4 f

高ゼミサポSelectⅢ数学Ⅰ_解答.indd

学習指導要領

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学習指導要領

Ł\”ƒ-2005

Microsoft Word - 非線形計画法 原稿

数学の学び方のヒント

第90回日本感染症学会学術講演会抄録(I)

< 図形と方程式 > 点間の距離 A x, y, B x, y のとき x y x y : に分ける点 æ ç è A x, y, B x, y のとき 線分 AB を : に分ける点は x x y y, ö ø 注 < のとき外分点 三角形の重心 点 A x, y, B x, y, C x, を頂

日本内科学会雑誌第102巻第4号

微分方程式による現象記述と解きかた

学習指導要領

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Transcription:

08 次数学セレクション問題 [ 東京大 ] > 0 とし, f = x - x とおく () x で f ( x ) が単調に増加するための, についての条件を求めよ () 次の 条件を満たす点 (, b) の動きうる範囲を求め, 座標平面上に図示せよ 条件 : 方程式 f = bは相異なる 実数解をもつ 条件 : さらに, 方程式 f = bの解を < < とすると > である --

08 次数学セレクション問題 [ 金沢大 文 ] 関数 f ( x ) は等式 f = x- + xf ( t) dtを満たすとし, f ( ) = 0 0 く 次の問いに答えよ () f ( ) を を用いて表せ () の値を求めよ () k は定数とする y = xf -kのグラフと y = x のグラフの共有点の個数を求 めよ --

08 次数学セレクション問題 [ 千葉大 ] を正の数とし, t は 0 t< を満たす数とする 点 (,( t t- )) における曲線 y = ( x-) の接線と, x 軸および y 軸で囲まれた領域を D( t ) とする () 領域 D( t ) の表す図形の面積を および t を用いて表せ () 領域 D( t ) の表す図形の面積の最大値, およびそのときの t の値を を用いて表せ () s は 0 s t を満たす数とする 領域 D( t ) と領域 D( s) を合わせてできる領域 D( t) È D( s) の表す図形の面積の最大値, およびそのときの s と t の値を を用い て表せ --

08 次数学セレクション解答解説 [ 東京大 ] () f = x - x ( > 0) に対して, これより, f ( x ) の増減は右表のよ < < とすると, <- < < < であり, しかも > である条件は, 右図から, > - < b< f () = - ここで, の つの境界線 b=- とb= - の関 係は, 両式を連立すると, - = -, - + = 0 (+ )( - ) = 0 よって, =- で交わり, = で接する 以上より, 点 (, b) の動きうる範囲は, から, >, - < b< - f = x - = ( x+ )( x- ) x - うになる f ( x ) + 0-0 + すると, x で f ( x ) が単調に増加 f ( x ) - する条件は, 0 < である y () 方程式 f = bは相異なる 実数解をもち, その解を この不等式を b 平面上に図示すると, 右図の網点部になる ただし, 境界は領域に含まない α - O b - b O - β γ x [ 解説 ] 微分の方程式への応用問題です 内容は基本的です -6- 電送数学舎 08

08 次数学セレクション解答解説 [ 金沢大 文 ] () 条件より, ここで, 0 f = x- + x f ( t) dt = x- + x f ( t) dt 0 0 f ( t) dt= とおくと, f ( x ) = x- + x となり, f () = - + = + () より, f = x- + x = ( + ) x- ( x ) f =- x+ + x = ( - ) x+ ( x < ) に代入すると, 0 0 = f ( t ) dt = {( - ) t + } dt + {( + ) t -} dt = é ( ) t tù é ( ) t tù êë - + + + - úû êë úû = + 0 よって, =-となる () () より, f ( x ) =- ( x ), f =- x+ ( x < ) = ( - ) + + ( + ) - ここで, y = xf -k と y =- x を連立すると, すると, xf - k=-x, xf + x = k y = xf + x 5のグラフと y = k 6のグラフの共有点の個数 は, のグラフとのグラフの共有点の個数に一致し, 5より, (i) x のとき ( ) xf + x =- x+ x = x- - (ii) x < のとき xf + x = x( - x+ ) + x =- x + x =-( x - ) + (i)(ii) より, とのグラフの共有点の個数は, 右図より, 個 ( k< 0, < k), 個 ( 0, ) 0 < k < 6 k =, 個 ( ) y k O 5 x [ 解説 ] 置換え型の積分方程式と 次関数と方程式の融合問題です 誘導が詳しいので, 方針は明快です -7- 電送数学舎 08

08 次数学セレクション解答解説 [ 千葉大 ] () 曲線 y = ( x-) に対し y = ( x-) となり, 0 t< に おいて, 点 (,( t t- )) における接線の方程式は, y -( t- ) = ( t-)( x- t) y = ( t-) x- t + すると, と y 軸との交点は (0, - t + ) となり, また x 軸との交点は t+ (, 0) である そこで, 接線 と x 軸および y 軸で囲まれた領域 D( t ) の O t x 面積を S( t) とおくと, S( t) t+ = (- t + ) = ( -t - t + t+ ) () より, S ( t) = (-t - t+ ) =- ( t- )( t+ ) すると, 0 t< における S( t) の増減は右表 t 0 のようになる これより, S( t) は t = のとき最 S ( t) + 0 - 大となり, 最大値は, S( t ) 8 S( ) = ( - - + + ) = 7 9 7 () 0 s t< のとき, 点 ( s, ( s- ) ) における接線の方程 y 式は, より, y = ( s-) x- s + さて, つの領域 D( t ) と D( s ) を合わせてできる領域 D( t) È D( s) の面積を T(, t s) とすると, (i) 0 s= t< のとき T(, t s) = S( t) より, () から最大値は (ii) 0 s<t<のとき を連立すると, 8 7 である ( t-) x- t + = ( s-) x- s + から, ( t- s) x = t - s, x = t+ s よって, T(, t s) = S( t) + {(- s + )-(- t + )} t+ s となり, T(, t s) = (-t - t + t+ ) + ( t + st -s t- s ) ここで, t をt= (0 << ) で固定し, s を 0 s< で動かすと考え, T(, s) = ( -t 0 - + + ) + ( + s-s - s ) y O s t x -8- 電送数学舎 08

T ( t 0, s) =- (s + s- ) =- ( s- )( s+ ) すると, 0 s< におけるT( t 0, s) の 増減は右表のようになる これより, T(, s) は s = のとき最大となり, 最大値は, t T t t t t t 08 次数学セレクション解答解説 t t t 0 0 0 0 ( 0, ) = ( - 0-0 + 0 + ) + ( 0 + - - ) 9 7 = 5 ( 0-0 + 0 + ) 7 t t t さらに, この状態を保ったままt 0 を 0 << で動かすと考え, 変数をt 0 から t に 戻し ( ) (, t U t = T t ) とおき直すと, U( t) 5 ( t t t ) U ( t) = 5 ( t - t+ ) 9 = (5 )( ) 6 t- t- すると, 0 <t< における U( t) の増減は右 s 0 = - + + から, 7 表のようになる これより, U( t) はt= のとき最大となり, 最大値は, 5 U ( 5 7 9 8 ) = ( - + + ) = 5 7 5 5 5 5 (i)(ii) より, T( t, s) は, t=, s= = のとき, 最大値 8 5 5 5 5 をとる ( 0, ) + 0 - T t s T(, s ) t 0 t 0 5 U ( t) + 0 - U( t ) [ 解説 ] 微分と最大 最小に関する問題です () は 変数関数が対象の設問で, 文字を固定して処理しています ただ, 重複をいとわず丁寧に記述したところ, かなりの分量になってしまいました -9- 電送数学舎 08