切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 するオキサリプラチンの 適 応 拡 大 について 日 本 胃 癌 学 会 は オキサリプラチンの 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 への 適 応 拡 大 についての 要 望 書 を 厚 生 労 働 省 に 提 出 していたが このたび 医 療 上 の 必 要 性 の 高 い 未 承 認 薬 適 応 外 薬 検 討 会 議 および 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 での 審 議 を 経 て 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 するオキサリプラ チンの 公 知 妥 当 性 の 事 前 評 価 が 終 了 し 平 成 26 年 9 月 より 保 険 適 応 の 対 象 となった(B 法 : 130mg/m 2 3 週 毎 ) これまで 本 邦 における 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 する 標 準 治 療 はS-1 +シスプラチン 併 用 (SP) 療 法 であり プラチナ 製 剤 としてシスプラチンが 日 常 診 療 において 汎 用 さ れてきたが 今 後 はシスプラチンに 加 えてオキサリプラチンが 新 たに 選 択 肢 に 加 わる ただし こ れまでの 国 内 でのオキサリプラチンの 使 用 は 結 腸 直 腸 癌 が 中 心 であり 胃 癌 に 対 する 使 用 経 験 は 限 定 されている オキサリプラチンは 大 量 輸 液 が 不 要 で 外 来 治 療 が 可 能 であるなどの 利 点 もあ るが 胃 癌 に 対 して 用 いた 場 合 には 後 述 のように 重 篤 な 有 害 事 象 が 発 生 する 危 険 性 があるた め 併 用 薬 や 用 法 用 量 だけでなく 休 薬 や 減 量 などに 留 意 した 適 正 使 用 が 望 まれる オキサリプ ラチンの 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 への 適 応 拡 大 に 際 して 適 正 使 用 を 推 進 することは 日 本 胃 癌 学 会 の 責 務 であると 考 え 本 ステートメントを 作 成 した なお 本 ステートメントは 日 本 癌 治 療 学 会 日 本 消 化 器 外 科 学 会 日 本 臨 床 腫 瘍 学 会 の 協 力 を 得 て それぞれの 学 会 のホームページでも 公 開 する 0. 概 要 1) 目 的 本 ステートメントは 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 してオキサリプラチン(B 法 :130mg/m 2 3 週 毎 )が 使 用 可 能 になったことをうけて 安 全 性 に 配 慮 した 適 正 使 用 を 推 進 することを 目 的 とする 2) 推 奨 されるレジメン オキサリプラチン 130mg/m 2 3 週 毎 投 与 (B 法 )を 経 口 フッ 化 ピリミジンと 併 用 することが 推 奨 され る また 安 全 性 の 面 からは 他 癌 腫 での 使 用 経 験 のあるCapeOX (カペシタビン+オキサリプラチ 2) 3) ン) 療 法 SOX (S-1+オキサリプラチン) 療 法 などのレジメンの 選 択 が 望 ましい 3) 減 量 基 準 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 してオキサリプラチン(B 法 :130mg/m 2 3 週 毎 )を 用 いる 際 には 下 記 の 有 害 事 象 を 認 めた 場 合 にはオキサリプラチンの 減 量 および Grade 3 の 感 覚 性 神 経 障 害 がコースを 超 えて 継 続 する 場 合 には 中 止 を 検 討 する( 表 3:CapeOX 療 法 におけるオキサリプラチ ンの 減 量 基 準 ) 1 血 小 板 減 少 症 (Grade 3) 2 好 中 球 減 少 症 および 発 熱 性 好 中 球 減 少 症 (Grade 3)
3 感 覚 性 神 経 障 害 (コースを 超 えて 継 続 する Grade 2 および 7 日 以 上 継 続 する Grade 3) 4 その 他 の 非 血 液 毒 性 (Grade 3) 1. 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 して 推 奨 されるオキサリプラチンを 含 む 化 学 療 法 レジメン 医 療 上 の 必 要 性 の 高 い 未 承 認 薬 適 応 外 薬 検 討 会 議 および 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 での 審 議 を 経 て 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 するオキサリプラチンの 用 法 用 量 はB 法 (130mg/m 2 3 週 毎 ) が 使 用 可 能 となった これは 主 として 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 においてシスプラチンに 対 する 本 1) 用 法 用 量 のオキサリプラチンの 非 劣 性 を 証 明 したREAL-2 試 験 の 結 果 と 国 内 におけるオキサリ プラチンの 使 用 経 験 に 基 づいている 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 するオキサリプラチンを 含 む 代 表 的 な 化 学 療 法 レジメンは 1) REAL-2 試 験 で 用 いられたEOF (エピルビシン+オキサリプラチン+5-FU) 療 法 EOX (エピルビ シン+オキサリプラチン+カペシタビン) 療 法 胃 癌 のグローバル 治 験 でもコントロールアームの1 つとされ 本 邦 でも 結 腸 直 腸 癌 で 汎 用 されているカペシタビン+オキサリプラチン 併 用 (CapeOX) 療 2) 法 48 時 間 の 5-FU 持 続 静 注 /ロイコボリン(アイソボリン)と 併 用 したFOLFOX 療 法 およびS-1 と 3) 併 用 したSOX 療 法 などがある 1) これらの 中 で REAL-2 試 験 で 用 いられたエピルビシンを 含 む 3 剤 併 用 療 法 や 連 日 の 5-FU 持 続 静 注 は 国 内 でほとんど 使 用 されないと 予 想 される またFOLFOX 療 法 は 胃 癌 に 対 する 保 険 適 応 はない 従 って 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 しては 本 邦 ではオキサリプラチン 130mg/m 2 3 週 毎 投 与 (B 法 )を 経 口 フッ 化 ピリミジンと 併 用 することが 推 奨 される また 安 全 性 の 面 からは 他 2) 3) 癌 腫 での 使 用 経 験 のあるCapeOX 療 法 SOX 療 法 などのレジメンの 選 択 が 望 ましい 2. CapeOX 療 法 および SOX 療 法 の 注 意 すべき 有 害 事 象 ( 表 1, 4) 2) CapeOX 療 法 の 適 正 使 用 に 関 する 情 報 は 国 内 で 施 行 された 少 数 例 の 治 験 ( 表 1) 以 外 にも 市 販 後 調 査 における 有 害 事 象 発 生 頻 度 などの 詳 細 な 情 報 が 参 照 可 能 である 使 用 に 当 たっては 十 分 に 有 害 事 象 の 情 報 を 収 集 し これらの 有 害 事 象 を 認 めた 場 合 には 減 量 休 薬 ( 表 2, 3)につ いて 配 慮 すべきである 国 内 で 行 われた 症 例 数 の 多 い 臨 床 試 験 におけるSOX 療 法 の 安 全 性 については 切 除 不 能 大 3) 4,5) 腸 癌 を 対 象 としたSOFT 試 験 と 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 を 対 象 としたG-SOX 試 験 の 2 つの 第 III 4,5) 相 試 験 の 結 果 が 公 表 されている ( 表 4) G-SOX 試 験 ではオキサリプラチン 100mg/m 2 を 3 週 毎 に 投 与 する 方 法 が 用 いられた 一 方 結 腸 直 腸 癌 においては 既 にCapeOX 療 法 のFOLFOX 療 3) 法 との 非 劣 性 が 示 されていたため カペシタビンのS-1 への 置 き 換 えを 考 慮 して SOFT 試 験 の SOX 療 法 にはオキサリプラチン 130mg/m 2 の 3 週 毎 投 与 が 採 用 された また これら 2 試 験 では オキサリプラチンの 開 始 用 量 だけでなく 休 薬 減 量 基 準 も 異 なり( 表 5, 6) SOFT 試 験 の 方 が 早 めの 減 量 基 準 が 設 定 されていた 実 際 にSOFT 試 験 では 53%の 症 例 でS-1 が 減 量 され 53%の 症 例 でオキサリプラチンが 減 量 された G-SOX 試 験 とSOFT 試 験 におけるSOX 療 法 のGrade 3 以 上 の 有 害 事 象 の 発 現 頻 度 を 比 較 する
と( 表 4) 感 覚 性 神 経 障 害 以 外 では 血 小 板 減 少 症 を 含 めてGrade 3 以 上 の 有 害 事 象 の 発 生 頻 度 はSOFT 試 験 の 方 が 低 い これらの 臨 床 試 験 結 果 をまとめると SOX 療 法 においては 休 薬 や 減 量 基 準 の 違 いにより 血 小 板 減 少 症 などの 有 害 事 象 の 発 現 頻 度 や 重 篤 度 が 異 なることを 認 識 す べきである 従 って 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 しても SOX 療 法 にてオキサリプラチン 130mg/m 2 3) の 3 週 毎 投 与 (B 法 )を 用 いる 場 合 には 安 全 性 を 高 めるためにSOFT 試 験 の 投 薬 基 準 や 減 量 基 準 ( 表 5, 6)を 参 照 することが 勧 められる 3. 参 考 資 料 1) REAL-2 試 験 1) REAL-2 試 験 は それまで 欧 州 を 中 心 に 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 する 標 準 治 療 と 考 えら れてきたECF 療 法 (エピルビシン+シスプラチン+5-FU)に 対 する シスプラチン(C)のオキサリプラチ ン(O)への 置 き 換 え および 5-FUのカペシタビンへの 置 き 換 えの 非 劣 性 を 検 証 する 2 x 2 デザイ ンであった シスプラチンに 対 するオキサリプラチンの 非 劣 性 は ECF 療 法 (n=249)とecx 療 法 (n = 241)の 2 群 を 合 わせたものとEOF 療 法 (n=235)とeox 療 法 (n=239)の 2 群 を 合 わせたものとの 比 較 により 検 討 された プライマリーエンドポイントである 全 生 存 期 間 の 中 央 値 は シスプラチン 使 用 群 で 10.0 ヶ 月 オキサリプラチン 使 用 群 で 10.4 ヶ 月 ハザードは 0.92 (95% 信 頼 区 間 0.80-1.10)であ り 事 前 に 設 定 された 非 劣 性 マージン 1.23 をクリアし オキサリプラチンのシスプラチンに 対 する 非 劣 性 が 検 証 された 2) G-SOX 試 験 2) 当 初 SOX 療 法 は 結 腸 直 腸 癌 に 対 するCapeOX 療 法 を 参 考 にして 開 発 が 進 められた S-1 通 常 量 (40mg/m 2 朝 夕 食 後 投 与 )の 2 週 投 与 1 週 休 薬 のスケジュールに 合 わせてオキサリプラチ 6) ンの 3 週 毎 投 与 を 用 いた 結 腸 直 腸 癌 の 初 回 化 学 療 法 例 を 対 象 とした 第 I/Ⅱ 相 試 験 では 第 1 サイクル 中 に 1) 4 日 以 上 継 続 する 500/mm 3 未 満 の 好 中 球 減 少 2) 50,000/mm 3 未 満 の 血 小 板 減 少 3) 十 分 な 支 持 療 法 のもとで 発 現 するGrade3 以 上 の 下 痢 4) 嘔 気 嘔 吐 食 欲 不 振 電 解 質 異 常 以 外 のGrade 3 以 上 の 非 血 液 毒 性 5) 1 週 間 以 上 の 治 療 の 遅 延 を 用 量 制 限 毒 性 (Dose Limiting Toxicity: DLT)として オキサリプラチン 100mg/m 2 (Level 1)と 130mg/m 2 (Level 2)の 2 投 与 量 が 検 討 された Level 1 の 3 例 ではDLTがなく Level 2 に 29 例 が 登 録 されたが Level 2 では Grade 3 以 上 の 血 小 板 減 少 症 が 28% (8 例 )にみられ さらに 血 小 板 減 少 症 が 遷 延 したために 28% (8 例 )で 治 療 が 中 止 された 原 発 巣 からの 出 血 などが 問 題 となる 危 険 性 が 高 い 胃 癌 において 30% 前 後 のGrade 3/4 の 血 小 6) 板 減 少 症 は 問 題 であり 結 腸 直 腸 癌 の 初 回 化 学 療 法 例 を 対 象 とした 第 I/Ⅱ 相 試 験 では 血 小 板 減 少 症 について 50,000/mm 3 以 下 となるまでオキサリプラチンの 減 量 を 許 容 しなかったことが 要 因 であると 考 察 し また 治 療 の 継 続 性 も 考 慮 して 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 するSOX 療 法 7) の 第 Ⅱ 相 試 験 では 通 常 量 のS-1 を 2 週 投 与 1 週 休 薬 に オキサリプラチン 100mg/m 2 を 3 週 毎 に 投 与 する 投 与 法 が 用 いられた その 治 療 成 績 ( 奏 効 率 59% 無 増 悪 生 存 期 間 中 央 値 6.5 ヶ 月
4,5) 全 生 存 期 間 中 央 値 16.5 ヶ 月 )を 踏 まえて G-SOX 試 験 でもオキサリプラチン 100mg/m 2 の 3 週 毎 投 与 が 採 用 された G-SOX 試 験 は 本 邦 の 標 準 治 療 であるSP 療 法 に 対 するSOX 療 法 の 非 劣 性 を 検 証 することを 目 的 として 施 行 された 無 増 悪 生 存 期 間 と 全 生 存 期 間 の 両 方 がプライマリーエンドポイントであり 先 に 2013 年 の 米 国 臨 床 腫 瘍 学 会 Gastrointestinal Cancers Symposium (ASCO-GI)にて 無 増 悪 生 存 期 間 の 結 果 が 公 表 され 4) 2014 年 の 第 86 回 日 本 胃 癌 学 会 にて 全 生 存 期 間 の 結 果 が 報 告 され た 5) SP 療 法 343 例 SOX 療 法 342 例 の 合 計 685 例 が 登 録 されたが 安 全 性 解 析 集 団 における 感 覚 性 神 経 障 害 以 外 のGrade3/4 の 有 害 事 象 の 頻 度 はSP 療 法 よりSOX 療 法 の 方 が 低 い 傾 向 にあり また Grade 3/4 の 血 小 板 減 少 症 は 10.1%と SP 療 法 と 同 程 度 であった 一 方 効 果 については Per-Protocolセット(SP 群 324 例 SOX 群 317 例 )を 解 析 対 象 として 非 劣 性 が 検 討 され 全 生 存 期 間 の 中 央 値 はSP 群 13.1 ヶ 月 SOX 群 14.1 ヶ 月 ハザード 比 は 0.969(95% 信 頼 区 間 0.812-1.157) であった これは 事 前 に 設 定 された 非 劣 性 マージンの 上 限 1.15 をわずかに 超 え 統 計 学 的 には 非 劣 性 を 検 証 することができなかった(p=0.0583) ただし この 解 析 にはperformance status (PS) 0/1/2 切 除 不 能 / 再 発 + 術 後 補 助 化 学 療 法 なし / 再 発 + 術 後 補 助 化 学 療 法 ありによる 3 x 3 の 9 層 に 分 けた 層 別 COX 回 帰 法 が 用 いられ PS 2 かつ 再 発 + 術 後 補 助 化 学 療 法 ありの 層 でSP 群 には 該 当 する 症 例 がなかったため SOX 群 の 1 例 が 解 析 から 除 外 された 事 後 に この 1 例 をPS 2 かつ 切 除 不 能 の 層 またはPS 1 かつ 再 発 + 術 後 補 助 化 学 療 法 ありの 層 に 併 合 した 解 析 方 法 を 用 いると いずれもハザード 比 の 上 限 が 1.15 を 下 回 っていた G-SOX 試 験 において 事 前 の 計 画 に 基 づいた 解 析 では 全 生 存 期 間 に 関 してハザー ド 比 の 95% 信 頼 区 間 の 上 限 が 非 劣 性 マージンをクリアできず 統 計 学 的 には 非 劣 性 が 検 証 されな かったと 結 論 せざるを 得 ない しかし この 試 験 でもハザード 比 の 点 推 定 値 は 0.969 であり REAL-2 試 験 を 含 めた 他 のオキサリプラチンとシスプラチンを 比 較 したいずれの 臨 床 試 験 でもハ ザード 比 は 1 未 満 であった 8) ことを 考 慮 すると G-SOX 試 験 でも 一 貫 した 結 果 が 得 られたともいえ る しかし メタアナリシス 8) で 検 討 された 海 外 での 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 する 3 つの 比 較 試 験 では オキサリプラチン 130mg/m 2 の 3 週 毎 投 与 または 85mg/m 2 の 隔 週 投 与 が 用 いられており (いずれも 投 薬 強 度 :43mg/m 2 / 週 ) それぞれの 試 験 におけるシスプラチンと 比 較 した 全 生 存 期 間 のハザード 比 は 0.65-0.91 全 体 では 0.88(95% 信 頼 区 間 :0.78-0.99)であった これに 比 べると G-SOX 試 験 におけるハザード 比 の 点 推 定 値 は 0.969 と 高 く オキサリプラチン 100mg/m 2 の 3 週 毎 投 与 ( 投 薬 強 度 :33mg/m 2 / 週 )ではオキサリプラチンの 効 果 が 十 分 発 揮 されていない 可 能 性 も 否 定 できない また 切 除 不 能 進 行 再 発 胃 癌 に 対 して いずれもオキサリプラチン130mg/m 2 の 3 週 9) 毎 投 与 を 用 いたCapeOX 療 法 とSOX 療 法 の 第 II 相 比 較 試 験 が 韓 国 にて 行 われ 同 等 の 治 療 成 績 が 報 告 されている 文 責 : 日 本 胃 癌 学 会
文 献 1) Cunningham D, Starling N, Rao S, et al. Capecitabine and oxaliplatin for advanced esophagogastric cancer. N Engl J Med. 358(1): 36-46, 2008. 2) Doi T, Boku N, Kato K, et al. Pase I/II study of capecitabine plus oxaliplatin (XELOX) plus bevacizumab as first line therapy in Japanese patients with metastatic colorectal cancer. Jpn J Clin Oncol. 40(10): 913-920, 2010 3) Yamada Y, Takahari D, Matsumoto H, et al. Leucovorin, fl uorouracil, and oxaliplatin plus bevacizumab versus S-1 and oxaliplatin plus bevacizumab in patients with metastatic colorectal cancer (SOFT): an open-label,non-inferiority, randomised phase 3 trial. Lancet Oncol. 14(13):1278-1286, 2013 4) Higuchi K, Koizumi W, Yamada Y, et al. Randomized phase III study of S-1 plus oxaliplatin versus S-1 plus cisplatin for first-line treatment of advanced gastric cancer. American Society of Clinical Oncology Gastrointestinal Cancers Symposium. Abstract #60, 2013 5) 後 藤 昌 弘 他. 進 行 再 発 胃 癌 を 対 象 としたS-1+cisplatin 対 S-1+oxaliplatin の 第 III 相 臨 床 試 験 (G-SOX 試 験 ) 結 果 と 個 別 化 医 療 への 展 開 第 86 回 日 本 胃 癌 学 会 総 会 抄 録 番 号 PD7-7 2014 6) Yamada Y, Tahara M, Miya T, et al. Phase I/II study of oxaliplatin with oral S-1 as first-line therapy for patients with metastatic colorectal cancer. Br J Cancer. 98(6): 1034-1038, 2008 7) Koizumi W, Takiuchi H, Yamada Y, et al. Phase II study of oxaliplatin plus S-1 as first-line treatment for advanced gastric cancer (G-SOX study). Ann Oncol. 21(5): 1001 1005, 2010 8) Montagnani F, Turrisi G, Marinozzi C, et al. Effectiveness and safety of oxaliplatin compared to cisplatin for advanced, unresectable gastric cancer: a systematic review and meta-analysis. Gastric Cancer. 14(1): 50 55, 2011 9) Kim GM, Jeung HC, Rha SY, et al. A randomized phase II trial of S-1-oxaliplatin versus capecitabine-oxaliplatin in advanced gastric cancer. Eur J Cancer. 48(4): 518-526, 2012
表 1:CapeOX(+Bevacizumab 療 法 )のGrade3 以 上 の 有 害 事 象 有 害 事 象 CapeOX CapeOX+Bevacizumab 症 例 数 6 58 感 覚 性 神 経 障 害 17% 17% 食 欲 不 振 0% 3% 疲 労 0% 5% 手 足 皮 膚 反 応 17% 2% 悪 心 0% 0% 嘔 吐 0% 2% 色 素 沈 着 0% 0% 口 内 炎 0% 2% 下 痢 0% 3% 好 中 球 減 少 0% 16% 血 小 板 減 少 1% 7% 表 2:CapeOX 療 法 におけるカペシタビンの 減 量 基 準 有 害 事 象 程 度 血 小 板 減 少 50,000/mm 3 未 満 好 中 球 減 少 1,000/mm 3 未 満 発 熱 性 好 中 球 減 少 症 Grade 3 以 上 その 他 の 非 血 液 毒 性 Grade 2 以 上 * *:カペシタビン 投 与 に 起 因 するGrade 2 以 上 の 非 血 液 毒 性 が 発 現 した 場 合 はGrade 1 以 下 に 回 復 するまで 休 薬 し 減 量 して 投 与 を 再 開 する 表 3:CapeOX 療 法 におけるオキサリプラチンの 減 量 基 準 有 害 事 象 程 度 次 回 オキサリプラチン 投 与 量 血 小 板 減 少 好 中 球 減 少 発 熱 性 好 中 球 減 少 症 非 血 液 毒 性 感 覚 性 神 経 毒 性 50,000/mm 3 未 満 1,000/mm 3 未 満 Grade 3 以 上 Grade 3 以 上 コースを 超 えて 継 続 するGrade 2 7 日 以 上 継 続 するGrade 3 コースを 超 えて 継 続 するGrade 3 1 回 目 発 現 時 :100mg/m 2 に 減 量 2 回 目 発 現 時 :85mg/m 2 に 減 量 オキサリプラチン 中 止
表 4:SOX 療 法 の Grade3 以 上 の 有 害 事 象 ( 大 腸 癌 第 I/Ⅱ 相 試 験 G-SOX 試 験 と SOFT 試 験 ) 大 腸 癌 第 I/Ⅱ 相 試 験 G-SOX 試 験 SOFT 試 験 オキサリプラチン 投 与 量 130mg/m 2,3 週 毎 100mg/m 2,3 週 毎 130mg/m 2,3 週 毎 症 例 数 29 338 250 白 血 球 減 少 0% 4.1% 2.4% 好 中 球 減 少 14% 19.5% 8.8% 貧 血 3% 15.1% 5.2% 血 小 板 減 少 28% 10.1% 3.6% 発 熱 性 好 中 球 減 少 - 0.9% - 低 Na 血 症 - 4.4% - クレアチニン 上 昇 - 0.3% 0% 下 痢 3% 5.6% 9.2% 嘔 気 0% 3.8% 2.0% 嘔 吐 0% - 0.8% 口 内 炎 - 1.5% 1.6% 食 欲 不 振 0% 15.4% 5.2% 総 ビリルビン - 2.7% 2.0% AST(GOT) - 3% 4.4% ALT(GPT) - 3% 4.8% ALP - 1.2% - 感 覚 性 神 経 障 害 0% 4.7% 10.0% 疲 労 0% - 2.8% 皮 疹 0% - 0% 手 足 症 候 群 0% - 0.4% アレルギー 反 応 3% - -
表 5:SOX 療 法 の 治 療 変 更 基 準 コース 開 始 基 準 G-SOX 試 験 SOFT 試 験 白 血 球 - 3000/mm 3 以 上 好 中 球 1,500/mm 3 以 上 1,500/mm 3 以 上 血 小 板 75,000/mm 3 以 上 75,000/mm 3 以 上 * AST(GOT) 施 設 基 準 値 上 限 の2.5 倍 以 下 100 IU/L(200 IU/L**) 以 下 ALT(GPT) 施 設 基 準 値 上 限 の 2.5 倍 以 下 100 IU/L(200 IU/L**) 以 下 血 清 クレアチニン 施 設 基 準 値 上 限 の1.2 倍 以 下 1.5mg/dl 未 満 感 染 感 染 を 疑 う 38 以 上 の 発 熱 がない 感 染 を 疑 う 38 以 上 の 発 熱 がない 下 痢 Grade 1 以 下 Grade 1 以 下 口 内 炎 Grade 1 以 下 Grade 1 以 下 手 足 症 候 群 Grade 1 以 下 - 感 覚 性 神 経 障 害 Grade 2 以 下 Grade 2 以 下 *** S-1 コース 内 休 薬 G-SOX 試 験 SOFT 試 験 好 中 球 1,000/mm 3 未 満 1,000/mm 3 未 満 血 小 板 50,000/mm 3 未 満 75,000/mm 3 未 満 AST(GOT) 施 設 基 準 値 上 限 の2.5 倍 を 超 える 100 IU/L(200 IU/L**) 以 下 ALT(GPT) 施 設 基 準 値 上 限 の 2.5 倍 を 超 える 100 IU/L(200 IU/L**) 以 下 血 清 クレアチニン 施 設 基 準 値 上 限 の1.2 倍 を 超 える 1.5mg/dL 以 上 感 染 - 感 染 を 疑 う 38 以 上 の 発 熱 下 痢 Grade 2 以 上 Grade 2 以 上 粘 膜 炎 / 口 内 炎 Grade 2 以 上 Grade 2 以 上 手 足 症 候 群 Grade 2 以 上 - S-1 コース 内 再 開 G-SOX 試 験 SOFT 試 験 好 中 球 1,000/mm 3 以 上 1,000/mm 3 以 上 血 小 板 50,000/mm 3 以 上 75,000/mm 3 以 上 AST(GOT) 施 設 基 準 値 上 限 の2.5 倍 以 下 - ALT(GPT) 施 設 基 準 値 上 限 の 2.5 倍 以 下 - 血 清 クレアチニン 施 設 基 準 値 上 限 の1.2 倍 以 下 1.5mg/dl 未 満 感 染 - 感 染 を 疑 う 38 以 上 の 発 熱 がない 下 痢 Grade 1 以 下 Grade 1 以 下 粘 膜 炎 / 口 内 炎 Grade 1 以 下 Grade 1 以 下 手 足 症 候 群 Grade 1 以 下 -
表 5: 続 き オキサリプラチン G-SOX 試 験 SOFT 試 験 減 量 基 準 白 血 球 - 1,000/mm 3 未 満 500/mm 3 未 満 または day 22 にコ 好 中 球 500/mm 3 未 満 ース 開 始 基 準 を 満 たさない 場 合 25,000/mm 3 未 満 または day 29 ま 75,000/mm 3 未 満 または day 22 に 血 小 板 でに 75,000/mm 3 以 上 を 満 たさなか 75,000/mm 3 以 上 100,000/mm 3 未 満 った 場 合 の 場 合 発 熱 性 好 中 球 減 少 Grade 3 以 上 Grade 3 以 上 下 痢 Grade 3 以 上 - 粘 膜 炎 / 口 内 炎 Grade 3 以 上 - 手 足 症 候 群 Grade 3 以 上 - S-1 減 量 基 準 G-SOX 試 験 SOFT 試 験 白 血 球 - 1,000/mm 3 未 満 500/mm 3 未 満 または day 22 にコ 好 中 球 500/mm 3 未 満 ース 開 始 基 準 を 満 たさない 場 合 血 小 板 25,000/mm 3 未 満 50,000/mm 3 未 満 発 熱 性 好 中 球 減 少 好 中 球 数 1,000/mm 3 未 満 かつ 発 Grade 3 以 上 症 熱 ( 腋 窩 温 ) 38 下 痢 Grade 3 以 上 Grade 3 以 上 粘 膜 炎 / 口 内 炎 Grade 3 以 上 - 手 足 症 候 群 Grade 3 以 上 - * : 次 コース 開 始 予 定 日 に 血 小 板 数 75,000/mm 3 以 上 100,000/mm 3 未 満 の 場 合 には 各 薬 剤 の 減 量 基 準 に 従 う ** : 肝 転 移 を 有 する 症 例 は 200IU/L 以 下 とする ***:L-OHP 総 投 与 量 が 600mg/m 2 を 超 える 症 例 については 被 験 者 の 安 全 性 確 保 のため 責 任 医 師 等 の 判 断 でL-OHPの 投 与 をスキップしてコースを 開 始 することができる 表 6:SOFT 試 験 での S-1 およびオキサリプラチンの 減 量 レベル レベル S-1 オキサリプラチン Level 0( 開 始 用 量 ) 80mg/day 100mg/day 120mg/day 130mg/m 2 /3 週 Level-1 60mg/day 80mg/day 100mg/day 100mg/m 2 /3 週 Level-2 50mg/day 60mg/day 80mg/day 75 mg/m 2 /3 週