平 成 22 年 度 授 業 力 向 上 研 修 ( 小 中 ) 実 践 のまとめ(1 年 美 術 ) 平 成 22 年 11 月 17 日 ( 水 ) 指 導 者 三 条 市 立 第 三 中 学 校 教 諭 高 橋 淳 一 1 題 材 不 思 議 な 視 覚 の 世 界 動 き 出 す 絵 (ゾートロープ) 2 題 材 の 目 標 (1) 手 作 りのアニメーションに 関 心 をもち 意 欲 的 に 表 現 や 鑑 賞 の 創 造 活 動 に 取 り 組 んでい ( 関 心 意 欲 態 度 ) ( 2 ) ゾートロープの 基 本 的 な 原 理 や 作 品 制 作 の 条 件 を 理 解 し 絵 のつながりを 考 えながら 連 続 する ストーリーをつくることができ 明 度 や 色 相 の 差 などを 考 えた 配 色 計 画 をたてることができ ( 発 想 や 構 想 の 能 力 ) (3) 始 点 と 終 点 が 自 然 につながるように 丁 寧 に 図 案 を 描 くことができ 配 色 計 画 をもとに 美 しく 着 彩 することができ ( 創 造 的 な 技 能 ) (4) 制 作 された 作 品 のよさや 表 現 の 意 図 工 夫 を 感 じ 取 ることができ 自 分 の 制 作 意 図 や 作 品 に 対 する 思 いを 他 者 と 交 流 しながら 伝 え 批 評 しあうことができ ( 鑑 賞 の 能 力 ) 3 題 材 と 生 徒 (1) 題 材 について 中 学 校 学 習 指 導 要 領 ( 平 成 20 年 9 月 )の 美 術 科 第 2 各 学 年 の 目 標 及 び 内 容 第 1 学 年 の 2 内 容 A 表 現 (2) 伝 える 使 うなどの 目 的 や 機 能 を 考 え デザインや 工 芸 などに 表 現 する 活 動 を 通 して 発 想 や 構 想 に 関 する 次 の 事 項 を 指 導 す ア 目 的 や 条 件 などを 基 に 美 的 感 覚 を 働 かせて 構 成 や 装 飾 を 考 え 表 現 の 構 想 を 練 るこ と B 鑑 賞 (1) 美 術 作 品 などのよさや 美 しさを 感 じ 取 り 味 わう 活 動 を 通 して 鑑 賞 に 関 する 次 の 事 項 を 指 導 す ア 造 形 的 なよさや 美 しさ 作 者 の 心 情 や 意 図 と 表 現 の 工 夫 美 と 機 能 性 の 調 和 生 活 にお ける 美 術 の 働 きなどを 感 じ 取 り 作 品 などに 対 する 思 いや 考 えを 説 明 し 合 うなどして 対 象 の 見 方 や 感 じ 方 を 広 げること 以 上 を 受 けて 題 材 は 設 定 されてい 生 徒 は アニメーションを 日 常 的 に 接 していることから 興 味 をもって 取 り 組 めると 考 えた また アニメーションを 通 じて 生 活 の 中 に 根 付 いている 美 術 のよさを 感 じ 取 れる 題 材 でもあ その 特 徴 は 1 枚 の 絵 では 表 現 することのできない 時 間 の 経 過 や 動 きを 考 え コマとコマの つなが り を 予 測 しながら 制 作 していくことができることであ 実 際 には アニメーションの 原 型 であるゾ ートロープの 制 作 を 行 う 12コマの 制 限 の 中 で 動 きを 表 現 することは 適 度 な 抵 抗 感 があり 生 徒 は 想 像 力 を 最 大 限 に 働 かせ 制 作 することで 達 成 感 を 得 ることができ 加 えて 活 動 を 通 して 映 像 1
表 現 の 可 能 性 を 考 えさせたい (2) 生 徒 の 実 態 1 年 1 組 は 男 子 20 名 女 子 19 名 計 39 名 のクラスであ アンケート 結 果 によると アニメーションが 好 きな 生 徒 は 35 名 であその 内 週 に3 回 以 上 メ ディアに 触 れている 生 徒 は14 名 と 多 くが 日 常 的 に 親 しんでいしかし アニメーションを 実 際 に 描 いたことがある 生 徒 は3 名 と ほとんどの 生 徒 は 制 作 の 経 験 がない 制 作 したことのある 生 徒 でも パラパラ 漫 画 を 描 いた 程 度 であ このように 普 段 の 生 活 の 中 で 接 しているアニメーションの 制 作 に 生 徒 が 興 味 を 引 きやすいと 考 える が コマとコマの つながり を 思 考 する 必 要 性 から 困 難 に 捉 える 生 徒 もいると 予 想 されそこで アニメーションが 動 く 原 理 を 理 解 させることで 見 通 しをもたせ できる と 意 識 づけさせたい 1 学 期 には デザインの 学 習 を 行 ってきた 今 回 の 制 作 では 人 物 や 背 景 などを 単 純 化 し 見 やすい 配 色 を 考 え 制 作 に 取 り 組 ませたい デザインの 学 習 に 意 識 して 取 り 組 むことで 系 統 的 継 続 的 な 学 習 とす 1 組 の 生 徒 は 特 定 の 仲 間 との 会 話 は 得 意 だが 班 や 意 図 したグループでの 話 し 合 い 活 動 など 苦 手 と している 生 徒 が 多 い 多 くの 仲 間 と 関 わる 中 で 多 様 な 表 現 方 法 や 仲 間 の 作 品 のよさに 触 れる 活 動 をきっ かけにし よりよい 人 間 関 係 を 築 いてほしいと 願 ってい 4 題 材 展 開 の 構 想 (1) 研 究 テーマ 生 徒 相 互 の 交 流 で 作 品 への 思 いや 考 えを 膨 らませ 表 現 力 や 発 想 力 を 高 める 工 夫 (2)テーマ 設 定 の 意 図 新 学 習 指 導 要 領 の 美 術 科 のねらいは 作 品 に 対 する 思 いを 交 流 しながら 批 評 し 合 うことで 制 作 に 対 する 思 いや 知 識 理 解 を 深 めることと 考 え 交 流 活 動 を 行 うことで 自 分 の 制 作 意 図 を 再 考 しなが ら 思 いや 考 えを 深 めることや 仲 間 の 意 見 からヒントを 得 て 多 くのアイデアを 出 すことができるよう になり 美 術 の 表 現 力 と 発 想 力 を 高 めることにつなが 本 題 材 は 時 間 の 経 過 などを 考 えなくてはいけないために 絵 と 絵 の つながり を 意 識 しながら 制 作 していく 必 要 があその 点 で 動 きのイメージがつかめず 難 しく 感 じる 生 徒 がいると 想 定 され 話 し 合 い 活 動 を 通 して 自 分 のつまずいているところや 仲 間 のつまずいているところを 明 らかにさ せたい 明 らかになった 事 柄 を 教 えあうことにより アニメーションが 動 く 原 理 の 理 解 が 確 実 なもの にな (3) 研 究 テーマに 迫 るために 1 作 品 鑑 賞 プリントの 工 夫 制 作 の 意 図 や 問 題 点 など 自 分 自 身 の 表 現 意 図 をまとめられるようにす 動 くことが 上 手 くいった のは 何 が よかった のか 上 手 くいかなかったのは どうしてか を 明 らかにしながら 取 り 組 め るようにすポイントを 絞 ることにより 話 し 合 いの 活 動 では 短 時 間 でも 効 果 的 な 意 見 交 換 がで きると 考 え 2 学 習 形 態 の 工 夫 不 特 定 多 数 の 仲 間 と 交 流 する 場 面 の 設 定 を 行 う 最 初 は 交 流 活 動 への 抵 抗 感 をなくすために 名 簿 番 号 順 の 席 を 活 用 し 班 での 意 見 交 換 を 行 う その 後 同 じアニメーションの 種 類 や 異 なるものを 描 いている 生 徒 と 交 流 を 行 う 同 じ 種 類 であれ ば 見 るべきポイントも 同 じであるため 問 題 点 を 共 有 しやすい 異 なるものであれば 自 分 が 考 え ていないアイデアに 触 れることができるため 発 想 を 拡 げることができ 2
3 自 作 教 材 の 活 用 デジタルビデオカメラでコマごとに 撮 影 し 短 時 間 のアニメーション 動 画 を 制 作 す 自 作 の 動 画 を 見 せることによって 生 徒 にアニメーションが 動 く 仕 組 みについて 理 解 させまた 作 ったコマ を 見 せることでイメージを 膨 らませるようにす 教 師 が 自 作 のアニメーションを 作 ることで ス トーリー 距 離 感 時 間 の 変 化 大 きさの 大 小 など 制 作 の 意 図 を 明 確 にでき (4) 研 究 テーマ 達 成 にかかわる 評 価 パラパラ 漫 画 の 制 作 時 点 でつながりを 考 えて 動 く 絵 を 描 くことができる 生 徒 が 60% 以 上 パラパラ 漫 画 から 見 取 る ゾートロープを 制 作 した 時 点 でつながりを 考 えて 動 く 絵 を 描 くことができる 生 徒 が 80% 以 上 ゾートロープから 見 取 る 交 流 活 動 を 通 して 振 り 返 り 用 紙 にアニメーションが 動 くポイントなどを 書 くことができる 生 徒 が 60% 以 上 プリントと 活 動 から 見 取 る 5 題 材 の 評 価 規 準 美 術 への 関 心 意 欲 態 度 発 想 や 構 想 の 能 力 創 造 的 な 技 能 鑑 賞 の 能 力 手 作 りのアニメーショ ンに 関 心 をもって 意 欲 的 に 表 現 や 鑑 賞 の 創 造 活 動 に 取 り 組 ん でい アニメーションや 映 画 などの 映 像 表 現 に 興 味 をもちながら 見 よ うとす 学 習 に 必 要 な 用 具 を 準 備 することができ アニメーションの 基 本 的 な 原 理 や 作 品 制 作 の 条 件 を 理 解 し つな がりを 考 えながら 連 続 するストーリーを つくることができ 明 度 や 色 相 の 差 などを 考 えた 配 色 計 画 をた てることができ 連 続 的 に 少 しずつなめ らかに 絵 が 変 化 させ ることができ 始 点 と 終 点 が 自 然 につ ながるように 丁 寧 に 図 案 を 描 くことがで き 配 色 計 画 をもとに 美 しく 着 彩 することが でき 制 作 された 作 品 のよさ や 表 現 の 意 図 工 夫 を 感 じ 取 ることができ 自 分 の 制 作 意 図 や 作 品 に 対 する 思 いを 交 流 しながら 批 評 しあう ことができ 6 指 導 計 画 ( 全 8 時 間 本 時 1/8 時 間 ) 次 時 学 習 内 容 学 習 活 動 主 な 評 価 の 観 点 と 方 法 1 1 アニメーショ ンについて 理 解 する 2 2 アイデアを 練 る アニメーションを 鑑 賞 し 動 きの 表 し 方 について 理 解 す アニメーションが 動 く 原 理 を パラパラ 漫 画 を 制 作 することにより 理 解 す 制 作 を 振 り 返 り 動 きのポイントをまと め( 本 時 1/8 時 間 ) 連 続 するストーリーを 考 え アイデアスケッチ(プリント) パラパラ 漫 画 単 純 化 配 色 計 画 主 題 と 背 景 の 明 度 差 や 彩 度 差 色 相 差 を 考 え 3 4 制 作 ゾートロープにアイデアスケッチで 描 い たものを 丁 寧 に 描 き 写 す アクリルガッシュによる 着 彩 必 要 に 応 じてサインペンで 輪 郭 を 描 き 強 調 す 熱 心 に 制 作 し アニメーショ ンが 動 く 原 理 を 理 解 でき 関 発 鑑 活 動 の 様 子 パラパラ 漫 画 振 り 返 り 用 紙 連 続 するストーリーをつくる ことができ 配 色 計 画 関 発 活 動 の 様 子 アイデアスケッチ 始 点 と 終 点 が 自 然 につながる ように 丁 寧 に 図 案 を 描 くこと ができ 作 品 を 美 しく 着 彩 することが でき 3
組 み 立 て 関 技 活 動 の 様 子 用 具 の 準 備 作 品 4 1 まとめ 鑑 賞 と 自 己 評 価 制 作 された 作 品 のよさや 努 力 表 現 の 意 図 や 工 夫 を 感 じ 取 る ことができ 関 鑑 ワークシート 7 本 時 の 計 画 (1)ねらい アニメーションに 興 味 をもち 動 画 の 面 白 さを 理 解 することができ ( 美 術 への 興 味 関 心 態 度 ) 交 流 活 動 などを 通 して アニメーションが 動 く 原 理 を 理 解 することができ( 発 想 や 構 想 の 能 力 ) 自 他 の 作 品 を 鑑 賞 し 動 きのポイントなど 作 品 のよさを 感 じとることができ ( 鑑 賞 の 能 力 ) (2) 展 開 の 構 想 今 回 の 授 業 では 簡 単 なアニメーションを 見 せることで 静 止 した 画 像 が 徐 々に 形 がずれると 動 き 出 す 原 理 を 理 解 し 練 習 を 行 うことで 理 解 させ 映 像 とその 映 像 に 使 った 原 画 を 見 ることで コマ 同 士 がつながることで 動 くことを 理 解 す 束 になった 紙 を 用 意 してパラパラ 漫 画 のようにめくって 動 きを 出 す 簡 単 なアニメーションを 制 作 し 動 くことへの 理 解 を 描 きながら 深 めていく 交 流 活 動 させ つながりを 上 手 く 表 現 できない 生 徒 への 手 がかりになるようにす (3) 展 開 時 間 学 習 活 動 教 師 の 働 きかけ 予 想 される 反 応 評 価 留 意 点 導 入 7 分 自 作 のアニメーシ ョンビデオを 見 る ことで 動 きの 表 し 方 に 気 づく ビデオの 準 備 ( 事 前 準 備 ) 本 時 の 課 題 について 確 認 す 自 作 アニメーションビデオを 流 す アニメーションは 一 枚 一 枚 静 止 し た 画 像 の 組 み 合 わせでできてい アニメーションは1 秒 間 に 何 枚 も の 静 止 しているコマをつなげるこ とで 動 き 出 す コマとコマが 連 続 することで 網 膜 の 中 でつながり 認 識 することで 動 きとして 見 え 簡 単 なアニメーションのビデオ を 準 備 す (テレビ プレーヤー) 一 コマ 一 コマが 連 続 すること で 画 面 が 動 くことを 理 解 させ 映 像 を 熱 心 に 鑑 賞 したか 観 察 による 見 取 り 美 術 への 興 味 関 心 態 度 展 開 30 分 コマとコマの 間 の 動 きを 考 えなが ら 単 純 な 形 を 用 いて 制 作 すること で 動 くことについ ての 原 理 を 理 解 す トレーニング 用 紙 の 使 い 方 の 確 認 下 のページから 描 いていく 上 のページになるほど 動 きが 新 し くな パラパラ 漫 画 の 制 作 机 間 巡 視 動 くことについて 理 解 できない 生 徒 への 支 援 を 行 う 生 徒 が 描 くものは 異 なるのでそれ トレーニング 用 紙 準 備 (パラパラ 漫 画 コピー 用 紙 を12 枚 束 ねたもの) アニメーションの 種 類 ( 動 き) 上 下 に 移 動 するもの 左 右 に 動 くもの 大 きさが 変 化 するもの 形 が 少 しずつ 変 化 するもの 背 景 が 変 化 するもの 彩 度 や 明 度 が 変 化 するもの 数 の 増 減 で 変 化 するもの 4
ぞれにあったコメントをす 修 正 しながら 制 作 す 自 作 アニメーションビデオを2つ のパターンで 例 示 す スムーズに 動 くものと 1 4 7 10 コマ 目 を 使 って ぎこちな く 動 くものとの 比 較 を 行 う コマとコマとの 間 の 線 の 位 置 に 差 があると 動 きがスムーズでな い スムーズにするためには 今 作 っ ているパラパラ 漫 画 の 間 に 絵 を 増 やさなくてはいけない 必 要 に 応 じて パラパラ 漫 画 を 分 解 し 紙 を 付 け 加 え 修 正 しながら 制 作 を 行 わせ ホチキス 紙 の 用 意 途 中 で 動 きを 確 かめながら 一 コ マ 一 コマ 描 く 複 雑 なものを 描 いているのであれ ば 単 純 な 形 で 描 くようにさせ 動 きと 動 きの 間 に 差 がある 生 徒 に は 間 の 絵 を 多 く 描 くようにさせ パラパラ 漫 画 を 熱 心 に 制 作 し 原 理 について 理 解 したか トレーニング 用 紙 からの 見 取 り 関 心 意 欲 態 度 発 想 や 構 想 の 能 力 まとめ 13 分 振 り 返 り 用 紙 に 動 きについてのポイ ントをまとめ 制 作 したパラパラ 漫 画 を 鑑 賞 し 今 日 の 制 作 を 振 り 返 りプリントにま とめ 動 くためのポイントは? コマとコマのつながりが 少 しず つであ 細 かく 描 きすぎない 輪 郭 をはっきりさせ 振 り 返 り 用 紙 の 準 備 動 きの 確 認 をさせ つながりを 考 えさせ 変 化 を 細 かくさせ 次 時 のアイデアスケッチのヒ ントになるようにす 仲 間 との 交 流 をす ることでアニメー ションの 動 きの 理 解 を 深 め 仲 間 の 作 品 を 鑑 賞 す 自 分 の 作 品 や 仲 間 の 作 品 につ いて よさを 感 じとっている か 関 心 意 欲 態 度 鑑 賞 の 能 力 (4) 評 価 アニメーションについて 興 味 をもち 動 画 の 面 白 さを 理 解 することができたか ( 美 術 への 興 味 関 心 態 度 ) 交 流 活 動 などを 通 して アニメーションが 動 く 原 理 を 理 解 することができたか ( 発 想 や 構 想 の 能 力 ) 自 他 の 作 品 を 鑑 賞 し 動 きのポイントなど 作 品 のよさを 感 じとることができたか ( 鑑 賞 の 能 力 ) 5
8. 実 践 を 振 り 返 って (1) 研 究 授 業 の 実 際 1 導 入 時 にアニメーションを 見 る 場 面 生 徒 は テレビに 映 るアニメーション を おお という 声 など 反 応 をしながら 見 ていた 少 しずつ 鳥 の 羽 が 動 くことで 飛 んでいるように 見 えると 生 徒 は 感 じる ことができた 映 像 を 見 た 後 に 使 った 原 画 12 枚 を 太 洋 紙 自 作 アニメーション 1コマ 目 と2コマ 目 に 貼 り 付 けたものを 提 示 した 生 徒 は 事 前 に 見 た 映 像 と 原 画 を 比 較 することで 絵 が 動 くために は コマとコマとの 間 を 少 しずつ 変 化 させないといけないと 気 付 くことができた このような 生 徒 の 反 応 から 導 入 時 に 教 師 が 制 作 したアニメーションを 見 せることで 題 材 への 関 心 が 高 まってい ることがわか 2パラパラ 漫 画 でトレーニングする 場 面 30 分 の 制 作 時 間 の 中 で 多 い 生 徒 はパラパラ 漫 画 を3つ 描 いた 制 作 する 中 で ボールを 投 げ る 時 の 手 の 動 かし 方 を 自 分 の 腕 を 使 い 動 きを 再 現 しながら 制 作 するなど 動 きを 理 解 し 制 作 する 姿 が 見 られた また めくって 動 きを 確 かめることで スムーズに 動 くにはどうしたらいいか 考 え ることができた さらに 制 作 しているときに もっとつくりたい という 声 があり 楽 しみなが ら 制 作 することができた 生 徒 の 制 作 した パラパラ 漫 画 生 徒 A 1コマ 目 4コマ 目 7コマ 目 10 コマ 目 生 徒 Aは 制 作 の 中 でリンゴが 上 から 下 への 移 動 と 鳥 の 位 置 は 変 わらないがくちばしの 位 置 を 変 えることで 上 下 への 動 きを 表 そうとしてい 制 作 の 振 り 返 り 用 紙 より パラパラ 漫 画 に 動 きがありましたか 授 業 に 集 中 し 取 り 組 むことができましたか 12 1 2 7 17 とてもよい よい よくも 悪 くもない 悪 い とても 悪 い 0 0 1 11 5 22 とてもよい よい よくも 悪 くもない 悪 い とても 悪 い 無 記 入 振 り 返 り 用 紙 の 自 己 評 価 から パラパラ 漫 画 の 動 きが うまくできたと 回 答 した 生 徒 は 24 名 (61%)いた 授 業 に 集 中 して 取 り 組 めたと 回 答 した 生 徒 は 33 名 (85%)おり 取 り 組 め なかったと 回 答 する 生 徒 は 皆 無 であ 以 上 のことから 生 徒 は 動 きを 理 解 し 制 作 できると 見 通 しをもち 課 題 に 取 り 組 めた 6
3 振 り 返 り 用 紙 に 動 くポイントなどを 書 き 交 流 活 動 をする 場 面 振 り 返 り 用 紙 に 動 きが ある ない 理 由 を 考 えまとめたところ 生 徒 の 感 想 から 以 下 の ものがでてきた 少 しずつ 位 置 を 変 えて 描 いたので 動 きが 少 し 出 たと 思 います ( 生 徒 A) ボールだけのとき ボールの 回 転 と 空 気 で 空 中 のボールの 動 きを 再 現 し たから( 生 徒 B) 自 分 の 動 きをよく 思 い 出 して 描 く 生 徒 B めくるスピードを 速 くす 動 作 が 大 きいから あまり 動 いている 感 じにならなく 何 をしているか 分 からない 大 まかに 描 きすぎたし 形 もバラバラだったからうまく 描 けなかったと 思 う そこから 導 き 出 された 動 きがあるためのポイント を 生 徒 は 次 の 以 下 のようにあげた 少 しずつずらして 描 く 連 続 で 同 じものを 使 わない 輪 郭 をはっきりさせる 細 かくなりすぎない めくるためのスピード 予 想 したポイント 以 外 にも めくるためのスピードなど 網 膜 でつなげるための 要 素 をあげた 生 徒 がいた 動 きがあるためのポイントをまとめてから グループの 中 で 作 品 を 見 せ 合 いながら 鑑 賞 を 行 った 仲 間 に 対 してのコメントでは 生 徒 Aに 対 して だんだんリンゴが 落 ちてきて 鳥 が 目 で 追 いかけるのがすごかったです 動 きがあってよかったです 生 徒 Bに 対 して Very good!ボールのとぶところがすごい すごかった 動 きとかストーリーが 多 くの 生 徒 が 仲 間 の 制 作 を 認 める 感 想 を 述 べていた 生 徒 Aの 作 品 を 見 た 生 徒 が 鳥 が 目 で 追 いかける というコメントを 書 いているところから 上 下 の 動 きや 位 置 の 変 化 など 動 きの 原 理 を 理 解 していることがうかがえ (1) 具 体 的 な 手 立 ての 有 効 性 1 作 品 鑑 賞 プリントなどの 工 夫 動 くためのポイントを 書 くことで 仲 間 の 作 品 を 見 る 時 に 星 からボールへの 変 化 がすごかっ た たんぽぽだけでなく 太 陽 も 動 いてすごかった など 動 きの 変 化 を 意 識 しながら 見 る 生 徒 もいた ネズミがリンゴを 食 べて 無 くなるのはすごい では 今 まで 自 分 が 考 えなかった 新 し い 表 現 方 法 に 気 付 くことができてい 2 学 習 形 態 を 工 夫 す 導 入 時 やパラパラ 漫 画 の 制 作 場 面 では 個 別 学 習 の 形 態 で 行 った 個 々で 動 き 方 を 考 え 制 作 す る 中 で 動 き 方 の 原 理 を 習 得 することができた 名 簿 順 のグループ 活 動 では 仲 間 の 作 品 のよさを 見 付 けられるような 言 葉 が 多 くあり 温 かい 雰 囲 気 の 中 鑑 賞 することができた 3 自 作 教 材 の 活 用 パラパラ 漫 画 に 動 きができたと24 名 (61%)の 回 答 があったのは 導 入 時 に 自 作 アニメーシ ョンを 見 せることで 制 作 するもののイメージをしっかりともって 取 り 組 めたためと 考 え 後 日 制 作 した 作 品 を 確 認 したところ ほとんどの 生 徒 のパラパラ 漫 画 に 動 きが 認 められた 一 部 生 徒 で 振 り 返 りの 時 点 で 動 きを 感 じることができなかったのは スムーズにめくることできなかったこと が 原 因 であ 7
教 師 自 作 のアニメーションを 提 示 することは 生 徒 が 制 作 するもののイメージを 膨 らませるため に 有 効 であ 併 せて 原 画 を 提 示 することで コマとコマの 間 は 少 しずつ 変 化 させる 必 要 がある ことも 気 付 くことができた (3) 今 後 の 課 題 生 徒 は 上 下 に 移 動 するもの 数 の 変 化 があるもの 形 が 変 形 するものなど 発 想 力 を 働 かせ 描 くこ とができていた 今 後 は 導 入 時 での 自 作 教 材 を 一 層 工 夫 することで 生 徒 に 今 まで 以 上 の 興 味 関 心 をもたせるようにするとともに 制 作 の 過 程 なども より 一 層 理 解 できるようにしていきたい 生 徒 は 多 くの 仲 間 の 作 品 に 接 し 交 流 することで 表 現 力 や 発 想 力 は 高 まっていく そのためには グループ 分 けが 名 簿 順 だけでは 不 十 分 であった これから 場 面 に 応 じて 学 習 形 態 を 変 えるなど 有 効 な 形 を 模 索 していきたい また 作 品 への 思 いや 考 えが 深 まるように 交 流 活 動 に 入 る 前 に 話 し 合 いのルール 作 り 鑑 賞 のポ イント 等 を 明 確 にする 必 要 があ 8