猫ウイルス性鼻気管炎 猫カリシウイルス感染症 3 価 猫汎白血球減少症 猫白血病 ( 組換え型 ) 混合 ( 油性アジュバント加 ) 不活化ワクチン 平成 22 年 3 月 3 日 ( 告示第 395 号 ) 新規追加 猫ウイルス性鼻気管炎ウイルス 3 種類の猫カリシウイルス及び猫汎白血球減少症ウイルスをそれぞれ培養細胞で増殖させて得たウイルス液を不活化したもの及び組換えDNA 技術を応用して製造された猫白血病ウイルスのエンベロープ糖蛋白 70( 以下 gp70 という ) を精製したものを混合し 油性アジュバントを添加したワクチンである 1 小分製品の試験 1.1 無菌試験一般試験法の無菌試験法により試験を行い これに適合しなければならない 1.2 異常毒性否定試験一般試験法の異常毒性否定試験法により試験を行い これに適合しなければならない 1.3 力価試験 1.3.1 猫ウイルス性鼻気管炎力価試験 1.3.1.1 試験材料 1.3.1.1.1 注射材料試験品を注射材料とする 1.3.1.1.2 試験動物体重約 100gのラットを用いる 1.3.1.1.3 培養細胞猫腎継代細胞を用いる 1.3.1.1.4 中和試験用ウイルス猫腎継代細胞で増殖させた猫ウイルス性鼻気管炎ウイルスを用いる 1.3.1.2 試験方法試験動物 5 匹を試験群 2 匹を対照群とする 注射材料 0.5mLずつを試験群の殿部筋肉内に注射し 3 週間隔で2 回注射する 第 2 回注射後 7 日目に試験群及び対照群から得られた各個体の血清について中和試験を行う 血清を非働化し ウイルス増殖用培養液 ( 付記 1) で4 倍階段希釈する 各希釈血清と0.2mL 中に約 100PFUを含む中和試験用ウイルス液とを等量混合し 37 で60 分間処理する 別に中和試験用ウイルスとウイルス増殖用培養液とを等量混合し 希釈血清と同様に処理したものをウイルス対照とする 各混合液 0.2mLずつを2 枚の培養細胞に接種し 37 で60 分間静置した後 混合液を除き 第 1 次重層寒天培地 ( 付記 2) を重層し 37 5vol% 炭酸ガス下で3~4 日間培養する 培養後 更に第 2 次重層寒天培地 ( 付記 3) を重層し 37 で24 時間培養する 1.3.1.3 判定被検血清のプラック数の平均値がウイルス対照のプラック数の平均値の50% 以下に減少した血清の最高希釈倍数を中和抗体価とする 試験群の中和抗体価は 幾何平均値で16 倍以上でなければならない この場合 対照群では 4 倍未満でなければならない 1.3.2 猫カリシウイルス感染症力価試験
1.3.2.1 試験材料 1.3.2.1.1 試験動物 1.3.1の試験に用いた動物を用いる 1.3.2.1.2 培養細胞猫腎継代細胞を用いる 1.3.2.1.3 中和試験用ウイルス猫腎継代細胞で増殖させた猫カリシウイルスのそれぞれの製造用株を用いる 1.3.2.2 試験方法 1.3.1.2の試験方法で得られた各個体の血清について それぞれの中和試験用ウイルスで中和試験を行う 各個体の血清を非働化し ウイルス増殖用培養液で2 倍階段希釈する 各希釈血清と0.1mL 中約 200TCID50 を含む中和試験用ウイルス液とを等量混合し 37 で60 分間処理する 各混合液 0.1mL ずつをそれぞれ4 本の培養細胞に接種し 37 で60 分間静置した後 混合液を除き ウイルス増殖用培養液を加え 37 で7 日間培養し 観察する 1.3.2.3 判定 CPE を阻止したものを陽性とし 中和抗体価を ED50 で求める 試験群のそれぞれの株に対する中和抗体価は すべての個体で16 倍以上でなければならない この場合 対照群では 2 倍未満でなければならない 1.3.3 猫汎白血球減少症力価試験 1.3.3.1 注射材料試験品を注射材料とする 1.3.3.1.1 試験動物体重約 100gのラットを用いる 1.3.3.1.2 赤血球凝集抗原猫汎白血球減少症ウイルス赤血球凝集抗原 ( 付記 4) を用いる 1.3.3.2 試験方法試験動物 5 匹を試験群 2 匹を対照群とする 注射材料の0.5mL ずつを試験群の殿部筋肉内に注射し 3 週後に試験群及び対照群から得られた各個体の血清を用いて赤血球凝集抑制試験を行う 被検血清を 25w/v % カオリン液及び豚赤血球で処理した後 牛血清アルブミン加ホウ酸緩衝食塩液 ( 付記 5) で2 倍階段希釈する 各希釈血清に8 単位の赤血球凝集抗原を混合し 常温で1 時間処理し VAD6.0 液 ( 付記 6) で調整した 0.5vol % 豚赤血球浮遊液を加え 2~5 で一夜処理し 赤血球凝集の有無を観察する 1.3.3.3 判定赤血球凝集が抑制された血清の最高希釈倍数を赤血球凝集抑制抗体価とする 試験群の赤血球凝集抑制抗体価は 幾何平均値 128 倍以上でなければならない この場合 対照群では 8 倍未満でなければならない 1.3.4 猫白血病力価試験 1.3.4.1 試験材料 1.3.4.1.1 試験動物 1.3.1の試験に用いた動物を用いる 1.3.4.1.2 抗原固相化プレート gp70 精製抗原 ( 付記 7) を炭酸緩衝液 ( 付記 8) で希釈し 96 穴プレートの各穴に 50 μ L ずつ加え 37 で60 分間反応させ 洗浄液 ( 付記 9) で洗浄し 更に2w/v% 牛血清アルブミン加洗浄液を各穴へ200μ L ずつ加え 37 で60 分間反応させ 洗浄液で洗浄したものを用いる 1.3.4.2 試験方法
1.3.1.2の試験方法で得られた各個体の血清について酵素抗体反応 ( 以下 ELISA という ) を行う 2 w/v % 牛血清アルブミン加洗浄液で100 倍に希釈した非働化被検血清と 参照陽性血清 ( 付記 10) 及び参照陰性血清 ( 付記 11) を抗原固相化プレートの穴にそれぞれ4 穴 50μLずつ加え 37 で1 時間反応させた後 洗浄液で洗浄する 各穴に酵素標識抗体 ( 付記 12) を50μLずつ加え 37 で1 時間反応させた後 洗浄液で洗浄する 基質液 ( 付記 13) を各穴に100μLずつ加え 遮光して25 で30 分間反応させた後 反応停止液 ( 付記 14) を50μLずつ加えて反応を停止させ 各穴の吸光度を主波長 492nm 副波長 630nmで測定する 1.3.4.3 判定 4 穴の吸光度の最高値と最低値を除いた2 穴の値の平均値を吸光度値とする 参照陽性血清の吸光度値を O.D. p 参照陰性血清の吸光度値を O.D. n 試験群の血清の吸光度値を O.D. v 対照群の血清の吸光度値を O.D. cとするとき 試験群の 80 % 以上が 1 < O.D. v/ O.D. pでなければならない また 対照群では O.D. c/ O.D. n 2でなければならない 2 中間製品の試験 2.1 猫ウイルス性鼻気管炎ウイルス 猫カリシウイルス及び猫汎白血球減少症ウイルス不活化試験 2.1.1 試験材料 2.1.1.1 試料各ウイルス原液の混合液をトライトン除去処理 ( 付記 15) し これを試料とする 2.1.1.2 培養細胞猫腎継代細胞を用いる 2.1.2 試験方法 2 試料の全量及び細胞増殖用培養液 ( 付記 16) に浮遊させた猫腎継代細胞を同時に培養面積 25 cm以上の培養びんで 37 で培養する 細胞が単層を形成した後 ウイルス増殖用培養液と交換し 更に 10 日間観察する 観察最終日に培養びんの培養液を採取し これに等量の牛血清アルブミン加ホウ酸緩衝食塩液を加える さらに この混合液と等量の VAD6.0 液で調整した0.5vol% 豚赤血球浮遊液を加え 凝集の有無を観察する 2.1.3 判定培養細胞に CPE 培養液に赤血球の凝集を認めない場合 活性ウイルス陰性と判定する 検体に活性ウイルスを認めてはならない 付記 1 ウイルス増殖用培養液 トリプトース ホスフェイト ブロス 牛胎子血清イーグル MEM 炭酸素ナトリウムで ph を7.4~7.6に調整する 必要最少量の抗生物質を加えてもよい 2.95 g 20 ml 付記 2 第 1 次重層寒天培地 寒天 7 g トリプトース ホスフェイト ブロス 2.95 g 牛胎子血清 20 ml F 12 培地 ( 付記 17) 炭酸素ナトリウムで ph を7.1~7.3に調整する
必要最少量の抗生物質を加えてもよい 付記 3 第 2 次重層寒天培地第 1 次重層寒天培地に 0.5w/v % のニュートラルレッドを2 vol % となるように加えたもの 付記 4 猫汎白血球減少症ウイルス赤血球凝集抗原猫汎白血球減少症ウイルスを猫腎継代細胞で増殖させて得た培養上清又はこれを不活化したもので 赤血球凝集価 128 倍以上のもの 付記 5 牛血清アルブミン加ホウ酸緩衝食塩液 塩化ナトリウム 10.52 g ホウ酸 3.09 g 酸化ナトリウム 0.96 g 牛血清アルブミンを0.2w/v% となるように加えた後 酸化ナトリウム液で ph を 9.0 に調 整する 付記 6 VAD6.0 液 塩化ナトリウム 8.77 g 無リン酸二ナトリウム 5.68 g リン酸二素ナトリウム二和物 40.56 g 牛血清アルブミン加ホウ酸緩衝食塩液と等量混合して ph を6.0に調整する 付記 7 gp70 精製抗原組換え大腸菌で発現させた gp70 を精製したものであり - 20 に保存する 本抗原を用いて ELISA を実施したときの吸光度値が 参照陽性血清で 0.6 ~ 0.9 参照陰性血清で 0.1 以下の実測値を示すように炭酸緩衝液で希釈して使用する 付記 8 炭酸緩衝液 炭酸ナトリウム 1.59 g 炭酸素ナトリウム 2.93 g ph は 9.6 であり 4 に保存し 1 週間以内に使用する 付記 9 洗浄液 塩化ナトリウム 8.0 g 塩化カリウム 0.2 g リン酸二ナトリウム 0.2 g リン酸素二ナトリウム 無ポリソルベート 20 1.15 0.5 g ml
付記 10 参照陽性血清 gp70 精製抗原で免疫したラットの血清を 100 倍に希釈したもので 抗原固相化プレートを 用いて ELISA を実施したとき 吸光度値が 0.6 ~ 0.9 を示すもの 付記 11 参照陰性血清非免疫ラットの血清を 100 倍に希釈したもので 抗原固相化プレートを用いて ELISA を実施したとき 吸光度値が 0.1 以下を示すもの 付記 12 酵素標識抗体ペルオキシダーゼ標識抗ラット IgG( H +L) 抗体で抗原固相化プレートを用いて ELISA を実施したとき 参照陽性血清の吸光度値が 0.6 ~ 1.0 参照陰性血清の吸光度値が 0.1 以下を示すように調整したもの 付記 13 基質液 o-フェニレンジアミン二塩酸塩 10mg をリン酸クエン酸緩衝液 ( 付記 18) 25mL に溶解したものであり 遮光保存する 使用直前に過酸化素を 10 μl 添加して使用する 付記 14 反応停止液濃硫酸 56.1mL を 440mL 中に攪拌しながら溶解し 最終的に全体量を 500mL に調整したもの 付記 15 トライトン除去処理 (1) ビーズの洗浄 ビーズ30gにメタノール200mLを加え 室温で15 分間攪拌洗浄後 ガラスろ過器上にビーズを 集め 500mL のメタノールと 1,000mL で洗浄する さらに ビーズをカラムに入れ 2,000mL ので長時間洗浄する 洗浄したビーズは 中に入れて2~5 で保存する (2) 0.01mol/L リン酸カリウム液 ( ph7.2) で試料を4 一夜透析する 透析した試験品 2mLに洗浄したビーズ 0.6g を加え5 で 120 分間攪拌し 180G 10 分間遠心して上清を得る 付記 16 細胞増殖用培養液 トリプトース ホスフェイト ブロス 牛胎子血清イーグル MEM 炭酸素ナトリウムで ph を7.4~7.6に調整する 必要最少量の抗生物質を加えてもよい 2.95 g 100 ml 付記 17 F12 培地適当と認められた品質の液体製品 付記 18 リン酸クエン酸緩衝液 クエン酸 ( 無 ) 4.67 g
リン酸素二ナトリウム十二和物 ph を 5.0 に調整する 19.95 g