Microsoft Word - ○03第３章（現況）.doc

第 3 章 地 球 温 暖 化 の 現 状 と 取 組 1 地 球 温 暖 化 のメカニズム 太 陽 からの 放 射 エネルギー( 太 陽 光 )の 大 部 分 は 地 表 面 に 吸 収 され 日 射 によって 暖 められた 地 表 面 から 赤 外 線 の 形 で 熱 が 宇 宙 空 間 に 放 出 されます 一 方 大 気 中 にある 二 酸 化 炭 素 や 水 蒸 気 などは この 赤 外 線 を 吸 収 する 性 質 があるため 熱 の 一 部 は 宇 宙 空 間 に 放 出 されずに 大 気 に 吸 収 されるとともに 再 び 地 表 に 向 けて 放 射 され 地 表 面 と 大 気 はより 高 い 温 度 となります こうした 働 きは 植 物 を 栽 培 するための 温 室 に 似 ていることから 温 室 効 果 と 呼 ば れ 二 酸 化 炭 素 や 水 蒸 気 などの 気 体 は 温 室 効 果 ガス と 呼 ばれています 大 気 中 に この 温 室 効 果 ガスが 適 度 に 存 在 しているため 現 在 の 地 球 の 平 均 気 温 は 約 14 に 保 たれています もし 温 室 効 果 ガスが 全 く 存 在 しなければ 地 球 の 平 均 気 温 は マイナス 19 程 度 になるといわれており 温 室 効 果 ガスは 生 物 が 生 きていくためには 不 可 欠 なものです ところが 1750 年 代 の 産 業 革 命 以 降 石 炭 や 石 油 など 化 石 燃 料 の 大 量 消 費 や 森 林 伐 採 等 により 二 酸 化 炭 素 メタン 一 酸 化 二 窒 素 などの 温 室 効 果 ガスの 濃 度 が 急 速 に 増 加 し 現 在 では 産 業 革 命 前 の 約 1.4 倍 となり この 結 果 自 然 の 気 候 変 動 の 範 囲 を 超 えて 地 球 の 平 均 気 温 が 上 昇 し 続 けています この 現 象 を 地 球 温 暖 化 とよんでいます 図 3-1 地 球 温 暖 化 のメカニズム 2 地 球 温 暖 化 の 現 状 と 今 後 の 見 通 し (1)IPCC 第 4 次 評 価 報 告 書 2007( 平 成 19) 年 11 月 に 発 表 された 気 候 変 動 に 関 する 政 府 間 パネル(IPCC) ( 1) 第 4 次 評 価 報 告 書 統 合 報 告 書 ( 2) では 気 候 システムの 温 暖 化 には 疑 う 余 地 はなく 1750 年 以 降 の 人 間 活 動 が 温 暖 化 の 効 果 をもたらしたことの 信 頼 性 はかな り 高 いことを 結 論 づけています 3

1 気 候 変 動 に 関 する 政 府 間 パネル(IPCC) は 1988 年 に 世 界 気 象 機 関 (WMO)と 国 連 環 境 計 画 (UNEP)により 設 立 された 国 連 の 組 織 であり 温 暖 化 に 関 する 最 新 の 知 見 をまとめ 政 策 決 定 者 をはじめ 広 く 一 般 に 利 用 してもらうことを 任 務 として 活 動 しています 2 IPCCが 2007 年 11 月 に 発 表 した 第 4 次 評 価 報 告 書 統 合 報 告 書 の 要 点 (1) 気 候 変 化 とその 影 響 に 関 する 観 測 結 果 気 候 システムの 温 暖 化 には 疑 う 余 地 がなく 大 気 や 海 洋 の 全 球 平 均 温 度 の 上 昇 雪 氷 の 広 範 囲 にわたる 融 解 世 界 平 均 海 面 水 位 の 上 昇 が 観 測 されていることから 今 や 明 白 である 地 域 的 な 気 候 変 化 により 多 くの 自 然 生 態 系 が 影 響 を 受 けている (2) 変 化 の 原 因 人 間 活 動 により 現 在 の 温 室 効 果 ガス 濃 度 は 産 業 革 命 以 前 の 水 準 を 大 きく 超 えている 20 世 紀 半 ば 以 降 に 観 測 された 全 球 平 均 気 温 の 上 昇 のほとんどは 人 為 起 源 の 温 室 効 果 ガス の 増 加 によってもたらされた 可 能 性 がかなり 高 い (3) 予 測 される 気 候 変 化 とその 影 響 現 在 の 政 策 を 継 続 した 場 合 世 界 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 は 今 後 20~30 年 増 加 し 続 け その 結 果 21 世 紀 には20 世 紀 に 観 測 されたものより 大 規 模 な 温 暖 化 がもたらされると 予 測 され る 分 野 毎 の 影 響 やその 発 現 時 期 地 域 的 に 予 想 される 影 響 極 端 現 象 の 変 化 に 伴 う 分 野 毎 の 影 響 など 世 界 の 気 候 システムに 多 くの 変 化 が 引 き 起 こされることが 具 体 的 に 予 測 され る (4) 適 応 と 緩 和 のオプション 気 候 変 化 に 対 する 脆 弱 性 を 低 減 させるには 現 在 より 強 力 な 適 応 策 が 必 要 とし 分 野 毎 の 具 体 的 な 適 応 策 を 例 示 適 切 な 緩 和 策 の 実 施 により 今 後 数 十 年 にわたり 世 界 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 の 伸 びを 相 殺 削 減 できる 緩 和 策 を 推 進 するための 国 際 的 枠 組 み 確 立 における 気 候 変 動 枠 組 条 約 及 び 京 都 議 定 書 の 役 割 将 来 的 に 向 けた 緩 和 努 力 の 基 礎 を 築 いたと 評 価 された (5) 長 期 的 な 展 望 気 候 変 化 を 考 える 上 で 第 3 次 評 価 報 告 書 で 示 された 以 下 の5つの 懸 念 の 理 由 がます ます 強 まっている 1 極 地 や 山 岳 社 会 生 態 系 といった 特 異 で 危 機 にさらされているシステムへのリスク の 増 加 2 干 ばつ 熱 波 洪 水 など 極 端 な 気 象 現 象 のリスクの 増 加 3 地 域 的 社 会 的 な 弱 者 に 大 きな 影 響 と 脆 弱 性 が 表 れるという 問 題 4 地 球 温 暖 化 の 便 益 は 温 度 がより 低 い 段 階 で 頭 打 ちになり 地 球 温 暖 化 の 進 行 に 伴 い 被 害 が 増 大 し 地 球 温 暖 化 のコストは 時 間 とともに 増 加 5 海 面 水 位 上 昇 氷 床 の 減 少 加 速 など 大 規 模 な 変 動 のリスクの 増 加 適 応 策 と 緩 和 策 は どちらか 一 方 では 不 十 分 で 互 いに 補 完 しあうことで 気 候 変 化 のリ スクをかなり 低 減 することが 可 能 既 存 技 術 及 び 今 後 数 十 年 で 実 用 化 される 技 術 により 温 室 効 果 ガス 濃 度 の 安 定 化 は 可 能 であ る 今 後 20~30 年 間 の 緩 和 努 力 と 投 資 が 鍵 となる ( 出 典 文 部 科 学 省 経 済 産 業 省 気 象 庁 環 境 省 平 成 19 年 11 月 17 日 報 道 発 表 資 料 ) 4

(2) 地 球 温 暖 化 の 現 状 1 大 気 中 の 温 室 効 果 ガスの 濃 度 世 界 の 大 気 中 の 温 室 効 果 ガスの 濃 度 は 増 加 を 続 けています 主 要 な 温 室 効 果 ガス である 二 酸 化 炭 素 の2008 年 の 世 界 平 均 濃 度 は 前 年 より2.0ppm 増 加 して385.2ppmと なっており 産 業 革 命 以 前 (280 ppm)と 比 べて38% 増 加 しました 表 3-1 温 室 効 果 ガス 等 の 世 界 平 均 濃 度 温 室 効 果 ガス 等 の 種 類 二 酸 化 炭 素 メタン 一 酸 化 二 窒 素 産 業 革 命 前 約 280 ppm 約 715 ppb 約 270 ppb 大 気 中 の 濃 度 2008 年 平 均 濃 度 ( 産 業 革 命 以 降 の 増 加 率 ) 385.2 ppm (+38%) 1,797 ppb (+151%) 321.8 ppb (+19%) 前 年 度 との 差 +2.0 ppm +7 ppb +0.9 ppb ( 出 典 気 象 庁 気 候 変 動 監 視 レポート 2009 ) 国 内 の 二 酸 化 炭 素 の 濃 度 も 次 の 図 のとおり 上 昇 傾 向 が 続 いています 図 3-2 綾 里 ( 岩 手 県 ) 南 鳥 島 および 与 那 国 島 における 大 気 中 の 二 酸 化 炭 素 濃 度 の 経 年 変 化 綾 里 南 鳥 島 および 与 那 国 島 で 観 測 された 大 気 中 の 二 酸 化 炭 素 月 平 均 濃 度 ( )およびその 季 節 変 化 成 分 を 除 いた 濃 度 の 経 年 変 化 ( 実 線 ) ( 出 典 気 象 庁 気 候 変 動 監 視 レポート2009 ) 2 平 均 気 温 の 推 移 過 去 100 年 間 (1906~2005 年 )に 世 界 の 平 均 気 温 は 0.74 上 昇 し 近 年 になるほ ど 温 暖 化 の 傾 向 が 加 速 しています 5

図 3-3 世 界 の 年 平 均 気 温 の 変 化 ( ( 出 典 IPCC 第 4 次 評 価 報 告 書 第 1 作 業 部 会 報 告 書 ) 日 本 の 年 平 均 気 温 も 1898~2008 年 の 観 測 結 果 によると 100 年 あたり 1.11 の 割 合 で 上 昇 しています また 記 録 的 な 高 温 となった 年 の 多 くが 1990 年 代 以 降 に 集 中 しています 図 3-4 日 本 の 年 平 均 気 温 の 平 年 差 の 経 年 変 化 棒 グラフは 各 年 の 平 均 気 温 の 平 年 差 ( 平 年 値 との 差 ) 太 線 ( 青 )は 平 年 差 の5 年 移 動 平 均 を 示 し 直 線 ( 赤 )は 平 年 差 の 長 期 的 傾 向 を 直 線 として 表 示 したもの 平 年 値 は1971~2000 年 の30 年 平 均 値 ( 出 典 気 象 庁 気 候 変 動 監 視 レポート 2009 ) 秋 田 市 の 年 平 均 気 温 も 1885 年 から 2007 年 の 観 測 結 果 によると 100 年 あたり 1.22 の 割 合 で 上 昇 しており ここ 20 年 ほどは 急 に 高 くなっています 6

図 3-5 秋 田 市 の 年 平 均 気 温 の 推 移 ( 出 典 仙 台 管 区 気 象 台 秋 田 地 方 気 象 台 地 球 温 暖 化 による 東 北 地 方 秋 田 県 の 気 候 への 影 響 ) (3) 地 球 温 暖 化 により 顕 在 化 している 現 象 山 岳 氷 河 と 積 雪 の 減 少 世 界 平 均 海 面 水 位 の 上 昇 大 雨 の 頻 度 の 増 加 及 び 干 ばつが 観 測 された 地 域 の 拡 大 など 地 球 温 暖 化 による 影 響 と 考 えられる 現 象 が 世 界 的 に 顕 在 化 しており 日 本 でも 豪 雨 の 出 現 回 数 が 増 加 傾 向 にあることや 高 温 等 による 様 々な 農 作 物 への 影 響 が 報 告 されています 図 3-6 国 内 での1 時 間 降 水 量 50mm 以 上 の 発 生 回 数 ( 出 典 気 象 庁 気 候 変 動 監 視 レポート 2009 ) 7

(4) 将 来 予 測 される 影 響 1 気 温 のさらなる 上 昇 地 球 温 暖 化 の 予 測 は いくつかの 異 なる 温 室 効 果 ガス 排 出 シナリオに 基 づいて 実 施 されています 下 の 図 は 異 なる 3 つの 温 室 効 果 ガス 排 出 シナリオと 温 室 効 果 ガスを 2000 年 の 濃 度 で 一 定 に 保 った 場 合 ( 橙 )について 複 数 のモデルによって 計 算 された 世 界 平 均 地 上 気 温 の 上 昇 を 示 したものです 温 室 効 果 ガスの 排 出 が 少 ないシナリオ(B1)では 100 年 間 に 1.8 ( 予 測 幅 とし て 1.1~2.9 )の 温 度 上 昇 エネルギー 源 のバランス 重 視 シナリオ(A1B)では 100 年 間 に 2.8 ( 予 測 幅 として 1.7 ~4.4 )の 温 度 上 昇 温 室 効 果 ガスの 排 出 が 多 いシナリオ(A2)では 100 年 間 に 3.4 ( 予 測 幅 として 2.0~5.4 )の 温 度 上 昇 が 予 測 されています 図 3-7 地 球 温 暖 化 による 世 界 平 均 地 上 気 温 の 上 昇 の 予 測 (1980~1999 年 との 比 較 ) SRES( 排 出 シナリオに 基 づく 特 別 報 告 )の 温 室 効 果 ガス 排 出 シナリオとしての 6 つのシナリオ A1B ( 各 エネルギー 源 のバランス 重 視 シナ リオ) A1T ( 非 化 石 エネルギー 源 重 視 シナリオ) A1F1( 化 石 エネルギー 源 重 視 シナリオ) A2 ( 多 元 化 社 会 シナリオ) B1 ( 持 続 発 展 型 社 会 シナリオ) B2 ( 地 域 共 存 型 社 会 シナリオ) ( 出 典 2009 年 文 部 科 学 省 気 象 庁 環 境 省 日 本 の 気 候 変 動 とその 影 響 ) 日 本 の 平 均 気 温 の 予 測 結 果 は 20 世 紀 末 (1980~1999 年 )から 21 世 紀 末 (2090 ~2099 年 )までに B1 シナリオでは 2.1 A1B シナリオでは 3.2 A2 シナリオ では 4.0 上 昇 し いずれのシナリオでも 世 界 平 均 (1.8 2.8 3.4 )を 上 回 ることを 示 しています 8

図 3-8 地 球 温 暖 化 による 日 本 の 平 均 地 上 気 温 の 上 昇 の 予 測 (1980~1999 年 との 比 較 ) A1B ( 各 エネルギー 源 のバランス 重 視 シナ リオ) A2 ( 多 元 化 社 会 シナリオ) B1 ( 持 続 発 展 型 社 会 シナリオ) ( 出 典 2009 年 文 部 科 学 省 気 象 庁 環 境 省 日 本 の 気 候 変 動 とその 影 響 ) 2 渇 水 のリスクの 増 加 河 川 の 流 量 は 降 雪 量 と 降 雨 量 を 足 した 水 量 ( 地 表 到 達 水 )によって 影 響 を 受 け ます この 地 表 到 達 水 量 について 現 在 と 100 年 後 をシミュレーションにより 比 較 する と 3~6 月 の 間 は 多 くの 地 域 で 減 少 すると 予 測 されています 図 3-9 一 級 水 域 における 現 況 (1979~1998 年 )と 将 来 (2080~2099 年 )の 地 表 到 達 水 量 の 比 較 (3~6 月 ) ( 出 典 国 土 交 通 省 平 成 19 年 版 日 本 の 水 環 境 ) 9

3 洪 水 のリスクの 増 加 年 最 大 日 降 水 量 は 100 年 後 には 全 国 的 に 増 加 し 特 に 北 日 本 では 大 きく 増 加 することが 予 測 されています この 影 響 で 例 えば 東 北 地 方 では これまで 100 年 に1 度 の 頻 度 で 発 生 する 洪 水 が 30 年 に 1 度 の 頻 度 で 発 生 するようになるなど 水 災 害 のリスクが 高 まるこ とが 予 測 されています 図 3-10 年 最 大 日 降 水 量 の 将 来 の 予 測 増 加 ( 出 典 環 境 省 温 暖 化 から 日 本 を 守 る 適 応 への 挑 戦 国 土 交 通 省 河 川 局 資 料 ) 4 農 業 生 産 への 影 響 ア コメへの 影 響 温 暖 化 の 進 行 によって コメの 収 量 が 変 化 すると 考 えられています 北 日 本 では 収 量 が 増 加 すると 予 測 されていますが 雪 どけ 時 期 の 水 資 源 量 の 変 化 や 病 害 虫 の 影 響 等 の 要 因 を 考 慮 すると 北 日 本 でも 収 量 減 少 となる 可 能 性 が 示 唆 されています 10

図 3-11 コメの 収 量 の 変 化 (1979~2003 年 との 比 較 ) ( 出 典 環 境 省 温 暖 化 影 響 総 合 予 測 プロジェクト 報 告 書 ) イ リンゴの 栽 培 適 地 の 変 化 リンゴ 栽 培 に 適 する 地 域 の 年 平 均 気 温 を 7 ~13 とした 場 合 2060 年 代 に は 東 北 地 方 の 平 野 部 のほぼ 全 域 が 栽 培 適 地 の 範 囲 外 となる 可 能 性 があります 図 3-12 リンゴの 栽 培 適 地 の 変 化 地 球 温 暖 化 によるリンゴ 栽 培 に 適 する 年 平 均 気 温 (7 ~13 )の 分 布 の 移 動 現 在 の 値 は 1971 年 ~2000 年 の 平 均 値 ( 出 典 独 立 行 政 法 人 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 果 樹 研 究 所 ) 11

5 ブナ 林 への 影 響 ブナ 林 の 成 立 に 適 した 地 域 は 日 本 全 体 では 気 温 が 2.9 上 昇 すると 現 在 の 分 布 域 から 37%に 4.9 上 昇 すると 9%に 減 少 すると 予 想 されています 秋 田 県 でも その 面 積 は 大 きく 減 少 することが 予 想 されています 図 3-13 温 暖 化 に 伴 う 白 神 山 地 のブナ 林 分 布 確 率 の 変 化 予 測 地 域 気 象 モデル RCM20( 排 出 シナリオ:A2 多 元 化 社 会 シナリオ)と 全 球 気 候 モデル MIROC( 排 出 シナリオ: A1B 各 エネルギー 源 のバランス 重 視 シナリオ)による2つの 気 象 ケースで 予 測 A2 A1B については P8 参 照 ( 出 典 環 境 省 温 暖 化 影 響 総 合 予 測 プロジェクト 報 告 書 ) 6 健 康 への 影 響 温 暖 化 によって 蚊 などの 感 染 症 媒 介 生 物 の 分 布 が 変 化 することが 予 想 されてい ます デング 熱 の 媒 介 生 物 であるネッタイシマカは 温 暖 化 が 進 むと 2100 年 には 九 州 南 部 から 千 葉 県 南 部 まで 広 範 囲 にわたって 分 布 可 能 になると 予 測 されています また 東 北 地 域 では ヒトスジシマカの 分 布 域 が 拡 大 しています ヒトスジシマ カの 分 布 域 が 更 に 拡 大 することは 将 来 的 にデング 熱 流 行 のリスクがある 地 域 が 拡 大 することになります 12

図 3-14 東 北 地 域 におけるヒトスジシマカの 分 布 北 限 (2000~2006 年 ) ( 出 典 Kobayashi, M. et al., 2008 環 境 省 日 本 の 気 候 変 動 とその 影 響 ) 7 生 物 多 様 性 への 影 響 IPCC 第 4 次 評 価 報 告 書 では 全 球 平 均 気 温 の 上 昇 の 程 度 に 応 じて 種 の 絶 滅 リ スクが 高 まると 予 測 されています また 地 球 温 暖 化 に 伴 う 干 ばつや 森 林 火 災 の 増 加 により 食 料 生 産 や 生 態 系 が 脅 かされる 状 況 にあり 森 林 の 減 少 といった 生 物 多 様 性 の 劣 化 が 地 球 温 暖 化 を 加 速 させる 面 もあります 3 地 球 温 暖 化 防 止 に 向 けたこれまでの 取 組 (1) 世 界 の 動 向 1 コペンハーゲン 合 意 気 候 変 動 に 関 する 国 際 連 合 枠 組 条 約 (1992 年 採 択 1994 年 発 効 以 下 気 候 変 動 枠 組 条 約 という )に 基 づき 1997( 平 成 9) 年 の 気 候 変 動 枠 組 条 約 第 3 回 締 約 国 会 議 (COP3)で 採 択 された 京 都 議 定 書 では 温 室 効 果 ガス 排 出 量 を 削 減 する 国 際 的 な 取 組 は まず 先 進 国 から 始 めることとして 京 都 議 定 書 第 一 約 束 期 間 (2008 ~2012 年 ) 中 における 先 進 国 の 温 室 効 果 ガス 削 減 の 数 値 目 標 を 定 めています 2013( 平 成 25) 年 以 降 の 温 室 効 果 ガス 排 出 削 減 について 2009( 平 成 21) 年 12 月 にデンマークのコペンハーゲンにて 開 催 されたCOP15 等 の 交 渉 において コ ペンハーゲン 合 意 が 取 りまとめられ 条 約 締 約 国 会 議 としてコペンハーゲン 合 意 に 留 意 する ことが 決 定 されました また 2009( 平 成 21) 年 末 に 終 了 することになっていた 枠 組 条 約 の 下 の 長 期 的 協 力 について 話 しあう 特 別 作 業 部 会 も 京 都 議 定 書 の 下 で 2013( 平 成 25) 年 以 降 の 先 進 国 の 数 値 目 標 について 検 討 する 特 別 作 業 部 会 とともに 作 業 を 継 続 すること とされました コペンハーゲン 合 意 の 主 な 内 容 は 次 のとおりです 世 界 全 体 の 気 温 の 上 昇 が 2 以 内 にとどまるべきであるとの 科 学 的 見 解 を 認 識 し 長 期 の 協 力 的 行 動 を 強 化 する 附 属 書 I 国 ( 先 進 国 )は 2020 年 の 削 減 目 標 を 非 附 属 書 I 国 ( 途 上 国 )は 削 13

減 行 動 を それぞれ 付 表 I 及 び II の 様 式 により 2010 年 1 月 31 日 までに 事 務 局 に 提 出 する 附 属 書 I 国 の 行 動 は MRV( 測 定 / 報 告 / 検 証 )の 対 象 となる 非 附 属 書 I 国 が 自 発 的 に 行 う 削 減 行 動 は 国 内 的 な MRV を 経 た 上 で 国 際 的 な 協 議 分 析 の 対 象 となるが 支 援 を 受 けて 行 う 削 減 行 動 については 国 際 的 な MRV の 対 象 となる 先 進 国 は 途 上 国 に 対 する 支 援 として 2010~2012 年 の 間 に 300 億 ドルに 近 づ く 新 規 かつ 追 加 的 な 資 金 の 供 与 を 共 同 で 行 うことにコミットし また 2020 年 までには 年 間 1,000 億 ドルの 資 金 を 共 同 で 調 達 するとの 目 標 にコミットする 気 候 変 動 枠 組 条 約 の 資 金 供 与 の 制 度 の 実 施 機 関 として コペンハーゲン 緑 の 気 候 基 金 の 設 立 を 決 定 する 2015 年 までに 合 意 の 実 施 に 関 す 評 価 の 完 了 を 要 請 する コペンハーゲン 合 意 にはすでに 110 を 超 える 国 が 賛 同 しており これらの 国 々の エネルギー 起 源 の 二 酸 化 炭 素 排 出 量 の 合 計 は 世 界 の 8 割 以 上 に 相 当 します 図 3-15 コペンハーゲン 合 意 における 主 要 国 の 削 減 目 標 ( 出 典 平 成 22 年 版 環 境 循 環 型 社 会 生 物 多 様 性 白 書 ) 図 3-16 コペンハーゲン 合 意 における 各 国 のエネルギー 起 源 二 酸 化 炭 素 排 出 量 (2007 年 ) ( 出 典 平 成 22 年 版 環 境 循 環 型 社 会 生 物 多 様 性 白 書 ) 14

2 カンクン 合 意 メキシコ カンクンで 2010( 平 成 22) 年 11 月 から 12 月 にかけて 開 かれた 国 連 気 候 変 動 枠 組 条 約 第 16 回 締 約 国 会 議 (COP16)で 今 後 の 地 球 温 暖 化 交 渉 の 基 礎 と なる カンクン 合 意 が 採 択 されました カンクン 合 意 の 骨 子 は 次 のとおりです 産 業 革 命 以 降 の 気 温 上 昇 を 2 以 内 に 抑 える 京 都 議 定 書 の 第 1 約 束 期 間 (2008~2012 年 )と 2013 年 以 降 の 第 2 約 束 期 間 に 空 白 期 間 を 作 らないよう できる 限 り 早 く 結 論 を 出 す 議 定 書 締 約 国 には 2013 年 以 降 の 削 減 目 標 に 同 意 しなくてよい 権 利 がある 先 進 国 は 温 室 効 果 ガス 排 出 量 を 2020 年 までに 1990 年 比 25~40% 削 減 しなけれ ばならないと 認 識 する 先 進 国 は 削 減 目 標 を 掲 げ 排 出 量 を 毎 年 報 告 し 国 際 的 な 検 証 を 受 ける 途 上 国 も 2020 年 の 見 込 み 排 出 量 からの 削 減 量 を 目 標 に 掲 げ 達 成 状 況 を 2 年 に 1 度 報 告 し 国 際 的 な 検 証 を 受 ける 途 上 国 の 排 出 削 減 を 支 援 する グリーン 気 候 基 金 や 温 暖 化 による 被 害 対 策 の 枠 組 みを 新 たに 設 立 する 2050 年 までの 世 界 全 体 の 削 減 目 標 を 来 年 南 アフリカで 開 催 されるCOP17 で 検 討 する (2) 国 の 取 組 我 が 国 は 1998( 平 成 10) 年 に 地 球 温 暖 化 対 策 の 推 進 に 関 する 法 律 ( 以 下 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 )を 制 定 し 地 球 温 暖 化 対 策 に 取 り 組 んでいます 2002( 平 成 14) 年 6 月 には 京 都 議 定 書 に 批 准 し 基 準 年 比 6% 削 減 の 約 束 の 達 成 に 向 け 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 を 改 正 しました 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 は 2005( 平 成 17) 年 の 京 都 議 定 書 の 発 効 と 同 時 に 全 面 施 行 され 同 年 国 では 京 都 議 定 書 目 標 達 成 計 画 を 閣 議 決 定 しました また 京 都 議 定 書 の 削 減 目 標 を 確 実 に 達 成 するため 2008( 平 成 20) 年 に 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 を 改 正 しています 2009( 平 成 21) 年 1 月 には コペンハーゲン 合 意 に 基 づき コペンハーゲン 合 意 に 賛 同 する 意 思 を 表 明 し 2020( 平 成 32) 年 の 排 出 削 減 目 標 として 90 年 比 で 25% 削 減 ただし すべての 主 要 国 による 公 平 かつ 実 効 性 のある 国 際 枠 組 みの 構 築 及 び 意 欲 的 な 目 標 の 合 意 を 前 提 とする として 2010( 平 成 22) 年 1 月 に 気 候 変 動 枠 組 条 約 事 務 局 に 提 出 したところです 15

4 秋 田 県 における 温 暖 化 対 策 の 取 組 (1) 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 ( 前 期 計 画 )の 概 要 1997( 平 成 9) 年 に 京 都 議 定 書 が 採 択 され 1998( 平 成 10) 年 に 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 が 制 定 されたことを 受 け 県 では 県 内 の 温 暖 化 対 策 を 総 合 的 計 画 的 に 進 めていくため 1999( 平 成 11) 年 3 月 に 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 ( 温 暖 化 対 策 美 の 国 あきた 計 画 ) を 策 定 しました 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 は 当 初 温 室 効 果 ガスのうち 二 酸 化 炭 素 のみを 対 象 としていましたが 国 の 計 画 策 定 に 際 して 二 酸 化 炭 素 以 外 の 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 や 森 林 吸 収 量 の 算 定 方 法 が 整 えられたこと 等 を 踏 まえ 2007( 平 成 19) 年 3 月 に 改 訂 し 更 なる 対 策 の 推 進 を 目 指 しました 表 3-2 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 ( 前 期 計 画 )の 概 要 当 初 (1999 年 3 月 ) 改 訂 (2007 年 3 月 ) 制 定 の 背 景 京 都 議 定 書 の 採 択 (1997 年 ) 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 の 制 定 (1998 年 ) 京 都 議 定 書 の 発 効 国 の 目 標 達 成 計 画 策 定 (2005 年 ) 計 画 期 間 1999 年 ~2012 年 1999 年 ~2010 年 ( 県 総 合 計 画 の 期 間 と 合 致 ) 削 減 目 標 2010 年 のCO 2 排 出 量 を 1990 年 レベルに 抑 制 ( 森 林 吸 収 量 含 めず ) 2010 年 度 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 を 1990 年 度 比 で 9.5% 削 減 ( 森 林 吸 収 量 含 む ) 特 徴 県 民 に 節 電 や 節 水 などの 省 エネライフを 呼 びかけ 重 点 10 分 野 を 選 定 特 に エコ 家 計 簿 や マイバッグ 持 参 などの 県 民 運 動 を 推 進 す るとともに 住 宅 の 高 断 熱 化 高 性 能 化 に より 家 庭 からのCO 2 排 出 抑 制 を 目 指 す 主 な 取 組 内 容 環 境 の 達 人 出 前 講 座 の 開 催 環 境 あきた 県 民 塾 の 開 催 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 員 研 修 の 実 施 ストップ ザ 温 暖 化 あきた 県 民 会 議 の 設 立 レジ 袋 削 減 協 定 の 締 結 エコドライブ 講 習 会 の 開 催 省 CO 2 型 住 宅 検 討 委 員 会 の 設 置 (2) 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 における 削 減 目 標 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 ( 改 訂 ) は 有 識 者 や 企 業 消 費 者 団 体 等 が 参 加 した 検 討 委 員 会 で 検 討 されました 検 討 委 員 会 では 温 暖 化 対 策 を 進 めていく 上 で 家 庭 やオフィスでは 少 なくとも 目 標 年 度 の 排 出 推 計 量 の 5% 削 減 を 目 指 していく べきであるとの 意 見 でありました この 家 庭 やオフィスでの 5% 削 減 を 前 提 に 将 来 の 温 室 効 果 ガスを 試 算 すると 2010 ( 平 成 22) 年 度 には 相 当 量 の 森 林 吸 収 量 が 見 込 めることから 温 室 効 果 ガス 全 体 で 9.5% の 削 減 が 可 能 との 結 果 が 得 られ 県 の 削 減 目 標 は 国 の 目 標 値 であるマイナス 6%より 高 いマイナス 9.5%としたものです 16

図 3-17 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 ( 前 期 計 画 )における 削 減 目 標 ( 千 トン-CO 2 ) 12,000 11,000 10,000 9,000 8,000 8,807 千 トン (CO 2 7,279 千 トン) 10,847 千 トン (CO 2 9,724 千 トン) +27% -9.5% 11,227 千 トン (CO 2 10,052 千 トン) 国 対 策 各 主 体 の 取 組 新 エネル ギー 対 策 森 林 吸 収 源 対 策 削 減 量 624 千 トン(CO 2 572 千 トン) 460 千 トン(CO 2 460 千 トン) 196 千 トン(CO 2 196 千 トン) 1,981 千 トン(CO 2 1,981 千 トン) 7,000 6,000 目 標 7,966 千 トン(CO 2 6,843 千 トン) 1990 年 度 比 -9.5%(CO 2-6%) 5,000 1990 年 度 2003 年 度 2010 年 度 (3)これまでの 温 暖 化 対 策 の 取 組 状 況 1 対 策 の 推 進 体 制 ア 秋 田 県 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 センター 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 第 24 条 の 規 定 により 知 事 は 県 内 における 地 球 温 暖 化 対 策 の 促 進 を 図 るため 県 内 1 団 体 を 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 センター と して 指 定 することができます 県 では NPO 法 人 環 境 あきた 県 民 フォーラム を 2004( 平 成 16) 年 度 から 2010( 平 成 22) 年 度 まで 秋 田 県 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 センターとして 指 定 しました イ 秋 田 県 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 員 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 第 23 条 の 規 定 により 知 事 は 地 域 における 地 球 温 暖 化 対 策 の 知 識 の 普 及 等 のため 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 員 を 委 嘱 することができ ます 2010( 平 成 22) 年 12 月 現 在 県 では 148 人 に 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 員 を 委 嘱 しています ウ 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 協 議 会 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 協 議 会 は 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 第 26 条 の 規 定 に 基 づく 組 織 で 行 政 や 企 業 各 種 団 体 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 センターや 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 員 などが 参 加 して 地 域 の 温 暖 化 対 策 を 進 めています 2011( 平 成 23) 年 1 月 時 点 で 県 内 に 8 組 織 が 設 立 されています このうち ストップ ザ 温 暖 化 あきた 県 民 会 議 は 温 暖 化 対 策 の 県 民 運 動 の 全 県 的 な 推 進 母 体 として 設 立 されています 市 町 村 レベルでは 秋 田 市 環 境 活 動 推 進 協 議 会 由 利 本 荘 地 球 温 暖 化 対 策 協 議 会 にかほ 市 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 協 議 会 が 設 立 されています 17

秋 田 木 質 ペレット 普 及 協 議 会 秋 田 県 木 質 系 燃 料 暖 房 機 器 普 及 協 議 会 お おだて 木 質 バイオマス 燃 焼 機 器 普 及 促 進 協 議 会 は 木 質 ペレットストーブや 薪 ストーブの 普 及 を 目 指 した 協 議 会 です 水 と 森 環 境 推 進 協 議 会 は 節 水 機 器 の 普 及 のほか 水 道 の 検 針 票 を 利 用 して 温 室 効 果 ガス 排 出 量 を 見 える 化 するシ ステムの 普 及 にも 取 り 組 んでいます ストップ ザ 温 暖 化 あきた 県 民 会 議 の 概 要 県 民 事 業 者 行 政 が 幅 広 く 参 加 連 携 し 地 球 温 暖 化 対 策 を 積 極 的 に 推 進 する ことを 目 的 として 平 成 19 年 10 月 に ストップ ザ 温 暖 化 あきた 県 民 会 議 が 設 置 されました 発 足 当 時 の 会 員 は 県 市 長 会 町 村 会 国 の 機 関 消 費 者 団 体 商 工 団 体 等 の 各 種 団 体 企 業 など 21 団 体 でしたが その 後 新 規 参 加 団 体 も 増 え 平 成 22 年 9 月 現 在 45 団 体 の 会 員 が 登 録 されています <ストップ ザ 温 暖 化 あきた 県 民 会 議 の 活 動 内 容 > 1 地 球 温 暖 化 の 防 止 に 向 けた 具 体 的 な 活 動 の 推 進 に 関 すること 2 地 球 温 暖 化 の 防 止 の 啓 発 普 及 に 関 すること 3 地 球 温 暖 化 の 防 止 についての 連 絡 調 整 及 び 情 報 交 換 に 関 すること 4そのほか 地 球 温 暖 化 対 策 の 推 進 に 必 要 な 活 動 に 関 すること 2 重 点 10 分 野 の 取 組 状 況 地 球 温 暖 化 対 策 を 強 力 に 進 めるため 県 では 2009( 平 成 21) 年 4 月 に 環 境 エ ネルギー 推 進 課 を 新 設 し 省 エネルギー 施 策 ( 排 出 削 減 対 策 )と 新 エネルギー(バ イオマス 風 力 太 陽 光 等 )の 普 及 のための 施 策 の 一 体 化 を 図 りました さらに 2010( 平 成 22) 年 4 月 には 温 暖 化 対 策 課 に 改 称 し 名 称 の 上 でも 地 球 温 暖 化 対 策 に 組 織 的 に 取 り 組 むことを 明 確 にしたうえで 次 に 掲 げる 温 暖 化 対 策 を 進 めてい ます ア 事 業 活 動 における 地 球 温 暖 化 対 策 工 場 やオフィス 店 舗 等 での 省 エネルギー 対 策 の 推 進 オフィスの 省 エネについては 商 工 団 体 とも 連 携 して( 財 ) 省 エネルギーセン ターの 実 施 している 無 料 省 エネ 診 断 制 度 の 周 知 に 努 めるとともに 省 エネ 事 例 の 紹 介 や 国 内 クレジット 制 度 等 の 省 エネがもたらす 環 境 価 値 の 普 及 等 を 行 っています 表 3-3 無 料 省 エネ 診 断 の 受 診 状 況 無 料 省 エネ 診 断 の 受 診 件 数 平 成 18 年 度 2 平 成 19 年 度 2 平 成 20 年 度 18 平 成 21 年 度 21 表 3-4 国 内 クレジット 事 業 実 施 状 況 排 出 削 減 事 業 計 画 承 認 件 数 平 成 20 年 度 0 平 成 21 年 度 4 平 成 22 年 度 7 18

環 境 マネジメントシステム については NPO 法 人 環 境 あきた 県 民 フォー ラムが 実 施 している あきた 環 境 優 良 事 業 所 認 定 制 度 ( 秋 田 版 ミニISO 制 度 ) の 普 及 支 援 を 行 ってきました あきた 環 境 優 良 事 業 所 として 認 定 された 事 業 所 は 2004( 平 成 16) 年 度 の 18 事 業 所 から 2009( 平 成 21) 年 度 には 152 事 業 所 に 増 加 しています 省 エネルギー 技 術 の 導 入 や 省 エネルギー 設 備 機 器 の 設 置 の 促 進 県 では 2010( 平 成 22) 年 度 に 国 の 地 域 グリーンニューディール 基 金 を 活 用 し 工 場 や 事 業 所 を 対 象 とした 民 間 施 設 省 エネ グリーン 化 推 進 事 業 ( 補 助 率 1/3 以 内 )を 実 施 しました 2010( 平 成 22) 年 度 は 19 案 件 が 実 施 されています 表 3-5 民 間 施 設 省 エネ グリーン 化 推 進 事 業 採 択 状 況 ( 平 成 22 年 度 実 施 分 ) 省 エネ グリーン 化 の 内 容 該 当 数 ( 重 複 あり) 照 明 設 備 の 高 効 率 化 (LED 化 ) 13 件 エアコン 空 調 の 高 効 率 化 9 件 コンプレッサー 交 換 2 件 窓 の 断 熱 化 太 陽 光 発 電 パネル 設 置 1 件 3 件 ESCO 事 業 の 普 及 促 進 ESCO 事 業 については 県 自 らも 率 先 して 導 入 していくこととしており 2010 ( 平 成 22) 年 度 からは 秋 田 ふるさと 村 等 において 民 間 事 業 者 とのESCO 事 業 契 約 を 行 っています 2010( 平 成 22) 年 度 中 に 設 備 の 更 新 を 行 い 2011( 平 成 23) 年 4 月 からESCOサービスを 開 始 する 予 定 です イ ライフスタイルやワークスタイルの 転 換 家 庭 オフィスでの 適 正 冷 暖 房 などの 省 エネルギー 行 動 の 徹 底 毎 年 7 月 は 夏 季 の 省 エネ(クールビズ) 地 球 温 暖 化 防 止 月 間 の 12 月 は 冬 季 の 省 エネ(ウォームビズ)を 推 進 しています また 2010( 平 成 22) 年 度 には 北 海 道 北 東 北 4 道 県 連 携 事 業 として 秋 田 県 クールあいらんどキャンペーン 秋 田 県 あったまろうキャンペーン を 実 施 しました 環 境 家 計 簿 を 活 用 したライフスタイルの 見 直 し 家 庭 向 け 及 びオフィス 向 けの 環 境 家 計 簿 (エコ 家 計 簿 )のパンフレットを 作 成 するとともに みんなで 減 らそうCO 2 フォーラム 等 のシンポジウムを 開 催 す るなど エコライフの 普 及 に 努 めています 2010( 平 成 22) 年 度 からは 家 庭 の 省 エネをより 積 極 的 に 推 進 するため 家 庭 の 省 エネ 診 断 員 (うちエコ 診 断 員 ) を 育 成 し 秋 田 県 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 センターと 連 携 し 要 望 に 応 じて 診 断 員 を 派 遣 する 制 度 を 実 施 しています 19

省 エネルギー 性 能 の 高 い 電 気 機 器 等 の 普 及 啓 発 家 庭 用 高 効 率 給 湯 器 等 普 及 支 援 事 業 により 省 エネ 型 の 高 効 率 給 湯 器 等 に 買 い 替 える 場 合 秋 田 県 産 品 と 交 換 可 能 な あきた 省 エネポイント を 発 行 しま した( 平 成 22 年 度 ) 家 庭 用 高 効 率 給 湯 器 等 普 及 支 援 事 業 スキーム( 平 成 22 年 度 ) ウ 建 築 物 における 地 球 温 暖 化 対 策 断 熱 構 造 化 などによる 環 境 性 能 の 向 上 住 宅 の 高 気 密 高 断 熱 化 は 室 内 の 温 度 ギャップや 底 冷 えを 解 消 するなど 健 康 や 快 適 性 にもつながります また 住 宅 からの 温 室 効 果 ガス 排 出 抑 制 に は 断 熱 対 策 だけでなく 風 通 しを 良 くすることや 植 栽 で 日 射 を 遮 るなどの 方 法 もあり 節 電 節 水 などのライフスタイルの 見 直 しも 大 切 です 県 では このよ うな 温 暖 化 対 策 の 視 点 だけでなく 健 康 や 快 適 性 も 考 慮 しながら 温 暖 化 対 策 としてできることを 取 り 入 れていく 住 まいを 秋 田 版 省 CO 2 型 住 宅 と 名 付 け その 普 及 に 努 めています 県 内 では 既 築 住 宅 の 割 合 が 多 く 秋 田 版 省 CO 2 型 住 宅 の 普 及 に 当 たって は 断 熱 リフォーム の 普 及 が 課 題 であることから ストップ ザ 温 暖 化 あ きた 県 民 会 議 では 省 CO 2 型 住 宅 普 及 部 会 を 設 置 し 県 内 の 建 築 関 係 団 体 等 と 連 携 し エコリフォーム の 普 及 を 進 めました 20

ストップ ザ 温 暖 化 あきた 県 民 会 議 によるエコリフォームの 普 及 省 CO 2 型 住 宅 普 及 部 会 の 設 置 ( 平 成 21 年 9 月 ) 工 務 店 向 け 講 習 会 省 CO 2 住 宅 フォーラム in 能 代 の 開 催 ( 平 成 22 年 1 月 ) パンフレット 秋 田 版 省 CO 2 型 住 宅 の 手 引 き の 作 成 ( 平 成 22 年 4 月 ) エコリフォームバスツアーを 県 内 3 カ 所 で 実 施 ( 平 成 22 年 11 月 ) 秋 田 エコリフォームアドバイザー 養 成 講 座 の 実 施 ( 平 成 22 年 11 月 ) エコリフォーム 無 料 相 談 会 を 県 内 6 カ 所 で 開 催 ( 平 成 22 年 11 月 ) エ 交 通 やまちづくりにおける 地 球 温 暖 化 対 策 公 共 交 通 機 関 等 の 利 用 促 進 県 では 美 の 国 あきたエコ 交 通 推 進 協 議 会 等 とともに ノーマイカーデー 等 を 実 施 し 公 共 交 通 機 関 の 利 用 を 呼 びかけています また 高 齢 者 などの 交 通 弱 者 が 利 用 しやすい 低 床 型 で 維 持 費 が 安 く 燃 費 の 良 い 小 型 バスの 導 入 を 促 進 するため バス 事 業 者 が 運 営 する 路 線 を 運 行 する 低 床 小 型 車 両 の 導 入 に 対 し 支 援 しました エコドライブの 普 及 エコドライブの 推 進 のため エコドライブ 講 習 会 を 開 催 するとともに オフィ スにおけるエコドライブの 普 及 のため エコドライブ 宣 言 事 業 所 を 募 集 してい ます エコドライブ 宣 言 事 業 所 として 登 録 されている 事 業 所 は 2010( 平 成 22) 年 12 月 現 在 で 91 事 業 所 となっています 低 燃 費 低 公 害 車 の 導 入 促 進 県 では 2009( 平 成 21) 年 1 月 から 2010( 平 成 22) 年 6 月 まで 低 燃 費 で 環 境 性 能 に 優 れたエコカーに 買 い 替 えた 場 合 車 両 本 体 価 格 にかかる 消 費 税 分 (5%) を 県 と 自 動 車 販 売 会 社 が 半 分 ずつ 負 担 する 制 度 を 実 施 ( 限 度 額 は 20 万 円 )し エ コカーの 普 及 に 努 めました 期 間 内 の 申 請 件 数 は 28,000 件 を 上 回 りました バイオマス 燃 料 の 利 用 促 進 市 町 村 や 民 間 団 体 等 と 連 携 し 家 庭 から 出 る 廃 食 用 油 の 回 収 システム 構 築 を 支 援 するとともに 県 内 の 廃 食 用 油 から 製 造 されたBDF(バイオディーゼル 燃 料 ) の 利 活 用 を 促 進 するため 2007( 平 成 19) 年 度 から 県 の 公 用 車 で 利 用 しています オ 廃 棄 物 の 発 生 抑 制 等 3R( 発 生 抑 制 再 使 用 再 生 利 用 )の 推 進 レジ 袋 削 減 マイバッグ 持 参 は ゴミの 削 減 につながるとともに 一 人 ひとり が 温 暖 化 対 策 に 取 り 組 むきっかけとなることが 期 待 されることから 県 では 2007 ( 平 成 19) 年 度 から 事 業 者 と 協 定 を 締 結 し レジ 袋 削 減 マイバッグ 持 参 運 動 を 21

推 進 しています 協 定 事 業 者 は 2007( 平 成 19) 年 度 の 5 事 業 者 (78 店 舗 )から 2010( 平 成 22) 年 度 は 20 事 業 者 (425 店 舗 )に 増 加 しており 平 均 のマイバッグ 持 参 率 も 向 上 するなどレジ 袋 削 減 の 意 識 が 着 実 に 広 がっています また ブロック 別 ごみゼロあきた 推 進 会 議 を 核 とした 住 民 参 加 型 のごみ 減 量 化 の 実 践 をとおして ごみの3R 活 動 を 推 進 しており 2009( 平 成 21) 年 度 は 生 ごみの 水 切 りの 普 及 を 行 いました さらに 県 内 から 発 生 する 再 生 資 源 を 素 材 とする 製 品 を 秋 田 県 認 定 リサイク ル 製 品 として 認 定 し その 普 及 を 図 るとともに 小 型 家 電 等 の 回 収 ボックスを 全 県 に 設 置 し レアメタル 等 のリサイクルに 努 めています 表 3-6 レジ 袋 削 減 協 定 の 締 結 状 況 平 成 19 年 6 月 平 成 22 年 6 月 協 定 事 業 者 数 5 20 参 加 店 舗 数 78 425 協 定 店 舗 マイバッグ 16.6% 26.5% 平 均 持 参 率 注 : 平 成 22 年 6 月 の 協 定 店 舗 マイバッグ 平 均 持 参 率 は コンビニエンスストアを 除 いて 集 計 カ 新 エネルギーの 導 入 促 進 太 陽 光 発 電 の 導 入 促 進 住 宅 用 太 陽 光 発 電 システムの 補 助 は 国 では 2009( 平 成 21) 年 1 月 から 実 施 し ていますが 県 では 国 補 助 の 上 乗 せとして 2009( 平 成 21) 年 度 から 太 陽 光 発 電 システムの 補 助 を 実 施 するとともに 2009( 平 成 21) 年 度 分 と 2010( 平 成 22) 年 度 分 については 自 家 消 費 分 の 環 境 価 値 のグリーン 電 力 証 書 化 も 実 施 しています また 一 部 の 市 町 村 においても 補 助 を 行 っています 表 3-7 県 及 び 市 町 村 の 補 助 制 度 ( 平 成 22 年 度 ) 市 町 村 名 内 容 市 町 村 名 内 容 男 鹿 市 4 万 円 /kw( 上 限 4kW) にかほ 市 4 万 円 /kw( 上 限 4kW) 大 潟 村 3 万 円 /kw( 上 限 5kW) 美 郷 町 5 万 円 /kw( 上 限 4kW) 秋 田 市 4 万 円 /kw( 上 限 4kW) 横 手 市 5 万 円 /kw( 上 限 5kW) 由 利 本 荘 市 4 万 円 /kw( 上 限 4kW) 東 成 瀬 村 7 万 円 /kw( 上 限 5kW) 秋 田 県 5 万 円 /kw( 上 限 4kW) 木 質 バイオマスの 利 用 促 進 ソニー では グリーン 電 力 証 書 発 行 団 体 を 通 じて 能 代 バイオマス 発 電 施 設 に 資 金 を 提 供 し 発 電 した 電 力 の 環 境 価 値 をグリーン 電 力 証 書 として 受 けとってい 22

ます 2008( 平 成 20) 年 度 からは 当 該 施 設 の 安 定 運 用 のため 間 伐 事 業 跡 地 の 林 地 残 材 の 運 搬 費 用 分 を 県 に 寄 付 し 県 ではこの 資 金 を 用 いて 林 地 残 材 の 搬 出 促 進 事 業 を 行 っています 木 質 バイオマスの 利 用 促 進 事 例 非 食 料 系 を 原 料 とするバイエタノールの 製 造 実 証 等 食 料 と 競 合 しない 原 料 ( 稲 わら 木 質 )を 利 用 したバイオエタノールの 製 造 に 向 けて 県 内 2 カ 所 で 実 証 試 験 が 行 われています 2010( 平 成 22) 年 12 月 からは 稲 わらを 原 料 とするバイオエタノールを 10% 混 合 したガソリンである E10 燃 料 を 使 用 した 車 両 による 公 道 走 行 実 証 事 業 を 県 が 事 業 主 体 となって 実 施 しています 23

本 県 で 実 施 されているバイオエタノール 製 造 等 実 証 事 業 ( 平 成 20 年 度 ~ 平 成 24 年 度 ) 木 質 バイオエタノール 製 造 システム 実 証 事 業 原 料 スギ 林 地 残 材 等 プラント 場 所 北 秋 田 市 事 業 主 体 ( 独 ) 森 林 総 合 研 究 所 共 同 実 施 秋 田 県 立 大 東 大 早 稲 大 稲 わらを 原 料 とするバイオエタノール 実 証 事 業 実 施 主 体 稲 わら 収 集 運 搬 実 証 ( 社 ) 秋 田 県 農 業 公 社 バイオエタノール 製 造 実 証 走 行 実 証 川 崎 重 工 業 実 証 フィールド 稲 わら 収 集 運 搬 大 潟 村 エタノール 製 造 昭 和 工 業 団 地 ( 潟 上 市 ) 走 行 実 証 大 潟 村 ソーラースポーツライン E10 車 走 行 実 証 車 両 E10 燃 料 を 使 用 して 車 両 を 走 らせるためには 道 路 運 送 車 両 の 保 安 基 準 の 規 定 に 基 づき 国 土 交 通 大 臣 の 認 定 を 受 ける 必 要 があります 今 回 の 実 証 に 使 用 する 車 両 は ダイハツ 工 業 株 式 会 社 の 協 力 により 国 土 交 通 大 臣 認 定 を 取 得 しています 新 エネルギーの 普 及 啓 発 新 エネルギーの 普 及 を 図 るために セミナーを 開 催 するとともに 太 陽 光 発 電 に 関 する 助 成 やバイオエタノールなどの 新 エネルギーに 関 する 情 報 について 県 のホームページにより 情 報 提 供 をしています また 地 球 温 暖 化 防 止 活 動 推 進 センターに 県 が 指 定 した 特 定 非 営 利 活 動 法 人 環 境 あきた 県 民 フォーラム に 新 エネルギーの 普 及 広 報 事 業 を 委 託 しています キ 森 林 の 保 全 整 備 等 J-VER 制 度 の 普 及 等 環 境 省 で 実 施 しているオフセット クレジット(J-VER) 制 度 の 普 及 に 努 めるとともに 県 有 林 のJ-VER 制 度 への 登 録 も 進 めています 県 民 参 加 の 森 づくりの 推 進 県 では 2009( 平 成 21) 年 度 から 企 業 の 森 づくり 制 度 を 行 っており この 一 環 として 森 づくり 活 動 に 伴 う 森 林 吸 収 量 の 認 定 を 行 っています 24

ク 環 境 産 業 の 育 成 等 による 地 球 温 暖 化 対 策 新 エネルギー 産 業 戦 略 の 策 定 2010( 平 成 22) 年 度 に 新 エネルギー 産 業 戦 略 会 議 を 設 置 し 新 エネルギー 産 業 の 育 成 に 向 けた 戦 略 づくりを 進 めています 環 境 産 業 の 育 成 振 興 県 北 地 域 に 廃 棄 物 や 循 環 資 源 を 原 料 とする 新 しいリサイクル 産 業 を 創 出 して 環 境 と 調 和 したまちづくりを 進 めることを 目 的 とした 秋 田 県 北 部 エコタウン 計 画 に 取 り 組 んでいます 環 境 技 術 の 研 究 開 発 の 促 進 2009( 平 成 21) 年 から 道 の 駅 おおがたで 使 う 電 力 の 一 部 を 太 陽 光 発 電 風 力 発 電 燃 料 電 池 で 賄 おうとする 実 証 試 験 を 実 施 しています エネルギーの 需 給 バランスを 制 御 しながら 自 然 エネルギーで 発 電 した 電 力 を 直 流 のまま 給 電 するのが 特 徴 で 交 流 への 変 換 ロスをはじめとするさまざまな 損 失 を 低 減 しているほか 蓄 電 装 置 を 活 用 し 余 った 電 気 を 蓄 え 発 電 が 不 足 した 際 に 給 電 する 技 術 の 開 発 も 行 っています 道 の 駅 おおがた 地 域 直 流 グリッド 実 証 事 業 イメージ 最 大 出 力 4.5kW 最 大 出 力 700W 全 負 荷 容 量 約 6.2kW 最 大 出 力 12kW 25

ケ 環 境 教 育 学 習 の 推 進 各 種 環 境 講 座 環 境 イベントの 開 催 地 球 温 暖 化 防 止 も 含 めた 環 境 意 識 の 向 上 のため 環 境 あきた 県 民 塾 や 出 前 講 座 といった 環 境 講 座 を 実 施 するとともに 県 内 最 大 の 環 境 イベントである あ きたエコ&リサイクルフェスティバル を 2001( 平 成 13) 年 から 毎 年 開 催 してい ます また 環 境 あきた 県 民 塾 を 修 了 された 多 くの 方 が 県 内 各 地 域 において 環 境 保 全 活 動 を 実 践 したり リーダーとして 活 躍 する 人 材 である あきたエコマイス ター として 県 に 登 録 されています コ 県 市 町 村 による 地 球 温 暖 化 対 策 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 等 の 推 進 県 では 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 を 策 定 し 温 暖 化 対 策 に 取 り 組 むとともに 県 の 事 務 事 業 については 秋 田 県 庁 環 境 保 全 率 先 実 行 計 画 を 定 め 庁 内 の 省 エネ 等 の 取 組 を 進 めています また 県 有 建 築 物 エネルギー 管 理 事 業 により 新 エネ 省 エネ 機 器 の 導 入 も 計 画 的 に 進 めています また 市 町 村 においても 地 球 温 暖 化 対 策 市 町 村 実 行 計 画 を 策 定 し 自 らの 事 務 事 業 における 温 室 効 果 ガス 排 出 の 削 減 に 努 めています 再 生 可 能 エネルギーの 率 先 導 入 県 有 施 設 に 太 陽 光 発 電 システムや 小 型 風 力 発 電 装 置 を 導 入 し 県 内 への 普 及 に 努 めています また 県 庁 舎 県 民 ホールに 設 置 した 木 質 ペレットストーブでは 県 内 産 木 質 ペ レットを 率 先 して 利 用 しています 省 エネ 設 備 などの 率 先 導 入 県 庁 舎 にビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)を 導 入 しているほ か 照 明 器 具 の 高 効 率 化 を 進 めています また 1998( 平 成 10) 年 度 以 降 県 の 公 用 車 には 基 本 的 には 低 燃 費 車 を 導 入 しており ハイブリッド 車 については 2009 ( 平 成 21) 年 度 末 で 33 台 導 入 されています また 各 市 町 村 においても 地 域 グリーンニューディール 基 金 等 を 活 用 し 省 エネ 設 備 等 への 改 修 を 実 施 しています 26

県 有 施 設 における 再 生 可 能 エネルギーの 導 入 状 況 太 陽 光 発 電 システム 秋 田 県 ゆとり 生 活 創 造 センター 遊 学 舎 50kW 大 館 国 際 情 報 学 院 20kW 金 足 農 業 高 等 学 校 2.3kW 秋 田 北 高 等 学 校 15kW 由 利 工 業 高 等 学 校 15kW 横 手 清 陵 高 等 学 校 20kW ハイブリッド 発 電 装 置 ( 風 力 及 び 太 陽 光 を 活 用 した 発 電 設 備 ) 由 利 工 業 高 等 学 校 風 車 :1.84kW 太 陽 光 パネル:120W 2 基 ハイブリッド 式 外 灯 ( 太 陽 光 及 び 風 力 を 活 用 した 外 灯 ) 県 議 会 棟 2 基 (LED 照 明 ) 秋 田 北 高 等 学 校 1 基 (LED 照 明 ) 由 利 工 業 高 等 学 校 2 基 (LED 照 明 ) 矢 島 高 等 学 校 3 基 小 型 風 力 発 電 設 備 秋 田 マリーナ 20kW 青 少 年 交 流 センター ユースパル 20kW 木 質 ペレットストーブ 県 庁 県 民 ホール 内 木 質 ペレットボイラー 生 態 系 公 園 内 地 域 グリーンニューディール 基 金 を 活 用 した 省 エネ 等 改 修 ( 平 成 21 年 度 平 成 22 年 度 事 業 ) 県 実 施 分 県 庁 舎 (LED 照 明 の 設 置 ハイブリッド 外 灯 の 設 置 ) 秋 田 県 青 少 年 交 流 センター ユースパル( 小 型 風 力 発 電 設 備 の 設 置 LED 照 明 の 設 置 ) 秋 田 県 秋 田 マリーナ( 小 型 風 力 発 電 設 備 の 設 置 LED 照 明 の 設 置 ) 市 町 村 実 施 分 秋 田 市 総 合 環 境 センター( 太 陽 光 パネル LED 照 明 の 設 置 ) 能 代 市 子 ども 館 ( 太 陽 光 パネル LED 照 明 の 設 置 ) 横 手 市 役 所 南 庁 舎 (LED 照 明 の 設 置 複 層 サッシ 化 等 ) 男 鹿 温 泉 郷 (LED 街 灯 への 改 修 ) 湯 沢 文 化 会 館 ( 太 陽 光 パネル LED 照 明 の 設 置 ) 鹿 角 市 都 市 公 園 ( 太 陽 光 式 LED 灯 への 改 修 ) 北 秋 田 市 本 庁 舎 (LED 照 明 の 設 置 二 重 サッシ 化 ) にかほ 市 庁 舎 ( 太 陽 光 パネル LED 照 明 の 設 置 ) 仙 北 市 環 境 保 全 センター( 太 陽 光 パネル LED 照 明 の 設 置 ) 小 坂 町 町 内 街 灯 ( 防 犯 灯 )(LED 街 灯 への 改 修 ) 八 峰 町 産 直 施 設 おらほの 館 ( 太 陽 光 パネルの 設 置 二 重 サッシ 化 ) 五 城 目 町 庁 舎 ( 高 効 率 冷 温 水 発 生 器 LED 照 明 の 設 置 ) 井 川 町 日 本 国 花 苑 及 び 管 理 施 設 ( 太 陽 光 式 街 灯 への 改 修 LED 照 明 の 設 置 ) 大 潟 村 干 拓 博 物 館 ( 太 陽 光 パネル LED 照 明 の 設 置 ) 美 郷 町 街 路 灯 防 犯 灯 ( 省 エネ 街 灯 への 改 修 ) 羽 後 町 アルカディア 公 園 ( 太 陽 光 式 省 エネ 街 灯 への 改 修 ) 大 館 市 ハチ 公 荘 ( 木 質 ペレットボイラーの 導 入 ) 潟 上 市 観 光 施 設 ( 木 質 ペレットボイラーの 導 入 ) 27

図 3-18 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 ( 前 期 計 画 )に 基 づく 温 室 効 果 ガス 削 減 のための 対 策 の 実 施 状 況 部 門 重 点 10 分 野 の 対 策 主 な 取 組 エネルギー 転 換 部 門 火 力 発 電 所 におけるエネルギー 効 率 の 向 上 対 策 等 木 質 バイオマスの 混 焼 等 によるCO 2 排 出 抑 制 工 場 やオフィス 店 舗 等 での 省 エネ 対 策 の 推 進 省 エネ 診 断 受 診 の 促 進 国 内 クレジット 制 度 等 の 普 及 促 進 秋 田 版 ミニISOの 普 及 促 進 産 業 部 門 事 業 活 動 における 地 球 温 暖 化 対 策 省 エネ 設 備 機 器 の 導 入 促 進 民 間 施 設 省 エネ グリーン 化 事 業 の 実 施 ESCO 事 業 の 普 及 促 進 県 有 施 設 での 率 先 実 行 家 庭 オフィスでの 省 エネ 行 動 の 徹 底 クールビズ ウォームビズの 普 及 民 生 家 庭 部 門 ライフスタイルやワークスタイル の 転 換 エコ 家 計 簿 を 活 用 したライフスタイルの 見 直 し エコ 家 計 簿 の 普 及 家 庭 の 省 エネ 診 断 員 の 育 成 省 エネルギー 性 能 の 高 い 電 機 機 器 等 の 普 及 啓 発 家 庭 用 高 効 率 給 湯 器 等 の 普 及 支 援 民 生 業 務 部 門 建 築 物 における 地 球 温 暖 化 対 策 断 熱 構 造 化 等 による 環 境 性 能 の 向 上 秋 田 版 省 CO2 型 住 宅 の 普 及 エコリフォームの 普 及 公 共 交 通 機 関 等 の 利 用 促 進 ノーマイカーデーの 実 施 低 床 小 型 バス 等 導 入 支 援 運 輸 部 門 交 通 やまちづくりにおける 地 球 温 暖 化 対 策 エコドライブの 普 及 エコドライブ 宣 言 事 業 所 の 募 集 低 燃 費 低 公 害 車 の 導 入 促 進 エコカー 普 及 支 援 バイオマス 燃 料 の 利 用 促 進 バイオディーゼル 燃 料 の 利 活 用 促 進 廃 棄 物 部 門 廃 棄 物 の 発 生 抑 制 等 3Rの 推 進 レジ 袋 削 減 マイバッグ 持 参 運 動 認 定 リサイクル 製 品 の 普 及 ブロック 別 ごみゼロあきた 推 進 会 議 による 実 践 活 動 28

新 エネルギー 対 策 新 エネルギーの 導 入 促 進 太 陽 光 発 電 などの 新 エネ 導 入 促 進 住 宅 用 太 陽 光 発 電 システム 設 置 補 助 木 質 バイオマスの 利 用 促 進 非 食 料 系 を 原 料 とするバイオエタノールの 製 造 実 証 等 新 エネルギーの 普 及 啓 発 新 エネルギーセミナーの 実 施 森 林 吸 収 源 対 策 森 林 の 保 全 整 備 森 林 の 整 備 保 全 の 推 進 県 有 林 のJ-VER 登 録 県 民 参 加 の 森 づくりの 推 進 企 業 による 水 と 緑 の 森 づくり 推 進 事 業 環 境 産 業 の 育 成 等 による 地 球 温 暖 化 対 策 環 境 産 業 の 育 成 振 興 エコタウン 計 画 の 推 進 環 境 技 術 の 研 究 開 発 の 促 進 地 域 直 流 グリッド 実 証 事 業 共 通 環 境 教 育 学 習 の 推 進 環 境 あきた 県 民 塾 等 の 開 催 環 境 あきた 県 民 塾 の 開 催 あきたエコマイスターの 登 録 エコ&リサイクルフェスティバルの 開 催 県 市 町 村 による 地 球 温 暖 化 対 策 秋 田 県 地 球 温 暖 化 対 策 地 域 推 進 計 画 などの 推 進 秋 田 県 環 境 保 全 率 先 実 行 計 画 の 推 進 県 有 建 築 物 エネルギー 管 理 事 業 再 生 可 能 エネルギーの 率 先 導 入 太 陽 光 発 電 システムの 導 入 小 型 風 力 発 電 装 置 の 導 入 省 エネ 設 備 などの 率 先 導 入 公 用 車 への への 低 低 燃 燃 費 費 車 車 の 導 入 県 庁 舎 へのBEMZの への BEMS の 導 入 導 入 グリーンニューディル 基 金 の 活 用 グリーンニューディール 用 29

コラム 地 球 温 暖 化 へのさまざまな 疑 問 について 地 球 温 暖 化 の 様 々な 疑 問 について 平 成 22 年 版 環 境 循 環 型 社 会 生 物 多 様 性 白 書 ( 環 境 省 ) では 次 のように 解 説 しています (1) 地 球 温 暖 化 の 主 要 な 原 因 は 人 為 起 源 の 温 室 効 果 ガスの 増 加 であるという 証 拠 は 十 分 なの か 世 界 平 均 気 温 を 変 化 させる 要 因 には 温 室 効 果 ガスの 排 出 等 の 人 為 要 因 だけではなく 太 陽 活 動 火 山 噴 火 によって 排 出 されるエアロゾル 等 の 自 然 要 因 も 含 まれ これらさまざまな 要 因 が 組 み 合 わさって 気 温 の 上 昇 や 低 下 がもたらされます 20 世 紀 中 頃 には 大 気 中 の 温 室 効 果 ガス 濃 度 が 増 加 していたにもかかわらず ほかの 要 因 との 相 殺 で 世 界 平 均 気 温 が 横 ばいとなった 時 期 があ りました IPCC 第 4 次 評 価 報 告 書 では 1906 年 から 2005 年 の 気 候 のシミュレーションを 行 った 結 果 人 為 的 な 温 室 効 果 ガスの 増 加 を 考 慮 しないと 最 近 数 十 年 に 観 測 された 急 激 な 地 球 温 暖 化 を 再 現 できないとしており 20 世 紀 半 ば 以 降 に 観 測 された 世 界 平 均 気 温 の 上 昇 のほとんどは 人 為 起 源 の 温 室 効 果 ガスの 観 測 された 増 加 によってもたらされた 可 能 性 が 非 常 に 高 いとしています (2) 温 室 効 果 が 一 番 大 きいのは 水 蒸 気 であり 二 酸 化 炭 素 が 少 し 増 えるくらいでは 影 響 はないので は 現 在 の 大 気 において 水 蒸 気 が 最 も 大 きな 温 室 効 果 を 有 する( 約 6 割 )のは 事 実 ですが 二 酸 化 炭 素 もその 寄 与 分 は 約 3 割 と 重 要 な 役 割 を 果 たしています 大 気 中 の 水 蒸 気 の 量 は 大 気 と 海 洋 陸 面 との 間 の 交 換 ( 蒸 発 降 水 )によって 決 まります 直 接 的 に 人 間 活 動 の 有 り 様 によって その 量 が 大 きく 増 減 することはありません また 水 蒸 気 は 気 温 が 上 昇 すると 大 気 中 でその 量 が 増 加 し ますます 地 球 温 暖 化 を 促 進 すると 考 えられていますが その 気 温 上 昇 への 寄 与 につ いては 人 間 活 動 による 二 酸 化 炭 素 の 排 出 に 拠 るところが 大 きいのです つまり 水 蒸 気 は 現 状 において 温 室 効 果 を 有 しており 将 来 地 球 温 暖 化 を 増 幅 させる 可 能 性 をもつという 点 において 確 かに 注 視 しなければなりませんが その 増 加 をもたらさないためには 二 酸 化 炭 素 をはじめと する 温 室 効 果 ガスの 排 出 を 抑 えることが 有 効 です (3) 地 球 温 暖 化 の 主 な 原 因 は 温 室 効 果 ガス 濃 度 の 増 加 ではなく 太 陽 活 動 の 活 発 化 などにあるの では 地 球 の 平 均 気 温 を 変 化 させる 要 因 には(1)で 示 したとおり 温 室 効 果 ガス 濃 度 の 増 加 だけでな く 太 陽 活 動 の 活 発 化 ( 太 陽 の 放 射 エネルギーの 増 加 )なども 挙 げられます しかし 太 陽 活 動 のよい 指 標 である 太 陽 黒 点 数 の 最 新 の 観 測 データを 見 ると 20 世 紀 半 ば 以 降 はほぼ 横 ばいか 減 少 傾 向 で 太 陽 活 動 が 活 発 化 している 可 能 性 は 小 さいと 考 えられます また 地 球 に 到 達 する 宇 宙 線 ( 宇 宙 空 間 を 漂 っている 電 気 を 帯 びた 原 子 核 )は 雲 を 形 成 するといわれ 太 陽 活 動 が 活 発 な 時 はこの 宇 宙 線 が 減 少 し これに 伴 い 雲 量 が 減 って 気 温 が 上 昇 する との 説 がありますが 現 段 階 では 宇 宙 線 と 雲 量 の 相 関 については 明 瞭 な 対 応 が 見 られず 物 理 的 な 機 構 も 解 明 されていません IPCC 第 4 次 評 価 報 告 書 では このような 太 陽 活 動 や 宇 宙 線 等 の 自 然 要 因 に 関 する 科 学 的 議 論 も 踏 まえ 評 価 した 上 で 20 世 紀 後 半 の 気 温 上 昇 の 主 要 因 は 人 為 起 源 の 温 室 効 果 ガスの 増 加 であ る 可 能 性 が 非 常 に 高 いと 結 論 づけています 出 典 : 環 境 省 平 成 22 年 版 環 境 循 環 型 社 会 生 物 多 様 性 白 書 30