Microsoft Word - 最終報告_ver8.docx



Similar documents
<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

Microsoft Word - 目次.doc

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

Taro-条文.jtd

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

18 国立高等専門学校機構

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

m07 北見工業大学 様式①

スライド 1

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

自 分 にあった 健 康 保 険 を 見 つけよう! それぞれの 健 康 保 険 の 特 徴 を 踏 まえ 自 分 にあった 健 康 保 険 を 選 ぶようにしましょう! 今 までの 収 入 扶 養 家 族 の 有 無 によって どの 健 康 保 険 に 加 入 するとメリットがあるか 参 考 にし

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

Microsoft Word - 諮問第82号答申(決裁後)

<4D F736F F D D488A778CA48B8689C881468DB293A190E690B E682558AFA93C896D88E738D8297EE8ED E646F6378>

平成16年度

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

スライド 1

Microsoft Word - 都市計画法第34条第11号及び第12号

障害福祉制度あらまし目次

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 が 無 い た め 記 載 し て お り ま せ ん 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 区 分 民 間 給 与 A 公 務 員 給 与 B 較 差 A - B 勧 告 ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 国 の 改

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

教員免許更新制ハンドブック2

異 議 申 立 人 が 主 張 する 異 議 申 立 ての 理 由 は 異 議 申 立 書 の 記 載 によると おおむね 次 のとおりである 1 処 分 庁 の 名 称 の 非 公 開 について 本 件 審 査 請 求 書 等 について 処 分 庁 を 非 公 開 とする 処 分 は 秋 田 県

1

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

答申第585号

<817993FA967B8E E A E815B817A B F976C8EAE82502D322E786C73>

は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

< F31332D91CF906B89BB8C7689E68F912E6A7464>

公表表紙

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

子ども手当見直しによる家計への影響~高所得者層の可処分所得は大幅減少に

<4D F736F F D F93878CA797708F4390B3816A819A95CA8B4C976C8EAE91E682538B4C8DDA97E12E646F6378>

<4D F736F F D208E9197BF A955B895E93AE82CC8B4B90A C982C282A282C42E646F6378>

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

16 日本学生支援機構

小山市保育所整備計画

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

Microsoft PowerPoint - 390

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

PTA

大学と学生第545号ビジネスモデルからみた卒業生就職支援の課題_関西学院大学(澤谷 敏行)-JASSO

Ⅰ 平成14年度の状況

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

<4D F736F F D20836E E819592E88C5E B F944E82548C8E89FC90B3816A5F6A D28F57>

<4D F736F F D208EC096B18AEE8F D CF8D5882C882B5816A2E646F63>

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

Taro-iryouhoken

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

様 式 5 平 成 28 年 度 NOSAI 夏 期 臨 床 実 習 事 前 アンケート * 申 込 をした 方 に を 付 けてください スタンダード 編 ステップアップ 編 氏 名 所 属 大 学 学 年 1. NOSAI 夏 期 臨 床 実 習 への 参 加 を 希 望 する 理 由 動 機

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

事 業 者 所 在 地 事 業 者 名 役 職 電 話 番 号 メールアドレス( 当 局 が 提 供 したデ ータから 変 更 等 があれば 入 力 を 行 うこと) アンケート 設 問 数 : 全 27 問 程 度 当 該 データをとりまとめる 際 は 必 ず2 名 以 上 によるデータのチェック

別紙3

人事行政の運営状況の報告について

第 3 節 結 果 1. 調 査 票 の 回 収 324 か 所 から 回 答 を 得 た ( 回 収 率 29.5%) 一 般 診 療 所 総 数 回 答 数 回 収 率 (%) 大 津 湖 南 甲 賀 東 近 江

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

●電力自由化推進法案

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>


Taro-学校だより学力調査号.jtd

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

< F2D8E518D6C B83678C8B89CA >

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

tokutei2-7.xls

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

Microsoft PowerPoint  22日修正最終確定.ppt

●幼児教育振興法案

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

とする (1) 多 重 債 務 や 過 剰 債 務 を 抱 え 返 済 が 困 難 になっている 人 (2) 債 務 整 理 を 法 律 専 門 家 に 依 頼 した 直 後 や 債 務 整 理 途 上 の 人 (3) 収 入 よりも 生 活 費 が 多 くお 金 が 不 足 がちで 借 金 に 頼

東久留米市訓令乙第   号

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

<4D F736F F D203193FA8AD45F95CA8E86325F89898F4B315F94F093EF8AA98D AD97DF914F82CC8FEE95F182CC8EFB8F C28E8B89BB2E646F63>

Ⅰ 平成14年度の状況

Transcription:

福 島 第 一 原 発 事 故 を 受 けて 放 射 線 についての 教 育 現 状 とその 意 識 調 査 リスク 工 学 グループ 演 習 8 班 新 屋 樹 中 田 星 子 劉 陽 (アドバイザー 教 員 : 掛 谷 英 紀 ) 1.はじめに 11 年 3 月 11 日 の 東 日 本 大 震 災 により 福 島 第 一 原 発 事 故 が 発 生 し 放 射 性 物 質 が 漏 れ 出 した 事 故 当 時 福 島 原 子 力 発 電 所 の 近 隣 住 民 は 撤 退 を 余 儀 なくされ 現 在 でも 仮 設 住 宅 に 踏 み 続 けてい る 人 や 放 射 性 物 質 による 人 体 への 影 響 を 恐 れて いる 人 は 少 なくない そこで 放 射 線 についての 正 しいリスク 教 育 とリスク 認 知 は 現 代 社 会 の 重 要 な 課 題 である たとえば 福 島 第 一 原 発 事 故 から 約 5 カ 月 が 経 った 11 年 8 月 28 日 AERA の 福 島 の 子 ども たちからの 手 紙 という 記 事 では 福 島 市 の 小 学 五 年 生 の 女 の 子 が 総 理 大 臣 へ 宛 てた 手 紙 で ふつ うの 子 供 産 めますか? と 問 いかけたことが 報 道 さ れている[1] また 読 売 新 聞 では 12 年 5 月 17 日 被 曝 心 配 せず 出 産 3 年 以 上 後 という 見 出 し の 記 事 が 掲 載 されており 医 療 法 人 いわき 婦 人 科 ( 福 島 県 いわき 市 )に 不 妊 治 療 で 通 院 中 の 女 性 患 者 5 人 (27~46 歳 )にアンケート 調 査 を 行 った 結 果 7 割 が 放 射 線 被 曝 を 懸 念 している 21 人 が 周 りに 被 曝 を 心 配 して 妊 娠 を 控 えている 被 曝 の 心 配 を 全 くせずに 妊 娠 出 産 できる 時 期 いついて 33 人 が 3 年 以 上 後 と 回 答 した と 報 道 している[2] これらの 記 事 から 放 射 線 被 曝 による 不 妊 や 奇 形 児 の 出 産 を 懸 念 している 人 が 多 く 存 在 すると 考 え られる このような 反 応 は 人 体 に 影 響 の 出 うる 放 射 線 量 についての 知 識 不 足 から 放 射 線 を 過 剰 に 危 険 視 し ている 面 がある 実 際 放 射 線 の 影 響 を 恐 れて 妊 娠 引 き 延 ばしすることで 母 体 の 高 齢 化 に 伴 い 胎 児 の 染 色 体 異 常 や 流 産 不 妊 のリスクは 有 意 に 上 昇 することになる しかしながら 放 射 線 を 回 避 することで 新 たに 受 容 しなければならないリスク については 十 分 な 情 報 が 伝 わっていないことを 一 連 の 報 道 は 示 唆 する そこで 本 研 究 では 放 射 線 について 正 しく 理 解 するために 現 在 学 校 でどのような 教 育 が 行 われ ているかを 調 査 する さらに 放 射 線 のリスクに 対 する 過 剰 な 反 応 を 抑 制 するための 情 報 提 示 の 方 法 について 調 べるため 大 学 生 を 対 象 にしたアン ケート 調 査 を 行 う 2. 中 学 校 での 放 射 線 教 育 の 現 状 2-1. 調 査 内 容 放 射 線 についての 教 育 の 現 状 を 調 査 するため 比 較 的 放 射 線 量 の 高 い 地 域 ( 福 島 県 いわき 市 千 葉 県 柏 市 )の 中 学 校 で 放 射 線 教 育 を 担 当 している 教 員 を 対 象 に 取 材 を 行 った まず 生 徒 や 保 護 者 の 間 で 見 られる 放 射 線 被 曝 に 対 する 具 体 的 回 避 行 動 給 食 や 水 道 水 を 避 けている 生 徒 数 について 質 問 し た 次 に 放 射 線 教 育 をどの 教 科 で 何 時 間 程 度 行 っているか 文 部 科 学 省 から 配 布 されている 放 射 線 に 関 する 副 読 本 [3]をどの 程 度 利 用 しているか 教 育 前 後 で 生 徒 の 放 射 線 に 対 する 興 味 関 心 や 不 安 感 などに 変 化 は 見 られたかを 聞 き 取 った 最 後 に 放 射 線 リスクと 健 康 や 出 産 について 現 在 許 容 して いるリスクとを 比 較 して 教 育 する 有 用 性 を 具 体 的 なデータを 見 せた 上 で このような 試 みは 行 われ ているか また 有 意 義 な 教 育 方 法 であると 考 えら れるかどうかについて 意 見 を 聴 取 した ここでい

う 具 体 的 なデータとは 普 段 の 食 生 活 で 国 が 定 め た 放 射 性 セシウムの 規 制 値 を 上 回 る 放 射 性 カリウ ムを 摂 取 している 事 を 示 す 12 年 4 月 に 新 しく 定 められた 食 品 中 の 放 射 性 セシウムの 規 制 値 とそ れまでの 暫 定 規 制 値 と EU の 規 制 値 を 一 覧 にした 表 (データ 1)と 食 品 にもともと 含 まれる 放 射 性 カ リウムの 量 をベクレル/kg で 一 覧 にした 表 (データ 2)[4] および 母 体 の 高 齢 化 で 胎 児 の 染 色 体 異 常 や 流 産 が 著 しく 増 加 することを 示 す 体 年 齢 Down 症 児 出 生 頻 度 のグラフ(データ 3)[5]と 母 体 年 齢 別 自 然 流 産 率 のグラフ(データ 4)である 2-2. 調 査 結 果 放 射 線 量 が 比 較 的 高 い 福 島 県 いわき 市 千 葉 県 柏 市 茨 城 県 守 谷 市 の 教 育 委 員 会 に 対 し 地 元 中 学 校 での 取 材 協 力 を 申 し 入 れた いわき 市 におい ては 教 育 委 員 会 から 市 内 3 校 の 紹 介 を 受 けた 他 の 2 市 については 直 接 中 学 校 に 協 力 を 要 請 す るようにとの 指 示 を 教 育 委 員 会 から 受 け 柏 市 の 3 校 守 谷 市 の 2 校 に 取 材 要 請 を 行 った そのう ち 柏 市 の 中 学 校 1 校 には 電 話 での 取 材 協 力 を 得 た また 柏 市 の 別 の 中 学 校 1 校 からは 放 射 線 に 関 する 教 育 はこれまで 全 く 行 っていないので 現 時 点 では 回 答 できる 内 容 がないとの 返 答 を 得 た 以 下 では 取 材 で 得 られた 回 答 を 順 に 述 べる な お 取 材 対 象 の 学 校 はいずれも 約 名 かそれ 以 上 の 生 徒 が 通 う 規 模 を 持 つ まず 生 徒 の 具 体 的 な 放 射 線 被 曝 に 対 する 回 避 行 動 については どの 中 学 校 も 現 在 は 回 避 行 動 に 出 ている 生 徒 はほぼいない と 回 答 した 具 体 的 には A 校 (いわき 市 )では 面 談 取 材 時 に 放 射 線 含 有 量 を 理 由 にお 弁 当 を 持 ってきている 生 徒 は 全 生 徒 1 名 のみであった ただし A 校 ではこれ まで 約 名 が 放 射 線 恐 れて 転 校 している B 校 (いわき 市 )では 面 談 取 材 時 に 牛 乳 を 飲 まない 生 徒 は 全 生 徒 4 名 水 道 水 を 飲 まない 生 徒 が 1 名 と 回 答 した また 3 名 が 転 校 して 同 地 域 から 離 れているとのことである C(いわき 市 ) 校 では 放 射 線 量 を 気 にしてお 弁 当 を 持 ってきたり 水 道 水 を 飲 まない 生 徒 はほぼいないと 認 識 していると の 回 答 を 得 た また 放 射 線 を 理 由 にした 転 校 も ないとのことであった D 校 ( 柏 市 )は 給 食 は メニューや 産 地 を 公 表 しているため 特 別 不 安 感 をもつ 生 徒 や 保 護 者 はいないと 考 えていると 回 答 した 次 に 放 射 線 リスク 教 育 の 現 状 は 各 校 で 大 きく 差 があることがわかった A 校 では 県 や 市 の 教 育 委 員 会 の 方 針 に 従 い 副 読 本 に 沿 った 教 育 を 行 って いる 具 体 的 には 学 級 活 動 の 時 間 に 学 級 担 任 が 副 読 本 に 基 づいて 教 育 を 行 い 理 科 の 内 容 に 近 い 箇 所 は 理 科 の 時 間 に 理 科 の 教 員 が 教 育 していると のことである 事 故 発 生 以 前 は 理 科 の 時 間 に 高 大 連 携 授 業 で 原 発 の 5 つの 壁 を 紹 介 しており 原 発 は 安 全 だと 指 導 していた 今 回 の 事 故 を 受 けて 生 徒 自 身 も 原 子 力 発 電 所 や 放 射 線 のリスクは 実 感 しているようである とのコメントがあった 放 射 線 について 熱 心 に 勉 強 している 家 庭 の 生 徒 は 放 射 線 について 詳 しいが そうでない 生 徒 もいるた め 学 校 での 放 射 線 教 育 では 一 定 レベルの 統 一 し た 認 知 を 促 しているとのことである B 校 では 校 長 をはじめ 学 校 全 体 として ただし い 情 報 ただしい 判 断 ただしい 行 動 の 3 つを 掲 げ 冷 静 に 自 分 の 力 で 放 射 線 リスクや 基 準 値 について 考 えることの 大 切 さを 教 えようという 方 針 で 教 育 を 行 っている 主 に 学 級 担 任 が 学 級 活 動 の 時 間 に 副 読 本 の 内 容 を 指 導 し 理 科 の 教 員 でな ければ 難 しい 内 容 については 学 級 活 動 の 時 間 を 利 用 して 理 科 の 教 員 が 全 3 クラスを 集 めて 教 えて いる 時 間 としては 1 年 生 は 5~6 時 間 2 年 生 は 2 時 間 3 年 生 は 3 時 間 を 使 っている また 霧 箱 を 使 って 放 射 線 を 見 る 実 験 も 行 っており 生 徒 の 反 応 は 放 射 線 が 怖 いというよりも 興 味 が 先 行 している 様 子 で 放 射 線 は 身 近 なものであると いう 認 識 が 高 まっているように 感 じる とのこと である C 校 では 学 校 全 体 で 放 射 線 教 育 に 関 する 方 針

を 定 めるなどはしていないと 回 答 した 学 級 担 任 が 学 級 活 動 の 時 間 最 低 1 コマを 利 用 して 放 射 線 教 育 を 行 う 事 と 促 してはいるが 副 読 本 をどの 程 度 活 用 しているかは 不 明 で 副 読 本 は 配 っただけと いうクラスもあるだろうという 率 直 なコメントを 得 た 学 年 によって 到 達 目 標 を 決 めたり 理 科 の 教 員 と 情 報 の 共 有 をしたり 連 携 したりといった 取 り 組 みはしておらず 学 級 担 任 の 放 射 線 に 対 する 認 識 の 違 いによって 教 える 内 容 や 程 度 に 差 があ るので 生 徒 の 受 け 取 り 方 や 反 応 もクラスや 個 人 で 差 があると 思 う という 回 答 だった D 校 では 3 年 生 の 理 科 の 課 程 にある 放 射 線 関 連 の 分 野 で 副 読 本 を 利 用 し 内 容 を 少 し 拡 張 して 教 育 しており 1,2 年 生 は 学 期 末 や 年 度 末 に 個 別 に 時 間 を 設 けて 教 育 しているとの 回 答 を 得 た 最 後 に 放 射 線 リスクと 健 康 や 出 産 について 現 在 許 容 しているリスクとを 比 較 教 育 する 試 みはな されているか このような 試 みは 有 意 義 な 教 育 方 法 であると 考 えられるかについて 意 見 を 聞 いた A 校 では 比 較 教 育 はしておらず 放 射 線 のリス クとその 他 のリスクを 比 較 して 放 射 線 のリスクが 軽 いものだと 教 えることが 重 要 かどうかは 疑 問 で ある との 回 答 を 得 た B 校 では 副 読 本 に 記 載 されているがんのリスクと 放 射 線 リスクについて は 比 較 教 育 する 予 定 とのことである また リ スク 比 較 をすることで 生 徒 が 自 分 の 力 で 考 える きっかけづくりができれば 理 想 的 な 教 育 ができる のではないか と 前 向 きな 姿 勢 を 示 した 高 齢 出 産 や 食 品 にもともと 含 有 されている 放 射 性 物 質 については 将 来 的 に 保 健 体 育 の 中 で 教 育 してい くのではなかろうか という 意 見 も 得 た C 校 で は 比 較 教 育 はしていない 事 故 から 1 年 以 上 が 経 ち 放 射 線 被 曝 に 対 して 諦 め 感 や たぶん 大 丈 夫 だろうという 希 望 的 観 測 が 強 いように 感 じるため 今 まで 許 容 しているリスクと 比 較 して 放 射 線 の リスクを 考 えろといわれても 中 学 生 はなかなか 真 剣 になれないと 思 う 興 味 がわくような 見 せ 方 をして 放 射 線 教 育 をしていく 必 要 があるのかもし れない との 回 答 であった D 校 も 比 較 教 育 は 行 っていないと 回 答 した 教 育 課 程 というものがあ るので それを 超 える 範 囲 のことを 教 えるのは 限 界 があるとの 認 識 であった 3. 大 学 生 を 対 象 にしたアンケート 調 査 3-1. 調 査 内 容 既 に 受 容 している 健 康 や 出 産 に 関 するリスクと 放 射 線 が 健 康 や 出 産 に 及 ぼすリスクを 比 較 して 見 せることが 人 々のリスク 認 知 に 与 える 影 響 を 調 べるため 筑 波 大 学 の 学 生 を 対 象 としたアンケー ト 調 査 を 行 った アンケート 対 象 は 筑 波 大 学 もし くは 筑 波 大 学 大 学 院 に 所 属 する 134 名 の 学 生 とし た 収 集 においては 筑 波 大 学 教 員 に 依 頼 して 授 業 後 に 回 収 したものと 大 学 のサークル 等 で 回 収 する 方 法 を 併 用 した また 無 回 答 のものは 集 計 結 果 から 省 くこととした 男 女 比 は 男 42% 女 58% であった まず 福 島 県 に 住 む 女 性 は 妊 娠 出 産 を 先 延 ばし にした 方 がよい 福 島 県 産 の 食 品 は 食 べない 方 が よい 福 島 県 では 水 道 水 はできるだけ 飲 まない 方 がよい などの 放 射 線 被 曝 に 対 する 回 避 行 動 につ いてどの 程 度 同 意 するかを 1. 強 く 同 意 する 2. 同 意 する 3.どちらとも 言 えない 4. 同 意 しない 5. 全 く 同 意 しない の 5 段 階 から 選 択 させた 次 に 前 述 したデータ 1 とデータ 2 を 提 示 し 日 本 の 規 制 値 は EU に 比 べて 著 しく 厳 しいこと 普 段 の 食 生 活 で 放 射 性 セシウムの 規 制 値 を 上 回 る 放 射 性 カリウムを 摂 取 していることを 示 した さらに 前 述 のデータ 3 とデータ 4 を 提 示 し 高 齢 出 産 で は 胎 児 の 染 色 体 異 常 や 流 産 が 著 しく 増 加 すること 過 去 の 疫 学 調 査 では 放 射 線 による 胎 児 の 染 色 体 異 常 や 流 産 の 増 加 は ミリシーベルト 以 下 の 被 曝 では 見 られておらず 原 爆 を 投 下 された 広 島 長 崎 でも 奇 形 児 の 増 加 はなかったことを 示 した 最 後 に 上 記 データを 提 示 する 前 後 で 放 射 線 被 曝 に 対 する 回 避 行 動 に 同 意 する 程 度 が 変 化 するかどう かを 調 べるため 同 じ 質 問 にもう 一 度 回 答 させた

3-2. 調 査 結 果 アンケートにおいてデータを 提 示 する 前 後 で 同 じ 内 容 の 質 問 をした 項 目 を 以 下 に 示 す A. 福 島 第 一 原 発 事 故 による 影 響 を 考 えると 福 島 県 からできるだけ 離 れた 地 域 に 住 んだほうがよ い / B. 原 発 事 故 による 影 響 を 考 えると 福 島 の 女 性 は 妊 娠 出 産 を 先 延 ばしにしたほうがよい C. 市 販 されている 福 島 県 産 の 食 品 は 食 べない ほうがよい / D. 福 島 県 では 水 道 水 はできるだ け 飲 まないほうがよい / E. 原 発 事 故 の 影 響 で 将 来 日 本 で 癌 の 発 症 は 増 加 する / F. 原 発 事 故 の 影 響 で 将 来 日 本 で 奇 形 児 の 出 産 は 増 加 する 図 1はデータを 見 せる 前 と 後 での 上 記 質 問 の 回 答 の 平 均 と 分 散 を 比 較 したものである 質 問 A, B, E, F でデータを 見 せる 前 と 後 で 大 きな 変 化 が 見 ら れている 質 問 C で 変 化 が 見 られていない 要 因 と して データ 提 示 前 の 平 均 スコアが 4 に 近 いこと から 分 かるとおり 福 島 県 産 の 食 品 に 対 する 回 避 は 必 要 ないという 意 見 を 持 つ 人 が 多 いため デー タを 見 せることによって 回 避 すべきとの 意 見 が 増 える 余 地 があまりなかったことが 挙 げられる 検 定 で 調 べたところ 質 問 A, B, E, F でそれぞれ p =.27, p =.13, p =.13, p = 4.6X -6 と なり 有 意 差 があることが 確 認 された 以 下 では 有 意 差 がみられた 質 問 について 男 女 別 に 分 布 を 詳 しくみることにする 図 2 図 3に 示 す 通 り 設 問 A に 関 しては デ ータを 見 せる 前 は 男 性 の 方 が 福 島 からできるだ け 離 れた 地 域 に 住 んだ 方 がよいという 意 見 を 強 く 持 っていることが 分 かる 一 方 データを 見 せた 後 では 男 女 ともそのような 意 見 は 減 少 しているこ とが 分 かる 6 5 3 図 2 質 問 A に 対 する 男 性 の 回 答 分 布 5 4 3 2 1 A B C D E F [ 設 問 ] 6 5 3 図 3 質 問 A に 対 する 女 性 の 回 答 分 布 図 1 各 質 問 のデータ 提 示 前 後 の 平 均 分 散 の 変 化 質 問 A~F について データを 見 せる 前 後 で 回 答 の 分 布 が 有 意 に 変 化 しているか 否 かをカイ 二 乗 図 4 図 5に 示 す 通 り 設 問 B に 関 しては 事 前 に 男 女 で 大 きな 差 はなく 男 性 も 女 性 もデータ を 見 た 後 に 同 意 しないとの 回 答 が 増 えている つ まり 出 産 のリスクに 関 するデータを 見 せること で 男 女 とも 福 島 県 の 女 性 が 出 産 の 先 延 ばしにす

ることに 否 定 的 見 解 を 持 つに 至 ったことを 示 して いる 5 3 図 4 質 問 B に 対 する 男 性 の 回 答 分 布 5 3 図 5 質 問 B に 対 する 女 性 の 回 答 分 布 図 6 図 7に 質 問 E についての 回 答 を 示 す こ の 質 問 については データを 見 せる 前 段 階 におい ては 同 意 しないとする 意 見 が 男 性 に 多 く 女 性 に 少 ない 傾 向 がある これは 男 性 の 方 がガンは 増 えないという 見 解 を 持 つ 傾 向 が 事 前 にあったこ とを 意 味 する データを 見 せることで 男 女 ともガ ンの 発 症 が 増 えることに 同 意 しないとの 見 解 を 強 める 傾 向 を 見 て 取 ることができる 図 8 図 9に 質 問 F についての 回 答 を 示 す こ の 質 問 については データを 見 せる 前 段 階 におい ては 同 意 しないとする 意 見 が 女 性 に 多 く 男 性 に 少 ない 傾 向 がある つまり 事 前 においては 女 性 の 方 が 奇 形 児 増 加 は 起 きないという 意 見 を 強 く 持 っていたことが 分 かる データを 見 せることで 男 女 ともガンの 発 症 が 増 えることに 同 意 しないと の 見 解 を 強 める 傾 向 を 見 て 取 ることができる 6 5 3 図 6 質 問 E に 対 する 男 性 の 回 答 分 布 6 5 3 図 7 質 問 E に 対 する 女 性 の 回 答 分 布 以 上 の 結 果 により 既 に 受 容 しているリスクと 放 射 線 のリスクを 比 較 することで 放 射 線 のリス クを 過 大 評 価 する 傾 向 は 緩 和 されることが 分 かっ た しかしながら こうしたリスクコミュニケー ションには 一 つの 副 作 用 が 懸 念 される それは 放 射 線 のリスクとの 比 較 対 象 になったものに 対 し て その 後 過 剰 な 回 避 行 動 が 生 じる 危 険 性 である その 可 能 性 を 調 べるため 今 回 のアンケートでは 各 種 食 品 に 対 する 摂 取 回 避 意 図 および 自 ら 出 産 し たい/パートナーに 出 産 して 欲 しい 年 齢 をデータ 提 示 前 後 で 回 答 させた 理 想 の 出 産 年 齢 に 関 しては データ 提 示 前 にお いても 回 答 が 26~3 歳 に 集 中 しており データ 提 示 後 も 変 化 が 見 られなかった これは 26~3 歳 は 高 齢 出 産 のリスクがあまり 上 昇 していない 時 期 であることによると 考 えられる 今 回 の 調 査 で は 歳 前 後 の 大 学 生 を 対 象 にしたが 3 代 の 独

身 の 男 女 に 同 じ 質 問 をすると データ 提 示 前 後 で ムを 多 く 含 む 食 品 について 強 くみられた これは 変 化 が 見 られる 可 能 性 もある しかし 中 学 校 や 高 校 での 学 校 教 育 にこうしたデータを 持 ち 込 む 場 合 大 学 生 の 場 合 と 同 様 に 過 剰 な 回 避 行 動 を 煽 る 危 険 性 は 少 ないと 予 想 される 4. 結 論 学 校 現 場 の 取 材 から ごく 一 部 の 学 校 を 除 いて 放 射 線 教 育 はまだまだ 浸 透 していないのが 現 状 で あり 文 部 科 学 省 の 副 読 本 も 十 分 活 用 されていな 6 5 3 図 8 質 問 F に 対 する 男 性 の 回 答 分 布 いことがわかった また 大 学 生 を 対 象 にしたア ンケート 調 査 から 既 に 受 容 しているリスクと 放 射 線 のリスクを 比 較 することで 放 射 線 に 対 する リスク 認 知 が 有 意 に 減 少 することが 示 された し かしながら 既 に 受 容 しているリスクを 正 しく 伝 えることによって 今 まで 受 容 していたリスクを 過 度 に 危 険 視 してしまう 可 能 性 もあることが 分 か った こうした 副 作 用 を 抑 えつつ リスクを 公 正 に 見 る 目 を 養 うための 教 育 方 法 を 検 討 する 必 要 が ある 6 5 3 1,2 3 4 5 [ 回 答 番 号 ] 参 考 文 献 [1] AERA, 福 島 の 子 どもたちからの 手 紙, 11 年 8 月 28 日 [2] 読 売 新 聞, 被 曝 心 配 せず 出 産 3 年 以 上 後, 12 年 5 月 17 日 [3] 文 部 科 学 省, 放 射 線 等 に 関 する 副 読 本 掲 載 データ (http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/ attach/13134.htm) 図 9 質 問 F に 対 する 女 性 の 回 答 分 布 [4] 西 澤 真 理 子,リスクコミュニケーションハンドブ ック, 第 3 版, 12 年 4 月 一 方 放 射 性 物 質 の 含 有 に 気 をつけている 食 品 はどれか? という 質 問 については データ 提 示 前 にはほうれん 草 や 牛 肉 魚 を 選 択 する 人 が 多 か った 集 計 の 結 果 33 人 の 人 が 何 らかの 食 品 に 対 して 放 射 性 物 質 含 有 の 懸 念 を 抱 いていることがわ かった しかし 食 品 に 元 から 含 まれる 放 射 性 カ リウムのデータを 提 示 したのちの 同 じ 質 問 の 集 計 結 果 では 44 人 が 何 らかの 食 品 に 対 して 今 後 放 射 性 物 質 の 含 有 に 懸 念 を 持 つという 意 識 に 変 化 し [5] Hecht and Earnest B. Hook, American Journal of Medical Genetics 62: 376-385, 1996 年. 謝 辞 本 研 究 を 進 めるに 当 たり 聞 き 取 り 調 査 に 協 力 していただいた 福 島 県 いわき 市 の 市 教 育 委 員 会 と 各 中 学 校 の 先 生 方 柏 市 の 中 学 校 の 先 生 方 およ びアンケートにご 協 力 いただいた 筑 波 大 学 の 海 後 宗 男 先 生 に 深 く 感 謝 致 します たことがわかった この 傾 向 は 特 に 放 射 性 カリウ