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2. 調 査 の 概 要 (1) 調 査 対 象 1 維 管 束 植 物 維 管 束 植 物 の 種 ( 亜 種 変 種 を 含 む)を 単 位 とし 標 本 あるいは 文 献 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 育 している(いた)と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 上 及 び 陸 水 中 とした 2 哺 乳 類 哺 乳 類 の 種 ( 亜 種 を 含 む)を 単 位 とし 標 本 あるいは 文 献 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 息 してい る(いた)と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 及 び 一 過 性 の 確 認 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 上 及 び 陸 水 中 とした 検 討 対 象 期 間 は 縄 文 時 代 草 創 期 ( 約 1 万 年 前 )から 現 在 までとし 後 期 更 新 世 以 前 の 化 石 として 産 出 した 種 は 検 討 対 象 としなかった 3 鳥 類 鳥 類 の 種 を 単 位 とし 文 献 調 査 記 録 観 察 記 録 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 息 している(いた) と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 及 び 不 定 期 または 偶 発 的 に 記 録 される 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 上 及 び 陸 水 中 とした 4 爬 虫 類 爬 虫 類 の 種 ( 亜 種 を 含 む)を 単 位 とし 標 本 あるいは 文 献 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 息 してい る(いた)と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 上 及 び 陸 水 中 とした 5 両 生 類 両 生 類 の 種 ( 亜 種 を 含 む)を 単 位 とし 標 本 あるいは 文 献 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 息 してい る(いた)と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 上 及 び 陸 水 中 とした 6 魚 類 魚 類 の 種 ( 亜 種 を 含 む)を 単 位 とし 標 本 あるいは 文 献 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 息 している (いた)と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 水 中 ( 河 川 湖 沼 等 )とした 7 昆 虫 類 昆 虫 類 の 種 ( 亜 種 を 含 む)を 単 位 とし 標 本 あるいは 文 献 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 息 してい る(いた)と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 及 び 一 過 性 の 確 認 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした なお 一 部 の 目 では 近 隣 の 市 町 村 における 生 息 状 況 から 本 市 での 生 息 の 可 能 性 が 高 いと 2

考 えられる 種 も 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 上 及 び 陸 水 中 とした 8 クモ 類 クモ 類 の 種 を 単 位 とし 標 本 あるいは 文 献 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 息 している(いた)と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 上 及 び 陸 水 中 とした 9 貝 類 貝 類 の 種 ( 亜 種 を 含 む)を 単 位 とし 標 本 あるいは 文 献 等 により 岡 崎 市 に 確 実 に 生 息 している (いた)と 判 断 された 種 のうち 人 為 的 に 移 入 された 種 を 除 く 種 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 範 囲 は 岡 崎 市 内 の 陸 上 及 び 陸 水 中 とした 3

(2) 調 査 体 制 調 査 の 実 施 に 当 たっては 平 成 20 年 度 に 野 生 動 植 物 に 関 する 専 門 の 学 識 経 験 者 で 構 成 される 岡 崎 市 自 然 環 境 調 査 検 討 委 員 会 を 設 置 し 調 査 内 容 調 査 の 進 め 方 等 を 検 討 した また レッドデ ータブック 作 成 にあたり 評 価 方 法 評 価 結 果 等 を 検 討 した 実 際 の 調 査 及 びレッドデータブック 作 成 に 関 する 作 業 は 委 員 及 び 協 力 者 が 分 類 群 毎 に 実 施 した また 委 員 は 検 討 委 員 会 において 担 当 する 分 類 群 の 作 業 状 況 を 報 告 するとともに 分 類 群 間 での 連 絡 調 整 を 行 った 検 討 委 員 会 の 体 制 及 び 委 員 は 表 1 のとおりである 表 1 岡 崎 市 自 然 環 境 調 査 検 討 委 員 会 の 構 成 専 門 分 野 等 植 物 類 ( 維 管 束 植 物 ) 哺 乳 類 鳥 類 せんがとしゆき 委 員 千 賀 敏 之 ( 岡 崎 市 動 植 物 調 査 会 ) あだちふみゆき 安 達 史 幸 ( 岡 崎 市 動 植 物 調 査 会 )( 故 人 ) こやすかずひろ 子 安 和 弘 ( 愛 知 学 院 大 学 歯 学 部 講 師 ) こじまよしたけ 小 嶋 良 武 ( 岡 崎 野 鳥 の 会 ) 爬 虫 類 両 生 類 魚 類 や べ 矢 部 ながい 永 井 たかし 隆 ( 日 本 カメ 自 然 誌 研 究 会 代 表 ) ただし 貞 ( 岡 崎 市 動 植 物 調 査 会 ) 昆 虫 類 クモ 類 貝 類 おおひらひとお 大 平 仁 夫 ( 岡 崎 国 立 共 同 研 究 機 構 生 理 学 研 究 所 名 誉 技 官 ) すぎさかよしのり 杉 坂 美 典 ( 日 本 鱗 翅 学 会 ) おがたきよと 緒 方 清 人 ( 日 本 蜘 蛛 学 会 評 議 員 ) きむらしょういち 木 村 昭 一 ( 日 本 貝 類 学 会 評 議 員 ) 4

(3) 調 査 方 法 調 査 は 平 成 20 年 度 から 平 成 25 年 度 にかけて 各 分 類 群 別 に 以 下 の 方 法 により 実 施 した 1 維 管 束 植 物 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 標 本 調 査 及 び 現 地 調 査 により 生 育 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 を 収 集 し 生 育 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 標 本 調 査 既 存 の 標 本 に 関 する 情 報 を 収 集 し 生 育 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じ て 未 同 定 標 本 の 同 定 を 行 った 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 育 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 及 び 標 本 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した 2 哺 乳 類 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 標 本 調 査 及 び 現 地 調 査 により 生 息 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 標 本 調 査 既 存 の 標 本 に 関 する 情 報 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じ て 未 同 定 標 本 の 同 定 を 行 った 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 息 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 及 び 標 本 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した 3 鳥 類 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 現 地 調 査 により 生 息 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 調 査 記 録 観 察 記 録 等 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 息 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した 4 爬 虫 類 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 現 地 調 査 により 生 息 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 息 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した 5

5 両 生 類 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 現 地 調 査 により 生 息 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 息 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した 6 魚 類 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 現 地 調 査 により 生 息 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 息 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した 7 昆 虫 類 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 標 本 調 査 及 び 現 地 調 査 により 生 息 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 標 本 調 査 既 存 の 標 本 に 関 する 情 報 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じ て 未 同 定 標 本 の 同 定 を 行 った 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 息 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 及 び 標 本 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した 8 クモ 類 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 標 本 調 査 及 び 現 地 調 査 により 生 息 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 標 本 調 査 既 存 の 標 本 に 関 する 情 報 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じ て 未 同 定 標 本 の 同 定 を 行 った 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 息 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 及 び 標 本 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した 6

9 貝 類 調 査 対 象 種 について 文 献 調 査 標 本 調 査 及 び 現 地 調 査 により 生 息 状 況 の 把 握 を 行 った 文 献 調 査 既 存 の 文 献 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 した 標 本 調 査 既 存 の 標 本 に 関 する 情 報 を 収 集 し 生 息 場 所 確 認 時 期 等 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じ て 未 同 定 標 本 の 同 定 を 行 った 現 地 調 査 現 地 踏 査 を 行 い 生 息 状 況 を 調 査 するとともに 必 要 に 応 じて 文 献 調 査 及 び 標 本 調 査 で 把 握 した 既 知 産 地 の 現 状 についても 調 査 した (4) 評 価 の 区 分 及 び 方 法 各 調 査 対 象 種 の 絶 滅 のおそれの 程 度 について 収 集 された 情 報 を 基 に 岡 崎 市 内 の 分 布 の 状 況 等 を 勘 案 して 総 合 的 に 判 断 評 価 を 行 い 表 2( 植 物 ) 及 び 表 3( 動 物 )に 示 す 評 価 区 分 基 準 により 絶 滅 のおそれの 程 度 を 判 定 した 動 物 の 絶 滅 の 評 価 については 過 去 に 確 実 に 生 息 していた 種 と 判 断 する 文 献 や 標 本 の 整 備 状 況 及 び 移 動 能 力 が 分 類 群 毎 に 異 なることから 表 4 に 示 す 要 件 により 判 定 した なお 評 価 区 分 のうち 野 生 絶 滅 は 今 回 のレッドデータブックでは 絶 滅 とあわせ 絶 滅 野 生 絶 滅 として 扱 うこととした(ただし 表 記 上 は 絶 滅 (EX)とした) 判 定 の 結 果 は レッドデータブックおかざき 2014 の 基 礎 となる 岡 崎 市 版 レッドリスト( 案 ) としてとりまとめた また レッドリストの 精 度 の 充 実 を 図 るため 平 成 24 年 9 月 ~10 月 に 市 民 意 見 及 び 情 報 の 収 集 を 行 った これらを 勘 案 し 岡 崎 市 版 レッドリスト としてとりまとめ 平 成 25 年 3 月 に 公 表 した 更 に 平 成 25 年 9 月 末 日 までの 情 報 を 加 えて 最 終 的 な 判 定 を 行 い 最 新 のレ ッドリストとして 本 書 に 掲 載 した 7

絶 滅 Extinct (EX) 野 生 絶 滅 Extinct in the Wild (EW) 絶 滅 危 惧 Ⅰ 類 Critically Endangered + Endangered (CR+EN) 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 Vulnerable (VU) 準 絶 滅 危 惧 Near Threatened (NT) 情 報 不 足 Data Deficient (DD) 表 2 レッドデータブックおかざき 2014 の 評 価 区 分 基 準 植 物 区 分 及 び 基 本 概 念 岡 崎 市 ではすでに 絶 滅 したと 考 えられる 種 野 生 では 絶 滅 し 栽 培 下 でのみ 存 続 している 種 絶 滅 の 危 機 に 瀕 してい る 種 現 在 の 状 態 をもたらし た 圧 迫 要 因 が 引 き 続 き 作 用 する 場 合 野 生 で の 存 続 が 困 難 なもの 定 性 的 要 件 過 去 に 岡 崎 市 に 生 育 したことが 確 認 されており 岡 崎 市 において 少 なくとも 野 生 ではす でに 絶 滅 したと 考 えられる 種 ( 栽 培 下 では 存 続 している 種 を 含 む) 確 実 な 情 報 があるもの 1 今 回 の 調 査 や 記 録 により すでに 野 生 で 絶 滅 したことが 確 認 された 情 報 量 が 少 ないもの 2 過 去 50 年 間 前 後 の 間 に 信 頼 できる 生 育 の 情 報 が 得 られていない 次 のいずれかに 該 当 する 種 確 実 な 情 報 があるもの 1 既 知 のすべての 個 体 群 で 危 機 的 水 準 にまで 減 少 してい る 2 既 知 のすべての 生 育 地 で 生 育 条 件 が 著 しく 悪 化 してい る 3 既 知 のすべての 個 体 群 がその 再 生 産 能 力 を 上 回 る 採 取 圧 にさらされている 4 ほとんどの 分 布 域 に 交 雑 のおそれのある 別 種 が 侵 入 し ている 情 報 量 が 少 ないもの 5 それほど 遠 くない 過 去 (30 年 ~50 年 )の 生 育 記 録 以 後 確 認 情 報 がなく その 後 信 頼 すべき 調 査 が 行 われていな いため 絶 滅 したかどうかの 判 断 が 困 難 なもの 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR) 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN) 絶 滅 の 危 険 が 増 大 して 次 のいずれかに 該 当 する 種 いる 種 確 実 な 情 報 があるもの 現 在 の 状 態 をもたらし 1 大 部 分 の 個 体 群 で 個 体 数 が 大 幅 に 減 少 している た 圧 迫 要 因 が 引 き 続 き 2 大 部 分 の 生 育 地 で 生 育 条 件 が 明 らかに 悪 化 しつつある 作 用 する 場 合 近 い 将 3 大 部 分 の 個 体 群 がその 再 生 産 能 力 を 上 回 る 採 取 圧 にさらされている 来 絶 滅 危 惧 I 類 のラ 4 分 布 域 の 相 当 部 分 に 交 雑 可 能 な 別 種 が 侵 入 している ンクに 移 行 することが 確 実 と 考 えられるも の ごく 近 い 将 来 における 野 生 での 絶 滅 の 危 険 性 が 極 めて 高 いもの ⅠA 類 ほどで はないが 近 い 将 来 における 野 生 での 絶 滅 の 危 険 性 が 高 いもの 存 続 基 盤 が 脆 弱 な 種 次 に 該 当 する 種 現 時 点 での 絶 滅 危 険 度 生 育 状 況 の 推 移 から 見 て 種 の 存 続 への 圧 迫 が 強 まっていると 判 断 されるもの 具 体 的 は 小 さいが 生 育 条 件 には 分 布 域 の 一 部 において 次 のいずれかの 傾 向 が 顕 著 であり 今 後 さらに 進 行 する の 変 化 によっては 絶 おそれがあるもの 滅 危 惧 として 上 位 ラ 1 個 体 数 が 減 少 している ンクに 移 行 する 要 素 を 2 生 育 条 件 が 悪 化 している 有 するもの 3 過 度 の 採 取 による 圧 迫 を 受 けている 4 交 雑 可 能 な 別 種 が 侵 入 している 評 価 するだけの 情 報 が 不 足 している 種 環 境 条 件 の 変 化 によって 容 易 に 絶 滅 危 惧 のカテゴリーに 移 行 し 得 る 属 性 ( 具 体 的 には 次 のいずれかの 要 素 )を 有 しているが 生 育 状 況 をはじめとして ランクを 判 定 するに 足 る 情 報 が 得 られていない 種 あるいは 確 認 例 が 極 めて 少 なく 希 少 であるか 否 かも 不 明 な 種 1 どの 生 育 地 においても 生 育 密 度 が 低 く 希 少 である 2 生 育 地 が 極 限 されている 3 生 物 地 理 上 孤 立 した 分 布 特 性 を 有 する( 分 布 域 がごく 限 られた 固 有 種 等 ) 4 生 活 史 の 一 部 または 全 部 で 特 殊 な 環 境 条 件 を 必 要 としている 8

絶 滅 Extinct (EX) 野 生 絶 滅 Extinct in the Wild (EW) 絶 滅 危 惧 Ⅰ 類 Critically Endangered + Endangered (CR+EN) 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 Vulnerable (VU) 準 絶 滅 危 惧 Near Threatened (NT) 情 報 不 足 Data Deficient (DD) 地 域 個 体 群 Threatened Local Population (LP) 表 3 レッドデータブックおかざき 2014 の 評 価 区 分 基 準 動 物 区 分 及 び 基 本 概 念 岡 崎 市 ではすでに 絶 滅 したと 考 えられる 種 野 生 では 絶 滅 し 飼 育 下 でのみ 存 続 している 種 絶 滅 の 危 機 に 瀕 してい る 種 現 在 の 状 態 をもたらし た 圧 迫 要 因 が 引 き 続 き 作 用 する 場 合 野 生 で の 存 続 が 困 難 なもの 定 性 的 要 件 過 去 に 岡 崎 市 に 生 息 したことが 確 認 されており 岡 崎 市 において 少 なくとも 野 生 ではす でに 絶 滅 したと 考 えられる 種 ( 飼 育 下 では 存 続 している 種 を 含 む) 確 実 な 情 報 があるもの 1 今 回 の 調 査 や 記 録 により すでに 野 生 で 絶 滅 したことが 確 認 された 情 報 量 が 少 ないもの 2 過 去 50 年 間 前 後 の 間 に 信 頼 できる 生 息 の 情 報 が 得 られていない 次 のいずれかに 該 当 する 種 確 実 な 情 報 があるもの 1 既 知 のすべての 個 体 群 で 危 機 的 水 準 にまで 減 少 してい る 2 既 知 のすべての 生 息 地 で 生 息 条 件 が 著 しく 悪 化 してい る 3 既 知 のすべての 個 体 群 がその 再 生 産 能 力 を 上 回 る 捕 獲 圧 にさらされている 4 ほとんどの 分 布 域 に 交 雑 のおそれのある 別 種 が 侵 入 し ている 情 報 量 が 少 ないもの 5 それほど 遠 くない 過 去 (30 年 ~50 年 )の 生 息 記 録 以 後 確 認 情 報 がなく その 後 信 頼 すべき 調 査 が 行 われていな いため 絶 滅 したかどうかの 判 断 が 困 難 なもの 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR) 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN) 絶 滅 の 危 険 が 増 大 して 次 のいずれかに 該 当 する 種 いる 種 確 実 な 情 報 があるもの 現 在 の 状 態 をもたらし 1 大 部 分 の 個 体 群 で 個 体 数 が 大 幅 に 減 少 している た 圧 迫 要 因 が 引 き 続 き 2 大 部 分 の 生 息 地 で 生 息 条 件 が 明 らかに 悪 化 しつつある 作 用 する 場 合 近 い 将 3 大 部 分 の 個 体 群 がその 再 生 産 能 力 を 上 回 る 捕 獲 圧 にさらされている 来 絶 滅 危 惧 I 類 のラ 4 分 布 域 の 相 当 部 分 に 交 雑 可 能 な 別 種 が 侵 入 している ンクに 移 行 することが 確 実 と 考 えられるも の ごく 近 い 将 来 における 野 生 での 絶 滅 の 危 険 性 が 極 めて 高 いもの ⅠA 類 ほどで はないが 近 い 将 来 における 野 生 での 絶 滅 の 危 険 性 が 高 いもの 存 続 基 盤 が 脆 弱 な 種 次 に 該 当 する 種 現 時 点 での 絶 滅 危 険 度 生 息 状 況 の 推 移 から 見 て 種 の 存 続 への 圧 迫 が 強 まっていると 判 断 されるもの 具 体 的 は 小 さいが 生 息 条 件 には 分 布 域 の 一 部 において 次 のいずれかの 傾 向 が 顕 著 であり 今 後 さらに 進 行 する の 変 化 によっては 絶 おそれがあるもの 滅 危 惧 として 上 位 ラ 1 個 体 数 が 減 少 している ンクに 移 行 する 要 素 を 2 生 息 条 件 が 悪 化 している 有 するもの 3 過 度 の 捕 獲 による 圧 迫 を 受 けている 4 交 雑 可 能 な 別 種 が 侵 入 している 評 価 するだけの 情 報 が 不 足 している 種 環 境 条 件 の 変 化 によって 容 易 に 絶 滅 危 惧 のカテゴリーに 移 行 し 得 る 属 性 ( 具 体 的 には 次 のいずれかの 要 素 )を 有 しているが 生 息 状 況 をはじめとして ランクを 判 定 するに 足 る 情 報 が 得 られていない 種 あるいは 確 認 例 が 極 めて 少 なく 希 少 であるか 否 かも 不 明 な 種 1 どの 生 息 地 においても 生 息 密 度 が 低 く 希 少 である 2 生 息 地 が 極 限 されている 3 生 物 地 理 上 孤 立 した 分 布 特 性 を 有 する( 分 布 域 がごく 限 られた 固 有 種 等 ) 4 生 活 史 の 一 部 または 全 部 で 特 殊 な 環 境 条 件 を 必 要 としている その 種 の 国 内 及 び 愛 知 県 における 生 息 状 況 に 鑑 み 岡 崎 市 において 特 に 保 全 のための 配 慮 が 必 要 と 考 えられる 特 徴 的 な 個 体 群 表 4 過 去 の 生 息 種 の 要 件 分 類 群 内 容 哺 乳 類 縄 文 時 代 草 創 期 以 降 の 確 認 記 録 があるもの 一 過 性 の 種 移 入 種 後 期 更 新 世 以 前 の 化 石 種 は 除 外 鳥 類 継 続 ( 経 年 的 ) 確 認 記 録 がある 種 迷 行 的 に 記 録 される 種 など 一 過 性 の 種 は 除 外 爬 虫 類 標 本 等 の 確 実 な 生 息 記 録 がある 種 両 生 類 標 本 等 の 確 実 な 生 息 記 録 がある 種 魚 類 標 本 等 の 確 実 な 生 息 記 録 がある 種 昆 虫 類 標 本 等 の 確 実 な 生 息 記 録 がある 種 ク モ 類 標 本 等 の 確 実 な 生 息 記 録 がある 種 貝 類 標 本 等 の 確 実 な 生 息 記 録 がある 種 9

3. 調 査 結 果 (1) 概 要 1 植 物 レッドデータブックおかざき 2014 に 掲 載 された 植 物 の 種 数 は 表 5 のとおり 市 内 ですでに 絶 滅 した 種 ( 絶 滅 野 生 絶 滅 )は 36 種 であった 絶 滅 のおそれのある 種 ( 絶 滅 危 惧 Ⅰ 類 及 びⅡ 類 )は 115 種 であった また 現 時 点 での 絶 滅 危 険 度 は 小 さいものの 生 息 条 件 の 変 化 によっては 絶 滅 危 惧 種 に 移 行 する 要 素 を 有 する 種 ( 準 絶 滅 危 惧 )は 70 種 であった また 絶 滅 のおそれの 程 度 を 評 価 するに 足 る 情 報 が 不 足 している 種 ( 情 報 不 足 )は 10 種 であった 対 象 表 5 レッドデータブックおかざき 2014 掲 載 種 数 植 物 絶 滅 のおそれのある 種 評 価 区 分 絶 滅 絶 滅 絶 滅 絶 滅 準 絶 滅 情 報 (EX) 危 惧 危 惧 危 惧 小 計 危 惧 不 足 ⅠA 類 ⅠB 類 Ⅱ 類 (NT) (DD) (CR) (EN) (VU) 計 維 管 束 植 物 36 10 24 81 115 70 10 231 10

2 動 物 レッドデータブックおかざき 2014 に 掲 載 された 動 物 の 種 数 は 表 6 のとおり 市 内 ですでに 絶 滅 した 種 ( 絶 滅 野 生 絶 滅 )は 12 種 であり その 内 訳 は 哺 乳 類 が 3 種 魚 類 が 2 種 及 び 昆 虫 類 が 7 種 であった 絶 滅 のおそれのある 種 ( 絶 滅 危 惧 Ⅰ 類 及 びⅡ 類 )は 96 種 であり その 内 訳 は 哺 乳 類 が 7 種 鳥 類 が 23 種 両 生 類 が 2 種 魚 類 が 3 種 昆 虫 類 が 31 種 クモ 類 が 22 種 及 び 貝 類 が 8 種 であった また 現 時 点 での 絶 滅 危 険 度 は 小 さいものの 生 息 条 件 の 変 化 によ っては 絶 滅 危 惧 種 に 移 行 する 要 素 を 有 する 種 ( 準 絶 滅 危 惧 )は 94 種 であり その 内 訳 は 哺 乳 類 が 2 種 鳥 類 が 17 種 両 生 類 が 5 種 魚 類 が 6 種 昆 虫 類 が 54 種 クモ 類 が 4 種 及 び 貝 類 が 6 種 であった また 絶 滅 のおそれの 程 度 を 評 価 するに 足 る 情 報 が 不 足 している 種 ( 情 報 不 足 )は 18 種 であり その 内 訳 は 哺 乳 類 が 2 種 鳥 類 が 2 種 爬 虫 類 が 2 種 両 生 類 が 1 種 魚 類 が 3 種 昆 虫 類 が 5 種 クモ 類 が 1 種 及 び 貝 類 が 2 種 であった なお 国 内 及 び 愛 知 県 における 生 息 状 況 から 本 市 において 保 全 のための 配 慮 が 必 要 と 考 えられ る 特 徴 的 な 個 体 群 ( 地 域 個 体 群 )は 鳥 類 で 2 個 体 群 であった 対 象 表 6 レッドデータブックおかざき 2014 掲 載 種 数 動 物 絶 滅 のおそれのある 種 評 価 区 分 絶 滅 絶 滅 絶 滅 絶 滅 準 絶 滅 情 報 (EX) 危 惧 危 惧 危 惧 小 計 危 惧 不 足 計 ⅠA 類 ⅠB 類 Ⅱ 類 (NT) (DD) (CR) (EN) (VU) 地 域 個 体 群 (LP) 哺 乳 類 3 2 3 2 7 2 2 14 0 鳥 類 0 4 7 12 23 17 2 42 2 爬 虫 類 0 0 0 0 0 0 2 2 0 両 生 類 0 0 0 2 2 5 1 8 0 魚 類 2 0 2 1 3 6 3 14 0 昆 虫 類 7 4 5 22 31 54 5 97 0 ク モ 類 0 3 5 14 22 4 1 27 0 貝 類 ( 小 計 ) 0 4 0 4 8 6 2 16 0 陸 産 0 1 0 3 4 3 2 9 0 淡 水 産 0 3 0 1 4 3 0 7 0 計 12 17 22 57 96 94 18 220 2 11

(2) 維 管 束 植 物 1 岡 崎 市 における 維 管 束 植 物 の 概 況 岡 崎 市 の 地 質 は 主 に 花 崗 岩 と 領 家 変 成 岩 とからなる 花 崗 岩 にはシイ カシ タブなどの 広 葉 樹 林 が 繁 茂 していたが 生 活 のために 伐 採 されると マツ コナラ 林 へと 変 化 した しかし 近 年 は マツ コナラが 病 害 虫 のために 枯 れ ソヨゴ ツバキなどの 中 低 木 になりつつある また この 花 崗 岩 が 風 化 して 谷 などに 流 れ 込 んで 湿 地 を 形 成 することも 多 くあり 岡 崎 市 としては 貴 重 な 植 物 が 多 く 見 られた しかし 風 化 した 花 崗 岩 は 造 成 がしやすいということで 住 宅 地 になってしまっ た そのために 失 われてしまった 植 物 も 多 くある 一 方 領 家 変 成 岩 地 帯 はもともとが 砂 や 泥 の 堆 積 物 であり それが 熱 や 力 によって 変 成 されてい るので 風 化 が 進 みやすく 岩 山 というよりは 石 と 砂 が 適 度 にまじりあった 富 栄 養 な 土 壌 である ため 植 物 の 生 育 は 旺 盛 である しかし 明 治 期 になると 積 極 的 に 植 林 を 進 め 造 林 事 業 の 先 駆 地 区 として 有 名 になった 特 に 旧 額 田 町 域 では 全 域 で 植 林 が 進 み スギ ヒノキ 林 へと 変 わって しまった 現 在 かろうじて 昔 のおもかげを 残 すのは 闇 苅 渓 谷 沿 いであるが そこにもスギ ヒノキ の 生 育 に 支 障 があるということで 川 岸 の 植 物 が 伐 採 されている かつてはカエデ 類 やサクラの 大 木 が 占 優 していたところである また 花 崗 岩 や 領 家 変 成 岩 の 土 砂 が 堆 積 されてできた 河 川 敷 や 矢 作 川 男 川 乙 川 の 流 域 に 形 成 された 土 壌 に 生 育 する 植 物 も 大 きく 変 わった これらの 土 地 の 利 用 は 早 くから 行 われ 人 間 と 自 然 とが 共 生 してきたところである そのために 多 様 な 環 境 が 形 成 され いろいろな 植 物 が 豊 かに 育 っていた しかし 農 薬 の 利 用 などにより 植 物 相 は 貧 相 なものになってしまった また 豊 かな 植 物 相 を 有 していた 河 川 敷 も 今 では 大 型 機 械 によって 定 期 的 に 刈 り 込 みがなされ チガヤなど 限 られ た 植 物 のみが 育 つ 単 調 な 場 所 となっている 2 岡 崎 市 における 絶 滅 危 惧 種 の 概 況 今 回 岡 崎 市 版 レッドリストでは 絶 滅 種 (EX)36 種, 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR)10 種 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN)24 種 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 (VU)81 種 準 絶 滅 危 惧 種 (NT)70 種 および 情 報 不 足 (DD) 10 種 の 計 231 種 が 掲 載 された 今 回 レッドリストを 作 成 するにあたり 過 去 の 記 録 や 現 地 調 査 結 果 に 基 づき 該 当 すると 思 われる 植 物 の 1 次 的 なリストを 作 成 した 後 ランクの 判 定 を 行 った 過 去 の 記 録 として 旧 岡 崎 市 域 の 植 物 については 2 回 にわたり 岡 崎 市 史 にまとめられているが 旧 額 田 町 域 は 額 田 町 史 のみであり 補 助 的 に 大 原 準 之 助 氏 の 愛 知 県 国 有 林 の 植 物 誌 ( 大 原 準 之 助, 1971)と 宮 崎 村 誌 ( 宮 崎 村 誌 編 集 委 員 会, 1960)を 活 用 した レッドリストの 作 成 にあたり 一 番 難 しかったのは 各 カテゴリー 区 分 の 境 界 線 上 にある 種 の 判 定 であったが いつも 原 点 である 評 価 区 分 基 準 にかえって 整 理 した 絶 滅 (EX)の 植 物 は 旧 岡 崎 市 域 のものが 多 くなったが 植 物 の 生 育 環 境 が 激 変 したところであり やむをえなかった 旧 額 田 町 域 では 前 々からよく 知 られていたウラボシノコギリシダが 絶 滅 (EX) として 掲 載 されている 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR)には 個 体 数 が 極 めて 少 ないもの 採 集 圧 が 高 いも の 病 気 の 発 生 により 瀕 死 の 状 態 にあるものなどが 含 まれている 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN)には 本 市 ではまだまだ 目 にすることができるが 全 国 県 内 では 減 少 し 絶 滅 の 恐 れがあるものを 含 む 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 (VU)には 近 隣 の 資 料 を 参 考 に 本 市 としても 今 後 急 激 な 減 少 傾 向 に 拍 車 がかかるで あろうものを 掲 げた 準 絶 滅 危 惧 (NT)には 秋 の 七 草 など 関 心 の 深 い 植 物 や 地 区 や 地 域 で 大 切 に 保 護 活 動 がなされている 種 もリストアップしている 12

岡 崎 市 を 分 布 限 界 ( 東 限 南 限 )とする 植 物 今 回 リストアップされた 植 物 の 中 には 岡 崎 市 を 分 布 の 南 限 としたり 東 限 とする 植 物 が 含 まれて いる 一 般 的 な 分 布 域 より 隔 離 されているものもあり その 生 育 について 説 明 するのは 困 難 を 極 め るが 特 筆 すべき 事 項 であり ここにまとめて 取 り 上 げ 今 後 の 検 討 を 待 ちたい シリブカガシ( 東 限 の 植 物 )( 市 VU 県 VU) 細 光 町 に 自 生 状 態 の 群 落 があり 東 限 となるが 当 地 では 誤 認 され これを イチイガシ と して 飢 きん 時 の 非 常 食 にあてていた 本 来 のイチイガシは 近 くの 石 原 町 の 神 社 に 大 木 があり 毎 年 大 量 の 実 をつけている シロバイ( 東 限 の 植 物 )( 市 EN 県 EN) 桜 井 寺 町 ( 旧 額 田 町 域 )の 桜 井 寺 北 斜 面 の 谷 筋 に ツブラジイの 樹 下 になっているが 径 10cm 程 のものから 1cm くらいのものまで 大 小 含 めて 数 十 本 生 育 している 本 来 の 自 生 地 より 数 十 km も 離 れているが 実 生 と 思 われ 幼 木 もあり 自 生 地 であると 判 断 した これも 東 限 の 植 物 である サイカチ( 南 限 の 植 物 )( 市 VU 県 VU) 分 布 域 について 確 実 な 自 生 は 豊 田 市 稲 武 と 旭 町 だけで そのほかは 野 生 化 したものであろう とは 小 林 元 男 氏 愛 知 県 樹 木 誌 ( 小 林, 2012)の 中 の 一 説 である 今 回 岡 崎 市 生 平 町 で 見 つかっ たサイカチは 川 岸 に 生 育 しているため 根 が 何 回 も 洗 われ 濁 流 に 耐 えてきたことがよくわかる 胸 高 直 径 は 1m 近 くあり 樹 齢 がどの 程 度 なのか 判 断 しかねる 大 木 である 上 流 の 寺 院 川 岸 にも サイカチはみられない どういう 変 遷 を 経 て ここにサイカチが 生 育 することになったかは 分 か らないが きわめて 自 生 に 近 い また サイカチの 下 流 域 には かつてキバナイカリソウやカタ クリが 自 生 していた 記 録 があり あわせて 考 えるのがよいかもしれない 愛 知 県 では 南 限 の 植 物 である ミヤマイボタ( 南 限 の 植 物 )( 市 NT) 本 宮 山 の 闇 苅 渓 谷 添 いに 生 育 しているが シカによる 植 害 が 甚 だしく 淵 などによりシカが 侵 入 できないところにだけ 自 生 している 更 に 本 宮 山 で 個 体 数 が 減 っている 原 因 として スギ ヒ ノキを 守 るための 沢 沿 いの 間 伐 も 見 逃 せない 愛 知 県 では 本 宮 山 が 南 限 の 植 物 である ユクノキ( 南 限 の 植 物 )( 市 NT) 奥 三 河 に 生 育 する 落 葉 樹 ユクノキは 2~3 年 に 一 度 6 月 に 長 さ 15~30cm の 円 錐 状 の 花 序 を 枝 先 に 出 し 白 色 の 蝶 形 花 をつける 愛 知 県 の 南 限 は 闇 苅 渓 谷 である オオバアサガラ( 南 限 の 植 物 )( 市 NT) 奥 三 河 に 生 育 する 落 葉 樹 オオバアサガラは 闇 苅 渓 谷 にも 生 育 し 6 月 に 下 垂 した 長 い 円 錐 花 序 の 片 側 に 白 い 花 を 多 数 つける 愛 知 県 の 南 限 は 闇 苅 渓 谷 である 川 沿 いの 植 物 岡 崎 市 は 矢 作 川 と 男 川 乙 川 の 二 大 河 川 が 市 内 の 中 心 部 に 向 かって 流 れ 込 んでいる 矢 作 川 は 長 野 県 にその 源 を 発 している 乙 川 は 切 山 町 より 始 まり 本 宮 山 から 流 れ 出 した 男 川 と 茅 原 沢 町 で 合 流 し その 後 矢 作 川 へ 流 れ 込 む 矢 作 川 は 天 井 川 であるために 堤 防 が 発 達 し 川 の 氾 濫 を 防 いでい る 矢 作 川 ではオニグルミがみられ 暑 さのため 大 木 になる 前 に 虫 にやられて 枯 れてしまうが 適 度 に 種 子 が 供 給 されるためいつでも 中 低 木 の 観 察 ができる このように 矢 作 川 は 上 流 より 絶 えず 種 々の 植 物 が 運 びこまれ 時 々に 植 生 の 変 化 が 見 られる その 最 たる 例 としては タコノアシを 挙 げることができる かつて 一 定 期 間 タコノアシが 矢 作 川 に 自 生 していた しかし その 後 しばらく 姿 を 消 してしまった しかし 今 回 の 調 査 では 多 数 のタコノアシが 生 育 していた このように 生 滅 13

を 繰 り 返 しながら 生 育 している 植 物 がある 今 回 の 調 査 で 困 難 を 極 めたのは 男 川 乙 川 の 川 沿 いの 植 物 であった 両 岸 は 竹 藪 であり 所 々に 淵 があり 崖 がありで 川 筋 すべてを 踏 破 することはできなかった それよりもこれまでに 比 較 的 多 くの 植 物 が 観 察 されているところへ 足 を 運 びがちであった しかし こういう 人 々が 足 を 踏 み 入 れていないところには 我 々の 先 入 観 を 打 ち 破 るような 植 物 が 見 つかることがある その 一 つが 前 述 のサイカチであった 労 多 くして 益 なし に 終 わらなかったことは 幸 いであった さて 川 沿 いの 植 物 の 危 機 は 近 年 多 発 する 集 中 豪 雨 である 乙 川 の 川 の 岩 にミヤマヨメナの 一 大 群 落 があったが 今 はスギの 林 床 に 残 るのみである また 男 川 ではダイモンジソウが 岩 の 壁 面 に びっしりと 生 え 数 え 切 れぬほどあった 群 落 も 数 十 株 も 残 すのみになってしまった 最 近 では 秋 が 深 まってからの 台 風 の 襲 来 もあって 結 実 する 前 に 流 されてしまうことも 多 い 反 対 に 梅 雨 明 け 後 の 日 照 りによる 夏 場 の 水 量 不 足 も 問 題 である かつては にわか 雨 もあれば 夕 立 もあり 適 度 に 水 分 を 補 給 してくれたが 今 日 では 8 月 の 下 旬 までほとんど 雨 がなく 川 沿 い の 植 物 が 枯 れてしまうことである このように 両 極 端 な 影 響 もあって 植 物 が 単 調 化 してきている このような 夏 場 の 少 雨 化 傾 向 は 深 刻 で 植 物 全 体 に 悪 影 響 が 出 ている 草 地 の 植 物 山 すそに 生 育 する つる 性 の 植 物 や 低 木 の 林 床 や 草 地 に 生 育 する 植 物 の 減 少 が 急 激 に 進 んで しまった 最 大 の 原 因 は 草 払 機 の 性 能 が 年 々 向 上 し 親 指 大 の 太 さの 木 なら 簡 単 に 切 れてしまうこ とにある これまでの 鎌 による 作 業 では 手 が 出 せなかった 作 業 が 容 易 になり 道 沿 いはもとより 少 々 奥 まったところまで 刈 り 払 われているのが 現 状 である しかも 地 上 すれすれのところで 切 り 払 われてしまうので 再 生 も 遅 く 回 数 を 重 ねるに 従 って 姿 を 消 してしまう このような 作 業 によっ て 数 を 減 らしてきた 植 物 にキキョウやオミナエシ ハンショウヅルなどがある かつての 手 作 業 で あれば こういう 植 物 を 残 しながら 手 仕 事 をしたのであるが 草 払 機 が 導 入 されてからは 一 網 打 尽 に 刈 り 尽 くしてしまうことになった このように 機 械 が 導 入 されたところでは どこでも 同 じよ うな 傾 向 にある マツムシソウ( 市 EN 県 NT) 以 前 旧 岡 崎 市 域 の 岡 崎 市 少 年 自 然 の 家 に 見 られたが ウラジロなどの 繁 茂 により 絶 え 現 在 は 旧 額 田 町 域 の 愛 知 県 野 外 教 育 センター 内 の 土 手 に 生 育 するのみである キキョウ( 市 VU 県 NT 国 VU) 旧 岡 崎 市 域 の 丘 陵 地 の 一 部 と 旧 額 田 町 域 の 外 山 町 などの 土 手 に 生 育 する カワラナデシコ( 市 NT) 矢 作 川 と 青 木 川 の 堤 防 の 一 部 に 生 育 する 自 生 か 逸 出 植 物 かのはざまで 今 回 の 調 査 により これまで 市 内 で 確 認 されたことのなかった 植 物 がいくつか 確 認 された これ らが 以 前 よりここに 自 生 していた 植 物 であれば これまでの 報 告 を 補 完 することになり 後 世 への 大 切 な 資 料 を 提 供 することになる しかし これらの 植 物 が 人 為 的 に 移 植 されたり 播 種 されたも のであったら 後 世 の 研 究 者 に 混 乱 を 生 じさせるだけであり この 種 の 情 報 を 流 さないにこしたこ とはない しかし 時 には 判 断 しかねる 場 合 があるので あえてここで 触 れておこうと 思 う ミズアオイ( 県 CR 国 NT) 福 岡 町 の 水 路 で 繁 茂 しすぎ 水 の 流 れを 妨 げてしまうので 除 去 しなくてはならない という 話 があり 現 地 で 生 育 状 況 を 確 認 した するとミズアオイの 他 にガガブタ( 県 NT 国 NT)があ 14

り アサザ( 県 EN 国 NT)の 群 落 も 見 つかるなどして 胸 をときめかせた しかし この 水 路 は 改 修 されていて 立 派 なコンクリート 水 路 になっているので 誰 かがここに 持 ち 込 んだもので あろうと 判 断 した 念 のために 上 下 流 を 調 べてみたが これらの 植 物 は 見 当 たらなかった コウホネ( 県 EN) 秦 梨 町 の 池 にコウホネが 生 育 している この 池 が 作 られてから 百 年 前 後 というだけで 現 在 の ところ 正 しい 年 数 が 分 からない この 池 にハスに 混 じってコウホネが 生 育 している レッドデー タブックあいち 2009 植 物 編 ( 愛 知 県 環 境 調 査 センター, 2009)では 岡 崎 の 小 呂 に 自 生 地 があ ったが 絶 滅 してしまった という 報 告 がある そして 今 回 新 たにここにコウホネが 見 つかり その 判 断 に 困 ってしまったが 池 が 誕 生 してから 間 もないこと ここにハスが 持 ち 込 まれている ことなどから ハスがここに 移 植 された 時 に 一 緒 に 入 り 込 んだものと 判 断 した シラタマホシクサ( 県 VU 国 VU) 今 まで 豊 橋 市 と 豊 田 市 では 自 生 地 が 確 認 されていたが なぜか 岡 崎 市 では 見 つかっていなかっ た もし この 地 でシラタマホシクサが 見 つかれば これまでの 点 が 線 となり この 植 物 の 説 明 がしやすくなるのである そこで この 土 地 の 所 有 者 にこの 土 地 の 利 用 について 確 認 をとったと ころ この 土 地 は 他 の 土 地 との 交 換 で 入 手 したものであり 前 の 土 地 の 所 有 者 についてはよく 分 からない との 話 を 得 て 果 たとして 行 き 詰 まってしまった あとは 現 地 の 状 態 を 観 察 して 判 断 するしかない この 土 地 は 隠 し 田 のようなところであり 多 くの 人 々が 出 入 りするようなとこ ろではない こういうところにも 戦 争 の 前 後 の 食 糧 難 の 時 代 には 米 を 作 ることが 多 かった 形 状 は 田 んぼのような 形 でないが 比 較 的 平 坦 な 地 であって しかも 沢 水 が 流 れ 込 む 肥 沃 な 土 であり 活 用 されていたのではないかと 思 われる しかし ここに 生 育 する 植 物 は ムラサキミミカキグ サ ウメバチソウ サワシロギク ドクゼリをはじめとして 湿 地 に 生 育 する 植 物 が 多 く 観 察 で きる こういう 二 つの 面 を 持 っているので どちらを 取 るか 判 断 が 難 しく 今 回 は 情 報 不 足 (DD) にランクした カキノハグサ 岡 崎 少 年 自 然 の 家 の 山 中 に 2 株 カキノハグサが 開 花 しているのを 確 認 した 生 育 場 所 は 岩 が ごろごろしていて 移 植 されたものとは 思 えないし 新 城 市 ( 旧 鳳 来 町 )の 自 生 地 ときわめて 生 育 環 境 が 似 ている もしこれが 自 生 のものであれば 愛 知 県 では 南 限 に 相 当 する しかし 今 回 の 調 査 中 に 姿 を 消 してしまったため 今 回 あえてリストに 掲 げなかった 調 査 を 終 えて 今 回 の 調 査 報 告 はある 期 間 内 のものであって しかも 完 璧 なものではないので 今 後 の 参 考 資 料 の 一 助 になれば という 思 いが 強 い というのも 調 査 の 最 終 段 階 に 入 ってからも 追 加 や 削 除 を 余 儀 なくされたからである 旧 額 田 町 にもあったというミズニラなど 今 も 気 になる 植 物 が 目 の 前 に 浮 かんでくる 現 在 都 市 化 や 温 暖 化 傾 向 そして 耕 作 放 棄 地 の 増 加 などにより 植 生 の 変 化 が 日 々 進 行 し 単 調 化 している そのような 中 幸 いなことにこれまで 記 録 されなかった 植 物 が 見 つかることもあった が 圧 倒 的 に 姿 を 消 してゆく 植 物 の 方 が 多 かったという 現 実 がある この 減 少 傾 向 が 今 後 どこまで 進 むのか 多 分 我 々の 予 想 の 域 をはるかに 超 えるものになるであろう (1 及 び2 執 筆 者 安 達 史 幸 千 賀 敏 之 ) 15

3 岡 崎 市 維 管 束 植 物 レッドリスト 科 の 範 囲 名 称 配 列 は 主 として 日 本 の 野 生 植 物 草 本 Ⅰ~Ⅲ, 木 本 Ⅰ~Ⅱ,シダ( 平 凡 社, 1980 ~1992)に 準 拠 した 科 内 の 配 列 については 学 名 のアルファベット 順 とした 絶 滅 (EX) No. 和 名 科 名 学 名 国 ランク 県 ランク 1 マツバラン マツバラン Psilotum nudum (L.) Beauv. NT VU 2 スギラン ヒカゲノカズラ Lycopodium cryptomerinum Maxim. VU VU 3 ヤチスギラン ヒカゲノカズラ Lycopodium inundatum L. VU 4 ウラボシノコギリシダ イワデンダ Athyrium sheareri (Baker) Ching 5 イワオモダカ ウラボシ Pyrrosia hastata (Thunb.) Ching VU 6 サンショウモ サンショウモ Salvinia natans (L.) All. VU EN 7 アカウキクサ アカウキクサ Azolla imbricata (Roxb. ex Griff.) Nakai EN CR 8 オオアカウキクサ アカウキクサ Azolla japonica Franch. et Sav. EN EN 9 シデコブシ モクレン Magnolia tomentosa Thunb. NT VU 10 キバナイカリソウ メギ Epimedium koreanum Nakai 11 コウホネ スイレン Nuphar japonicum DC. EN 12 ヒツジグサ スイレン Nymphaea tetragona Georgi 13 イシモチソウ モウセンゴケ Drosera peltata Smith var. nipponica (Masamune) Ohwi NT VU 14 シバハギ マメ Desmodium heterocarpon (L.) DC. EN 15 ガガブタ ミツガシワ Nymphoides indica (L.) O.Kuntze NT NT 16 アサザ ミツガシワ Nymphoides peltata (Gmel.) O.Kuntze NT EN 17 ミカエリソウ シソ Leucosceptrum stellipilum (Miq.) Kitam. et. Murata 18 ミカワシオガマ ゴマノハグサ Pedicularis resupinata L. var. microphylla Honda VU EN 19 ノタヌキモ タヌキモ Utricularia aurea Lour. VU VU 20 フサタヌキモ タヌキモ Utricularia dimorphantha Makino EN EX 21 ミカワタヌキモ(イトタヌキモ) タヌキモ Utricularia exoleta R.Br. VU EN 22 コタヌキモ タヌキモ Utricularia intermedia Heyne EX 23 トチカガミ トチカガミ Hydrocharis dubia (Blume) Backer NT EN 24 セキショウモ トチカガミ Vallisneria asiatica Miki 25 コウガイモ トチカガミ Vallisneria denseserrulata (Makino) Makino VU 26 ヒルムシロ ヒルムシロ Potamogeton distinctus A.Bennett NT 27 センニンモ ヒルムシロ Potamogeton maackianus A.Benn. EX 28 カタクリ ユリ Erythronium japonicum Decne. 29 イワショウブ ユリ Tofieldia japonica Miq. NT 30 ヒメミクリ ミクリ Sparganium stenophyllum Maxim. VU CR 31 カガシラ カヤツリグサ Scleria caricina(r.br.) Benth. VU CR 32 ミカワシンジュガヤ カヤツリグサ Scleria mikawana Makino VU VU 33 マメヅタラン ラン Bulbophyllum drymoglossum Maxim. NT 国 リスト 34 マヤラン ラン Cymbidium nipponicum (Franch. et Sav.) Makino VU CR 35 オオミズトンボ(サワトンボ) ラン Habenaria lineariforia Maxim. EN EX 36 ニラバラン ラン Microtis unifolia (Forst.) Reichb.f. VU 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR) No. 和 名 科 名 学 名 国 ランク 県 ランク 37 タキミシダ シシラン Antrophyum obovatum Baker EN EN 38 アオネカズラ ウラボシ Polypodium niponicum Mett. 39 オオクボシダ ヒメウラボシ Xiphopteris okuboi (Yatabe) Copel. NT 40 マンサク マンサク Hamamelis japonica Sieb. et Zucc. 41 バアソブ キキヨウ Codonopsis ussuriensis (Rupr.et Maxim.) Hemsl. VU CR 42 スブタ トチカガミ Blyxa echinosperma (Clarke) Hook.f. VU VU 43 キスゲ ユリ Hemerocallis citrina Baroni. var.vespertna (Hara) M.Hotta 44 ケシンジュガヤ カヤツリグサ Scleria rugosa R.Br. 45 カンラン ラン Cymbidium kanran Makino EN EX 46 サワラン ラン Eleorchis japonica (A.Gray) F.Maekawa CR 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN) No. 和 名 科 名 学 名 国 ランク 県 ランク 47 ミドリカナワラビ オシダ Arachniodes nipponica (Rosenst.) Ohwi 48 ヒメカナワラビ(キヨスミシダ) オシダ Polystichum tsus-simense (Hook.) J.Sm. 49 クリハラン ウラボシ Neocheiropteris ensata (Thunb.) Ching 50 デンジソウ デンジソウ Marsilea quadrifolia L. VU EN 51 カザグルマ キンポウゲ Clematis patens Morr.et Decne. NT VU 52 タコノアシ ユキノシタ Penthorum chinense Pursh NT NT 53 ナメラダイモンジソウ ユキノシタ Saxifraga fortunei Hook.f. var. suwoensis Nakai NT 54 ミヤマカタバミ カタバミ Oxalis griffithii Edgew. et Hook.f. NT 55 ミヤマハハソ アワブキ Meliosma tenuis Maxim. 56 ナナミノキ モチノキ Ilex chinensis Sims. VU 16

57 ハナビゼリ セリ Angelica inaequalis Maxim. 58 ギンリョウソウモドキ イチヤクソウ Monotropa uniflora L. (アキノギンリョウソウ) 59 シロバイ ハイノキ Symplocos lancifolia Sieb. et Zucc. EN 60 ミズトラノオ シソ Eusteralis yatabeana (Makino) Murata VU VU 61 マネキグサ シソ Lamium ambiguum (Makino) Ohwi NT 国 リスト 62 オオアブノメ ゴマノハグサ Gratiola japonica Miq. VU NT 63 マツムシソウ マツムシソウ Scabiosa japonica Miq. NT 64 イズハハコ キク Conyza japonica (Thunb.) Less. VU NT 65 ウンヌケ イネ Eularia speciosa (Debeaux) O.Kuntze VU NT 66 ギンラン ラン Cephalanthera erecta (Thunb.) Blume 67 セッコク ラン Dendrobium moniliforme (L.) Sw. NT 68 アオフタバラン ラン Listera makinoana Ohwi 69 フウラン ラン Neofinetia falcata (Thunb.) Hu VU EN 70 トキソウ ラン Pogonia japonica Reichb.f. NT EN 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 (VU) No. 和 名 科 名 学 名 国 ランク 県 ランク 71 マンネンスギ ヒカゲノカズラ Lycopodium obscurum L. 72 クジャクシダ ホウライシダ Adiantum pedatum L. 73 マツザカシダ イノモトソウ Pteris nipponica Shieh. 74 クルマシダ チャセンシダ Asplenium wrightii Eaton ex Hook. 75 ヌカイタチシダ オシダ Dryopteris gymnosora (Makino) C.Chr. NT 76 チャボイノデ オシダ Polystichum igaense Tagawa 77 オオヒメワラビ イワデンダ Deparia okuboana (Makino) M.Kato 78 シロヤマシダ イワデンダ Diplazium hachijoense Nakai 79 フクロシダ イワデンダ Woodsia manchuriensis Hook. 80 イワヒトデ ウラボシ Colysis elliptica (Thunb.) Ching 81 ヤノネシダ ウラボシ Neocheiropteris ensata (Thunb.) Ching 82 ミズメ(ヨグソミネバリ アズサ) カバノキ Bethla grossa Sieb. et Zucc. 83 シリブカガシ ブナ Lithocarpus glabra (Thunb.) Nakai VU 84 イラクサ イラクサ Urtica thunbergiana Sieb. et Zucc. 85 ミヤマタニソバ タデ Persicaria debilis (Meisn.) H.Gross 86 トヨボタニソバ タデ Persicaria sp. NT 87 サトヤマタデ(ヒメボントクタデ) タデ Persicaria sp. NT 88 マルミノヤマゴボウ ヤマゴボウ Phytolacca japonica Makino 89 ニリンソウ キンポウゲ Anemone flaccida Fr. Schm. 90 トリガタハンショウヅル キンポウゲ Clematis tosaensis Makino 91 ヘビノボラズ メギ Berberis sieboldii Miq. NT 92 マツモ マツモ Ceratophyllum demersum L. 93 トモエソウ オトギリソウ Hypericum ascyron L. 94 サワオトギリ オトギリソウ Hypericum pseudopetiolatum R.Keller 95 ミズオトギリ オトギリソウ Triadenum japonicum Makino 96 フウロケマン ケシ Corydalis pallida (Thunb.) Peris. 97 ヒロハコンロンソウ アブラナ Cardamine appendiculata Franch. et Sav. 98 ミズタガラシ アブラナ Cardamine lyrata Bunge NT 99 ユリワサビ アブラナ Wasabia tenuis (Miq.) Matsum. 100 ウメバチソウ ユキノシタ Parnassia palustris L. var. multiseta Ledeb 101 オオウラジロノキ バラ Malus tschonoskii (Maxim.) C.K.Schn. 102 トヨトミナシ バラ Pyrus mikawana Koidzumi 103 サイカチ マメ Gleditsia japonica Miq. VU 104 コショウノキ ジンチョウゲ Daphne kiusiana Miq. 105 ヒナノカンザシ ヒメハギ Salomonia oblongifolia DC. 106 ドクゼリ セリ Cicuta virosa L. 107 ハナウド セリ Heracleum moellendorffii Hance NT 108 ベニドウダン ツツジ Enkianthus cernuus (Sieb. et Zucc.) Makino f. rubens (Maxim.) Ohwi 109 カイナンサラサドウダン ツツジ Enkianthus sikokianus (Palibin) Ohwi 110 リンドウ リンドウ Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. ( 品 種 ホソバリンドウを 含 む) 111 フデリンドウ リンドウ Gentiana zollingeri Fawc. 112 イヌセンブリ リンドウ Swertia diluta (Turcz.) Benth. et Hook.f. VU NT var. tosaensis (Makino) Hara 113 カギカズラ アカネ Uncaria rkynchophylla (Miq.) Miq. 114 オオルリソウ ムラサキ Cynoglossum zeylanicum (Vahl) Thunb. 115 ヤマルリソウ ムラサキ Omphalodes japonica (Thunb.) Maxim. 116 テンニンソウ シソ Leucosceptrum Japonicum (Miq.) Kitam. et Murata 117 セキヤノアキチョウジ シソ Rabdosia effusa (Maxim.) Hara 118 オオヒナノウスツボ ゴマノハグサ Scrophularia kakudensis Franch. 119 オオヒキヨモギ ゴマノハグサ Siphonostegia laeta S.Moore VU 国 リスト 120 ハグロソウ キツネノマゴ Peristrophe japonica (Thunb.) Bremek. 121 ムラサキミミカキグサ タヌキモ Utricularia uliginosa Vahl NT NT 17

122 キキョウ キキョウ Platycodon grandiflorum (Jacq.) A.DC. VU NT 123 エンシュウハグマ キク Ainsliaea dissecta Franch. et Sav. 124 ヒメガンクビソウ キク Carpesium rosulatum Miq. 125 ミズギク キク Inula ciliaris (Miq.) Maxim. NT 126 カシワバハグマ キク Pertya robusta (Maxim.) Beauv. 127 サワギク キク Senecio nikoensis Miq. 128 サワオグルマ キク Senecio pierotii Miq. 129 イトモ ヒルムシロ Potamogeton pusillus L. NT NT 130 アマナ ユリ Amana edulis (Miq.) Honda 131 シライトソウ ユリ Chionographis japonica Maxim. 132 ノカンゾウ ユリ Hemerocallis fulva L. var. longituba (Miq.) Maxim. 133 コオニユリ ユリ Lilium leichtlinii Hook.f. var. maximowiczii (Regel) Baker 134 オオナルコユリ ユリ Polygonatum macranthum (Maxim.) Koidz. 135 ノハナショウブ アヤメ Iris ensata Thunb. var. spontanea (Makino) Nakai 136 ヒナノシャクジョウ ヒナノシャクジョウ Burmannia championii Thwait. VU 137 ヒナザサ イネ Coelachne japonica Hack. NT VU 138 ウラハグサ イネ Hakonechloa macra (Munro) Makino ex Honda 139 ムロウマムシグサ サトイモ Arisaema kishidae Makino ex Nakai VU 140 マシカクイ カヤツリグサ Eleocharis tetraquetra Nees VU 141 エビネ ラン Calanthe discolor Lindl. NT NT 142 キンラン ラン Cephalanthera falcata (Thunb.) Blume VU NT 143 カキラン ラン Epipactis thunbergii A.Gray 144 ツチアケビ ラン Galeola septentrionalis Reichb.f. 145 アキザキヤツシロラン ラン Gastrodia verrucosa Blume VU 146 サギソウ ラン Habenaria radiata (Thunb.) Spreng. NT VU 147 ムヨウラン ラン Lecanorchis japonica Blume 148 ヨウラクラン ラン Oberonia japonica (Maxim.) Makino 149 コバノトンボソウ ラン Platanthera nipponica Makino 150 ナガバノキソチドリ ラン Platanthera ophrydioides Fr.Schm. var. australis Ohwi 151 カヤラン ラン Sarcochilus japonicus (Reichb.f) Miq. 準 絶 滅 危 惧 (NT) No. 和 名 科 名 学 名 国 ランク 県 ランク 152 ヤマドリゼンマイ ゼンマイ Osmunda cinnamomea L. 153 アマクサシダ イノモトソウ Pteris dispar Kunze 154 ヌリトラノオ チャセンシダ Asplenium normale D.Don 155 チャセンシダ チャセンシダ Asplenium trichomanes L. 156 コモチシダ シシガシラ Woodwardia orientalis Sw. 157 タニヘゴ オシダ Dryopteris tokyoensis (Matsu. ex Makino) C.Chr. 158 サクラバハンノキ カバノキ Alnus trabeculosa Hand.-Mazz. NT 国 リスト 159 イヌブナ ブナ Fagus japonica Maxim. 160 コミゾソバ タデ Persicaria mikawana Hanai et Seriz. NT 161 カワラナデシコ ナデシコ Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) Williams 162 タムシバ モクレン Magnolia salicifolia (Sieb. et Zucc.) Maxim. 163 ヤマグルマ ヤマグルマ Trochodendoron aralioides Sieb. et Zucc. 164 ハンショウヅル キンポウゲ Clematis Japonica Thunb. 165 イヌショウマ キンポウゲ Gimisifuga japonica (Thunb.) Sprengel 166 ヒメシャラ ツバキ Stewartia monadelpha Sieb. et Zucc. ( 品 種 トチュウヒメシャラを 含 む) 167 ジュンサイ スイレン Brasenia schreberi J.F.Gmel. 168 モウセンゴケ モウセンゴケ Drosera rotundifolia L. 169 トリアシショウマ ユキノシタ Astilbe thunbergii (Sieb. et Zucc.) Miq. var. congesta H.Boiss. 170 トウノウネコノメ ユキノシタ Chrysosplenium pseudopilosum Wakab. et Hr.Takah. 171 ダイモンジソウ ユキノシタ Saxifraga fortunei Hook.f. var. incisolobata (Engl. et Irmsch.) Nakai 172 ウチワダイモンジソウ ユキノシタ Saxifraga fortunei Hook.f. var. obtusocuneata (Makino) Nakai 173 ユクノキ(ミヤマフジキ) マメ Cladrastis sikokiana (Makino) Makino 174 キハダ ミカン Phellodendron amurense Ruper. 175 ウリノキ ウリノキ Alangum platanifolium (Sieb. et Zucc.) Harms var. trilobum (Miq.) Ohwi 176 ヤマボウシ ミズキ Benthamidia japonica (Sieb. et Zucc.) Hara 177 ナガバノタチツボスミレ スミレ Viola ovato-oblonga (Miq.) Makino 178 ウスゲチョウジタデ アカバナ Ludwigia greatrexii H.Hara NT 国 リスト 179 ミズユキノシタ アカバナ Ludwigia ovalis Miq. 180 シラネセンキュウ(スズカゼリ) セリ Angelica polymorpha Maxim. 181 ナンカイイワカガミ イワウメ Schizocodon ilicifolius Maxim. var. nankaiensis Yamazaki 182 ギンリョウソウ イチヤクソウ Monotropastrum humile (D.Don) Hara 183 イチヤクソウ イチヤクソウ Pyrola japonica Klenze 184 コアブラツツジ ツツジ Enkianthus nudiipes (Honda) Ohwi 185 ツリガネツツジ(ウスギヨウラク) ツツジ Menziesia cilicalyx (Miq.) Maxim. 18

186 レンゲツツジ ツツジ Rhododendron japonicum (A.Gray) Suringar 187 ツルコウジ ヤブコウジ Ardisia pusilla DC. 188 クサレダマ サクラソウ Lysimachia vulgaris L. var. davurica (Ledeb.) R.Kunth 189 オオバアサガラ エゴノキ Pterostyrax hispida Sieb. et Zucc. 190 クロミノニシゴリ ハイノキ Symplocos paniculata (Thunb.) Miq. 191 ミヤマイボタ モクセイ Liqustrum tschonoskii Decne. 192 ハルリンドウ リンドウ Gentiana thunbergii (G.Don) Griseb. 193 ホソバノヨツバムグラ アカネ Galium trifidum L. var. brevipedunculatum Regel 194 ルリミノキ アカネ Lasianthus japonicus Miq. NT 195 オニルリソウ ムラサキ Cynoglossum asperrimum Nakai 196 カリガネソウ クマツヅラ Caryopteris divaricata (Sieb. et Zucc.) Maxim. 197 タチキランソウ シソ Ajuga makinoi Nakai NT 国 リスト 198 アキチョウジ シソ Rabdosia longituba (Miq.) Hara 199 タカクマヒキオコシ シソ Rabdosia shikokiana (Makino) Hara var. intermedia (Kudo) Hara 200 ママコナ ゴマノハグサ Melampyrum roseum Maxim. var. japonicum Franch. et Sav. 201 ミゾホオズキ ゴマノハグサ Mimulus nepalensis Benth. var. japonicus Miq. 202 イワタバコ イワタバコ Conandron ramondioides Sieb.et Zucc. 203 イヌタヌキモ タヌキモ Utricularia australis R.Br. NT 国 リスト 204 ミミカキグサ タヌキモ Utricularia bifida L. 205 ホザキノミミカキグサ タヌキモ Utricularia racemosa Wall. 206 オオカメノキ(ムシカリ) スイカズラ Viburnum furcatum Blume sx Maxim. 207 オミナエシ オミナエシ Patrinia scabiosaefolia Fisch. 208 サワギキョウ キキョウ Loberia sessilifolia Lamb. 209 オタカラコウ キク Ligularia fischerii (Ledeb.) Turcz. 210 ミヤマヨメナ(ノシュンギク) キク Miyamayomena savatieri (Makino) Kitam. 211 アギナシ オモダカ Sagittaria aginashi (Makino) Makino NT 国 リスト 212 ミズオオバコ トチカガミ Ottelia alismoides (L.) Pers. VU 国 リスト 213 ホンゴウソウ ホンゴウソウ Andruris japonica (Makino) Giesen VU VU 214 ヤマラッキョウ ユリ Allium thunbergii G.Don 215 ササユリ ユリ Lilium japonicum Thunb. 216 ナベワリ ビャクブ Croomia heterosepala (Baker) Okuyama 217 ヒメコヌカグサ イネ Agrostis valvata Steud. NT 国 リスト 218 ナガエミクリ ミクリ Sparganium japonicum Rothert NT 国 リスト 219 ムギラン ラン Bulbophyllum inconspicuum Maxim. NT 国 リスト 220 クロヤツシロラン ラン Gastrodia pubilabiata Sawa 221 クモラン ラン Taeniophyllum glandulosum Blume 情 報 不 足 (DD) No. 和 名 科 名 学 名 国 ランク 県 ランク 222 ヒメイカリソウ メギ Epimedium youngianum Fisch. et Mey. 223 シロネ シソ Lycopus lucidus Turcz. NT 224 イトトリゲモ イバラモ Najas japonica Nakai NT 国 リスト 225 シラタマホシクサ ホシクサ Eriocaulon nudicuspe Maxim. VU VU 226 ウキシバ イネ Pseudoraphis ukishiba Ohwi NT 227 サイハイラン ラン Cremastra appendiculata (D.Don) Makino 228 シュスラン ラン Goodyera velutina Maxim. VU 229 ミズトンボ ラン Habenaria sagittifera Reichb.f. VU VU 230 ヤマトキソウ ラン Pogonia minor (Makino) Makino VU 231 トンボソウ ラン Tulotis ussuriensis (Regel) Hara 19

(3) 哺 乳 類 1 岡 崎 市 における 哺 乳 類 の 概 況 岡 崎 市 は 愛 知 県 の 中 央 部 にあり 岡 崎 平 野 とその 東 にある 三 河 山 地 の 接 点 に 位 置 している 矢 作 川 が 市 内 を 北 から 南 方 向 に 流 れ 乙 川 が 東 から 西 方 向 に 流 れ 矢 作 川 に 合 流 している 旧 岡 崎 市 域 が 西 方 に 位 置 し 旧 額 田 町 域 が 東 方 に 位 置 するため 旧 岡 崎 市 域 の 大 半 は 平 野 となり 旧 額 田 町 域 が 山 地 となる 特 徴 がある 海 域 は 存 在 しないため 岡 崎 市 内 に 生 息 する 現 生 哺 乳 類 は 飛 翔 性 滑 空 性 地 中 性 半 水 生 を 含 む 広 い 意 味 での 陸 生 哺 乳 類 に 限 られている 近 隣 で 生 息 が 確 認 されている 種 も ふくめた 一 覧 は 次 の 通 りである(*は 近 隣 で 確 認 されている 種 は 外 来 種 ) 齧 歯 目 (ネズミ 目 ) RODENTIA ネズミ 科 MURIDAE 1. ハタネズミ Microtus montebelli (Milne-Edwards, 1872) 2. スミスネズミ Myodes smithii (Thomas, 1905) 3. ヒメネズミ Apodemus argenteus (Temminck, 1844) 4. アカネズミ Apodemus speciosus (Temminck, 1844) 5. カヤネズミ Micromys minutus (Pallas, 1771) 6. ハツカネズミ Mus musculus Linnaeus, 1758 7. ドブネズミ Rattus norvegicus (Berkenhout, 1769) 8. クマネズミ Rattus ruttus (Linnaeus, 1758) ヌートリア 科 MYOCASTORIDAE 9. ヌートリア Myocastor coypus (Molina, 1782) リス 科 SCIURIDAE 10. ニホンリス Sciurus lis Temminck, 1844 11. ムササビ Petaurista leucogenys (Temminck, 1827) 12. *モモンガ Pteromys momonga Temminck, 1844 ヤマネ 科 GLIRIDAE 13. ヤマネ Glirulus japonicus (Schinz, 1845) ウサギ 目 LAGOMORPHA ウサギ 科 LEPORIDAE 14. ノウサギ Lepus brachyurus Temminck, 1845 霊 長 目 (サル 目 ) PRIMATES オナガザル 科 CERCOPITHECIDAE 15. ニホンザル Macaca fuscata (Blyth, 1875) 偶 蹄 目 (ウシ 目 ) ARTIODACTYLA ウシ 科 BOVIDAE 16. カモシカ Capricornis crispus (Temminck, 1836) シカ 科 CERVIDAE 17. ニホンジカ Cervus nippon Temminck, 1838 イノシシ 科 SUIDAE 18. イノシシ Sus scrofa Linnaeus, 1758 食 肉 目 (ネコ 目 ) CARNIVORA イタチ 科 MUSTELIDAE 19. カワウソ Lutra nippon Imaizumi et Yoshiyuki, 1989 20. テン Martes melampus (Wagner, 1840) 21. アナグマ Meles anakuma Temminck, 1844 22. ニホンイタチ Mustela itatsi Temminck, 1844 23. * シベリアイタチ Mustela sibirica Pallas, 1773 アライグマ 科 PROCYONIDAE 24. アライグマ Procyon lotor (Linnaeus, 1758) クマ 科 URSIDAE 25. ツキノワグマ Ursus thibetanus G. [Baron] Cuvier, 1823 イヌ 科 CANIDAE 26. オオカミ Canis lupus Linnaeus, 1758 27. ノイヌ Canis lupus familiaris Linnaeus, 1758 28. タヌキ Nyctereutes procyonoides (Gray, 1834) 29. キツネ Vulpes vulpes (Linnaeus, 1758) ネコ 科 FELIDAE 30. ノネコ Felis catus Linnaeus, 1758 ジャコウネコ 科 VIVERRIDAE 31. ハクビシン Paguma larvata (C.E.H. Smith, 1827) 20

翼 手 目 (コウモリ 目 ) CHIROPTERA キクガシラコウモリ 科 RHINOLOPHIDAE 32. *キクガシラコウモリ Rhinolophus ferrumequinum (Schreber, 1774) ヒナコウモリ 科 VESPERTILIONIDAE 33. アブラコウモリ Pipistrellus abramus (Temminck, 1838) 34. *ヒナコウモリ Vespertilio sinensis (Peters, 1880) 35. *モモジロコウモリ Myotis macrodactylus (Temminck, 1840) トガリ 目 (モグラ 目 ) SORICOMORPHA モグラ 科 TALPIDAE 36. *アズマモグラ Mogera imaizumii (Kuroda, 1957) 37. コウベモグラ Mogera wogura (Temminck, 1842) 38. ヒミズ Urotrichus talpoides Temminck, 1841 トガリ 科 SORICIDAE 39. ニホンジネズミ Crocidura dsinezumi (Temminck, 1842) 40. カワネズミ Chimarrogale platycephalus (Temminck, 1842) 2 岡 崎 市 における 絶 滅 危 惧 種 の 概 況 絶 滅 種 (EX)3 種, 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR)2 種 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN)3 種 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 (VU) 2 種 準 絶 滅 危 惧 種 (NT)2 種 および 情 報 不 足 (DD)2 種 の 計 14 種 がリストに 掲 載 された 絶 滅 種 として 掲 載 されたのはすべて 食 肉 目 (ネコ 目 )で カワウソ(イタチ 科 ) ツキノワグマ(ク マ 科 ) オオカミ(イヌ 科 )の 3 種 である カワウソは 日 本 国 内 での 絶 滅 が 確 認 されており 岡 崎 市 では 1920~1930 年 頃 に 旧 額 田 町 域 の 宮 崎 で 捕 獲 されたという 記 述 が 最 後 のものである( 宮 崎 村 史 編 集 委 員 会, 1960) ツキノワグマは 岡 崎 市 での 近 年 の 確 実 な 生 息 記 録 はないが 市 の 南 西 に 隣 接 す る 西 尾 市 八 王 子 貝 塚 ( 縄 文 時 代 )の 出 土 遺 存 体 からかつての 生 息 がしられ また 2013 年 6 月 には 岡 崎 市 との 境 界 部 である 豊 田 市 蘭 町 ( 旧 下 山 村 )で 確 実 な 目 撃 例 が 得 られていることなどから 絶 滅 種 として 選 定 した オオカミもカワウソ 同 様 に 日 本 における 絶 滅 種 であり 岡 崎 市 近 隣 の 縄 文 から 弥 生 時 代 の 出 土 例 ならびに 歴 史 時 代 の 生 息 記 録 をその 行 動 域 の 広 さを 考 慮 して 絶 滅 種 とした 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 は 齧 歯 目 (ネズミ 目 )のスミスネズミ(ネズミ 科 )とヤマネ(ヤマネ 科 )の 2 種 である スミスネズミは 岡 崎 市 の 旧 岡 崎 市 域 と 旧 額 田 町 域 で 記 録 があるが 近 年 の 生 息 記 録 がとぼ しく また 捕 獲 調 査 でも 標 本 が 得 られず 個 体 数 の 減 少 や 個 体 群 の 分 断 が 危 惧 されている ヤマネ は 旧 額 田 町 域 の 南 大 須 町 と 夏 山 町 で 生 息 記 録 があるが 個 体 群 の 孤 立 化 と 生 活 環 境 の 悪 化 が 危 惧 さ れている 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 は 齧 歯 目 (ネズミ 目 )ネズミ 科 のハタネズミとカヤネズミ およびトガリ 目 (モ グラ 目 )のカワネズミ(トガリ 科 )の 3 種 である ハタネズミは 旧 額 田 町 域 での 記 載 があるが は っきりした 分 布 記 録 が 乏 しい 状 態 である 近 隣 では 安 城 市 での 確 かな 記 録 があり( 小 鹿, 2005) 旧 岡 崎 市 域 で 記 録 のあるカヤネズミとともに 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 に 選 定 された カワネズミは 旧 額 田 町 域 の 宮 崎 ( 旧 宮 崎 村 )で 記 録 があるが 近 年 の 岡 崎 市 では 記 録 に 乏 しく 河 川 環 境 に 依 存 する 本 種 の 生 息 環 境 の 悪 化 による 生 息 数 の 減 少 が 危 惧 されている 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 は 齧 歯 目 のニホンリス(リス 科 )とウサギ 目 のノウサギ(ウサギ 科 )の 2 種 である ニホンリスの 岡 崎 市 における 分 布 は 旧 岡 崎 市 域 と 旧 額 田 町 域 の 平 野 と 山 間 部 の 森 林 である 目 撃 記 録 の 減 少 から 生 息 数 の 減 少 が 危 惧 されている ノウサギは 旧 岡 崎 市 域 での 写 真 撮 影 やロードキル 個 体 の 存 在 から また 旧 額 田 町 域 では 聞 き 込 みからその 生 息 が 示 されている 野 外 調 査 の 際 におけ る 生 息 痕 や 目 撃 例 の 減 少 から 生 息 数 の 減 少 が 危 惧 されている 準 絶 滅 危 惧 種 は 齧 歯 目 のムササビ(リス 科 )と 食 肉 目 のテン(イタチ 科 )の 2 種 である ムササ ビは 旧 額 田 町 域 で 記 録 があるが 樹 上 性 で 杉 を 含 む 森 林 や 社 寺 林 に 依 存 しており 生 息 地 の 改 変 に よる 生 息 数 の 減 少 が 危 惧 される 愛 知 県 でも 渥 美 半 島 では 絶 滅 したと 考 えられる テンは 旧 額 田 町 21

域 の 闇 苅 渓 谷 での 記 録 があるが 県 内 でも 知 多 半 島 渥 美 半 島 および 平 野 部 の 多 くの 地 域 で 絶 滅 し たと 考 えられ エサ 不 足 などによる 個 体 数 の 減 少 や 分 布 域 の 減 少 が 危 惧 される 情 報 不 足 とされたのは 齧 歯 目 (ネズミ 目 )のモモンガとトガリ 目 (モグラ 目 )のアズマモグラの 2 種 である モモンガは 岡 崎 市 では 確 実 な 分 布 情 報 は 得 られなかったものの 豊 田 市 足 助 地 域 設 楽 町 の 裏 谷 などでは 確 実 な 記 録 がある 夜 行 性 であり ムササビと 誤 認 される 可 能 性 や 現 在 の 分 布 記 録 の 不 明 瞭 さから 選 定 された アズマモグラも 確 実 な 分 布 記 録 は 得 られなかったが 隣 接 する 豊 田 市 の 旧 豊 田 市 域 での 分 布 や 岡 崎 市 に 設 置 されたフクロウの 巣 箱 からヤマネとともに 発 見 された モ グラの 一 種 ( 真 野 杉 山, 2008)に 本 種 が 含 まれている 可 能 性 などから 情 報 不 足 に 選 定 した 引 用 文 献 真 野 徹 杉 山 時 雄, 2008. フクロウの 巣 箱 から 確 認 された 動 物 の 骨 格. 西 三 河 野 鳥 研 究 年 報, 11: 1-6. 宮 崎 村 史 編 集 委 員 会, 1960. 野 生 のけもの. 宮 崎 村 史, pp.514-519. 宮 崎 村 史 編 集 委 員 会, 額 田 町. 小 鹿 登 美, 2005. 愛 知 県 安 城 市 哺 乳 類 の 記 録. マンモ ス 特 別 号, (7): 4-9. (1 及 び2 執 筆 者 子 安 和 弘 ) 3 岡 崎 市 哺 乳 類 レッドリスト 目 及 び 科 の 範 囲 と 種 の 配 列 は 原 則 として Bininda-Emonds, O.R.P. (2007) The delayed rise of present-day mammals, Nature 446: 507-512 及 び The Wild Mammals of Japan, SHOUKADOH, Kyoto (Ohdachi et al, eds, 2009)に 準 拠 し 新 しい 知 見 を 加 え 整 理 した 絶 滅 (EX) 1 カワウソ 食 肉 (ネコ) イタチ Lutra lutra (Linnaeus) EX EX 2 ツキノワグマ 食 肉 (ネコ) クマ Ursus thibetanus G.[Baron] Cuvier LP CR 3 オオカミ 食 肉 (ネコ) イヌ Canis lupus Linnaeus EX EX 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR) 4 スミスネズミ 齧 歯 (ネズミ) ネズミ Myodes smithii (Thomas) NT 5 ヤマネ 齧 歯 (ネズミ) ヤマネ Glirulus japonicus (Schinz) NT 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN) 6 ハタネズミ 齧 歯 (ネズミ) ネズミ Microtus montebelli (Milne-Edwards) NT 7 カヤネズミ 齧 歯 (ネズミ) ネズミ Micromys minutus (Pallas) VU 8 カワネズミ トガリ(モグラ) トガリ Chimarrogale platycephalus (Temminck) LP VU 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 (VU) 9 ニホンリス 齧 歯 (ネズミ) リス Sciurus lis Temminck LP 10 ノウサギ ウサギ ウサギ Lepus brachyurus Temminck 準 絶 滅 危 惧 (NT) 11 ムササビ 齧 歯 (ネズミ) リス Petaurista leucogenys (Temminck) NT 12 テン 食 肉 (ネコ) イタチ Martes melampus (Wagner) NT 情 報 不 足 (DD) 13 モモンガ 齧 歯 (ネズミ) リス Pteromys momonga Temminck EN 14 アズマモグラ トガリ(モグラ) モグラ Mogera imaizumii (Kuroda) VU 22

(4) 鳥 類 1 岡 崎 市 における 鳥 類 の 概 況 岡 崎 市 は 愛 知 県 のほぼ 中 央 部 に 位 置 し 西 部 に 矢 作 川 が 流 れ その 支 流 の 青 木 川 乙 川 男 川 な ど 多 数 の 河 川 がある そして 最 東 端 にある 標 高 789m の 本 宮 山 を 最 高 峰 とする 山 地 から 丘 陵 地 に 連 なり さらに 市 街 地 や 農 耕 地 が 広 がっている そのため 本 市 域 の 約 60%を 占 める 森 林 や 河 川 敷 などの 草 地 農 耕 地 など 生 物 多 様 性 ある 豊 か な 自 然 環 境 も 残 っており 鳥 類 の 生 息 に 適 した 環 境 も 十 分 とは 言 えないながらも 点 在 している し かしながら 鳥 類 が 生 息 できる 環 境 は 開 発 や 河 川 道 路 網 の 整 備 などにより 狭 められる 傾 向 にある 岡 崎 市 鳥 類 記 録 ( 岡 崎 野 鳥 の 会, 2010)によると 岡 崎 市 で 生 息 が 確 認 された 種 は 17 目 53 科 238 種 である 愛 知 県 で 確 認 された 鳥 類 は レッドデータブックあいち 2009 動 物 編 ( 愛 知 県 環 境 調 査 センター, 2009)に 掲 載 された 愛 知 県 鳥 類 目 録 2008 目 科 別 集 計 によると 18 目 67 科 398 種 で あり 岡 崎 市 の 確 認 鳥 類 は 目 で 94% 科 で 79% 種 で 60%にあたる 岡 崎 市 は 海 域 に 面 していないため 水 鳥 のカモ 類 やカモメ 類 シギ 類 の 生 息 場 所 は 限 られており これらの 確 認 種 は 多 くないが 森 林 や 草 地 農 耕 地 に 生 息 するタカ 類 や 小 鳥 など 多 種 の 野 鳥 が 確 認 されている 内 陸 部 に 位 置 する 本 市 ではあるが 愛 知 県 全 域 からみても 多 様 で 豊 かな 鳥 相 を 呈 して いると 言 える 前 述 の 岡 崎 市 鳥 類 記 録 及 び 愛 知 県 鳥 類 目 録 は 日 本 鳥 類 目 録 改 定 第 6 版 ( 日 本 鳥 学 会, 2000)に 基 づいた 分 類 による 2012 年 に 日 本 鳥 類 目 録 改 定 第 7 版 ( 日 本 鳥 学 会, 2012)が 発 行 され 新 たな 分 類 がなされた 2013 年 には 西 三 河 野 鳥 の 会 によって 西 三 河 鳥 類 目 録 が 発 行 され 岡 崎 市 鳥 類 目 録 も 見 直 され 確 認 種 は 20 目 57 科 145 属 243 種 となった そのため 表 7 に 日 本 鳥 類 目 録 改 定 第 7 版 に 準 じて 分 類 された 岡 崎 市 鳥 類 目 録 2013 目 科 別 集 計 表 を 掲 載 する 表 7 岡 崎 市 鳥 類 目 録 2013 目 科 別 集 計 表 目 科 属 数 種 数 目 科 属 数 種 数 キジ 目 キジ 科 3 3 スズメ 目 カササギヒタキ 科 1 1 カモ 目 カモ 科 9 23 モズ 科 1 3 カイツブリ 目 カイツブリ 科 2 3 カラス 科 4 7 ハト 目 ハト 科 2 2 キクイタダキ 科 1 1 ミズナギドリ 目 ウミツバメ 科 1 1 ツリスガラ 科 1 1 コウノトリ 目 コウノトリ 科 1 1 シジュウカラ 科 3 4 カツオドリ 目 ウ 科 1 1 ヒバリ 科 2 2 ペリカン 目 サギ 科 9 12 ツバメ 科 3 4 ツル 目 クイナ 科 5 5 ヒヨドリ 科 1 1 カッコウ 目 カッコウ 科 3 5 ウグイス 科 2 2 ヨタカ 目 ヨタカ 科 1 1 エナガ 科 1 1 アマツバメ 目 アマツバメ 科 2 3 ムシクイ 科 1 4 チドリ 目 チドリ 科 3 7 メジロ 科 1 1 セイタカシギ 科 1 1 センニュウ 科 1 1 シギ 科 13 28 ヨシキリ 科 2 2 タマシギ 科 1 1 セッカ 科 1 1 ツバメチドリ 科 1 1 レンジャク 科 1 2 カモメ 科 3 9 ゴジュウカラ 科 1 1 トウゾクカモメ 科 1 1 キバシリ 科 1 1 タカ 目 ミサゴ 科 1 1 ミソサザイ 科 1 1 タカ 科 9 15 ムクドリ 科 3 4 フクロウ 目 フクロウ 科 4 6 カワガラス 科 1 1 サイチョウ 目 ヤツガシラ 科 1 1 ヒタキ 科 10 23 ブッポウソウ 目 カワセミ 科 3 3 イワヒバリ 科 1 1 ブッポウソウ 科 1 1 スズメ 科 1 2 キツツキ 目 キツツキ 科 3 4 セキレイ 科 2 5 ハヤブサ 目 ハヤブサ 科 1 4 アトリ 科 9 11 スズメ 目 ヤイロチョウ 科 1 1 ホオジロ 科 1 10 サンショウクイ 科 1 1 合 計 20 目 57 科 145 属 243 種 23

2 岡 崎 市 における 絶 滅 危 惧 種 の 概 況 この 度 岡 崎 市 で 絶 滅 のおそれがあると 認 められた 鳥 類 は 絶 滅 (EX)は 0 種 絶 滅 危 ⅠA 類 (CR) が 4 種 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN)が 7 種 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 (VU)が 12 種 準 絶 滅 危 惧 (NT)が 17 種 情 報 不 足 (DD)が 2 種 であり 合 計 42 種 である これは 表 7 の 岡 崎 市 鳥 類 記 録 に 掲 載 された 243 種 の 17.3%に 相 当 し 多 くの 種 が 絶 滅 の 危 機 に 立 たされていることとなる また 特 定 の 地 域 環 境 を 利 用 して 渡 り 行 動 をしており 市 内 において 重 要 かつ 特 徴 的 な 個 体 群 を 地 域 個 体 群 (LP)と し 2 種 を 加 えた 絶 滅 危 惧 種 の 選 定 と 評 価 区 分 にあたっては 市 内 での 確 認 種 について それぞれの 種 の 生 息 時 期 や 繁 殖 通 過 越 冬 などの 生 態 をふまえ 経 年 的 データや 調 査 を 実 施 し 個 体 数 の 変 化 を 勘 案 し 総 合 的 な 判 断 をした レッドデータブックあいち 2009 動 物 編 によると 愛 知 県 における 絶 滅 危 惧 種 等 の 選 定 種 は 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR)9 種 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN)13 種 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 (VU)26 種 準 絶 滅 危 惧 (NT)31 種 情 報 不 足 (DD)1 種 地 域 個 体 群 (LP)3 種 合 計 83 種 である その 結 果 岡 崎 市 の 選 定 種 は 県 の 選 定 種 に 対 し 絶 滅 危 惧 ⅠA 類 で 44% 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 で 54% 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 で 46% 準 絶 滅 危 惧 種 で 55% 情 報 不 足 で 200% 地 域 個 体 群 で 67%であり 合 計 で は 55%にあたる 愛 知 県 においてランクの 高 いヨシゴイ クマタカ ヤマセミ ハヤブサ ミゾゴイなどは 岡 崎 市 においても 生 息 個 体 数 が 少 なく さらに 減 少 が 心 配 される 種 であり 絶 滅 危 惧 ⅠA ⅠB に 選 定 した また 愛 知 県 ではリストに 上 がっていないが 市 内 の 市 街 地 周 辺 の 公 園 の 樹 木 に 営 巣 するササゴイ 学 校 などの 建 造 物 に 営 巣 するコシアカツバメ 乙 川 に 架 かる 橋 桁 などで 営 巣 するイワツバメは 県 内 においても 稀 な 繁 殖 生 息 であり しかも 人 の 生 活 域 に 近 いことは 繁 殖 活 動 に 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 が 高 いためリストに 入 れた 鳥 類 は 春 と 秋 に 日 本 国 内 を 移 動 するもの 日 本 と 国 外 との 渡 りをするものがいるが ハチクマと サシバは 日 本 で 繁 殖 し 冬 期 は 東 南 アジアへ 渡 り 越 冬 する 伊 良 湖 岬 はその 渡 りの 中 継 地 として 多 数 飛 翔 通 過 しており 有 名 であるが 愛 知 県 はサシバの 渡 り 群 ( 地 域 個 体 群 )としてリストアップして いる 同 様 に 桑 谷 山 系 はサシバとハチクマの 県 内 有 数 の 渡 りコースであり これらの 渡 り 群 を 地 域 個 体 群 (LP)にリストアップした この 度 のリスト 策 定 を 通 じて 市 内 においても 従 前 から 希 少 とされてきた 種 で さらに 減 少 した もの 従 前 は 普 通 に 生 息 していた 種 で 急 速 に 減 少 傾 向 にある 種 などが 判 明 したことは 有 意 義 であ った 今 後 このような 減 少 傾 向 に 歯 止 めがかかるよう 生 息 環 境 が 保 全 され また 回 復 される ような 対 策 が 講 じられることが 望 まれる (1 及 び2 執 筆 者 小 嶋 良 武 ) 3 岡 崎 市 鳥 類 レッドリスト 目 及 び 科 の 範 囲 名 称 配 列 は 日 本 鳥 類 目 録 改 訂 第 7 版 ( 日 本 鳥 学 会, 2012)に 準 拠 した 絶 滅 (EX) ( 該 当 種 なし) 24

絶 滅 危 惧 ⅠA 類 (CR) 1 ヨシゴイ ペリカン サギ Ixobrychus sinensis (Gmelin) NT EN 2 クマタカ タカ タカ Nisaetus nipalensis Hodgson EN EN 3 ヤマセミ ブッポウソウ カワセミ Megaceryle lugubris (Temminck) EN 4 ハヤブサ ハヤブサ ハヤブサ Falco peregrinus Tunstall VU EN 絶 滅 危 惧 ⅠB 類 (EN) 5 ミゾゴイ ペリカン サギ Gorsachius goisagi (Temminck) VU EN 6 ヒクイナ ツル クイナ Porzana fusca (Linnaeus) NT VU 7 ヨタカ ヨタカ ヨタカ Caprimulgus indicus Latham NT VU 8 タマシギ チドリ タマシギ Rostratula benghalensis (Linnaeus) VU VU 9 サシバ タカ タカ Butastur indicus (Gmelin) VU VU 10 アオバズク フクロウ フクロウ Ninox scutulata (Raffles) NT 11 カワガラス スズメ カワガラス Cinclus pallasii Temminck VU 絶 滅 危 惧 Ⅱ 類 (VU) 12 トモエガモ カモ カモ Anas formosa Georgi VU VU 13 クイナ ツル クイナ Rallus aquaticus Linnaeus NT 14 バン ツル クイナ Gallinula chloropus (Linnaeus) 15 イカルチドリ チドリ チドリ Charadrius placidus Gray et Gray VU 16 シロチドリ チドリ チドリ Charadrius alexandrinus Linnaeus VU NT 17 アオシギ チドリ シギ Gallinago solitaria Hodgson NT 18 コアジサシ チドリ カモメ Sterna albifrons Pallas VU NT 19 ハチクマ タカ タカ Pernis ptilorhynchus (Temminch) NT VU 20 オオタカ タカ タカ Accipiter gentilis (Linnaeus) NT NT 21 アカショウビン ブッポウソウ カワセミ Halcyon coromanda (Latham) VU 22 アカゲラ キツツキ キツツキ Dendrocopos major (Linnaeus) 23 アオゲラ キツツキ キツツキ Picus awokera Temminck 準 絶 滅 危 惧 (NT) 24 ヤマドリ キジ キジ Syrmaticus soemmerringii (Temminck) 25 オシドリ カモ カモ Aix galericulata (Linnaeus) DD 26 カイツブリ カイツブリ カイツブリ Tachybaptus ruficollis (Pallas) 27 ササゴイ ペリカン サギ Butorides striata (Linnaeus) 28 コチドリ チドリ チドリ Charadrius dubius Scopoli 29 ヤマシギ チドリ シギ Scolopax rusticola Linnaeus NT 30 クサシギ チドリ シギ Tringa ochropus Linnaeus 31 イソシギ チドリ シギ Actitis hypoleucos (Linnaeus) 32 フクロウ フクロウ フクロウ Strix uralensis Pallas NT 33 サンショウクイ スズメ サンショウクイ Pericrocotus divaricatus (Raffles) VU NT 34 サンコウチョウ スズメ カササギヒタキ Terpsiphone atrocaudata (Eyton) NT 35 コシアカツバメ スズメ ツバメ Hirundo daurica Laxmann 36 イワツバメ スズメ ツバメ Delichon dasypus (Bonaparte) 37 ミソサザイ スズメ ミソサザイ Troglodytes troglodytes (Linnaeus) NT 38 クロツグミ スズメ ヒタキ Turdus cardis Temminck NT 39 コサメビタキ スズメ ヒタキ Muscicapa dauurica Pallas NT 40 オオルリ スズメ ヒタキ Cyanoptila cyanomelana (Temminck) 情 報 不 足 (DD) 41 ウズラ キジ キジ Coturnix japonica Temminck et Schlegel VU VU 42 オオコノハズク フクロウ フクロウ Otus lempiji (Horsfield) NT 地 域 個 体 群 (LP) 43 ハチクマの 渡 り 群 ( 桑 谷 山 系 ) タカ タカ Pernis ptilorhynchus (Temminch) NT VU 44 サシバの 渡 り 群 ( 桑 谷 山 系 ) タカ タカ Butastur indicus (Gmelin) VU VU 25

(5) 爬 虫 類 1 岡 崎 市 における 爬 虫 類 の 概 況 岡 崎 市 にはカメ 類 (カメ 目 ) トカゲ 類 ( 有 鱗 目 トカゲ 亜 目 ) ヘビ 類 ( 有 鱗 目 ヘビ 亜 目 )の 3 群 の 爬 虫 類 が 生 息 する 以 下 その 3 群 ごとに 概 要 を 述 べたい カメ 類 岡 崎 市 では 2006 年 に 市 内 でワニガメが 見 つかり またその 頃 市 内 で 外 来 生 物 であるミシシッピア カミミガメが 急 増 していることが 問 題 視 され 始 めていた そこで 市 の 事 業 として 2007 年 に 市 内 の 34 カ 所 のため 池 2008 年 に 市 内 の 河 川 の 10 地 点 におけるカメの 分 布 生 息 の 状 況 を 調 査 した そ の 後 レッドデータブックの 作 成 を 目 標 の 一 つとした 調 査 の 一 環 として 2007-2008 年 にカメの 分 布 生 息 を 調 べた 地 点 の 追 跡 調 査 を 2013 年 に 行 なうことができた いずれの 年 の 調 査 でも 生 息 地 にワナを 仕 掛 けてカメを 採 集 して 調 べた その 結 果 岡 崎 市 内 では 日 本 産 のカメとしてイシガメ 科 のニホンイシガメ 301 頭 クサガメ 23 頭 そしてスッポン 科 のニホンスッポン 40 頭 外 来 のカメとして 北 アメリカ 産 のミシシッピアカミミガ メ 232 頭 の 個 体 を 確 認 した また 2013 年 の 調 査 では 3 カ 所 の 調 査 地 点 でニホンイシガメとクサガ メの 交 雑 個 体 を 5 頭 捕 獲 した 日 本 列 島 の 固 有 種 であるニホンイシガメは, 市 内 では 2007-2008 年 から 2013 年 にかけて 目 立 った 分 布 地 の 減 少 や 各 生 息 地 における 個 体 数 の 減 少 が 見 られなかったので 今 回 のレッドリストに おいては 生 息 が 危 惧 される 種 には 挙 げなかった しかしながら 市 内 のニホンイシガメの 生 息 に 危 機 をもたらすいくつかの 事 態 が 進 行 していることが 分 かった ニホンイシガメと 人 為 的 移 入 の 可 能 性 が 高 いクサガメとの 交 雑 個 体 が 2007-2008 年 の 調 査 では 採 集 されなかったにもかかわらず 2013 年 には 1 カ 所 の 池 2 カ 所 の 河 川 の 地 点 で 捕 獲 された ふ つう 生 物 の 種 間 は 生 殖 隔 離 されており 交 雑 が 起 こることはまれである 仮 に 種 間 交 雑 が 起 こった としても 交 雑 個 体 にはふつう 繁 殖 能 力 はない ところがカメでは イシガメ 科 やウミガメ 科 など 科 の 中 で 属 間 の 交 雑 が 起 こることがあり しかも 交 雑 個 体 が 繁 殖 能 力 を 持 つことがある 飼 育 下 で の 経 験 から ニホンイシガメとクサガメは 交 雑 し この 交 雑 個 体 は 有 精 卵 を 産 めることが 分 かって いる ニホンイシガメとクサガメの 交 雑 個 体 がいる 個 体 群 では ニホンイシガメの 集 団 の 遺 伝 子 に 異 質 なクサガメの 遺 伝 子 が 混 入 して 拡 がる 遺 伝 子 汚 染 が 生 じてしまう また 調 査 の 過 程 で 捕 獲 した 外 来 のカメは 駆 除 しているにもかかわらず ニホンイシガメの 生 息 場 所 からミシシッピアカミミガメが 減 ってはいなかった 食 物 あるいは 日 光 浴 や 越 冬 産 卵 ねぐ らの 空 間 を 巡 っての 種 間 競 合 にニホンイシガメは 曝 され 続 けているのである ニホンイシガメは 岡 崎 の 水 辺 エコトーンの 象 徴 的 な 動 物 である 上 で 述 べたように, 市 内 のニホ ンイシガメに 生 息 の 危 機 が 迫 っていることを 考 慮 し 生 息 場 所 としての 水 辺 エコトーンの 確 保 遺 伝 子 汚 染 をもたらすクサガメ(とその 交 雑 個 体 )や 競 合 するミシシッピアカミミガメの 除 去 といっ た 対 策 を 組 織 的 に 行 えるようにすることを 進 言 する クサガメは 生 物 地 理 学 的 にやっかいな 2 つの 問 題 を 抱 えた 種 である このカメは 日 本 列 島 の 本 州 四 国 九 州 朝 鮮 半 島 中 国 東 部 台 湾 に 分 布 しているが 日 本 産 のクサガメには 遺 伝 子 型 が 朝 鮮 半 島 あるいは 中 国 のどちらかと 共 通 している 2 タイプのあることが 近 年 明 らかになっており 日 本 に 生 息 するクサガメは 朝 鮮 半 島 および 中 国 から 人 為 的 に 導 入 された 可 能 性 が 示 唆 されている ただ し 現 段 階 では その 可 能 性 は 否 定 できないが 朝 鮮 半 島 や 中 国 の 標 本 がきわめて 少 なく 結 論 が 出 ているわけではない 日 本 のクサガメのうち 中 国 タイプとされるものは 採 集 された 個 体 の 形 態 26