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【指導のポイント】

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平成 28 年度山梨県学力把握調査 結果分析資料の見方 調査結果概況 正答数分布グラフ 分布の形状から児童生徒の解答状況が分かります 各学校の集計支援ツールでは, 形状だけでなく, 県のデータとの比較もできます 設問別正答率 無解答率グラフ 設問ごとの, 正答率や無解答率が分かります 正答率の低い設

年生 章資料の活用 ( 基本問題練習 ) 入試問題を解くための準備問題です 1 に適当なことばを入れなさい 資料のとる値のうち, 最大のものから最小のものをひいた差を ア という 度数分布表において, 資料を整理するための区間を階級といい, その幅を 3 右の表は, 生徒 人のある日の睡眠時間を,

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

ICTを軸にした小中連携

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Taro-H29結果概要(5月25日最終)

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

○数学科 2年 連立方程式

1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

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中1数学 移行措置資料

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平均値 () 次のデータは, ある高校生 7 人が ヵ月にカレーライスを食べた回数 x を調べたものである 0,8,4,6,9,5,7 ( 回 ) このデータの平均値 x を求めよ () 右の表から, テレビをみた時間 x の平均値を求めよ 階級 ( 分 ) 階級値度数 x( 分 ) f( 人 )


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第 6 学年算数科学習指導案 日時平成 25 年 月 日 ( ) 校時対象第 6 学年 組 名学校名 立 小学校授業者 1 単元名 速さ ( 学校図書 6 年上 ) 2 単元の目標速さについて理解し 求めることができるようにする 3 単元の評価規準 単元の評価規準 ア算数への関心 意欲 態度 速さを

H27 国語

2、協同的探究学習について

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統計的な問題解決の方法を学ぶ実践

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

第5学年  算数科学習指導案

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

第4学年算数科学習指導案

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

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第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

学力スタンダード(様式1)

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平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

単位量あたりの大きさ

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研修中間報告書

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

Ⅲ 研究内容 確かな学力を育成するためには 教師の指導 と 児童 生徒の学び のギャップを教師が認識 する必要がある この研究では,1,2 年の文字式の内容において, 全国調査, 置籍校事前調査の 結果から誤答傾向を把握し, 課題を考察した その中から 計算の対象を理解すること, 考察の 対象を明確

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指導方法等の改善計画について

①H28公表資料p.1~2

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神奈川県立総合教育センター長期研修員研究報告5:***~***

国語科学習指導案様式(案)

(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

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3. 単元計画 (10 時間 ) 1 5 年生の学習を振り返ろう 散らばりの様子を表にすると 平均だけ 一番大きい数字は 平均で比べてみると ではわからなかった資料の特徴がいろ いろと見えてくるね 2 平均を使えば比べることができた ( 合計 ) ( 個数 )= 平均だった紙飛行機とばし大会に出ます

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

6. 単元指導目標単元の目標 ( 子どもに事前に知らせる ) 平均とは何か? 平均を求めたり 平均から全体を求めたりして 平均の計算ができる 平均の考え方を使って 歩幅で校舎の長さや家から学校までの道のりを測る 仮平均の考え方や外れ値の処理について考えることができる 子どもに事前に知らせる どうまと

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第 3 学年 2 組算数科学習指導案 1 単元名たし算とひき算の筆算 指導者永田佳江 2 単元について (1) 単元観 該当する学習指導要領の内容 A 数と計算 A(2) 加法, 減法 (2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし, それらを適切に用いる能力を伸ばす 本単元で扱う たし算とひき算

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

123

算数科学習指導案 指導者中野智子 1 日時平成 30 年 10 月 19 日 ( 金 ) 第 6 校時 2 学年第 6 学年 1 組男子 12 名女子 9 名計 21 名 3 単元名資料の調べ方 4 単元について (1) 単元観本単元は, 小学校学習指導要領第 6 学年の内容 [D データの活用 ]

Microsoft Word - 数学指導案(郡市教科部会)

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能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

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平成29年度 中学校英語科教育 理論研究

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

H30全国HP

テレビ講座追加資料1105

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学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

Microsoft PowerPoint - H29小学校理科

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

2 種の量によって表されたものの比較には いろいろな方法がある その中の単位量あたりという比較の方法を理解する 2 種の量によって表されたものの比較は 1 種の量をそろえることによって比較できることを理解する ( 単位の考え方 ) 導入段階では 1 種の量を単位量 1 にする必要はないが 1 にする

Microsoft Word - 全道研指導案(資料の活用).doc

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中学 1 年数学 ( 東京書籍 ) 単元別コンテンツ一覧 単元ドリル教材解説教材 確認問題ライブラリ (OP) プリント教材 教材数 :8 問題数 : 基本 40, 標準 40, 挑戦 40 正の数 負の数などの問題を収録 解説教材 :3 確認問題 :3 数直線 数の大小と絶対値などの解説 確認問題

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PowerPoint プレゼンテーション

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Microsoft Word - スーパーナビ 第6回 数学.docx

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第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

Transcription:

第 8 回統計教育方法論ワークショップ平成 24 年 3 月 3 日 ( 土 ) 一橋大学 研究の意図, 目的 研究の意図 中 1 資料の散らばりと代表値 において 指導と評価をどうするか? 活用 の前提となる 習得 のプロセスが重要であるが, 実践研究が十分でない 横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校藤原大樹 daiki 7@ynu.ac.jp 1 研究の目的 中 1 資料の散らばりと代表値 における知識 技能の 活用 に向けた 習得 の授業の在り方を探り, 授業構成の視点を定めた上で指導モデルを作成し, これを実践してその有効性を検証すること 2 習得 と 活用 と 探究 単元を, 主たる目的で大きく 習得 と 活用 とに二分し, 習得 では, 活用させながら習得させる授業 ( 相馬, 2008) を目指す 探究 ( 問いの生成と解決が繰り返されていくことで考えや知識が次々と更新 成長していく活動 ) を目指す 習得 の授業構成の視点 Ⅰ. 生徒の主体性と問題解決 Ⅱ. 生徒による統計的概念の生成 Ⅲ. 表やグラフをかく手作業の重視 データ, 問い 必要性, よさ, 用い方理解の深化,PC 利用へ Ⅳ. 統計的な手法を用いた説明の漸次的な導入 説明, 解釈 探究 の先に,Dani Ben Zvi and Joan Garfield (2004) の 統計的思考力 (Statistical Thinking) の育成を想定している 3 単元目標 ヒストグラム, 代表値などの必要性と意味を理解し, 表や図に表したり代表値を求めることができる ヒストグラムや代表値などを用いて資料の傾向をとらえ説明することができる 誤差や近似値 については, 単元 正負の数 の中で, 実測を伴う仮平均の学習 ( 藤原,2011) や累乗の学習と関連付けて指導済み 4

単元指導の流れ (1 年 C 組 ) 第 1 時ヒストグラム 10cm sense はあるかな? 次時授業のねらい 今年度は移行措置中なので小 6 で未習 1 主に習得 2 主に活用 1 紙テープを目分量で10cmで切り, 学級全員の記録の散らばり具合をうまく表す方法を考え, ヒストグラムを学ぶ 2 第 1 時のヒストグラムから,1Cと1Bとで分布がどのように異なるのかをとらえるために, 階級幅を揃えて度数分布表とヒストグラムをかく 3,4 1Cと1Bとで分布がどのように異なるのかを考え, 説明を書く 考えたことを発表し合い, 生徒から出たアイデアに 最頻値 範囲 中央値 などの名前を付ける 階級値を用いた, だいたいの平均値の求め方を学ぶ 5 1A~Cのヒストグラムや代表値等を比較する 教師がSimpleHistを提示 紹介する D 組とE 組とではどちらの図書貸出冊数が多いかを, 根拠を基にして説明する ( 外れ値を除いた平均値, 及び中央値 ) RulerCatchの記録をとる 6 あるレストランのランチ ハンバーグについてのアンケート結果から, 適量と判断される量がいくつか, その根拠を基にして説明する ( 最頻値 ) SimpleHist 提示 7,8 PC 室でSimpleHistやstathistを使いRulerCatchの結果を分析し, レポートをかく 9 レポートにかいた説明を発表し合い, 批評し改善し合うことを通して, 統計的な根拠を基にした説明の仕方を学ぶ 双峰型の分布を層別する考えを学ぶ 10~ 12 双峰型の分布の資料を層別し, 仮説を立ててこれを分析 検証し, レポートをかく 5 自分の位置や全員の記録の散らばり具合を調べるのに良い整理の仕方を考えよう ネームプレートを貼ったら, グラフみたいにならないかな? ( ヒストグラム ) 他のクラスの記録の散らばり具合はどうなっているだろう? 6 第 2 時度数分布表とヒストグラム 1C 1B 第 3 4 時 1C 比較 分析 1B 比較するには? 目盛を合わせて並べる グラフを合わせる グラフを重ねる 折れ線にして重ねる 1B 1C と 1B を比較したいけど, 階級幅が異なるので比較しづらい 階級幅が等しくして度数分布表に 1B の記録をまとめ, ヒストグラムをかこう ( 度数, 階級 ) 1C と 1B の散らばり具合の違いを説明しよう 留意点 : 根拠 理由を書く 習った用語を用いる 1Cは10.0cm 以上 11.0cm 未満の度数が多いけど 最頻値 1Bの方が広く散らばっている 範囲 平均は 平均値 真ん中の人は 中央値 7 8

第 5 時中央値を用いて説明, 及び外れ値 問題次の表は,D 組とE 組の生徒 ( 各学級全 20 人 ) が, ある期間に図書室から借りた本の冊数を, 借りた数が少ない順に並べたものです どちらのクラスの方が よく借りている といえますか あなたの考えとその根拠を説明しなさい (~である なぜなら~) D 組 2 2 3 3 3 3 4 4 4 4 5 5 5 5 5 5 6 6 7 9 E 組 0 0 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 3 3 3 3 4 4 7 50 平均値はD 組もE 組も同じ 困ったなぁ E 組は50 冊の人が飛び抜けて多いが, 他の人は借りてない よく借りている といえるのか? 最少と最多の人を除いて平均値を求めてみたら? 中央値と同じくらいになった 中央値で比べるとよい 中央値は外れ値によって影響を受けにくい 9 第 6 時最頻値を用いて説明, 及び度数折れ線 問題あるレストランで, ランチのハンバーグの量を決めるために, 何 gくらいが適量かを客に質問し, 右の度数分布表の結果を得ました このとき, 次の問いに答えなさい (1) ヒストグラムと度数折れ線を完成させなさい 生徒 : 手作業 教師 : 統計ソフト (SimpleHist) (2) このレストランは, ランチのハンバーグの量はいくらにすればよいでしょうか あなたの考えとその根拠を説明しなさい (~ である なぜなら ~) 重さ (g) 人数 ( 人 ) 以上未満 100~130 7 130~160 40 160~190 13 190~220 10 220~250 9 250~280 9 280~310 7 310~340 5 計 100 ヒストグラムと度数折れ線とは面積が等しい 10 自分の反応時間の記録を取る 第 7 8 時 PC 室でレポートづくり 時間 を 長さ に置き換えて記録 人権上の配慮 指導も 第 7 8 時生徒のレポート ( 例 ) 11 傾向を読み取り根拠を明らかにして説明する姿 12

成果 習得 の授業構成の視点 Ⅰ. 生徒の主体性と問題解決 Ⅱ. 生徒による統計的概念の生成 Ⅲ. 表やグラフをかく手作業の重視 Ⅳ. 統計的な手法を用いた説明の漸次的な導入 を基に 習得 の授業モデルを作成し, 実践した. その結果, 活用 の前提となる活動が実現するとともに, 実際に 活用 の場面で, 身に付けた知識 技能及び見方や考え方を適切に用いて傾向をとらえ説明する姿が確認された. 今後の課題 中 1 資料の散らばりと代表値 において, 統計的な 探究 に向けた 活用 の在り方について理論的, 事例的に検討すること これらの実践を基に統計的な 探究 の実践を行い, その可能性を探ることなど 13 14 参考 引用文献 川上貴 (2010) 小学校低学年児童の分布の見方に関する実態 - グラフづくりの場面の分析 -, 第 43 回数学教育論文発表会論文集,pp.223-228. 相馬一彦 (2008) 考える力と知識 技能を バランスよく, 同時に - 活用させながら習得させる授業 を -, 日本数学教育学会誌第 90 巻第 5 号,pp.23-28. 重松敬一ほか (2011) 中学数学 1, 文部科学省検定教科書見本版, 日本文教出版. 藤原大樹 (2012) 統計的思考力の育成を目指した中 1 資料の散らばりと代表値 の単元指導と評価に関する事例的研究, 平成 23 年度横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校個人研究論文.( 印刷中 ) 藤原大樹 松元新一郎 (2012a) 資料の活用 授業づくり講座統計の指導を豊かにするために 4 ヒストグラムや代表値などの知識 技能の習得 (1), 明治図書,pp.86-91. 藤原大樹 松元新一郎 (2012b) 資料の活用 授業づくり講座統計の指導を豊かにするために 5 ヒストグラムや代表値などの知識 技能の習得 (2), 明治図書,pp.86-91. 文部科学省 (2008a) 中学校学習指導要領解説数学編. 文部科学省 (2008b) 中学校学習指導要領解説総則編. 文部科学省 (2008c) 中学校学習指導要領解説総合的な学習の時間編. 渡辺美智子 (2007) 統計教育の新しい枠組み - 新しい学習指導要領で求められているもの -, 数学教育学会誌第 48 巻,pp.39-51. 渡辺美智子 (2011) 科学的探究 問題解決 意思決定のプロセスを通して育成する統計的思考力, 科学教育研究 Vol.35 No.2,pp.1-13. Dani Ben Zvi and Joan Garfield(2004), Statistical Literacy, Reasoning and Thinking: Goals, Definitions, and Challenges, in Dani Ben Zvi and Garfield (ed.), The Challenge of Developing Statistical Literacy, Reasoning and Thinking, Kluwer Academic Publishers. 15 以下, 参考資料 習得 の後の 活用 の場面 16

第 7 8 時レポート作成 問題 1 年 C 組と先生とでは, どちらの反応時間が速いといえるでしょうか 根拠を基にして説明しなさい 第 7 8 時生徒のレポート ( 例 ) レポート作成の手順 1 SimpleHist を使用してヒストグラムや度数折れ線を表示し, コピーし, 名前を書いたExcelシート 貼り付け用紙 に貼り付けて印刷する 2stathistを使用したい者は, グラフを重ねて表示して印刷する 3 印刷したグラフを切り取って レポート用紙 に糊付けし, 結論とその根拠を書く 教師の役割 ソフトの使用方法を説明する ソフトの使用を補助する レポートの根拠を明確に書かせる 17 18 第 9 時レポートの発表, 相互評価 問いの流れ 自分以外のみんなは, どのようなことを根拠にして, どのように結論付けたのだろうか? 比較をするために, グラフはどんな表し方をしているのだろうか? ( 4 人グループで発表 ) (4 人グループの他者のレポートに対して ) 1 結論 ~の方が速い はそれで良いだろうか? 意見する視点 2 結論の根拠は説得力をもっているだろうか? 3 学習した用語は正しく用いることができているだろうか? 4 比較するためのグラフの表し方でより良い方法はないだろうか? 統計的な根拠を基にした 良い説明 とはどのような説明なのだろうか? ( レポートの振り返り ) 結論は本当にそうなのか? さらに詳しく分析する方法はないのだろうか? ( 改めて代表値や分布に着目し, 今後の課題を見付ける ) 19 1 年 C 組 と 先生 20

第 10~12 時仮説を立て, 検証し, レポートを作成 先生 男性 と 女性 仮説を立てる 男性の先生が速くて女性の先生が遅いだろう 生徒はその間くらいだろう 40 歳未満の先生は早くて40 歳以上の先生が遅いだろう 生徒はその間くらいだろう など 実際に層別したデータで分析する 第 9 時の よい説明 の学習を生かして, レポートを作成する 指導に生かすための評価 記録するための評価 21 22 先生 40 歳未満 と 40 歳以上 23 24