テラビック錠250mg 適正使用に関する重要なお知らせ

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

ステロイド療法薬物療法としてはステロイド薬の全身療法が基本になります 発症早期すなわち発症後 7 日前後までに開始することが治療効果 副作用抑制の観点から望ましいと考えられす 表皮剥離が全身に及んだ段階でのステロイド薬開始は敗血症等感染症を引き起こす可能性が高まります プレドニゾロンまたはベタメタゾ

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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測されている (7) 医薬品ごとの特徴現時点では 原因医薬品ごとの特徴についての知見は得られていない (8) 副作用発現頻度人口 100 万人当たり年間 1~6 人との報告がある (9) 自然発症の頻度自然発症の頻度は明らかではない 発症の原因としては 医薬品 ( 健康食品を含む ) によるものが多

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ず一見蕁麻疹様の浮腫性紅斑が初発疹である点です この蕁麻疹様の紅斑は赤みが強く境界が鮮明であることが特徴です このような特異疹の病型で発症するのは 若い女性に多いと考えられています また スギ花粉がアトピー性皮膚炎の増悪因子として働いた時には 蕁麻疹様の紅斑のみではなく全身の多彩な紅斑 丘疹が出現し

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Q. SJS の好発時期は? A. 原因医薬品の服用後 2 週間以内の発症報告が多いです しかし 数日以内あるいは 1 カ月以上経過してから発症することもあるので注意が必要です 眼病変は 皮膚などの他の粘膜病変とほぼ同時期 あるいは半日ないし一日程度先行して認められ 両眼性の急性結膜炎を生じます Q

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食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

ルギー性接触皮膚炎症候群と診断されました 欧州医薬品庁は昨年 7 月にケトプロフェン外用薬に関するレヴュー結果を公表し 重篤な光線過敏症の発症は10 0 万人に1 人程度でベネフィットがリスクをうわまること オクトクリレンが含まれる遮光剤が併用されると光線過敏症のリスク高まることより最終的に医師の処

針刺し切創発生時の対応

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1 MRSA が増加する原因としては皮膚 科 小児科 耳鼻科などでの抗生剤の乱用 があげられます 特にセフェム系抗生剤の 使用頻度が高くなると MRSA の発生率が 高くなります 最近ではこれらの科では抗 生剤の乱用が減少してきており MRSA の発生率が低下することが期待できます アトピー性皮膚炎

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び


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日産婦誌58巻9号研修コーナー

内用剤 注射剤 外用剤 旧 ( 変更前 ) 新 ( 変更後 ) ボインリール錠 25 チアプリド錠 25mg 日新 * ボインリール錠 50mg チアプリド錠 50mg 日新 * メバリッチ錠 5 プラバスタチン Na 錠 5mg NS メバリッチ錠 10 プラバスタチン Na 錠 10mg NS

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副作用収集状況 市販直後調査期間中 (2011 年 4 月 11 日 ~2011 年 10 月 31 日 ) に収集された副作用は 200 例 258 件でした そのうち 重篤な副作用は 8 例 14 件でした 副作用の内訳を表 1 に示します 重篤な副作用は 高カルシウム血症 3 件 意識変容状態

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内 サビスミンSRカプセル37.5mg 37.5mg1カプセル ジクロフェナクナトリウム徐放カプセル 2/ 全星 内 サンバゾン錠 50mg 50mg1 錠 エペリゾン塩酸塩錠 5.80 旭化成ファーマ 内 スパシオール錠 2.5mg 2.5mg1 錠 エナラプリルマレイン酸塩錠 9.9

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社内資料 ph 変動試験 セファゾリン Na 注射用 1g NP 2014 年 6 月ニプロ株式会社 セファゾリン Na 注射用 1g NP の ph 変動試験 1. 試験目的セファゾリン Na 注射用 1g NP は セファゾリンナトリウムを有効成分とするセファロスポリン系抗生物質製剤である 今回

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変更一覧表 変更内容新現備考 Peak 50~60 Trough 4 未満 Peak 20.0~30.0 Trough 8.0 以下 アミカシン 静注投与後 1 時間 Trough 1 未満 Peak 4.0~9.0 Trough 2.0 以下 トブラマイシン 静注投与後

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

TTP 治療ガイド ( 第二版 ) 作成厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究班 ( 主任研究者村田満 ) 血栓性血小板減少性紫斑病 (thrombotic thrombocytopenic purpura:ttp) は 緊急に治療を必要とする致死的疾患である

ペガシスによる治療をお受けになられる患者さまへ

- 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読みください - 効能又は効果 用法及び用量の一部変更 使用上の注意改訂のお知らせ 平成 23 年 5 月 劇薬 処方せん医薬品 ( 注意 - 医師等の処方せんにより使用すること ) エタンブトール製剤 エタンブトール塩酸塩錠 このたび 標記製品の 効

注 ) 注 1 2 3) 本剤に対する処置 継続中止休薬減量 発疹 71.05% (4286/6032 例 ) 8.75% (528/6032 例 ) 5.12% (309/6032 例 ) 12.25% (739/6032 例 ) 皮膚乾燥 85.23% (629/738 例 )

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研修コーナー

Transcription:

テラビック 錠 250mg 適正使用に関するお知らせ 2012 年 10 月 田辺三菱製薬株式会社 テラビック 錠 250mg による 重症薬疹に関する注意喚起の件 ~ 皮膚科専門医との連携の徹底について ~ 平素は 弊社製品につきまして格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます テラビック 錠 250mg( 以下 テラビックと記載 ) については ペグインターフェロンアルファ-2b( 遺伝子組換え ) 及びリバビリンとの併用投与により 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 等の全身症状を伴う重篤な皮膚障害が発現するおそれがあることから テラビックを含む3 剤併用療法を行う際には 重篤な皮膚障害の発現には十分にご留意頂くとともに 皮膚科専門医との連携の上 ご使用いただくよう お願いしております 今般 テラビック投与中に 中毒性表皮壊死融解症 (TEN) の報告が2 例あり そのうち1 例は死亡に至った症例であったことから 本剤使用に際しては 引き続き 重篤な皮膚障害の発現に十分ご留意頂くとともに 早期に皮膚科専門医との連携を行っていただき 適切な処置を行っていただきますようお願い申し上げます テラビックの使用に際しては 必ず皮膚科専門医との連携を行ってください グレード 1 から 3 へ急激に悪化し死亡に至った症例も報告されている ので グレード 1 の皮膚障害の時点でも必要に応じて皮膚科に紹介 してください グレード 2 以上の皮膚障害が発現した場合は すみやかに皮膚科 専門医と連携の上 適切な処置を行ってください 1

皮膚障害のグレード表とグレード別対応フローチャート 出典 : テラプレビル適正使用ガイド 2

性 年齢 男 60 歳代 重篤な皮膚障害の概要 ( 詳細 ) 中毒性表皮壊死融解症 (TEN) 症例 1 患者 使用理由 ( 合併症 ) C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善 ( 不眠症 ) ( 高血圧 ) ( 高尿酸血症 ) ( アレルギー性鼻炎 ) 1 日投与量 投与期間 1,500mg 56 日間 1,000mg 7 日間 副作用 経過及び処置 中毒性表皮壊死融解症 発熱 倦怠感 血中尿酸増加 腎機能障害 紅斑 下痢 食欲減退 多臓器不全 インターフェロン +リバビリンの前治療歴あり 投与開始日テラビック 1,500mg/ 日 リバビリン 800mg/ 日 ペグインターフェロン α-2b 1.4μg/kg/ 週にて治療開始 発熱 倦怠感発現 前回 2 剤療法施行時 副作用症状として 皮疹 浮腫等あったため テラビックを 1500mg/ 日と減量で開始した 投与 6 日目開始当初より皮膚掻痒感 上下肢に発赤疹ありプレドニゾロン (20mg ~73 日目 ) 内服開始 グレード 1 投与 15 日目症状改善にてプレドニゾロン 10mg に減量となる 投与 50 日目顔面に皮疹 外用薬にて経過観察 投与 57 日目顔面 大腿部に皮疹 左上腕 IFN 刺入部中心に潰瘍形成 テラビック 1000mg/ 日に減量 減量していたプレドニゾロンを 20mg に再増量 ケトプロフェン経皮鎮痛消炎剤 (1 枚 / 日 ~73 日目 ) 貼付 ベタメタゾン ゲンタマイシン軟膏 (1.2g/ 日 ~73 日目 ) 塗布 投与 64 日目皮膚症状悪化 両上肢に潰瘍伴う発疹 顔面に皮疹 テラビック中止し ( 発現日 ) グリチルリチン酸 iv 施行 プロチゾラム口腔内崩壊錠 (0.25mg/ 日 ~72 日目 ) 経口投与 グリチルリチン酸注 (80ml/ 日 ~73 日目 ) 静注 投与 67 日目四肢に発疹出ており 皮膚潰瘍も伴っていたため 入院のうえメチルプレドニゾロンパルスを開始 注射用メチルプレドニゾロン (1000mg/ 日 ~70 日目 ) 静注 投与 68 日目ブドウ糖加アセテート維持液注 (200ml/ 日 ~73 日目 ) ビタミン製剤静注用 (1V/ 日 ~73 日目 ) ヘパリン 10 単位 (10ml/ 日 ~73 日目 ) 静注 投与 70 日目ジクロフェナクナトリウム (25mg/ 日頓用 ~71 日目 ) 投与 投与 71 日目経口摂取可 全身状態安定 両上肢の潰瘍あるも やや改善傾向 ロキソプロフェン錠 (180mg/ 日 ~72 日目 ) 経口投与 注射用メチルプレドニゾロン (500mg/ 日 ~72 日目 ) 静注 投与 72 日目急速に病態悪化し 両上肢の潰瘍 皮疹の増悪と 両下肢に水疱を伴った表皮壊死が広がる リバビリン投与中止 ジクロフェナクナトリウム (25mg/ 日頓用 ~73 日目 ) 投与 投与 73 日目前日夕食まで摂れていた経口摂取も困難となる 急速に全身の表皮壊死が始まっていた グレード 3 そう痒感有 水疱 表皮剥離 体表面積の 40% 多臓器不全緊急時対応の流れに従い 連携先皮膚科がある B 病院へ転院となる 四肢 体幹の表皮が熱傷のように剥離 水疱を形成し 圧迫のみで表皮剥離する状態であった ペグインターフェロン α-2b 投与中止 高カロリー輸液 (1003ml/ 日 ) 電解質輸液 (500ml/ 日 ) カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム注 0.5%10ml(10ml/ 日 ) トラネキサム酸注 (250mg/ 日 ) セファゾリンナトリウム注射用 1g(1g/ 日 ) 生食液注 (100ml/ 日 ) 人免疫グロブリン G 静注用 (2500mg/ 日 ) 注射用メチルプレドニゾロン (1000mg/ 日 ) 静注 投与 74 日目中毒性表皮壊死症疑いにより死亡 併用薬 ( 併用被偽薬 ): ペグインターフェロンα-2b リバビリン 3

性 年齢 女 50 歳代 中毒性表皮壊死融解症 (TEN) 症例 2 患者 使用理由 ( 合併症 ) C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善 1 日投与量 投与期間 1,500mg 39 日間 4 副作用 経過及び処置 中毒性表皮壊死融解症 細菌性咽頭炎 サイトメガロウイルス検査陽性 血中 β-d- グルカン増加 高尿酸血症 貧血 便秘 痔核 インターフェロン + リバビリンの前治療歴あり 投与開始日テラビック 1,500mg/ 日 リバビリン 400mg/ 日 ペグインターフェロン α-2b 1.4μg/kg/ 週にて治療開始 投与 4 日目腹部に発赤 掻痒出現 ベタメタゾン軟膏 (0.05%)( 適宜 / 日頓用 塗布 ) ヘパリン類似物質軟膏( 適宜 / 日頓用 塗布 ) 処方 高尿酸血症発現 UA 7.2と上昇 アロプリノール (200mg/ 日 ~71 日目まで ) 経口投与開始 投与 6 日目体幹側胸部 ~ 腰背部 手指にそう痒を伴う紅色丘疹あり 皮膚科医によりグレード 2 と診断 クロベタゾール軟膏 (0.05%)( 適宜 / 日頓用 ~ 塗布 ) 処方される 投与 8 日目皮疹拡大ないことを皮膚科医により確認 投与 15 日目 投与 29 日目投与 30 日目 投与 31 日目 投与 33 日目 投与 34 日目 投与 36 日目 投与 38 日目 投与 39 日目投与 40 日目 投与 41 日目投与 42 日目 貧血発現 皮疹消退傾向あり 抗アレルギー剤継続 リバビリン (200mg/ 日 ) 投与変更 37.4 頚部リンパ節腫脹あり顔面の眼周囲をのぞく紅斑出現 37.5 の発熱 フェキソフェナジン錠 クロベタゾール軟膏投与 ツロブテロールテープ (2mg/ 日 ~84 日目 貼布 ) プレドニゾロン軟膏 ( 適宜 / 日 ~82 日目 塗布 ) ルリコナゾール液 ( 適宜 / 日 塗布 ) 投与 38.0 以上の発熱 全身に粟粒大 ~ 米粒大皮疹あり フェキソフェナジン中止 レボセチリジン錠 (5mg/ 日 経口 ) に変更 好酸球 10.6%( 白血球 3770) に増加 顔面皮疹改善傾向 プレドニゾロン (20mg/ 日 経口 ) 開始プレドニゾロン 10mg へ減量 ペグインターフェロンアルファー 2b 投与中止 紅斑再度出現 プレドニゾロン 20mg へ増量 プレドニゾロン軟膏 クロベタゾールスカルプローション ( 適宜 / 日 塗布 ) 併用 滲出性紅斑出現 レボセチリジン 2T に増量 増悪 グレード 3 の判定 入院にて治療中 びまん性紅斑 辺縁に浸潤 口腔内上口蓋に紫斑 ペグインターフェロン リバビリン テラビックすべて中止 皮膚科入院 プレドニゾロン 60mg へup 白血球 8200( 好酸球 7.3%) オロパタジン OD(10mg/ 日 経口 ) 投与 プレドニゾロン (50mg/ 日 ~51 日目 経口 ) 投与 投与 52 日目プレドニゾロン 40mg へ減量 咽頭痛出現 リンパ節腫脹 + 投与 59 日目 38 以上の発熱 細菌性咽頭炎 ( インフルエンザ桿菌 +) に対して セフトリアキソン製剤 (2g/ 日 ~66 日目 静注 ) 点滴開始 投与 60 日目プレドニゾロン (60mg/ 日 ~62 日目 経口 ) 投与 口唇 口腔内のびらん出現 フルオロメトロン点眼液 0.1%( 適宜 / 日頓用 ~89 日目 点眼 ) オフロキサシン眼軟膏 0.3%( 適宜 / 日頓用 ~76 日目 塗布 ) 投与 投与 61 日目皮膚生検表皮壊死あり 亜鉛華 (10%) 単軟膏 ( 適宜 / 日頓用 ~67 日目 塗布 ) 投与 投与 63 日目ステロイドパルス ( メチルプレドニゾロン 1000mg/ 日 3 日間 ~65 日目 静注 ) 投与 アセトアミノフェン (300mg/ 日頓用 ~71 日目 経口 ) 投与 投与 64 日目陰部びらん確認 投与 65 日目口腔内びらん改善

投与 66 日目 プレドニゾロン (60mg/ 日 ~68 日目 ) 内服 セフトリアキソン製剤終了 投与 69 日目紫紅色調の皮疹拡大 口腔内 陰部のびらんも悪化 血漿交換 ステロイドパルス開始 メチルプレドニゾロン (1000mg/ 日 ~71 日目 静注 ) キシロカイン注ポリアンプ1%(10ml/ 日 ~71 日目 手術時の局所注入 ) ヒドロコルチゾン注射用 (100mg/ 日 ~71 日目 透析回路内 ) グルコン酸カルシウム注 8.5%(10ml/ 日 ~71 日目 透析回路内 ) 投与 サイトメガロアンチゲネミア 17+11 投与 70 日目ガンシクロビル (500mg/ 日 ~88 日目 静注 ) 投与 投与 72 日目水溶性プレドニゾロン注射用 (90mg/ 日 ~79 日目 点滴 ) 投与開始 スルファメトキサゾール トリメトプリム製剤 1 錠 フェンタニル注射用 10μg/ml/ 日 ケタミン静注用 0.75mg/ml/ 日 リドカイン点滴用 7mg/ml/ 日静注投与 投与 73 日目キシロカインゼリー 2%( 適量 / 日頓用 ~78 日目 塗布 ) 親水軟膏 ( 適量 / 日頓用 ~78 日目 塗布 ) ベタメタゾン ゲンタマイシン軟膏 ( 適量 / 日頓用 ~78 日目 塗布 ) 投与 投与 74 日目皮疹の悪化 ( 体幹 四肢の紅斑赤み ) 投与 75 日目人免疫グロブリン G(10g/ 日 ~79 日目 静注 ) 投与 投与 80 日目プレドニゾロン 80mg に減量 採血にてサイトメガロアンチゲネミア 11+8 β-d グルカン 28.6 と高値 水溶性プレドニゾロン注射用 (80mg/ 日 ~84 日目 点滴 ) 投与 投与 84 日目スルファメトキサゾール トリメトプリム製剤錠 (12 錠分 3/ 日 ~86 日目 経口 ) を開始 β-d グルカン正常値 サイトメガロ陰性 投与 85 日目プレドニゾロン 65mg へ減量 ヘパリン類似物質ローション ( 適宜 / 日頓用 ~91 日目 塗布 ) 水溶性プレドニゾロン注射用 (65mg/ 日 ~87 日目 点滴 ) 投与 投与 87 日目スルファメトキサゾール トリメトプリム製剤錠 (1 錠 / 日 経口 ) へ減量 投与 88 日目 投与 91 日目 プレドニゾロン (50mg/ 日 ~90 日目 ) 内服へ ガンシクロビル終了 プレドニゾロン (40mg/ 日 ~96 日目 経口 ) へ減量 投与 97 日目プレドニゾロン (30mg/ 日 経口 ) へ減量 皮疹は色素沈着化 びらんなし 口腔内びらん改善 陰部 ; 潰瘍改善 投与 107 日目 TEN 軽快 併用薬 ( 併用被偽薬 ): 不明 5