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【FdData中間期末過去問題】中学数学1年(項と係数/加法と減法/乗法と除法)

曲線 = f () は を媒介変数とする自然な媒介変数表示 =,= f () をもつので, これを利用して説明する 以下,f () は定義域で連続であると仮定する 例えば, 直線 =c が曲線 = f () の漸近線になるとする 曲線 = f () 上の点 P(,f ()) が直線 =c に近づくこ

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(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

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( 最初の等号は,N =0, 番目は,j= のとき j =0 による ) j>r のときは p =0 から和の上限は r で十分 定義 命題 3 ⑵ 実数 ( 0) に対して, ⑴ =[] []=( 0 または ) =[6]+[] [4] [3] [] =( 0 または ) 実数 に対して, π()

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4 3. (a) 2 (b) 1 2 xy xz- x , 4 R1 R2 R1 R xz- 2(a) 2(b) B 1 B 2 B 1 B 2 2

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4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

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Ⅰ 指導と評価の年間計画 及び 評価規準と単元計画 の作成の手引き 1 指導と評価の年間計画 についてこれは 次の 2 の 評価規準と単元計画 の全単元について その概要を記述したものである 生徒の学習活動に対するより適正な評価 及び生徒の学習の改善に生かされる評価 ( 指導と評価の一体化 ) の実

2017年度 金沢大・理系数学

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例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

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1999年度 センター試験・数学ⅡB

限に関しての導入がどのように指導されているか考察し, 問題点を明らかにする 第 3 節では, 小学校から高等学校の微分法までの学校教育を通じて, 極限の概念のもととなる 限りなく近づく という概念がどのように構成されていくのかを考察する 第 4 節では, 前田 (2005) と薬袋 (1997) の

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

補足 中学で学習したフレミング左手の法則 ( 電 磁 力 ) と関連付けると覚えやすい 電磁力は電流と磁界の外積で表される 力 F 磁 電磁力 F li 右ねじの回転の向き電 li ( l は導線の長さ ) 補足 有向線分とベクトル有向線分 : 矢印の位

【FdData中間期末過去問題】中学数学3年(乗除/乗法公式/因数分解)

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第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

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調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

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フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

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Transcription:

指数 対数の価値を伝える教材研究 花木良 要 約 指数対数の学習は, 高等学校 数学 II で行われている. しかし, 実感がわきにくく, 指数対数の価値も伝わりづらい分野の一つである. 筆者もその一人であった. ところが, 対数誕生の話や常用対数表を用いた乗法, 計算尺を知り, 対数に関する印象が変わり, 奥深さがわかった. 調査の結果, そのような話をほとんどの学生は知らず, 指数対数を学習する意義を感じていないことが明らかになった. また指数法則に関する知識も不十分であることがわかった. そこで, 過去の学習指導要領の変遷, 先行研究の考察を行い, 指数 対数の価値を伝える教材の提案を行った. そして, 指数 対数教材の価値を吟味し, 創造的に行えること, 文化的価値があること, 代数学の素地になること, 数学の考え方が学べること, コンピュータサイエンスに関する問題を認識できること, 関数的な見方があることを明らかにした. キーワード : 指数 対数, 計算尺, 常用対数表 1. はじめに指数対数の学習は, 高等学校 数学 II で行われている. しかし, 実感がわきにくく, 指数対数の価値も伝わりづらい分野の一つである. 筆者もその一人であった. ところが, 対数誕生の話や常用対数表を用いた乗法, 計算尺を知り, 対数に関する印象が変わり, 奥深さがわかった. そこで, 実態を探るため, 教員を目指す学生に, そのような話をしたところ, ほとんどの学生がこれらのことを知らず, 対数の学習に関して学習する意義が感じられていないことがわかった. 研究の方法として, 学生への調査を行いその結果を踏まえたり, 過去の学習指導要領や教科書の調査を行ったり, 先行研究の分析を行ったりした. そして, 研究の目的は, 現代に合った指数 対数の指導の改善案を提示し, 指数 対数の指導上の問題点, 教育的 価値を明らかにすることである. 2. 対数誕生の背景志賀 (1999), カッツ (2005) を参考に簡単に対数誕生について紹介する.15 世紀中ばから 17 世紀中ばのヨーロッパは, 大航海時代を迎えていた. 人々は船に乗り, 冒険へ出ていた. 船の位置を知るために, 天文学を用いる天測航法が用いられた. そこでは,10 桁を越す大きな数の計算が行われていた. しかし,10 桁の数の乗法は容易ではない. そんな中, ジョン ネイピア (John Napier, 1550-1617 年 ) は乗法を加法に変換して計算する方法を発見した.1614 年, ネイピアは 驚異の対数法則の記述 を著し, 対数を創造した. そして, 変換を可能にするために対数表を 20 年間計算を続け完成させた. しかし, ネイピアの作成した対数表は扱いづらく, 後にネイピアの共同研究者ブリッグスによって, 常用対数表が完成し

(1617 年 ), 世界中に広まった. その結果, 安全な航海が可能になったり, 対数は天文学者の寿命を倍に延ばした と云われたりしている. さらに, 対数の仕組みを利用して, 表を使わず, 簡単に積を求めるために,1620 年, イギリスのガンターが対数尺を考案した. 3. 調査数学を専門にする教員養成大学の 1 年生 27 人を対象に次の調査を行った. 調査用紙と高等学校の教科書の後ろにある常用対数表, 図 1 のような 4 本の棒をバラバラにし, 配布した. (1) 次の乗法のおよその計算結果を, 乗法をせず, 常用対数表と加法のみで行いなさい.467 187 (2) 4 本の棒のいくつかを使って, 加法を行うにはどうしたらよいですか. 例えば,3 + 5 はどのように行ったらよいですか. また仕組みを考えなさい. (3) 4 本の棒のいくつかを使って, 乗法を行うにはどうしたらよいですか. 例えば,2 4 はどのように行ったらよいですか. また仕組みを考えなさい. (4) はなぜですか. (5) 指数対数が使われている日常場面や現実事象を挙げなさい. (6) 指数 対数を学習する意義を感じましたか. また, その理由を書いてください. (1) は 2 名 (7%),(2) は 17 名 (63%),(3) は 8 名 (30%),(4) は 12 名 (44%) が正答であった. ただし,(3) は棒の使い方のみで, 仕組みまで答えられる学生はいなかった.(4) は 2 乗するという解答のみで,1/2 + 1/2 が 1 というような解答はなかった.(5) は 8 名 (30%) が挙げることができ, 利子, 桁数, 光の光度, 微生物の増加, マグニチュード, 音楽の Hz を挙げていた.(6) に関しては, 三角関数よりは意義を感じない や入試のためという理由がほとんどで, 非常に大きな数, 小さな数をあらすのに便利である. という意見が 1 名からあったが, 演算に関する記述は見られなかった. したがって, 対数が誕生した理由が知られていないこと, 指数対数を学習する意義を感じていないことが明らかになった. また指数法則に関する知識も不十分であることがわかった. そして,(1) に関する常用対数表を用いた乗法, (3) に関する対数尺の長さについての解説, 対数の発見, 計算尺の誕生の話を簡単に行い, 次の調査を行った. (7) 計算尺を知っていましたか. (8) 常用対数表の利用法と計算尺の仕組みを知っての感想を書いてください. (7) は 1 名のみが知っていたと答えた.(8) については, 計算尺を使ってみたい 昔の偉人はすごい おもしろい かけ算をたし算にできるのはたしかに計算は楽になると思った という意見があった. その一方で,3 桁 3 桁では常用対数表を用いないで普通に乗法を行った方が楽だとい 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 2 3 4 5 6 7 8 910 20 30 40 50 60 70 80 90100 1 2 3 4 5 6 7 8 910 20 30 40 50 60 70 80 90100 図 1 4 本の棒

2 1 2 3 4 5 6 7 8 910 20 30 40 50 60 70 80 90100 1 2 3 4 5 6 7 8 910 20 30 40 50 60 70 80 90100 図 2 計算尺による計算 う意見もあり, この例題では乗法が加法で行えるよさを感じない可能性があることがわかった. て, 計算機 ( アルゴリズム ) が新たな内容として加わっている. 昭和 33 年度, 昭和 44 年度の中学校の学習指導 4. 学習指導要領における変遷計算尺と常用対数に焦点をあて, 学習指導要領 要領にも計算尺を用いた乗法と除法が取りあげられている. 昭和 52 年度の中学校数学の学習指導 の変遷を通して, 指数対数の指導を概観する. 要領においては, 3 図形の計量, 統計などに 昭和 26 年の中学校数学科では,3. 計算の方法として, 乗 除の計算は, 計算尺を用いると能率的である が取りあげられており, 乗 除の計算法としては中学二年になって, 計算尺による方法が指導されることになっている この場合に, 次の二つのことをはっきり理解させる必要がある その第一は, 乗 除の場合の位取りの決め方であり, その第二は, 乗 除の場合の目盛の読み方である と書かれている. 昭和 31 年の高等学校数学科では 数学 Ⅰ という科目で, 計算尺が挙げられている. おいて数値計算を行う場面では, 必要に応じて, そろばん, 計算尺又は計算機を使用させて, 学習の効果を高めるように配慮するものとする という一文にのみ計算尺が残っている. 平成元年からは計算尺の文言はなくなる. このような分析から, 計算尺は実用的価値があるため, 学習指導要領に挙げられていた. したがって, 電子計算機の発達で, 計算尺が日常から姿を消すと, 学習指導要領からも消えていった. それと同時に常用対数を用いる計算法も消えてしまった. 代数的内容の d 対数 において 指数の拡張,, 対数の定義と性質, 対数計算, 計算尺の原理 が挙げられ, 形式不易の原理に基く指数拡張の考え方を通して, 累乗のひとつの逆演算として対数を導入し, 代数的な演算がすべて可逆になるようにする また対数計算に慣れさせることによって, 代数的な考え方を深める (1) 指数拡張の原理と, 対数の意味とを明らかにする (2) いろいろな底の場合も, 常用対数に帰着 5. 先行研究の考察現在までに指数対数の指導に関するどのような工夫があるかを紹介する. 関根 (1988) では, 指数 対数を学習する意味を生徒たちに伝える教材づくりを行っている. その中で, 指数 対数を用いると桁数の多い数の乗除が簡単になることを実感をもって理解できる 点を挙げており, 次のような問題を生徒に与えている. させることができることを明らかにする 問題 つぎの計算を有効数字 3 桁で行え. 所要 (3) 常用対数を用いる計算法を扱う 時間 15 分. (4) 比例部分の原理を扱う 1 (356) 3 658 2 (738) 2 (444) 3 (5) 計算尺の原理を明らかにし, その使用法に 3 (281) 4 (179) 2 4 (776) 3 (534) 2 ふれる とあり, 乗法を加法に直したり, 除法 5 (942) 10 (683) 2 6 (871) 10 (993) 7 を減法に直したりする計算が教科書でも扱われている. 昭和 35 年度の高校でも指数のところで計算尺が取りあげられ, 常用対数を扱うことになっている. しかし, 昭和 45 年度では, 計算尺も常用対数も学習指導要領から削除されている. そし この問題では指数を使うことによって常用対数表のよさが伝わるような工夫がなされている. 特に 10 乗は 10 倍になり, 対数をとるよさが感じられる. 一方, 指数倍を行う乗法は行うことになる.

西山 (2001) では, 常用対数の値を求めるためにブルックスの方法を紹介している. これは高校で数学史を学ばせるひとつの意義は, どのような過程を経て現在の数学が出来あがったのかということを追体験させることにあるという観点からである. 寒河江 (2003) は, Napier による対数の発見 を題材に, 原点解釈と計算尺を使用した授業を展開した. その結果, 原点解釈により, 対数の有用性を生徒が捉える事ができるかどうかを明らかにし, 生徒から 対数を自分自身が理解するのに時間がかかったのに, それを発見するとは本当にすごいと思う かけ算をたし算へ変換したところの発想が素晴らしい といった感想が得られた と報告している. また, 歴史的な視点から対数を眺めることと計算尺の利用により, 生徒が対数に対する抽象的なイメージから逸脱し具体的なイメージへ広がった と報告している. 横塚 (2010) は, 級数展開を用いない素数の対数値の求め方を紹介している. そこでは,2 10000 の桁数から log 10 2 の値を求める方法を紹介している. これにより,10 進数の数に対して 10 を底とする常用対数を取ることが自然で扱いやすいものであることが実感できる. また, 志賀 (1999) では, ブリッグスの行った対数表を紹介している. そこでは,10 の平方根を次々と小数点以下 26 桁まで求めた計算結果を抜粋しながら挙げている. ブリッグスは 2 の 54 乗根までを求めている. これをもとに log 10 2 の値を紹介している. このように log の値をどのように求めるのかという点も生徒たちが疑問に思うところであるため, 疑問に答えるような教材は大切であると考える. 熊倉 (2000) は, 数学を学ぶ意義を実感させるための指導において, 次の 4 点が重要であることを主張している. (1) 数学の世界の拡がりを明確にする. (2) 社会への有用性を伝える. (3) ものの見方 考え方が深まるような身の回りの現象との関連を伝える. (4) 美しい, 楽しい と感じさせる場面を提 供する. そして, 対数や対数関数に関して学ぶ意義を実感させる指導上の改善点として 4 点を指摘している.( 熊倉,2012) (1) 導入場面では,log 記号を導入する必要性について指導する. 2 x = 3 を満たす x = 2.32 を正確に表すために, log 記号を導入することについて強調したいとしている. (2) 2 量の関係を示した表を考察する活動を通して, 対数関数の特徴を扱う. (3) 利用の場面では, 等比数列で扱う題材や, 人の感じ方の尺度を示す音の大きさ, 光の強さ等の題材をもとにした問題を扱う. (4) 対数方眼紙を利用した 2 量の関数関係を調べる活動を, 可能な範囲で取り入れる. 著者も, これらの指摘に賛同しており,log の記号に関しては, 指数に着目する場面を導入場面で入れることを提案する. また,(4) に関しては, 事象の考察において威力を発揮するため, 数学を活用するという意味でも重要であると考える. このように指数 対数の指導においては, 歴史, 文化的な価値を伝えようという研究や, 乗法が加法で行えるという実用的な価値, 対数方眼紙を利用した 2 量の関数関係を調べようという実用的な価値を認めた研究が見られるのが特徴である. 6. 指数 対数指導の困難な点 実感がわきにくい点三角比や三角関数は, 三角形や円から想像することができるが, 指数 対数は具体的な図を書くことが難しいため視覚化できなかったり, 指数が大きくなるとどれくらい大きい数かわからなかったり対数を考える場合も大きさの実感がわきにくい. また, 底によって値が変わることも, 実感や量感をわきにくくさせている. 法則に従って演算を拡げていくことに不慣れである点指数の拡張では, 指数法則が成り立つように行われる. このような法則のみを用いて, 新たな数に対して演算を拡張していくという経験は生徒にとっては不慣れなことである. 小学校では現実の

モデルを通して, 小数や分数のかけ算やわり算を学習し, 中学校では負の数のかけ算を現実のモデルを通したり表から帰納的に考えたりして導入している. つまり, 一般に, 負の数のかけ算は, 分配法則から行われない. 中学校で難しいなら, 高校に入ってから負の数のかけ算を分配法則から定義しようという学び直しがあってもよい. 既存の演算をより大きい数の集合に拡張するときには, 今まで成り立っていることを成り立つようにすることは自然な考えであることを伝えたい. 実際, 分配法則が成り立つように負の数の乗法を定義したので, 文字式の計算などでも分配法則が使えることになり, 方程式を解くことができるわけである. 指数に関しては, 指数法則が成り立つように拡張が行われれば, 有理数も扱えるようになり, 実数に対して極限値を用いて定義すれば, 連続な微分可能な関数を作ることができ, 積分が行えるようにもなる. 計算尺の観点でいえばより多くの数を高い精度で求められるようになるわけである. 杉山 (1986) でいわれるような, 今まで成り立っていたものが成り立つと仮定して話を進めようという 仮設をおいて考える 体験が必要である. 7. 指数 対数の指導に関する提案先行研究の提案に加えて, 数学を創造したり発展させたりする体験や歴史的な追体験ができるような指導を行うことを提案する. (1) 表を用いた指数の考察を行う昔の中学校の教科書であったように, 表を用いて, 指数法則を実感したり, 対数を取りたくなったりするような学習を行うことが指数対数の指導においては大切である. 表 1 を与え, 次の計算を 考えさせる. (1) 128 32 (2) 2048 64 (3) 16 2 このような問題は, 昔の中学校の教科書では計算尺の節に見られた ( 鍋島,1953). これを求めると, (1) 128 32 = 2 7 2 5 = 2 12 = 4096 (2) 2048 64 = 2 11 2 6 = 2 5 = 32 (3) 16 2 = (2 4 ) 2 = 2 8 = 256 となり, 指数法則がよみとれる. また, 表があることから, これらの値では加法のみで乗法が行えていることに気づく. しかし, 表にある数は一部でもっといろいろな数の乗法を加法で行えないかと思う. そこに, 対数 log を導入したいという思いが生まれてくる. 現行の中学校の教科書では見られないが, このような素地が中学校であってもよい. 高校の教科書の導入でも取り上げたい. このような問題から, 表を用いて指数の加法をすれば乗法の結果が求まるという歴史的な体験ができる. そして, この表では 4 と 8,8 と 16 の間が開いているので, それを埋めることを考えよう. とし,2 0 や 2 1/2 を考えさせたい. すると,2 0 2 1 = 2 0 + 1 = 2 1 となって欲しいから,2 0 = 1 と決めたくなる. また, なので,2 1/2 = としたくなる. これで表の指数の部分を精密にすることができる. また, 指数は簡単な分数にもかかわらず,2 の累乗の部分では無理数が出てくることがわかる. 次に,2 3/2,2 5/2 を求めていけることが指数法則からわかる. また, 2 1/3 は 3 回かけると 2 になる数と明確に意識することも可能になる.2 の平方根の平方根を取れば, 指数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 2の累乗 2 1 2 2 2 3 2 4 2 5 2 6 2 7 2 8 2 9 2 10 2 11 2 12 値 2 4 8 16 32 64 128 256 512 1024 2048 4096 表 1 2 の累乗 指数 1/4 1/2 3/4 1 5/4 3/2 7/4 2 9/4 5/2 11/4 3 2の累乗 2 1/4 2 1/2 2 3/4 2 1 2 5/4 2 3/2 2 7/4 2 2 2 9/4 2 5/2 2 11/4 2 3 値 1.1892 1.4142 1.6817 2 2.3784 2.8284 3.3635 4 4.7568 5.6568 6.7271 8 表 2 指数を精密にしていく

2 1/4 がわかり, より表が精密にできることがわかる. 開平計算を知っていれば, 平方根の平方根は計算可能な値であることがわかる. このように表の精密化を行えば ( 表 2), 1.6817 3.3635 2 3/4 2 7/4 2 5/2 5.6568 というような計算も可能になる. これらの考察を行うと,2 の累乗を考えているが, その 2 は途中で経由しているだけで, 指数の部分が重要であることが実感でき, 対数への学習へと繋がると考える. また, 常用対数表では底を普段使っている 10 進数の 10 にとるが, それは量感が働きやすいという利点もあることがわかる. log 2 89 は表 1 を見れば 6 と 7 の間であることがわかるが,2 の累乗が頭に入っていないと難しい. しかし,10 を底にとったものは桁数であるので, およその値がわかりやすい. (2) 歴史的エピソードを入れる先行研究や本論文でも紹介したようなネイピアやブルックスの話, 計算尺の話に加えて, 乗法を加法を用いて解くことに関連して, 三角関数にも触れたい.( カッツ,2005) の p.469 にある内容を現代的に要約すると, 2sin a sin b=cos(a-b) - cos(a + b) を用いて, 左辺の値を次のように用いることは, 天文学者達がしばしば行っていた. 0.4378218 に 27.1522 度の正弦を掛けたいときは, sin a = 0.4378218 となる a,cos(a - b),cos(a + b) を表から求め,cos(a - b) - cos(a + b) を計算することで, 乗法を行わず左辺を出した. となる. これも log と同様の考えが見られるし, 積和の公式の有用性が伝わってよい. (3) 乗法と加法の計算量を考えること桁数の多い数の計算において, 乗法と加法では, どれだけの演算を行い, 値を求めているのかを考察する. これにより, 桁数の多い計算では, いかに乗法が手間の多いものであるかが実感できる. そして, ネイピアの発見の価値がわかる. 具体的に, 図 3 のように,7 桁で計算を行うと, 加法では繰り上がったものの加法も数えて高々 13 回の加法が行われ, 乗法では乗法が 49 回と加法が 97 回行われ, 高々計 146 回であり,10 倍以上の演算が行われていることに気づく. これを現代の言葉 計算量 で書くと, 以下のようになり, 8798986 9689798 70391888 79190874 61592902 79190874 70391888 52793916 79190874 85260396944828 加法 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 7, 6, 5, 4, 3, 1, 0 回 8 7-2 = 55 回各段における計算は, 乗法 7 7 = 49 回, 加法 6 7 = 42 回 8798986 +9689798 18488784 加法 0, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 1 回加法 2 7-1 = 13 回図 3 計算量を考えるいかに乗法が加法より手間の多い演算であるかがわかる. 計算量を表すためには, 問題の大きさを表すパラメーターを決める. 今回の加法や乗法の場合は, 桁数をパラメーターでとる. そして, 計算量を議論する際には,O 記法を用いる. パラメーター n についての関数 f(n) に対して, ある一定の値 n 0 と正の定数 c があり,n n 0 を満たすすべての n に対して f(n) cg(n) となるとき,f(n) = O(g(n)) と表記する. 一般に, アルゴリズム理論の関心は, 計算時間や所要メモリー量を減らすためにはどうたらよいかにある. そのため, 演算の回数を考えることは重要である. 加法の計算量は 2n - 1, 乗法は n n + (n + 1) n + (n + 1) n - 2 = 3n 2 + 2n - 2 である. したがって,n と n 2 では n が大きくなったときの差はかなり大きくなることがわかる. そのような感覚は大切であり,n が小さいときには n 2 は n よりはるかに小さくなる. それを無視しようという考えは微分でも見られる. (4) 計算尺を用いること計算尺を用いた計算を指数 対数の導入場面で

不思議な棒として扱って徐々にそのからくりを明らかにしていくのもよいし, 対数を学習し終えたあとで紹介してもよい. そこでは, 次のような対数の性質を計算尺からよみとりたい. 積の対数, 商の対数の理解が深まる log x + log y = log xy,log x - log y = log (x/y) という公式がさきに図 1 の上の 2 本の棒を使った加法と減法を理解していると, 乗法が加法に移っているということが実感できる ( 図 5). log の底の変換公式の理解が深まる対数を学習した生徒は図の計算尺は底がいくつのとき作れるのかが気になるであろう. 実際, 私の話の途中でも, そのような学生からの質問があった. しかし, どの底でもよいことが, 底の変換公式から見てとれる. この式から,a から c に底を変換するとき, log a b は log c b と比例していて, 比例定数は (1/ log c a) であることがよみとれる. 計算尺を通した学習を行うと, 人間の知恵を感じることができ指数法則の理解が深まる. log a 1 b log b 1 a ab log ab b log a log 4 log 3 log 2 log 2 1 2 3 4 5 6 7 8 910 図 4 1 a log a b 1 a b log b 図 5 計算尺の作り方 計算尺の仕組み 8. 指数 対数教材の価値この節では, 指数 対数教材の価値を明らかにする. 創造的に行える 表を用いることで,2 0 や 2 1/2 を求めたくなり, 主体的な学びが期待できる. また,2 以外の数の累乗も調べたくなる. 文化的価値算数 数学教育の目的は, 大きく 3 つの目的, 人間形成的目的, 実用的目的, 文化的目的から考えられる ( 長崎,2010). 計算尺は, 以前は実用的目的を達成するために学校数学で取りあげられていた. しかし, この道具 ( 教具 ) には文化的目的, 数学の有用性, 審美性がある. 実際, 先行研究や著者の調査によっても, 子どもたちが計算尺に興味をもつことが多い. そのため, 今後も学校数学で取りあげられるべきものである. 代数学の素地代数学において群は重要な概念である. それとともに, 形の対称性を記述することもできることから化学でも扱われたり, 離散構造の分析を行う情報科学においても重要な概念である. log x + log y = log xy を学習している. 式をよむ という学びが小学校から行われている. この式をよむ.log を写像だと思うと,x に対して log x という値が決まり, y に対して log y が決まり, その値をたすと,xy に対して決まる log xy の値と一致するということになる.log xy の値から xy の値が一つに決まる (log という写像が単射 ) ならば,xy の値を直接乗法を行うことなく,log x + log y の値から決まることになる ( 図 6). これは代数の言葉でいえば, 正の実数 R + の乗法群から実数 R の加法群への同型写像になっている. 一般に,f が群 (G, * G ) から群 (H, * H ) への準同型写像であるとは, g 1, g 2 G,f(g 1 * G g 2 ) = f(g 1 ) * H f(g 2 ) を満たす場合である. さらに, この写像が全単射 log x y xy 図 6 同型写像 log x log y log x log y log xy

の場合, 同型写像という. 準同型写像があると, 正規部分群などの群の構造を捉えることができるため, 群を学ぶ上で最も重要な概念のひとつである. このような見方は 整数の性質 の単元と関連した次のような問題を解く際にも役に立つ. 2013 年の 39 年後はオリンピックが開催される年であるかどうか を解くとき,2013 + 39 = 2052 が 4 で割り切れるので開催されると解いてもよいが,2013 を 4 で割った余り 1 と 39 を 4 で割った余り 3 を足して 4 で 4 で割り切れるから開催されると解く方法も考えられるようになる. 手間のかかる計算を工夫して求めようという数学の考え方が学べる行列の乗法も一般には簡単ではなく,A 10 を求めることも簡単ではない. しかし, 対角行列に相似変形 ( 対角化 ) できれば, 比較的簡単に A 10 を求めることができる. このような考え方は, 数学を発展させるときに大切であり, それが指数 対数においても感じとれる. コンピュータサイエンスに関する問題を認識できる計算量を減らしたいと考えることは, 現代のコンピュータサイエンスにおいても重要な観点である. なぜなら, どんな計算もコンピュータを用いれば高速で計算することができるわけではないため, アルゴリズムを作ったときには計算量を考えないといけないし, 正確な値を求める計算量の少ないアルゴリズムが作れないときには近似値を求めるアルゴリズムを考えることはよくあることである. 関数的見方が感じとれる関数的見方において, 扱いやすいものに写像を取ることは基本姿勢である. 中学校では比例を学習し, 個数が数えにくいものがあったら, 個数から重さへの関数を作り, 重さを測ることで個数を求めることを行う. 対数は, 乗法が行いにくいから, 行いやすい加法に移す写像を構成している. 9. おわりにこれらの指導提案は, 調査による学生の感想からもわかるように, 指数 対数の価値を伝える教材として十分であると考えられる. これらの提案を実際に高校生に伝え, 高校生の反応を分析し, よりよい指数 対数指導を考えていきたい. 引用 参考文献石畑清 (1989) アルゴリズムとデータ構造, 岩波書店. 熊倉啓之 (2000) 学ぶ意義を実感させる数学の指導に関する研究 - 三角比の授業を通して - 日本数学教育学会誌数学教育 82 巻 11 号, pp.2-10. 熊倉啓之 (2012) 学ぶ意義を実感させる対数および対数関数の指導に関する研究 第 45 回数学教育論文発表会論文集 pp.689-694. 鍋島信太郎ほか (1953) 数学中学二年上, 国民図書刊行会. 寒河江雄一郎 (2003) 対数の発見 の学習による数学的意義理解の一考察 日本数学教育学会誌, 臨時増刊, 総会特集号 85,p.394. 関根郁夫 (1988) 指数 対数関数の教材づくり 学習する意味のわかる教材を目指して 日本数学教育学会誌, 臨時増刊, 総会特集号 70, p.467. 志賀浩二 (1999) 数の大航海, 岩波書店. 志賀浩二 (2004) 新しい数学教科書の構想 ( 中高一貫数学コース ), 岩波書店. 志賀浩二 (2003) 数学 3( 中高一貫数学コース ), 岩波書店. 志賀浩二 (2003) 数学 3を楽しむ ( 中高一貫数学コース ), 岩波書店. 杉山吉茂 (1986) 公理的方法に基づく算数 数学の学習指導, 東洋館出版社. 西山明成 (2001) 三角比の表 と 常用対数表 の作り方数学史を授業に生かす一つの試み, 日本数学教育学会誌, 臨時増刊, 総会特集号 83,p.443. ヴィクター J. カッツ, 上野健爾他監訳 (2005) カッツ数学の歴史, 共立出版. 横塚啓之 (2010) ヘンリー ブリッグスの 対数算術 の内容を中心とする常用対数の歴史を活用した対数教材の開発, 第 43 回数学教育論文発表会論文集 pp.313-318.