北栄町耐震改修促進計画の概要 計画策定の背景 建築物の耐震化の必要性 平成 7 年の阪神 淡路大震災では 地震による直接的な死者数の約 9 割が住宅の倒壊等によるものでした また 被災した建築物 ( 住宅を除く建築物 ) の倒壊による道路閉塞が 避難 消火 救急 物資の輸送等の妨げとなりました 建築基準法の耐震基準は 昭和 56 年 6 月 1 日に大きく改正され この改正以降に建築された建物を新耐震基準によるもの それ以前に建築された建物を旧耐震基準によるものと区分しています 阪神 淡路大震災で倒壊した建築物の多くが 旧耐震基準で建築されたものであったため 耐震性を確保する上で 新耐震基準に適合させることが重要と考えられるようになりました 地震防災戦略 国の中央防災会議は 平成 17 年 3 月に決定した 地震防災戦略 において 地震による死者数及び経済被害額を現在想定されているところから半減させるため 建築物の耐震化を促進し 平成 17 年度時点の耐震化率 75% を平成 27 年度までに9% とする目標を掲げています これを受けて 鳥取県においても建築物の耐震化を促進することを定めた 鳥取県耐震改修促進計画 が平成 19 年 3 月に策定されました 建築物の耐震改修の促進に関する法律 ( 耐震改修促進法 ) 耐震改修促進法は 阪神 淡路大震災の被害を教訓に 建築物の耐震化を促進するため 平成 7 年 12 月に制定されました そして 中央防災会議の 地震防災戦略 の決定及び建築物の地震防災推進会議の国土交通大臣への提言 ( 平成 17 年 6 月 ) を踏まえ より耐震化を促進するため 平成 18 年 1 月に改正されました 法改正の概要 国民の努力義務 国民は 地震に対する安全性の確保を図るよう努めること 耐震化の計画的実施 県は国土交通大臣の定める基本方針に基づき 耐震改修促進計画を策定し 計画的な耐震化の実施に取り組むこと 市町村においても 基本方針及び都道府県耐震改修促進計画を勘案して 当該市町村区域内の建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための計画を定めるよう努めること 建築物に対する指導の強化 特定建築物となる建築物の要件 規模を拡充すること 特定建築物の所有者等が 正当な理由もなく耐震化の指示に従わない場合は この旨を公表することができることとすること 特定建築物 耐震改修促進法第 6 条以下に示す1~3のいずれかの建築物 1 学校 病院 集会場 百貨店 事務所等の多数の者が利用する一定規模以上の建築物 2 火薬類 石油類等の危険物を一定数量以上貯蔵又は処理する用途に供する建築物 3 倒壊により本計画に記載した地震時に通行を確保すべき道路を閉塞するおそれがある建築物
北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実施期間と同じ平成 27 年度末までとします 耐震化の取り組み方針 町は 自らの安全は自らが守る わがまちは わが手で守る という自助 共助の取組みを推進し 支援を行います 想定される地震規模及び被害の状況 鳥取県で発生が想定される地震と被害の予測は 平成 17 年 3 月に 鳥取県地震防災調査研究報告書 で取りまとめられており 北栄町においては 倉吉南方の推定断層による地震が最も強い震度分布を示しています 倉吉南方の推定断層による地震 震度分布 北栄町 町名 倉吉南方の推定断層の地震による被害想定結果 ( 建物被害 人的被害 ) 現況データ建物人的被害人口建物建物被害火災 ( 冬 18 時 ) 朝 4 時夏昼 12 時冬夕 18 時地区別 4 時 12 時 18 時棟数大破数中破数出火焼失死者負傷者死者負傷者死者負傷者 ( 人 ) ( 人 ) ( 人 ) ( 棟 ) ( 棟 ) ( 棟 ) ( 件 ) ( 棟 ) ( 人 ) ( 人 ) ( 人 ) ( 人 ) ( 人 ) ( 人 ) 北条地区 7,81 6,418 6,764 4,442 1 41 1 1 9 北栄町 大栄地区 9,182 8,434 8,621 4,98 2 21 6 5 4 合計 16,983 14,852 15,385 9,35 12 62 16 15 13 鳥取県地震防災調査研究報告書 1-6,1-7
耐震化の現状と目標 1 北栄町における耐震化の目標は 国及び県の減災目標と同様に 想定される地震被害を半減 させることとし 鳥取県地震防災調査研究報告書 の耐震化による被害軽減効果の試算から 次のとおり定めます 住宅の耐震化率の目標 特定建築物の耐震化率の目標 現状 68% 平成 27 年度目標 84% 現状 53% 平成 27 年度目標 88% 耐震性が 耐震性が 耐震性が 耐震性が あるもの あるもの あるもの あるもの 3,177 戸 耐震化の 3,948 戸 9 棟 耐震化の 15 棟 促進 促進 耐震性が 耐震性が 耐震性が 耐震性が 不十分 不十分 不十分 不十分 1,463 戸 748 戸 8 棟 2 棟 * 特定建築物 ( 多数の者が利用する一定規模以上の建築物 ) のうち 町有施設については平成 27 年度までに耐震化率を1% とすることを目標とします また 北栄町地域防災計画では 地震災害時における避難所を指定しており これらについ ても重点的に耐震化を進めます 基本的な取り組み方針 町は 建築物の用途や利用者の状況 災害時に果たす役割や倒壊時に引き起こされる被害状況 等 緊急性や公益性を十分に考慮しながら 以下のとおり適切な役割分担の下に 耐震診断及び 耐震改修を効果的に促進する施策を進めます 町の役割 < 各相談窓口 > 取組みの主体は所有者であるという基本認識に基づき 耐震診断及び耐震改修に関する普及 啓発活動や 環境整備に重点を置き 当事者である所有者等が行う自発的 主体的な取組みを推進します また 耐震改修税制に係る証明書の発行等を行います 所有者等が抱える課題や負担を軽くするため 県及び建築関係団体や地域の各種団体 ( 自治会, 自主防災会等 ) と連携を図り 相談体制の整備 支援制度の充実を図ります 建築物の耐震化は 所有者等の積極的な取組が重要であることから 建築物所有者建築物所有等は自らが所有 管理する建築物の耐震性を確認するための耐震診断を実施し その者等の役割結果耐震性の不足しているものは 耐震改修または建替えを実施するものとします 建築関係団体の役割 区分県北栄町建築関係団体 相談窓口 提供情報 建築関係団体は 県及び町と連携し耐震化施策に協力しながら 耐震診断 耐震改修等に関する技術者研修を実施し 必要な知識の理解と技術向上を図り 住宅所有者等への適切な助言 情報提供を行うものとします 住宅政策課 地域整備課 ( 社 ) 鳥取県建築士会 中部総合事務所 生活環境局建築住宅課 ( 社 ) 鳥取県建築士事務所協会 ( 財 ) 鳥取県建築住宅検査センター ( 社 ) 日本建築構造技術者協会 鳥取県木造住宅推進協議会 耐震化に係る補助 税 耐震化に係る補助 税制 設計 施工の専門業者に関する 制 技術に関する情報 証明書発行 技術に関する 情報 県有施設の診断 改修 情報 耐震化の新技術 工法に関する の実績のある業者に関 町有施設の診断 改修の実 情報 する情報 績のある業者に関する情報
耐震診断 耐震改修の促進を図るための支援策 建築物の所有者等が行う耐震診断 耐震改修等への支援事業 町は 住宅の耐震診断 耐震改修を促進することにより 住宅の安全性向上に寄与するこ とを目的とし 北栄町震災に強いまちづくり促進事業 として住宅の耐震診断 耐震改修 等の実施に要する経費に対して補助を行います 平成 2 年度 対象建物 昭和 56 年 5 月 31 日以前に建築された一戸建て住宅 事業概要 対象事業 耐震診断 ( 一般診断 ) 耐震診断 ( 精密診断 ) 改修設計 耐震改修 対象経費上限額 84, 円 ( 住宅の設計図がある場合 ) 18, 円 ( 住宅の設計図がない場合 ) 24, 円 24, 円 補助対象額は工事費の 23% 補助対象上限額は 1,5, 円 補助率 対象経費の 2/3 耐震改修については次のような要件があります 地域要件 ( 既成市街地 ) 建物要件 ( 前面道路からの距離 ) 収入要件 総合的な安全対策 地震による被害を軽減するため 建築物の耐震化のほか次のような安全対策の実施について も啓発を図ります 1 擁壁 コンクリートブロック塀等の安全対策 2 天井の崩落 窓ガラスの落下防止対策 3 アスベストの飛散防止対策 4 エレベーターの閉じ込め防止対策 5 家具転倒防止対策 建築物の地震に対する安全性の向上に関する啓発及び知識の普及 地震に対する安全性の向上に関して広く知識の普及を図り 耐震化を進めるため啓発活動に 取り組みます 1 地震ハザードマップの活用による啓発 2 相談体制の整備及び情報提供の充実 3 リフォームにあわせた耐震改修の誘導 4 町と自治会 消防団との連携
その他建築物の耐震診断及び耐震改修の促進に関し必要な事項 1 関係団体との連携 協力 2 住宅性能表示制度の利用促進 3 地震保険における割引制度の周知 4 耐震診断 耐震改修マーク表示制度の周知 北栄町耐震改修促進計画 平成 2 年 6 月策定 ( お問い合わせ ) 北栄町地域整備課 TEL858-36-5568 FAX858-36-4595