Microsoft Word - 【全文】県産材活用木造応急仮設住宅供給マニュアル

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災害公営住宅藤が原アパート入居者募集 ( 随時募集 ) 災害公営住宅入居者募集について 県営藤が原アパート5 号棟は, 東日本大震災により住宅を失った方のための公営住宅 ( 賃貸住宅 ) です 現在, 入居者を随時募集しています 申込書類を提出された方を先着順で受付しておりますので, どうぞお気軽に

4. エレベータホール ( 設置する場合 ) 5. エレベーター ( 設置する場合 ) 6. 共用廊下 共用階段 ること 共用玄関等からの見通しが確保されていない場合には 見通しを補完する対策が講じられていること 照明設備 1 共用メールコーナーの照明設備は 床面において50ルクス以上の平均水平面照

表紙

[目 的]

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草 津 市 景 観 形 成 ガイドライン 71


置づけを明確にして 共同施設の地域開放など まちの機能の補完 或いは連携を図りながら 整備を進めます 面整備との一体的なまちづくりの例 2. 団地計画 コミュニティ形成への配慮について周辺地域に開かれた住棟配置計画やオープンスペース 地域コミュニティスペースの設置等により 周辺地域とのコミュニティ形

< > 特別県営住宅 1 棟 県営住宅 2 棟の合計 3 棟である 県営住宅はほぼ満室の状態であるが 特別県営住宅は入居率が 53.3% である 特別県営住宅の間取りは 3LDK であり 約 60 m2と約 70 m2の広さのものがある 特別県営住宅は外観が県営住宅とほとんど変わらず 面積が若干広い

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第 2 号様式 ( 第 30 条関係 ) 標識設置届 次のとおり標識を設置しましたので 春日井市開発行為等に関する指導要綱第 30 条 の規定により 届け出します 事前協議申出 開発事業地の所在地 標識設置日

目次 ( )

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建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の基準 ( 包括同意基準 ) 平成 30 年 9 月 28 日 加古川市都市計画部建築指導課

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便所 縮尺 福祉型便房のある便所の構造 福祉型便房並びに腰掛便座及び手すりの 設けられた便房の構造並びに床置式の小便器の構造 手すり 縮尺 外形 両端部及びわん曲部の構造並びに傾斜路及び階段の両端部の構造 視覚障害者用 床材 縮尺 視覚障害者用床材及び周囲の床材の仕上げ材料 仕上げ方法 色及び形 状

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3-1 道路

2 都市計画法第 34 条第 11 号に係る区域指定の許可基準について 都市計画法の趣旨 施策の方針市街化調整区域において, 市街化区域に隣接又は近接し, 一体的な日常生活圏を構成している市街化の進行した一定の区域を条例で指定し, 予定建築物を周辺環境と調和する用途に制限することにより, 許可の対象

大阪市再開発地区計画にかかる

区域の整備 開発及び保全に関する方針 地区施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 (1) 道路の整備方針区域内外との円滑な交通ネットワークの形成と歩行者等の安全で快適な歩行環境の向上を図るため 街区幹線道路及び区画道路を整備する 生活利便施設や良質な街並みを形成する住宅等の立地を誘導し 地域拠点にふ

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目 次 平方北部物流施設地区地区計画計画書 1P 平方北部物流施設地区地区計画計画図 3P 平方北部物流施設地区地区計画 地区整備計画 の内容の解説 4P (1) 建築物等の用途の制限 5P (2) 建築物の敷地面積の最低限度 6P (3) 建築物等の高さの最高限度 6P (4) 壁面の位置の制限

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再販入札⇒先着順物件調書

藤沢市地区計画運用基準 施行平成 30 年 4 月 1 日 る 本運用基準は, 地区計画の届出に際しての審査の画一化及び円滑化を図るため, 必要な事項を定め 項目第 1 建築物等の用途の制限に関する事項第 2 建築物の容積率の最高限度に関する事項第 3 建築物の建蔽率の最高限度に関する事項第 4 建

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

東京都建築安全条例の見直しの考え方

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

生け垣は 中木 高木を樹冠が重なる ( 目安は 30 センチメートル間隔 ) ように植栽しください エ既存樹木の面積 既存樹木 ( 敷地内で移植計画のある樹木も含む ) についは アからウまでにより算出した面積を緑化面積とすることができます ただし 高さが メートル以上の高木につい 単独木で計算する

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( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

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第 1 号様式 ( 第 5 条関係 ) 開発事業構想届出書 ( 提出先 ) 二宮町長 年月日 事業者住所 氏名 印 代理人住所 氏名 印 電話番号 二宮町の開発事業における手続及び基準等に関する条例第 5 条第 1 項の規定により 関係図書を添えて届け出ます 開発区域の地名地番二宮町 開発区域の面積

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

条例解説6~11条

= 掲載済 12 短期入所生活介護 (P107~P121) 13 短期入所療養介護 (P122~P131) 16 福祉用具貸与 (P153~P158) 17 (P159~P170) 18 入居者生活介護 地域密着型入居者生活介護 (P171~P183) 20 介護老人福祉施設 地域密着型介護老人福祉

老高発 0713 第 1 号 平成 30 年 7 月 13 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局高齢者支援課長 ( 公印省略 ) 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について の一部改正について 今般 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について (

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公津西地区地区計画運用基準

24 7 団地の修繕 改良UR 都市機構では 主に昭和 40 年代から 50 年代前半に管理開始した賃貸住宅について 居住水準の向上に資することを目的として お住まいの方からのお申し込みに基づき 浴室 設備の改良 ( シャワー付ふろがま 大型浴槽 ( シャワー付 ) の設置 ) を行っています なお

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法 34 条 7 号 既存工場と密接な関連を有する事業の建築物等の用に供する建築行為 提案基準 13 既存工場の事業の質的改善 提案基準 25 工業系ゾーンに位置づけられた区域内の工場 及び提案基準 32 研究施設 における工場又は研究施設の規模及び敷地計画 法 34 条 7 号 立地基準編第 2

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二重床下地 という 参考図参照) として施工する方法がある 二重床下地は 支持脚の高さを一定程度容易に調整することができること また コンクリートスラブと床パネルとの間には給排水管等を配置できる空間があることから 施工が比較的容易なものとなっている 2 本院の検査結果 ( 検査の観点 着眼点 対象及

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

01〔物件明細〕【高架下②】(摂津市鳥飼本町).xlsx

2-5 住宅の設備

1) 庁舎位置の中心性建設候補地の評価 比較添付資料 1 人口重心との位置関係 候補地 1 現庁舎敷地 直線距離 250m 直線距離 1.4Km 候補地 2 都市広場 直線距離 1.3Km 候補地 3 鳥栖スタジアム第 4 駐車場 この地図は国 地理院の電 地形図を使 したものです 1

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第 3 号様式 ( 第 3 条関係 ) 不燃化推進特定整備地区整備プログラム 品川区 豊町 丁目 二葉 3 4 丁目及び西大井 6 丁目地区 平成 25 年 11 月第 1 回変更認定平成 27 年 10 月第 2 回変更認定平成 29 年 3 月 品川区

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○新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

緑ヶ丘地地計画 ( 前項つづき ) 地 計 画 地施設の設置及び規模 建 築 物 等 に 関 す る 事 項 地名称の分建築物の用途の制限 緑地広場歩道状空地行政センター地 ( A) 面積約 2,000 m2 計画図表示のとおり 面積約 150 m2 計画図表示のとおり 幅員 2m 延長約 290m

日影許可諮問(熊野小学校)

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ガイドライン分割5

本町二・四・五・六丁目地区の地区計画に関する意見交換会

1 基本的な整備内容 道路標識 専用通行帯 (327 の 4) の設置 ( 架空標識の場合の例 ) 自 転 車 ピクトグラム ( 自転車マーク等 ) の設置 始点部および中間部 道路標示 専用通行帯 (109 の 6) の設置 ( 過度な表示は行わない ) 専 用 道路標示 車両通行帯 (109)

窓シリーズ商品サーモス Ⅱ-H 引違い窓 単体引違い カラーバリエーション ショコラウッド キャラメルウッド 内観色 ニュートラルウッド ライトウッド ホワイト シャッター一体引違い イタリヤ 電動タイプ 手動タイプをご用意 幅広い要望にお応えできる 鋼板窓シャッターです 開閉方法 内観 ( ホワイ

Ⅰ. 概要 団地型マンションの修繕に対する資金 ( 会計 ) は棟別に会計するのが理想とされるが 実際に棟別会計が必要か? 団地型マンションで 現在一般的に取られている会計手法を整理し 棟別会計の利点を確認 実際にはどのように棟ごとに修繕費の格差が生じているかを検証 団地型マンションにおける修繕費の

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根拠条項 第 131 条の 2 第 3 項 壁面線の指定等がある場合の高さ制限の例外認定 法令の定め第 131 条の 2 3 前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合又は前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ 後退して法第 68 条の 2

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東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

1 見出し1

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2) 行政機能ゾーニングについて新庁舎の整備において 各部署の庁内配置については 来庁舎の利便性と職員の業務効率の向上等の観点から以下のように考えます 1 町民の利用頻度が高い部署の考え方 相談 窓口 情報提供 の機能を有する町民の利用頻度が高い部署は 町民の利便性と来庁のしやすさに配慮して 1 階

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開発許可申請の手引き 平成 31 年 4 月改訂 熊本市都市建設局

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73,800 円 / m2 幹線道路背後の住宅地域 については 77,600 円 / m2 という結論を得たものであり 幹線道路背後の住宅地域 の土地価格が 幹線道路沿線の商業地域 の土地価格よりも高いという内容であった 既述のとおり 土地価格の算定は 近傍類似の一般の取引事例をもとに算定しているこ

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(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

目次 方針策定の背景 1-1. 用途地域指定の基本的な考え方 1-2. 住居系 [ 第一種低層住居専用地域 ] [ 第二種低層住居専用地域 ] [ 第一種中高層住居専用地域 ] [ 第二種中高層住居専用地域 ] [ 第一種住居地域 ] [ 第二種住居地域 ] [ 準住居地域 ] [ 田園住居地域 ]

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住宅地区 A 約 41.1 ha (1) 長屋 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) (2) 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 建基法 という ) 別表第 2( い ) 項第 3 号に掲げる共同住宅 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) 寄宿舎又は下宿 (3) 建基法別表第

Transcription:

Ⅳ 応急仮設住宅建設の留意点 1 配置計画の工夫について 高齢者等の孤立防止 入居者同士の交流促進 コミュニティ形成の観点から 応急仮設住宅地の配置計画上の工夫を行うことが必要です 上記の観点から 東日本大震災では 玄関を向かい合わせにしたり 掃き出し窓に濡れ縁を設置するといった配置計画等の工夫が取り組まれています ( 参考 ) 玄関を向かい合わせた配置計画については 他人から見られる 見える といったプライバシーに関することや 居室の日当たりの格差がある といった入居者の意見もあり 管理市町村から今後玄関対面は採用しないといった意見もあります ( 参考 : 国土交通省住宅局住宅生産課 (2012) 応急仮設住宅建設必携中間とりまとめ ) 2 住棟の配置 住棟の配置は可能な限り 東西又は南北配置とします (1) 東西配置玄関を北向き 主開口部 ( 居室側 ) を南向きとした並列配置を基本とします これにより 日照に関する不公平が生じにくい配置となります (2) 南北配置主開口部 ( 居室側 ) が向かい合い 棟別に東及び西に向く中庭を形成するような形式とすることで 入居者間のコミュニティの形成及び維持がしやすくなりますが その反面プライバシーの問題が生じます 水回りによっては 向かい合う2 棟で外部の給排水配管を1 系統とする経済的な施工が可能となります 3 連棟 連棟住戸で計画する場合は 通路等の動線計画を考慮すると 2 戸から6 戸とするのが基本となります ( 左記戸数は 参考 : 神奈川県 (2006) 神奈川県応急仮設住宅供給マニュアル ) 鳥取県の木造応急仮設住宅については 全戸戸建て形式としています これは 連棟式では起伏のある敷地では様々なタイプを設計する必要があり設計に時間がかかる アパートなどへの居住経験が無い入居者は 隣の音が気になるなどの問題が生じる事等を考慮し 隣戸間に隙間 (60cm ) をとることとしたものです ( 参考 : 木を活かす建築推進協議会 (2012) 福島県三春町における木造による応急仮設住宅の建設 木を活かした応急仮設住宅等事例集 ) 木造応急仮設住宅 1 60cm 木造応急仮設住宅 2 木造応急仮設住宅 6 騒音 39

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4 戸別面積 (1) 単身用 :19.8 m2 (6 坪 ) (2) 小家族 (2~3 人 ) 用 :29.7 m2 (9 坪 ) * 標準規格として最も多く活用されている (3) 大家族 (4 人以上 ) 用 :39.6 m2 (12 坪 ) 5 造成 (1) 高低差 : 高低差の処理は法面で行い 擁壁などの工作物は極力設けません (2) 雨水排水 : 表面排水が可能なように 宅地の高さを設定します (3) 給水 : 市 公営水道に直結します (4) 汚水 : 公共下水道に直結します ただし 公共下水道が未整備の場合は 合併処理浄化槽を 設置します 6 応急仮設住宅 (1) 一般的な仕様及び設備原則として 災害救助法に基づく災害救助基準により整備を行うこととなりますが 地域の実態あるいは被災者のニーズに合わない場合には 戸数 規模 設備などについて 内閣総理大臣と協議することにより 融通性を持たせた 特別基準 を運用してもよいことになっています ア. 各部仕様 (1) 屋根については 夏場の日射による温度上昇を抑制する措置 ( 遮熱 断熱措置 ) を行います (2) 居室の開口部については 外との出入りやコミュニティ等の観点から 腰窓 ではなく 掃き出し窓 を設けます ただし 豪雪地では 積雪の深さを考慮します (3) 玄関については 通風等の観点から 網戸 の設置を標準とします (4) 木造応急仮設住宅の居室については 無垢フローリング 又は 畳の間 を標準仕様とします (5) 開口部は 二重サッシ又はペアガラス入り建具を標準とし 地域区分により仕様を検討します (6) 立地条件等に合わせ 物干し場 のフックの取り付け位置 庇 の設置や長さ及び 風除室 の設置等について検討します (7) 木造応急仮設住宅に使用する木材は 鳥取エコハウス推進協議会が開発した鳥取県産規格材を使用します ( Ⅵ.6 鳥取県産規格材 (P69) 参照) 41

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イ. 設備仕様 (1) 空調設備については エアコンを 2 台設置することを前提とした仕様とします 一方 居室間の間仕切り壁の工夫によって エアコン 1 台でも複数室を空調できるようにします (2) 給湯設備については 浴室 洗面 キッチンの 3 点給湯とし 浴室については ユニットバス ( 追い焚き付き機能付き ) とします (3) 浴室のシャワーの取り付け位置は浴槽上の壁面ではなく 洗い場側の壁面に設置します (4) 浴槽にためた残り湯を洗濯水に使えるように 浴室と洗濯機 ( 洗濯機パン ) の位置に配慮した平面計画とします (5) 室内には 住宅用火災報知器を設置します (6) 外部設備として テレビアンテナ及び郵便受けをそれぞれ1 箇所設置します (2) 高齢者仕様 (1) 扉の仕様 ( 引き戸または片開き ) や玄関扉等の開口幅 玄関 トイレ 浴室及びその他必要な部分への手すりの設置等に配慮をして計画します (2) トイレ 浴室等の出入り口の段差解消や入浴しやすい浴槽のまたぎの深さについて 実現性を含め検討します (3) 玄関に通じる敷地内通路はアスファルト舗装を標準とし 必要に応じて出入り口のスロープを設置します (3) その他 日よけ 緑のカーテンなど 暑さ対策の付加的な措置を検討します (4) 福祉仮設住宅段差解消のためのスロープや生活援助員室を設置するなど老人居宅介護事業等の利用者が居住しやすい構造及び設備を有し 高齢者等であっても日常の生活上特別な配慮を要する複数の者を収容する施設 ( 福祉仮設住宅 ) を応急仮設住宅として設置できます 44

福祉仮設住宅は 被災の規模及び程度 被災者のうち高齢者 障がい者等の数並びに施設入所等の状況を勘案し 必要に応じて設置を検討します 設置の際には 必要な戸数を定め 高齢者 障がい者等の利用しやすい設備及び構造に配慮して計画します 45

7 道路 通路 (1) 団地内幹線道路は 車道幅 8mを標準とします (2) 住戸へ至る通路は敷地の許容があれば 荷物搬入を考慮し 自動車の進入が出来る幅員とします 敷地にゆとりがなく 自動車の進入が出来ない場合は幅員 1.5m 程度とします 道から各住戸までの最大距離は 消防条例に定めがなければ 50cmとします (3) 道路及び通路のアスファルト舗装仕様は 路盤 150mm アスコン 40mm 程度とします 敷地境界線 W=1.5m( 狭小敷地の場合 ) 通路 W=0.5m 幹線道路W=8m ( 参考 : 神奈川県 (2006) 神奈川県応急仮設住宅供給マニュアル ) 46

8 駐車場 建設戸数の 70% 相当の駐車台数を計画します ただし 道路管理者が路上駐車を認めるなど 特段の事情があれば 50% 程度とします 駐車場の舗装は 原則 砂利敷き程度としますが 状況によりアスファルト舗装も検討します 9 駐輪場 敷地にゆとりがあり駐輪場が設置できる場合は 1 戸 1 台程度の規模の駐輪場を計画します 設置が出来ない場合は 自転車を各住宅の入り口付近に駐輪することが想定されるため 通路幅に余裕が必要となります 10 広場 (1) 多目的広場 : 資材の搬入及び集会など多目的に利用することを想定し 車道に接して設置します 規模は1 戸当たり 2~3 m2を標準とし 進入路等の仕様は車両が乗り入れできるよう アスファルト舗装とします (2) 児童の遊び場 :1 戸当たり 3m2を目安に設置します 11 ごみ置き場 1 戸当たり 0.4 m2を標準とし 給水栓を設置します なお 事前に建設地の市町村とゴミ収集方 法等について協議します 12 集会所 集会所は おおむね 50 戸以上の応急仮設住宅を同一敷地 ( 又は近接地 ) 内に設置した場合に 内閣府と協議した上で設置することができます 多目的広場 駐車場などと一体的に 1 団地に1 ヶ所の割合で 50 戸に 50m2 100 戸に100m2程度の規模で計画します 集会所に加え 和室 キッチン 多目的トイレを設け 入り口はスロープとし 高齢者等の利用にも配慮します なお 集会所を優先して建設し 応急仮設住宅の建設関係者のための宿舎とすることもできます 13 サポート施設 応急仮設住宅に入居する高齢者 障がい者等に配慮し 一定規模以上の応急仮設住宅建設地には 地域拠点としてサポート拠点の整備を検討します また 入居者の安心 安全の確保 孤独死や引きこもり防止のための心のケア コミュニティの形成及び促進に努めるとともに 女性の参画を推進し 女性を始めとする生活者の意見を反映できるよう配慮します ( 参考 : 高齢者 障がい者等のサポート拠点に必要と考えられる機能 ( 例 )) 総合相談機能 ( ライフサポートアドバイザー (LSA) の配置等 ) デイサービス居宅サービス等 ( 居宅会議支援 訪問介護 訪問看護 診療機能等 ) 配食サービス等の生活支援サービス ボランティア等の活動拠点高齢者 障がい者や子供達が集う地域交流スペース 47

高齢者等のサポート拠点施設 ( デイサービスセンター ) やグループホーム型応急仮設住宅の例について中越地震の際の設置事例を参照すると 中越デイサービスセンターは大規模団地 (459 戸 ) における集会所として 300 m2のものを設置していることから 東日本大震災の被災県の岩手県は 150 戸以上の規模の団地であれば 300 m2のデイサービスセンターを設置することは問題ないと判断しています 設計においては3 方向からの介助が可能なタイプの浴室や オストメイト対応設備を設置するなどの対応も検討します 高齢者等のサポート拠点は 入り口付近に相談室 会議室やトイレを配置し 外部からの利用者が活用しやすいよう配慮します なお 災害救助法の補助対象については 以下のとおり対応します 参考 : 災害救助法の補助対象について ( 岩手県の例 ) 設備災害救助法の補助対象対応 オストメイト対応設備機器 ベビーシート浴室厨房 災害救助法の対象とすることで問題ないものとして厚生労働省協議災害救助法の対象とすることが難しいため 国の補正予算で計上されたサポート拠点等施設費で措置サポート拠点施設本体のみで 5,000 万円程度の費用が見込まれたため 厨房はサポート拠点等設置費等で措置 48

14 植栽 法面の種子吹き付け等 緑化について検討をします 広場の樹木植栽など については 原則として既存のものとします 15 ペット 応急仮設住宅ならではの特別の事情 ( 使用期間 雪下ろし ペット等 ) については 入居者に十分理解してもらう必要があります 特にペットについては これまでペットを飼ってきた被災者にペットの飼育を禁止するのも困難なことから 近隣に対する配慮を促すとともに 場合によっては ペットの飼育を認める団地を設置するなどの対応も必要です 16 その他 (1) 外灯 ( 防犯灯 ) カーブミラー及び非常ベルの 設置について検討します (2) 大規模法面及び擁壁の上部に柵を設けるなど 安全対策を行います (3) 棟番号及び住戸番号を事前に決めるとともに 施設にも名称等を付与します (4) 団地看板 居住者名簿 掲示板 伝言板など適宜設置します (5) 仮設店舗建設用地の確保とその配置図案を検討します (6) 消防水利 ( 防火水槽 消火栓 ) 等の設置について 消防機関と協議を行い 必要に応じて設 置を検討します 49